JPH11161068A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JPH11161068A
JPH11161068A JP33768197A JP33768197A JPH11161068A JP H11161068 A JPH11161068 A JP H11161068A JP 33768197 A JP33768197 A JP 33768197A JP 33768197 A JP33768197 A JP 33768197A JP H11161068 A JPH11161068 A JP H11161068A
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JP
Japan
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fixing
recording material
roller
fixing nip
toner
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Application number
JP33768197A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kataoka
洋 片岡
Hiroaki Sakai
宏明 酒井
Masaharu Okubo
正晴 大久保
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナー像を担持した記録材を連続通紙して定
着するに際し、定着ローラへのトナーのオフセットに起
因した画像のオフセット防止は勿論のこと、記録材に含
有した炭酸カルシウムの定着ローラへの付着に起因した
加圧ローラへのトナー付着、加圧ローラからのトナーに
よる記録材の裏汚れを防止することを可能とした定着装
置である。 【解決手段】 加圧ローラと接地間にアノードを接地側
としてダイオードを接続する。定着前記録材検知センサ
ーにより定着ニップに記録材が存在するのを検知した
ら、記録材上のトナー像からのトナーの定着ローラへの
オフセットを防止するために、定着ローラにトナーと同
極性のDC−700Vの定着バイアスを印加し、定着後
記録材検知センサーにより定着ニップに記録材がなくな
ったことを検知したら、定着時に記録材から定着ローラ
に付着したプラス帯電の炭酸カルシウムを加圧ローラへ
転移させるために、定着バイアスの印加を停止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録材上に担持し
たトナー像を加熱及び加圧することにより、永久画像と
して定着する定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真方式を利用した画像
形成装置では、像担持体上に露光、現像により形成した
トナー像を記録材に転写した後、そのトナー像を永久画
像として定着している。この定着に使用される定着装置
は、図10に示すように構成されている。
【0003】図10において、符号1は定着装置の定着
ローラ、2は加圧ローラであり、定着ローラ1と加圧ロ
ーラ2とは、図示しない加圧手段により加圧ローラ2を
定着ローラ1に押圧することにより、それらの間にニッ
プ(定着ニップ)Nが形成されている。この定着ローラ
1と加圧ローラ2は、定着ローラ1を回転駆動し、加圧
ローラ2をその従動回転により回転して、入口ガイド4
を経て導入された記録材6を定着ニップNで挟持して搬
送する間に、記録材6上に担持されたトナー像7を加熱
および加圧して記録材6に定着する。
【0004】定着ローラ1は、アルミニウムや鉄などの
芯金11上に、PFA、PTFEなどのフッ素樹脂の離
型層12を形成して構成され、このフッ素樹脂離型層1
2により、記録材6上のトナー像7からトナーが定着ロ
ーラ1に付着しづらいようにして、定着ローラ1へのト
ナーのオフセット防止を図っている。
【0005】この定着ローラ1の芯金11の内側にはヒ
ータ3が設置され、ヒータ3により定着ローラ1が内部
から加熱される。定着ローラ1の表面温度は、サーミス
タ5を表面に所定の圧力で当接設置して検知し、ヒータ
3への通電をON/OFF制御することにより、定着に
適した一定の温度に維持される。
【0006】加圧ローラ2は、アルミニウムや鉄などの
芯金21上に、耐熱性を有するシリコーンスポンジなど
の弾性層22を形成し、さらにその上にPFA、PTF
Eなどのフッ素樹脂の離型層23を形成して構成されて
いる。このフッ素樹脂離型層23により、記録材6から
定着ローラ1を介して加圧ローラ2に転移したトナー
や、記録材6の裏面に付着したトナーが、加圧ローラ2
の表面にオフセットするのを防止している。
【0007】定着ローラ1は、上記のように、離型層1
2をPFA等の離型性の高いフッ素樹脂で形成すること
により、トナーのオフセット防止を図っているが、さら
に、トナー固有の静電荷を利用したオフセット防止が図
られている。すなわち、トナー固有の静電荷、本例で
は、マイナス極性の静電荷と同極性のマイナスの直流電
圧(定着バイアス)を、定着バイアス電源8により定着
ローラ1の芯金11に印加し、一方、加圧ローラ2に装
置本体GNDとの間でダイオード9を、アノードを本体
GND側、カソードを芯金21側として接続し、これに
より定着ローラ1の表面をマイナス電位、加圧ローラ2
の表面をプラス電位として、定着ローラ1と加圧ローラ
2との間に電位差を作り、その定着ローラ1から加圧ロ
ーラ2方向への電界によって、マイナス極性のトナーが
定着ローラ1に転移するのを防止する。
【0008】従来、この定着バイアスは、画像形成装置
本体のメインモータMと同期して、装置本体の制御用メ
インCPU15から定着バイアス電源8にON信号を出
力し、メインモータMが回転している間は印加、回転し
