JPH11165686A - 車載用vベルト式自動変速機 - Google Patents

車載用vベルト式自動変速機

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JPH11165686A
JPH11165686A JP9335504A JP33550497A JPH11165686A JP H11165686 A JPH11165686 A JP H11165686A JP 9335504 A JP9335504 A JP 9335504A JP 33550497 A JP33550497 A JP 33550497A JP H11165686 A JPH11165686 A JP H11165686A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車幅の増加を抑えつつ、エンジンブレーキを
効かすことができるベルトクラッチ機能を有するVベル
ト式自動変速機を提供できるようにすることを目的とし
ている。 【解決手段】 駆動調車10の固定シーブ14に対する
可動シーブ15の最大開位置を規制する開度規制装置2
9を設け、該開度規制装置29により、可動シーブ15
の最大開位置を、アイドリング回転時にVベルト12と
駆動調車10との間の動力伝達が遮断可能でベルトクラ
ッチ機能を発揮できる第1の最大開位置と、該第1の最
大開位置よりも固定シーブ側であって、アイドリング回
転時にVベルト12と駆動調車10との動力伝達を接続
状態に保つ第2の最大開位置との間で変更可能としてい
る。これにより、エンジンブレーキを効かすことができ
ると共に簡素な構造のベルトクラッチ機能を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、駆動軸上の駆動
調車と従動軸上の被駆動調車との間にVベルトを巻き掛
け、駆動軸上の駆動調車推力発生機構により、可動シー
ブを軸方向に移動して駆動調車の実効巻回径を変更する
ことにより自動変速する車載用Vベルト式自動変速機に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に用いられるこの種Vベルト式自動
変速機は、アイドリング状態の時に駆動調車とベルトと
の動力を遮断できるようにすることにより、極めて簡単
な構造でクラッチ機能、すなわちベルトクラッチ機能を
発揮させている。
【0003】しかしながらこのベルトクラッチ機能は、
車輛がゆっくりと坂道を下る際にエンジン回転がアイド
リング状態になれば動力が遮断されるので、エンジンブ
レーキを効かすことができず、フットブレーキ等の通常
のブレーキ装置を利用している。
【0004】このようなベルトクラッチ機能を有するV
ベルト式自動変速機に対し、Vベルト式自動変速機自体
にはクラッチ機能を持たせず、常にベルトと駆動調車と
の間で動力が接続された状態に保つようにし、その代わ
りに、図7(特開昭63−71424号)のようにエン
ジンとVベルト式自動変速機との間に遠心クラッチ及び
ワンウエイクラッチを配置した変速装置が開発されてい
る。
【0005】図7において、Vベルト式自動変速機は、
駆動軸100上に固定シーブ101と可動シーブ102
からなる駆動調車103を備え、従動軸105上には固
定シーブ106と可動シーブ107からなる被駆動調車
108を備え、両調車103,108間にVベルト11
0を巻き掛けている。
【0006】駆動調車推力発生機構としては、可動シー
ブ102の背面にカム板111及びローラウエイト11
2等を備え、回転数の増加に伴ってローラウエイト11
2にかかる遠心力の増加により可動シーブ102を固定
シーブ101側へと移動し、実効巻回径を増加するよう
になっている。そしてエンジンブレーキが効くようにア
イドリング状態の時にも駆動調車103とVベルト11
0との間は動力伝達されるようになっている。
【0007】クランク軸115と駆動軸100の間に遠
心クラッチ116が配置されており、該遠心クラッチ1
16にはワンウエイクラッチ作用を有するローラ118
