JPH11165376A - フッ素樹脂被覆された木理化粧シートおよび木理化粧ボード - Google Patents

フッ素樹脂被覆された木理化粧シートおよび木理化粧ボード

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JPH11165376A
JPH11165376A JP9350041A JP35004197A JPH11165376A JP H11165376 A JPH11165376 A JP H11165376A JP 9350041 A JP9350041 A JP 9350041A JP 35004197 A JP35004197 A JP 35004197A JP H11165376 A JPH11165376 A JP H11165376A
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sheet
adhesive
veneer
wood
fluororesin
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JP9350041A
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Hiroshi Mitsumata
寛 三俣
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Hokusan Co Ltd
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Hokusan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フッ素樹脂フィルム2が突板表面に被覆された
木理化粧シート1および木理化粧ボード10であって、
耐熱性および熱拡散性が格段に改良され、良好な難燃性
能、優れた消火炎性能を有する木理化粧製品を提供す
る。 【解決手段】フッ素樹脂フィルム2、突板貼りシート4
および金属箔6を含む積層体の木理化粧シート1(木理
化粧ボード10)であって、フッ素樹脂フィルム2は接
着性材料3を介して突板貼りシート4の突板表面に被覆
されて表面層として形成され、一方、金属箔6は突板貼
りシート4より下側の中間層として(突板貼りシート4
と基板9との間の中間層として)介在しているものとす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なフッ素樹脂
被覆された木理化粧シートおよび木理化粧ボードに関す
る。このシートおよびボードは、以下に述べる広範な用
途の全般にわたって、特に制限されることなく、適用さ
れうる。:建築内装材例えば壁面材、天井表面材、柱被
覆材および可動間仕切り等の表面材:自動車、船舶の内
装製品の表面材:箪笥等の家具の外面化粧材:什器等の
一般木製品の外面化粧材:並びに、電子機器および楽器
の外面化粧材など。
【0002】
【従来の技術】薄い木材単板を表面材とする木理化粧シ
ートは、従来より、例えば建物の壁面材および家具の表
面材として、頻繁に利用されている。現在汎用されてい
る種類の木理化粧シートは、突板貼りシート(突板を
紙、不織布等で裏打ちしたもの)とポリオレフィンのよ
うな合成樹脂フィルムとの積層体よりなるシート製品で
あり、それは、典型的には、突板、接着剤層、紙または
不織布、ポリプロピレンまたはポリエチレンフィルム、
および、紙または不織布を最上層よりこの順に積層し、
圧着成形した構成をなす。また、近年よく使用されてい
る他の種類の木理化粧シートは、ポリオレフィンフィル
ムの代わりに、鉄またはアルミニウム等の金属箔を裏打
ち材として使用する積層シート製品である。これは、例
えば、突板、接着剤層、紙または不織布、接着剤層、ア
ルミニウム箔、接着性材料、および、紙または不織布を
最上層よりこの順に積層し、圧着成形した構成をなす。
さらに、ポリオレフィンフィルムおよび金属箔の両方を
裏打ち材として使用する積層体の木理化粧シートも、既
に市販製品として開発されている。これら従来の木理化
粧シートは、主に、木理化粧シートの寸法安定性を著し
く改良することを意図して、アルミニウム等の金属箔を
積層体の一要素として介在させたものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、木材には、
燃焼し易く、その火炎も速やかに広がるという性質があ
り、この点が従来、木材製品全般、勿論木理化粧シート
の欠点となっていた。従って、木理化粧シートについ
て、難燃性能および消火炎性能を高めることが求められ
てきた。フッ素樹脂フィルムは、耐熱温度が大変高いと
いう特性を有し、木理化粧シートの裏打ち材として有利
ではあったが、その価格が高価であるため、これまで実
際の製品には全く利用されてこなかった。しかるに、昨
今フッ素樹脂フィルムの価格が従来に比してより廉価に
なってきたことから、フッ素樹脂フィルムを木理化粧シ
ートの一要素として利用し、耐熱性に優れた木質化粧材
を開発する動きが最近見られるようになってきた。例え
ば、特開平 9-136385 号公報は、エチレン−テトラフル
オロエチレン共重合体の樹脂フィルムを突板・不織布積
層シートの突板上に被覆接着したラッピング用突板化粧
シートを開示している。しかし、この公報に記載された
技術は、道管由来の膨潤、汚染、並びにラッピングの際
の割れ、毛羽立ち等を防止するために、突板シートの道
管を上記のようなフッ素樹脂フィルムの積層化によって
完全に塞ぐことを意図しているものであって、上記公報
には、それ以外の発想および着想が記載されていないよ
うに思われる。また、フッ素樹脂で表面被覆された木理
化粧シートまたはボードであって、その難燃(不燃)性
能および消火炎性能をさらに高めるべく改良製品は、こ
