JPH11161087A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置

Info

Publication number
JPH11161087A
JPH11161087A JP32772297A JP32772297A JPH11161087A JP H11161087 A JPH11161087 A JP H11161087A JP 32772297 A JP32772297 A JP 32772297A JP 32772297 A JP32772297 A JP 32772297A JP H11161087 A JPH11161087 A JP H11161087A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
heating resistor
resistor layer
fixing
region
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32772297A
Other languages
English (en)
Inventor
Naohiko Haniyu
羽生  直彦
Sanji Nemoto
三次 根本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP32772297A priority Critical patent/JPH11161087A/ja
Publication of JPH11161087A publication Critical patent/JPH11161087A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Resistance Heating (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Control Of Resistance Heating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発熱抵抗体層の自己制御を積極的に利用する
ことにより、連続して定着したとして転写材の通過した
位置、通過しなかった位置に生じる温度差を減らし、ひ
いては定着不良が発生しない定着装置、画像形成装置の
実現を課題とする。 【解決手段】 発熱抵抗体層を設けた加熱手段により移
動する転写材のトナー像を定着する定着装置において、
前記発熱抵抗体層は抵抗温度係数が負である第1の領域
と、前記第1の領域とは抵抗温度係数が異なる第2の領
域とを前記加熱手段の長手方向に並べて配置したことを
特徴とする定着装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転写紙に転写した
トナー像を加熱して定着する定着装置、および熱定着す
る定着装置を備える複写機、プリンタ、ファクシミリ装
置などの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲンランプ等の光源が発する輻射熱
で肉厚の金属製のローラ(加熱ローラ)を内側から加熱
し、該加熱ローラの表面の離型層を介してトナーの付着
した転写紙と接触、加熱し、転写紙にトナー像を定着す
る定着装置、この定着装置を搭載した画像形成装置があ
る。これらの装置は空気層を介して輻射熱で加熱するた
め熱効率が悪く、加熱ローラのヒートアップを開始して
から定着が可能な温度に達するまでに時間がかかる。
【0003】そこで、定着可能な状態に到達するまでの
所要時間を短縮する技術として、光源を廃し、芯金を薄
くした加熱ローラに発熱抵抗体層を設けて、該発熱抵抗
体層に通電すると発する熱で離型層を介して加熱し、転
写紙にトナー像を定着する定着装置、この定着装置を搭
載した画像形成装置が提案されている。これらの装置
は、所要時間の短縮に加えて、温度を自己制御するもの
もあることが知られている。
【0004】ここで発熱抵抗体層の自己制御について説
明する。チタン酸バリウム等の発熱温度係数が正の物質
を含む発熱抵抗体層は、温度が上がると電気抵抗値が上
がり、温度が下がると電気抵抗値が下がる特性を有す
る。一般に発熱抵抗体層の全体的な温度の変化に応じた
該発熱抵抗体層の発熱量の変化は、W=E2/R(Wは
消費電力、Eは電圧、Rは抵抗)の式で表される。抵抗
