JPH11162724A - 接着強度、耐食性及び耐ブロッキング性に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

接着強度、耐食性及び耐ブロッキング性に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法

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JPH11162724A
JPH11162724A JP34215597A JP34215597A JPH11162724A JP H11162724 A JPH11162724 A JP H11162724A JP 34215597 A JP34215597 A JP 34215597A JP 34215597 A JP34215597 A JP 34215597A JP H11162724 A JPH11162724 A JP H11162724A
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勝 鷺山
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Sumio Ezaki
澄雄 江崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着型絶縁皮膜の膜厚が薄くても優れた常温
及び高温接着強度を示し、且つ耐ブロッキング性、耐食
性にも優れた接着鉄芯用電磁鋼板を得る。 【解決手段】 特定の重量比の高分子量エポキシ樹脂と
高分子量アクリル系樹脂からなるグラフト化物である水
分散型樹脂100重量部に対して硬化剤が1〜40重量
部の割合(固形分の割合)で配合された水系塗料組成物
を、電磁鋼板面に乾燥膜厚で1.0〜12μmになるよ
うに塗布し、到達板温で100〜300℃になるように
焼き付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、打ち抜き、剪断、
プレス加工等の加工後に加圧・加熱(加熱圧着)により
接着して用いられる接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にモーター、トランス等の電気機器
に利用される鉄芯は、渦電流損を低減するために表面に
絶縁皮膜が形成された電磁鋼板を、所定形状に打ち抜き
または剪断加工した後、積層し、次いで溶接、カシメま
たは接着剤により固着することにより製造されている。
【0003】しかし、溶接やカシメによる固着方法で
は、絶縁皮膜が破壊されて鉄芯が電気的に短絡すること
により渦電流損の増加を招いたり、機械的または熱的ひ
ずみにより磁気特性の劣化が生じやすいという欠点があ
る。また、接着剤による固着方法では、打ち抜きまたは
剪断加工した鋼板に一枚毎に接着剤を塗布する必要があ
り、この作業に多大の時間と労力を要し、作業効率が劣
るという問題がある。
【0004】このような従来技術に対して、加圧・加熱
(加熱圧着)によって接着作用が得られる接着型絶縁皮
膜を予め電磁鋼板の表面に形成することで、上記接着剤
の塗布工程を省略できるようにした接着鉄芯用電磁鋼板
が知られており、これに関して以下のような技術が提案
されている。 (1) 特公昭52−8988号公報には、溶剤型の熱可塑
性樹脂と熱硬化性樹脂を乳化剤により水エマルジョン化
した処理液を鋼板表面に塗布し乾燥させた積層鉄心用表
面被覆鋼板が示されている。
【0005】(2) 特許第2574698号公報には、ガ
ラス転移点が60℃以上の熱可塑性アクリル樹脂エマル
ジョン(A)、エポキシ樹脂エマルジョン(B)、アミ
ン系エポキシ樹脂硬化剤及び特定の成膜助剤を主成分と
し、成分(A)と成分(B)の樹脂固形分重量比が
(A)/(B)=70/30〜95/5である水系接着
型絶縁被覆組成物を鋼板表面に塗布し、乾燥させた接着
鉄芯用電磁鋼板が示されている。
【0006】(3) 特開平7−308990号公報には、
ガラス転移点が80〜130℃で、分子中にエポキシ基
と反応可能な官能基を有するアクリルエマルジョン樹脂
(A)と、融点あるいは軟化点が70〜140℃のエポ
キシ樹脂エマルジョン(B)を主成分とし、成分(A)
と成分(B)の樹脂固形分重量比が(A)/(B)=9
5/5〜70/30である混合樹脂皮膜を有し、この混
合樹脂皮膜のゲル化率を10〜90重量%の範囲とし
た、150℃以上の高温環境下でも十分な接着強度を示
す加熱接着用表面被覆電磁鋼板が示されている。
【0007】(4) 特開平7−268307号公報には、
ガラス転移点が80℃以上の熱可塑性樹脂エマルジョ
ン、エポキシ樹脂エマルジョン及び水性フェノール樹脂
からなる高温接着強度に優れた水系熱接着型被覆組成物
が示されている。 (5) 特許第2529053号公報には、モノマー中に窒
素原子及び硫黄原子を含有しないアクリル系樹脂エマル
ジョンとエポキシ樹脂エマルジョン、及びエポキシ樹脂
と反応する酸無水物系エポキシ硬化剤あるいはメチロー
ル基含有初期縮合物を主成分とする混合液を鋼板面に塗
布し乾燥させることを特徴とする、塗布乾燥時やアルミ
ダイキャスト時に臭気の少ない接着用表面被覆電磁鋼板
の製造方法が示されている。
【0008】(6) 特許第2613725号公報には、鋼
板表面に予め潜在性硬化剤を配合したアクリル変性エポ
キシ樹脂エマルジョン(エポキシ樹脂に潜在性硬化剤を
配合した後、アクリル樹脂と反応させてエポキシ樹脂と
潜在性硬化剤の周囲を被覆した後、エマルジョン化した
もの)を主成分とする混合液を塗布し、不完全状態に焼
き付けることを特徴とする、塗料安定性に優れ、塗布乾
燥時の臭気の少ない接着用表面被覆電磁鋼板の製造方法
が示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの従来
技術により得られる接着鉄芯用表面被覆電磁鋼板には、
以下のような問題がある。上記(1)の表面被覆鋼板は、
皮膜中のベース樹脂の約40%以上が熱可塑性樹脂から
なるため、常温での接着強度はある程度得られるもの
の、高温環境下では熱可塑性樹脂の軟化が生じ、十分な
