JP2018505939A - 耐久性のある脱酸素性プラスチックコンテナ - Google Patents

耐久性のある脱酸素性プラスチックコンテナ Download PDF

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Abstract

本発明は、少なくとも1つの層を含んでなるパッケージ用の壁であって、その層は、組成物を含み、その組成物は、ポリエステルベースポリマーと、0.3〜0.7重量%の濃度の少なくとも1つのポリエーテルポリオールと、正の酸化状態の少なくとも1つの遷移金属とを備え、遷移金属は組成物中に10〜400ppmの量で存在する。

Description

本発明は、プラスチックコンテナの壁を通って出入りする酸素と反応することができるポリマーおよび化合物を備えるプラスチックコンテナに関する。より具体的には、本発明のプラスチックコンテナは、固有粘度(IV)によって測定される靭性および耐久性を付与する組成物から製造される。
本明細書中に引用された刊行物、特許出願および特許を含むすべての参考文献は、各参考文献が個別にかつ具体的に参照により組み入れられることが示され、その全体が本明細書に記載されているのと同程度に参照により本明細書に組み込まれる。
酸素感受性材料の保護のためのパッケージ構造に脱酸素剤(oxygen scavenger)を含めることが知られている。そのような脱酸素剤は、パッケージの中に閉じ込められたかパッケージの外部から浸透した酸素と反応することによって、パッケージ内容物の寿命を延ばすと考えられている。これらのパッケージには、フィルム、ボトル、コンテナなどがある。食品、(ビールやフルーツジュースなどの)飲料、化粧品、薬剤などは酸素暴露に特に敏感であり、パッケージ内容物の鮮度を維持するとともに風味、食感や色の変化を避けるために、酸素に対する高いバリア性を必要とする。
脱酸素剤として有用であることが開示されているものには、例えばm−キシリレンジアミンアジペートまたはポリブタジエンなどの金属触媒酸化を受けることができるポリマー、鉄などの酸化性金属、または還元アントラキノンが挙げられる。ポリエチレンテレフタレート(PET)に配合された酸素吸収剤は、コバルト触媒付きのm−キシリレンジアミンアジピン酸ならびに反応押出機を介して組み込まれた修飾ポリブタジエンを含んでなる。しかしながら、これらの材料はPETに配合されると曇る。
シル(Cyr)らに付与された特許文献1(以下「シル」)は、ポリ(アルキレングリコール)類と遷移金属触媒とを備える脱酸素性組成物とPETとのブレンドを開示している。シルに従って製造されたコンテナは、脱酸素に効果的であるが、重大な欠点がある。例えば、PETにおいてMW低下による固有粘度(IV)の損失があり、これは、予備成形物を溶融押出する場合と、コンテナをブロー成形する場合の両方で問題となる。例えばポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールなどのポリ(アルキレングリコール)の−OH末端基がPETと反応することによって鎖切断およびIV損失を引き起こすと考えられる。また、IVが低いPETコンテナは、いくつかの用途にとって耐久性と靱性がなく、落下時の衝撃に適切に耐えることができない。
米国特許第6,455,620号明細書
従って、本技術分野では、ブロー成形でコンテナを形成したときに許容できる物理的性能および脱酸素特性をもたらすことのできる、IVを損失することなく溶融相で処理するのに適したPETとポリ(アルキレングリコール)とのブレンドを備える有効な脱酸素性組成物に対する必要性がある。
一態様では、本発明は、少なくとも1つの層を含んでなる、パッケージ用の壁であって、この層が組成物を備え、組成物がポリエステルベースポリマーと、0.3〜0.7重量%の濃度の少なくとも1つのポリエーテルポリオールと、正の酸化状態の少なくとも1つの遷移金属とを備え、この金属が組成物中に約10ppm〜約400ppmの量で存在する壁を提供することによってこの必要性を満たす。
実施例1の試料からの酸素侵入データを示すグラフ。 実施例2の試料からの酸素侵入データを示すグラフ。 実施例3の試料からの酸素侵入データを示すグラフ。 実施例4、5の試料からの酸素侵入データを示すグラフ。 対照例4および実施例6〜8の試料からの固有粘度データを示すグラフ。 対照例6および実施例9〜11の試料からの固有粘度データを示すグラフ。
本発明は、少なくとも1つの層を含んでなるパッケージ用の壁を提供し、この層が組成物を備え、組成物がポリエステルベースポリマーと、0.3〜0.7重量%の濃度である少なくとも1つのポリエーテルポリオールと、正の酸化状態の少なくとも1つの遷移金属とを備え、この金属が組成物中に約10〜約400ppmの濃度で存在する。本発明の組成物を備えるプラスチックパッケージングは、パッケージと接触しているものから酸素を積極的に掃去する。
本発明の脱酸素系を備えるポリマーは、酸素に敏感な製品をパッケージするためのまたは酸素に敏感な環境での使用のための剛性コンテナ、可撓性フィルム、および熱成形物品、発泡物品、成形物品または押出成形物品等における層として使用することができる。上記組成物を含有する物品は、活性酸素バリアとして作用することによっておよび/または物品内から酸素を掃去するための手段として作用することによって酸素曝露を制限する。
好適な物品は、限定ではないが、フィルム、シート、チューブ、プロファイル、パイプ、繊維、コンテナ予備成形物、剛性コンテナなどのブロー成形物品、熱成形品、可撓性袋等およびそれらの組み合わせを含む。典型的な剛性物品や半剛性物品は、プラスチック、紙または厚紙カートン、または、ジュースコンテナ、清涼飲料コンテナ、ビールコンテナ、スープコンテナ、ミルクコンテナ、熱成形トレイ、熱成形カップなどのボトルから形成することができる。多くの場合、そのような物品の壁は多数の層材料を含んでなる。本発明は、そうした層のうちの単層、いくつかの層、または全ての層に使用することができる。
ポリエステルベースポリマー
本発明の組成物は、ポリエステルを含む少なくとも1つのベースポリマーを含んでなる。本明細書で使用する場合、「ベースポリマー」という用語は、本発明のコンテナの構造および機械的特性を提供するポリマー成分を指す。「ベースポリマー」という用語は、本技術分野で一般的に使用される「構造ポリマー」という用語の類義語である。
好ましい実施形態では、ポリエステルベースポリマーは熱可塑性であり、溶融相重合中に、非晶質ペレットとしての、または、固体状態ポリマーとしての、または、半結晶性粒子としての、または、溶融加工ゾーン中の物質の組成物としての、または、ボトル予備成形物としての、または、延伸ブロー成形ボトルまたは他の物品の形態である、組成物を含むことができる。特定の好ましい実施形態では、ポリエステルはポリエチレンテレフタレート(PET)である。