温度係数が正の発熱抵抗体層を定電圧電源(Eは一定)
に接続すれば、発熱抵抗体層の温度が上がると抵抗値
(R)が上がるので、W(消費電力)が下がることがわ
かる。同様に温度が下がればW(消費電力)が上がるこ
とがわかる。
【0005】抵抗温度係数が正である発熱抵抗体層が備
える前述の特性により、これを加熱手段に用いると、定
着可能な状態に到達するまでの所要時間を短縮するう
え、温度の自己制御が可能となるので有用であると考え
られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前式で着目
した電圧は発熱抵抗体層全体(両端)に加える電圧であ
り、局部的に温度が変化した場合には、温度が変化した
位置ごとに抵抗(R)、電圧(E)が変動するから、発
熱抵抗体層の全体で一斉に消費電力(W)が上がり、ま
たは全体で一斉に下がるのではない。
【0007】ここで電流に着目すれば、発熱抵抗体層の
いずれの位置でも電流値(I)は同じなので、発熱抵抗
体層の局部的な温度の変化に応じた発熱量の変化は、W
=R・I2(Iは電流)の式で表される。正の発熱抵抗
体層で局部的に温度が上がった位置は抵抗値(R)が上
がるのであるからW(電力)が上がり、ひいては発熱量
が上がることがわかる。同様に、局部的に温度が下がれ
ばW(電力)と発熱量が下がる。
【0008】一般に、定着装置においては、加熱ローラ
の長手方向に沿って温度を測定すると、転写材が通過す
る位置では熱が奪われて次第に温度が下がるのに対し
て、転写材が通過しない位置では熱が蓄積されて次第に
温度が上がる。
【0009】従って、発熱抵抗体層に設けた加熱ローラ
では、転写紙が通過した位置で温度が下がると、発熱抵
抗体層のその位置での抵抗値が減って発熱量はさらに下
がるし、転写紙が通過しない位置では抵抗が増して発熱
量はさらに下がる。
【0010】これを従来の加熱ローラの長手方向の温度
分布を示す図である図7を用いて説明すると、図7で分
布曲線e1は抵抗温度係数が正の発熱抵抗体層を備えた
加熱ローラに転写紙を連続して通した際の長手方向の温
度分布を示したものである。縦軸には加熱ローラの表面
温度をとった。分布曲線e1で加熱ローラの両端と中央
部mとの温度差に着目すると温度差が大きくなってしま
っている。これは図中矢印f1、f2で示した向きに自
己制御がかかるためである。
【0011】つまり、どのような加熱ローラでも転写紙
の通過する部分は温度が下がり、通過しない部分は温度
が上がる傾向を示すのだが、特に抵抗温度係数が正であ
る発熱抵抗体層を用いると、自己制御が悪い方向に作用
して、この傾向に拍車がかかるものである。
【0012】従って、正の抵抗温度係数の発熱抵抗体層
を用いた加熱ローラで定着を実行した場合、前回までの
定着で転写紙が通過しなかった部分の温度が極端に上が
る一方で、転写紙が通過した部分では温度が極端に下が
り、位置ごとの温度差が一層拡大する。温度差がこのよ
うに拡大した状態で次回の転写を実行し、転写紙が温度
の上がった部分を通過すると、ホットオフセットによる
定着不良が発生するとの問題があった。加えて、次回の
転写で転写紙が温度の下がった部分を通過すると、熱不
足による定着不良が発生するとの問題があった。
【0013】そこで本発明は発熱抵抗体層の自己制御を
積極的に利用することにより、連続して定着したとして
転写材の通過した位置、通過しなかった位置に生じる温
度差を減らし、ひいては定着不良が発生しない定着装
置、画像形成装置の実現を課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の課題は各請求項に
記載の定着装置および画像形成装置により解決できる。
【0015】請求項1に記載の定着装置は、発熱抵抗体
層を設けた加熱手段により移動する転写材のトナー像を
定着する定着装置において、前記発熱抵抗体層は抵抗温
度係数が負である第1の領域と、前記第1の領域とは抵
抗温度係数が異なる第2の領域とを前記加熱手段の長手
方向に並べて配置した。
【0016】この定着装置は第1の領域に抵抗温度係数
が負の発熱抵抗体層を用いたので、加熱手段の位置によ
り温度差が発生しても、自己制御により、温度差を減ら
し、定着不良の発生を抑えることが可能となった。
【0017】また、この定着装置は、前記発熱抵抗体層
の第2の領域の抵抗温度係数が正であると良い。