レベルの接着強度が得られない。また、水性化に大量の
乳化剤を使用しているため耐食性にも劣っている。
【0010】上記(2)の接着鉄芯用電磁鋼板も皮膜中の
ベース樹脂の70%以上が熱可塑性樹脂からなるため、
常温での接着強度はある程度得られるものの、高温環境
下では熱可塑性樹脂の軟化が生じ、十分なレベルの接着
強度が得られない。上記(3)の表面被覆電磁鋼板は15
0℃以上の高温環境下での接着強度は改善されるもの
の、その実施例から明らかなようにエポキシ樹脂エマル
ジョンは乳化剤を使用した強制乳化法によりエマルジョ
ン化したものであるため、乳化剤が皮膜中に残存し、乳
化剤成分に含有された親水基が吸湿作用を起こすため、
耐食性に劣る欠点がある。
【0011】上記(4)の水系熱接着型被覆組成物により
得られる接着型絶縁皮膜は、10μm(乾燥膜厚)程度
の比較的厚い膜厚の場合には十分な接着強度が得られる
が、5〜6μm(乾燥膜厚)若しくはそれ以下の比較的
薄い膜厚の場合には、十分な接着強度が得られない。上
記(5)の製造方法により得られる表面被覆電磁鋼板は、
塗布乾燥時やアルミダイキャスト時における臭気の発生
は改善されるものの、高温環境下における十分なレベル
の接着強度が得られない。上記(6)の表面被覆電磁鋼板
は、常温での接着強度及び長期保存後の接着強度には優
れるが、高温環境下での接着強度には劣っている。
【0012】したがって本発明の目的は、このような従
来技術の課題を解決し、鉄芯材料として加熱圧着された
後に、常温はもとより150℃程度の高温環境でも十分
な接着強度を有し、さらに接着鉄芯用電磁鋼板としての
耐ブロッキング性及び耐食性にも優れた接着鉄芯用電磁
鋼板の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、接着鉄芯
用電磁鋼板の皮膜構成及びその製造条件と常温及び高温
環境下での接着強度、耐食性、耐ブロッキング性等との
関係について鋭意検討を重ね、その結果、以下のような
知見を得た。 1) 塗料組成物を構成するベース樹脂の主成分としてエ
ポキシ系樹脂を主体とする特定の樹脂を使用することに
より、常温及び高温環境下での優れた接着強度を得るこ
とができる。特に、塗料組成物中でのベース樹脂の形態
が接着鉄芯用電磁鋼板の性能に大きな影響を及ぼし、ベ
ース樹脂として特定の水分散型樹脂を用いることによ
り、特に優れた接着強度と良好な耐食性及び耐ブロッキ
ング性が得られる。
【0014】2) 上記特定の樹脂をベース樹脂とした塗
料組成物を構成する硬化剤として、特にフェノール樹脂
を用いることにより、耐ブロッキング性及び耐食性を劣
化させることなく高温接着強度を効果的に向上させるこ
とができる。さらに、硬化剤としてフェノール樹脂と潜
在性硬化剤を複合添加することにより高温接着強度は一
層向上する。
【0015】本発明はこのような知見に基づきなされた
もので、その特徴は以下の通りである。 [1] 樹脂成分として、下記[i]に示す水分散型樹脂1
00重量部に対して硬化剤が1〜40重量部の割合(固
形分の割合)で配合された水系塗料組成物を、電磁鋼板
の少なくとも片面に乾燥膜厚で1.0〜12μmになる
ように塗布し、到達板温で100〜300℃になるよう
に焼き付けることを特徴とする接着強度、耐食性及び耐
ブロッキング性に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方
法。 [i]下記重量比の高分子量エポキシ樹脂(A)と高分
子量アクリル系樹脂(B)からなるグラフト化物 (A)/(B)=55/45〜95/5(固形分重量
比)
【0016】[2] 上記[1]の製造方法において、水分散
型樹脂を構成する高分子量エポキシ樹脂(A)の数平均
分子量が1200〜8000であることを特徴とする接
着強度、耐食性及び耐ブロッキング性に優れた接着鉄芯
用電磁鋼板の製造方法。 [3] 上記[1]または[2]の製造方法において、硬化剤の少
なくとも一部がフェノール樹脂であることを特徴とする
接着強度、耐食性及び耐ブロッキング性に優れた接着鉄
芯用電磁鋼板の製造方法。
【0017】[4] 上記[1]〜[3]のいずれかの製造方法に
おいて、硬化剤がフェノール樹脂と潜在性硬化剤とから
なり、固形分の割合でフェノール樹脂100重量部に対
する潜在性硬化剤の配合量が2〜200重量部であるこ
とを特徴とする接着強度、耐食性及び耐ブロッキング性
に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細をその限定理
由とともに説明する。本発明法による製造の対象は、加
圧・加熱(加熱圧着)することにより接着作用が得られ
る絶縁皮膜(接着型絶縁皮膜)を有する接着鉄芯用電磁
鋼板である。本発明において接着型絶縁皮膜を形成すべ
き基板となる鋼板は、モーターやトランス等の電気機器
に利用される鉄芯用の電磁鋼板である。このような電磁
鋼板としては、無方向性電磁鋼板または方向性電磁鋼板
が一般的であるが、これ以外にも軟鋼板、ステンレス鋼
板、その他の特殊鋼板等でもよく、基板となる鋼板は限
定されない。本発明の効果はこれらいずれの鋼板を基板
とした場合でも得ることができる。
【0019】また、基板となる電磁鋼板は、その表面に
予め亜鉛系めっきまたは他の金属めっき皮膜、化成処理
皮膜、無機系または無機−有機系の絶縁皮膜等の表面処
理の1種または2種以上を施したものでもよく、本発明
において電磁鋼板の表面とは、これら表面処理皮膜を有
する場合にはその最上層皮膜の表面をいうものとする。
【0020】本発明の製造方法では、上記の電磁鋼板の
表面に特定の水分散性樹脂と硬化剤を主成分とする水系
塗料組成物を塗布し、焼き付けることにより皮膜を形成
するが、前記水系塗料組成物を構成する水分散性樹脂と
してエポキシ系樹脂を主体とする特定の水分散性樹脂を
用いる。本発明者らが水系塗料組成物のベース樹脂とな
る各種水系樹脂と接着強度との関係について検討を行っ
た結果、水系塗料組成物を構成するベース樹脂の主体と
なる樹脂としてはエポキシ系樹脂が最適であることが判
った。
【0021】後述する実施例の塗料組成物No.49、
No.50を用いた比較例に示されるように、水系塗料
