JPH11163386A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JPH11163386A
JPH11163386A JP9331630A JP33163097A JPH11163386A JP H11163386 A JPH11163386 A JP H11163386A JP 9331630 A JP9331630 A JP 9331630A JP 33163097 A JP33163097 A JP 33163097A JP H11163386 A JPH11163386 A JP H11163386A
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JP
Japan
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light
layer
crystal silicon
oxide film
semiconductor
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Application number
JP9331630A
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English (en)
Inventor
Yasunari Sugito
泰成 杉戸
Seiji Fujino
誠二 藤野
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検出感度波長が異なる受光素子を1つの半導
体基板に形成する。 【解決手段】 n形の半導体基板1に絶縁膜4を介して
n形の半導体層5を形成し、この半導体層5をエッチン
グにより所定領域に残して周囲に酸化膜4を形成する。
半導体基板1の表面部分にp形領域6を形成すると共
に、半導体層5にもp形領域9を形成し、受光素子とし
てのフォトダイオード2,3を設ける。フォトダイオー
ド2,3は、それぞれ半導体基板1,半導体層5の厚さ
を光吸収層とするので、検出感度波長が短波長側と長波
長側とに異なるように設定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、検出波長感度が異
なるように設定された複数の受光素子を設ける構成の半
導体装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】半導体を利用した受光
素子としての光センサは、受光状態に応じたレベルの検
出信号を出力させることができるので、この検出信号を
用いて受光状態に応じた装置の制御を行なうことができ
る。例えば、自動車の空調装置においては、車室内の温
度変化に応じた制御を行なうことに加えて、車室内に差
し込む太陽光の状態に応じて制御を行なうために、車室
内への太陽光の入射状態を検出する光センサを設けるこ
とが行なわれている。
【0003】また、自動車においては、空調装置以外に
も照明装置の制御についても受光状態に応じて自動的に
行なうものがある。例えば、夕方や明け方などの状態で
はスモールランプを点灯させ、夜間やトンネルなどの暗
い状態ではヘッドランプを点灯させるなどの制御を行な
うものである。このような場合においても、光の入射状
態に応じて制御を行なうために光センサを用いることが
ある。
【0004】また、このように光センサを用いて受光状
態に応じて装置を制御することは、自動車以外にも住宅
用機器や事業用機器などにも幅広く適用されており、し
かも、可視光のみならず赤外光などを検出する光センサ
も活用されている。したがって、実用上においては、複
数個の光センサを異なる用途で用いるために同じ検出場
所に設ける可能性が高くなってきている。
【0005】ところで、このように様々な用途で用いる
光センサは、その検出対象となる光の波長についても異
なることが一般的であるから、一つの光センサを設けて
その検出信号を兼用する構成とすることができず、結果
として、それぞれに適した光センサを設けることとな
る。しかし、特に自動車などの設置領域に制約があるよ
うな場合においては、複数の光センサを配設することに
よるスペースの確保の点や、素子の個数が増えることに
よる取り付けのための工数の増大によるコスト高を招く
などの点で課題となっていた。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、検出波長感度が異なる光センサを個々
に設けることなくそれぞれの装置の制御に用いることが