適切なポリエステルベースポリマーの例は、約15モル%未満、または約10モル%以下、または約8モル%以下の累積量の1つ以上のポリカルボン酸修飾剤で修飾されたかまたは約60モル%未満、または約50モル%未満、または約40モル%未満、または約15モル%未満、または約10モル%以下、または約8モル%以下の量の1つ以上のヒドロキシル化合物修飾剤で修飾された、ポリエチレンテレフタレートホモポリマーおよびポリエチレンテレフタレートコポリマー(簡潔に「PET」と総称する)、および約15モル%未満、または約10モル%以下、または約8モル%以下の累積量で修飾されたか、または、約60モル%未満、または約50モル%未満、または約40モル%未満、または約15モル%未満、または約10モル%以下、または約8モル%以下の1つ以上のヒドロキシル化合物修飾剤で修飾された、ポリエチレンナフタレートホモポリマーおよびポリエチレンナフタレートコポリマー(「PEN」と総称する)、およびPETとPENとのブレンドを含む。ポリカルボン酸化合物修飾剤またはヒドロキシル化合物修飾剤は、少なくとも約85モル%の量で含有された化合物以外の化合物である。好ましいポリエステルポリマーはポリアルキレンテレフタレートであり、最も好ましくはPETである。
ポリエチレンテレフタレート(PET)のバイオ誘導類似体であるポリエチレンフラノエート(PEF)も本発明のポリエステルベースポリマーとして使用するのに適する。PEFはAvantium社(オランダ国アムステルダム)から入手できる。
通常の射出延伸ブロー成形プロセスにより製造されるPETボトルに適した任意の市販のPET樹脂(ホモポリマーおよびコポリマーグレード)は、本発明のベースポリマー成分として使用するのに適する。好ましくは、ボトル製造に適したPET樹脂は、0.72〜0.84dL/gのIV範囲を有する。
いくつかの実施形態では、ポリエステルポリマーは、当該ポリエステルポリマー中のすべての繰り返し単位のモルを基準にしてエチレンテレフタレート反復単位を少なくとも約90モル%含み、他の実施形態では少なくとも約92モル%、さらに他の実施形態では少なくとも約94モル%含む。
テレフタル酸の二酸成分、テレフタル酸の誘導体、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸の誘導体、またはそれらの混合物の他に、本発明のポリエステルの一または複数のポリカルボン酸成分は、一以上の追加のポリカルボン酸修飾剤を含むことができる。このような追加のポリカルボン酸修飾剤には、好ましくは約8〜約14個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸、好ましくは約4〜約12個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸、または好ましくは約8〜約12個の炭素原子を有する脂環式ジカルボン酸が挙げられる。
酸成分として有用なジカルボン酸修飾剤の例は、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサン二酢酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などであり、そのうち、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、およびシクロヘキサンジカルボン酸が最も好ましい。これらの酸の対応する酸無水物、エステル、および酸塩化物の使用も「ポリカルボン酸」という用語に含まれることを理解されたい。ポリエステルの修飾に三官能性およびそれ以上の高次ポリカルボン酸も可能である。
ヒドロキシル成分は、カルボン酸基と反応可能な2以上のヒドロキシル基を含有する化合物から製造される。いくつかの好ましい実施形態では、好ましいヒドロキシル化合物は2または3個のヒドロキシル基を含む。特定の好ましい実施形態では、2個のヒドロキシル基を有する。これらのヒドロキシル化合物は、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオールなどのC〜Cアルカンジオールを含み、これらのうちでエチレングリコールがコンテナ用途に最も好適である。これらのジオールに加えて、修飾剤としての他のヒドロキシル化合物成分(複数可)は、好ましくは6〜20個の炭素原子を有する脂環式ジオールおよび/または好ましくは約3〜約20個の炭素原子を有する脂肪族ジオールなどのジオールを含むことができる。このようなジオールの例には、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、プロパン−1,3−ジオール、およびブタン−1,4−ジオール(これらはエチレングリコール残基がポリマー中に全ヒドロキシル化合物残基のモルを基準にして少なくとも85モル%の量で存在する場合、修飾剤ジオールとみなされる)、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、3−メチルペンタンジオール−(2,4)、ネオペンチルグリコール、2−メチルペンタンジオール−(1,4)、2,2,4−トリメチルペンタン−ジオール−(1,3)、2,5−エチルヘキサンジオール−(1,3)、2,2−ジエチルプロパンジオール−(1,3)、ヘキサンジオール−(1,3)、1,4−ジ−(ヒドロキシエトキシ)−ベンゼン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン、2,4−ジヒドロキシ−1,1,3,3−テトラメチル−シクロブタン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシエトキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシプロポキシフェニル)−プロパンがある。典型的には、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルは、遊離酸またはそのジメチルエステルとしてグリコールをジカルボン酸と反応させてエステルモノマーおよび/またはオリゴマーを生成し、次いでポリエステルを製造するために重縮合することによって製造される。
いくつかの好ましい実施形態では、修飾剤は、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸二無水物、1,4−シクロヘキサンジメタノール、およびジエチレングリコールを含む。配合されたポリエステルポリマー組成物中のポリエステルポリマーの量は、全ポリエステルポリマーおよび全ポリアミドポリマーの合計重量を基準にして、約50.0重量%を超え、または約80.0重量%を超え、または約90.0重量%を超え、または約95.0重量%を超え、または約96.0重量%を超え、または約97重量%を超え、最大で約99.90重量%までの範囲である。配合されたポリエステルポリマー組成物は、配合されたポリエステルポリマー組成物とポリカーボネートなどの他の熱可塑性ポリマーとのブレンドを含んでなることができる。いくつかの好ましい組成物では、ポリエステルは本発明の組成物の大部分を含み、いくつかの実施形態ではポリエステルは、(充填剤、無機化合物または無機粒子、繊維、耐衝撃性改良剤、または耐衝撃性改良剤として機能するかまたは低温貯蔵食品トレイに見られるような不連続相を形成する他のポリマーを除いた)組成物の重量を基準にして、少なくとも約80重量%でまたは少なくとも約90重量%の量で存在する。