ていないときは断の態様で、印加がなされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、定着ロ
ーラ1表面の離型性をフッ素樹脂離型層12で高めると
ともに、定着ローラ1に定着バイアスを印加することに
より、定着ローラ1の表面の対オフセット性が高まっ
て、記録材6上のトナー像からトナーが定着ローラ1に
付着するのを防ぐことができる。
【0010】このため、定着ニップNで定着ローラ1か
らのトナーが後続の記録材に付着して、後続の記録材上
の画像を汚す、いわゆる画像のオフセット現象を防止す
ることができる。
【0011】しかしながら、填料として炭酸カルシウム
(略して、炭カル)を10%以上含有している記録材が
あり、このように多量の炭酸カルシウムを含有している
記録材6を定着ニップNに連続通紙すると、記録材6の
表面に露出している炭酸カルシウムが、定着ローラ1表
面のフッ素樹脂離型層12と摩擦して、マイナス帯電す
る離型層12に対しプラスに帯電する。加えて、定着ロ
ーラ1の表面は、オフセット防止の目的で印加したマイ
ナスの定着バイアスにより、マイナスの電位になってい
る。
【0012】このため、記録材6の表面に位置したプラ
ス帯電の炭酸カルシウムが、定着ローラ1の表面に静電
的に吸引されて付着し、定着ローラ1の表面に離型性の
低下した部分が生じる。また、定着ローラ1の表面の定
着バイアスによるマイナス電荷が、付着した炭酸カルシ
ウムのプラスの帯電電荷により相殺される。このため、
定着ローラ1の表面に対オフセット性が低減した部分が
できる。
【0013】このようなことから、記録材6上のトナー
像から定着ローラ1の対オフセット性が低減した表面部
分にトナーが付着し、このトナーが記録材と記録材の搬
送間隔で加圧ローラ2に表面に転移して蓄積し、また蓄
積したトナーが記録材の裏面に付着して、記録材の裏面
に黒ポチ状のトナー汚れを生じる。
【0014】本発明の目的は、トナー像を担持した記録
材を連続通紙して定着するに際し、定着ローラへのトナ
ーのオフセットに起因した画像のオフセットを防止でき
ることは勿論のこと、記録材に含有した炭酸カルシウム
の定着ローラへの付着に起因した加圧ローラのトナー付
着を介した加圧ローラのトナー付着、および加圧ローラ
からのトナーによる記録材の裏汚れを防止することを可
能とした定着装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明にか
かる定着装置にて達成される。要約すれば、本発明は、
互いに圧接して定着ニップを形成するとともに回転し
て、前記定着ニップに通紙した記録材上に担持された未
定着トナー像を加熱および加圧することにより、未定着
トナー像を記録材に定着する1対の回転体を有し、その
一方の未定着トナー像と接する側の回転体に直流電圧を
印加する印加手段を設けた定着装置において、前記定着
ニップに記録材が存在するとき、前記印加手段により前
記一方の回転体にトナーと同極性の直流電圧を印加し、
前記定着ニップに記録材が存在しないとき、前記一方の
回転体への直流電圧の印加を行なわないことを特徴とす
る定着装置である。本発明によれば、前記記録材の通紙
は連続通紙であり、また前記一方の回転体とニップを形
成する他方の回転体と接地間にダイオードをアノードが
接地側となるように接続することができる。
【0016】本発明の他の一態様は、互に圧接して定着
ニップを形成するとともに回転して、前記定着ニップに
通紙した記録材上に担持された未定着トナー像を加熱お
よび加圧することにより、未定着トナー像を記録材に定
着する1対の回転体を有する定着装置において、未定着
トナー像と接する側の回転体の表面に電荷を発生する電
荷発生手段を備え、この電荷発生手段は、前記定着ニッ
プに記録材が存在するとき、トナーと同極性の電荷を発
生し、前記定着ニップに記録材が存在しないとき、トナ
ーと逆極性の電荷を発生することを特徴とする定着装置
である。本発明によれば、前記電荷発生手段は直流電圧
印加手段であり、前記直流電圧印加手段を直流電圧の極
性を変更して印加可能に設け、前記定着ニップに記録材
が存在するとき、トナーと同極性の直流電圧とし、前記
定着ニップに記録材が存在しないとき、上記と逆極性の
直流電圧とする。あるいは、前記電荷発生手段は、未定
着トナー像と接する側の前記回転体と接地間に設けられ
たダイオードであり、前記ダイオードの接続方向を変更
可能に設け、前記定着ニップに記録材が存在するとき、
前記ダイオードの接続方向をアノードが前記未定着トナ
ー像と接する回転体側となる方向とし、前記定着ニップ
に記録材が存在しないとき、上記と逆方向にする。さら
に、記録材の未定着トナー像担持面と接する回転体と接
地間に第2のダイオードを接続方向を変更可能に設け、
前記第2のダイオードの接続方向を、前記定着ニップに
記録材が存在するとき、アノードが接地側となる方向と
し、前記定着ニップに記録材が存在しないとき、上記と
逆方向にする。
【0017】本発明のさらに他の一態様は、互に圧接し
て定着ニップを形成するとともに回転して、前記定着ニ
ップに通紙した記録材上に担持された未定着トナー像を
加熱および加圧することにより、未定着トナー像を記録
材に定着する1対の回転体を有し、前記記録材の未定着
トナー像担持面とは反対側の裏面と接する側の回転体の
表面に電荷を発生する電荷発生手段を備えた定着装置に
おいて、前記電荷発生手段は、前記定着ニップに記録材
が存在するとき、トナーと逆極性の電荷を発生し、前記
定着ニップに記録材が存在しないとき、トナーと同極性
の電荷を発生することを特徴とする定着装置である。本
発明によれば、記録材の未定着トナー像担持面とは反対
側の裏面と接する前記回転体と接地間にダイオードを接
続方向を変更可能に設け、前記定着ニップに記録材が存
在するとき、ダイオードの接続方向をアノードが接地側
となる方向とし、前記定着ニップに記録材が存在しない