できるようにした半導体装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれ
ば、支持基板上に絶縁膜を介して形成された半導体層を
絶縁分離した複数の半導体層領域に形成し、それらのう
ちの異なる半導体層領域に検出波長感度が異なるように
設定された受光素子をそれぞれ形成する構成としたの
で、検出波長感度が異なる受光素子の検出信号をそれぞ
れ独立に用いて装置の制御を行なうことができる。これ
によって、複数の装置を個別に制御する場合において検
出光の波長が異なることに起因して一つの受光素子を共
通化することができないときでも、複数の受光素子を互
いに電気的に絶縁分離した状態で独立して一体に設けた
構成としているので、受光素子を個々に配設する場合に
比べて省スペース化を図ることができると共に取り付け
のコストも低減することができるようになる。
【0008】請求項2の発明によれば、半導体基板上に
絶縁膜を介して形成された半導体層に受光素子を形成す
ると共に、この半導体層を部分的に除去して露出させた
半導体基板の表面にも受光素子を形成し、これら複数の
受光素子の検出波長感度を異なるように設定して構成し
たので、検出波長感度が異なる受光素子の検出信号をそ
れぞれ独立に用いて装置の制御を行なうことができるよ
うになり、受光素子を個別に設ける必要がなく、省スペ
ース化を図ると共に取り付けのコスト低減も図ることが
できるようになる。
【0009】請求項3の発明によれば、上述のような構
成を、複数の受光素子のそれぞれに対して、光吸収層の
厚さ寸法を異ならせる構成として検出波長感度を異なる
ように設定したので、同一の材質の半導体を用いる構成
で簡単に検出波長感度を異なるように設定する構成を得
ることができるようになる。
【0010】一般に、半導体のバルクにバンドギャップ
エネルギー以上のエネルギーを有する光が入射すると、
半導体内でその光エネルギーが吸収されてキャリアが発
生するようになり、これによって光電流が生成される。
この場合において、半導体に入射した光の強度は、半導
体表面からの侵入距離によって指数関数的に減少する性
質があることと、光の波長が長波長側で吸収係数が小さ
くなることから、入射光の成分のうち長波長側の光成分
ほど半導体の表面から深い位置まで侵入して光電流に寄
与することがわかる。
【0011】したがって、上述したように、光吸収層の
厚さを異なるように設定した複数の受光素子を設けるこ
とにより、その光吸収層の厚さ寸法が厚い受光素子の方
がより長波長側の光を検出することができるようになる
のである。
【0012】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
の第1の実施形態について図1ないし図3を参照しなが
ら説明する。図1は、半導体基板であるn形の単結晶シ
リコン基板1に2つの受光素子としてのフォトダイオー
ド2,3を形成した状態を模式的断面図で示すもので、
単結晶シリコン基板1には絶縁膜としての酸化膜4が形
成されると共に単結晶シリコン薄膜からなる半導体層と
してのn形のSOI層5が形成されている。このSOI
層5は、表面および側壁部分が酸化膜4により覆われ、
半導体層領域に絶縁分離されている。第1のフォトダイ
オード2は単結晶シリコン基板1に形成されており、第
2のフォトダイオード3はSOI層5に形成されてい
る。
【0013】単結晶シリコン基板1は、n形の不純物が
導入された高抵抗のシリコン基板を用いており、第1の
フォトダイオード2を構成するp形領域6はp形の不純
物を導入して拡散により形成したもので、このp形領域
6と単結晶シリコン基板1とにより形成されるpn接合
でフォトダイオードを構成している。p形領域6には電
極7が設けられ、単結晶シリコン基板1には電極8が設
けられている。また、第2のフォトダイオード3を構成
するp形領域9は、SOI層5にp形の不純物を導入し
て拡散により形成したもので、このp形領域9とSOI
層5とにより形成されるpn接合でフォトダイオードを
構成している。p形領域9には電極10が形成され、S
OI層5には電極11が形成されている。
【0014】上述の構成において、フォトダイオード
2,3は、それぞれp形領域6,9の表面を主な受光面
としており、この受光面で受けた光が内部に侵入すると
その光エネルギーによりキャリア(電子正孔対)が生成
され、このキャリアがpn接合を横切ることにより光電
流として寄与するようになる。このとき、入射する光に
よりキャリアが発生する条件は、受光面から浅い領域で
