JPH11161562A - Icカード及びicカードのメモリ管理方法 - Google Patents

Icカード及びicカードのメモリ管理方法

Info

Publication number
JPH11161562A
JPH11161562A JP9330600A JP33060097A JPH11161562A JP H11161562 A JPH11161562 A JP H11161562A JP 9330600 A JP9330600 A JP 9330600A JP 33060097 A JP33060097 A JP 33060097A JP H11161562 A JPH11161562 A JP H11161562A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
area
information
update
directory
card
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9330600A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Tanaka
武 田中
Yoshiyuki Okuma
喜之 大熊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTT Data Group Corp
Original Assignee
NTT Data Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTT Data Corp filed Critical NTT Data Corp
Priority to JP9330600A priority Critical patent/JPH11161562A/ja
Publication of JPH11161562A publication Critical patent/JPH11161562A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Techniques For Improving Reliability Of Storages (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電源変動に頑健な非接触型ICカードを提供
する。 【解決手段】 ICチップ10内にメモリ部12とCP
U11を持つ。EEPROM122内の特定のデータ領
域のデータ更新処理を行う場合は、データ領域が属する
ファイルのディレクトリ領域及びディレクトリ管理領域
の情報をRAM122に退避させた後、データ領域内の
空きブロックにデータを書き込む。その後、RAM12
2内のディレクトリ領域におけるブロック使用状況を更
新し、更新後のディレクトリ領域の情報をEEPROM
122に書き込んだ後、RAM122内のディレクトリ
管理領域を更新する。この更新が正常に終了したときは
ディレクトリ管理領域の情報をEEPROM122に復
帰させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ICチップ内のメ
モリ領域を有効に管理することにより、当該メモリ領域
に保存されている情報を保護するICカードのメモリ管
理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ICチップをカード媒体に埋め込んだI
Cカードには、接触型のものと非接触型のものとがあ
る。接触型ICカードはICチップ部分がカードリーダ
ライタ内で固定的に使用されるものであり、非接触型I
Cカードはカードリーダライタの位置に拘束されず、所
持者が任意に移動した状態で使用されるものである。両
者は、ICチップへの電力供給の形態とその安定度が異
なる。すなわち、接触型ICカードは使用時にリーダラ
イタ内で固定されるので安定的に電力供給がなされる
が、非接触型ICカードでは、その位置によっては電力
供給断になる事態が発生する。
【0003】このような電力供給の安定度の差は、IC
チップ内のメモリ管理方式の差として現れる。すなわ
ち、非接触型ICカードでは電力供給の変動に強い物理
アドレス方式が採用され、接触型ICカードではきめ細
かなメモリ管理が可能となる論理アドレス方式が採用さ
れる。物理アドレス方式は、メモリ管理が単純である反
面、ICカードを利用するカードシステムが、特定のI
Cカードに依存したシステムになったり、記録するデー
タのアドレスを変更せざるを得ない場合が生じたときに
システムに大幅な改造が必要になる。従って、非接触型
ICカードにおいても論理アドレス方式を採用できるよ
うにすることが望まれている。
【0004】従来の論理アドレス方式の概要は、下記の
とおりである。前提として、メモリ部には、図17に示
すようにAファイルとBファイルが格納されており、各
ファイルは、データ領域とディレクトリ領域からなるも
のとする。ディレクトリ領域の構成は図18に示すとお
りであり、1つの物理ブロック内に、ファイルを識別す
るための「ファイルID」、データ領域の開始位置を示
す「先頭物理ブロック番号」、データの大きさを表す
「物理ブロック数」、既にデータが書き込まれているブ
ロック数を表す「有効物理ブロック数」、順編成、循環
順編成等の属性を表す「ファイル属性情報」、及び「誤
り検査情報」が格納されるようになっている。
【0005】一方、データ領域は、1つあるいは複数の
物理ブロックによって構成され、各物理ブロックに、利
用者が記録したい任意のデータが格納されるようになっ
ている。データ領域内の少なくとも1つの物理ブロック
は、1つの論理ブロックに対応させることができる。個
々の論理ブロックは、図19に示すように、「論理ブロ
ック番号」、「データ長」、「データ」及び「誤り検査
情報」によって構成される。図19中、「論理ブロック
番号」は、“0”から始まり、順次“1”ずつ増加して
付与される。図20に、6つの物理ブロックからなるデ
ータ領域に3つの論理ブロックが存在する例を示す。
【0006】このようなメモリ構造を持つICカードに
おいて、指定されたファイル内の指定された論理ブロッ
クのデータ更新処理が指示された場合、ICチップ内の
CPUは、図21に示す手順で処理を行う。
【0007】すなわち、外部装置からのコマンドを受信
し(S201)、指定されたファイルIDに一致するフ
ァイルIDを持つディレクトリ領域を検索する(S20
2)。ディレクトリ情報がない場合は(S203:N
o)、外部装置に対してエラーレスポンスを送信して受
信待ち状態に戻る(S204)。ディレクトリ情報を取
得した場合は(S203:Yes)、ディレクトリ情報
内の開始物理ブロック番号から指定されたファイルのデ
ータ領域の開始位置を取得する(S205)。
【0008】さらに、データ領域の開始物理ブロックか