組成物のベース樹脂としてアクリル樹脂やウレタン樹脂
を用いた場合には、常温での接着強度は得られるもの
の、高温環境下においては十分な接着強度は得られな
い。これは、アクリル樹脂は熱可塑性樹脂であるため高
温で皮膜の軟化が生じ、このために高温接着強度が劣っ
たものとなり、また、ウレタン樹脂は高温になるとウレ
タン結合が解離しやすくなり、このため十分な高温接着
強度が得られなくなるからであると考えられる。
【0022】これに対して、本発明で使用するようなエ
ポキシ系樹脂を主体とするベース樹脂及びその硬化剤か
らなる皮膜は、常温および高温環境下ともに優れた接着
強度を示す。これは、エポキシ系樹脂と硬化剤が鉄芯製
造時の加熱圧着により3次元架橋構造を形成し、この架
橋構造により高温環境下でも皮膜の軟化が生じにくく、
これによって優れた高温接着強度が得られるからである
と考えられる。
【0023】さらに、本発明者らはベース樹脂の水系塗
料組成物中での形態と接着鉄芯用電磁鋼板の性能との関
係について検討を加えた。水系塗料組成物中でのエポキ
シ系樹脂の形態としては、多塩基酸とエポキシ樹脂を付
加重合させた後、カルボキシル基の少なくとも一部を中
和することにより水性化する水溶解型エポキシ樹脂、乳
化剤の存在下で強制乳化を行うエマルジョン型エポキシ
樹脂、極性を有する樹脂の保護コロイドを利用する水分
散型エポキシ樹脂がある。しかし、本発明者らが検討し
たところによれば、ベース樹脂としてこれら水溶解型、
エマルジョン型のエポキシ系樹脂をそれぞれ単独で使用
した場合、次のような問題があることが判った。
【0024】先ず、ベース樹脂として水溶解型やエマル
ジョン型エポキシ樹脂をそれぞれ単独で用いた場合に
は、接着強度と耐食性及び耐ブロッキング性をバランス
良く確保することができない。すなわち、接着鉄芯用電
磁鋼板は、その製造段階においては、鉄芯製造時に所望
の接着強度を得るために皮膜を半硬化状態(皮膜を耐ブ
ロッキング性および耐食性が良好になる程度に硬化させ
て硬化反応を停止させ、鉄芯製造時の加熱圧着により初
めて硬化反応が完結して所望の接着力が得られるように
する状態)に焼き付ける必要がある。
【0025】しかし、水溶解型エポキシ樹脂では、製造
上、上記のような硬化皮膜に必要とされるような高分子
量を得ることは困難であり、このためベース樹脂として
水溶解型エポキシ樹脂を単独で用いた皮膜は、これを上
記のように半硬化状態に焼き付けても、樹脂の分子量が
低いために耐ブロッキング性と接着強度を兼ね備えた硬
化皮膜を得ることができない。また、仮に硬化皮膜に必
要とされるような高分子量の水溶解型エポキシ樹脂が得
られたとしても、水溶解型エポキシ樹脂を単独で用いた
皮膜は多くのエステル基を含有した皮膜となり、このエ
ステル基は加水分解を生じやすいため、皮膜が吸湿しや
すく耐食性に劣ったものとなる。また、ベース樹脂とし
てエマルジョン型エポキシ樹脂を単独で用いた場合に
は、接着強度、耐ブロッキング性には優れるものの、多
量の乳化剤を使用しているため皮膜が吸湿しやすく、こ
のため耐食性に劣る。
【0026】これに対して、ベース樹脂として上記のよ
うな水分散型エポキシ樹脂を使用する場合について検討
したところ、ベース樹脂として高分子量エポキシ樹脂と
高分子量アクリル系樹脂のグラフト化物である下記
[i]に示す水分散型樹脂を用い、且つ焼付温度と硬化
剤配合量を最適化することにより、優れた接着強度と良
好な耐食性、耐ブロッキング性を有する皮膜が得られる
ことが判った。 [i]下記重量比の高分子量エポキシ樹脂(A)と高分
子量アクリル系樹脂(B)からなるグラフト化物 (A)/(B)=55/45〜95/5(固形分重量
比)
【0027】上記水分散型樹脂である高分子量エポキシ
樹脂(A)と高分子量アクリル系樹脂(B)のグラフト
化物は、(A)/(B)の固形分重量比を55/45〜
95/5とする。この重量比が55/45未満では、高
分子量アクリル系樹脂の比率が過剰(熱可塑成分が過
剰)であるため、常温及び高温環境下での接着強度が劣
る。一方、重量比が95/5を超えるとベース樹脂が水
系塗料組成物中で分散しにくくなり、塗料安定性が劣
る。また、特に優れた高温接着強度を得る場合には、
(A)/(B)の固形分重量比を70/30〜90/1
0とすることが望ましい。上記グラフト化物以外の水分
散型エポキシ樹脂を単独で用いた場合は、ある程度の接
着強度は得られるものの、その接着強度レベルは十分な
ものではない。
【0028】上記グラフト化物において、高分子量エポ
キシ樹脂(A)の数平均分子量は1200〜8000で
あることが好ましい。数平均分子量が1200未満では
皮膜の耐食性、接着強度が劣るため好ましくなく、一
方、数平均分子量が8000を超えると塗料安定性が劣
るため好ましくない。また、このような観点から高分子
量エポキシ樹脂のより好ましい数平均分子量は2000
〜7000、特に望ましくは2500〜7000であ
る。
【0029】また、高分子量アクリル系樹脂(B)の数
平均分子量が5000〜100000程度であることが
好ましい。数平均分子量が5000未満では耐ブロッキ
ング性、接着強度が劣るため好ましくなく、一方、数平
均分子量が100000を超えると塗料組成物が高粘度
となり、鋼板への塗布が困難となる。
【0030】高分子量エポキシ樹脂(A)と高分子量ア
クリル系樹脂(B)のグラフト化物は、例えば下記の方
法により得ることができる。 (I) 高分子量エポキシ樹脂とカルボキシル基含有ア
クリル系樹脂とを、有機溶剤溶液中で第3級アミンの存
在下にエステル付加反応させる。 (II) 有機溶剤溶液中、ベンゾイルパーオキサイド等
のラジカル発生剤の存在下に、高分子量エポキシ樹脂に
ラジカル重合性不飽和単量体をグラフト重合反応させ
る。
【0031】上記(I)、(II)の反応に用いる高分子
量エポキシ樹脂とは、例えば、エピクロルヒドリンとビ
スフェノールとをアルカリ触媒の存在下に高分子量まで
縮合させたもの、エピクロルヒドリンとビスフェノール
とをアルカリ触媒の存在下で低分子量のエポキシ樹脂に
縮合させ、この低分子量エポキシ樹脂とビスフェノール
とを重付加反応させることにより得られたもの等が挙げ