は短波長側の光(光エネルギーが大きい)による成分が
多く、深い領域に進むにしたがって長波長側の光による
成分が多くなる。これは、光の波長による吸収係数が短
波長側ほど大きいからである。
【0015】したがって、フォトダイオードを構成する
光吸収層の厚さが厚い方がより長波長側の光の成分によ
る光電流を検出することができるようになる。この場
合、第1のフォトダイオード2は単結晶シリコン基板1
に形成され、光吸収層の厚さとしては、基板の厚さを考
慮すると十分厚く設定されていることになり、一方、第
2のフォトダイオード3はSOI層5に形成されている
ことから、光吸収層の厚さは、そのSOI層5の膜厚
(例えば10μm程度)に設定されていることになる。
【0016】このような光吸収層の厚さ寸法の違いによ
る検出波長感度の違いについて以下に説明する。一般
に、半導体のバルクに対して、バンドギャップエネルギ
ー以上のエネルギーを有する光が入射すると、半導体内
でその光エネルギーが吸収されてキャリアが発生するよ
うになり、これによって光電流が生成される。この場合
において、半導体に入射した光の強度は、半導体表面か
らの侵入距離によって指数関数的に減少する性質があ
る。このことを式で示すと、光の入射強度をPo、吸収
係数をαoとし、光の侵入距離をxとすると、この光の
侵入距離xの関数となる入射光の強度P(x)は、次式
で示される。 P(x)=Po・exp(−αo・x) …(1)
【0017】また、光の吸収係数αoについては、光の
波長依存性があり、具体的には波長が長くなるほど吸収
係数の値は小さくなる。したがって、上式(1)により
光の強度が減衰することを考慮すると、吸収係数αoが
小さいほど、つまり長波長側の光ほど半導体の深い位置
まで侵入して光電流に寄与することがわかる。つまり、
光電流に寄与する半導体の厚さすなわち光吸収層の厚さ
を厚く設定したフォトダイオードほど長波長側に感度を
有するものとして形成することができる。
【0018】このような光吸収層の厚さの違いによる検
出波長感度の違いについて図2に示す。これは、例え
ば、シリコンのフォトダイオードを形成した場合に、そ
の光吸収層として400μm程度に設定したフォトダイ
オードA(第1のフォトダイオード2に対応)と、10
μm程度に設定したフォトダイオードB(第2のフォト
ダイオード3に対応)とのそれぞれにおいて得られる検
出波長感度の測定結果を示すもので、横軸に入射光の波
長(μm)を取り、縦軸にピーク値を100とした場合
の相対感度を取って示している。なお、光吸収層の厚さ
の設定は、不純物濃度を低くしたn形領域の厚さ寸法に
より設定しており、光吸収層として寄与しない領域を不
純物濃度を高く設定する構成としている。
【0019】この図2からわかるように、フォトダイオ
ードAの分光感度特性は、0.9〜1.0μm程度をピ
ーク値としており、赤外光にも十分な感度を有するもの
であるのに対して、フォトダイオードBの分光感度特性
は、0.7μm程度をピーク値としてそれよりも長波長
側では徐々に感度が低下する特性を有しており、可視光
領域では十分な感度を有しているが赤外光に対する感度
はフォトダイオードAに比べると低くなっている。
【0020】次に、上記構成の半導体装置である光セン
サの製造工程について図3を参照して説明する。まず、
使用する基板として、単結晶シリコン基板1に絶縁膜で
ある酸化膜4が形成されると共に、その上に単結晶シリ
コン薄膜としてのSOI層5が形成されたSOI基板1
2を用いる(図3(a)参照)。この場合、単結晶シリ
コン基板1およびSOI層5は、同じ導電型として例え
ばn形の不純物が導入されている。また、このSOI基
板12は、例えば、貼り合わせ技術や酸素イオンの注入
によるシリコン酸化膜の形成により酸化膜上に単結晶シ
リコン薄膜層を形成したものである。
【0021】このSOI基板12に対して、フォトダイ
オード2に対応する領域のSOI層5を部分的に除去す
る。これは、一般的なフォトリソグラフィ処理によって
エッチング用のマスク部材をパターニングし、ドライエ
ッチング等のエッチング処理によって所望のSOI層5
の領域を残すようにしてエッチングする。これにより、
単結晶シリコン基板1に形成した酸化膜4の表面が部分
的に露出するようになる(同図(b)参照)。
【0022】次に、SOI層5の表面に絶縁膜としての
酸化膜4を全面に形成する(同図(c)参照)。この場
合、酸化膜4の形成は、熱酸化法によるSOI層5の酸
化あるいはCVD法による酸化物の堆積などの一般的な
方法により形成することができる。
【0023】続いて、第1および第2のフォトダイオー