とき、ダイオードの接続方向を上記と逆方向にする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例を詳細に説明する。
【0019】実施例1 本発明の定着装置の一実施例を図1にそって説明する。
【0020】本実施例の定着装置は、A4サイズの記録
材を横方向の通紙で、毎分25枚の連続プリント可能な
画像形成装置に設置して使用するのに適した定着性能を
有している。本実施例の大きな特徴は、記録材連続通紙
の定着時、定着ローラ1に印加する定着バイアスを制御
したことにある。本定着装置自体の構成は、図10に示
した従来の定着装置と基本的に同じでなので、図1にお
いて図10と同一箇所は同一の符号を付して、必要がな
い限りその説明を省略する。
【0021】図1に示すように、本定着装置は定着ロー
ラ1と加圧ローラ2とを有し、本実施例では、定着ロー
ラ1を、直径40mm、肉厚1mmのアルミニウムの芯
金11上に、厚さ50μmのPFA樹脂チューブを被覆
して離型層12を形成した構成とした。この定着ローラ
1の芯金11の内側には、定着ローラ1を内部から加熱
するヒータ3が設置される。
【0022】また、加圧ローラ2は、直径14mmの鉄
の芯金21上に、厚さ8mmのシリコーンスポンジゴム
の弾性層22を形成し、さらにその上に厚さ50μmの
PFA樹脂チューブを被覆して離型層23を形成した構
成とした。この加圧ローラ2の硬度は、約56°(アス
カーC硬度計により荷重1kgで測定)である。
【0023】本実施例では、この加圧ローラ2を図示し
ない加圧手段により20ニュートン(N)の押圧力で定
着ローラ1に押圧して、定着ローラ1と加圧ローラ2と
の間に約5mm幅の定着ニップNを形成させた。
【0024】また、定着時に、定着ローラ1と加圧ロー
ラ2との間にオフセット防止用の電位差を付すために、
定着バイアス電源8により定着ローラ1の芯金11に定
着バイアスとして、トナーと同極性の直流電圧、本実施
例では、DC−700Vを印加し、定着ローラ1の表面
電位を約−650Vに保持し、加圧ローラ2の芯金21
には、画像形成装置の本体GNDとの間に耐圧約2kV
のダイオード9を、アノードを装置本体GND側とし、
カソードを芯金21側として接続し、加圧ローラ2の表
面をプラス電位に保持した。
【0025】上記のように、定着ローラ1は、フッ素樹
脂(PFA)の離型層12により表面の離型性を高める
とともに、定着バイアスを印加するので、表面の対オフ
セット性が高まり、記録材6上のトナー像7からトナー
が定着ローラ1に付着するのを防ぐことができる。従っ
て、定着ニップNで定着ローラ1からのトナーが後続の
記録材に付着して、後続の記録材上の画像を汚す、いわ
ゆる画像のオフセット現象が発生するのを防止すること
ができる。
【0026】しかしながら、前述したように、記録材6
が炭酸カルシウムを少なからず含有していると、記録材
6の連続通紙の定着時、炭酸カルシウムが定着ローラ1
に付着することに起因した、定着ローラ1のトナー付着
を介した加圧ローラ2のトナー汚れ、加圧ローラ2から
のトナーによる後続する記録材の裏汚れが発生する。
【0027】そこで、本実施例は、上記したように、連
続通紙定着時、定着ローラ1に印加する定着バイアスを
制御する。具体的には、定着ニップNに記録材が存在す
るときは定着バイアスを印加し、定着ニップNに記録材
が存在しないとき(前後の記録材間の搬送間隔部が定着
ニップNに位置したとき)は定着バイアスの印加を停止
することである。
【0028】本実施例では、定着ニップNにおける記録
材の有無を検知するために、定着ニップNの手前側の入
口ガイド4の手前近くに、定着前記録材検知センサー1
6を、定着ニップNの出側の定着ローラ1寄りの位置
に、定着後記録材検知センサー17をそれぞれ設置し
た。定着前記録材検知センサー16は、定着ニップNに
導かれた記録材6によって上方向に変位していることに
より、定着ニップNに記録材6が存在していることを検
知し、定着後記録材検知センサー17は、定着ニップN
から出てきた記録材6による上方向への変位が、記録材
6が通過し去ることによって元の位置に戻ることによ
り、定着ニップNに記録材6が存在しないことを検知す
るものである。
【0029】センサー16、17は、装置本体の制御用
メインCPU15に接続され、メインCPU15は、セ
ンサー16、17からの検知信号により記録材の有無を
検出して、定着バイアス電源8による定着ローラ1への
定着バイアスの印加制御を行なう。
【0030】以下、本実施例における連続通紙時の定着
を、図2に示すタイミングチャートにより説明する。
【0031】図1の定着装置において、トナー像を担持
した記録材6が入口ガイド4に沿って定着ニップNに導
かれると、図2に示すように、定着前記録材検知センサ
ー16がこれを検知してONし、その検知信号がメイン
CPU15に入力される。CPU15は、これにより、
定着ニップNに記録材6が到達するのを検知し、定着バ
イアス電源8に対し定着バイアスONの信号を出力し、
定着バイアス電源8がONして、定着ローラ1にDC−
700Vの定着バイアスを印加する。
【0032】記録材6は、定着ローラ1への定着バイア
スの印加下に、定着ニップNで加熱および加圧されてト
ナー像を定着されながら定着ニップNを通過し、定着ニ
ップNから定着ローラ1方向に反って出てくる。定着後
記録材検知センサー17は、この記録材6の後端が通過
するとこれを検知してONし、その検知信号がメインC
PU15に入力される。CPU15は、これにより、定
着ニップNに記録材6が存在しないことを検知し、定着
バイアス電源8に対する定着バイアスONの信号の出力
を停止し、定着ローラ1への定着バイアスの印加を止め
る。
【0033】本実施例では、このように、定着ニップN
に記録材が存在しないときに、定着ローラ1への定着バ
イアスの印加を行なわないが、定着ニップNに記録材が
存在するときは定着バイアスを印加するので、記録材6
上のトナー像7からの定着ローラ1へのトナーの付着を