ら、指定された論理ブロックを検索する(S206)。
指定された論理ブロックが存在する場合は(S207:
Yes)、その論理ブロックのデータを更新し(S20
8)、外部装置に対して正常終了のレスポンスを送信し
て受信待ち状態に戻る(S209)。一方、指定された
論理ブロックが存在しない場合は(S207:No)、
外部装置に対してエラーレスポンスを送信し(S21
0)、受信待ち状態に戻る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ICチップ
内の書き換え可能なメモリへのアクセスは、データの読
出処理と更新処理とに大別される。更新処理は、さら
に、更新単位毎に対象領域をクリアにする処理(例え
ば、全て16進データで「FF」、あるいは「00」に
する処理、以下、イレーズ処理と称する)と、実際にデ
ータを書き込む処理(以下、ライト処理と称する)とに
分けられる。この更新処理は、イレーズ処理、ライト処
理の順に実行され、ライト処理まで完了して初めて正常
にデータが書き換えられたことになる。
【0010】従って、ライト処理が完了する前に電力断
等によって処理が中断された場合は、更新実行前のデー
タが破壊されるので、以降の検索処理やリード処理にお
いて、誤り検査で異常となり、論理ブロックが認識され
なくなる。特に、1つのファイル内の複数の論理ブロッ
クに対するデータの更新処理や、複数ファイル内の複数
の論理ブロックに対するデータの更新処理を行う際に、
上記電源断によって、処理が中断されると、ある論理ブ
ロックではデータが正常に書き換えられているが、他の
論理ブロックでは、データが破壊されていたり、あるい
はデータ更新前の状態を維持していたりする。
【0011】例えば、1つのコマンドによって、Aファ
イル内の2個の論理ブロックとBファイル内の1個の論
理ブロックに対する更新処理が要求されたとする。この
とき、Aファイルの2個目の論理ブロックの更新途中
に、電力断などによりIC機能が停止した場合、Aファ
イルの1個目の論理ブロックは、最新データに更新され
た状態であり、2個目の論理ブロックは、データ更新処
理中にIC機能が停止したためデータが破壊された状態
であり、Bファイルの論理ブロックは、更新前の状態の
ままである。
【0012】また、コマンドを送信した外部装置側で
は、ICカードからのレスポンスが返ってこないことか
ら、何らかの異常が発生したと判断することはできる
が、どの論理ブロックまで正常に更新処理が完了したの
か、あるいはICカードのメモリ状態がどのようになっ
ているかについては判断できない。このように、論理ア
ドレス方式は電力供給変動に弱いので、従来は、この論
理アドレス方式を非接触型ICカードに採用することが
できなかった。
【0013】そこで本発明の課題は、1つのファイル内
の複数の情報の更新処理や、複数ファイル内の複数の情
報に対する更新を可能にするコマンドの実行時に、電力
供給断などの要因により、指定された情報の破壊が生じ
たり、指定された情報の一部の更新成功後にIC機能が
停止したために残りの情報が更新前の状態である場合で
あっても、コマンド実行前のメモリ部の状態を参照する
ことができるICカードを提供することにある。本発明
の他の課題は、上記ICカードによる改良されたメモリ
管理方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明のICカードは、カード媒体に埋め込まれたICチッ
プ内に、不揮発性メモリと、この不揮発性メモリの更新
処理を行うメモリ制御手段とを備えて成る。前記不揮発
性メモリには、対象情報を保存するための情報領域と、
ワーク領域とが形成されており、前記メモリ制御手段
は、前記情報領域の更新処理の際に、更新前の情報領域
の内容を前記ワーク領域に退避した後に当該情報領域を
更新し、該更新が正常終了したときに前記ワーク領域内
の退避情報を前記情報領域の更新を反映した内容に更新
し、正常に更新された退避情報を前記情報領域に復帰さ
せるように構成されている。
【0015】前記メモリ制御手段は、好ましくは、前記
ワーク領域内で正常に更新された退避情報を更新前の情
報領域以外の領域に復帰させ、更新前後の情報領域の内
容を併存させるように構成する。また、更新が正常終了
しなかったときに更新前の情報領域の内容を読み出すよ
うに構成する。
【0016】本発明の他のICカードは、前記情報領域
が、対象情報を保存するための第1情報領域と、少なく
とも前記第1情報領域の管理情報を保存するための第2
情報領域であり、前記メモリ制御手段は、前記第1情報
領域についての更新処理に先立って更新前の第2情報領
域の内容を前記ワーク領域に退避させ、該退避が正常終
了したときに前記第1情報領域の空き領域に対象情報を
保存し、該保存が正常終了したときに前記ワーク領域内
の退避情報を前記対象情報の保存を反映した内容に更新
し、正常に更新された退避情報を更新前の第2情報領域
と異なる領域に保存するように構成されていることを特
徴とする。
【0017】なお、前記第1及び第2情報領域は、それ
ぞれ同一論理ブロックに対応可能な複数の物理ブロック
から成り、少なくとも前記第2情報領域における各物理
ブロックの更新の前後が、更新の度に変更される所定の
識別情報、例えばn個(nは2以上の自然数)の物理ブ
ロックに対してn+1個以上存在し、それぞれ当該物理
ブロックの更新の度に変更される順序性をもつ情報によ
って識別できるようになっている。
【0018】本発明の他のICカードは、前記不揮発性
メモリに、データ保存用の複数のデータ領域、各データ
領域の管理情報を保存するための複数のディレクトリ領
域、各ディレクトリ領域の管理情報を保存するための複
数のディレクトリ管理領域、及びワーク領域が形成され
ており、前記メモリ制御手段が、特定のデータ領域の更
新処理の際に、当該データ領域に関して既に管理情報が
保存されているディレクトリ領域及びディレクトリ管理
情報の内容を前記ワーク領域に退避させ、前記データ領
域以外の該当領域に保存対象となるデータを保存すると
ともに、正常に保存された前記該当領域についての前記
ワーク領域内のディレクトリ領域の内容を更新する第1
の更新制御手段と、正常に更新されたワーク領域内のデ
ィレクトリ領域の内容を更新前のディレクトリ領域以外
のディレクトリ領域に保存するとともに、正常に保存さ
れた当該ディレクトリ領域についての前記ワーク領域内
のディレクトリ管理領域の内容を更新する第2の更新制
御手段と、正常に更新された前記ワーク領域内のディレ
クトリ管理領域の内容を更新前のディレクトリ管理領域
以外のディレクトリ管理領域に記録する第3の更新制御
手段と、を有することを特徴とする。
【0019】上記他の課題を解決する本発明のICカー
ドのメモリ管理方法は、カード媒体に埋め込まれたIC
チップ内の不揮発性メモリに、対象情報を保存するため