ポリエステル組成物は、エステル化および重縮合を行い得る、本技術分野で公知の重合方法により調製することができる。ポリエステル溶融相製造プロセスには、エステル化ゾーンで任意でエステル化触媒の存在下でジカルボン酸とジオールとを直接縮合する工程と、それに続き、仕上げゾーンで重縮合触媒の存在下でプレポリマーを重縮合する工程とを含むか、または、エステル交換ゾーンで通常エステル交換触媒の存在下で行われるエステル交換工程と、それに続く、重縮合触媒の存在下で予備重合および仕上げ工程とを含み、公知の方法に従って固体状態であってよい。
本発明のいくつかの実施形態において、ベースポリマーのポリエステル組成物は、約40ppm未満のリン(phosphorous)、好ましくは約30ppm未満のリン、より好ましくは約20ppm未満のリン、さらにより好ましくは約10ppm未満のリンを含み、ポリエステルベースポリマーは実質的にリンを含まないことが最も好ましい。本明細書で使用する場合、「リンを実質的に含まない」という用語は、0から約1ppmの全リンを意味する。典型的なボトルグレードのPET樹脂は、約40ppmを超えるリンを、樹脂形成プロセス中に安定剤添加剤として使用されるリン酸またはホスホン酸の形態で含有する。いかなる特定の理論にも束縛されないが、リンはコバルト(または他の遷移金属)と干渉し、コバルト(または他の遷移金属)の酸化触媒としての作用効率を著しく妨げ、その結果、脱酸素性がブロー成形ボトルで検出できるようになるまでの誘導期は1〜3ヶ月である。例えば以下に記載される被酸化性有機成分を配合した、リンが約40ppm未満のポリエステルベースポリマーを備えるポリエステルコンテナは、驚くべきことに、当技術分野で期待される誘導期なしで優れた脱酸素特性を示す。好適な「低リン」PET樹脂は市販されており、例えば、米国ペンシルバニア州チャズフォード13917所在のDAKアメリカLLC社から入手できるDAKレーザ+L44AおよびL44Bを含む。リンを実質的に含まないポリエステル樹脂を製造する方法を当業者は実際に知っているであろう。
好ましい実施形態では、ポリエステルベース樹脂はチタンを実質的に含まない。チタンが酸化触媒と干渉し得ることも発見されている。
被酸化性ポリマー成分
本発明の組成物はまた以下の式Iのポリエーテルポリオールを少なくとも1つ含む脱酸素性組成物を含んでなる。
[HO−(RO)−]X …(I)
ここで、Rは置換または非置換の、炭素数2〜10の2価アルキレン基であり、Xは、Hであるかまたは炭素数1〜10個の1価、2価、3価または4価の連結基であり、nは2〜100であり、mは1、2、3または4である。好ましくは、mは2または3であり、最も好ましくは、mは2である(すなわち、ポリエーテルジオール)。好ましくは、nは4〜50であり、最も好ましくは8〜30である。好ましいポリエーテルポリオールの例は、市販のポリアルキレングリコール、すなわち、分子量が200から4000の範囲の、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、およびポリテトラメチレンエーテルグリコールが挙げられる。これらの中でポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)が好ましい。PTMEGのMWは、好ましくは250〜4000、より好ましくは400〜3000、最も好ましくは650〜2000である。
上記式のキーとなる構造単位−(RO)−は、オリゴマーポリエーテルポリオール中の被酸化性ポリエーテル単位を表す。
ポリ(アルキレングリコール)の量は、所望の脱酸素効果が提供されかつ最終組成物が所望の物品に成形できる限り、変更してよい。
脱酸素にとって好ましい量は、0.3重量%〜約4重量%のポリ(アルキレングリコール)、より好ましくは少なくとも約0.3重量%〜約1.5重量%のポリ(アルキレングリコール)、最も好ましくは少なくとも約0.3重量%〜0.7重量%のポリ(アルキレングリコール)である。
ポリオールについては、当業者に公知の方法によって数平均分子量(Mn)を決定することができる。ある方法では、最初に、IR法や滴定などの末端基の測定によって当量重量を得る。Mn=当量重量×官能数(例えば、二官能性オリゴマーやポリマーの場合、2×当量重量)。別の例では、ポリエーテルポリオールの場合のように、一般に「ヒドロキシル価(OH)」と呼ばれるヒドロキシル末端基含量を、既知の質量のポリオールを水酸化カリウム(KOH)に対して滴定することによって測定する。
遷移金属
本発明の組成物に使用される遷移金属は、正の酸化状態にある金属である。そのような金属を一つまたは複数使用し得ることが企図されていることに留意されたい。遷移金属は、有機被酸化性成分の酸化(すなわち、有機被酸化成分と分子酸素との反応)を触媒または促進するように機能する。
遷移金属は、周期律表の第一、第二、または第三遷移系列から選択することができる。当該金属は、Rhか、Ruか、またはScからZnまでの系列の元素(すなわち、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn)のうちの一つであり得る。いくつかの実施形態において、コバルトは+2または+3の酸化状態で添加される。いくつかの実施形態では、+2酸化状態のコバルトを使用することが好ましい。特定の実施形態では、+2酸化状態の銅が利用される。いくつかの実施形態では、+2酸化状態のロジウムが使用される。特定の実施形態では、亜鉛が組成物に添加され得る。好ましい亜鉛化合物は、正の酸化状態のものを含む。
遷移金属カチオンに対する適切な対イオンには、ネオデカノエート、オクタノエート、アセテート、ラクテート、ナフタレート、マレエート、ステアレート、アセチルアセトネート、リノーレート、オレエート、パルミテート、2−エチルヘキサノエート、またはエチレングリコレートなどのカルボキシレート;または、それらの酸化物、ホウ酸塩、炭酸塩、塩化物、二酸化物、水酸化物、硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩、またはケイ酸塩がとりわけ含まれる。
いくつかの実施形態では、少なくとも約10ppmの量の、または少なくとも約50ppmの量の、または少なくとも約100ppmの量の金属が適切な脱酸素レベルを達成することができる。ある用途で使用される遷移金属の正確な量は、当業者の技能レベルの範囲内である試験によって決定することができる。(より多量の触媒が使用されるマスターバッチ用途とは対照的に)壁用途に関与するいくつかの実施形態では、約300ppm未満の金属量を維持することが好ましく、他の実施形態では、約250ppm未満が好ましい。マスターバッチ組成物において、遷移金属量は、約1000から約10,000ppmの範囲であってよい。いくつかの好ましい実施形態において、その範囲は約2000〜約5000ppmである。
