JPH11166109A - ポリエステル樹脂組成物及びそれを用いた高粘度ポリエチレンテレフタレート樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物及びそれを用いた高粘度ポリエチレンテレフタレート樹脂の製造方法

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JPH11166109A
JPH11166109A JP35015997A JP35015997A JPH11166109A JP H11166109 A JPH11166109 A JP H11166109A JP 35015997 A JP35015997 A JP 35015997A JP 35015997 A JP35015997 A JP 35015997A JP H11166109 A JPH11166109 A JP H11166109A
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polyester resin
resin
resin composition
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polyethylene terephthalate
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JP35015997A
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English (en)
Inventor
Akira Yanagase
昭 柳ケ瀬
Masaharu Fujimoto
雅治 藤本
Terushi Ueda
昭史 上田
Nobuyuki Osako
信行 大迫
Makoto Tokumizu
眞 徳水
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 押出ブロー成形法が適用できる高溶融強度と
高粘弾性を有する高粘度のポリエチレンテレフタレート
樹脂を提供する。 【解決手段】 芳香族テトラカルボン酸二無水物2〜5
0重量%と末端基の50%以下が水酸基であるポリエス
テル樹脂50〜98重量%とからなるポリエステル樹脂
組成物、及び、更に普通粘度のポリエチレンテレフタレ
ート樹脂100重量部に対して、この組成物0.1〜3
0重量部添加し溶融混合する高粘度PET樹脂の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高粘度のポリエチ
レンテレフタレート樹脂を製造する際に添加剤として用
いられるポリエステル樹脂組成物に関する。更に詳しく
は、高粘度のポリエチレンテレフタレート(以下、PE
Tと記す。)樹脂を製造するに際して、PETとの相溶
性が良く、均一で、かつ高い粘度のPET樹脂が得られ
る添加剤としてのポリエステル樹脂組成物及びそれを用
いた高粘度のPET樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にPETは、優れた耐
熱性、機械的特性、耐薬品性、寸法安定性等を有してい
るために、繊維、フィルム、中空容器等に広く用いられ
ている。
【0003】一般に樹脂製の中空容器は、押出ブロー成
形法により製造されている。押出ブロー成形には高溶融
強度と高粘弾性を有する樹脂が必要とされているが、P
ETは溶融強度が乏しく押出ブロー成形中に垂れ落ちや
すい欠点があるため、押出ブロー成形には適していな
い。
【0004】PET樹脂の溶融強度を改善するためには
PETを高粘度化することが有効であり、その方法とし
て、近年、芳香族テトラカルボン酸二無水物のような添
加剤を、極限粘度約0.6dl/gのPET樹脂と溶融
混合して極限粘度0.8〜1.0dl/gの高粘度PE
Tを製造する方法が開示されている(特公表平4−50
5031号公報)。しかしながら、この方法は添加剤で
ある芳香族テトラカルボン酸二無水物とPET樹脂との
相溶性が悪く、均一で、かつ高い粘度のPET樹脂は得
られないことが判明した。
【0005】一方、一般に添加剤をPET樹脂に均一に
分散させる方法として、添加剤を一度ポリエチレンやポ
リプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂と溶融混合し
た樹脂組成物にして使用する方法が知られている。しか
しながら、ポリオレフィン系樹脂組成物はPET樹脂と
溶融混合すると、相溶性が悪いため不透明な製品しか得
られないという問題がある。
【0006】また、特開平8−259677号公報に
は、芳香族テトラカルボン酸二無水物を、流動開始温度