が内蔵されており、駆動軸側のクラッチアウタ121か
らクランク軸側のボス120への一方向のみに動力が伝
達されるようになっている。
【0008】この図7の構造において、エンジンが車輛
を駆動する際、アイドリング状態以上にエンジン回転が
上昇すると、遠心クラッチ116が接続状態となり、加
速状態となる。また、それとは逆に惰行時、すなわちエ
ンジンが車輛の慣性力により動かされているエンジンブ
レーキ状態においては、エンジン回転がアイドリング状
態まで低下し、遠心クラッチ116が切れても、ワンウ
エイクラッチ用ローラ118がロック状態に保たれてい
るため、逆駆動力がエンジンに作用し、その結果エンジ
ンブレーキが期待できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら図7のよ
うな構造では次のような課題がある。 (1)遠心クラッチ116を搭載しているので、エンジ
ンの軸方向寸法が大きくなり、車載性を阻害する。すな
わち、遠心クラッチ116がエンジンのクランク軸11
5と駆動軸100との間に配置されるため、エンジンの
軸方向寸法が大きくなる。一般にこのようなVベルト式
自動変速機を搭載した車輛は、Vベルト110の保守点
検等のためVベルト式自動変速機を車体側方に配置する
関係上、どうしてもエンジンは横配置(クランク軸が車
幅方向と平行な配置)となり、そのため車幅の狭い小形
車輛では搭載が困難になる。
【0010】(2)遠心クラッチ116を搭載している
ので、車輛重量が増加し、コストも高くなる。特に遠心
クラッチ116は容積と共に重量もかさ張る部品であ
り、それに加えて軸方向の延長に伴うクランクケースの
拡大化による重量増加もあり、それらに関連してコスト
も高くなる。
【0011】
【発明の目的】本願発明の目的は、軸方向寸法のコンパ
クト化を保ち、従来のVベルト式自動変速機の持つ簡素
な構造のベルトクラッチ機能を残しつつも、エンジンブ
レーキを効かせることも可能なVベルト式自動変速機
を、軽量かつ安価に提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願請求項1記載の発明は、駆動軸上の駆動調車と従動
軸上の被駆動調車との間にVベルトを巻き掛け、駆動軸
上の駆動調車推力発生機構により、可動シーブを軸方向
に移動して駆動調車の実効巻回径を変更することにより
自動変速する車載用Vベルト式自動変速機において、駆
動調車の固定シーブに対する可動シーブの最大開位置を
規制する開度規制装置を設け、該開度規制装置は、アイ
ドリング回転時にベルトと駆動調車との間の動力伝達を
遮断可能な第1の最大開位置と、該第1の最大開位置よ
りも固定シーブ側であって、アイドリング回転時にベル
トと駆動調車との動力伝達を接続状態に保つ第2の最大
開位置との間で、可動シーブの規制範囲を変更可能とし
たことを特徴としている。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載のV
ベルト式自動変速機において、車速を検知する車速セン
サーと、該車速センサーからの車速信号を入力して、車
速上昇中において第1の所定速度までは第1の最大開位
置で規制し、第1の所定速度以上になると規制範囲を第
1の最大開位置から第2の最大開位置へと変更し、一
方、車速下降中においては、上記第1の所定速度よりも
低い第2の所定速度以下に下がると第2の最大開位置か
ら第1の最大開位置へと規制範囲を変更するように開度
規制装置に制御信号を送る制御装置を備えたことを特徴
としている。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本願発明を適用したVベル
ト式自動変速機を有する自動二輪車用動力伝達機構をス
ケルトン様式で示す機構説明図であり、エンジンは、シ
リンダ1、ピストン2、クランクケース3及びクランク
軸4等を備えており、クランクケース3の後部には変速
機ケース6が一体に形成され、右側方にはベルコンケー
ス5及びベルコンカバー7が順次取り付けられ、クラン