れまでに提案されていない。本発明は、以上の事情を背
景としてなされたものであって、その目的とするところ
は、耐熱性および熱拡散性が改良され、良好な難燃性能
および優れた消火炎性能を有するところのフッ素樹脂被
覆の木理化粧シートおよび木理化粧ボードを提供するこ
とにある。
【0004】本発明者は、鋭意研究の結果、驚くべきこ
とに今、フッ素樹脂フィルムを突板貼りシートの突板表
面に被覆するとともに、金属箔を該突板貼りシートの下
側に介在させて一体化した積層構成の木理化粧シートお
よび木理化粧ボードとすることにより、得られる木理化
粧シートおよび木理化粧ボードは、これらの従来製品と
比較して、耐熱性および熱拡散性が格段に改良され、良
好な難燃性能、そして優れた消火炎性能を有する木理化
粧製品になることを見出し、ここに、本発明を完成し
た。さらに、本発明者は、上記の発見に基づき、研究を
さらに進めたところ、金属箔としてアルミニウム箔を採
用し、かつ、フッ素樹脂フィルムと突板貼りシートの接
着剤としてエチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・
アクリル酸メチル共重合体またはエチレン・アクリル酸
エチル共重合体を採用するとき、得られる木理化粧シー
トおよび木理化粧ボードは、難燃および消火炎性能が非
常に優れたものとなり、しかも、寸法安定性、柔軟性そ
して強度などの特性についても良好なものになることを
見出し、本発明の改良された態様を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】より明確には、本発明の
第一の発明は、フッ素樹脂フィルム、突板貼りシートお
よび金属箔を含む積層体の木理化粧シートであって、前
記フッ素樹脂フィルムは接着性材料を介して前記突板貼
りシートの突板表面に被覆されて表面層として形成さ
れ、一方、前記金属箔は前記突板貼りシートより下側の
中間層として介在していることを特徴とする、フッ素樹
脂被覆された木理化粧シートに関する。また、本発明の
第二の発明は、フッ素樹脂フィルム、突板貼りシートお
よび金属箔を基板とともに含む積層体の木理化粧ボード
であって、前記フッ素樹脂フィルムは接着性材料を介し
て前記突板貼りシートの突板表面に被覆されて表面層と
して形成され、一方、前記金属箔は前記突板貼りシート
と前記基板との間の中間層として介在していることを特
徴とする、フッ素樹脂被覆された木理化粧ボードに関す
る。なお、本発明の木理化粧ボードには、製品として仕
上げられた本発明のフッ素樹脂被覆木理化粧シートを、
液状接着剤または接着性フィルムで以て、突板貼りボー
ドに使われる基板の上に接着し圧締することにより、製
造されたフッ素樹脂被覆木理化粧ボードも、包含され
る。また本発明のより好ましい態様は、上記のフッ素樹
脂被覆された木理化粧シートおよび木理化粧ボートにお
いて、金属箔がアルミニウム箔より成り、かつ、接着性
材料がエチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、エチ
レン・アクリル酸メチル共重合体(EMA)またはエチ
レン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)より成る態
様である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の木理化粧シートおよび木
理化粧ボードの各積層要素を以下、順に説明する。
【0007】−フッ素樹脂フィルム 本発明においては、フッ素樹脂フィルムが突板貼りシー
トの突板表面に被覆され、積層体の木理化粧シートおよ
びボードの表面層を形成している。以下のフッ素樹脂よ
りなるフィルムが、本発明におけるフッ素樹脂フィルム
として適用されうる。 4−フッ化系:ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PT
FE)、テトラフルオロエチレン−フルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合樹脂(PFA)、テトラフルオロエ
チレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂(FE
P、四−六フッ化樹脂)、テトラフルオロエチレン−エ
チレン共重合樹脂(ETFE、四フッ化エチレン−エチ
レン共重合樹脂) 3−フッ化系:ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂
(PCTFE、三フッ化塩化エチレン樹脂)、クロロト
リフルオロエチレン−エチレン共重合樹脂(ECTF
E、三フッ化塩化エチレン−エチレン共重合樹脂) 2−フッ化系:ポリ(ビニリデンフルオライド)樹脂
(PVDF、フッ化ビニリデン樹脂) 1−フッ化系:ポリ(ビニルフルオライド)樹脂(PV
F、ポリフッ化ビニル樹脂) 上述のフッ素樹脂フィルムのうち、ETFEは代表的な
ものであり、また、突板の木理がより忠実に反映する凹
凸表面を形成し、緻密な木質感を表現するという観点か
ら、2−フッ化系または3−フッ化系のフッ素樹脂フィ
ルムがより好ましく、とりわけPVDFが好ましい。フ
ッ素樹脂フィルムの厚さは、特に限定されるものではな
いが、厚さ10μm〜40μmのフッ素樹脂フィルムが
より好ましい。この範囲の厚さを有するフッ素樹脂フィ
ルムを木理化粧シートまたは木理化粧ボードの表面に被
覆したとき、それらの表面に、突板の木理が大変忠実に
反映する同調凹凸表面を形成することができる。また、
フッ素樹脂フィルムには、平滑なフッ素樹脂フィルムの
他、マット仕上げされたフッ素樹脂フィルムも存在する
が、製品の木理化粧シートおよび木理化粧ボードにおい
て、より緻密に木質感を表現することができるという観