防止でき、定着ローラ1から後続する記録材上の画像に
トナーが付着するオフセット現象、つまりオフセット画
像の発生がなくなる。
【0034】定着ニップNに記録材が存在しないとき
は、定着バイアスを切ることにより、記録材6中の炭酸
カルシウムの定着ローラ1への付着に起因した加圧ロー
ラ2のトナー付着等がつぎのように解消される。
【0035】定着時、記録材6に含有された炭酸カルシ
ウムは、定着ニップNで定着ローラ1のPFA樹脂の離
型層12との摩擦によりプラス帯電し、定着ローラ1へ
のマイナスの定着バイアスの印加および離型層12の摩
擦によるマイナス帯電により離型層12の表面に付着
し、表面に離型性の低下した部分が生じるが、その記録
材6が定着ニップNを通り抜けた後は、定着バイアスを
OFFとするので、炭酸カルシウムの離型層12への静
電気的な付着が弱く、不安定になる。一方、定着ローラ
1と接している加圧ローラ2の方は、定着バイアスがO
FFとなると表面にマイナスの電荷が発生する。このた
め、次の記録材が定着ニップNに到達するまでの記録材
の搬送間隔の間に、プラス帯電した炭酸カルシウムが、
定着ローラ1から加圧ローラ2の表面に転移し、定着ロ
ーラ1から炭酸カルシウムがなくなる。従って、定着ロ
ーラ1のトナーの付着がなくなるから、記録材の搬送間
隔の間にトナーが加圧ローラ2の表面に転移して蓄積す
ることもなく、加圧ローラ2からのトナーにより後続す
る記録材の裏面が汚れることもない。
【0036】加圧ローラ2へ転移した炭酸カルシウム
は、図2に示すように、記録材の表面が加圧ローラ2の
表面よりも離型性が劣っているので、定着ニップNに次
の記録材が搬入されてくると、その記録材に再付着して
画像形成装置の機外に排出される。
【0037】本実施例において、記録材6として炭酸カ
ルシウムを10wt%含有した記録材を用い、これを連
続通紙して連続画像形成を行ない、その際、定着ニップ
Nに記録材6が存在するときのみ定着ローラ1に定着バ
イアスを印加する条件で、定着を行なった。そしてオフ
セット画像の発生、加圧ローラ2へのトナー付着および
記録材6のトナー裏汚れを調べた。比較のために、従来
のように、定着時、定着ニップにおける記録材の存在の
有無に関係なく、画像形成装置のメインモータに同期し
てこれがONならば、定着ローラ1に定着バイアスを印
加する方式で定着を行なって、同様にオフセット画像の
発生等を調べた。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1に示されるように、本実施例では、記
録材が定着ニップにあるときには定着バイアスを印加し
ているので、従来例と遜色ないオフセット防止効果でオ
フセット画像の発生を防止することができた。
【0040】また、記録材に含まれる炭酸カルシウムの
定着ローラへの付着に起因した加圧ローラへのトナー付
着は、従来例では、約5千枚の通紙の時点で発生し、加
圧ローラからのトナーによる記録材の黒ポチ状の裏汚れ
は、約8千枚の通紙の時点で発生したが、本実施例で
は、記録材が定着ニップにないときには定着バイアスの
印加を停止したので、両項目とも、4万枚の通紙まで抑
制することが可能となった。
【0041】以上のように、本実施例によれば、定着ロ
ーラへのトナーのオフセットに起因した画像のオフセッ
ト、記録材に含有した炭酸カルシウムの付着に起因した
加圧ローラのトナー付着、および加圧ローラからのトナ
ーによる記録材の裏汚れを防止することができる。
【0042】実施例2 本発明の他の実施例を図3〜図4に沿って説明する。
【0043】本実施例の定着装置では、実施例1と異な
り、図3に示すように、定着ローラ1にDC−700V
を印加するバイアス電源8aの他に、DC+400Vを
印加するバイアス電源8bを設け、これをメインCPU
15により切替えて使用できるようにした。本定着装置
のその他の機械的構成は実施例1と基本的に同じで、図
3において図1と同一の要素は同一の符号を付してその
説明を省略する。
【0044】本実施例でも、実施例1と同様、加圧ロー
ラ2に、本体GNDとの間で耐圧2kVのダイオード9
を、アノードを本体GND側とし、カソードを芯金21
側として接続し、加圧ローラ2の表面電位をプラスに保
持している。そして、記録材6の連続通紙時、定着ニッ
プNに記録材6が存在するときは、定着バイアス電源8
aにより定着ローラ1の芯金11にDC−700Vの定
着バイアスを印加して、定着ローラ1の表面電位をー6
50Vに保持する。これにより、定着ローラ1と加圧ロ
ーラ2との間にオフセット防止用の電位差を付与する。
【0045】本実施例の特徴的なことは、定着ニップN
に記録材6が存在しないときは、バイアス電源8bによ
り定着ローラ1の芯金11に、定着バイアスとは逆極性
の+400Vのバイアス(定着逆バイアス)を印加し、
定着ローラ1の表面電位を約+300Vに保持するよう
にしたことである。
【0046】以下、本実施例おける連続通紙時の定着
を、図4に示すタイミングチャートにより説明する。
【0047】図3の定着装置において、トナー像を担持
した記録材6が入口ガイド4に沿って定着ニップNに導
かれると、実施例1のときと同様、図4に示すように、
定着前記録材検知センサー16がこれを検知してON
し、その検知信号に基づきCPU15が、定着バイアス
電源8に対し定着バイアスONの信号を出力し、定着バ
イアス電源8が定着ローラ1にDC−700Vの定着バ
イアスを印加する。そしてトナー像が定着されて定着ニ
ップNから出てきた記録材6の後端が通過すると、これ
を定着後記録材検知センサー17が検知してONする。
本実施例では、その検知信号に基づきメインCPU15
が、定着バイアス電源8aから逆定着バイアス電源8b
に切替えて、定着ローラ1へのDC−700V定着バイ
アスの印加を停止して、定着ローラ1に+400Vの定
着逆バイアスを印加する。
【0048】このように、本実施例では、記録材6が抜
け出て定着ニップNに存在しなくなったとき、定着ロー