ク軸4は軸受13を介してクランクケース3に両持ち支
持されている。
【0015】ベルコンケース5及びベルコンカバー7内
には、駆動軸8、従動軸9、駆動調車10、被駆動調車
11及び両調車10,11間に巻き掛けられたVベルト
12等からなるVベルト式自動変速機Tが配置されてお
り、該Vベルト式自動変速機Tにはベルトクラッチ機能
の有無を切り換えることができる開度規制装置29が付
設されている。変速機ケース6内には入力用変速軸2
0、中間変速軸21及び出力軸22等を備えた前進2段
後進1段切換の歯車式変速機Gが配置されている。
【0016】図2によりVベルト式自動変速機Tの構造
を詳しく説明する。駆動軸8はクランク軸4の右端部に
テーパー嵌合すると共に締結ボルト17により一体的に
結合されており、軸受18によって片持ち支持されてい
る。駆動調車10は、左側の固定シーブ14と、該固定
シーブ14に軸方向に右側から対向する可動シーブ15
からなっており、固定シーブ14は、駆動軸8に回転方
向及び軸方向に固定されており、一方可動シーブ15は
駆動軸8に対して軸方向移動可能ではあるが駆動軸8と
一体的に回転するように嵌合している。固定シーブ14
の左端面には冷却ファン31が形成されている。
【0017】可動シーブ15の背面側(右側)には、ス
パイダー23、複数のガバナウエイト24、調圧ばね2
5及びカバー26等からなる駆動調車推力発生機構19
が設けられている。複数のガバナウエイト24は、可動
シーブ15の背面に設けられた複数のピン27にそれぞ
れ回動自在に支持されており、駆動軸8の回転数の増加
に伴い、遠心力により右方へと拡開するようになってい
る。可動シーブ15の背面にはスパイダー23を通過し
て右方へと延びる連結アーム35が形成されており、該
連結アーム35の右端縁には、駆動軸8に軸方向移動可
能かつ回転可能に嵌合するカバー26が結合され、これ
により可動シーブ15とカバー26とは一体的に回転す
ると同時に駆動軸8に対して一体的に軸方向に移動自在
となっている。
【0018】スパイダー23は、可動シーブ15の右側
に配置されると共に駆動軸8にねじ嵌合し、上記各ガバ
ナウエイト24が当接する受圧ローラ28を備えてい
る。調圧ばね25はスパイダー23とカバー26の間に
縮設され、それによりカバー26は右方に付勢されてい
る。
【0019】開度規制装置29は、駆動軸8の外周面に
スライドメタル55を介して軸方向移動自在に嵌合する
軸受32と、該軸受32の軸方向位置を変更する円筒カ
ム56と、該円筒カム56がねじりばね77を介して嵌
合するカム用出力軸57を有する電動アクチュエータ5
8等から構成されている。
【0020】軸受32の内輪はスライドメタル55にこ
れと一体的に軸方向に移動するように嵌着されると共
に、前記カバー26の右面内周端部に形成された環状隆
起部26aに軸方向に当接自在に対向しており、軸受3
2の外輪の右端面は円筒カム56のカム面に当接できる
ようにしている。駆動軸8の右端には軸受32の脱落防
止用ストッパー45が固定されている。
【0021】円筒カム56は、ベルコンカバー7に形成
されたボス部61に軸受62を介して回動自在に支持さ
れると共にカム用出力軸57に脱落不能に嵌合し、その
上端には図3に示す段部76が形成されている。該段部
76には、待ち機能を発揮するためのねじりばね77の
下端が係合しており、該ねじりばね77の上端は、図2
に示すようにカム用出力軸57の上端部に打ち込まれた
ピン78に、一定の初期ねじりが加わった状態で係合
し、上記ねじりばね77により、上方から見て図5Aに
示すようにカム用出力軸57に対し、円筒カム56を反
時計回り(矢印R1方向)に一定荷重で付勢している。
【0022】図5Aにおいて、円筒カム56のカム面
は、上死点P2と下死点P1とを180°の間隔で有する
卵形に形成されており、下死点P1が軸受32の外輪側
端に当接して軸受32を下死点位置で規制する状態と、
図5Bに示すように上死点P2が軸受32に当接して軸
受32を上死点位置で規制する状態との間で、矢印R1
及び矢印R2方向に円筒カム56は回動し、それにより