点から、マット仕上げフッ素樹脂フィルムがより好まし
い。
【0008】−突板貼りシート 本発明に用いる突板貼りシートは、突板を紙、不織布等
の繊維質シートまたは合成樹脂フィルムで裏打ちしたも
のであって、従来から一般に使用されているものが本発
明に利用できる。裏打ちのための接着剤としては、例え
ば、酢酸ビニル系、スチレン−ブタジエンラテックス
系、水性高分子イソシアネート系の接着剤が適用され
る。突板は、各種の銘木より、一定の厚さに、例えば
0.15mmないし0.60mmの厚さに、好ましくは
0.10ないし0.40mmの厚さに、切削加工された単
板である。突板は、いわゆる薄突きの単板でも、また、
いわゆる厚突きの単板でよい。突板の木理は、特に限定
されず、柾目、追柾、板目またはこぶ杢など、いずれで
もよい。突板の樹種も特には、限定されないが、好まし
い樹種の例は、次のとおりである。:桧、楢、欅、桜、
楡、黒柿、栃木、桂、楓、槐、楠木、キハダ、シオジ、
タブオキ、アカダモ、マコレ、タモ、セン、ミズナラな
どの国産材、および、チーク、ローズウッド、マホガニ
ー、バーズアイメープル、ウォールナット、ゼブラウッ
ド、コクタン(黒壇)、アボデイラ、シタン(紫檀)、
マンガシロ、サテンウッド、ダオ、ブラジリアンロー
ズ、アンデスローズ、ワンダーウッド、ブラジリアンコ
ア、アフリカンローズ、ユーラシアンチーク、ホワイト
タガヤ、バンゼルローズ、アマゾンローズ、タマクラ、
パーシモン、ロイヤルパイン、ランチャンローズ、シャ
ム柿、ブビンガ、オリーブウォールナット、アイリスロ
ーズ、クラロウォールナット、シルバーローズ、インド
ハートアメリカンブラックウォールナット、ラテヌォー
ルナット、クィンスランドウォールナット、ゼブラウッ
ド、カリン(花梨)、パルマ、レッドウッド、パープル
ウッド、チェリー、シルキーオーク、タイワンクス、マ
グノリヤ、黒レオ(ダオ)、白レオ、サベリ、ブビン
カ、マコレ、マドローナ、ミルトル、メープル、アッシ
ン、インブイヤーなどの輸入材。
【0009】−接着性材料 また本発明において、フッ素樹脂フィルムと突板貼りシ
ートを接着するための接着性材料は、フッ素樹脂との良
好な接着性に加え、熱圧締時の温度において軟化溶融し
うる特性を有するものであればよく、その形態は特に限
定されず、接着性フィルムでも、またホットメルト系接
着剤の層でも、さらに液状の接着剤の層でもよい。従っ
て、本発明においては、上記の接着性材料は、次のよう
な種々の使用形態で適用される。 1)ホットメルト系接着剤を溶融押出しによってフッ素樹
脂フィルムの片面に予めコーティングしたものを、原材
料として使用し、そして圧締過程にて、このコーティン
グ体を突板貼りシートに熱圧着する。 2)熱ラミネート加工によってフッ素樹脂フィルムと接着
性フィルムを予めラミネートしたものを、原材料として
使用し、そして圧締過程にて、このラミネート体を突板
貼りシートに熱圧着する。 3)熱ラミネート加工によってフッ素樹脂フィルムと接着
性フィルムと突板貼りシートを予めラミネートしたもの
を、原材料として使用し、これをそのまま、圧締過程に
おいて用いる。 4)アクリル系またはウレタン系の液状接着剤を突板貼り
シートの上に塗布し、さらにフッ素樹脂フィルムをその
上に重ね、そして、この重ね体をその後の圧締過程にお
いて用いる。 また、接着性材料としては、例えば、次の成分を主体と
する接着性フィルムまたは接着剤が好都合に使用されう
る。 ポリアミド系:例えばナイロン−12樹脂フィルム エチレンコポリマー系: エチレン・アクリル酸共重合体(EAA) エチレン・アクリル酸メチル共重合体(EMA) エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA) エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA) 酢酸ビニル−アクリル共重合体接着剤: アクリル系粘着剤: 水性高分子イソシアネート系接着剤: エチレン酢酸ビニル樹脂(EVA)接着剤: より好ましい接着性材料は、エチレン・アクリル酸共重
合体(EAA)、エチレン・アクリル酸メチル共重合体
(EMA)、またはエチレン・アクリル酸エチル共重合
体(EEA)より成る。使用する接着剤が熱圧締の温度
で充分に軟化溶融する性質を有しないとき、熱圧締時、
フッ素樹脂が軟化流動せず、突板表面の凹部内に深く侵
入することができない。これとは反対に、使用する接着
剤がEAA、EMAおよびEEAの接着性フィルムまた
は接着剤であるとき、軟化したフッ素樹脂が流動し、突
板表面の凹部内にその凹形状に沿って深く侵入すること
ができ、忠実な浮彫りが木理化粧シートまたはボードの
表面に形成されるので、より好ましい。
【0010】−金属箔 本発明においては、金属箔は、木理化粧シートにあって
は、突板貼りシートより下側の中間層として介在し、木
理化粧ボードにあっては、突板貼りシートと基板との間
の中間層として介在している。本発明における金属箔
は、熱伝導率が高く、迅速な熱拡散を可能にする金属箔
であればよく、その種類は問わない。金属箔の例として
は、例えば、アルミニウム箔、鉄箔、ステンレス鋼箔、
銅箔、銀箔などが挙げられる。好ましい金属箔は、熱伝
導率が良好であり、加工容易であり、そして、腐食しに
くく、しかも、より廉価なものである。この観点より、
アルミニウム箔、銅箔およびステンレス鋼箔などがより
好ましく、アルミニウム箔が最も好ましい。金属箔の厚
さは、特に限定されるものではないが、一般に、0.0
1mmないし2.0mmの厚さを有する。より好ましい
厚さは、0.05mmないし0.50mmである。従っ
て、およそ0.3mm前後の厚さを有する金属箔が、よ
く汎用されるであろう。
【0011】−木理化粧シートの基材および積層構成 本発明の木理化粧シートは積層体であり、その表面層は