一または複数の遷移金属は、そのままで(neat)または(液体またはワックスのような)担体に含めて、物品を製造するための押出機等の装置に添加することができ、あるいは、当該金属は、オリゴマー被酸化性有機成分を含む濃縮物または担体中に、または、ベースポリマーを含む濃縮物または担体中に、またはベースポリマー/被酸化性有機成分のブレンドを含む濃縮物または担体中に存在してもよい。あるいは、遷移金属の少なくとも一部は、ベースポリマー(いくつかの実施形態ではポリエステルポリマー)を製造するための溶融相反応の重合触媒として加えられ、予備成形物やシートなどの物品を製造するための溶融ゾーン(例えば、押出成形ゾーンまたは射出成形ゾーン)にポリマーが供給されるときに残留金属として存在してもよい。遷移金属の添加は、実質的に溶融加工ゾーン中の溶融物のIVを増加させないことが望ましい。従って、一または複数の遷移金属は、2以上の段階で添加することができ、例えば、ポリエステルポリマーの製造のための溶融相の間に1回、物品を製造するための溶融ゾーンでもう1回など。
鎖延長剤
本発明の組成物はまた少なくとも1つの鎖延長剤を含む。鎖延長剤は、例えば、PTMEG等の、ポリエーテル成分の存在下の溶融状態(例えば、射出成形)におけるPET鎖分解を防止することによりPETのIVを制御するように機能する。本発明の鎖延長剤は、例えば二無水物(bisanhydride)またはビスエポキシドであり得、それらはPETのヒドロキシル末端基との反応によってPETを溶融相鎖伸長させることができる。
いくつかの実施形態では、例えば、鎖延長剤は、式IIの化学構造を有する二無水物であり、
ここで、Arは、
または、
であり、
Xは、−O−、−CO−、−CH−、−C(CH−、またはZであり、
Zは、
であり、
Yは、−O−、−CH−、−CO−、または、−C(CH−である。
本発明による鎖延長剤としての使用に適した二無水物の例は、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)チオエーテル二無水物、ビスフェノール−Aビスエーテル二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、ハイドロキノンビスエーテル二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)を含む。
好ましい二無水物は、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、ビスフェノールAビスエーテル二無水物、ハイドロキノンビスエーテル二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)を含む。最も好ましくは、二無水物はピロメリット酸二無水物(PMDA)である。
他の実施形態では、例えば、鎖延長剤は、式IIIの化学構造を有するビスエポキシドであり、
X’は、−O−Ar’−O−、−N(Y’)−、−N(Z’)N−からなる群から選択される二官能性有機結合基であり、Ar’は芳香族基であり、Y’はアミドであり、Z’はイミド連結基である。
本発明による鎖延長剤としての使用に適したビスエポキシド構造は、
ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、N,N−ジグリシジルベンズアミド(および関連する化学種)N,N−ジグリシジルアニリンおよび関連する構造、N,N−ジグリシジルヒダントイン、バルビツール酸、イソシアヌル酸またはウラシル種、N,N−ジグリシジルジイミド類、N,N−ジグリシジルイミダゾロン類およびエポキシノボラック類を含む。
用いられる鎖延長剤は、ポリマー加工温度で分解しない十分な高温安定性を有していることが好ましい。PETの場合、これは典型的には260℃から300℃の間である。
鎖延長剤の好ましい量は、PETの重量の重量を基準として、約0.05重量%〜約5.0重量%、より好ましくは少なくとも約0.075重量%〜約0.3重量%、最も好ましくは少なくとも約0.1重量%〜約0.2重量%を含む。
靱性および耐久性の性能基準を満たすブロー成形PETコンテナを実現するためには、本発明の組成物で製造されたコンテナにおけるPETで得られるIVは、約0.70dL/g〜約0.85dL/g、より好ましくは0.72dL/g〜約0.83dL/g、最も好ましくは約0.74dL/gから約0.80dL/gである。上述したように、ボトルの製造に適したPET樹脂は、典型的には0.72〜0.84dL/gのIVの範囲を有する。従って、鎖延長剤の量は、約0.69dL/g〜約0.80dL/gという最終ブロー成形コンテナの目標IVを達成するためのプロセス条件に応じて、および、ベースポリマーの初期IVに依存して異なることがある。典型的には、ブロー成形コンテナのIVは、ASTM・D1243に従って測定される。
本発明の脱酸素性組成物に使用される成分の量は、使用および有効性に影響を与えることがある。従って、ベースポリマー、遷移金属触媒、鎖延長剤、およびポリエーテルポリオール被酸化性成分の量は、所望の物品およびその最終用途に応じて異なり得る。例えば、上述したポリエーテルポリオール成分の主な機能は、脱酸素処理時に酸素と不可逆的に反応することであるのに対し、遷移金属触媒の主な機能はこのプロセスを容易にすることである。従って、存在するポリエーテルポリオール成分の量は、組成物の脱酸素能力すなわち組成物が消費することができる酸素の量に影響を及ぼし、一方、遷移金属触媒の量は、酸素が消費される速度並びに誘導期に影響を及ぼす。
本発明の脱酸素性組成物は、様々な形態を有するパッケージ物品に組み込むことができる。適切な物品は、限定ではないが、可撓性シートフィルム、可撓性袋、パウチ、例えばボトル(例えばPETボトル)または金属缶といった、半剛性コンテナや剛性コンテナ、またはそれらの組み合わせが含まれる。
典型的な可撓性フィルムおよび袋には、各種食料品をパッケージするために使用されるとともに、フィルム全体または袋状のパッケージ材料全体を形成するために単層または多層から構成されるものが含まれる。
本発明の脱酸素組成物は、このようなパッケージ材料の単層、いくつかの層、またはすべての層に使用することができる。
典型的な剛性または半剛性物品は、ジュース、清涼飲料用のプラスチックコンテナ、紙コンテナまたは厚紙コンテナ、ならびに、通常100〜1000マイクロメートルの範囲の厚さを有する熱成形トレイやカップを含む。そのような物品の壁は、単一層材料または複数層材料を含んでなることができる。物品はボトルや金属缶、または王冠、キャップ、王冠ライナーやキャップライナー、プラスチゾルまたはガスケットの形態をとることもできる。本発明の脱酸素性組成物は、形成された半剛性または剛性パッケージ物品の、一体化層または一部として、外部コーティングまたは外部ライナーまたは内部コーティングまたは内部ライナーとして使用され得る。