の情報領域と、ワーク領域とを形成しておき、前記情報
領域の更新処理の際に、更新前の情報領域の内容を前記
ワーク領域に退避した後に前記情報領域を更新する第1
ステップと、該更新が正常終了したときに前記ワーク領
域内の退避情報を前記対象情報の保存を反映した内容に
更新する第2ステップと、正常に更新された退避情報を
更新前の情報領域以外の情報領域に復帰させる第3ステ
ップとをこの順に実行し、少なくとも第3ステップの実
行が正常終了するまで前記不揮発性メモリ内に更新前の
情報領域の内容を保持させることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を非接触型ICカー
ドに適用した場合の実施の形態を図面を参照して詳細に
説明する。本実施形態のICカードは、図1に示すよう
に、ICチップ10と高周波回路20とをカード媒体に
埋め込んだものである。ICチップ10は、CPU(マ
イクロプロセッサ)11とメモリ部12とを含み、高周
波回路20は、高周波コイル21、検波整流回路22、
電源回路23、受信回路24、及び送信回路25を含ん
で構成される。
【0021】メモリ部12は不揮発性の複数のメモリ領
域からなる。すなわち、CPU11に読みとられるプロ
グラム等を格納したROM121、主としてCPU11
のワーク領域として使用されるRAM122、CPU1
1の処理結果データ等を更新自在に記録するEEPRO
M(electrically erasable programmable read-onlymem
ory)123を含んで構成される。
【0022】高周波回路20は、外部装置から非接触式
でICチップ10の電力の供給を受けたり、外部装置と
の間で非接触式でデータ通信、すなわちコマンドの受信
とレスポンスの送信を行ったりするものである。すなわ
ち、外部装置が放射した高周波信号を高周波コイル21
で誘導起電力に変換し、この誘導起電力を検波整流回路
22で整流する。整流電力は、電源回路23で所定の電
圧値に調整され、ICチップ10に供給される。
【0023】外部装置からICカードへのコマンドの送
信は、上記高周波信号に重畳された変調成分を受信回路
24で復調してCPU11に伝えることによって行われ
る。一方、ICカードから外部装置へのレスポンスの送
信は、CPU11からの信号を送信回路25で高周波信
号に変換し、これを受信した外部装置が変調成分を復調
することによって行われる。この場合の変調形態は、振
幅変調、周波数変調、位相変調等のいずれであってもよ
い。
【0024】外部装置から送信されたコマンドの受信及
びそのレスポンスの送信等のデータ通信処理や、不揮発
性メモリ内のメモリ制御は、CPU11がROM12内
のプログラムを読み込んで実行することにより行われ
る。
【0025】図2は、EEPROM123のメモリ構造
の一例を示している。本例では、便宜上、従来のメモリ
管理方式と同様、AファイルとBファイルとを対象と
し、各ファイルは、データ領域及びディレクトリ領域か
ら構成されるものとし、それぞれ階層構造を持たないも
のとする。各ファイルの物理ブロックは、例えば16バ
イト長、あるいは32バイト長の固定長である。また、
ディレクトリ領域が存在する物理ブロックの位置や当該
物理ブロックの更新の相対時期を管理する領域をディレ
クトリ管理領域とする。このディレクトリ管理領域は、
2つの物理ブロックで構成され、メモリ部全体がN個の
物理ブロックからなるとき、物理ブロック番号#Nの物
理ブロックを第1ディレクトリ管理領域、物理ブロック
番号#N−1の物理ブロックを第2ディレクトリ管理領
域とする。各ファイルのデータ領域は、物理ブロック番
号の小さい方から大きい方に向けて順次配置され、ディ
レクトリ領域は、物理ブロック番号の大きい方から小さ
い方へ向けて順次配置されるようになっている。
【0026】図2において、Aファイルは、物理ブロッ
ク番号#1から#4までのデータ領域と物理ブロック番
号#N−2のディレクトリ領域からなり、Bファイル
は、物理ブロック番号#5から#9までのデータ領域と
物理ブロック番号#N−3のディレクトリ領域からな
る。物理ブロック番号#N−4、#N−5の物理ブロッ
クは、ディレクトリ領域用の空きブロックとなってい
る。また、物理ブロック番号#10から#N−6までの
ブロックについては、未使用となっている。
【0027】A,Bファイルのデータ領域は、それぞれ
1つあるいは複数の物理ブロックで構成され、利用者が
記録する任意のデータが格納されるようになっている。
データ領域の物理ブロックは、少なくとも1つが1つの
論理ブロックに対応する。
【0028】図3は、データ領域の論理ブロックの説明
図である。この論理ブロックは、図示のとおり、「論理
ブロック番号」、「データ長」、「データ」及び「誤り
検査情報」を含んでいる。「論理ブロック番号」は、
“0”から始まり、昇順に付与されるものである。
【0029】各ファイルのディレクトリ領域は、それぞ
れ1つの物理ブロックから成り、1または複数のデータ
領域の管理情報が記録されるようになっている。各ディ
レクトリ領域は、図4に示すように、「ファイルI
D」、「先頭物理ブロック番号」、「物理ブロック
数」、「ファイル属性情報」、「次論理ブロック番
号」、「空きブロックリスト」及び「誤り検査情報」を
含んでいる。図4中、「ファイルID」は、A,Bファ
イルを一意に識別するための情報であり、「先頭物理ブ
ロック番号」は、当該ファイルのデータ領域の先頭位置
の情報である。「物理ブロック数」は、当該ファイルの
データ領域のサイズを表す。「ファイル属性情報」は、
順編成、循環順編成等、当該ファイルの属性を表す。
「次論理ブロック番号」は、当該ファイルに存在しない
新たな論理ブロックを書き加えるときに付与される番号
であり、“0”から(次論理ブロック番号−1)までが
当該ファイルに既に存在している論理ブロックとなる。
「空きブロックリスト」は、「空きブロック数」と1つ
または複数の「空き物理ブロック番号」で構成され、
「空きブロック数」は、1度のコマンドでデータ更新処
理が可能な当該ファイル内のブロックの最大数を表して
いる。
【0030】各ファイルの具体的な構成例を図5
(a),(b)に示す。図5(a)は6つの物理ブロッ
クからなるデータ領域の説明図、図5(b)は1つの物
理ブロックからなるディレクトリ領域の説明図である。
この例の場合、ファイルにおける「先頭物理ブロック番
号」は物理ブロック番号#Mであり、「物理ブロック
数」は物理ブロック番号#Mから#M+5までなので
“6”である。「次論理ブロック番号」は、#0から#
2までの3つの論理ブロックが既に存在しているので、
“#3”である。「空きブロック数」は“2”なので、
このファイルは、1回のコマンドにおいて最大2つのブ
ロックの更新処理を可能にする構造を持つ。この場合の
第1、第2の「空き物理ブロック番号」は、#M+3、
#M+4となる。