られ、またその他、二塩基酸を組合せたエポキシエステ
ル樹脂であってもよい。ここで2塩基酸としては、 一般式 HOOC−(CH2)n−COOH (式中、nは1〜12の整数を示す) で示される化合物が好適に用いられ、具体的にはコハク
酸、アジピン酸、ヒメリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカンニ酸、ヘキサヒドロフタル酸等を例示でき
る。また、ビスフェノールとしては、ビスフェノール
A、ビスフェノールFが好適に使用され、これらを混合
して用いてもよい。
【0032】上記高分子量エポキシ樹脂の好ましい数平
均分子量については上述した通りであり、そのような高
分子量エポキシ樹脂の具体例としては、例えばシェル化
学社製のエピコート1004(エポキシ当量:約90
0、数平均分子量:約1400)、エピコート1007
(エポキシ当量:約1700、数平均分子量:約290
0)、エピコート1009(エポキシ当量:約350
0、数平均分子量:約3750)、エピコート1010
(エポキシ当量:約4500、数平均分子量:約550
0)等が挙げられる。なお、これらの高分子量エポキシ
樹脂は、単独でまたは2種以上を混合して使用すること
ができる。
【0033】グラフト化物を構成する高分子量エポキシ
樹脂の1分子当りのエポキシ基の数に特に制限はない
が、高分子量エポキシ樹脂とカルボキシル基含有アクリ
ル系樹脂とのグラフト化物を得る場合には、反応形態に
よりエポキシ基の数は適宜選択される。すなわち、反応
形態が上記(I)のエステル付加反応である場合には、
エポキシ樹脂1分子当りエポキシ基は平均0.5〜2.
0個、好ましくは0.5〜1.6個であるのがよい。ま
た、反応形態が上記(II)のエポキシ樹脂主鎖の水素引
き抜きによるカルボキシル基含有アクリル系モノマーを
含むアクリル系モノマーのグラフト反応である場合に
は、エポキシ樹脂中にエポキシ基は実質上存在しなくて
もよい。
【0034】上記(I)のエステル化反応に用いられる
カルボキシル基含有アクリル系樹脂としては、下記
[a]群のカルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単
量体の中から選ばれる少なくとも1種を重合または共重
合させて得られるアクリル系樹脂、または下記[a]群
のカルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体の中
から選ばれる少なくとも1種と、これら[a]群の単量
体と共重合可能な下記[b]群のラジカル重合性不飽和
単量体の中から選ばれる少なくとも1種とを共重合させ
て得られるアクリル系樹脂を例示できる。
【0035】[a]アクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、イタコン酸、クロトン酸等のようなαまたはβエ
チレン性不飽和カルボン酸 [b]:2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルア
クリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等のよ
うな、アクリル酸またはメタクリル酸の炭素原子数が1
〜8個のヒドロキシアルキルエステル、:メチルアク
リレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレー
ト、エチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、
n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、
イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレー
ト、tert−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルアク
リレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルアク
リレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルアクリ
レート、ステアリルメタクリレート、アクリル酸デシル
等のような、アクリル酸またはメタクリル酸の炭素原子
数が1〜24個のアルキルまたはシクロアルキルエステ
ル、:アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチ
ルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ジアセ
トンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、
N−メチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチル
アクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等
のような、官能性アクリルまたはメタクリルアミド、
:スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等
のような芳香族ビニル単量体、:プロピオン酸ビニ
ル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、ビニルプロピオネート、ビニルピバレート、ベオバ
モノマー(シェル化学社製)等のようなビニル単量体
【0036】上記の不飽和単量体の好ましい組み合せ例
として、例えば、下記のものを例示できる。 (イ)メタクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキ
シル/アクリル酸 (ロ)スチレン/メタクリル酸メチル/アクリル酸エチ
ル/メタクリル酸 (ハ)スチレン/アクリル酸エチル/メタクリル酸 (ニ)メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル/アクリ
ル酸
【0037】上記カルボキシル基含有アクリル系樹脂の