フッ素樹脂フィルムであり、その下側の層は接着性材料
に続いて突板貼りシートであり、さらに、その下側の積
層構造は金属箔と木理化粧シートの基材と接着剤の層よ
りなる。金属箔は、突板貼りシートより下側の中間層と
して介在していればよく、必ずしも、接着性材料の層は
別として、突板貼りシートの直下に隣接する層である必
要は無い。木理化粧シートの基材が突板貼りシートと金
属箔の間に介在していてもよい。また、木理化粧シート
の基材は、単一の層をなす場合であっても、二以上の層
より成る場合であってもよい。金属箔の下側は、通常、
木理化粧シートの基材が積層される。従って、本発明の
木理化粧シートの最下層は、一般に、木理化粧シートの
基材の層である。木理化粧シートの基材としては、繊維
質シート、合成樹脂フィルムまたはそれらの組合せが通
常使用される。これらのシート基材は、木理化粧シート
を貼り付ける壁面等の凹凸(不陸)を補正し、貼着され
た木理化粧シートについて面一な表面を形成するため
に、有利に使用される。繊維質シートとしては、従来よ
り突板の裏打ち材として利用されてきた材料、例えば、
和紙、洋紙(例えば上質紙、中質紙等)、クラフト紙、
薄葉紙または樹脂含浸紙(ラテックス樹脂含浸紙または
フェノール樹脂含浸紙)、並びに、ポリエチレン不織
布、ポリエステル/パルプ不織布等の各種不織布など、
総ての繊維質シートが適用されうる。樹脂含浸紙、特に
ラテックス樹脂含浸紙がより好ましい繊維質シートであ
る。また、合成樹脂フィルムとしては、従来より突板の
裏打ち材として利用されてきた樹脂フィルム材料、例え
ば、ポリ塩化ビニル:ポリオレフィン例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン:ポリ塩化ビ
ニリデンなど、総ての合成樹脂フィルムが適用されう
る。木理化粧シートの基材(特に繊維質シート)、突板
貼りシートおよび金属箔の相互の接着には、通常、突板
貼りシートの突板とその下側の裏打ち材との接着に利用
される接着剤が使用されうる。その接着剤の例は、酢酸
ビニル系接着剤、例えばエチレン酢酸ビニル樹脂(EV
A)接着剤、酢酸ビニル−アクリル共重合体接着剤:ス
チレン−ブタジエンラテックス系接着剤:水性高分子イ
ソシアネート系接着剤:並びにアクリル系粘着剤などで
ある。木理化粧シートの基材は、全体として、通常、1
0ないし100g/m2 の一般的な坪量を有する(即
ち、およそ0.025ないし0.10mmの厚さを有す
る)。
【0012】−木理化粧ボードの基板および積層構成 本発明の木理化粧ボードは積層体であり、その表面層は
フッ素樹脂フィルムであり、その下側の層は接着性材料
に続いて突板貼りシートであり、一方、その最下層は木
理化粧ボードの基板であり、そして、突板貼りシートと
基板との間に、金属箔を備えている。金属箔は、突板貼
りシートと基板との中間層として介在していればよく、
必ずしも、接着性材料の層は別として、突板貼りシート
の直下に隣接する層である必要は無い。繊維質シートま
たは合成樹脂フィルム等が、突板貼りシートと金属箔の
間に介在していてもよく、金属箔と基板との間に介在し
ていてもよい。なお、該繊維質シートまたは合成樹脂フ
ィルムの層は、単一の層であっても、二以上の層であっ
てもよい。上記の繊維質シートまたは合成樹脂フィルム
としては、例えば木理化粧シートの基材として利用され
るところの上述した繊維質シートおよび合成樹脂フィル
ムが通常使用される。また、使用される基板としては、
合板特にラワン合板、繊維板例えば硬質繊維板(ハード
ボード)、とりわけ中密度繊維板(MDF)、並びに、
無機質板例えばケイ酸カルシウム板、石綿スレート、石
綿セメントパーライト板および石膏ボード、強化石膏
板、および金属板例えば銅板、鋼板などが挙げられる。
さらに、ガラス繊維混入フェノール樹脂発泡板等の不燃
性基材、あるいは、アルミニウム板とMDFを積層接着
した複合基材なども、本発明の木理化粧ボードの基板と
して適用することができる。突板貼りシート、金属箔お
よび基板の相互の接着には、通常、突板貼りシートの突
板とその下側の裏打ち材との接着に利用される接着剤が
使用されうる。その接着剤の例は、酢酸ビニル系接着
剤、例えばエチレン酢酸ビニル樹脂(EVA)接着剤、
酢酸ビニル−アクリル共重合体接着剤:スチレン−ブタ
ジエンラテックス系接着剤:水性高分子イソシアネート
系接着剤:並びにアクリル系粘着剤などである。
【0013】−木理化粧シートおよび木理化粧ボードの
製造プロセス 本発明の木理化粧シートは、次のプロセスにより製造さ
れる。最初に、例えばフッ素樹脂フィルム/接着性材料
/突板貼りシート/接着剤の層/金属箔/接着剤の層/
木理化粧シートの基材という積層構成を有する重ね体を
準備する。この重ね体には、その全体またはその一部が
溶融押出しまたは熱ラミネート加工などによって予め積
層一体化されたものが通常使用される。次に、該重ね体
をコールド・ホット平プレス機内に二枚の金属鏡面板の
間に挿入し、さらに緩衝用の合成樹脂フィルムを該重ね
体のフッ素樹脂フィルムと該金属鏡面板との間に挿し入
れ、次いで、これを上記のプレス機にて前記合成樹脂フ
ィルムが軟化溶融する条件(例えば125℃、3〜9k
g/cm2 (通常6kg/cm2 )、10分間の条件)
で熱圧締し、そして続いて同圧のまま冷圧締し、つまり
加圧の圧力は解除せずに常温までに強制冷却し、その
後、得られた積層体をプレス機より取り出し、その積層
体より合成樹脂フィルムを剥離する。また、本発明の木
理化粧ボードは、次のプロセスにより製造される。最初
に、例えばフッ素樹脂フィルム/接着性材料/突板貼り
シート/接着剤の層/金属箔という積層構成を有する重
ね体を準備する。この重ね体は、溶融押出しまたは熱ラ
ミネート加工などによって、その全体またはその一部が