【0031】図6は、各ディレクトリ管理領域の構成例
を示す図である。ディレクトリ管理領域は1つの物理ブ
ロックからなり、それぞれ、「参照指示カウント値」、
「物理ブロック数」、「空きブロックリスト」、「誤り
検査情報」を含んでいる。図6中、「参照指示カウント
値」は当該ファイルの相対的な更新時期を表す識別情報
である。この識別情報は、n個(nは2以上の自然数)
の物理ブロックに対してn+1個以上存在し、各識別情
報が当該ディレクトリ管理領域の更新の度に変更される
順序性をもつ情報である。本例の場合、ディレクトリ管
理領域が二つ(n=2)なので、“0”、“1”、
“2”のいずれかの値をとり、“1”は“0”より新し
く、“2”は“1”より新しく、“0”は“2”より新
しいものとする。参照指示カウント値が新しい方のディ
レクトリ管理領域が、各処理を行う場合にそのディレク
トリ管理領域の情報が後述の有効情報として参照される
ようになっている。また、後述する更新処理の結果は、
参照指示カウント値が古い方のディレクトリ管理領域に
格納され、このとき、参照指示カウント値が更新される
ようになっている。
【0032】例えば、第1ディレクトリ管理領域、第2
ディレクトリ管理領域の参照指示カウント値が、それぞ
れ“0”、“2”のとき、第1ディレクトリ管理領域の
情報が参照され、更新処理の終了後は、第2ディレクト
リ管理領域の参照指示カウント値が“1”となる。
【0033】また、図6中、「物理ブロック数」は、各
ファイルのディレクトリ領域、ディレクトリ領域のため
の空き物理ブロック、及びディレクトリ管理領域がそれ
ぞれ占有する物理ブロック数を合計した数である。「空
きブロックリスト」は、ディレクトリ領域のための空き
物理ブロック数を示す「空きブロック数」と、空き物理
ブロックの位置を示す「空き物理ブロック番号」からな
り、「空きブロック数」は、1回のコマンドで書き換え
可能なファイルの最大数である。
【0034】図7に示される例では、EEPROM12
3内に、AファイルとBファイルの2つが存在し、1回
のコマンドによって、最大2つのファイルに属するいく
つかの論理ブロックの更新を可能にするメモリ構造とな
っている。この場合の第1、第2ディレクトリ管理領域
の参照指示カウント値は、それぞれ、“0”、“1”な
ので、第2ディレクトリ管理領域の内容が参照されるよ
うになる。第2ディレクトリ管理領域の空きブロックリ
ストには、空き物理ブロック番号として、物理ブロック
番号#N−4と#N−5が登録されている。これは、A
ファイルとBファイルについての更新処理後のディレク
トリ領域の情報の格納先として、物理ブロック番号#N
−4と#N−5を指定できることを意味する。なお、図
7では、第1ディレクトリ管理領域の空きブロックリス
トには物理ブロック番号#N−2,#N−3が登録され
ているが、これは、当該第1ディレクトリ管理領域が有
効の場合には、物理ブロック番号#N−2,#N−3が
空き物理ブロックであったことを意味している。
【0035】各ファイルのデータ領域内の同時に書き換
え保証可能な論理ブロック数は、当該ファイルのディレ
クトリ領域内の空きブロック数によって決定される。こ
の空きブロック数は、当該ファイルのEEPROM12
3への登録時に記録される。また、書き換え保証可能な
ファイル数は、各ファイルのディレクトリ管理領域内の
空きブロック数によって決定される。この空きブロック
数は、ディレクトリ管理領域のEEPROM123への
登録時に記録される。
【0036】次に、上記のように構成される本実施形態
のICカードにおいて、実際にデータの更新処理を行う
場合の動作例を説明する。なお、以下の説明では、EE
PROM123内の1つのファイルに対して複数ブロッ
クの更新処理を要求するコマンド、あるいは、Aファイ
ル及びBファイルに対してそれぞれ複数ブロックの更新
処理を要求するコマンドがICカードに入力された場合
を想定する。この場合,カード内部の処理は、外部装置
からコマンドを受信した後、メモリ部12内の書き換え
を複数回実行し、その処理結果を外部装置に送信するこ
とになる。外部装置からの更新処理は、論理ブロックに
よって指定されるものとする。この指定される論理ブロ
ックは、ファイルIDと論理ブロック番号のペアからな
る。従って、複数の論理ブロックを指定する場合は、フ
ァイルIDと論理ブロック番号のペアが複数指定される
ことになる。
【0037】本実施形態における更新処理は、CPU1
1が下記の3つのステップを実行することによって実現
される。第1ステップはデータ領域の更新処理であり、
第2ステップはディレクトリ領域の更新処理であり、第
3ステップはディレクトリ管理領域の更新処理である。
図8〜図10は、CPU11が実行する上記ステップの
手順説明図である。なお、以下の説明では、既に存在す
る論理ブロック番号で識別される領域の更新処理をデー
タ更新処理といい、論理ブロック番号が存在しない新た
なデータを書き加える処理をデータ新規書き込み処理と
いうことにする。
【0038】図8を参照し、第1ステップでは、外部装
置からの上記コマンドをカード内に受信し(S10
1)、CPU11が第1、第2ディレクトリ管理領域を
読み出す(S102)。第1あるいは第2ディレクトリ
管理領域にエラーがある場合は(S103:Yes)、
エラーのない方を有効なディレクトリ管理領域として選
択する(S105)。どちらにもエラーがない場合は
(S103:No)、参照指示カウント値を比較し、新
しい方を有効なディレクトリ管理領域として選択し(S
104)、RAM122に、選択された有効なディレク
トリ管理領域の情報を退避させる(S106)。
【0039】その後、CPU11は、コマンドで指定さ
れた論理ブロックについて、指定された順に、その存在
を確認し(S107)、RAM122上の有効なディレ
クトリ管理領域の空きブロックリストに示される空き物
理ブロック番号を除いたディレクトリ領域から、コマン
ドで指定されたファイルIDを検索する(S108)。
【0040】図9に移り、指定されたファイルIDが存
在しない場合は(S109:No)、外部装置にエラー
レスポンスを送信し(S112)、待機状態に戻る。一
方、指定されたファイルIDが存在する場合は(S10
9:Yes)、指定された論理ブロックが属するファイ
ルのディレクトリ領域を読み出し、RAM122に退避
させる(S110)。そして、指定されたファイルのデ
ータ領域内の空きブロックリストに示される空き物理ブ
ロック番号を除いた領域から、指定された論理ブロック
番号を検索する(S111)。
【0041】指定された論理ブロック番号が存在する場
合は(S113:Yes)、データ更新処理であること
を意味するので、論理ブロック番号が位置する物理ブロ
ック番号をチェックし、ディレクトリ領域内の空きブロ
ックリストに示される空き物理ブロック番号で特定され
る物理ブロックに、コマンドで指定された論理ブロック