ド2,3を形成すべく、単結晶シリコン基板1およびS
OI層5のそれぞれにp形領域6,9を形成する(同図
(d)参照)。まず、対応する部分の酸化膜4にp形領
域6,9の形状に対応した開口部を形成し、その開口部
を介してp形の不純物を導入する。この不純物の導入に
際しては、熱拡散法あるいはイオン注入法などの一般的
な方法を用いることができる。なお、p形領域6,9に
ついては、全く同じ工程で同時に形成することができ
る。
【0024】この後、各領域に対応して電気的に接続を
するために電極7,8,10,11を形成する(図1参
照)。これは、例えば、対応する部分の酸化膜4にフォ
トリソグラフィ処理によってコンタクト用の開口部を形
成した状態で、アルミニウム等の電極金属を蒸着法など
によって全面に被膜し、再びフォトリソグラフィ処理に
よって必要な部分を残してエッチングで除去することに
より形成する。これにより、図1の構成の半導体装置を
得ることができる。
【0025】なお、以降の工程では、パッケージに組み
付けるなどの一般的な組み立て工程が設けられており、
検出波長感度を異なるように設定したフォトダイオード
2,3を一体に設けた半導体装置を得ることができる。
【0026】このような本実施形態によれば、一枚の単
結晶シリコン基板1に、異なる検出波長感度を有する2
個のフォトダイオード2,3を設けることができるの
で、省スペース化を図ることができると共に、組み付け
の工数の低減も図ることができるようになる。また、2
個のフォトダイオード2,3のp形領域6,9を同時に
形成することができるので、製造工程の簡略化を図るこ
とができる。
【0027】(第2の実施形態)図4および図5は、本
発明の第2の実施形態を示すもので、以下、第1の実施
形態と異なる部分について説明する。図4は全体構成の
模式的な断面を示すもので、半導体基板としての単結晶
シリコン基板13に、光吸収層の厚さ寸法が異なるよう
に設定された2つの受光素子であるフォトダイオード1
4,15が形成されている。単結晶シリコン基板13
は、n形不純物が低濃度で導入された基板で、表面には
絶縁膜としての酸化膜16が全面に渡って形成されてい
る。
【0028】フォトダイオード14は、単結晶シリコン
基板13にp形領域17を形成してpn接合を設け、各
層に電極18,19を形成した構成である。この場合、
フォトダイオード14の光吸収層の厚さは、単結晶シリ
コン基板13の厚さ寸法と同等である。なお、電極18
は、フォトダイオード14の受光面を大きく遮らないよ
うに形成される。
【0029】フォトダイオード15は、対応する部分の
単結晶シリコン基板13の内部の所定深さに埋込酸化膜
層20が形成されており、光吸収層として機能する単結
晶シリコン基板13の厚さ寸法をそれよりも上部に位置
する領域に限定している。そして、この表面部分には、
p形領域21が形成されてpn接合を設けている。
【0030】また、このp形領域21を包囲するように
単結晶シリコン基板13の表面から埋込酸化膜層20に
至る領域までの間に高濃度のn形拡散領域22が形成さ
れている。これにより、もともとの単結晶シリコン基板
13の一部がn形拡散領域22と埋込酸化膜層20とに
より囲まれた部分に区画され、単結晶シリコン基板13
の他の領域とは分離された状態に半導体層としての低濃
度のn形領域23が形成された状態となり、このn形領
域23中にp形領域21が形成された構成となる。この
p形領域21とn形領域23との両者には、それぞれ電
極24,25が形成される。
【0031】なお、このn形領域23は、単結晶シリコ
ン基板13の低濃度n形領域とは電気的には導通状態に
あるが、横方向に対する電気的抵抗値が高くなると共
に、入射光により発生されたキャリアは埋込酸化膜層2
0および高濃度n形領域22とにより遮られるのでn形
領域23の外側で発生したキャリアは実質的にフォトダ
イオード15の光電流としては寄与しない構成とするこ
とができる。つまり、n形領域23が実質的な光吸収層
として機能することになる。
【0032】次に、上記構成の半導体装置の製造方法に
ついて図5を参照して簡単に説明する。すなわち、フォ
トダイオード15の光吸収層としてn形領域23を形成
するための埋込酸化膜層20は、単結晶シリコン基板1
3に対して、酸素イオンを選択的に注入して(注入領域
20a)、熱処理を行なうことにより注入した酸素イオ
ンをシリコンと化合させて形成する(図5(a)参
照)。この場合、酸素イオンを注入する領域以外の部分
には、フォトリソグラフィ処理等でパターニングするこ