【0018】また、この定着装置は、前記抵抗温度係数
が正の領域の温度を検出して、検出した温度に従って前
記発熱抵抗体層への給電状態を制御する制御手段を備え
ると良い。
【0019】また、この定着装置は、前記発熱抵抗体層
の第2の領域の抵抗温度係数が負であると良い。
【0020】また、この定着装置は、前記第1の領域お
よび第2の領域のうちで発熱温度係数の絶対値の小さい
ほうの領域の温度を検出して、検出した温度に従って前
記発熱抵抗体層への給電状態を制御する制御手段を備え
ると良い。
【0021】また、これらの定着装置は、前記転写材の
移動方向に直交する方向の幅が前記加熱手段の長手方向
の寸法よりも小さい第1の転写材と、前記移動方向に直
交する方向の幅が前記第1の転写材よりも小さい第2の
転写材とを前記転写材として用いることが可能であっ
て、前記第1の転写材と前記第2の転写材がともに通過
する領域と、前記第1の転写材が通過し第2の転写材が
通過しない領域とのいずれか一方を前記第1の領域と
し、他方の領域を前記第2の領域とすると良い。
【0022】また、本発明の課題は、発熱抵抗体層を設
けた加熱手段により移動する転写材のトナー像を定着す
る定着装置において、検出した温度に従って前記発熱抵
抗体層への給電状態を制御して前記発熱抵抗体層の温度
を一定範囲に制御する制御手段を備え、前記発熱抵抗体
層は前記制御手段による温度の検出を行う第1の領域
と、前記第1の領域と抵抗温度係数を異ならせた第2の
領域とを互いに前記加熱手段の長手方向に並べて配置し
た定着装置によっても解決できる。
【0023】また、本発明の課題は感光体上に形成した
静電潜像をトナーを用いて現像し、得られたトナー像を
転写材に転写する画像形成手段と、前記トナー像を前記
転写材に定着させる請求項1、2、3、4、5、6また
は7に記載の前記定着装置とを備える画像形成装置によ
っても解決できる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態にかかる複写
機100と、この複写機100が備える定着装置10を
図1の画像形成装置の断面図によって説明する。
【0025】図1において、1は感光体ドラム、2はス
コロトロン帯電器、3は帯電前除電器(PCL)、4は
像露光手段、5は帯電消去用LEDアレイ、6は現像装
置、7は転写電極、8は分離電極、9はクリーニング装
置、10は定着装置である。
【0026】定着装置10は、定着ローラ11、定着加
圧用ローラ12、定着クリーニングローラ13、定着温
度センサ14、定着分離爪15、定着カバー18等から
構成されている。
【0027】30〜37は給紙、搬送、排紙経路の部材
を示す。30は転写紙を収容する給紙カセット、31は
送り出しローラ、32、33、34は給紙ローラ対、3
5はレジストシャッタ、36は搬送ガイド板、37は排
紙ローラ、38は排紙ガイド板、39は排紙皿である。
転写紙の移動する経路は一点鎖線の矢印で示した。
【0028】次に複写機100での静電複写による画像
形成プロセスの概略を説明する。
【0029】画像形成プロセスが開始すると、PCL3
が一旦除電をしたうえで、スコロトロン帯電器2が感光
体ドラム1の回転につれて、表面を一様な電位に帯電さ
せる。帯電した感光体ドラム1は、像露光手段4により
原稿で反射した反射光が帯電した感光体ドラム1に入射
して結像すると、原稿の像に従った静電潜像が形成され
る。次に帯電消去用LEDアレイ5により画像形成に不
要な領域が除電され、静電潜像は現像装置6によって顕
像化(トナー像化)された後、レジストシャッタ35に
よりタイミングをとって供給される転写紙の表面(図中
では上面)に転写電極7で転写される。トナー像が転写
された転写紙は分離電極8で感光体ドラム1から分離さ
れる。転写後の感光体ドラム1の表面はクリーニング装
置9でクリーニングされ、さらにクリーニングされた感
光体ドラム1は、帯電前除電器(PCL)の露光によ
り、除電されて次の記録に備えられる。
【0030】一方、感光体ドラム1から分離された転写
紙は定着加圧用ローラ12と加熱された定着ローラ11
との間に挟まれて、トナー像とともに加熱、押圧され
る。加熱、押圧によりトナー像が定着した転写紙は排紙
ローラ37により機外へ搬送され、排紙皿39上に排出
される。定着温度センサ14は定着ローラ11の表面に