番号とデータを書き込む(S114)。従って、この段
階では、同一論理ブロック番号に対して二つの物理ブロ
ックが存在することになる。その後、RAM122上に
保持しているディレクトリ領域の空きブロックリスト内
の空き物理ブロック番号を、更新対象となった論理ブロ
ックの物理ブロック番号に更新する(S115)。
【0042】一方、S113において、指定された論理
ブロック番号が存在しなかった場合(S113:N
o)、つまりデータ新規書き込み処理であった場合は、
論理ブロック番号が次論理ブロック番号と一致するかど
うかを判定する(S116)。一致した場合は(S11
6:Yes)、新規書き込み、すなわち空きブロックリ
ストに示される空き物理ブロック番号の物理ブロック
に、コマンドで指定された論理ブロック番号のデータを
書き込む(S117)。そして、RAM122上に退避
されているディレクトリ領域の空きブロックリスト内の
空き物理ブロック番号を、「先頭物理ブロック番号+空
きブロック数+次論理ブロック番号」に更新すると共
に、次論理ブロック番号をインクリメントする(S11
8)。
【0043】S116において、指定された論理ブロッ
ク番号とディレクトリ領域内の次論理ブロック番号とが
一致しない場合は(S116:No)、エラーレスポン
スを送信し(S119)、待機状態に戻る。上記S10
7〜S119の処理を、コマンドで指定された論理ブロ
ックの数だけ繰り返す(S120)。
【0044】第1ステップの処理が正常に終了したとき
は、EEPROM123内の各ファイルのデータ領域が
コマンドで指定されたすべての論理ブロックのデータに
書き換えられ、RAM122上の各ファイルのディレク
トリ領域の情報が最新の状態に更新されている。この場
合のEEPROM123には、データ更新処理では、デ
ータ領域内に同一の論理ブロック番号をもつ2つの物理
ブロックが存在し、データ新規書き込み処理では、コマ
ンド受信前には存在しなかった新たな論理ブロック番号
をもつ物理ブロックが存在するようになる。
【0045】ここで、第1ステップの処理中に、電力供
給断が発生した場合を考える。このとき、書き換え中で
あった物理ブロックにはデータ破壊の事象が発生してい
る。さらに、ある物理ブロックでは、既に最新データに
書き換えられており、また、ある物理ブロックでは、未
だ書き換え前の状態となっている。しかし、EEPRO
M123の論理ブロックの書き換えは、更新対象の論理
ブロックには影響を与えない空き物理ブロックに対して
行われること、さらには、EEPROM123内のディ
レクトリ管理領域及び各ファイルのディレクトリ領域の
情報は、この時点では、更新されていないことから、E
EPROM123内の状態は、見かけ上、コマンド受信
前の状態のまま参照可能である。以上により、第1ステ
ップの処理中に、電力供給断が生じても、何ら問題はな
い。
【0046】図10は、第2ステップ及び第3ステップ
の処理手順を示している。第2ステップでは、CPU1
1が、RAM122上で更新された各ファイルのディレ
クトリ領域の情報をEEPROM123に書き込む処理
を実行する。すなわち、ディレクトリ管理領域の空きブ
ロックリストで示されるEEPROM123の空き物理
ブロック番号で特定される物理ブロックを、RAM12
2上のディレクトリ領域の情報に書き換える(S12
1)。その後、RAM122上のディレクトリ管理領域
の空きブロックリスト内の空き物理ブロック番号を、更
新対象ファイルのディレクトリ領域が格納されている物
理ブロック番号に更新する(S122)。以上の処理
を、コマンドに指定された全てのファイルについて実行
する(S123)。
【0047】この第2ステップの処理が正常に終了した
ときは、EEPROM123内の各ファイルのデータ領
域がコマンドで指定されたすべての論理ブロックのデー
タに書き換えられ、各ファイルのディレクトリ領域が最
新情報に書き換えられている。さらには、RAM122
上のディレクトリ管理領域の空きブロックリストが最新
の状態に更新されている。この場合のEEPROM12
3には、コマンドで指定された各ファイルのディレクト
リ領域が2つ存在することになる。
【0048】ここで、第2ステップの処理中に、電力供
給断が発生した場合を考える。このとき、書き換え中で
あった物理ブロックには、データ破壊の事象が発生して
いる。さらに、あるディレクトリ領域では、最新情報に
書き換えられ、また、あるディレクトリ領域は、書き換
え前の状態である。しかし、EEPROM123のディ
レクトリ領域の書き換えは、更新対象のディレクトリ領
域には影響を与えない空き物理ブロックに対して行われ
ること、さらには、EEPROM123内のディレクト
リ管理領域の情報は、この時点では更新されていないこ
とから、EEPROM123内の状態は、見かけ上、コ
マンド受信前のメモリ状態のまま参照可能である。以上
により、第2ステップの処理中に、電力供給断が生じて
も、何ら問題はない。
【0049】第3ステップでは、CPU11が、RAM
122上で更新されたディレクトリ管理領域の情報をE
EPROM123に書き込む処理を実行する。すなわ
ち、図10に示すように、まず、RAM122上のディ
レクトリ管理領域内の参照指示カウント値をインクリメ
ントする(参照指示カウント値が“2”の場合は、
“0”にする)(S124)。その後、EEPROM1
23にディレクトリ管理領域の情報を書き込む。このと
き、RAM122に退避されている情報が第1ディレク
トリ管理領域の情報である場合は(S125:Ye
s)、EEPROM123の第2ディレクトリ管理領域
(物理ブロック番号#N−1)を書き換えて受信待ち状
態に戻る(S126)。一方、RAM122に退避され
ている情報が第2ディレクトリ管理領域の情報である場
合は(S125:No)、EEPROM123の第1デ
ィレクトリ管理領域(物理ブロック番号#N)を書き換
えて(S127)、正常レスポンスを送信する(S12
7)。その後、受信待ち状態に戻る。
【0050】ここで、第3ステップの処理中に、電力供
給断が発生した場合を考える。この場合は、EEPRO
M123の第1ディレクトリ管理領域(物理ブロック番
号N)あるいは第2ディレクトリ管理領域(物理ブロッ
ク番号N−1)のいずれかがRAM122上のディレク
トリ管理領域の更新情報に書き換えられているので、書
き換えの対象とならないディレクトリ管理領域は完全な
状態のまま残っていることになる。従って、電力供給断
の異常が発生したとしても、EEPROM123内の状
態は、見かけ上、コマンド受信前のメモリ状態のまま参
照可能である。
【0051】
【実施例】次に、本実施形態のICカードによる実施例
を具体的に説明する。ここでは、EEPROM123内
のAファイル内の2つの論理ブロックと、Bファイル内
の1つの論理ブロックを同時に更新させるコマンドを外