軸受32をカムストロークS1の範囲で軸方向に位置変
更することができる。
【0023】円筒カム56の上端には、上記ねじりばね
77が係合する段部76に対して、周方向に間隔をおい
て対向する段部79が形成され、該段部79にはカム用
出力軸57に打ち込まれたピン80が係合し、カム用出
力軸57に対して円筒カム56が相対的に矢印R1方向
に回動しないように係止している。両段部76,79の
位置は、上死点P2と下死点P1からそれぞれ概ね90°
隔てた位置に配置されている。
【0024】したがって円筒カム56は、図5Aに示す
下死点位置からは、カム用出力軸57が矢印R1方向に
回動することにより、図4の上側のピン78、ねじりば
ね77及び段部76を介して矢印R1方向に回動し、反
対に図5Bに示す上死点位置からは、カム用出力軸57
が矢印R2方向に回動することにより、下側のピン80
及び段部79を介して一体的に回動する。
【0025】図5Aに示すように下死点位置の軸受32
でカバー26の右方最大移動位置を規制することによ
り、図2に示すように可動シーブ15の最大開位置(右
方移動位置)を、アイドリング状態において駆動調車1
0とVベルト12とが遮断される第1の最大開位置で規
制するようになっている。すなわち、ベルトクラッチ機
能を発揮可能な状態となっている。
【0026】一方、図5Bに示すように上死点位置の軸
受32でカバー26の右方最大移動位置を規制すること
により、図3に示すように可動シーブ15の最大開位置
を、アイドリング状態でも駆動調車10とVベルト12
とが接続状態で維持される第2の最大開位置で規制する
ようになっている。
【0027】図4は開度規制装置29の斜視図を示して
おり、電動アクチュエータ58は、電動モータ64と、
減速機66と、カム用出力軸57の回動位置及び回動量
を計測するポテンショ65等を備えており、電動モータ
64とポテンショ65はCPUを内蔵する制御装置59
に接続している。
【0028】制御装置59には、車軸67に配置された
車速センサー(車速ピックアップ)60が接続してい
る。該車速センサー60で検出した車速信号と、前記ポ
テンショ65により検出したカム用出力軸57の回動位
置信号を制御装置59に入力し、それに基づき電動アク
チュエータ58に回動指示信号及び停止信号を発するよ
うになっている。
【0029】具体的な制御としては、車速が上昇中にお
いて、第1の所定速度V1(たとえば7km/h)に至るまで
は図5Aの下死点位置に円筒カム56は保持され、これ
によりベルトクラッチ機能が発揮できる状態を保持し、
図4の車速センサー60により所定速度V1以上になる
のを検出すると、制御装置59から電動モータ64に対
し、カム用出力軸57をR1方向に180°回動する指
示を発し、カム用出力軸57が180°回動して図5B
に示す上死点位置まで達したのをポテンショ65で検知
すると、停止信号を発してカム用出力軸57を停止す
る。
【0030】一方、車速が下降中において、第2の所定
速度V2(たとえば5km/h)に至るまでは図5Bの上死点
位置で円筒カム56は保持され、これによりベルトクラ
ッチ機能が発揮できない状態に保持し、車速センサー6
0により所定速度V2以下になるのを検知すると、制御
装置59から電動モータ64に対し、カム用出力軸57
をR2方向に180°回動する指示を発し、カム用出力
軸57が180°回動して図5Aに示す下死点位置まで
達したのをポテンショ65で検知すると、停止信号を発
してカム用出力軸57を停止する。
【0031】図2に戻り、被駆動調車11について説明
する。被駆動調車11は、右側の固定シーブ33と左側
の可動シーブ34からなり、筒形のカム軸38、ローラ
支持用のスリーブ46、ローラ50及び調圧ばね49等
からなる調圧機構を介して従動軸9に支持されると共
に、従動軸9の右端部に配置されたトーショナルダンパ
ー42を介してベルト12の動力を従動軸9に伝達する
ようになっている。
【0032】詳しく説明すると、固定シーブ33はトー
ショナルダンパー42を介して従動軸9に連結すると共