調整は、例えば、上記した不飽和単量体をラジカル重合
開始剤の存在下に溶液重合法で重合または共重合させる
ことにより容易に行うことができる。高分子量アクリル
系樹脂の数平均分子量については先に述べた通りであ
り、したがって上記カルボキシル基含有アクリル系樹脂
も同様の数平均分子量を有することが好ましい。また、
カルボキシル基含有アクリル系樹脂の酸価は樹脂固形分
で通常50〜500程度の範囲がよい。酸価が50未満
では塗料組成物の塗料安定性が劣るため好ましくなく、
一方、酸価が500を超えると塗料組成物が高粘度とな
り、鋼板への塗布が困難となる。
【0038】上記(I)のエステル付加反応において使
用される高分子量エポキシ樹脂とカルボキシル基含有ア
クリル系樹脂の固形分濃度に特に制限はないが、これら
樹脂の最適粘度を有する範囲であることが望ましい。ま
た、エステル付加反応において使用する第3級アミン
は、高分子量エポキシ樹脂のエポキシ基に対して通常
0.1〜1当量の範囲で使用するのがよい。
【0039】上記エステル化反応は従来公知の方法で行
うことができ、例えば高分子量エポキシ樹脂の有機溶剤
溶液とカルボキシル基含有アクリル系樹脂の有機溶剤溶
液とを均一に混合した後、第3級アミン水性溶液の存在
下で、通常60〜130℃の反応温度において約1〜6
時間の反応を実質的にエポキシ基が消費されるまで行う
のがよい。
【0040】高分子量エポキシ樹脂と高分子量アクリル
系樹脂のグラフト化物を前記(II)のグラフト重合反応
によって得る場合に使用するラジカル重合性不飽和単量
体としては、前記(I)のエステル付加反応において使
用するカルボキシル基含有アクリル系樹脂の製造に用い
られる前記[a]群および[b]群のラジカル重合性不
飽和単量体と同様の単量体を挙げることができ、この場
合、[a]群のカルボキシル基含有ラジカル重合性不飽
和単量体の中から選ばれる少なくとも1種、または
[a]群のカルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単
量体の中から選ばれる少なくとも1種と[b群]のラジ
カル重合性不飽和単量体の中から選ばれる少なくとも1
種が用いられる。
【0041】上記グラフト重合反応において、高分子量
エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和単量体の配合割合
に特に制限はないが、最終的に製造されたグラフト化物
中の高分子量エポキシ樹脂(A)と高分子量アクリル系
樹脂(B)の固形分重量比が上述した範囲に入るように
適宜選択される。使用するラジカル重合性不飽和単量体
としては、カルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単
量体が全ラジカル重合性不飽和単量体中の固形分の割合
で20〜80重量%含まれるものが特に好ましい。ま
た、グラフト重合反応に用いられるラジカル発生剤は、
ラジカル重合性不飽和単量体に対して通常3〜15重量
%の範囲で使用するのがよい。
【0042】上記グラフト重合反応は従来公知の方法で
行うことができ、例えば80〜150℃に加熱された高
分子量エポキシ樹脂の有機溶剤溶液に、ラジカル発生剤
を均一に混合したラジカル重合性不飽和単量体を1〜3
時間を要して添加し、更に同温度を1〜3時間保持する
ことによって行うことができる。
【0043】上記(I)のエステル付加反応や上記(I
I)のグラフト重合反応において使用される有機溶剤と
しては、高分子量エポキシ樹脂およびカルボキシル基含
有アクリル系樹脂を溶解し、且つこれらの樹脂の反応物
のカルボン酸塩を水で希釈する場合にエマルジョンの形
成に支障を来たさないような、水と混合可能な有機溶剤
であればよく、このような有機溶剤であれば従来公知の
いずれのものも使用できる。
【0044】このような有機溶剤の代表例としては、イ
ソプロパノール、ブチルアルコール、2−ヒドロキシ−
4−メチルペンタン、2−エチルヘキシルアルコール、
シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、1,3−ブチレングリコール、エチレング
リコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル等のアルコール系溶剤、セロソルブ系溶剤及びカル
ビトール系溶剤を挙げることができる。また、水と混和
しない不活性有機溶剤も使用可能であり、このような有
機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香
族系炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類が挙げ
られる。
【0045】上記高分子量エポキシ樹脂(A)と高分子
量アクリル系樹脂(B)のグラフト化物は、塩基性化合
物で樹脂中のカルボキシル基の少なくとも一部を中和す
ることによって水分散性樹脂とすることができる。カル
ボキシル基を中和するのに用いられる塩基性化合物とし
ては従来公知のものを広く使用することができ、例え
ば、任意の第1級アミン、第2級アミン、第3級アミ
ン、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0046】具体的には、メチルアミン、エチルアミ
ン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ヘ
キシルアミン、モノエタノールアミン、プロパノールア
ミン、ベンジルアミン、ジメチルアミン、ジブチルアミ
ン、ジヘキシルアミン、メチルエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエチルアミン、ジエチルエタノー
ルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、トリエタノ
ールアミン、トリブチルアミン、ジメチルn−ブチルア
ミン、トリプロピルアミン、γ−ピコリン、テトラヘキ
シルアンモニウムヒドロキサイド等を例示できる。この
ような中和剤の使用量としては、反応物中のカルボキシ
ル基に対して、通常0.1〜2の中和当量で用いられる