部装置から受信して実行する場合の例を示す。
【0052】図11(a)は更新前のAファイルのデー
タ領域、図11(b)はディレクトリ領域の説明図であ
る。これらの図から明らかなように、Aファイルのデー
タ領域は、物理ブロック番号Mを先頭とする6つの物理
ブロックで構成され、1回のコマンドで2つの論理ブロ
ックの書き換えが可能な構造を有している。また、Aフ
ァイルには、論理ブロック番号#0、#1、#2の3つ
の論理ブロックが既に存在している。
【0053】図13(a)は更新前のBファイルのデー
タ領域、図13(b)はディレクトリ領域の説明図であ
る。これらの図から明らかなように、Bファイルのデー
タ領域は、物理ブロック番号Lを先頭とする4つの物理
ブロックで構成され、1回のコマンドで1つの論理ブロ
ックの書き換えが可能な構造を有している。また、Bフ
ァイルには、論理ブロック番号#0、#1の2つの論理
ブロックが既に存在している。
【0054】図15は、更新前のディレクトリ管理領域
の説明図である。本例の場合、参照指示カウント値は、
第1ディレクトリ管理領域が“0”で、第2ディレクト
リ管理領域が“1”なので、第2ディレクトリ管理領域
が有効になる(エラーはないものとする)。また、この
ディレクトリ管理領域の設定では、1回のコマンドで最
大2つのファイルを更新できるようになっている。
【0055】ここで、Aファイル内の論理ブロック番号
#0、#2の2つの論理ブロックと、Bファイル内の論
理ブロック番号#1の論理ブロックを同時に更新するコ
マンドを外部装置から受信したとする。CPU11は、
第2ディレクトリ管理領域の情報をRAM122に退避
させ、空き物理ブロック番号(#N−4,#N−5)を
除いて、コマンドに指定されたファイルIDを検索し、
指定されたファイルのディレクトリ領域、すなわち物理
ブロック番号#N−2,#N−3のAファイル,Bファ
イル用のディレクトリ領域を確認する。そして、各ディ
レクトリ領域の情報をRAM122に退避させる。
【0056】Aファイルのディレクトリ領域を参照する
と、空き物理ブロック番号は、#M+3、#M+4であ
る。ここで、コマンドで指定された論理ブロック番号
が、#0、#2であるから、EEPROM123の物理
ブロック番号#M+3、#M+4のそれぞれのブロック
を論理ブロック番号#0、#2のデータに書き換える。
そして、物理ブロック番号#M、#M+2を空き物理ブ
ロック番号として、RAM122のディレクトリ領域を
更新する。一方、Bファイルのディレクトリ領域を参照
すると、空き物理ブロック番号は、#L+2である。コ
マンドに指定された論理ブロック番号が#1であるか
ら、EEPROM123の物理ブロック番号#L+2の
ブロックを論理ブロック番号#1のデータに書き換え、
物理ブロック番号#L+1を空き物理ブロック番号とし
て、RAM122のディレクトリ領域を更新することに
なる。
【0057】更新されたRAM122のA、Bファイル
のディレクトリ領域のデータは、それぞれEEPROM
123の物理ブロック番号#N−4,#N−5に書き込
まれる。更新後のディレクトリ管理領域の様子を示した
のが図16である。図16を参照すると、RAM122
の参照指示カウント値が“2”に更新され、さらに、空
き物理ブロック番号が#N−2、#N−3に書き換えら
れ、EEPROM123の物理ブロック番号#Nには第
1ディレクトリ管理領域のデータが書き込まれている。
【0058】更新後のAファイルのデータ領域を図12
(a)、ディレクトリ領域を図12(b)に示す。ま
た、更新後のBファイルのデータ領域を図14(a)、
ディレクトリ領域を図14(b)に示す。
【0059】このように、本発明のICカードでは、一
つのファイル内の複数ブロックに対する更新や、複数フ
ァイル内の複数ブロックに対する更新を要求するコマン
ドを受信した場合において、更新処理の途中で電力供給
断等が生じて論理ブロックの一部にデータ破壊が生じた
り、論理ブロックが矛盾したりした場合であっても、コ
マンド実行前のメモリ部12の状態を完全な状態で参照
することができる。従って、非接触型ICカードのよう
に、電力供給の変動が生じやすいICカードで場合であ
っても前述の論理アドレス方式を採用できるようにな
る。また、従来のICカードでは必須であった、コマン
ド実行エラーを検出した際の外部装置側での複雑なデー
タリカバリの処理が不要となる。
【0060】なお、以上の説明は、本発明を非接触型I
Cカードに適用した場合の例であるが、本発明は接触型
ICカードにも同様に適用することが可能である。ま
た、本実施形態では、不揮発性メモリ内の対象情報とし
て、EEPROM123内のデータ領域、ディレクトリ
領域、ディレクトリ管理領域の内容を例に挙げて説明し
たが、本発明は、不揮発性のメモリ部12に対象情報を
保存するための情報領域と、ワーク領域(RAM12
2)とを形成しておき、情報領域の更新処理の際に、更
新前の情報領域の内容をRAM122に退避した後に当
該情報領域を更新し、該更新が正常終了したときにRA
M122内の退避情報を情報領域の更新を反映した内容
に更新し、正常に更新された退避情報を情報領域に復帰
させる点に主眼があるので、必ずしも上記実施形態に限
定されるものではない。
【0061】例えば、情報領域を、第1情報領域と、少
なくとも第1情報領域の管理情報を保存するための第2
情報領域とし、第1情報領域についての更新処理に先立
って更新前の第2情報領域の内容をRAM122に退避
させ、該退避が正常終了したときに第1情報領域の空き
領域に対象情報(書込対象となるデータ)を保存し、該
保存が正常終了したときにRAM122内の退避情報を
第1情報領域の保存を反映した内容に更新し、正常に更
新された退避情報を更新前の第2情報領域と異なる領域
に保存するようにすることができる。
【0062】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、電源変動に頑健なメモリ制御方式を実現でき
るという、特有の効果がある。これにより、更新時のI
Cカード内の記録データが確実に保障されるようにな
る。また、非接触型ICカードであっても、保存されて
いる情報の安全性が確保されるので、情報の信頼性が強
く要求される用途、例えばプリペイドカードや銀行カー
ドのように、金銭情報を扱う用途へのICカードの応用
も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態によるICカードの機能
構成図。
【図2】 本実施形態によるメモリ部の構造説明図。
【図3】 個々のデータ領域に対応する論理ブロックの
説明図。
【図4】 本実施形態によるディレクトリ領域の構成説
明図。
【図5】 (a)はデータ領域、(b)はディレクトリ
領域の説明図。
【図6】 ディレクトリ管理領域の説明図。
【図7】 ディレクトリ管理領域と他のディレクトリ管