ラ1にプラスの定着逆バイアスを印加する。すると、定
着ローラ1と加圧ローラ2との間に、加圧ローラ2から
定着ローラ1方向への電界、つまり記録材6から定着ロ
ーラ1の離型層12に付着したプラス帯電の炭酸カルシ
ウムを強制的に取り除く電界が発生する。加えて、定着
ローラ1へのプラスの定着逆バイアスの印加により、定
着ローラ1と接した加圧ローラ2の表面に、実施例1の
ときよりも大きなマイナスの電荷が発生する。このた
め、実施例1よりも、プラス帯電した炭酸カルシウムの
定着ローラ1からの加圧ローラ2への転移が強く起こ
る。
【0049】従って、本実施例でも、次の記録材が定着
ニップNに到達するまでの記録材の搬送間隔の間に、プ
ラス帯電した炭酸カルシウムが加圧ローラ2の表面に転
移して定着ローラ1からなくなり、定着ローラ1のトナ
ーの付着がなくなるから、記録材の搬送間隔の間にトナ
ーが加圧ローラ2の表面に転移して蓄積することもな
く、また加圧ローラ2からのトナーにより後続する記録
材の裏面が汚れることもなく、これらの効果は、定着ロ
ーラ1からの炭酸カルシウムの除去が強力な分、実施例
1よりも良好に発揮される。
【0050】加圧ローラ2へ転移した炭酸カルシウム
は、実施例1のときと同様、図4に示すように、定着ニ
ップNに次の記録材が搬入されてくると、その記録材に
再付着して画像形成装置の機外に排出される。
【0051】本実施例において、実施例1のときと同
様、記録材6として炭酸カルシウムを10wt%含有し
た記録材を用い、これを連続通紙して連続画像形成を行
なった。その際、定着ニップNに記録材6が存在すると
きに定着ローラ1に定着バイアスを印加し、存在しない
ときは逆定着バイアスを印加する条件で、定着を行なっ
た。そしてオフセット画像の発生、加圧ローラ2へのト
ナー付着および記録材6のトナー裏汚れを調べた。比較
のために、従来のように、定着時、定着ニップにおける
記録材の存在の有無に関係なく、画像形成装置のメイン
モータに同期してこれがONならば、定着ローラ1に定
着バイアスを印加する方式で定着を行なって、同様にオ
フセット画像の発生等を調べた。結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】表2に示されるように、本実験では7万枚
まで試験したが、本実施例でも、実施例1と同様、記録
材が定着ニップにあるときに定着バイアスを印加してい
るので、従来例と遜色ないオフセット防止効果を得るこ
とができ、オフセット画像の発生を防止することができ
た。
【0054】また、記録材に含まれる炭酸カルシウムの
定着ローラへの付着に起因した加圧ローラへのトナー付
着は、従来例では、約5千枚の通紙の時点で発生し、加
圧ローラからのトナーによる記録材の黒ポチ状の裏汚れ
は、約8千枚の通紙の時点で発生したが、本実施例で
は、記録材が定着ニップにないときには逆定着バイアス
の印加したので、両項目とも、7万枚の通紙まで抑制す
ることが可能となった。
【0055】以上のように、本実施例によっても、定着
ローラへのトナーのオフセットに起因した画像のオフセ
ット、記録材に含有した炭酸カルシウムの付着に起因し
た加圧ローラのトナー付着、および加圧ローラからのト
ナーによる記録材の裏汚れを防止することができる。
【0056】実施例3 本発明のさらに他の実施例を図5〜図7に従って説明す
る。
【0057】本実施例の定着装置では、実施例1と異な
り、図5に示すように、アノードを画像形成装置の本体
GND側とし、カソードを加圧ローラ2の芯金21側と
して接続する耐圧2kVのダイオード9aの他に、アノ
ードを芯金21側とし、カソードを本体GND側として
接続する耐圧2kVのダイオード9aを設置し、これを
メインCPU15により切替えて使用できるようにし
た。本定着装置その他の機械的構成は実施例1と基本的
に同じで、図5において図1と同一の要素は同一の符号
を付してその説明を省略する。
【0058】本実施例でも、記録材6の連続通紙時、実
施例1と同様、定着ニップNに記録材6が存在するとき
は、定着バイアス電源8により定着ローラ1の芯金11
にDC−700Vの定着バイアスを印加し、定着ニップ
Nに記録材6が存在しないときは、定着ローラ1への定
着バイアスの印加を停止する。
【0059】本発明の特徴的なことは、定着ニップNに
おける記録材6の有無により加圧ローラ2と本体GND
間のダイオードの接続方向を変えたことにある。すなわ
ち、定着ニップNに記録材6が存在するときは、オフセ
ット防止のために、図6(a)に示すように、アノード
を本体GND側(カソードは加圧ローラ2の芯金21
側)として接続するダイオード9aを選択し、加圧ロー
ラ2の表面をプラス電位に保持する。これは実施例1の
ときと同じである。定着ニップNに記録材6が存在しな
いときは、本実施例では、定着ローラ1に付着した炭酸
カルシウムを加圧ローラ2に積極的に転移させるため
に、図6(b)に示すように、アノードを芯金21側
(カソードは本体GND側)として接続するダイオード
9bを選択し、加圧ローラ2の表面電位をマイナスに保
持する。
【0060】以下、本実施例おける連続通紙時の定着
を、図7に示すフローチャートにより説明する。
【0061】図5の定着装置において、トナー像を担持
した記録材6が入口ガイド4に沿って定着ニップNに導
かれると、図7に示すように、定着前記録材検知センサ
ー16がこれを検知し(ステップS1)、メインCPU
15に記録材搬入の検知信号が入力され、それによりC
PU15が定着ニップNにおける記録材の有無を検知し
(S2)、記録材の存在を検知すると、CPU15内に
設けてあるカウンターが経過時間をカウントする(S
3)。
【0062】そして、記録材6の先端から25mmの位
置が定着ニップNに到達したのを、それに要する経過時
間の規定値(記録材搬送速度から求まる)としてカウン
ト値により検知したら(S4)、CPU15が定着バイ
アス電源8に対し定着バイアスON信号を出力し、電源