200℃以下のポリエステル樹脂と溶融混合した樹脂組
成物にして使用する方法が記載されている。しかしなが
ら、流動開始温度の低いポリエステルを用いた場合、得
られた樹脂組成物の耐熱性が悪くなるという問題があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、押出
ブロー成形法が適用できる高溶融強度と高粘弾性を有す
る高粘度のポリエチレンテレフタレート樹脂を提供しよ
うとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、押出ブロ
ー成形可能な高い粘度のPET樹脂を製造することので
きる添加剤を鋭意検討したところ、芳香族テトラカルボ
ン酸二無水物を、一旦ポリエステル樹脂と溶融混合した
ポリエステル樹脂組成物として使用することを着想し
た。更に、芳香族テトラカルボン酸二無水物をポリエス
テル樹脂と溶融混合してポリエステル樹脂組成物を製造
するに際して、末端基の50%以下が水酸基であるポリ
エステル樹脂を使用することが、均一で、かつ高い粘度
のPET樹脂を製造する方法として効果があることを見
出し本発明に到達した。
【0009】本発明は、芳香族テトラカルボン酸二無水
物2〜50重量%、及び末端基の50%以下が水酸基で
あるポリエステル樹脂50〜98重量%からなるポリエ
ステル樹脂組成物にある。
【0010】更に本発明は、ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂100重量部に対して上記のポリエステル樹脂組
成物を0.1〜30重量部添加し、溶融混合することを
特徴とする高粘度ポリエチレンテレフタレート樹脂の製
造方法にある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明おいて用いられる芳香族テ
トラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無
水物、2,2′−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)プロパン二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)エーテル二無水物、2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)スルホキシド二無水物などが挙げられる。これらの
中ピロメリット酸二無水物が好ましい。芳香族テトラカ
ルボン酸二無水物は1種のみを用いても2種以上を併用
してもよい。
【0012】本発明においてポリエステル樹脂組成物中
に含まれる芳香族テトラカルボン酸二無水物の量は、2
〜50重量%であることが好ましく、5〜20重量%で
あることがより好ましい。ポリエステル樹脂組成物中芳
香族テトラカルボン酸二無水物が2重量%より少ない場
合は、PET樹脂の高粘度化のために用いられるポリエ
ステル樹脂組成物の添加量が多くなり過ぎ、PET樹脂
本来の性質を失ってしまう。また、50重量%より多い
場合はポリエステル樹脂組成物の製造が困難となる。
【0013】本発明において上記芳香族テトラカルボン
酸二無水物とともにポリエステル樹脂組成物を形成する
のに用いられる樹脂は、末端基の50%以下が水酸基で
あるポリエステル樹脂であることが必要である。このよ
うなポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂組成物を得
るに際し、250℃を超える溶融温度で混練を行って
も、ポリエステル樹脂の末端カルボン酸が芳香族テトラ
カルボン酸二無水物と反応性が低いため、芳香族テトラ
カルボン酸二無水物をポリエステル樹脂中にはゲル化物
を生じることなく分散させることが可能である。ポリエ
ステル末端基の水酸基が50%を超え大部分が水酸基の
場合、250℃を超える溶融温度で混練を行うと、芳香
族テトラカルボン酸二無水物とポリエステル樹脂の好ま
しくない架橋反応が起こり、PET樹脂の後述の高粘度
化工程での粘度向上効果が著しく低下する。
【0014】更に、上記樹脂の末端基の水酸基は、30
%以下であることが好ましい。30%以下の水酸基末端
を有するポリエステル樹脂は、芳香族テトラカルボン酸
二無水物との反応が更に抑制され、ゲル化を生じず均質
な分散が得られ、高粘度化工程における粘度向上効果が
顕著となる。
【0015】また、このポリエステル樹脂は、25℃の
フェノール/テトラクロロエタンの等量混合溶媒中で測
定(以下同)した極限粘度が0.4dl/g以上である
ような分子量を有することが好ましく、0.6dl/g
以上であることが更に好ましい。極限粘度が0.4dl
/gより低い分子量のポリエステル樹脂を用いた場合、
