JPH11160741A - 積層型熱光学スイッチ、該スイッチを構成要素とするスイッチマトリックスおよび光アドドロップマルチプレクサ - Google Patents

積層型熱光学スイッチ、該スイッチを構成要素とするスイッチマトリックスおよび光アドドロップマルチプレクサ

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JPH11160741A
JPH11160741A JP26866198A JP26866198A JPH11160741A JP H11160741 A JPH11160741 A JP H11160741A JP 26866198 A JP26866198 A JP 26866198A JP 26866198 A JP26866198 A JP 26866198A JP H11160741 A JPH11160741 A JP H11160741A
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switch
optical
core
substrate
thermo
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JP26866198A
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Naoki Oba
直樹 大庭
Takashi Kurihara
栗原  隆
Toshio Watanabe
俊夫 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低消費電力かつ低損失で消光比の高い積層型
熱光学スイッチを提供すること。 【解決手段】 Y分岐構造の熱光学スイッチを形成する
光導波路のコア12および13を、基板11に対して垂
直な方向に積層配置するとともに、コア12および13
が交差する領域の真上のクラッド14上に加熱部15を
配置することにより、該加熱部15による基板11に垂
直な方向の大きな温度勾配を利用可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長多重光通信
(WDM)システムにおいて、通信幹線の高速化や低コ
スト化のために必要なバス切り替え処理の光化を実現す
る光クロスコネクト、または、波長多重光信号に任意の
波長信号を追加する、または、波長多重光信号から任意
の波長信号を取り出すアドドロップマルチプレクサ(A
DM)のキーデバイスとなる熱光学効果を利用した光路
切替スイッチに関し、さらに詳しくは、これら光路切替
スイッチにおいて、低電力動作、高消光比、低ロス特性
を実現するために、光路が積層型に配置された積層型熱
光学スイッチの設計概念およびそれに基づいて製造され
る積層型熱光学スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】WDMシステムに必須の光クロスコネク
トまたは光ADMには、高性能の光スイッチが不可欠で
ある。
【0003】光スイッチの中で、物理的に分離された光
路間で光信号の接続切り替えを行う光スイッチを空間分
割光スイッチという。空間分割光スイッチとしては、光
導波損失の小さいガラスや高分子材料を用いた光路切替
スイッチが有望である。スイッチングの機構としては、
熱光学効果が多く用いられる(例えば、NTT R&
D、第44巻、第7号、p.547−552参照)。
【0004】熱光学光路切替スイッチについては、アデ
ィアバティック導波を利用するもの、方向性結合器(D
C)の異方性効果を利用するもの、マッハツェンダー干
渉計(MZI)を構成するものがある。
【0005】アディアバティック型は、基板に平行な面
内のY分岐やX分岐形状の光導波路によって構成される
光路切替スイッチであり、分枝間の屈折率差をある程度
以上与えると特性の飽和した安定なスイッチングが実現
されるため、デジタル型スイッチとして知られている
(Y.Hida et al., 'Electron Lett.' Vol.33, 1997, p.
626、又はN.Keil et al., 'ECOC 96' 2.71 参照)。
【0006】DC型は、基板に平行な面内の方向性結合
器で構成され、熱光学効果で完全結合する対称DCと結
合しない非対称DCとの2つの動作を切り替える(N.Kei
l etal., 'Electoron Lett.' Vol.31., 1995, p.403
参照)。
【0007】MZI型は、熱光学位相シフタを用いて0
度あるいは180度の特定位相差を与え、光路を切り替
える。
【0008】デジタル型スイッチおよびDC型スイッチ
は、動作が安定であり、高消光比が得られる反面、消費
電力が大きいという欠点がある。
【0009】単体のマトリックススイッチとしては、石
英製光導波路を用いたMZI型熱光学スイッチを単位ス
イッチとする16×16規模のもの(郷ら、1998年
電子情報通信学会総合大会C−3−129)、高分子製
光導波路を用いたDC型熱光学スイッチを単位スイッチ
とする4×4規模のもの(N. Keil et al., Electron.