理領域等との関係を示す説明図。
【図8】 本実施形態によるデータ更新処理の手順説明
図(第1ステップ)。
【図9】 本実施形態によるデータ更新処理の手順説明
図(第1ステップ)。
【図10】 本実施形態によるデータ更新処理の手順説
明図(第2及び第3ステップ)。
【図11】(a)は、Aファイルのデータ更新処理の実
施前のデータ領域、(b)はディレクトリ領域の説明
図。
【図12】(a)は、Aファイルのデータ更新処理の実
施後のデータ領域、(b)はディレクトリ領域の説明
図。
【図13】(a)は、Bファイルのデータ更新処理の実
施前のデータ領域、(b)はディレクトリ領域の説明
図。
【図14】(a)は、Bファイルのデータ更新処理の実
施後のデータ領域、(b)はディレクトリ領域の説明
図。
【図15】 データ更新処理の実施前のディレクトリ領
域とディレクトリ管理領域の例を示す説明図。
【図16】 データ更新処理の実施後のディレクトリ領
域とディレクトリ管理領域の例を示す説明図。
【図17】 従来のICカードによるメモリ部の構造説
明図。
【図18】 従来のICカードによるディレクトリ領域
の説明図。
【図19】 一般的な論理ブロックの説明図。
【図20】 従来のICカードによるデータ領域の説明
図。
【図21】 従来のICカードによるデータ更新処理の
手順説明図。
【符号の説明】
10 ICチップ 11 CPU 12 メモリ部 121 ROM 122 RAM 123 EEPROM 20 高周波回路 21 高周波コイル 22 検波整流回路 23 電源回路 24 受信回路 25 送信回路

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カード媒体に埋め込まれたICチップ内
    に、不揮発性メモリと、この不揮発性メモリの更新処理
    を行うメモリ制御手段とを備えて成り、 前記不揮発性メモリには、対象情報を保存するための情
    報領域と、ワーク領域とが形成されており、 前記メモリ制御手段は、 前記情報領域の更新処理の際に、更新前の情報領域の内
    容を前記ワーク領域に退避した後に当該情報領域を更新
    し、該更新が正常終了したときに前記ワーク領域内の退
    避情報を前記情報領域の更新を反映した内容に更新し、
    正常に更新された退避情報を前記情報領域に復帰させる
    ように構成されていることを特徴とするICカード。
  2. 【請求項2】 前記メモリ制御手段は、前記ワーク領域
    内で正常に更新された退避情報を更新前の情報領域以外
    の領域に復帰させ、更新前後の情報領域の内容を併存さ
    せるように構成されていることを特徴とする請求項1記
    載のICカード。
  3. 【請求項3】 前記メモリ制御手段は、更新が正常終了
    しなかったときに更新前の情報領域の内容を読み出すよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項1または2
    記載のICカード。
  4. 【請求項4】 前記情報領域が、対象情報を保存するた
    めの第1情報領域と、少なくとも前記第1情報領域の管
    理情報を保存するための第2情報領域であり、 前記メモリ制御手段は、 前記第1情報領域についての更新処理に先立って更新前
    の第2情報領域の内容を前記ワーク領域に退避させ、該
    退避が正常終了したときに前記第1情報領域の空き領域
    に対象情報を保存し、該保存が正常終了したときに前記
    ワーク領域内の退避情報を前記対象情報の保存を反映し
    た内容に更新し、正常に更新された退避情報を更新前の
    第2情報領域と異なる領域に保存するように構成されて
    いることを特徴とする請求項1記載のICカード。
  5. 【請求項5】 前記第1及び第2情報領域が、それぞれ
    同一論理ブロックに対応可能な複数の物理ブロックから
    成ることを特徴とする請求項4記載のICカード。
  6. 【請求項6】 少なくとも前記第2情報領域における各
    物理ブロックの更新の前後が、更新の度に変更される所
    定の識別情報によって識別できることを特徴とする請求
    項5記載のICカード。
  7. 【請求項7】 前記識別情報がn個(nは2以上の自然
    数)の物理ブロックに対してn+1個以上存在し、各識
    別情報が当該物理ブロックの更新の度に変更される順序
    性をもつ情報であることを特徴とする請求項6記載のI
    Cカード。
  8. 【請求項8】 カード媒体に埋め込まれたICチップ内
    に、不揮発性メモリと、この不揮発性メモリの更新処理
    を行うメモリ制御手段とを備えて成り、 前記不揮発性メモリには、データ保存用の複数のデータ
    領域、各データ領域の管理情報を保存するための複数の
    ディレクトリ領域、各ディレクトリ領域の管理情報を保
    存するための複数のディレクトリ管理領域、及びワーク
    領域が形成されており、 前記メモリ制御手段は、 特定のデータ領域の更新処理の際に、当該データ領域に
    関して既に管理情報が保存されているディレクトリ領域
    及びディレクトリ管理情報の内容を前記ワーク領域に退
    避させ、前記データ領域以外の該当領域に保存対象とな
    るデータを保存するとともに、正常に保存された前記該
    当領域についての前記ワーク領域内のディレクトリ領域
    の内容を更新する第1の更新制御手段と、 正常に更新されたワーク領域内のディレクトリ領域の内
    容を更新前のディレクトリ領域以外のディレクトリ領域
    に保存するとともに、正常に保存された当該ディレクト
    リ領域についての前記ワーク領域内のディレクトリ管理
    領域の内容を更新する第2の更新制御手段と、 正常に更新された前記ワーク領域内のディレクトリ管理
    領域の内容を更新前のディレクトリ管理領域以外のディ
    レクトリ管理領域に記録する第3の更新制御手段と、 を有することを特徴とするICカード。
  9. 【請求項9】 前記ICチップの電力をカード外部から
    非接触式に受電するための受電回路を備えてなる請求項
    1ないし8のいずれかの項記載のICカード。
  10. 【請求項10】 カード媒体に埋め込まれたICチップ
    内の不揮発性メモリに、対象情報を保存するための情報
    領域と、ワーク領域とを形成しておき、 前記情報領域の更新処理の際に、更新前の情報領域の内
    容を前記ワーク領域に退避した後に前記情報領域を更新
    する第1ステップと、 該更新が正常終了したときに前記ワーク領域内の退避情
    報を前記対象情報の保存を反映した内容に更新する第2
    ステップと、 正常に更新された退避情報を更新前の情報領域以外の情
    報領域に復帰させる第3ステップとをこの順に実行し、 少なくとも第3ステップの実行が正常終了するまで前記