接触して定着ローラ11の表面の温度を検知して、温度
情報信号を制御部19に送る。制御部19は温度情報信
号に応じて定着ローラ11に接続された電源20(図2
参照)をオン/オフする。
【0031】複写機100は、A3サイズから葉書サイ
ズまでの転写紙を利用可能としてある。A3サイズの転
写紙、葉書ともに長手方向と移動方向とを一致させて搬
送する。また、転写紙の幅方向の中点が定着ローラ11
の長手方向の中点付近を通過するいわゆるセンター基準
通紙を行っている。
【0032】次に図2(a)、(b)を用いて定着ロー
ラ11を詳細に説明する。図2(a)は定着ローラ11
の断面図、図2(b)は定着ローラ11の正面図であ
る。
【0033】図2(a)、(b)で、定着ローラ11
は、アルミニウム合金等の金属製の導電部材からなる中
空の円筒状基体(芯金)112の外面側に、絶縁体層1
13を介して発熱抵抗体層114を形成し、最外表面に
フッ素樹脂からなる離型性層111を形成し、発熱抵抗
体層114と電気的に接続されたブラシ状の電極部材1
5、16を設けてある。電極部材15、16は電源20
に接続されている。なお、以下の説明で回転軸Xと平行
な向きを長手方向と呼ぶ。
【0034】発熱抵抗体層114にはさらに、互いに抵
抗温度係数が異なる発熱抵抗体層114aと発熱抵抗体
層114bとが設けられている。発熱抵抗体層114a
と発熱抵抗体層114bとは定着ローラ11の回転軸X
に直交する平面y1、y2と交わる部分が境界となる。
発熱抵抗体層114bの中点M(長手方向で2等分した
点)の両側の発熱抵抗体層の構造、寸法は対称となって
いる。抵抗温度係数(単位ppm/℃)はJIS C5
202「電子機器用固定抵抗器の試験方法」によって得
た数値を用いている。発熱抵抗体層114は抵抗温度係
数が負の物質である二酸化チタン(TiO2)等を焼き
付けて形成した。抵抗温度係数は発熱抵抗体層に含ませ
る物質を調整して異ならせる。
【0035】制御部19は定着温度センサ14の位置で
の定着ローラ11の表面温度が制御温度以上のときは電
源20をオフし、制御温度以下のときは電源20をオン
する。電源20は内部に通電制御手段としてトライアッ
クを備えていて、オンのときにはトライアックを駆動し
て発熱抵抗体層114全体に通電し、オフのときにはト
ライアックの駆動を停止して発熱抵抗体層114の通電
は停止する。一定時間内でオフの合計時間が長いほどに
定着ローラ11全体の熱は下がる。定着ローラ11は熱
容量が小さいのでオフにするとすぐに温度が低下し、そ
のかわりオンにすると、定着に必要な設定温度まで短時
間で到達する。また、本例ではセンター基準通紙である
ので、中点Mを挟んだ両側で定着ローラ11の表面の温
度分布は互いに対称になる。
【0036】これにより定着温度センサ14の配置され
た発熱抵抗体層114aでは定着ローラ11の表面温度
は一定範囲(制御温度付近)に維持される。一方、定着
温度センサ14から離れた発熱抵抗体層114bの領域
では、転写紙の通過の有無の条件が発熱抵抗体層114
aとは異なるので、温度変化の傾向が発熱抵抗体層11
4aの領域とは異なっている。そこで、本例では発熱抵
抗体層114bの抵抗温度係数を発熱抵抗体層114a
の抵抗温度係数に対して異ならせて、自己制御がかかる
ことで発熱抵抗体層114aの領域の表面温度と差が小
さくなるように制御している。このように積極的に抵抗
温度係数の差を利用して定着温度センサ14を配置して
いない方の発熱抵抗体層の温度を制御温度付近に維持す
るようにしている。
【0037】
【実施例】次に実施例1から実施例4を説明する。実施
例1から実施例4は発熱抵抗体層114aと発熱抵抗体
層114bの抵抗温度係数の関係をさらに具体化した例
であり、抵抗温度係数の違いによる自己制御の作用を図
3から図6を用いて説明する。図3から図6は自己制御
を説明するためにモデル化した概念図である。
【0038】図3から図6で、実線で示した分布曲線a
1からa4は、ウォーミングアップ直後であって、転写
紙が通過していない状態での定着ローラ11の表面の温
度分布を示している。一点鎖線で示した分布曲線b1か
らb4は小サイズの転写紙P1(第2の転写材の一例で
ある。)を連続して通過させた状態での定着ローラ11
の表面の温度分布を示している。破線で示した分布曲線
c1からc4は、実施の形態にかかるものではなくて、