ライナーとしては、脱酸素組成物は、例えば、共押出プロセス、押出コーティングプロセス、または押出ラミネーションプロセスにおいて、物品製造中にその場でライナーを形成するように、剛性物品それ自体とともにフィルムとして押し出されることができ、または、物品が製造された後に、熱および/または圧力によって、接着剤によって、または、任意の他の適切な方法によって、物品の外表面に接着されることができる。
本発明の一好ましい実施形態では、本発明の組成物、すなわち、ベースポリマー、正の酸化状態の遷移金属、鎖延長剤、上述の少なくとも1つのポリエーテルポリオール成分、および上記のような少なくとも1つの活性剤化合物は、単層ボトルを形成するために使用することができる。本発明の別の好ましい実施形態では、本発明の組成物は、コンテナの少なくとも1%、典型的には2〜6%が本発明の組成物を備える層である、多層ボトルの一つの層を形成することができる。
食品や飲料をパッケージするための物品に加えて、他の酸素感受性製品をパッケージするための物品も、本発明から利益を得ることができる。このような製品には、薬剤、酸素に敏感な医療製品、腐食性金属または腐食性製品、電子デバイスなどが含まれる。
組成物は、顔料、フィラー、結晶化助剤、耐衝撃性改良剤、表面潤滑剤、取外し剤(denesting agents)、安定剤、紫外線吸収剤、金属不活性化剤、ポリエチレンやポリプロピレンといった造核剤、ホスファイト安定剤および染料などの他の成分を含んでもよい。他の追加成分は、当業者に知られており、組成物の性能にマイナスの影響を与えない限り既存組成物に添加することができる。典型的には、このような成分の総量は、組成物全体に対して約10重量%未満とすることができる。いくつかの実施形態では、これらの任意成分の量は、組成物全体に対して約5重量%未満である。
延伸ブロー成形ボトルを製造するために使用されるポリエステルポリマー組成物の製造に使用される一般的な添加剤は、再加熱添加剤である。というのは、延伸ブローするための金型をボトルに入れる前に、組成物から製造された予備成形物を再加熱されなければならないためである。どのような従来の再加熱添加剤でも使用することができ、このような添加剤には、カーボンブラック、活性炭、黒色酸化鉄、ガラス状炭素、炭化ケイ素などの様々な形態の黒色粒子、アンチモン等の灰色粒子、およびシリカや赤色酸化鉄などの他の再加熱添加剤が含まれる。
多くの用途では、パッケージ内容物は酸素の侵入に敏感であるのみならず、その内容物は、UV光によって影響されることがある。フルーツジュースや薬剤がこのような内容物の2つの例である。従って、いくつかの実施形態では、既知のUV吸収化合物のいずれか1つをパッケージ内容物を保護するのに有効な量でポリエステル組成物に配合することが望ましい。
本組成物は、ベースポリマー(例えば、PET)を鎖延長剤、ポリエーテルポリオール成分および遷移金属と混合することによって製造することができる。このような組成物は、当業者に公知の任意の方法によって製造することができる。特定の実施形態では、混合の前に遷移金属のいくつかまたは一部がベースポリマー中に存在してもよい。この残留金属は、例えば、ベースポリマーの製造プロセスから存在することができる。いくつかの実施形態では、ベースポリマー、鎖延長剤、ポリエーテルポリオール成分、および遷移金属は、ホッパー内でのタンブリングによって混合される。他の任意の成分は、この混合プロセスの間に添加されてよく、または前述の混合の後に混合物に添加されてよく、または前述の混合工程の前に一個別成分に添加されてもよい。
本組成物は、各成分を別々に添加し、次いで、物品を形成するための組成物の溶融加工前にそれら成分を混合することによって製造することができる。いくつかの実施形態では、混合は溶融加工ゾーンの直前であり得る。他の実施形態では、全ての成分を一緒にする前に、1つ以上の成分を別個の工程で予備混合することができる。
いくつかの実施形態において、本発明は、酸素感受性材料用のパッケージで使用される壁の成分としての本明細書に記載の組成物の使用に関する。パッケージの必要脱酸素能力は、脱酸素用添加剤の非存在下でより高い透過性を有する壁に対して、一般的に大きくなければならないであろう。従って、本質的に透過性の高い材料を用いて良好な効果を達成することは困難である。
壁は、剛性壁、可撓性シート、または密着(clinging)膜であってよい。壁は均質壁でもよく、積層壁でもよく、他のポリマーで被覆されてもよい。壁が積層または被覆されている場合、脱酸素特性は、脱酸素のない場合には透過性が比較的高くそれ単独では非常に満足いく性能を示さないであろうが、比較的低い透過性を有するとともに無視できるか不十分な脱酸素特性を有する1以上の他の層との組み合わせによって満足な性能を発揮する、壁の一層に存在することができる。パッケージが充填されて密封されるときに酸素は主にパッケージの外側から侵入するので、単一のそのような層はパッケージの外側に使用することができる。しかしながら、脱酸素層の両側のこのような層は充填および密封前の脱酸素能力の消費を減少させるであろう。
本組成物が壁にまたは壁の層として使用される場合、組成物の酸素透過性(cm.mm/(m.atm.day))は、有利には、約3.0以下、または約1.7以下、または約0.7以下、または約0.2以下、または約0.03以下である。本発明によって提供される組成物の透過性は、有利には、脱酸素特性の非存在下のものの約3/4以下である。いくつかの実施形態では、透過性は、脱酸素特性の非存在下のものの約1/2以下、ある実施形態では1/10以下、他の実施形態では1/25以下、さらに他の実施形態では1/100以下である。脱酸素特性の非存在下での透過性(cm.mm/(m.atm.day))は、有利には、約17以下、または約10以下、または約6以下である。透過性(cm.mm/(m.atm.day))が約0.5からまたは約1.0から、10までまたは約6.0までの範囲にある場合に、特に良好な効果を得ることができる。酸素透過性の測定は、MOCON社(ミネソタ州ミネアポリス)から入手可能なOX−TRAN(登録商標)装置等の酸素透過性(OTR)装置を使用して当業者によって行うことができる。
別の態様では、本組成物は、ポリマーまたはポリマー含有成分とブレンドするためのマスターバッチとして用いることもできる。そのような組成物の場合、ポリエーテルポリオール成分および遷移金属の濃度は、これらの成分が最終ブレンド生成物中に適切な量になるようにより高いであろう。マスターバッチは、マスターバッチとブレンドされることとなるポリマーの一定量を含有してもよい。他の実施形態では、マスターバッチは、マスターバッチがブレンドされることとなるポリマーと相溶するポリマーを含有してもよい。
さらに別の態様では、本発明の組成物は、主として脱酸素性(顕著な脱酸素性のないガスバリヤを提供するポリマーを含む別の層)を提供する壁の層を形成するために、または、(パッケージ壁によってパッケージ内容物とともに完全に包囲された)ヘッドスペース脱酸素剤として使用され得る。こうした技術は、当業者に周知である。