に内周部にカム軸38を一体的に有し、従動軸9に対し
て軸方向に固定されると共に回転方向には一定角度範囲
でダンパー42に抗してねじり可能となっている。カム
軸38には軸方向にスパイラル状に延びる複数のカムガ
イド溝51が形成されている。可動シーブ34の内周端
部に固着されたスリーブ46が上記カム軸38に軸方向
移動可能かつ回動可能に嵌合し、スリーブ46に内向き
突出状に支持されたカムローラ50が、上記カムガイド
溝51に摺動自在に係合しており、Vベルト12からの
回転トルクが増加して可動シーブ34が回転方向の前方
にねじれると、上記ローラ50とカムガイド溝51との
カム作用により可動シーブ34を固定シーブ側へと押
し、挟持圧を増加させるようになっている。可動スリー
ブ34の左端部に設けられたばね受けリング73とカム
軸38の左端部に設けられたばね受けリング74の間に
は調圧ばね49が縮設され、該調圧ばね49により可動
スリーブ34を一定のばね力で固定シーブ側に付勢して
いる。
【0033】
【作用】まず、動力伝達経路全体の作動を簡単に説明す
る。図1において、クランク軸4の回転力は、Vベルト
式自動変速機T内において、駆動軸8、駆動調車10、
Vベルト12及び被駆動調車11に伝達され、該被駆動
調車11からはトーショナルダンパー42を介して従動
軸9に伝達され、該Vベルト式自動変速機T内で、回転
速度及び車輪側からの負荷に応じて自動変速されると共
に、トーショナルダンパー42により歯車式変速機Gの
シフト時における衝撃音あるいは加減速時の衝撃音の発
生を解消する。
【0034】従動軸9から歯車式変速機Gの入力用変速
軸20に伝達される動力は、シフトフォーク127の操
作により、中立状態から前進ハイ状態、前進ロー状態あ
るいは後進状態へと任意に切り換えられ、中間変速軸2
1から出力軸22及びベベルギヤ85,86を介してプ
ロペラ軸16に伝達される。
【0035】Vベルト式自動変速機の作用を説明する。
エンジン停止時には、駆動調車10は略図2に示す状態
となっており、被駆動調車11は図2の被駆動軸芯O2
より前側の状態となっており、駆動調車10のガバナウ
エイト24が閉じている。円筒カム56は下死点位置に
あるので、軸受32は、カバー26及び連結アーム35
を介して可動シーブ15の最大開位置を、第1の最大開
位置で規制しており、ベルトクラッチ機能が発揮できる
状態となっている。可動シーブ15は調圧ばね25によ
り図2に示す第1の最大開位置まで右方に移動してお
り、駆動調車10とVベルト12とは、ベルトクラッチ
機能により遮断状態となっている。
【0036】エンジン回転がアイドリング状態になると
ガバナウエイト24が遠心力によりわずかに開くことに
より、可動シーブ15が図2の状態から若干左方へと移
動するが、該アイドリング状態でも駆動調車10とVベ
ルト12との動力の伝達は遮断されている。すなわち依
然として、駆動調車10とVベルト12とは、ベルトク
ラッチ機能により遮断状態となっている。
【0037】エンジン回転がアイドリング状態からさら
に上昇すると、ガバナウエイト24は遠心力によりさら
に右方へ回動してローラ28を右方へ押し、その反力に
より可動シーブ15は調圧ばね25に抗して左方へと移
動し、ベルトクラッチ機能により駆動調車10とVベル
ト12との動力が接続され、Vベルト12を介して被駆
動調車11、トーショナルダンパー42、従動軸9及び
歯車式変速機G等を介して動力が車輪に伝達され、車が
走行し始める。
【0038】さらに車速上昇中において、第1の所定速
度V1(たとえば7km/h)までは、前述のようにベルト
クラッチ機能が発揮できる状態であり、そのベルトクラ
ッチ作用により動力の接続がなされている。
【0039】車速が所定速度V1以上になると、車速セ
ンサー60からの信号が制御装置59に伝えられ、電動
アクチュエータ58が作動し、円筒カム56を図5Aの
下死点位置から矢印R1方向に回動し、図5Bに示す上
死点位置とし、軸受32を上死点位置までストロークS
1移動する。これにより、図3に示すように可動シーブ