発熱抵抗体層の抵抗温度係数がすべて正の発熱ローラに
小サイズの転写紙P1を連続通紙した際の温度分布を参
考例として示したものである。矢印d1からd6は自己
制御による温度変化の傾向を示していて、矢印を図上で
下向きに示したものは、発熱量が下がり温度が低下する
向きの自己制御がかかる場合、上向きに示したものは、
発熱量が上がり温度が上がる向きの自己制御がかかる場
合を示している。発熱抵抗体層114bは小サイズの転
写紙P1が通過する範囲を示してあり、発熱抵抗体層1
14aは大サイズの転写紙P2が通過する範囲を示して
ある。
【0039】〔実施例1〕図3は発熱抵抗体層114a
の抵抗温度係数を正、発熱抵抗体層114bの抵抗温度
係数を負とした例である。定着温度センサ14は発熱抵
抗体層114aの温度を検知する位置に配置してある。
【0040】ウォーミングアップにより定着ローラ11
の表面の温度が次第に上がって定着温度センサ14の位
置の温度が制御温度に到達すると、電源20はオン/オ
フを繰り返して、曲線a1に示したように中央部がやや
高温、両端部がやや低温となって安定する。次に小サイ
ズの転写紙P1を用いた定着が連続して実行されると、
定着ローラ11の中央部から奪われる熱が増加し、一
方、両端部には熱が蓄積されるので、中央部の温度が下
がり始め、両端部の温度が上がり始める。このとき発熱
抵抗体層114bは抵抗温度係数が負なので自己制御に
より温度の低下傾向に反して発熱量が上がる。発熱量の
上昇は矢印d1で示した。一方、発熱抵抗体層114a
は抵抗温度係数が正なので、温度の上昇傾向に伴って発
熱量が上がる傾向にあるものの、定着温度センサ14の
位置での発熱抵抗体層114aの温度は一定値に制御さ
れるので変化しない。従って分布曲線c1で示した参考
例とは異なり、本実施例は中点付近の温度が維持され
て、次回の定着で大サイズの転写紙P2を用いても定着
不良の発生を抑えることができる。
【0041】本実施例で、自己制御により両端部の温度
は上がろうとし、中央部の温度も上がろうとする。これ
は、発熱抵抗体層の抵抗温度係数が正の過熱ローラを用
いて小サイズの転写紙により連続して定着を実行した場
合の温度変化の向きとは異なっている。
【0042】〔実施例2〕図4は発熱抵抗体層114a
の抵抗温度係数を負、発熱抵抗体層114bの抵抗温度
係数を正とした例である。定着温度センサ14は発熱抵
抗体層114bの温度を検知する位置に配置してある。
実施例1と同様に、ウォーミングアップにより表面の温
度は分布曲線a2に示したように中央部がやや高温、両
端部がやや低温となって安定する。次に小サイズの転写
紙を用いた複写が連続して実行されると、実施例1と同
様に中央部の温度が下がり始め、両端部の温度が上がり
始める。このとき定着ローラ11の両端部に備えられた
発熱抵抗体層114aは抵抗温度係数が負なので自己制
御により温度の上昇傾向に反して発熱量が下がる。発熱
量の低下は矢印d2で示した。一方、発熱抵抗体層11
4bは抵抗温度係数が正なので、温度の上昇傾向に伴っ
て発熱量が上がる傾向にあるものの、定着温度センサ1
4の位置での発熱抵抗体層114bの温度は一定値に制
御されるので変化しない。従って破線c2で示した参考
例とは異なり、実施例2では両端付近の温度が維持され
て、次回の定着で大サイズの転写紙P2を用いても定着
不良の発生を抑えることができる。
【0043】本実施例で、自己制御により両端部の温度
は下がろうとし、中央部の温度も下がろうとする。これ
は、発熱抵抗体層の抵抗温度係数が正の加熱ローラを用
いて小サイズの転写紙により連続して定着を実行した場
合の温度変化の向きとは異なっている。
【0044】〔実施例3〕図5は発熱抵抗体層114a
と発熱抵抗体層114bの抵抗温度係数をともに負と
し、発熱抵抗体層114aの抵抗温度係数を発熱抵抗体
層114bの抵抗温度係数より大きくした(絶対値を小
さくした)例である。定着温度センサ14は発熱抵抗体
層114aの温度を検知する位置に配置してある。
【0045】実施例1と同様に、ウォーミングアップに
より表面の温度は分布曲線a3に示したように中央部が
やや高温、両端部がやや低温となって安定する。次に小
サイズの転写紙P1を用いた複写が連続して実行される
と、実施例1と同様に中央部の温度が下がり始め、両端
部の温度が上がり始める。このとき定着ローラ11の両
