JPH1116507A - プラズマ生成装置およびイオン注入装置 - Google Patents

プラズマ生成装置およびイオン注入装置

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JPH1116507A
JPH1116507A JP17033697A JP17033697A JPH1116507A JP H1116507 A JPH1116507 A JP H1116507A JP 17033697 A JP17033697 A JP 17033697A JP 17033697 A JP17033697 A JP 17033697A JP H1116507 A JPH1116507 A JP H1116507A
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JP
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plasma
cooling
plasma generating
side wall
front plate
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JP17033697A
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Kazuo Yabe
一生 矢部
Mitsuo Sato
満雄 佐藤
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオン注入装置のイオン源であるプラズマ生
成装置のスリットの経時的変形を抑制し、ランニングコ
ストを下げる。 【解決手段】フロント部、側壁部および底部を有する容
器と、前記側壁部もしくは底部のいずれかに設けられた
イオンソースガス供給口と、前記フロント部に設けられ
たプラズマ引き出し用開口部と、前記容器内に設けられ
たプラズマ生成手段とを有するプラズマ生成装置におい
て、さらに前記フロント部に隣接して冷却ブロックを備
え、前記側壁部と前記フロント部との接続部において前
記側壁部と前記フロント部の接触面のどちらか一方もし
くは両方の表面に凹部を形成し、実質的な前記接触面の
面積を小さくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造装置に
関し、特に不純物の拡散工程等に用いられるイオン注入
装置とそのイオン注入装置のイオン源であるプラズマ生
成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】イオン注入装置を用いた不純物のドーピ
ング法は、注入する不純物の数や注入深さを正確にしか
も再現性よく制御することが可能であるため、現在では
半導体デバイスプロセスにおける不純物ドーピング工程
のほとんどがこの装置を用いて行われている。
【0003】イオン注入装置は、イオン源となるプラズ
マ生成装置、プラズマ生成装置で生成されたプラズマか
らイオンビームを取り出す引き出し電極部、引き出され
たイオンビームからさらに必要なイオン種のビームのみ
を選択的に取り出すための質量分析部、およびイオンビ
ームを走査する走査部等から構成される。
【0004】イオン注入装置のイオンビーム生成効率を
向上させるためには、イオン源となるプラズマ生成装置
で生成されるプラズマから効率よくイオンビームを引き
出すことが必要となる。
【0005】図6(a)は従来のプラズマ生成装置の外
観斜視図、図6(b)はその装置断面図である。プラズ
マ生成装置500は一般に箱型の容器を有し、そのフロ
ント部に、独立して着脱可能なフロント板510が設け
られている。このフロント板510の中央には細い開口
であるスリット530が形成されている。
【0006】同図に示すように、プラズマ生成装置50
0内には、一対の対向する側壁面の一方にフィラメント
580と他方にリペラプレート590がそれぞれ絶縁止
め具550、560で固定されている。また、プラズマ
生成装置500の底部には、イオンソースガス供給口6
00が設けられており、ここからイオンソースとなる弗
化ホウ素(BF3)等のガスが供給される。
【0007】フィラメント580に所定の電流が流され
ると、フィラメント580が発熱し、熱電子を放出す