得られたポリエステル樹脂組成物の粘度向上効果が小さ
くなる。
【0016】本発明においてポリエステル樹脂組成物の
製造に用いられるポリエステル樹脂は、あらかじめ乾燥
により水分率を100ppm以下にすることが好まし
く、50ppm以下にすることがより好ましい。水分率
が100ppmを超えた場合、ポリエステル樹脂組成物
の製造の際に芳香族テトラカルボン酸二無水物の加水分
解反応が起こり、後工程におけるPET樹脂の高粘度向
上効果が著しく低下する。
【0017】本発明においてポリエステル樹脂組成物を
構成するのに用いられる前記のポリエステル樹脂を構成
するジカルボン酸としては、テレフタル酸が好ましい。
テレフタル酸以外のジカルボン酸も用いることができ、
例えばイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンカル
ボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸などの脂肪族
ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環
族ジカルボン酸などが挙げられる。これらの中イソフタ
ル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましく用い
られる。これらは1種のみを用いても2種以上を併用し
ても良いが、ジカルボン酸成分の50モル%未満にとど
めるのが好ましい。
【0018】一方、前記のポリエステル樹脂を構成する
ジオール成分としては、エチレングリコールが好まし
い。エチレングリコール以外のジオールの成分として
は、例えばジエチレングリコール、トリメチレングリコ
ール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリ
コール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリ
コール、ポリエチレングリコールなどの脂肪族グリコー
ル、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコー
ル、ビスフェノール類、ハイドロキノン、2,2−ビス
(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなど
の芳香族ジオールなどが挙げられる。これらの中ではジ
エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェ
ニル)プロパンが好ましく用いられる。これらは1種の
みを用いても2種以上を併用しても良いがジオール成分
の50モル%未満にとどめるのが好ましい。
【0019】上記ポリエステル樹脂の製造においては、
上記の重合体構成成分であるジカルボン酸成分及びジオ
ール成分を反応釜に仕込み、加熱昇温して、エステル化
反応、またはエステル交換反応を行う。このとき、必要
に応じてチタンブトキサイド、ジブチルスズオキシド、
酢酸マグネシウム、酢酸マンガン等の通常のエステル化
反応またはエステル交換反応で使用されるエステル化触
媒またはエステル交換触媒を使用することができる。次
いで、常法に従って該反応で生じた水またはアルコール
を除去する。その後引き続き重合反応を実施するが、こ
のとき150mmHg以下の真空下でジオール成分を留
出除去させながら重合を行う。
【0020】重合に際しては通常公知の重合触媒、例え
ばチタンブトキサイド、ジブチルスズオキシド、酢酸ス
ズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモン、二酸化
ゲルマニウム等を用いることができる。また、重合温
度、触媒量については特に限定されるものではなく、必
要に応じて任意に設定すればよい。
【0021】また、ポリエステル樹脂の重合にあたって
は、重合後のポリエステル樹脂の末端基の50%以下が
水酸基となるよう、重合の後期にジカルボン酸を添加し
反応を行うことが好ましい。ポリエステル樹脂の末端水
酸基の割合は、重合開始からジカルボン酸添加までの初
期重合時間を変えることにより任意に設定することがで
きる。
【0022】また、ポリエステル樹脂は、特定の性能を
付与するために各種添加剤を配合したものであってもよ
い。添加剤の例としては、シリカ、タルク、カオリン、
炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チタン、カーボンブ
ラック等の顔料、紫外線吸収剤、離型剤、難燃剤等が挙
げられる。
【0023】本発明のポリエステル樹脂組成物は、2〜
50重量%の芳香族テトラカルボン酸二無水物と50〜
98重量%の上記ポリエステル樹脂とを溶融押出機を用
いて270℃以上の温度で溶融混合することによって製