のがよい。この中和剤による中和処理も従来公知の方法
で行うことができる。
【0047】塗料組成物に使用する硬化剤は、一般に使
用されるエポキシ樹脂硬化剤を使用することができ、例
えば、脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、芳香族ポ
リアミン、ポリアミドポリアミン、変性ポリアミン等の
ようなポリアミン系硬化剤;一官能性酸無水物(無水フ
タル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒド
ロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無
水メチルナジック酸、無水クロレンディック酸等)、2
官能性酸無水物(無水ピロメリット酸、ベンゾフェノン
テトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビス(ア
ンヒドロトリメート)、メチルシクロヘキセンテトラカ
ルボン酸無水物等)、遊離酸酸無水物(無水トリメリッ
ト酸、ポリアゼライン酸無水物等)等のような酸無水物
系硬化剤;ノボラック型またはレゾール型フェノール樹
脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等のようなメチロール基
含有初期縮合物;潜在性硬化剤等の中から選ばれる少な
くとも1種を使用できる。
【0048】塗料組成物中の硬化剤の配合量は、固形分
の割合で水分散型樹脂100重量部に対して1〜40重
量部とする。硬化剤の配合量が1重量部未満では加熱圧
着時に十分な硬化が行われず、接着強度に劣る。また、
硬化剤の配合量が40重量部を超えると塗料組成物が増
粘したり、造膜性が悪くなり、このため耐食性、接着強
度が劣る。
【0049】また、硬化剤としては、特にフェノール樹
脂を使用した場合に高温環境下での接着強度が著しく向
上するため好ましい。これは、皮膜中にベンゼン環が導
入されることにより皮膜の耐熱性が向上するためである
と考えられる。このフェノール樹脂としては、フェノー
ルやビスフェノールA等のフェノール類とホルムアルデ
ヒドとを反応触媒の存在下で縮合反応させて、メチロー
ル基を導入したレゾール型フェノール樹脂等を挙げるこ
とができる。
【0050】例えば、ビスフェノール化合物1モルとホ
ルムアルデヒド4〜10モルを、または、ビスフェノー
ル化合物1モルに対して無置換1価フェノール、p−置
換1価フェノール、o−置換1価フェノールの中から選
ばれる1種以上の1価フェノールを合計で0.5モル以
下の割合で混合したフェノール類1モルとホルムアルデ
ヒド4〜10モルを、塩基性触媒の存在下、反応温度5
0〜60度、反応系内のpH8.0〜9.0で反応させ
て得られたレゾール型フェノール樹脂を使用できる。
【0051】また、フェノール樹脂と潜在性硬化剤を特
定の割合で複合添加することにより、皮膜の接着強度は
さらに向上する。すなわち、硬化剤としてフェノール樹
脂と潜在性硬化剤を複合添加し、潜在性硬化剤の配合量
を固形分の割合でフェノール樹脂100重量部に対して
2〜200重量部、特に好ましくは3〜100重量部と
することにより、接着強度はさらに向上する。
【0052】フェノール樹脂と潜在性硬化剤を複合添加
した場合の潜在性硬化剤の配合量の適正範囲を調べるた
め、板厚0.5mmの電磁鋼板の表面にベース樹脂(表
1に記載のベース樹脂No.8):100重量部(固形
分)、フェノール樹脂(表3に記載のフェノール樹
脂):5重量部(固形分)とし、フェノール樹脂100
重量部に対する潜在性硬化剤(表3に記載の潜在性硬化
剤)の配合量(固形分)を変えた水系塗料組成物を乾燥
膜厚6μmになるように塗布し、到達板温200℃で焼
き付けることにより接着鉄芯用電磁鋼板を作成し、潜在
性硬化剤の配合量が高温接着強度(この高温接着強度は
後述する実施例に記載の評価法により評価した)に及ぼ
す影響を調べた。
【0053】その結果を図1に示す。同図によれば、フ
ェノール樹脂100重量部に対する潜在性硬化剤の配合
量が2重量部未満でも、また200重量部を超えても、
フェノール樹脂と潜在性硬化剤の複合添加による顕著な
高温接着強度は得られていない。また、特にフェノール
樹脂100重量部に対する潜在性硬化剤の配合量が3〜
100重量部の範囲において最も優れた高温接着強度が
得られている。
【0054】本発明で使用する潜在性硬化剤としては、
ジシアンジアミド、メラミン、有機酸ジヒドラジド、ア
ミンイミド、ケチミン、第3アミン塩、イミダゾール
塩、3フッ化ホウ素アミン塩、マイクロカプセル型硬化
剤(硬化剤をカゼインなどで形成したマイクロカプセル
中に封入し、加熱・加圧によりマイクロカプセルを破
り、樹脂と硬化反応するもの)、モレキュラーシーブ型
硬化剤(吸着性化合物の表面に硬化剤を吸着させたもの
で、加熱により吸着分子を放出し、樹脂と硬化反応する
もの)等が挙げられる。
【0055】本発明で用いる塗料組成物は、上述した特
定の水分散型樹脂からなるベース樹脂と硬化剤を主成分
とするものであるが、塗料組成物中には上記ベース樹脂
成分以外に、一部他のベース樹脂成分が含まれることを
妨げず、例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、シリーコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエ
チレン、ポリプロピレンのような合成樹脂、ナイロン、
ポリスルファイド、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、
ポリビニルホルマールのようなエラストマー等が、塗料
組成物の樹脂成分中の割合で35重量%以下含まれても
よい。また、これ以外に、シリカやアルミナ等の酸化物
微粒子、導電性物質、難溶性クロム酸塩等の防錆添加
剤、着色顔料(例えば、縮合多環系有機顔料、フタロシ
アニン系有機顔料等)、着色染料(例えば、アゾ系染
料、アゾ系金属錯塩染料等)、成膜助剤、分散性向上
剤、消泡剤等の1種以上を配合することも可能である。
【0056】本発明の製造法では、上記塗料組成物を電