る。この熱電子とBF3ガス等のソースガスとが衝突
し、ガスが分解され、同時にプラズマが発生する。発生
したプラズマはフロント板510中央のスリット530
から装置外部に引き出される。
【0008】図7は、プラズマ生成装置からイオンビー
ムが引き出される様子を示した概念図である。プラズマ
610は、主にフィラメント580とリペラプレート5
90と間で発生する。プラズマ610は、プラズマ発生
領域の中央上部に形成されているスリット530の内壁
に沿って図中上部方向にせりあがるように引き出され
る。通常スリット530の断面は、プラズマが引き出さ
れ易いように、装置外部に向かってスリット面積が広が
るようにテーパが設けられている。
【0009】イオン化された原子は、引き出し電極63
0によって与えられた電界の作用により、図中上方向に
放出される。このうち引き出し電極630のリング内に
取り込まれたイオンビーム620のみが、さらにその後
質量分析部や走査部を通過し、イオン注入装置から外部
に出力される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】一般に、プラズマ生成
装置およびそのフロント板としては、モリブデン等の高
融点材料が用いられている。しかし、プラズマ生成装置
内で発生しているプラズマの温度は通常2000℃程度
にも達するため、プラズマに直接接しているプラズマ生
成室壁は、この熱の影響により経時的に変形あるいは消
耗していく。さらに、プラズマによるスパッタリング
や、ソースガスとして弗化ホウ素(BF3)等の弗化物
を用いた場合はフッ素(F)ガスによるエッチングも加
わり特にスリット部の消耗が加速される。スリット断面
は通常テーパ状に加工されている為、板厚が薄くなるス
リット先端部では特にスパッタリングやエッチングの影
響を受け易く消耗速度が早い。
【0011】通常、装置使用開始時には、最もプラズマ
引き出し効率が高くなるように、スリットの形状とスリ
ットの開口面積が設定される。スリットが消耗し、経時
的にその形状が変化すると、プラズマ引き出し効率が悪
化する。プラズマ引き出し効率を維持しようとすれば、
フロント板の交換が必要となる。モリブデン等の高融点
材料を用いたフロント板は比較的高価なものであるた
め、交換コストは無視できない。
【0012】近年、イオンビーム電流の高電流化が要求
されており、これに伴いプラズマ密度も上昇している。
フロント板のスリットの変形も加速される傾向にあり、
フロント板の交換頻度増に伴うランニングコストの増加
が問題となってきている。
【0013】本発明の目的は、フロント板の交換頻度を
下げ、ランニングコストを抑制できるイオン注入装置お
よびプラズマ生成装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
のプラズマ生成装置の特徴は、フロント部、側壁部およ
び底部を有する容器と、前記側壁部もしくは底部のいず
れかに設けられたイオンソースガス供給口と、前記フロ
ント部に設けられたプラズマ引き出し用開口部と、前記
容器内に設けられたプラズマ生成手段とを有するプラズ
マ生成装置であり、さらに、前記フロント部に隣接して
冷却ブロックを有し、前記側壁部と前記フロント部との
接続部において、前記側壁部と前記フロント部の接触面
のどちらか一方もしくは両方の表面に凹部を形成し、実
質的な前記接触面の面積を縮小させたことである。
【0015】上記請求項1の特徴によれば、前記フロン
ト部に隣接して備えた冷却ブロックにより、フロント部
を冷却することができるため、フロント部に形成された
スリットの熱反応を抑制することができる。一方、フロ
ント部と側壁部との接触部の一方の面に凹部を形成する
ことにより、フロント部と側壁部との接触面積を小さく
し、熱伝導により側壁部から奪われる単位時間あたりの
熱量を抑制し、側壁部温度の過度の低下を防ぐことがで
きる。よって、プラズマの発生領域の温度の低下を抑制
できる。
【0016】本発明の請求項2に記載のプラズマ生成装
置の特徴は、前記冷却ブロックが、前記フロント部と独
立して着脱可能なことである。
【0017】上記請求項2の特徴によれば、冷却ブロッ
クが独立して着脱可能であるため、フロント板のスリッ
トが熱変形し交換が可能になった際、フロント部のみを
交換することができる。また、交換後も冷却ブロックは