端部に備えられた発熱抵抗体層114aは抵抗温度係数
が負なので自己制御により温度の上昇傾向に反して発熱
量が下がる。発熱量の低下は矢印d3で示した。一方の
発熱抵抗体層114bも抵抗温度係数が負なので、温度
の低下傾向に伴って発熱量が上がる。発熱量の上昇は矢
印d4で示した。さらに、定着温度センサ14の位置で
の発熱抵抗体層114bの温度は一定値に制御される。
従って破線c3で示した参考例とは異なり、中点付近、
両端付近の温度が維持されて、次回の定着で大サイズの
転写紙P2を用いても定着不良の発生を抑えることがで
きる。
【0046】本実施例で、自己制御により両端部の温度
は下がろうとし、中央部の温度は上がろうとする。これ
は、発熱抵抗体層の抵抗温度係数が正の加熱ローラを用
いて小サイズの転写紙により連続して定着を実行した場
合の温度変化の向きとは逆になっている。
【0047】〔実施例4〕図6は発熱抵抗体層114a
と発熱抵抗体層114bの抵抗温度係数をともに負と
し、発熱抵抗体層114aの抵抗温度係数を発熱抵抗体
層114bの抵抗温度係数より小さくした(絶対値を大
きくした)例である。定着温度センサ14は発熱抵抗体
層114bの温度を検知する位置に配置してある。
【0048】実施例1と同様に、ウォーミングアップに
より表面の温度は分布曲線a4に示したように中央部が
やや高温、両端部がやや低温となって安定する。次に小
サイズの転写紙P1を用いた複写が連続して実行される
と、実施例1と同様に中央部の温度が下がり始め、両端
部の温度が上がり始める。このとき定着ローラ11の両
端部に備えられた発熱抵抗体層114aは抵抗温度係数
が負なので自己制御により温度の上昇傾向に反して発熱
量が下がる。発熱量の低下は矢印d5で示した。一方の
発熱抵抗体層114bも抵抗温度係数が負なので、温度
の下降傾向に伴って発熱量が上がる。発熱量の上昇は矢
印d6で示した。さらに、定着温度センサ14の位置で
の発熱抵抗体層114bの温度は一定値に制御される。
従って破線c4で示した参考例とは異なり、中点付近、
両端付近の温度が維持されて、次回の定着で大サイズの
転写紙P2を用いても定着不良の発生を抑えることがで
きる。
【0049】本実施例で、自己制御により両端部の温度
は下がろうとし、中央部の温度は上がろうとする。これ
は、発熱抵抗体層の抵抗温度係数が正の加熱ローラを用
いて小サイズの転写紙により連続して定着を実行した場
合の温度変化の向きとは逆になっている。
【0050】前述の実施例1と実施例2では、抵抗温度
係数が正の領域に定着温度センサ14を設けた。抵抗温
度係数が正の発熱抵抗体層は、一旦生じた温度変化をさ
らに増長する傾向があることから、局所的に観察すると
温度変化が大きくなりやすい領域であり、ここに定着温
度センサ14を備えることで定着ローラ11全体の表面
温度がフラットになる。
【0051】また、実施例3と実施例4では、抵抗温度
係数の絶対値が小さい領域に定着温度センサ14を設け
た。抵抗温度係数の絶対値が小さいと、温度変化に対す
る自己制御の働きが弱くなる傾向があることから、局所
的に観察すると温度変化が大きくなりやすい領域であ
り、ここに定着温度センサ14を備えることで定着ロー
ラ11全体の表面温度がフラットになる。
【0052】なお、図2には発熱抵抗体層114を絶縁
体層113と離型性層111に挟んで設けた例を示した
が、円筒状基体112の内周面に絶縁体層113を設
け、さらに絶縁体層113の内周面に発熱抵抗体層11
4を設けても良い。この場合、電極部材15、16も円
筒状基体112の内周面に設ける。
【0053】また、本発明は片側基準通紙であっても適
用できる。片側基準通紙では、定着ローラの端部付近に
設けた基準位置と転写紙の端縁の一つとが一致するよう
に移動する。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、連続した定着の後に実
行する定着にて、前回までの定着で転写材の通過した部
分と通過しなかった部分のそれぞれに生じる温度差を発
熱抵抗体層の自己制御により減らすことで、いずれの部
分を用いて定着を行っても、定着不良の発生を防ぐこと
が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の断面図。
【図2】定着ローラの断面図および正面図。
【図3】自己制御を説明する概念図。