磁鋼板の表面に塗布し、焼き付けることにより積層接着
用皮膜を形成するが、その皮膜厚は乾燥膜厚で1.0〜
12μmとする。皮膜厚が1.0μm未満では接着強度
が不十分であり、一方、皮膜厚が12μmを超えると接
着強度が飽和するだけでなく、占積率が低下するので好
ましくない。このような接着強度と占積率の観点からよ
り好ましい皮膜厚は3μm〜7μmである。
【0057】塗料組成物を鋼板面に塗布する方法は任意
である。通常はロールコーター法により塗布するが、浸
漬法やスプレー法により塗布した後に、エアーナイフ法
やロール絞り法により塗布量を調整することも可能であ
る。また、塗料組成物を塗布した後の焼付処理は、熱風
炉、高周波誘導加熱炉、赤外線炉等を用いて行なうこと
ができる。焼付温度は、到達板温で100〜300℃と
する。到達板温が100℃未満では鉄芯製造のために加
熱圧着する前の皮膜の硬化が不十分であるため、耐食
性、耐ブロッキング性が劣る。一方、到達板温が300
℃を超えると加熱圧着前の皮膜の硬化が進みすぎ、加熱
圧着時に皮膜が十分な軟化溶融を生じなくなるため皮膜
どうしの界面が溶け合わず、その結果、接着強度は劣っ
たものとなる。このような観点からより好ましい焼付温
度は130〜230℃であり、これにより特に優れた接
着強度、耐食性、耐ブロッキング性を得ることができ
る。
【0058】焼付処理時の昇温速度は特に限定されない
が、3〜80℃/sec程度が好ましい。昇温速度が3
℃/sec未満では鋼板の製造効率が悪いため好ましく
なく、一方、80℃/secを超えると塗膜にワキが生
じる恐れがあり、塗膜外観が劣化しやすい。
【0059】
【実施例】板厚0.5mmの電磁鋼板に塗料組成物をロ
ールコーターにより塗布した後、焼付処理して接着鉄芯
用電磁鋼板を製造し、得られた接着鉄芯用電磁鋼板の接
着強度、耐ブロッキング性、耐食性を評価した。また、
塗料組成物の塗料安定性の評価も行った。塗料組成物に
使用したベース樹脂の組成を表1および表2に、同じく
硬化剤を表3に、塗料組成物の組成と塗料安定性の評価
結果を表4〜表6に、接着鉄芯用電磁鋼板の製造条件
(焼付温度および乾燥膜厚)と性能評価の結果を表7〜
表11に示す。以下に塗料組成物の調整法と接着鉄芯用
電磁鋼板の各性能評価の方法を示す。
【0060】[塗料組成物の調整] [1.] 水分散型樹脂の調整 [1.1.] エステル付加反応による水分散型樹脂の製法 芳香族系エポキシ樹脂の有機溶剤溶液とカルボキシル基
含有アクリル系樹脂の有機溶剤溶液とを均一に混合した
後、第3級アミン水溶液の存在下で60〜130℃の反
応温度において約1〜6時間エステル付加反応させ、水
分散型樹脂を得る。具体的な製造例として、表1のベー
ス樹脂No.5の水分散型樹脂の製法を下記(a)〜
(c)に示す。
【0061】(a) 高分子量エポキシ樹脂溶液の製造 還流冷却器、撹拌器、温度計および窒素ガス吹き込み装
置を付した反応装置に、エピコート828(油化シェル
社製のエポキシ樹脂,エポキシ当量184〜194)5
00部、ビスフェノールA286部、トリ−n−ブチル
アミン0.5部及びメチルイソブチルケトン86部を仕
込み、窒素気流下で135℃に加熱したところ、内容物
は180℃まで発熱した。これを160℃まで冷却し、
約3時間反応を行ってエポキシ価0.025、溶融粘度
(25℃における樹脂40%のブチルカルビトール溶液
のガードナーホルト粘度)Z8の90%エポキシ樹脂溶
液を得た。
【0062】(b) カルボキシル基含有アクリル系樹脂溶
液の製造 還流冷却器、撹拌器、温度計、滴下ロート及び窒素導入
口を備えた4ツ口フラスコにブタノール400部を採取
した。メタクリル酸174部、スチレン87部、エチル
アクリレート29部及びベンゾイルパーオキサイド(7
5%水湿潤物)14.5部をビーカーに採取し、よく混
合撹拌し、予備混合物を調整した。前記フラスコ中のブ
タノールの温度を105℃に加熱し、この温度において
前記予備混合物を滴下ロートから3時間にわたって滴下
した。同温度で更に2時間保持し、共重合反応を完了さ
せた。次いで、2−ブトキシエタノール290部を加え
て粘度370センチストークス、樹脂酸価400、固形
分30%のカルボキシル基含有アクリル系樹脂溶液を得
た。
【0063】(c) 水分散型樹脂の製造 反応容器に下記(1)〜(4)を入れて窒素気流下で115℃
に加熱し、樹脂成分を溶解させた。溶解後105℃まで
冷却し、下記(5)と(6)をこの順に加え、105℃で3時
間保持した。この反応の終了時点では、酸価は51であ
った。次いで下記(7)を30分間を要して添加し、固形
分25%の安定な水分散型樹脂を得た。 (1)前記(a)で得られたエポキシ樹脂溶液 267部 (2)前記(b)で得られたアクリル系樹脂溶液 200部 (3)n−ブタノール 66部 (4)2−ブトキシエタノール 47部 (5)脱イオン水 3.2部 (6)ジメチルアミノエタノール 5.3部 (7)脱イオン水 612部
【0064】[1.2.] グラフト重合反応による水分散型
樹脂の製法 表2のベース樹脂No.19の水分散型樹脂の製法を以
下に示す。還流冷却器、撹拌器、温度計および窒素ガス
吹き込み装置を付した反応装置に下記(1)〜(3)を入れて
窒素気流下で115℃に加熱し、樹脂成分を溶解させ
た。次いで(4)〜(7)の混合物を1時間を要して滴下し、
さらに115℃で2時間反応させた。その後80℃まで
冷却した後、下記(8)を添加し、温度を80℃に保持し
ながら撹拌下にて下記(9)を30分を要して徐々に添加
し、固形分30%の安定な水分散型樹脂を得た。 (1)前記[1.1.]の(a)で得られたエポキシ樹脂溶液 283部 (2)n−ブタノール 121部 (3)2−ブトキシエタノール 117部 (4)メタクリル酸 27部 (5)スチレン 13.5部 (6)アクリル酸エチル 4.5部 (7)過酸化ベンゾイル 3部 (8)ジメチルアミノエタノール 14.8部 (9)脱イオン水 416.2部
【0065】[2.] 硬化剤 塗料組成物に使用した硬化剤を表3に示す。 [3.] 塗料組成物の調整 表1および表2に示すベース樹脂と表3に示す硬化剤を
用い、これらを混合・撹拌して表4〜表6に示すNo.