予め積層一体化されている。次に、接着剤を木理化粧ボ
ードの基板に塗布するかまたは接着性フィルムを該基板
の上に載せ、続いて、前記重ね体をその上に重ね、そし
て、これをコールド・ホット平プレス機内に挿し入れ、
続いて、一枚の金属鏡面板をその上に載せ、さらに、緩
衝用の合成樹脂フィルムをフッ素樹脂フィルムと該金属
鏡面板との間に挿し入れ、次いで、これを前記のプレス
機において、上記と同様の条件および手順に従い、熱圧
締し、続いて同圧のまま冷圧締し、その後、得られた積
層体をプレス機より取り出し、その積層体より合成樹脂
フィルムを剥離する。もとより、上記の熱圧締の条件
は、使用する材料の種類、厚さ等に依存するものであ
り、最も適切なものが選択されるように考慮してなされ
るべきである。例えばフッ素樹脂フィルムがETFEで
あるときは、熱圧締の温度は、125℃では不十分であ
り、130℃ないし135℃の温度が適当である。反対
に、フッ素樹脂フィルムがPVDFであるときは、融点
がより低いため、熱圧締の温度は、125℃の温度で十
分である。なお、使用されるフッ素樹脂フィルムと合成
樹脂フィルムとの間で熱収縮率の差が大き過ぎるとき、
圧締処理の後、作られた木理化粧シート(ボード)の表
面に成形皺が生じる場合があるので、注意を要する。
【0014】さらに、本発明のフッ素樹脂被覆木理化粧
シートを平滑な基板に貼着、圧締して同木理化粧ボード
として製品化する場合、突板貼りボードに使用される基
板、例えば合板や繊維板などを前記の基板として適用す
ることができる。貼着のための接着剤には、水性高分子
イソシアネート系または酢酸ビニル系の接着剤が適用す
ることができる。また、圧締工程は、比較的低い温度、
圧力の条件の熱圧締で足りる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
より説明する。
【0016】実施形態1 図1に示すように、フッ素樹脂被覆木理化粧シート1
は、フッ素樹脂フィルム2/接着性材料(熱圧締時溶融
する接着成分)3/突板貼りシート4/接着剤の層5/
金属箔6/接着剤の層7/繊維質シート(木理化粧シー
トの基材)8という積層構造をなす積層体の木理化粧シ
ートである。すなわち、この木理化粧シート1は、接着
性材料3を介してフッ素樹脂フィルム2が突板貼りシー
ト4の突板表面に被覆されて表面層として形成され、一
方、金属箔6が突板貼りシート4より下側の中間層とし
て介在しているものである。なお、突板貼りシート4
は、突板11を接着剤12により裏打ち材13と積層接
着したシートである。また、変形例として、木理化粧シ
ート1より繊維質シート8および接着剤の層7が取り除
かれた六層の積層構造をなす積層体の木理化粧シートで
あってもよい(実施形態1a)。上記の木理化粧シート
1の製法は、次の通りである。まず、接着剤12を裏打
ち材13上に塗布し、続いてその上に突板11を貼着
し、そしてこれを例えば105℃×120秒×7kg/
cm2 の条件で加熱圧着することにより、突板貼りシー
ト4を得る。その後、次の工程のための準備として、突
板貼りシート4の突板表面を研摩する。次に、フッ素樹
脂フィルム2/接着性材料3/突板貼りシート4/接着
剤の層5/金属箔6/接着剤の層7/繊維質シート8と
いう積層構成を有する重ね体を作る。この重ね体の一部
は、溶融押出しまたは熱ラミネート加工などによって、
予め積層一体化される。その手順は、例えば、次のとお
りである。 接着性材料3が接着性フィルムであるときは、接着性
フィルム3を突板貼りシート4の突板表面に重ね、さら
にフッ素樹脂フィルム2を接着性フィルム3の上に重ね
る。 接着性材料3がホットメルト系接着剤であるときは、
溶融押出しによってホットメルト系接着剤3をフッ素樹
脂フィルム2の片面に予めコーティングしたものを、突
板貼りシート4の突板表面に重ねる。 接着性材料3が液状の接着剤であるときは、液状接着
剤3を突板貼りシート4の突板表面に塗布し、フッ素樹
脂フィルム2をその上に重ねる。 その後、熱圧締時軟化溶融するがフッ素樹脂フィルム2
とは接着しない合成樹脂フィルムを上記の重ね体のフッ
素樹脂フィルム2上に重ね、そして、これを二つの金属
鏡面板の間に挿入し、次いで、これをホット・コールド
平プレス機において熱盤の間で熱圧締しそして続いて同
圧のまま冷圧締する。即ち、熱圧締は、例えば125℃
×6kg/cm2 ×10分の条件で行ない、冷圧締は、
その加圧力を解除せずに常温にまで強制冷却するという
手順により、同じ圧力が維持された条件で行なわれる。
ただし、熱圧締時、残留溶剤および水分等を逃すため、
エアー抜きを数回行なってもよい。なお、熱圧締しない
で、例えば常温×6kg/cm2 ×2時間の条件で、単
に冷圧締だけを行なうことも可能である。その後、この
圧締処理を経て作られる積層体より、表面層の合成樹脂
フィルムを剥離することにより、浮彫り加工されたよう
な、突板の木理を忠実に反映する凹凸表面が形成された
フッ素樹脂被覆木理化粧シート1が得られる。
【0017】実施形態2 図2に示すように、フッ素樹脂被覆木理化粧ボード10
は、フッ素樹脂フィルム2/接着性材料(熱圧締時溶融
する接着成分)3/突板貼りシート4/接着剤の層5/
金属箔6/接着剤の層7/木理化粧ボードの基板9とい
う積層構造をなす積層体の木理化粧ボードである。すな
わち、本例の木理化粧ボード10は、接着性材料3を介
してフッ素樹脂フィルム2が突板貼りシート4の突板表
面に被覆されて表面層として形成され、一方、金属箔6
が突板貼りシート4と基板9との中間層として介在して
いるものである。なお、突板貼りシート4は、突板11
を接着剤12により裏打ち材13と積層接着したシート
である。この木理化粧ボード10の製法は、次の通りで
ある。まず、接着剤12を裏打ち材13上に塗布し、続