透過性を維持する時間期間は、酸素感受性材料とともに使用するのに先立って物品を密閉コンテナ中でまたは窒素のような不活性雰囲気下で貯蔵することによって延長することができる。
別の態様において、本発明は、剛性、半剛性、折り畳み式、蓋付き、もしくは柔軟であるか、またはこれらの組み合わせであるかにかかわらず、本明細書に記載の組成物から形成された壁を含んでなるパッケージを提供する。そのようなパッケージは、当業者に周知の方法によって形成することができる。
物品を作製するために使用されうる技法の中には、一般のモールド成形、射出成形、延伸ブロー成形、押出し、熱成形、押出しブロー成形、ならびに(特に多層構造については)共押出しおよび粘着性の結合層を使用する積層がある。ポリマーの、例えば延伸ブロー成形による配向は、生じる既知の機械的利益から、フタレートポリエステルを用いると特に魅力的である。
物品を作製するための溶融加工ゾーンは、予備成形物、ボトル、トレイ、および以下に言及された他の物品のような意図された物品を作製するのに有効な通例の条件下で運転可能である。いくつかの好ましい実施形態では、ポリエステルポリマー、ポリエーテルポリオール、鎖延長剤および遷移金属の物理的ブレンドを確立するのに有効な適切な運転条件は、約250℃〜約300℃の範囲内の溶融加工ゾーン内の温度、約6分未満の合計サイクル時間、および、典型的には減圧の適用を伴わず、約0PSIG(約0kPa)から約900psig(約6205.5kPaG)の範囲の陽圧下である。いくつかの実施形態では、スクリュー上での溶融物の滞留時間は、約1〜約4分の範囲であり得る。
具体的な物品には、食品、飲料、化粧品、薬剤、および高い酸素バリアが必要とされるパーソナルケア製品の包装のための、予備成形物、コンテナおよびフィルムが挙げられる。
飲料コンテナの例は、水および炭酸清涼飲料を入れるためのボトルであり、本発明は、酸素が飲料の風味、芳香、性能(ビタミン分解防止)、または色調に有害な影響を及ぼすジュース、スポーツ飲料、ビールまたは任意の他の飲料を入れるボトル適用において特に有用である。本発明の組成物はさらに、熱成形して剛性包装体とするためのシートおよび柔軟構造物用フィルムとしても特に有用である。剛性包装体には食品トレイおよび蓋が含まれる。食品トレイ適用の例には、食品内容物の鮮度が酸素の侵入とともに落ちる可能性のある場合の、ベースコンテナおよび蓋材(熱成形された蓋やフィルム)の両方における、デュアルオーブンで使用可能な食品トレイ、または冷蔵食品トレイが挙げられる。本発明の組成物はさらに、化粧品容器および薬剤または医療用デバイス用のコンテナの製造における用途もある。
本発明のパッケージの壁は、単層または多層構造体とすることができる。多層の壁体を使用するいくつかの実施形態では、外部層および内部層は、それらの間に配置された脱酸素材料を含んでなる1つ以上の保護層を備えた構造層であってよい。
いくつかの実施形態では、外部層および内部層はポリオレフィンまたはポリエステルを含んでなる。ある実施形態では、単一層の設計が好ましい。そのような層は製造の簡潔性およびコストにおいて利点を有しうる。
本明細書および添付の特許請求の範囲において、いくつかの用語について言及がなされることになるが、該用語は以下の意味を有すると定義されるものとする。
本明細書で使用される場合、「式を有する」または「構造を有する」という句は、限定することを意図されていない用語は、一般的に使用される「含む」と同じように使用されている。
「〜から独立に選択された」という用語は、本明細書中において、列挙された要素、例えばR基等、が同一であってもよいし異なっていてもよいことを示すために使用される。
本明細書中で使用されるように、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」などの用語は、文脈がそうでないことを明白に示していないかぎり、単数および複数の両方を指す。例えば「ボトル」は、単一のボトルまたは2以上のボトルを指す。
同じく本明細書中で使用されるように、1つ以上の方法ステップについての記載は、組み合わされたその列挙済み工程の前後に追加の方法工程が存在することを妨げるものではない。追加の工程はさらに、記載された工程の間に入る工程であってもよい。加えて、当然のことであるが、方法工程または原料成分の文字標記は個別の活性または原料成分を識別するための便利な手段であり、列挙された文字標記は任意の順序に配置構成可能である。
ある数値範囲が本願で示される場合、当然ながらその範囲は明示された範囲の上下限値の間の全ての整数および該整数の分数を含む。ある範囲の数値は、明示された端点に満たない数値および明示された範囲の間にある数値を明示的に含んでいる。例えば、1〜3の範囲は、整数1、2および3のほかにこれらの整数の間に存在するあらゆる分数も含んでいる。
本明細書中で使用されるように、「マスターバッチ」は、物品を形成する前に典型的には少なくとも追加のベースポリマーで希釈されることになる、ベースポリマー、被酸化性有機成分および遷移金属の混合物を指す。そのため、ポリエーテルポリオール成分および遷移金属の濃度は形成される物品中よりも高い。
以下の実施例は、酸素を掃去するための分子の合成および該分子の使用ならびにそのような脱酸素剤を含有する製品に関する本発明の好ましい実施形態を実証するために含まれている。
当業者には当然のことであるが、以降の実施例において開示される技法は、本発明の実施において良好に機能することが本発明者らによって発見された技法を表すものであり、よって本発明の実施のための好ましい実施態様を構成すると考えることができる。しかしながら、当業者であれば、本開示に照らして、開示された特定の実施形態において数多くの変更をなし、かつなおも本発明の技術的思想および範囲から逸脱することなく同様または類似の結果を得ることができることを理解するであろう。
以下の実施例は、脱酸素性PETコンテナを製造するための、オリゴマー、被酸化性ポリエーテルポリオールおよびコバルトカルボキシレート触媒を有するPETポリマーブレンドに関する本発明の実施形態を実証する。なお、実施例に開示された技術は、本発明の技術的思想および範囲から逸脱することなく軽微な変更を行うことができるが、その実施の好ましい態様を構成すると考えられることは、当業者には理解されるはずである。
PETコンテナの製造に使用される一般的なプロセス
成分を溶融ブレンドし、組成物から予備成形物を射出成形し、第2工程において予備成形物から成形コンテナへと再加熱延伸ブロー成形することによって、本発明の脱酸素性PETコンテナ(例えば、ボトル)ならびに対照例および比較例の対応PETコンテナを製造した。