再使用できるため、経済的である。
【0018】本発明の請求項3に記載のプラズマ生成装
置の特徴は、前記冷却ブロックが、ガス状もしくは液状
の冷却材が流される冷却用パイプをブロック表面もしく
はブロック内部に有することである。
【0019】上記請求項3の特徴によれば、簡易な構成
で冷却ブロックを形成できる。
【0020】本発明の請求項4に記載のイオン注入装置
の特徴は、プラズマ生成装置と、前記プラズマ生成装置
で生成されたプラズマからイオンビームを引き出すため
の引き出し電極部と、引き出されたイオンビームから必
要なイオン種のビームを選択的に取り出すための質量分
析部と、選択的に取り出されたイオンビームを走査する
走査部とを有し、前記プラズマ生成装置が、請求項1か
ら3のいずれか1に記載のプラズマ生成装置であること
である。
【0021】上記請求項4の特徴によれば、イオン注入
装置の心臓部であるプラズマ生成装置として請求項1か
ら3のいずれか1に記載のプラズマ生成装置を用いるた
め、安定したイオンビーム強度を有し、プラズマ生成装
置のフロント板の交換頻度が少ないイオン注入装置を提
供できる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態におけるイオ
ン注入装置、およびこのイオン注入装置のイオン源であ
るプラズマ生成装置について、以下図面を参照しながら
説明する。
【0023】図1は、本発明の実施の形態におけるイオ
ン注入装置の構成図である。本実施の形態におけるイオ
ン注入装置は、イオン源となるプラズマ生成装置10
0、プラズマ生成装置100で生成されたプラズマから
イオンビームを外部に引き出すための引き出し電極部1
20、引き出されたイオンビームを加速する加速部13
0、引き出されたイオンビームから必要なイオン種のイ
オンビームのみを選択的に取り出すための質量分析部1
40、および選択されたイオンビーム110をウエハ1
80上で走査するための走査部150、ウエハ面に対す
るイオンビーム110の注入角を調整するビーム補正部
160およびウエハ180を保持しかつ回転させること
が可能なサセプタ170を有する。なお、これらの各構
成部は、全て真空チャンバ内に備えられ、高真空条件下
で使用される。
【0024】図2(a)は、本実施の形態におけるイオ
ン注入装置のイオン源となるプラズマ生成装置100の
フロント部の正面図である。図2(b)は、図2(a)
中の破断線AA’におけるプラズマ生成装置の断面図で
ある。
【0025】図2(b)に示すように、プラズマ生成装
置100は、箱状の容器のフロント部に独立して着脱可
能なフロント板10を有している。フロント板10の中
央には、プラズマを外部に引き出すためのスリットが設
けられている。装置内の一対の対向する側壁面の一方に
は、例えばコイル状のフィラメント65、他方にはリペ
ラプレート70が絶縁止め具80と85で固定されてい
る。フィラメント65の引き出し部65Eおよびリペラ
プレート70の引き出し部70Eは、絶縁止め部80と
85を介して、プラズマ生成装置外部に取り出され、電
極と接続されている。プラズマ生成装置の底部には、イ
オンソースガス供給口95が設けられいる。これらの構
成については、従来のプラズマ生成装置とほぼ共通す
る。
【0026】本実施の形態におけるプラズマ生成装置の
第1の特徴は、図2(a)、図2(b)に示すように、
従来と同様な構成を有するプラズマ生成装置のフロント
板10の両脇に冷却ブロック30a、30bを備えてい
ることである。この冷却ブロック30a、30bは熱伝
導性のよい金属性の板材で形成され、冷却用パイプ40
a、40bが配されている。例えば図2(a)、図2
(b)に示すように、冷却ブロックの下面に環状の冷却
用パイプ40a、40bが溶接で固定されている。冷却
ブロック30a、30bは、フロント板の両脇にネジ5
0で固定されている。
【0027】冷却パイプ40a、40b内には、水や不
活性ガス等の液状もしくはガス状の冷却材を一方のパイ
プ口から供給され、他方のパイプ口から排出される。こ
のパイプ内の冷却材の流れが、冷却ブロック30a、3
0bの温度を低温に維持する。
【0028】プラズマ生成装置100のフロント板10
に隣接して備えられた冷却ブロック30a、30bは、
フロント板10のヒートシンクとして機能し、フロント