造される。溶融温度が270℃未満であると、芳香族テ
トラカルボン酸二無水物がポリエステル樹脂に十分溶解
せず、分散不良となり外観の低下を引き起こすため好ま
しくない。溶融押出機としては特に限定はなく、例えば
単軸スクリュー押出機、二軸押出機、多層押出機等を用
いることができる。
【0024】以上説明したポリエステル樹脂組成物を、
普通粘度のPET樹脂に溶融混合することによってPE
T樹脂を高粘度化することができ、PETを押出ブロー
成形法によって中空製品を安定に製造することができる
ようになる。以下、具体的に説明する。
【0025】普通粘度のPET樹脂100重量部に対し
て本発明のポリエステル樹脂組成物0.1〜30重量部
を添加し、溶融押出機を用いて270℃以上の温度で溶
融混合する。使用することができる普通粘度のPET樹
脂は極限粘度が0.5〜0.8dl/gのものである。
使用できる溶融押出機としては、例えば単軸スクリュー
押出機、二軸押出機、多層押出機を用いることができ
る。
【0026】普通粘度のPET樹脂100部に対するポ
リエステル樹脂組成物の添加量が0.1重量部より少な
い場合は、PET樹脂の粘度改善効果が少なく、30重
量部より多い場合はPET樹脂本来の性質を失うために
好ましくない。また、溶融温度が270℃に満たない場
合は、PET樹脂が溶融せず芳香族テトラカルボン酸二
無水物との架橋反応が起こらないためにPET樹脂の粘
度向上効果が見られない。
【0027】かくして本発明の方法により、得られた高
粘度のPET樹脂は均一で粘度が高く溶融強度に優れ、
対ドローダウン性を有するものとなり、押出ブロー成型
用に好適に使用することができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳述する。な
お、PET樹脂の評価のために行った溶融粘度及び耐ド
ローダウン性の測定は次の通りに行った。
【0029】[溶融粘度]キャピログラフを使用し、2
70℃、せん断速度600(l/秒)で押出した際の粘
度を測定した。
【0030】[耐ドローダウン性]キャピログラフを使
用し、270℃、せん断速度60(l/秒)で押出した
際のストランド長が400mmに達する秒数を測定し
た。
【0031】[実施例1]テレフタル酸ジメチル100
モル部と、エチレングリコール200モル部を、精留塔
及び撹拌装置を備えた反応容器に仕込み、エステル交換
触媒として酢酸マンガン4水和物400ppm(対酸成
分)を添加し、撹拌を行いながら260℃まで徐々に昇
温し、留出するメタノールを系外に排出しながらエステ
ル交換を行って反応率が90%のビスヒドロキシエチル
エステル化物を得た。
【0032】得られたビスヒドロキシエチルエステル化
物を重縮合反応容器に移し、重縮合触媒として三酸化ア
ンチモン400ppm(対酸成分)、安定化剤としてト
リメチルフォスフェート200ppm(対酸成分)を添
加し、ついで30分間で真空度を5mmHg以下とする
とともに290℃まで昇温し、重縮合反応を開始した。
重縮合反応開始から1時間後、一旦、常圧に戻しテレフ
タル酸2モル部を添加した。その後、再び真空度を5m
mHgとし、重縮合反応を再開し所定の重合度のポリエ
チレンテレフタレート樹脂を得た。この樹脂の末端基の
定着を行ったところ、水酸基末端とカルボン酸末端の比
率は22:78であった。また、極限粘度は0.63d
l/gであった。
【0033】ピロメリット酸二無水物10重量%と、上
記ポリエチレンテレフタレート樹脂90重量%とを単軸
スクリュー押出機を用いて溶融温度80℃にて溶融混
合、押出しを行いポリエステル樹脂組成物を得た。得ら
れたポリエステル樹脂組成物を、減圧下50℃で水分1
00ppm以下に乾燥した後、極限粘度が0.77dl
/g、溶融粘度が1190poiseであるPET樹脂
(表1、表2ではマトリックスPETと表示(以下
同))と、該樹脂組成物(表1、表2ではマスターペレ
ットと表示(以下同)):PET樹脂=4:100(重
量比)の割合でブレンドし、二軸スクリュー押出機を用
いて溶融温度290℃にて溶融混合、押出しを行いペレ
ット状のPET樹脂を得た。このPET樹脂の溶融粘度
は3800poise、キャピログラフにより得たスト
ランドの400mm到達時間は86秒であった。得られ
たPET樹脂を押出ブロー成形装置を用いてボトルの成
形を行ったところ、成形中の垂れ落ちが生じず、表面外
観の優れた透明なボトルが得られた。
【0034】[実施例2]実施例1のポリエチレンテレ
フタレート樹脂の製造方法において、テレフタル酸ジメ
チル100モル部をテレフタル酸ジメチル80モル部と
イソフタル酸ジメチル20モル部に置き換えて重合した
以外は実施例1と同様にポリエチレンテレフタレート樹