【図4】自己制御を説明する概念図。
【図5】自己制御を説明する概念図。
【図6】自己制御を説明する概念図。
【図7】従来の加熱ローラの長手方向の温度分布を示す
図。
【符号の説明】
10 定着装置 11 定着ローラ 14 定着温度センサ 19 制御部 20 電源 100 複写機 110 発熱ローラ 114、114a、114b 発熱抵抗体層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱抵抗体層を設けた加熱手段により移
    動する転写材のトナー像を定着する定着装置において、
    前記発熱抵抗体層は抵抗温度係数が負である第1の領域
    と、前記第1の領域とは抵抗温度係数が異なる第2の領
    域とを前記加熱手段の長手方向に並べて配置したことを
    特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 前記発熱抵抗体層の第2の領域の抵抗温
    度係数が正であることを特徴とする請求項1に記載の定
    着装置。
  3. 【請求項3】 前記抵抗温度係数が正の領域の温度を検
    出して、検出した温度に従って前記発熱抵抗体層への給
    電状態を制御する制御手段を備えることを特徴とする請
    求項2に記載の定着装置。
  4. 【請求項4】 前記発熱抵抗体層の第2の領域の抵抗温
    度係数が負であることを特徴とする請求項1に記載の定
    着装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の領域および第2の領域のうち
    で発熱温度係数の絶対値の小さいほうの領域の温度を検
    出して、検出した温度に従って前記発熱抵抗体層への給
    電状態を制御する制御手段を備えることを特徴とする請
    求項4に記載の定着装置。
  6. 【請求項6】 前記転写材の移動方向に直交する方向の
    幅が前記加熱手段の長手方向の寸法よりも小さい第1の
    転写材と、前記移動方向に直交する方向の幅が前記第1
    の転写材よりも小さい第2の転写材とを前記転写材とし
    て用いることが可能であって、前記第1の転写材と前記
    第2の転写材がともに通過する領域と、前記第1の転写
    材が通過し第2の転写材が通過しない領域とのいずれか
    一方を前記第1の領域とし、他方の領域を前記第2の領
    域としたことを特徴とする請求項1、2、3、4または
    5に記載の定着装置。
  7. 【請求項7】 発熱抵抗体層を設けた加熱手段により移
    動する転写材のトナー像を定着する定着装置において、
    検出した温度に従って前記発熱抵抗体層への給電状態を
    制御して前記発熱抵抗体層の温度を一定範囲に制御する
    制御手段を備え、前記発熱抵抗体層は前記制御手段によ
    る温度の検出を行う第1の領域と、前記第1の領域と抵
    抗温度係数を異ならせた第2の領域とを互いに前記加熱
    手段の長手方向に並べて配置したことを特徴とする定着
    装置。
  8. 【請求項8】 感光体上に形成した静電潜像をトナーを
    用いて現像し、得られたトナー像を転写材に転写する画
    像形成手段と、前記トナー像を前記転写材に定着させる
    請求項1、2、3、4、5、6または7に記載の前記定
    着装置とを備えることを特徴とする画像形成装置。
JP32772297A 1997-11-28 1997-11-28 定着装置及び画像形成装置 Pending JPH11161087A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32772297A JPH11161087A (ja) 1997-11-28 1997-11-28 定着装置及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32772297A JPH11161087A (ja) 1997-11-28 1997-11-28 定着装置及び画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11161087A true JPH11161087A (ja) 1999-06-18

Family

ID=18202267