8は定着ローラ1にDC−700Vの定着バイアスを印
加する(S5)。これと同時に、CPU15が選択信号
を出力し、アノードを本体GND側とし、カソードを加
圧ローラ2の芯金21側としたダイオード9aを選択す
る(S6)。これにより、定着ローラ1の表面がマイナ
ス電位、加圧ローラ2の表面がプラス電位となり、加圧
ローラ2から定着ローラ1に向かう電界により、記録材
6上のトナー像7からのマイナス帯電したトナーが、定
着ローラ1にオフセットするのが防止される。
【0063】上記で、記録材6の先端から25mmまで
は定着バイアスを印加しないのは、画像形成装置では、
確実な画像形成を保証するために、記録材6に対する画
像形成可能領域を定め、記録材の先端から5〜7mmは
画像形成しないようになっていることと、記録材6とつ
ぎの記録材の間の記録材搬送間隔分では、記録材が定着
ローラ1と接触せず、記録材と定着ローラの離型層との
摩擦帯電がないため、オフセット防止効果が効率よく働
くこととから、経験によれば、記録材6の先端から25
mmまでは定着バイアスを印加しないでも、オフセット
の発生はないからである。
【0064】つぎに、トナー像を定着した記録材6が定
着ニップNから出てきて、定着後記録材検知センサー1
7が、定着ニップNからの記録材6の通り抜けを検知す
ると(S7)、それによりCPU15が定着ニップNの
記録材の有無を検知する(S8)。定着ニップNに記録
材が存在しないときは、CPU15は、定着バイアス電
源8に対する定着バイアスON信号を出力を停止し、電
源8は定着ローラ1に印加する定着バイアスを切る(S
9)。これと同時に、CPU15が選択信号を出力し、
アノードを加圧ローラ2の芯金21側とし、カソードを
本体GND側としたダイオード9bに切替える(S1
0)。これにより、定着ローラ1の表面がプラス電位、
加圧ローラ2の表面がマイナス電位となり、定着時に記
録材6から定着ローラ1に付着したプラス帯電した炭酸
カルシウムが、定着ローラ1から加圧ローラ2に向かう
電界により加圧ローラ2に積極的に転移され、定着ロー
ラ1から炭酸カルシウムがなくなる。
【0065】従って、本実施例においても、定着ローラ
1のトナーの付着がなくなるから、記録材の搬送間隔の
間にトナーが加圧ローラ2の表面に転移して蓄積するこ
ともなく、また加圧ローラ2からのトナーにより後続す
る記録材の裏面が汚れることもない。
【0066】加圧ローラ2へ転移した炭酸カルシウム
は、これまでと同様、定着ニップNに次の記録材が搬入
されてくると、その記録材に再付着して画像形成装置の
機外に排出される。
【0067】本実施例において、炭酸カルシウムを10
wt%含有する記録材6を用い、これを連続通紙して連
続画像形成を行ない、その定着の際、上記のように、定
着ニップNにおける記録材の有無に応じて、定着バイア
スの印加の有無、ダイオード9a、9bの選択を制御し
た。比較のために、従来のように、定着時、定着ニップ
における記録材の存在の有無に関係なく、定着バイアス
を印加し、かつダイオード9aのみを使用する方式で定
着を行なった。
【0068】そのときの、オフセット画像の発生、加圧
ローラ2へのトナー付着および記録材裏面のトナー付着
を調べた結果を表3に示す。
【0069】
【表3】
【0070】表3に示されるように、本実験でも7万枚
まで試験したが、本実施例では、実施例1と同様、記録
材が定着ニップにあるときに定着バイアスを印加してい
るので、従来例と遜色ないオフセット防止効果を得るこ
とができ、オフセット画像の発生を防止することができ
た。
【0071】また、記録材に含まれる炭酸カルシウムの
定着ローラへの付着に起因した加圧ローラへのトナー付
着は、従来例では、約5千枚の通紙の時点で発生し、加
圧ローラからのトナーによる記録材の黒ポチ状の裏汚れ
は、約8千枚の通紙の時点で発生したが、本実施例で
は、記録材が定着ニップにないときは定着バイアスの印
加を停止し、加圧ローラ2と本体GND間に、アノード
が芯金21側、カソードが本体GND側のダイオード9
bを接続したので、両項目とも、12万枚の通紙まで抑
制することが可能となった。
【0072】以上のように、本実施例によっても、定着
ローラへのトナーのオフセットに起因した画像のオフセ
ット、記録材に含有した炭酸カルシウムの付着に起因し
た加圧ローラのトナー付着、および加圧ローラからのト
ナーによる記録材の裏汚れを防止することができる。
【0073】実施例4 本発明のさらに他の実施例を図8〜図9に従って説明す
る。
【0074】本実施例では、フィルム加熱方式の定着装
置を使用した。加熱方式の定着装置は、特開昭63−3
13182号、特開平2−157878号、特開平4−
44075〜44083号、特開平4−204980〜
204984号等の各公報に開示されている。
【0075】図8に示すように、フィルム加熱方式の定
着装置はローラ状の定着フィルム50を備え、この定着
フィルム50は、耐熱性、離型性、耐久性、熱伝導性等
を考慮して複合層フィルム(シートを含む)とされ、熱
容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるため
に、厚さ5〜20μm程度の薄肉とされている。
【0076】本例では、定着フィルム50は、フィルム
製の基層51上にプライマー層52を設け、その上に離
型層53を設けた3層構造のローラ状フィルムとなって
おり、基層51は、熱伝導性が良い金属酸化物としてマ
グネシア(MgO)を45wt%含有させた、耐熱樹脂
のポリイミド(PI)のフィルムから形成した。プライ
マー層52は、基層51と離型層53との接着性を確保
するためのもので、ポリイミド樹脂およびフッ素樹脂か
らなる接着剤からなり、この接着剤には導電性を付与す
るために酸化チタン(TiO2 )を含有させている。離
型層53は、フッ素樹脂のPFAに導電性カーボン粒子
を0.3wt%含有させた樹脂液を調製し、これに基層