脂を重合した。この樹脂の末端基の定量を行ったとこ
ろ、水酸基末端とカルボン酸末端の比率は21:79で
あった。また極限粘度は0.62dl/gであった。
【0035】ピロメリット酸二無水物10重量%と、上
記ポリエチレンテレフタレート樹脂90重量%とを単軸
スクリュー押出機を用いて溶融温度280℃にて溶融混
合、押出しを行って得られたポリエステル樹脂組成物を
使用する以外は実施例1と同様にして実験を行った。得
られたPET樹脂の溶融粘度は3600poise、キ
ャピログラフにより得たストランドの400mm到達時
間は80秒であった。ボトルは、成形中の垂れ落ちが生
じず、表面外観の透明なボトルが得られた。
【0036】[実施例3]実施例1のポリエチレンテレ
フタレート樹脂の製造方法において、エチレングリコー
ル200モル部をシクロヘキサンジメタノール20モル
部とエチレングリコール200モル部に置き換えて重合
した以外は実施例1と同様にポリエチレンテレフタレー
ト樹脂を重合した。この樹脂の末端基の定量を行ったと
ころ、水酸基末端とカルボン酸末端の比率は24:76
であった。また、極限粘度は0.62dl/gであっ
た。
【0037】ピロメリット酸二無水物10重量%と、上
記ポリエチレンテレフタレート樹脂90%とを単軸スク
リュー押出機を用いて溶融温度280℃にて溶融混合、
押出しを行って得られたポリエステル樹脂組成物を使用
する以外は実施例1と同様にして実験を行った。得られ
たPET樹脂の溶融粘度は3700poise、キャピ
ログラフにより得たストランドの400mm到達時間は
82秒であった。ボトルは、成形中の垂れ落ちが生じ
ず、表面外観の優れた透明なボトルが得られた。
【0038】[実施例4]実施例1のポリエチレンテレ
フタレート樹脂の製造方法において、初期重合時間を1
時間30分とした以外は実施例1と同様にポリエチレン
テレフタレート樹脂を重合した。この樹脂の末端基の定
量を行ったところ、水酸基末端とカルボン酸末端の比率
は13:87であった。また、極限粘度は0.63dl
/gであった。
【0039】ピロメリット酸二無水物30重量%と、上
記ポリエチレンテレフタレート樹脂70重量%とを単軸
スクリュー押出機を用いて溶融温度280℃にて溶融混
合、押出しを行いポリエステル樹脂組成物を得た。得ら
れたポリエステル樹脂組成物を、減圧下50℃で水分1
00ppm以下に乾燥した後、極限粘度が0.77dl
/gのPET樹脂と樹脂組成物:PET樹脂=1.3
3:100(重量比)の割合でブレンドし、二軸スクリ
ュー押出機を用いて溶融温度290℃にて溶融混合、押
出しを行いペレット状のPET樹脂を得た。このPET
樹脂の溶融粘度は、3000poise、キャピログラ
フにより得たストランドの400mm到達時間は78秒
であった。得られたPET樹脂を押出ブロー成形装置を
用いてボトルを成形した。ボトルは、成形中の垂れ落ち
が生じず、表面にごくわずかなブツが認められたものの
透明なボトルが得られた。
【0040】[実施例5]実施例1のポリエチレンテレ
フタレート樹脂の製造方法において、初期重合時間を4
0分とした以外は実施例1と同様にポリエチレンテレフ
タレート樹脂を重合した。この樹脂の末端基の定量を行
ったところ、水酸基末端とカルボン酸末端の比率は4
1:59であった。また、極限粘度は0.63dl/g
であった。
【0041】ピロメリット酸二無水物2重量%と、上記
ポリエチレンテレフタレート樹脂98重量%とを単軸ス
クリュー押出機を用いて溶融温度280℃にて溶融混
合、押出しを行いポリエステル樹脂組成物を得た。得ら
れたポリエステル樹脂組成物を、減圧下50℃で水分1
00ppm以下に乾燥した後、極限粘度が0.77dl
/gのPET樹脂と樹脂組成物:PET樹脂=20:1
00(重量比)の割合でブレンドし、二軸スクリュー押
出機を用いて溶融温度290℃にて溶融混合、押出しを
行いペレット状のPET樹脂を得た。このPET樹脂の
溶融粘度は2500poise、キャピログラフにより
得たストランドの400mm到達時間は68秒であっ
た。得られたPET樹脂を押出ブロー成形装置を用いて
ボトルを成形した。ボトルは、成形中の垂れ落ちを生じ
ず、表面がごくわずかなブツが認められたものの透明な
ボトルが得られた。
【0042】[実施例6]実施例1のポリエステル樹脂
組成物を、実施例1のPET樹脂と樹脂組成物:PET
樹脂=6:100(重量比)の割合でブレンする以外は
実施例1と同様にして実験を行った。得られたPET樹
脂の溶融粘度は4200poise、キャピログラフに
より得たストランドの400mm到達時間は210秒で
あった。ボトルは、成形中の垂れ落ちを生じず、表面に
ごくわずかなブツが認められたものの透明なボトルが得
られた。
【0043】[実施例7]実施例1のポリエステル樹脂