15の最大開位置は第2の位置まで左方へと狭められ、
ベルトクラッチ機能が発揮できない状態に維持される。
【0040】次に車速が降下中、第2の所定速度V2
(たとえば5km/h)までは、円筒カム56は図3の上死
点位置を保ち、ベルトクラッチ機能が発揮できない状態
が持続される。つまり、駆動調車10とVベルト12と
の間の動力伝達は、たとえ回転がアイドリング状態まで
下がっても、切れることがないように維持される。した
がって、惰性走行時におけるエンジンブレーキを効かす
ことができる。
【0041】車速が第2の所定速度V2より下がると、
車速センサー60からの信号が制御装置59に伝えら
れ、電動アクチュエータ58が作動し、円筒カム56を
図5Bの上死点位置から矢印R2方向に回動し、図5A
に示す下死点位置に戻し、ベルトクラッチ機能が発揮で
きる状態に戻る。したがって、回転がアイドリング状態
まで下がると、図2のように可動シーブ15は略第1の
最大開位置まで開き、駆動調車とVベルト12との間の
動力伝達は遮断される。
【0042】被駆動調車11は、上記駆動調車10の径
が増大した時は、調圧ばね49に抗してVベルト12に
より可動シーブ33が左方へと移動し、両シーブ33,
34間が広げられ、実効巻回径が縮小する。また、走行
中、回転トルクが増加して被駆動調車11の可動シーブ
34が固定シーブ33に対して回転方向の前方側へとね
じれると、ローラ50が円筒カム溝51によってガイド
されることにより、スリーブ46及び可動シーブ34は
固定シーブ33側へと移動し、Vベルト12の挟持圧力
を増加させると共に被駆動調車11の実効巻回径を増加
させる。またこの時、調圧ばね49による右方への加圧
力も可動シーブ34に付加されている。
【0043】電動アクチュエータ58を切り換えるため
の所定車速を、図6に示すように速度上昇中の所定速度
V1に対して速度下降中の所定速度V2を低く設定して、
ヒステリシスを与えていることにより、切換速度近傍に
おけるハンチング現象を防止できる。
【0044】開度規制装置29の待ち機構について説明
する。図5Aに示す下死点位置から円筒カム56を矢印
R1方向に回動する場合、何らかの理由で円筒カム56
が回り難い時は、円筒カム56は下死点位置あるいは回
動途中の位置で一旦停止してしまうが、カム用出力軸5
7はねじりばね77をねじ込みながら単独で所定量まで
(図5Bの上死点位置まで)回動する。したがって電動
モータ64が停止されることはなく、モータ64の焼け
等を回避できる。また、上記停止した円筒カム56は、
回転の変動あるいは何らかの振動でその停止原因が除去
された機会に、ねじりばね77の復元力により矢印R1
方向へと回動し、下側のピン80と段部79との係合に
より、図5Bの上死点位置で係止される。
【0045】
【その他の実施の形態】(1)開度規制装置29の電動
アクチュエータ58の作動因子として、上記実施の形態
では車速のみを利用しているが、きめ細かく制御するた
めには、車速に加え、車速の減速度、エンジンスロット
ル開度、エンジン回転、ブレーキ作動の有無あるいはブ
レーキ作動の早さ等のフィードバック因子を組み合いれ
ることもある。
【0046】(2)図示の実施の形態では、図5A,B
のように円筒カム56をR1及びR2方向に180°往復
作動する構造としているが、R1方向のみ連続して回転
する構造とすることも可能である。この場合は、上死点
位置から下死点位置への変更の場合でもねじりばね77
による待ち機能を発揮することができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本願発明によると、 (1)可動シーブ15の最大開位置を規制する開度規制
装置29により、アイドリング状態時にベルトクラッチ
機能が発揮可能な状態と、アイドリング状態時にベルト
クラッチ機能が発揮不可能な状態に切り換えることがで
きるようにしているので、図7の従来例のようにクラン
ク軸と駆動軸との間にかさ張る遠心クラッチ等を配置し
た構造に比べ、軸方向寸法の増加を抑えつつ、エンジン
ブレーキを効かすことのできるベルトクラッチ機能を付