一般的には、単層のPETコンテナを製造するために、2003Battenfeld A800/200H/125HC射出成形機の単一キャビディで単層予備成形物を製造した。ボトルグレードのPETベース樹脂(IVが0.72〜0.84、低含水量が10ppm未満に乾燥)と、約0.5重量%〜0.7重量%の被酸化性ポリエーテルジオールと、0.02重量%〜0.05重量%のネオデカン酸コバルト触媒と、式IIまたは式IIIの鎖延長剤を含んでなる最大で約2重量%(好ましくは0.05重量%〜1.5重量%、より好ましくは0.075重量%〜1重量%、最も好ましくは0.1重量%〜0.5重量%)の鎖延長剤とからなる予備ブレンド混合物を260〜270℃に加熱した射出成形押出機のスロートに供給した。次に、溶融ブレンドを、例えば、30g・33mm仕上げのケチャップボトル予備成形物のような単層ボトル予備成形物を成形するための単一空洞予備成形金型に射出成型した。成形のためのサイクル時間は約30秒であった。
第2工程において、上記の単層PETブレンド予備成形物を再加熱延伸ブロー成形して単層ボトルとした。このボトルは、毎時約800ボトルの速度で運転するように設定されたSidel・SBO−1機で延伸ブローされた。
このプロセスにおいて、ケチャップボトル予備成形物はブロー前に典型的には99℃の表面温度に加熱された。ブロー成形温度は約12℃であった。ブロー圧は約33bar(約3300kPa)であった。このようにして、透明な単層PETブレンドボトルを得た。
別の方法として、本発明の脱酸素性PET組成物は、多層コンテナを製造するのに使用することができる。
ボトル脱酸素試験(オキシセンス法)
本発明の実施例、比較例、対照例の全てのPETボトルについての脱酸素特性を、経時的な酸素侵入/酸素含有量を測定するための、OxyDot酸素センサ付きOxysense4000B装置(OxySense社、米国テキサス州ダラス752543から入手可能)を用いて評価した。各試験ボトル内部の中央部にOxyDotsを取り付けた。次いで、各ボトルをオービスフェアベンチトップフィラーに装填し、窒素で初期フラッシングした後、各ボトルに脱酸素水(O含有量<100ppm)を充填し、蓋をした。組成物毎にいくつかのボトルを充填及び密封した後に、それらボトルを必要とされる貯蔵寿命試験期間の周囲条件下で貯蔵しながら、それらボトル中の酸素含有量すなわち酸素侵入を測定した。この測定を行うために、上記装置の光ファイバペンの先端をボトルに確実に接触させた状態で、ペンを(ボトルの外側から)OxyDotに合わせた。次に、ボトル内の酸素濃度を得るためのキャプチャボタンを押した。酸素濃度を時間経過とともに定期的に測定した。
実施例1
この実施例は、PETと0.7重量%のポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)とのブレンドから製造された脱酸素ボトルの調製を例示する。PET樹脂(DAK L40A、IVは0.75)と、0.7重量%の分子量2000のPTMEG(Polymeg(登録商標)2000ポリオール、Lyondellbasell社)と、0.035重量%のネオデカン酸コバルト(CoNeo)とのブレンドを、上に記載した方法を使用して射出延伸ブロー成形し、単層で20オンスのケチャップボトル(容積530ml、平均厚さ=0.05cm)を得た。ボトルを脱酸素水で充填し、密封した後、上述したOxySense法を用いてボトル内の酸素侵入/酸素含有量を定期的に測定して、ボトルの酸素除去性能を試験した。酸素侵入データを図1に示す。このボトルは、90週間にわたる試験期間において酸素侵入が実質的にゼロである、優れた脱酸素性能を示した。一方、対照例のPETボトルはこの期間にわたって6ppmを超える酸素侵入を示した。ボトルから切り取った小片試料のIV測定は、PET対照例の0.73IVと比較して、0.67IVを示した。
実施例2
この実施例は、PTMEGの量が幾分低レベル(0.5重量%)であるPETボトルの脱酸素性能を例示する。PET樹脂(DAK L40A、IVは0.75)と、0.5重量%の分子量2900のPTMEG(Terathane(登録商標)2900ポリエーテルグリコール、Invista社)と、0.035重量%のCoNeoとの混合物を、上に記載した方法を使用して射出延伸ブロー成形し、単層で20オンスのケチャップボトル(容積530ml、平均厚さ=0.05cm)を得た。CoNeoが0.05重量%である点を除いて上記のものと類似の組成物も同様に射出延伸ブロー成形して実施例2bのボトルとした。両ボトルについて上述した方法で酸素除去性能を試験した。酸素侵入データを図2に示す。優れた脱酸素性能を示し、30週間の試験期間後に酸素侵入がゼロに近く、100週間後で2ppm未満に維持された。両ボトルから切り取った小片試料のIV測定は、0.69という同じIV値を示した。
実施例3
この実施例は、PET混合物中に、0.5重量%の分子量2000のPTMEG(Polymeg(登録商標)2000ポリオール、Lyondellbasell社)を0.05重量%のCoNeoとともに用いた点を除き、実施例2と同様である。得られたボトルの試料のIVは、0.64であった。
実施例3b
この実施例は、ベースPET樹脂が0.84IVのチタニウム触媒ベースPET(DAK社のTi818)である点を除き、0.5重量%のPTMEG2000と0.05重量%のCoNeoを有する実施例3と同様である。得られたボトルの試料のIVは、0.69であった。
図3に示したように、両実施例3、3bのボトルは優れた脱酸素性能を示した。
実施例4
この実施例は、混合物中に、0.5重量%の分子量650のPTMEG(Terathane(登録商標)650、Invista社)を0.035重量%のCoNeoとともに用いた点を除き、実施例3と同様である。ボトルは良好な透明性を示した。
実施例5
この実施例は、混合物中に、0.4重量%の分子量650のPTMEG(Terathane(登録商標)650)を0.035重量%のCoNeoとともに用いた点を除き、実施例4と同様である。得られたボトルの試料のIVは、0.63であった。
図4に示すように、両実施例4、5のボトルは良好な脱酸素性能を示した。
実施例6〜11
実施例6〜11および対照例1〜6は、以下の表1にまとめたように、ポリエステルベースポリマー、ポリエーテルポリオール、鎖延長剤、および遷移金属の種々の組み合わせを含む。実施例6〜11および対照例1〜6のそれぞれのベースポリマーはDAK社のTi818であった。対照例1、2はポリエーテルポリオールを含まず、対照例3、4および実施例6〜8は0.5重量%の分子量650のPTMEG(Invista社のTerathane650)を含み、対照例5、6および実施例9〜11は0.5重量%の分子量2000のPTMEG(Invista社のTerathane2000)を含む。対照例1〜6は鎖延長剤を含まず、実施例6、9はシグマアルドリッチ社の0.5重量%のベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)を含み、実施例7、10はシグマアルドリッチ社のピロメリット酸二無水物(PMDA)を含み、実施例8、11はカラーマトリックス社の液体担体中の鎖延長剤の非開示の組成物であるReprizeを含む。対照例1、3、5は、遷移金属成分を含まず、対照例2、4および実施例6〜11は、16ppmのコバルト触媒(例えば、Auriga・Polymers社のOxyclear Master Batch2700のようなPET中のコバルト塩マスターバッチ)を含む。実施例6〜11および対照例1〜6はいずれも上記実施例1〜5と同様の方法で成形した。