51上にプライマー層52を設けたフィルム円筒中間体
を浸漬して、ディッピング法によりプライマー層52上
にコーティングした。
【0077】加圧ローラ2との定着ニップNの部分の定
着フィルム50の内面部分には、ヒートホルダー55に
より断熱支持されたヒータ70が設置され、このヒータ
70は、電気絶縁性、耐熱性および低熱容量性材料のア
ルミナ(Al23 )を使用したセラミック基板71の
一方の、定着ニップNに向ける側の面に、発熱源として
銀パラジウム(Ag/Pd)の線状の発熱体72を設け
てなっている。発熱体72は図示しない高電気絶縁性の
ガラスコート層により被覆されている。セラミック基板
71の他方の面には、温度検知素子であるサーミスタ5
や温度ヒューズ等が設けられている。定着フィルムの表
面温度は、サーミスタ5の温度検知に基づく制御回路
(図示せず)からの発熱体72への通電制御によって、
定着に適した一定温度に制御される。
【0078】加圧ローラ2の基本構成はこれまでと同じ
であるが、本実施例では、アルミニウム芯金21の直径
を10mm、シリコンスゴムの弾性層22の厚さを6m
m、PFAチューブによる離型層23のを厚さを40μ
mとし、加圧ローラ2の直径を23mmとした。加圧ロ
ーラ2の硬度は約42°(アスカーC硬度計により荷重
500gで測定)である。
【0079】定着フィルム50と加圧ローラ2との間の
定着ニップNは、加圧ローラ2を8ニュートン(N)の
押圧力で定着フィルム50に押し当てることにより、約
3mm幅に形成した。
【0080】本実施例の特徴的なことは、加圧ローラ2
1と本体GND間に、アノードを本体GND側として接
続するダイオード9a、アノードを芯金21側として接
続するダイオード9bを設置する他、定着フィルム50
に定着バイアス電源を設置する代わりに、定着フィルム
50と本体GND間に、アノードをプライマー層52側
として接続するダイオード30a、アノードを本体GN
D側として接続するダイオード30bを設置して、これ
らダイオード30a、30bを、ダイオード9a、9b
と同様、定着ニップNにおける記録材6の有無に応じ
て、メインCPU15により切替えて使用できるように
したことである。
【0081】すなわち、定着ニップNに記録材があると
きは、アノードを定着フィルム50側とし、カソードを
本体GND側としたダイオード30aを選択して、定着
フィルム50の表面をマイナス電位とする。加圧ローラ
2側は、アノードを本体GND側、カソードを加圧ロー
ラ2側としたダイオード9aを選択することにより、加
圧ローラ2の表面電位をプラスに保持する。これによ
り、定着フィルム50と加圧ローラ2との間にオフセッ
ト防止用の電界が形成され、記録材6上のトナー像7か
らのマイナス帯電したトナーが、定着フィルム50にオ
フセットするのが防止される。
【0082】定着ニップに記録材がないときは、上記と
逆に、アノードをカソードを本体GND側とし、カソー
ドを定着フィルム50側としたダイオード30bを選択
して、定着フィルム50の表面をプラス電位とする一
方、アノードを加圧ローラ2側、カソードを本体GND
側としたダイオード9bを選択して、加圧ローラ2の表
面電位をマイナスに保持する。これにより、定着フィル
ム50の表面に付着したプラスに帯電した炭酸カルシウ
ムを、加圧ローラ2の表面に転移し、定着フィルム50
から炭酸カルシウムがなくなる。
【0083】加圧ローラ2へ転移した炭酸カルシウム
は、これまでと同様、定着ニップNに次の記録材が搬入
されてくると、その記録材に再付着して画像形成装置の
機外に排出される。
【0084】本実施例においても、定着フィルム50の
トナーの付着がなくなるから、記録材の搬送間隔の間に
トナーが加圧ローラ2の表面に転移して蓄積することも
なく、また加圧ローラ2からのトナーにより後続する記
録材の裏面が汚れることもない。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、定着
ローラと加圧ローラとが形成する定着ニップに、トナー
像を担持した記録材を連続通紙して定着するに際し、定
着ローラと接地間にダイオードをアノードが接地側とな
るように接続する一方、定着ニップに記録材が存在する
ときは、定着ローラにトナーと同極性のマイナスの直流
電圧を印加し、定着ニップに記録材が存在しないとき
は、定着ローラへの直流電圧の印加を停止する等の制御
を行なうことにより、定着ニップに記録材が存在すると
き、定着ローラの表面をマイナス電位、加圧ローラの表
面をプラス電位にしたので、記録材上のトナー像からの
トナーが定着ローラにオフセットするのが防止され、ま
た定着ニップに記録材が存在しないとき、定着ローラの
表面をプラス電位、加圧ローラの表面をマイナス電位に
したので、定着時に記録材に含まれる炭酸カルシウムが
プラス帯電して定着ローラに付着しても、加圧ローラに
転移して加圧ローラから除去される。
【0086】従って、本発明によれば、定着ローラへの
トナーのオフセットに起因した画像のオフセットを防止
でき、また記録材に含有した炭酸カルシウムの定着ロー
ラへの付着に起因した加圧ローラのトナー付着、および
加圧ローラからのトナーによる記録材の裏汚れを防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定着装置の一実施例を示す概略構成図
である。
【図2】図1の実施例における連続通紙定着時の定着バ
イアスの印加制御等を示すタイミングチャートである。
【図3】本発明の他の実施例を示す概略構成図である。
【図4】図3の実施例における連続通紙定着時の定着バ
イアスの印加制御等を示すタイミングチャートである。
【図5】本発明のさらに他の実施例を示す概略構成図で
ある。
【図6】図5の実施例の定着装置の加圧ローラに設置し
た接続方向の異なるダイオードの選択法を示す説明図で
ある。
【図7】図5の実施例における連続通紙定着時の制御を
示すフローチャートである。
【図8】本発明のさらに他の実施例を示す概略構成図で