いてその上に突板11を貼着し、そしてこれを例えば1
05℃×120秒×7kg/cm2 の条件で加熱圧着す
ることにより、突板貼りシート4を得る。その後、次の
工程のための準備として、突板貼りシート4の突板表面
を研摩する。次に、フッ素樹脂フィルム2/接着性材料
3/突板貼りシート4/接着剤の層5/金属箔6という
積層構成を有する重ね体を作る。この重ね体の一部は、
溶融押出しまたは熱ラミネート加工などによって、予め
積層一体化される。その手順は、例えば、次のとおりで
ある。 接着性材料3が接着性フィルムであるときは、接着性
フィルム3を突板貼りシート4の突板表面に重ね、さら
にフッ素樹脂フィルム2を接着性フィルム3の上に重ね
る。 接着性材料3がホットメルト系接着剤であるときは、
溶融押出しによってホットメルト系接着剤3をフッ素樹
脂フィルム2の片面に予めコーティングしたものを、突
板貼りシート4の突板表面に重ねる。 接着性材料3が液状の接着剤であるときは、液状接着
剤3を突板貼りシート4の突板表面に塗布し、フッ素樹
脂フィルム2をその上に重ねる。 一方、塗布またはフィルム貼り付けにより、接着剤の層
7を基板9の表面に被覆形成する。その後、上記の重ね
体をその上に載せ、次いで、熱圧締時軟化溶融するがフ
ッ素樹脂フィルム2とは接着しない合成樹脂フィルムを
重ね体のフッ素樹脂フィルム2上に重ね、さらに、一枚
の金属鏡面板を該合成樹脂フィルムの上に載せ、次い
で、これをホット・コールド平プレス機内に挿し入れ、
続いて熱盤の間で熱圧締しそして続いて同圧のまま冷圧
締する。すなわち、熱圧締は、例えば125℃×6kg
/cm2 ×10分の条件で行ない、冷圧締は、その加圧
力を解除せずに常温にまで強制冷却するという手順によ
り、同じ圧力が維持された条件で行なわれる。また、熱
圧締しないで、例えば常温×6kg/cm2 ×2時間の
条件で、単に冷圧締だけを行なうことも可能である。そ
の後、この圧締処理を経て作られる積層体より、表面層
の合成樹脂フィルムを剥離することにより、浮彫り加工
されたような、突板の木理を忠実に反映する凹凸表面が
形成されたフッ素樹脂被覆木理化粧ボード10が得られ
る。
【0018】
【実施例】上記の実施形態の構成および手順に従うとこ
ろの、各実施例のフッ素樹脂被覆の木理化粧シートおよ
び木理化粧ボードをそれぞれ、以下のとおり製造した。
これらの実施例はあくまでも非制限的な例示にすぎず、
これら実施例を本発明の主旨および精神を逸脱しない限
り変形または応用した態様も総て本発明の範囲に包含さ
れることは言うまでもない。
【0019】実施例1 フッ素樹脂被覆木理化粧シート(実施形態1a、繊維質
シート8が積層されていない) −使用された材料− フッ素樹脂フィルム:テトラフルオロエチレン−エチレ
ン共重合体(ETFE)樹脂フィルム、厚さ20μm 接着性材料:エチレン−アクリル酸エチル共重合体(E
EA)の接着性フィルム厚さ 50μm 突板貼りシート: 突板:0.22mm厚の楢単板 接着剤:酢酸ビニル系接着剤 裏打ち材:ビニロン混抄紙(坪量38g/m2 ) 金属箔:アルミニウム箔、厚さ0.15mm 裏打ち材と金属箔との間の接着剤の層:エチレン・酢酸
アクリル共重合体(EAA)の接着性フィルム 厚さ
30μm 合成樹脂フィルム:ポリ塩化ビニル(PVC)フィル
ム、厚さ100μm フッ素樹脂フィルム、接着性材料、突板貼りシート、接
着剤の層および金属箔を上方よりこの順で積層し、さら
に合成樹脂フィルムをフッ素樹脂フィルム上に重ね、そ
して、これを次の条件で圧締する。 −圧締処理の条件− 熱圧締:130℃×6kg/cm2 ×10分間 冷圧締:6kg/cm2 にて常温にまで強制冷却する
【0020】実施例2 フッ素樹脂被覆木理化粧ボード(実施形態2) −使用された材料− フッ素樹脂フィルム:テトラフルオロエチレン−エチレ
ン共重合体(ETFE)樹脂フィルム、厚さ30μm 接着性材料:エチレン−アクリル酸エチル共重合体(E
EA)の接着性フィルム厚さ50μm 突板貼りシート: 突板:0.22mm厚の楢単板 接着剤:水性高分子イソシアネート系接着剤 裏打ち材:ビニロン混抄紙(坪量38g/m2 ) 裏打ち材と金属箔との間の接着剤の層:エチレン・酢酸
アクリル共重合体(EAA)の接着性フィルム 厚さ
30μm 金属箔:アルミニウム箔、厚さ0.15mm 金属箔と基材との間の接着剤の層:水性高分子イソシア
ネート系接着剤 基材:中密度繊維板(MDF) 厚さ4mm 合成樹脂フィルム:低密度ポリエチレン(LDPE)フ
ィルム、厚さ100μm フッ素樹脂フィルム、接着性材料、突板貼りシート、接
着剤の層および金属箔は、予め、積層され、ホットコー
ルドプレスにより積層シートの形態に一体化される。そ
して、接着剤を基材の表面に塗布し、続いて、その上に
前記積層シートを重ね、次いで合成樹脂フィルムを重
ね、そして、次の条件で冷圧締する。 −圧締処理の条件− 冷圧締:常温×6kg/cm2 ×2時間
【0021】実施例3 フッ素樹脂被覆木理化粧シート(実施形態1) −使用された材料− フッ素樹脂フィルム:テトラフルオロエチレン−エチレ
ン共重合体(ETFE)樹脂フィルム、厚さ20μm フッ素樹脂フィルムの片面には、溶融押出しによって、
次の接着性材料が予めコーティングされている。 接着性材料:エチレン−アクリル酸エチル共重合体(E
EA)のホットメルト系接着剤、コーティング層の厚さ
50μm 突板貼りシート: 突板:0.22mm厚の楢単板 接着剤:酢酸ビニル系接着剤 裏打ち材:ビニロン混抄紙(坪量38g/m2 ) 金属箔:アルミニウム箔、厚さ0.15mm 繊維質シート:ラテックス樹脂含浸紙、坪量100g/
2 二つの接着剤の層:酢酸ビニル系接着剤 合成樹脂フィルム:ポリ塩化ビニル(PVC)フィル
ム、厚さ100μm接着剤を繊維質シートの表面に塗布
し、続いて金属箔をその上に重ね、さらに接着剤を金属