組成物を、実施例1のPET樹脂と樹脂組成物:PET
樹脂=2:100(重量比)の割合でブレンドした以外
は実施例1と同様にして実験を行った。得られたPET
樹脂の溶融粘度は2000poise、キャピログラフ
により得たストランドの400mm到達時間は38秒で
あった。ボトルは、成形中の垂れ落ちを生じず、表面外
観の優れた透明なボトルが得られた。
【0044】[比較例1]実施例1のポリエチレンテレ
フタレート樹脂の製造方法において、重合途中でのテレ
フタル酸の添加を行わずに重合した以外は実施例1と同
様にポリエチレンテレフタレート樹脂を重合した。この
樹脂の末端基の定量を行ったところ、水酸基末端とカル
ボン酸末端の比率は75:25であった。また、極限粘
度は0.63dl/gであった。
【0045】ピロメリット酸二無水物10重量%と、上
記ポリエチレンテレフタレート樹脂90重量%とを単軸
スクリュー押出機を用いて溶融温度280℃にて溶融混
合、押出しを行いポリエステル樹脂組成物を得た。得ら
れたポリエステル樹脂組成物はゲル化が起こったもので
あった。このポリエステル樹脂組成物を、減圧下50℃
で水分100ppm以下に乾燥した後、極限粘度が0.
77dl/gのPET樹脂と樹脂組成物:PET樹脂=
4:100(重量比)の割合でブレンドし、二軸スクリ
ュー押出機を用いて溶融温度290℃にて溶融混合、押
出しを行いペレット状のPET樹脂を得た。このPET
樹脂の溶融粘度は2200poise、キャピログラフ
により得たストランドの400mm到達時間は41秒で
あった。得られたPET樹脂を押出ブロー成形装置を用
いてボトルを成形したが、ボトルは表面の凹凸が著し
く、外観の性状に劣るものであった。
【0046】[比較例2]無水ピロメリット酸0.4重
量%を、極限粘度が0.77dl/gのPET樹脂とブ
レンドし、二軸スクリュー押出機を用いて溶融温度29
0℃にて溶融混合、押出しを行いペレット状のPET樹
脂を得た。このPET樹脂の溶融粘度は2300poi
se、キャピログラフにより得たストランドの400m
m到達時間は40秒であった。得られたPET樹脂を押
出ブロー成形装置を用いてボトルを成形したが、ボトル
表面の凹凸が著しく、外観の性状に劣るものであった。
以上の実施例及び比較例の結果を一括して表1、表2に
示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】表中の略記は次の通りである。 TPA:テレフタル酸 IPA:イソフタル酸 EG:エチレングリコール CHDM:シクロヘキサンジメタノール また、表中ポリエステル樹脂組成物の欄中「表面外観」
の項目○、×は、次のことを意味する。 ○:表面の凹凸なし ×:表面の凹凸あり 更に性能欄中ボトル外観の項目は、次のことを意味す
る。 ○:ゲル化なく透明 △:わずかにゲル化が認められるも透明 ×:ゲル化を生じ外観不良
【0050】
【発明の効果】本発明のポリエステル樹脂組成物は、高
粘度のPET樹脂を製造するに際して、PETとの相溶
性が良く、均一で、かつ高い粘度の樹脂が得られる添加
剤として極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大迫 信行 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央研究所内 (72)発明者 徳水 眞 愛知県豊橋市牛川通4丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族テトラカルボン酸の二無水物2〜
    50重量%、及び末端基の50%以下が水酸基であるポ
    リエステル樹脂50〜98重量%からなるポリエステル
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリエチレンテレフタレート樹脂100
    重量部に対して請求項1に記載したポリエステル樹脂組
    成物を0.1〜30重量部添加し、溶融混合することを
    特徴とする高粘度ポリエチレンテレフタレート樹脂の製
    造方法。
JP35015997A 1997-12-05 1997-12-05 ポリエステル樹脂組成物及びそれを用いた高粘度ポリエチレンテレフタレート樹脂の製造方法 Pending JPH11166109A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018505939A (ja) * 2015-01-30 2018-03-01 グラハム パッケージング カンパニー,エル ピー 耐久性のある脱酸素性プラスチックコンテナ

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