    不揮発性メモリ内に更新前の情報領域の内容を保持させ
    ることを特徴とするICカードのメモリ管理方法。
JP9330600A 1997-12-01 1997-12-01 Icカード及びicカードのメモリ管理方法 Pending JPH11161562A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9330600A JPH11161562A (ja) 1997-12-01 1997-12-01 Icカード及びicカードのメモリ管理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9330600A JPH11161562A (ja) 1997-12-01 1997-12-01 Icカード及びicカードのメモリ管理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11161562A true JPH11161562A (ja) 1999-06-18

Family

ID=18234477

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9330600A Pending JPH11161562A (ja) 1997-12-01 1997-12-01 Icカード及びicカードのメモリ管理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11161562A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003216902A (ja) * 2002-01-25 2003-07-31 Sony Corp 近接通信システム及び近接通信方法、データ管理装置及びデータ管理方法、記憶媒体、並びにコンピュータ・プログラム
JP2007206959A (ja) * 2006-02-01 2007-08-16 Sony Corp Icカード,情報処理システム,集積回路チップ,およびデータ処理装置
JP2008152453A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Toshiba Corp 携帯可能電子装置、携帯可能電子装置におけるファイルアクセス方法およびicカード

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003216902A (ja) * 2002-01-25 2003-07-31 Sony Corp 近接通信システム及び近接通信方法、データ管理装置及びデータ管理方法、記憶媒体、並びにコンピュータ・プログラム
US7127570B2 (en) 2002-01-25 2006-10-24 Sony Corporation Proximity communication system, proximity communication method, data managing apparatus and data management method, storage medium, and computer program
JP2007206959A (ja) * 2006-02-01 2007-08-16 Sony Corp Icカード,情報処理システム,集積回路チップ,およびデータ処理装置
JP2008152453A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Toshiba Corp 携帯可能電子装置、携帯可能電子装置におけるファイルアクセス方法およびicカード

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2146399C1 (ru) Способ записи данных в энергонезависимое запоминающее устройство, способ использования устройства на интегральных схемах, устройство на интегральных схемах
JP2004295160A (ja) メモリカード
JP2010182270A (ja) 携帯可能電子装置および携帯可能電子装置におけるデータ管理方法
US7017825B2 (en) IC card and data processing method therefor
JPH09506460A (ja) Eepromメモリの安全更新方法
WO2000016199A1 (fr) Procede permettant de realiser une table de gestion de memoire et dispositif de memoire
JP2003216511A (ja) 不揮発性メモリ装置、データ更新方法、データ更新プログラム及びそのプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP4776462B2 (ja) 携帯可能電子装置および携帯可能電子装置の制御方法
US6722572B2 (en) Recording medium control method, data management apparatus, and recording medium
JPH11161562A (ja) Icカード及びicカードのメモリ管理方法
JP5104653B2 (ja) Icカード及びicカードプログラム
US6363456B1 (en) IC card, IC card processing system, and IC card processing method
JP4195822B2 (ja) Icカード及びicカードプログラム
JP4060245B2 (ja) メモリ管理装置およびこれを備えたicカード
JPH1027225A (ja) 非接触icカードのメモリ管理方式
JP6233134B2 (ja) 電子情報記憶媒体、情報処理方法、及び情報処理プログラム
JP4784138B2 (ja) Icカード、および、icカード用プログラム
JP2000357216A (ja) Icカード
JP3863479B2 (ja) Icカード
JP3168572B2 (ja) Cpu暴走検知機能付きicカード
JP5050508B2 (ja) 記憶装置、記憶装置のプログラム及び記憶処理方法
JP2842252B2 (ja) 計算機システムにおけるフラッシュメモリカードへのデータ書き込み方式
JP2022178821A (ja) セキュアエレメント,トランザクション制御方法およびデバイス
JP5092370B2 (ja) 携帯可能情報記録媒体及びそのプログラム
JP2915909B2 (ja) データ通信装置及びそのデータ書込み方法