箔の表面に塗布し、続いて突板貼りシートを重ね、最後
に、接着性材料がコーティングされたフッ素樹脂フィル
ムを積層し、そして、合成樹脂フィルムをフッ素樹脂フ
ィルム上に重ね、次いで、これを次の条件で圧締する。 −圧締処理の条件− 熱圧締:130℃×6kg/cm2 ×10分間 冷圧締:6kg/cm2 にて常温にまで強制冷却する
【0022】実施例4 フッ素樹脂被覆木理化粧シート(実施形態2) −使用された材料− フッ素樹脂フィルム:ポリ(ビニリデンフルオライド)
樹脂(PVDF)厚さ 30μm 接着性材料:ポリウレタン樹脂系接着剤 塗布層の厚さ
20μm 突板貼りシート: 突板:0.22mm厚の楢単板 接着剤:酢酸ビニル系接着剤 裏打ち材:ビニロン混抄紙(坪量38g/m2 ) 金属箔:アルミニウム箔、厚さ0.15mm 基材:中密度繊維板(MDF) 厚さ4mm 二つの接着剤の層:酢酸ビニル系接着剤 合成樹脂フィルム:ポリ塩化ビニル(PVC)フィル
ム、厚さ100μm フッ素樹脂フィルム、接着性材料、突板貼りシート、接
着剤の層および金属箔は、予め、積層され、ホットコー
ルドプレスにより積層シートの形態に一体化される。そ
して、接着剤を基材の表面に塗布し、続いて、その上に
前記積層シートを重ね、次いで合成樹脂フィルムを重
ね、そして、次の条件で圧締する。 −圧締処理の条件− 熱圧締:130℃×6kg/cm2 ×10分間 冷圧締:6kg/cm2 にて常温にまで強制冷却する
【0023】実施例5 フッ素樹脂被覆木理化粧ボード(実施形態2) −使用された材料− フッ素樹脂フィルム:テトラフルオロエチレン−エチレ
ン共重合体(ETFE)樹脂フィルム、厚さ20μmフ
ッ素樹脂フィルムの片面には、溶融押出しによって、次
の接着性材料が予めコーティングされている。 接着性材料:エチレン−アクリル酸エチル共重合体(E
EA)のホットメルト系接着剤、コーティング層の厚さ
50μm 突板貼りシート: 突板:0.22mm厚の楢単板 接着剤:酢酸ビニル系接着剤 裏打ち材:レーヨン混抄紙(坪量36g/m2 ) 裏打ち材と金属箔との間の接着剤の層:ウレタン変性ビ
ニル系液状接着剤塗布量 (乾燥)20g/m2 金属箔:銅箔、厚さ0.15mm 金属箔と基材との間の接着剤の層:ウレタン変性ビニル
系液状接着剤塗布量 (乾燥)20g/m2 基材:合板 厚さ4mm 合成樹脂フィルム:低密度ポリエチレン(LDPE)フ
ィルム、厚さ100μm 接着剤を基材の表面に塗布し、続いて金属箔をその上に
重ね、さらに接着剤を金属箔の表面に塗布し、続いて、
突板貼りシートを重ね、最後に、接着性材料がコーティ
ングされたフッ素樹脂フィルムを積層し、そして、合成
樹脂フィルムをフッ素樹脂フィルム上に重ね、次いで、
これを次の条件で圧締する。 −圧締処理の条件− 熱圧締:130℃×6kg/cm2 ×10分間 冷圧締:6kg/cm2 にて常温にまで強制冷却する
【0024】比較例1ないし5 金属箔が積層されていない点を除いて、実施例1ないし
5のものと同様の積層構造を有する木理化粧シートおよ
び木理化粧ボードを製作し、それらを実施例1ないし5
の木理化粧シート(ボード)との性能比較に用いること
とした。
【0025】試験例1(シガレット試験) 各実施例および各比較例の木理化粧シートおよび木理化
粧ボードの試料のそれぞれについて、JASメラミン化
粧合板の検査基準に従い、シガレット試験を以下のとお
り行なった。 −試験片の作成− 試験片は、各試料から6インチ(約15cm)平方の正
方形シート(またはボード)を2片ずつ切り取り、作成
する。 −試験片の方法− 試験片を密閉した室内に水平に固定し、燃焼したシガレ
ットを図3に示すように試験片の表面の3箇所にそれぞ
れ2分間放置し、5分後に、アルコールを湿らした白布
で試験片の表面を摩擦する。 −試験片の適合基準− 試験片の表面に膨れ、剥れまたは割れを生ぜず、かつ、
炭化の程度が極めて軽微であるとき、検査基準に適合し
ていると判断する。 −試験の結果− 各実施例の木理化粧シートおよび木理化粧ボードの試験
片はいずれも、総て表面の変化がまったく無かった。一
方、金属箔が積層されていない比較例の試験片は、総
て、突板の焦げつき、フッ素樹脂フィルムの熱溶融によ
る変形・焦げつき(ETFEおよびPVDFのいずれ
も)、接着性材料の溶融によるフッ素樹脂フィルムと突
板貼りシートとの剥離が発生した。
【0026】試験例2(熱油試験) 各実施例および各比較例の木理化粧シートおよび木理化
粧ボードの試料のそれぞれについて、JASメラミン化
粧合板の検査基準に従い、熱油試験を以下のとおり行な
った。 −試験片の作成− 試験片は、各試料から、7・7/8インチ(約20c
m)平方の正方形シート(またはボード)を2片ずつ切
り取り、作成する。 −試験片の方法− 試験片を水平に固定し、一方、植物油0.5リットルを
入れた1リットル容量のアルミニウム容器を180℃±
1℃にまで加熱し、そして、該容器を前記試験片の表面
に20分間放置し、その後、アルミニウム容器を除き、
試験片の表面を乾燥した布で拭い、そして、そのまま2
4時間放置する。 −試験片の適合基準− 試験片の表面に膨れ、割れ、変色または顕著な艶の変化
を生じないとき、検査基準に適合していると判断する。 −試験の結果− 各実施例の木理化粧シートおよび木理化粧ボードの試験
片はいずれも、総て表面の変化がまったく無かった。一
方、金属箔が積層されていない比較例の試験片は、総
て、アルミニウム容器の底が当った部分にて白化が生じ
ていた。接着性材料がEEAである試験片にあっては、
接着性材料が溶融し、浮き上がってしまい、そのため、
白化がとりわけ顕著であった。
【0027】また、ETFE/EEA/突板貼りシート
/接着剤/金属箔の積層構造を有する木理化粧シートの
場合、接着性材料のEEAは融点90℃〜100℃の接