与することができる。
【0048】(2)簡素な構造の通常のベルトクラッチ
機能を残しつつも、エンジンブレーキの期待できる軽量
で安価なVベルト式自動変速機を提供することができ
る。
【0049】(3)請求項2記載の発明のように、車速
センサー60により車速を検知して、低速時にはベルト
クラッチ機能が可能な状態とし、所定速度以上の時には
ベルトクラッチ機能が不可の状態に切り変わるように構
成しているので、低速時のエンストを防止できると共
に、慣性走行時におけるエンジンブレーキも自動的に効
かすことができる。
【0050】(4)請求項2記載の発明のように、可動
シーブ15の最大開位置を切り換えるための開度規制装
置29の作動要因となる所定速度を、車速上昇時と車速
下降時とで異ならせ、上昇時の所定速度V1の方が下降
時の所定速度V2よりも高くなるようにヒステリスルを
付けているので、所定速度近傍で頻繁に切り替わるとい
うハンチング現象を防止することができ、快適な切換及
び走行が確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明を適用したVベルト式自動変速機を
備えた自動二輪車用エンジンの動力伝達系をスケルトン
様式で示す機構説明図である。
【図2】 図1のVベルト式自動変速機を各軸を通る切
断面で切断した断面図である。
【図3】 Vベルト式自動変速機の駆動調車をベルトク
ラッチ機能不可状態で示す図2と同様の断面図である。
【図4】 開度規制装置の斜視図である。
【図5】 図2のV−V断面を示しており、Aは下死点位
置、Bは上死点位置の状態を示す断面図である。
【図6】 円筒カムの位置と車速との関係を示す特性線
図である。
【図7】 従来例の縦断面図である。
【符号の説明】
8 駆動軸 9 従動軸 10 駆動調車 11 被駆動調車 12 Vベルト 14 固定シーブ(駆動調車側) 15 可動シーブ(駆動調車側) 19 駆動調車推力発生機構 29 開度規制装置 33 固定シーブ(被駆動調車側) 34 可動シーブ(被駆動調車側)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16H 59:48 63:06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動軸上の駆動調車と従動軸上の被駆動
    調車との間にVベルトを巻き掛け、駆動軸上の駆動調車
    推力発生機構により、可動シーブを軸方向に移動して駆
    動調車の実効巻回径を変更することにより自動変速する
    車載用Vベルト式自動変速機において、 駆動調車の固定シーブに対する可動シーブの最大開位置
    を規制する開度規制装置を設け、 該開度規制装置は、アイドリング回転時にベルトと駆動
    調車との間の動力伝達を遮断可能な第1の最大開位置
    と、該第1の最大開位置よりも固定シーブ側であって、
    アイドリング回転時にベルトと駆動調車との動力伝達を
    接続状態に保つ第2の最大開位置との間で、可動シーブ
    の規制範囲を変更可能としたことを特徴とする車載用V
    ベルト式自動変速機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車載用Vベルト式自動変
    速機において、 車速を検知する車速センサーと、 該車速センサーからの車速信号を入力して、車速上昇中
    において第1の所定速度までは第1の最大開位置で規制
    し、第1の所定速度以上になると規制範囲を第1の最大
    開位置から第2の最大開位置へと変更し、一方、車速下
    降中においては、上記第1の所定速度よりも低い第2の
    所定速度以下に下がると第2の最大開位置から第1の最
    大開位置へと規制範囲を変更するように開度規制装置に
    制御信号を送る制御装置を備えたことを特徴とする車載
    用Vベルト式自動変速機。
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