とによりマスク部材を覆うように形成し、注入領域20
aに選択的にイオン注入を行なえるようにする。なお、
埋込酸化膜層20上のn形層については、埋込酸化膜層
20を形成した後にエピタキシャル成長等により所望の
厚さに設定することができる。
【0033】この後、n形領域23を形成するために、
埋込酸化膜層20の周辺部の位置に対応させて高濃度n
形領域22を熱拡散等により埋込酸化膜層20に達する
深さまで形成する(同図(b)参照)。この後、p形不
純物を所定の領域に導入することによりp形領域17,
21を形成し、アルミニウムなどの電極金属を形成する
と共にパターニングを行って電極18,19,24,2
5を形成する。これにより、図4に示す構成の半導体装
置を形成することができる。
【0034】このような構成とすることにより、第1お
よび第2のフォトダイオード14および15を第1の実
施形態のものと同様に動作させることができるようにな
り、同様の効果を得ることができ、しかも、簡単な工程
を経ることにより形成することができるようになる。
【0035】(第3の実施形態)図6および図7は、本
発明の第3の実施形態を示すもので、以下、第2の実施
形態と異なる部分について説明する。図6は全体構成の
模式的な断面を示すもので、半導体基板としての単結晶
シリコン基板26に、光吸収層の厚さ寸法が異なるよう
に設定された2つの受光素子であるフォトダイオード2
7,28が形成されている。単結晶シリコン基板26
は、n形不純物が低濃度で導入された基板で、表面には
絶縁膜としての酸化膜29が全面に渡って形成されてい
る。
【0036】フォトダイオード27は、単結晶シリコン
基板26にp形領域30を形成してpn接合を設け、各
層に電極31,32を形成した構成である。この場合、
フォトダイオード27の光吸収層の厚さは、単結晶シリ
コン基板26の厚さ寸法と同等である。なお、電極31
は、フォトダイオード27の受光面を大きく遮らないよ
うに形成される。
【0037】フォトダイオード28は、対応する部分の
単結晶シリコン基板26の内部の所定深さに埋込酸化膜
層33が形成され、その周囲にはその埋込酸化膜層33
から単結晶シリコン基板26の表面まで達するように形
成された溝にシリコン酸化物を埋め込むように形成した
酸化膜層34が形成されており、光吸収層として機能す
る単結晶シリコン基板26の厚さ寸法をそれよりも上部
に位置するn形領域35を絶縁分離した状態で限定して
いる。そして、この表面部分には、p形領域36が形成
されてpn接合を設けている。
【0038】これにより、単結晶シリコン基板26の他
の領域とは分離された状態に低濃度のn形領域35が形
成された状態となり、このn形領域35中にp形領域3
6が形成された構成となる。このp形領域36とn形領
域35との両者には電極37,38が形成される。
【0039】次に、上記構成の半導体装置の製造方法に
ついて図7を参照して簡単に説明する。すなわち、フォ
トダイオード28の光吸収層としてn形領域35を形成
するための埋込酸化膜層33は、前述同様にして、単結
晶シリコン基板26に対して、酸素イオンを選択的に注
入して(注入領域33a)、熱処理を行なうことにより
注入した酸素イオンをシリコンと化合させて形成する
(図7(a)参照)。
【0040】この後、n形領域35を形成するために、
埋込酸化膜層33の周辺部の位置に対応させて溝部をエ
ッチングなどの方法により埋込酸化膜層33の表面に達
する深さまで形成し、形成した溝部にCVD法などによ
り酸化物を埋込形成して酸化膜層34を形成する。これ
により、n形領域35が単結晶シリコン基板26と絶縁
分離された状態に設けられる。以下の工程については第
2の実施形態とほぼ同様である。
【0041】このような構成とすることにより、第1お
よび第2のフォトダイオード27および28を第1の実
施形態のものと同様に動作させることができるようにな
り、同様の効果を得ることができ、しかも、簡単な工程
を経ることにより形成することができるようになる。
【0042】(第4の実施形態)図8および図9は、本
発明の第4の実施形態を示すもので、第1ないし第3の
実施形態と異なるところは、支持基板である単結晶シリ
コン基板39に形成する第1および第2の受光素子とし
てのフォトダイオード40,41を共に絶縁膜を介して
絶縁状態に形成された半導体層に形成したところであ
る。
【0043】すなわち、構造的には、第3の実施形態で
示したフォトダイオード28と同様に、フォトダイオー
ド40,41は、単結晶シリコン基板39とは酸化膜層
42,43により電気的に絶縁された状態に設けられた