板10の温度上昇を抑制する。その結果、フロント板中
央のスリット20周囲の温度上昇が抑えられ、プラズマ
の熱によるスリットの消耗速度が抑制される。
【0029】図3(a)は、図2(a)、図2(b)に
示した冷却ブロックと同様に、金属の板材の下面に例え
ば銅性の冷却用パイプを溶接固定した簡易な構成の冷却
ブロックの概略斜視図を示したものである。なお、同図
に示すように、冷却用パイプの脚部を装置側壁部からや
や外側に設けてもよい。
【0030】図3(b)および図3(c)は、他の冷却
ブロックの構成例を示したものである。図3(b)に示
すように、冷却パイプ40cを金属の板材の上面に備え
たものでもよく、図3(c)に示すように、金属の板材
を2枚はりあわせ、その間にパイプをはさみ込む構成と
してもよい。また、実施の形態おいては一重の環状のパ
イプを配しているが、より密に多重の環状冷却パイプを
配し、冷却能力を挙げてもよい。他にも冷却ブロックと
して種々の構成を採用できる。
【0031】冷却ブロック30a、30bはそれぞれプ
ラズマ生成装置のフロント板10にボルト50で固定さ
れており、このボルト50をはずせば、冷却ブロック3
0a、30bのみをとり外すことができる。このよう
に、冷却ブロック30a、30bをフロント板10と独
立して着脱可能な構成にすれば、フロント板10の交換
が必要になった際に、フロント板10のみを交換するこ
とができる。また、フロント板はモリブデン等の高融点
材料を用いる必要があるが、冷却ブロックは安価で加工
性の良い材料を用いて形成することもできる。
【0032】本実施の形態におけるプラズマ生成装置の
第2の特徴は、図2(b)中、破線aで囲む領域に示す
ように、フロント板10の端部を部分的に研削し、側壁
部との接続部の実質的な接触面積を減らしていることで
ある。
【0033】図4(a)は、図2(b)中破線aで囲む
領域中のフロント板10の端部と装置側壁部との接続部
の拡大断面図である。フロント板端部の表面に複数の溝
を形成し、櫛型断面としている。なお、接続部内側の密
封性を保つため、接続部の最も内側にあたる部分には溝
は形成していない。
【0034】本実施の形態におけるプラズマ生成装置
は、フロント板10の両脇に冷却ブロックを有するた
め、フロント板10の温度上昇が抑制され、熱による冷
却スリットの消耗速度を遅くすることができる。但し、
冷却ブロック30a、30bの存在は、フロント板10
のみならず、フロント板10を介してこれに接続される
プラズマ生成装置の側壁部15をも冷却してしまう。側
壁部15の温度が過度に低下してしまうと、プラズマ生
成領域の温度が下がり、プラズマ発生効率自体を低下さ
せてしまう虞がある。
【0035】フロント板を介して側壁部から流出する単
位時間あたりの熱拡散量は、温度勾配や材料の熱伝導度
に加えて接触面積にも依存する。そこで、図4(a)に
示すように、フロント板の端部を櫛型断面形状としてフ
ロント板と装置側壁部との実質的な接触面積を減らした
構造とすることで、側壁部からフロント板10への熱拡
散速度を抑制することができる。
【0036】即ち、上記本実施の形態におけるプラズマ
生成装置100は、冷却ブロック30a、30bを備え
たことにより、フロント板10の温度上昇を抑え、熱に
よるフロント板10の消耗速度を遅くするとともに、フ
ロント板10とプラズマ生成装置側壁部15との接触部
の接触面積を小さくすることにより、冷却ブロックの冷
却効果が、プラズマ生成装置全体におよぶのを防止し、
プラズマ発生効率を維持する。
【0037】図4(b)〜図4(d)は、プラズマ生成
装置の側壁部15とフロント板10との接触部の他の構
造例を示したものである。接触部の接触面積を小さくす
るためには、種々の構造を採用することができる。例え
ば、図4(b)に示すように、フロント板端部の断面形
状をのこぎり型の凹凸とすれば、接触部を線状にするこ
とができるため、接触面積をさらに減らすことができ
る。また、図4(c)に示すように、フロント板端部の
断面形状を半円形としてもよい。又、図4(d)に示す
ように、フロント板10ではなく対面する装置側壁部1
5側の表面に櫛形加工を施してもよい。勿論フロント板
10と側壁部15の両方の表面に凹部を形成してもよ
い。
【0038】本実施の形態のプラズマ生成装置の具体的
なサイズは、特に限定されないが、例えば幅約40m