実施例6〜11および対照例1〜6の各々についての固有粘度も以下の表1に列挙した。表1と図5、6から、鎖延長剤の添加がボトル予備成形物の固有粘度を有益に増加させることが分る。

Claims (30)

  1. 少なくとも1つの層を含んでなるパッケージ用の壁であって、
    この層が、
    (a)ポリエステルベースポリマー;
    (b)少なくとも1つのポリエーテルポリオール;
    (c)少なくとも1つの鎖延長剤;
    (d)正の酸化状態の少なくとも1つの遷移金属
    を含んでなる組成物を備える、パッケージ用の壁。
  2. ポリエステルベースポリマーがポリエチレンテレフタレートである、請求項1に記載の壁。
  3. ポリエーテルポリオールは0.3〜0.7重量%の濃度である、請求項1に記載の壁。
  4. ポリエーテルポリオールは、
    [HO−(RO)−]
    の式を有し、Rは置換または非置換の、炭素数2〜10の2価アルキレン基であり、Xは、Hであるかまたは炭素数1〜10個の1価、2価、3価または4価の連結基であり、nは2〜100であり、mは1、2、3または4である、請求項1に記載の壁。
  5. ポリエーテルポリオールはポリテトラメチレンエーテルグリコールである、請求項4に記載の壁。
  6. ポリテトラメチレンエーテルグリコールの分子量は250〜4000である、請求項5に記載の壁。
  7. 少なくとも1つの遷移金属はコバルトである、請求項1に記載の壁。
  8. 少なくとも1つの遷移金属に対する少なくとも1つの対イオンを更に備える、請求項1に記載の壁。
  9. 少なくとも1つの遷移金属の濃度は10〜400ppmである、請求項1に記載の壁。
  10. 少なくとも1つの鎖延長剤は二無水物またはビスエポキシドを含む、請求項1に記載の壁。
  11. 少なくとも1つの鎖延長剤は、
    の式を有する二無水物を含み、
    ここで、Arは、
    または、
    であり、
    Xは、−O−、−CO−、−CH−、−C(CH−、またはZであり、
    Zは、
    であり、
    Yは、−O−、−CH−、−CO−、または、−C(CH−である、請求項10に記載の壁。
  12. 二無水物は、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)チオエーテル二無水物、ビスフェノール−Aビスエーテル二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、ハイドロキノンビスエーテル二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物からなる群から選択される、請求項11に記載の壁。
  13. 少なくとも1つの鎖延長剤は、
    の式を有するビスエポキシドを含み、
    X’は、−O−Ar’−O−、−N(Y’)−、−N(Z’)N−からなる群から選択される二官能性有機結合基であり、Ar’は芳香族基であり、Y’はアミドであり、Z’はイミド連結基である、請求項10に記載の壁。
  14. ビスエポキシドが、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、N,N−ジグリシジルベンズアミド(および関連する化学種)N,N−ジグリシジルアニリンおよび関連する構造、N,N−ジグリシジルヒダントイン、バルビツール酸、イソシアヌル酸またはウラシル種、N,N−ジグリシジルジイミド類、N,N−ジグリシジルイミダゾロン類およびエポキシノボラック類からなる群から選択される、請求項13に記載の壁。
  15. パッケージが単層コンテナである、請求項1に記載の壁。
  16. パッケージが多層コンテナである、請求項1に記載の壁。
  17. 少なくとも1つの層を含んでなるパッケージ用の壁であって、
    層が、
    (a)ポリエステルベースポリマー;
    (b)少なくとも1つのポリエーテルポリオール;
    (c)二無水物を含む少なくとも1つの鎖延長剤;
    (d)正の酸化状態の少なくとも1つの遷移金属
    を含んでなる組成物を備える、パッケージ用の壁。
  18. 二無水物は、
    の式を有し、ここで、Arは、
    または、
    であり、
    Xは、−O−、−CO−、−CH−、−C(CH−、またはZであり、
    Zは、
    であり、
    Yは、−O−、−CH−、−CO−、または、−C(CH−である、請求項17に記載の壁。
  19. 二無水物は、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)チオエーテル二無水物、ビスフェノール−Aビスエーテル二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、ハイドロキノンビスエーテル二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物からなる群から選択される、請求項18に記載の壁。
  20. ポリエーテルポリオールは
    [HO−(RO)−]
    の式を有し、Rは置換または非置換の、炭素数2〜10の2価アルキレン基であり、Xは、Hであるかまたは炭素数1〜10個の1価、2価、3価または4価の連結基であり、nは2〜100であり、mは1、2、3または4である、請求項17に記載の壁。
  21. ポリエーテルポリオールはポリテトラメチレンエーテルグリコールである、請求項20に記載の壁。
  22. ポリテトラメチレンエーテルグリコールの分子量は250〜4000である、請求項21に記載の壁。
  23. ポリエーテルポリオールは0.3〜0.7重量%の濃度である、請求項17に記載の壁。
  24. 少なくとも1つの遷移金属はコバルトである、請求項17に記載の壁。
  25. 少なくとも1つの遷移金属の濃度は10〜400ppmである、請求項17に記載の壁。
  26. 少なくとも1つの遷移金属に対する少なくとも1つの対イオンを更に備える、請求項17に記載の壁。
  27. パッケージが単層コンテナである、請求項17に記載の壁。
  28. パッケージが多層コンテナである、請求項17に記載の壁。
  29. 少なくとも1つの層を含んでなるパッケージ用の壁であって、
    層が、
    (a)ポリエステルベースポリマー;
    (b)0.3〜0.7重量%の濃度である少なくとも1つのポリエーテルポリオール;
    (c)少なくとも1つの鎖延長剤;
    (d)10〜400ppmの濃度である、正の酸化状態の少なくとも1つの遷移金属
    を含んでなる組成物を備える、パッケージ用の壁。
  30. 少なくとも1つの鎖延長剤は二無水物またはビスエポキシドを含む、請求項29に記載の壁。
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