ある。
【図9】図8の実施例の定着装置の定着フィルムに設置
した接続方向の異なるダイオードの選択法を示す説明図
である。
【図10】従来の定着装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 定着ローラ 2 加圧ローラ 6 記録材 7 トナー像 8、8a 定着バイアス電源 8b 定着逆バイアス電源 9、9a、9b ダイオード 15 メインCPU 16 定着前記録材検知センサー 17 定着後記録材検知センサー 21 加圧ローラの芯金 30a、30b ダイオード 50 定着フィルム N 定着ニップ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互に圧接して定着ニップを形成するとと
    もに回転して、前記定着ニップに通紙した記録材上に担
    持された未定着トナー像を加熱および加圧することによ
    り、未定着トナー像を記録材に定着する1対の回転体を
    有し、その一方の未定着トナー像と接する側の回転体に
    直流電圧を印加する印加手段を設けた定着装置におい
    て、前記定着ニップに記録材が存在するとき、前記印加
    手段により前記一方の回転体にトナーと同極性の直流電
    圧を印加し、前記定着ニップに記録材が存在しないと
    き、前記一方の回転体への直流電圧の印加を行なわない
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 前記記録材の通紙は連続通紙である請求
    項1の定着装置。
  3. 【請求項3】 前記一方の回転体とニップを形成する他
    方の回転体と接地間にダイオードをアノードが接地側と
    なるように接続した請求項1または2の定着装置。
  4. 【請求項4】 互に圧接して定着ニップを形成するとと
    もに回転して、前記定着ニップに通紙した記録材上に担
    持された未定着トナー像を加熱および加圧することによ
    り、未定着トナー像を記録材に定着する1対の回転体を
    有する定着装置において、未定着トナー像と接する側の
    回転体の表面に電荷を発生する電荷発生手段を備え、こ
    の電荷発生手段は、前記定着ニップに記録材が存在する
    とき、トナーと同極性の電荷を発生し、前記定着ニップ
    に記録材が存在しないとき、トナーと逆極性の電荷を発
    生することを特徴とする定着装置。
  5. 【請求項5】 前記電荷発生手段は直流電圧印加手段で
    あり、前記直流電圧印加手段を直流電圧の極性を変更し
    て印加可能に設け、前記定着ニップに記録材が存在する
    とき、トナーと同極性の直流電圧とし、前記定着ニップ
    に記録材が存在しないとき、上記と逆極性の直流電圧と
    する請求項4の定着装置。
  6. 【請求項6】 前記電荷発生手段は、未定着トナー像と
    接する側の前記回転体と接地間に設けられたダイオード
    であり、前記ダイオードの接続方向を変更可能に設け、
    前記定着ニップに記録材が存在するとき、前記ダイオー
    ドの接続方向をアノードが前記未定着トナー像と接する
    回転体側となる方向とし、前記定着ニップに記録材が存
    在しないとき、上記と逆方向にする請求項4の定着装
    置。
  7. 【請求項7】 記録材の未定着トナー像担持面と接する
    回転体と接地間に第2のダイオードを接続方向を変更可
    能に設け、前記第2のダイオードの接続方向を、前記定
    着ニップに記録材が存在するとき、アノードが接地側と
    なる方向とし、前記定着ニップに記録材が存在しないと
    き、上記と逆方向にする請求項6の定着装置。
  8. 【請求項8】 前記記録材の通紙は連続通紙である請求
    項4〜7のいずれかの項に記載の定着装置。
  9. 【請求項9】 互に圧接して定着ニップを形成するとと
    もに回転して、前記定着ニップに通紙した記録材上に担
    持された未定着トナー像を加熱および加圧することによ
    り、未定着トナー像を記録材に定着する1対の回転体を
    有し、前記記録材の未定着トナー像担持面とは反対側の
    裏面と接する側の回転体の表面に電荷を発生する電荷発
    生手段を備えた定着装置において、前記電荷発生手段
    は、前記定着ニップに記録材が存在するとき、トナーと
    逆極性の電荷を発生し、前記定着ニップに記録材が存在
    しないとき、トナーと同極性の電荷を発生することを特
    徴とする定着装置。
  10. 【請求項10】 記録材の未定着トナー像担持面とは反
    対側の裏面と接する前記回転体と接地間にダイオードを
    接続方向を変更可能に設け、前記定着ニップに記録材が
    存在するとき、ダイオードの接続方向をアノードが接地
    側となる方向とし、前記定着ニップに記録材が存在しな
    いとき、ダイオードの接続方向を上記と逆方向にする請
    求項9の定着装置。
  11. 【請求項11】 前記記録材の通紙は連続通紙である請
    求項9または10の定着装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8249478B2 (en) 2008-10-21 2012-08-21 Samsung Electronics Co., Ltd. Fusing unit to fuse developing agent on a print medium, image forming apparatus, and method of controlling the same
JP2014089345A (ja) * 2012-10-30 2014-05-15 Canon Inc 定着装置及び画像形成装置

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