n形領域44,45にp形領域46,47を形成した構
成のもので、その検出波長感度は、それぞれのn形領域
44,45の膜厚つまり光吸収層の厚さを異なるように
設定したことにより異なる特性となるように構成したも
のである。
【0044】なお、単結晶シリコン基板39の表面に
は、酸化膜48が全面に渡って形成されると共に、各フ
ォトダイオード40,41に対応して電極49,50,
51,52が形成されている。
【0045】図9は、上記構成の半導体装置を形成する
際の各製造工程における模式的な断面を簡単に示すもの
で、単結晶シリコン基板39に対して、前述同様にし
て、酸素イオンを所定深さに選択的に注入して熱処理を
することにより、酸化膜層42の底面部分である埋込酸
化膜層42aを形成する(同図(a)参照)。次に、単
結晶シリコン基板39の表面に全面に渡って所定膜厚の
単結晶シリコン薄膜53をエピタキシャル成長法により
形成する(同図(b)参照)。
【0046】続いて、前述と同様にしてエピタキシャル
成長した単結晶シリコン薄膜53内に酸素イオンを所定
深さに選択的に注入して熱処理をすることにより、酸化
膜層43の底面部分である埋込酸化膜層43aを形成す
る(同図(c)参照)。この後、それぞれの埋込酸化膜
層42a,43aに対応して周囲に溝部をエッチングに
より形成し、その溝部内にCVD法等によって酸化膜4
2b,43bを埋込形成する(同図(d)参照)。
【0047】これにより、周囲を酸化膜層42,43で
単結晶シリコン基板39と電気的に絶縁分離された状態
として厚さ寸法つまり光吸収層の厚さが異なるn形領域
44,45を形成することができる。このn形領域4
4,45内にそれぞれp形領域46,47を形成するこ
とでフォトダイオード40,41を形成している。
【0048】このような第4の実施形態によっても、第
1ないし第3の実施形態と同様の作用効果を得ることが
できると共に、フォトダイオード40,41を共に単結
晶シリコン基板39と絶縁分離した状態に形成したn形
領域44,45に形成するので、その厚さ寸法つまり光
吸収層の厚さを所望の厚さに設定した状態に形成するこ
とができ、基板の厚さに制約を受けることがなくなり、
設計の自由度の向上を図ることができるようになる。
【0049】(第5の実施形態)図10および図11
は、本発明の第5の実施形態を示すもので、第4の実施
形態と異なるところは、支持基板として後述するように
形成した多結晶シリコン基板54を用いることで、第1
および第2の受光素子としてのフォトダイオード55,
56の構造としてはほぼ同様である。
【0050】すなわち、多結晶シリコン基板54には、
全面に酸化膜層57が形成され、その上部にフォトダイ
オード55に対応する領域には、単結晶シリコンからな
る所定膜厚の低濃度のn形領域58が酸化膜層59によ
り周囲を絶縁された状態に形成されている。このn形領
域58の表面側にはp形領域60が形成され、表面は酸
化膜61により覆われた状態とされ、p形領域60およ
びn形領域58のそれぞれには電極62,63が形成さ
れている。
【0051】一方、フォトダイオード56に対応する領
域には、多結晶シリコン層64が積層形成されると共
に、その上部に酸化膜層65が形成され、その上部に単
結晶シリコンからなる所定膜厚の低濃度のn形領域66
が酸化膜層67により周囲を絶縁された状態に形成され
ている。このn形領域66の表面側にはp形領域68が
形成されており、p形領域68およびn形領域66のそ
れぞれには電極69,70が形成されている。
【0052】上記構成としたことにより、フォトダイオ
ード55および56の各n形領域58,66の厚さつま
り光吸収層の厚さを異なるように設定したことにより検
出波長感度を異なるように設定した構成とすることがで
きる。
【0053】次に、上記構成の製造工程について図11
を参照して簡単に説明する。n形領域58,66を形成
するための元となる単結晶シリコン基板71に、フォト
ダイオード56に対応する領域に部分的に酸化膜層65
を形成し、フォトダイオード55に対応する領域は単結
晶シリコン基板71の表面を露出する状態とする。この
状態で、エピタキシャル成長法によりシリコン膜を堆積
させる。このとき、単結晶シリコン基板71の表面が露
出している領域には、単結晶シリコン薄膜72が形成さ
れ、酸化膜層65の領域には単結晶が成長せず、多結晶
シリコンが成長するので多結晶シリコン層64が形成さ
れる(同図(a)参照)。
【0054】次に、全面に酸化膜層57を形成し、さら
にその上に多結晶シリコンを堆積させる(同図(b)参