m、長さ約100mm、高さ約46mm程度の装置外形
を有するものとする。フロント板10の厚みは約6mm
程度、フロント板10に形成されるスリット20のサイ
ズは、例えば幅約2.5mm、長さ約40mmとする。
このスリットサイズは、通常、最もプラズマ引き出し効
率が高くなるように、種々の条件から実験的に選択され
る。
【0039】冷却ブロック30a、30bのサイズも特
に限定されない。図2(a)に示すようにフロント板1
0のサイズにあわせて、フロント板の幅にあわせた長さ
とフロント板の厚みを有する金属板に、パイプ内径が例
えば1mm程度の冷却用パイプを備えたものでもよい。
【0040】プラズマ生成装置において、プラズマを発
生させる際には、フィラメントの両端の引き出し電極5
0間に備えたフィラメント電源をオンにして、フィラメ
ントに電流を流し、フィラメントを熱して熱電子を放出
する。リペラプレートは、発生した熱電子を反射し、熱
電子をフィラメントとリペラプレート間に主に存在させ
る。フィラメントとプラズマ生成室壁間に備えるアーク
電源をオンとして、フィラメントとプラズマ生成室壁に
電圧をかけると、熱電子がプラズマ生成室壁に引き寄せ
られる。例えば、この時のアーク電圧は70〜75V、
アーク電流は3Aとする。ガス供給口90からプラズマ
生成装置100にイオンソースガスを供給すると、これ
らのガスに熱電子が衝突し、プラズマが発生する。
【0041】プラズマ生成装置100の外部に備えられ
ている引き出し電極部120(図1参照)の作用によ
り、プラズマ生成装置内で発生したプラズマがフロント
面中央のスリットから外部に引き出される。
【0042】本実施の形態におけるプラズマ生成装置で
は、フロント板の両脇に冷却ブロックを備えているの
で、プラズマによるフロント板の加熱が抑制され、使用
頻度に伴うスリットの消耗速度を遅くできる。通常、ス
リットの消耗は、スリットの開口部面積を拡大し、引き
出し電極で拾われずに周囲に漏れでるイオンビームの量
を増加させ、実効的なイオンビームの引き出し効率を低
下させるが、スリットの変形が少ないため、イオンビー
ムの引き出し効率が安定しており、必要となるフロント
板の交換頻度も低下するため、ランニングコストを安価
にできる。
【0043】さらに、冷却ブロックと接続されるフロン
ト板とプラズマ生成装置側壁部との接続部の接触面積が
小さいため、冷却ブロックによりプラズマ生成装置本体
が冷却され、プラズマ発生効率が抑制されることがな
く、ほぼ高い発生効率を維持できる。
【0044】なお、従来、イオンソースガスにフッ化ホ
ウ素(BF3)を用い、フロント板としてモリブデンを
使用した場合において、スリットの消耗により発生する
モリブデンイオンの軌道数がBF2のイオン軌道と近似
するため、両者の質量分離が容易でないという弊害も指
摘されていた。しかし、本実施の形態におけるプラズマ
生成装置を含むイオン注入装置においては、モリブデン
イオンの発生量が低減できる。
【0045】図5は、本発明の他の実施の形態にかかる
プラズマ生成装置の例を示すものである。プラズマ生成
装置内での熱電子発生手段は図2に示す構成に限定され
ない。例えば、図5に示すように、いわゆるフリーマン
型と呼ばれる一本のフィラメント線を中に配した構造の
プラズマ生成装置でもよい。また、フロント板に形成さ
れる開口部の形状は、スリット状に限られるものではな
く、円形形状であってもよい。本実施の態様において
は、イオンソース供給口95は装置底部に備えられてい
るが、装置側壁に備えられていてもよい。
【0046】本実施の形態においては、矩形平面を有す
るフロント板の短辺両脇に冷却ブロックを備えている
が、長辺両脇に冷却ブロックを備えてもよい。また、冷
却ブロックの冷却手段は、冷却用パイプを用いる方法に
限られず、例えば放熱フィンを備えたもの等を用いるこ
ともできる。
【0047】以上、実施例に沿って本発明を説明した
が、本発明は、これらに制限されるものではない。種々
の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自
明であろう。
【0048】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のプラズ
マ生成装置は、フロント部に隣接して冷却ブロックを備
えフロント部の温度上昇を抑制するとともに、装置側壁