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32772297A Pending JPH11161087A (ja) 1997-11-28 1997-11-28 定着装置及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11161087A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10942476B2 (en) 2018-12-19 2021-03-09 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus with a plurality of individually-controlled heat generating resistors having different temperature coefficients of resistance

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10942476B2 (en) 2018-12-19 2021-03-09 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus with a plurality of individually-controlled heat generating resistors having different temperature coefficients of resistance

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7193181B2 (en) Image heating apparatus and heater used therefor
US5852763A (en) Image heating apparatus
JP5423155B2 (ja) 画像形成装置
US6185383B1 (en) Image heating apparatus
US7002105B2 (en) Image heating apparatus
JP7305357B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
US11507001B2 (en) Image forming apparatus including a plurality of heat generating elements
JP7282526B2 (ja) ヒータ、定着装置及び画像形成装置
US11281139B2 (en) Fixing apparatus including heat generating element, and image forming apparatus
JP7282525B2 (ja) 加熱装置、定着装置及び画像形成装置
JP7383428B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
US6741825B2 (en) Image forming apparatus and method
JP2022139959A (ja) 画像形成装置
JP2001282036A (ja) 画像形成装置
JPH11161087A (ja) 定着装置及び画像形成装置
EP0905580A2 (en) Fixing device with heat roller having heating resistor layer therein
JPH11272090A (ja) 画像形成装置
JPH11233243A (ja) 加熱体、加熱装置、像加熱装置、及び画像形成装置
US20240160131A1 (en) Heating apparatus and image forming apparatus
JP7353759B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2004191790A (ja) 画像形成装置
JPH06337605A (ja) 加熱装置及び画像形成装置
JP4227349B2 (ja) 画像形成装置
JPH10125450A (ja) 加熱体、加熱体支持体、加熱装置及び画像形成装置
JP2023059712A (ja) 画像形成装置