照)。このとき、多結晶シリコンを堆積する膜厚は、こ
の層が支持基板としての多結晶シリコン基板54として
の機能を果たすことができる程度であるから、例えば数
百μmの膜厚を形成することになる。
【0055】この後、単結晶シリコン基板71を裏面側
から研磨することにより、多結晶シリコン基板54側に
所望の膜厚すなわちフォトダイオード56の光吸収層の
厚さに対応する程度の膜厚となるまで研削する(同図
(c)参照)。そして、フォトダイオード55および5
6のそれぞれに対応する領域にn形領域58,66を形
成するために、溝部をエッチング等によって形成し、そ
の溝部に酸化膜層59,67を埋込形成し絶縁分離す
る。
【0056】このようにして形成されたn形領域58,
66に対して、前述と同様にしてそれぞれp形領域6
0,68を形成すると共に電極62,63,69,70
を形成してフォトダイオード55,56を形成すること
ができる。したがって、第4の実施形態と同様の作用効
果を得ることができるようになる。
【0057】本発明は、上記実施形態にのみ限定される
ものではなく、次のように変形また拡張できる。本実施
形態においては、受光素子をシリコンを用いて形成した
が、これに限らず、他の半導体を用いて形成することも
でき、また、シリコンのような間接遷移形のものに限ら
ず、直接遷移形の半導体を用いることも可能である。上
記各実施形態においては、基板をn形不純物を低濃度で
導入し、p形領域を形成した構成としたが、p形とn形
を入れ替えた構成のものにも適用することができる。
【0058】受光素子は2個に限らず、3個以上設けて
異なる検出波長感度を有する構成とすることができる。
この場合に、半導体層を異なる厚さに形成して絶縁分離
し、それぞれにフォトダイオードを設けることで形成す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す要部の模式的な
縦断側面図
【図2】光吸収層の厚さの違いによる検出感度の分光特
【図3】製造工程を概略的に示す模式的な縦断側面図
【図4】本発明の第2の実施形態を示す図1相当図
【図5】図3相当図
【図6】本発明の第3の実施形態を示す図1相当図
【図7】図3相当図
【図8】本発明の第4の実施形態を示す図1相当図
【図9】図3相当図
【図10】本発明の第5の実施形態を示す図1相当図
【図11】図3相当図
【符号の説明】
1,13,26,39は単結晶シリコン基板(半導体基
板)、2,14,27,40,55は第1のフォトダイ
オード(受光素子)、3,15,28,41,56は第
2のフォトダイオード(受光素子)、4,16,29,
48,61は酸化膜(絶縁膜)、5はSOI層(半導体
層)、6,9,17,21,30,36,46,47は
p形領域、12はSOI基板、20,33,42,4
3,65は埋込酸化膜層(絶縁膜)、34,57,5
9,67は酸化膜層(絶縁膜)、22は高濃度n形拡散
領域、23,35,44,45,58,66はn形領域
(半導体層)、53,72は単結晶シリコン薄膜、54
は多結晶シリコン基板(支持基板)、64は多結晶シリ
コン層、71は単結晶シリコン基板である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持基板上に絶縁膜を介して形成された
    半導体層に素子が形成される構成の半導体装置におい
    て、 前記半導体層を絶縁分離した複数の半導体層領域として
    形成すると共に、それらのうちの異なる半導体層領域に
    検出波長感度が異なるように設定された受光素子をそれ
    ぞれ形成したことを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 半導体基板上に絶縁膜を介して形成され
    た半導体層に素子が形成される構成の半導体装置におい
    て、 前記半導体層に受光素子を形成すると共に、前記半導体
    層を部分的に除去して露出させた前記半導体基板にも受
    光素子を形成し、それら複数の受光素子の検出波長感度
    を異なるように設定して構成したことを特徴とする半導
    体装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の半導体装置に
    おいて、 前記複数の受光素子は、光吸収層の厚さ寸法を異ならせ
    ることにより前記検出波長感度を異なるように設定して
    いることを特徴とする半導体装置。
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