1〜No.48の塗料組成物を得た。これら塗料組成物
中の不揮発分の割合は全て20wt%とした。
【0066】また、表6に示すNo.49のアクリル樹
脂エマルジョンとNo.50のウレタン樹脂エマルジョ
ンは、下記により得られたものである。 (a) アクリル樹脂エマルジョン:メチルメタクリレート
90重量部、スチレン15重量部、アクリル酸10重量
部、エチルアクリレート10重量部からなるモノマー混
合物を水中で常法により乳化重合し、アクリル樹脂エマ
ルジョンを作成した。 (b) ウレタン樹脂エマルジョン:旭電化工業(株)製の
“アデカボンダイターHUX−240”を用いた。
【0067】[塗料安定性の評価]塗料組成物を40℃
で静置し、塗料のゲル化または沈降物が生じはじめるま
での時間で評価した。評価基準を下記に示す。 ○:120時間以上 △:24時間以上、120時間未満 ×:24時間未満
【0068】[接着鉄芯用電磁鋼板の性能評価] (a) 常温接着強度 25mm×50mmのサイズに切断した接着鉄芯用電磁
鋼板を、重ね合わせ部が25mm×12.5mmになる
ように皮膜形成面どうしを重ね合わせ、圧力10kgf
/cm2で加圧した状態で図2に示す昇温パターンで加
熱圧着した。これを常温雰囲気下で引張り試験機により
引張り、破壊するまでの最大荷重を測定し、この最大荷
重を剪断面積(接着面積)で割った引張り剪断強度で接
着強度を評価した。評価基準を下記に示す。 ◎ :160kgf/cm2以上 ○+:140kgf/cm2以上、160kgf/cm2
未満 ○ :120kgf/cm2以上、140kgf/cm2
未満 △ :100kgf/cm2以上、120kgf/cm2
未満 × :100kgf/cm2未満
【0069】(b) 高温接着強度 前記(a)による常温接着強度の評価試験と同様の方法で
作成、加熱圧着したサンプルを150℃雰囲気下で引張
り試験機により引張り、破壊するまでの最大荷重を測定
し、この最大荷重を剪断面積(接着面積)で割った引張
り剪断強度で接着強度を評価した。評価基準を下記に示
す。 ◎ :80kgf/cm2以上 ○+:60kgf/cm2以上、80kgf/cm2未満 ○ :40kgf/cm2以上、60kgf/cm2未満 △ :20kgf/cm2以上、40kgf/cm2未満 × :20kgf/cm2未満
【0070】(c) 耐ブロッキング性 20mm×20mmのサイズに切断した接着鉄芯用電磁
鋼板の皮膜形成面どうしを重ね合わせ、加圧力250k
gf/cm2で加圧し、50℃雰囲気下で24時間放置
した後のブロッキングの有無を調べた。評価基準を下記
に示す。 ○:ブロッキング無し ×:ブロッキング有り
【0071】(d) 耐食性 塩水噴霧試験を行い、24時間後の赤錆発生面積率によ
り評価した。評価基準を下記に示す。 ◎:赤錆発生面積率10%未満 ○:赤錆発生面積率10%以上、25%未満 △:赤錆発生面積率25%以上、50%未満 ×:赤錆発生面積率50%以上
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】
【表5】
【0077】
【表6】
【0078】
【表7】
【0079】
【表8】
【0080】
【表9】
【0081】
【表10】
【0082】
【表11】
【0083】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、モー
ターやトランスの使用環境(常温〜高温)下でも安定し
た接着強度が得られ、しかも耐ブロッキング性、耐食性
にも優れた接着型絶縁皮膜を有する接着鉄芯用電磁鋼板
を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】塗料組成物中の硬化剤としてフェノール樹脂と
潜在性硬化剤を複合添加した場合において、フェノール
樹脂100重量部に対する潜在性硬化剤の配合量が高温
接着強度に及ぼす影響を示すグラフ
【図2】実施例で行なった接着鉄芯用電磁鋼板の加熱圧
着の昇温パターンを示す図面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22C 38/00 303 C22C 38/00 303U (72)発明者 鷺山 勝 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 今崎 善夫 兵庫県尼崎市神崎町33番1号 関西ペイン ト株式会社内 (72)発明者 江崎 澄雄 兵庫県尼崎市神崎町33番1号 関西ペイン ト株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂成分として、下記[i]に示す水分
    散型樹脂100重量部に対して硬化剤が1〜40重量部
    の割合(固形分の割合)で配合された水系塗料組成物
    を、電磁鋼板の少なくとも片面に乾燥膜厚で1.0〜1
    2μmになるように塗布し、到達板温で100〜300
    ℃になるように焼き付けることを特徴とする接着強度、
    耐食性及び耐ブロッキング性に優れた接着鉄芯用電磁鋼
    板の製造方法。 [i]下記重量比の高分子量エポキシ樹脂(A)と高分
    子量アクリル系樹脂(B)からなるグラフト化物 (A)/(B)=55/45〜95/5(固形分重量
    比)
  2. 【請求項2】 水分散型樹脂を構成する高分子量エポキ
    シ樹脂(A)の数平均分子量が1200〜8000であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の接着強度、耐食性
    及び耐ブロッキング性に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 硬化剤の少なくとも一部がフェノール樹
    脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の接
    着強度、耐食性及び耐ブロッキング性に優れた接着鉄芯
    用電磁鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 硬化剤がフェノール樹脂と潜在性硬化剤
    とからなり、固形分の割合でフェノール樹脂100重量
    部に対する潜在性硬化剤の配合量が2〜200重量部で
    あることを特徴とする請求項1、2または3に記載の接
    着強度、耐食性及び耐ブロッキング性に優れた接着鉄芯
    用電磁鋼板の製造方法。
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