部と前記フロント部との接続部において、いずれか一方
もしくは両方の表面に凹部を形成し、実質的な接触面積
を減らし、装置側壁部の過度の冷却を防ぐことができ
る。
【0049】よって、プラズマ生成装置内のプラズマ生
成領域の温度を一定温度に保ち、プラズマ発光効率を一
定以上に維持したまま、フロント部の温度のみを効果的
に低下させ、スリットの変形を抑制できる。安定したイ
オンビーム強度を得ることができるとともに、フロント
板の交換頻度が減少するため、装置のランニングコスト
を安価にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるイオンビーム装置
の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるプラズマ生成装置
のフロント板の正面図およびプラズマ生成装置の断面図
である。
【図3】本発明の実施の形態における冷却ブロックの外
観斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるプラズマ生成装置
のフロント板と装置側壁部との接続部の拡大断面図であ
る。
【図5】本発明の実施の形態における別のプラズマ生成
装置の断面図である。
【図6】従来のプラズマ生成装置の外観斜視図、および
断面図である。
【図7】従来のプラズマ生成装置から引き出されるイオ
ンビームの様子を説明するためのプラズマ生成装置と引
き出し電極の断面図である。
【符号の説明】
10・・・フロント板 15・・・側壁板 20・・・スリット 30a、30b・・・冷却ブロック 40a、40b・・・冷却パイプ 50・・・フィラメント引き出し電極 60a、60b・・・溝 65・・・フィラメント 70・・・リペラプレート 95・・・イオンソースガス供給口 100・・・プラズマ生成装置 120・・・引き出し電極部 130・・・加速部 140・・・質量分析部 150・・・イオンビーム走査部 160・・・ビーム補正部 170・・・サセプタ 180・・・基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/265 H01L 21/265 603A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フロント部、側壁部および底部を有する
    容器と、 前記側壁部もしくは底部のいずれかに設けられたイオン
    ソースガス供給口と、 前記フロント部に設けられたプラズマ引き出し用開口部
    と、 前記容器内に設けられたプラズマ生成手段とを有するプ
    ラズマ生成装置であり、 さらに、前記フロント部に隣接して冷却ブロックを有
    し、 前記側壁部と前記フロント部との接続部において、前記
    側壁部と前記フロント部の接触面のどちらか一方もしく
    は両方の表面に凹部を形成し、実質的な前記接触面の面
    積を縮小させたことを特徴とするプラズマ生成装置。
  2. 【請求項2】 前記冷却ブロックが、前記フロント部と
    独立して着脱可能であることを特徴とする請求項1に記
    載のプラズマ生成装置。
  3. 【請求項3】 前記冷却ブロックが、ガス状もしくは液
    状の冷却材が流される冷却用パイプをブロック表面もし
    くはブロック内部に有するものである請求項1または2
    に記載のプラズマ生成装置。
  4. 【請求項4】プラズマ生成装置と、 前記プラズマ生成装置で生成されたプラズマからイオン
    ビームを引き出すための引き出し電極部と、 引き出されたイオンビームから必要なイオン種のビーム
    を選択的に取り出すための質量分析部と、 選択的に取り出されたイオンビームを走査する走査部と
    を有し、 前記プラズマ生成装置が、請求項1から3のいずれか1
    に記載のプラズマ生成装置であることを特徴とするイオ
    ン注入装置。
JP17033697A 1997-06-26 1997-06-26 プラズマ生成装置およびイオン注入装置 Pending JPH1116507A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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