着剤であるけれども、該木理化粧シートはシガレット試
験および熱油試験の基準に適合している、つまり木理化
粧シートの中のEEA層は、煙草の火に対しても、また
熱油に対しても溶融せず、冒されない。従来、高い耐熱
性が要求される用途にあっては、木理化粧シートに用い
る接着剤としては、熱硬化性接着剤もしくはそれに準じ
る接着剤を使用するのが一般的な考えであり、そして、
そのような接着剤の使用が通常なされるであろう。これ
に対して、上記の木理化粧シートは、かような熱硬化性
接着剤を採用するものでなく、EEAという、加工(積
層化)容易でしかも廉価な熱可塑性接着剤を利用するこ
とができるという利点をも有する。なお、かかる利点
は、上記の木理化粧シートに限られず、本発明の木理化
粧シートおよび木理化粧ボード全般に、同様に当てはま
る事項である。
【0028】試験例3(寸法安定性試験) 実施例の木理化粧シートの試料の各々について、その寸
法安定性を次の方法で調べた。 −試験の方法− 木理化粧シートの試料ストリップの各々について、該ス
トリップの表面にストリップ端縁よりいくらか内側の位
置に、一定の間隔を有する2本の基準線を記入する。こ
れら基準線は、突板の木材繊維方向に直交する方向に設
ける。最初に、このストリップを20℃×60%RHの
雰囲気条件の下に放置する。そしてストリップが平衡状
態に達した段階で、基準線間の長さL1 を計測する。次
に、平衡状態にあるストリップを20℃の水中に30分
間の間浸漬し、続いてこれを水中より取り上げ、そし
て、基準線間の長さL2 を計測する。なお、この計測に
は、最小長1/100(mm)まで読み取り可能な測定
精度をもつ顕微鏡が使用された。しかる後、長さL1
よび長さL2 より、寸法変化率(%)を次の式(I) より
算出する。 寸法変化率(%)=(L2 −L1 )/L1 ×100 (I) −試験の結果− 各実施例の試料ストリップは、総て、寸法変化率が0%
であり、大変高い寸法安定性を有することが確認され
た。また、実施例1の変形例の、つまり金属箔について
厚さ0.15mmのアルミニウム箔に代えて厚さ0.5
mmのアルミニウム箔を使用した試料ストリップもま
た、寸法変化率が0%であった。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フッ素樹脂フィルムの表面被覆と金属箔の裏打ち(下地
積層)とによって、耐熱性および熱拡散性が従来製品と
比較して格段に改良され、良好な難燃性能を有しかつ特
に優れた消火炎性能を有する木理化粧シートおよび木理
化粧ボードが提供される。とりわけ、本発明は、金属箔
としてアルミニウム箔を採用し、かつ、エチレン・アク
リル酸コポリマー系の接着剤をフッ素樹脂フィルムと突
板貼りシートの接着に採用することにより、得られる木
理化粧シートおよび木理化粧ボードは、優れた難燃・消
火炎性能に加えて、高い可撓性を有し、柔軟であり、し
かも十分な強度を有し、その上、高温・低温条件、吸湿
・放湿条件の下に曝されても、寸法および形態の変化が
大変小さく、寸法安定性にも優れたものになるという効
果が得られる。さらに、本発明による木理化粧シートお
よび木理化粧ボードは、突板表面の自然な立体感が正確
に再現され、美的効果が非常に優れ商品価値も高いとい
う利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1のフッ素樹脂被覆木理化粧
シートを示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態2のフッ素樹脂被覆木理化粧
ボートを示す断面図である。
【図3】シガレット試験(JASメラミン化粧合板の検
査基準)の様子を説明する図である。
【符号の説明】
1・・フッ素樹脂被覆木理化粧シート 2・・フッ素樹脂フィルム 3・・接着性材料 4・・突板貼りシート 5・・接着剤の層 6・・金属箔 7・・接着剤の層 8・・繊維質シート 9・・基板 10・・フッ素樹脂被覆木理化粧ボード 11・・突板 12・・接着剤 13・・裏打ち材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素樹脂フィルム、突板貼りシートお
    よび金属箔を含む積層体の木理化粧シートであって、前
    記フッ素樹脂フィルムは接着性材料を介して前記突板貼
    りシートの突板表面に被覆されて表面層として形成さ
    れ、一方、前記金属箔は前記突板貼りシートより下側の
    中間層として介在していることを特徴とする、フッ素樹
    脂被覆された木理化粧シート。
  2. 【請求項2】 フッ素樹脂フィルム、突板貼りシートお
    よび金属箔を基板とともに含む積層体の木理化粧ボード
    であって、前記フッ素樹脂フィルムは接着性材料を介し
    て前記突板貼りシートの突板表面に被覆されて表面層と
    して形成され、一方、前記金属箔は前記突板貼りシート
    と前記基板との間の中間層として介在していることを特
    徴とする、フッ素樹脂被覆された木理化粧ボード。
  3. 【請求項3】 前記金属箔はアルミニウム箔より成り、
    前記接着性材料はエチレン・アクリル酸共重合体、エチ
    レン・アクリル酸メチル共重合体またはエチレン・アク
    リル酸エチル共重合体より成ることを特徴とする、請求
    項1記載の木理化粧シート。
  4. 【請求項4】 前記金属箔はアルミニウム箔より成り、
    前記接着性材料はエチレン・アクリル酸共重合体、エチ
    レン・アクリル酸メチル共重合体またはエチレン・アク
    リル酸エチル共重合体より成ることを特徴とする、請求
    項2記載の木理化粧ボード。
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