Lett., Vol. 31, p. 403, 1995)などが知られている。
前者は、石英製MZI型熱光学スイッチの欠点である大
きな消費電力、大きいスイッチ回路、制御系の複雑さの
問題を抱えている。後者は、高分子光導波路の欠点であ
る大きい導波損失のために、低損失な大規模マトリック
ススイッチへの発展は難しい。また、1×8規模の石英
製MZI型熱光学スイッチやスプリッターを光ファイバ
配線して組み合わせた分配合流型マトリックスも現実的
な解として研究されているが(渡辺ら、1996年電子
情報通信学会ソサイエティ大会B−1081)、単位ス
イッチ自体が持つ欠点に加え、ファイバ配線の煩雑さの
問題の解決の見通しがない。
【0010】光ADMデバイスとしては、多重波長合分
波器とMZI型熱光学スイッチを石英ガラス製光導波路
を用いて単一基板上に作製した例がある(岡本ら、19
95年電子情報通信学会総合大会、C−254)。これ
は、熱光学スイッチを波長多重数だけ並列に使用するも
ので、上記の石英製MZI型熱光学スイッチの欠点、さ
らには大規模化に伴うチップの作製歩留まりの問題を抱
えている。
【0011】また、システムサイドから見ると、光クロ
スコネクト用途については、スイッチ動作の安定性とコ
ヒーレントクロストークの徹底的な低減が、さらに強く
求められている。加えて、まだ実用前とはいえ、将来の
光クロスコネクトシステムの想定実装規模は決して小さ
いものではなく、今後は、デジタル型、DC型、MZI
型を問わず光導波路スイッチ全般に対して、基本的スイ
ッチング性能ばかりでなく、小型化や低コスト化が求め
られてくることが予想される。光ADM用途について
は、光ADM自体が光クロスコネクトよりもユーザーに
近い階層にあることから、市場規模が大きく、そのため
低コスト化・小型化の要求が一段と厳しい。しかしなが
ら、現状の光導波路スイッチの性能は、これらシステム
要求に対して十分に応えるに至っていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、現状
の熱光学効果を利用した光路切替スイッチは、デジタル
型およびDC型とも、基板に平行な面内に展開する光導
波路回路を用いているため、スイッチを動作させるのは
基板に平行な方向の温度勾配である。この方向の温度勾
配をクラッド上に配置したヒーターから与えるには、コ
アから離れた位置にヒーターを配置する必要があるた
め、加熱効率が悪く、動作電力の増加を招くという問題
があった。さらに、スイッチ動作に無関係な基板の垂直
方向の温度勾配も同時に生じるため、光導波損失の増加
等、スイッチ特性の悪化を防ぐことが難しいという問題
も抱えていた。
【0013】また、現在、考案されている光クロスコネ
クトスイッチは、多数の単体スイッチとカプラを分配合
流型に組み合わせた大規模な構成が主であり、光ファイ
バによる高密度配線も極限に達しているのが現状であ
る。また、光ADMデバイスについては、高度な設計・
作製技術を駆使した1チップ化の試みもなされている
が、設計上、それ以上の小型化が困難な状況において、
チップの作製歩留りという大きな問題を残している。
【0014】このように、現状の光路切替スイッチ全般
においては、小型化・低コスト化の面でも決定的な打開
策がないという問題があった。
【0015】したがって、本発明の第1の目的は、ヒー
ター加熱により生じる温度勾配を最大限に活用すること
ができ、低消費電力かつ低損失で消光比の高い積層型熱
光学スイッチを提供することにある。
【0016】また、本発明の第2の目的は、導波路スイ
ッチ構成の上で、従来にない小型化や低コスト化の方法
論を具体的に提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明では、Y分岐ある
いはX分岐あるいは方向性結合器構造の熱光学スイッチ
を形成する光導波路のコアを、従来のような基板に平行
な面内での配置から基板に垂直な方向の積層構造とし、
かつ、ヒーターをコアの真上に配置して基板に垂直な方
向の大きな温度勾配を効率的に利用することによって、
前記第1の目的を達成した。しかも、従来型の熱光学光
路切替スイッチが有していた利点は、原理上、本発明に
おいても全て維持されている。
【0018】また、前記の積層型の導波路配置は、単に
低電力化や高消光比化に効果的であるばかりでなく、複
数の素子機能を上下2層に機能分担したコンパクトな素
子構成を可能とすることを見い出し、これによって、第
2の目的も達成することができた。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の第1の構成は、2本のコ
アが基板と垂直な方向に積層される積層型熱光学スイッ
チにおいて、2本のコアが直接接して配置される接触部
を有し、加熱部は、基板と垂直な方向から見て前記接触
部近傍の少なくとも一部に重なる位置に、基板と反対側
に所定の厚さのクラッド層を介して配置されることを特
徴とする。このように層を異にする2本のコアがある領
域で直接接触する光導波路配置をとる構成を、接触配置
と定義する。この際、2つのコアは異なる屈折率を有し
ていても良い。
【0020】本発明の第2の構成では、基板と垂直な方
向から見て重なる2つのコアが、所定の厚さのクラッド
層を介して配置されることを特徴とする。以下、この構
成を、前述の接触配置に対比させて、ギャップ配置と、
定義する。この場合も、2つのコアは異なる屈折率を有
していて良い。
【0021】接触配置は、デジタル型スイッチ、ギャッ
プ配置はDC型スイッチとすることが適当と考えられる
が、ギャップ配置のデジタル型スイッチや接触配置のD
C型スイッチも、原理上は動作可能であり、限られた要
求条件においては、適用が拒まれるものではない。
【0022】以下、本発明の積層型熱光学スイッチの構
造、動作原理および特徴について、接触配置のデジタル
型スイッチならびにギャップ配置のDC型スイッチを例
にとって説明する。
【0023】図1および図2は、Y分岐タイプ接触配置
のデジタル型スイッチの一例および他の例を示すもの
で、それぞれ同図(a)は平面図、同図(b)は正面
図、同図(c)は側面図である。図1および図2におい
て、11および21は基板、12および22は上層コ
ア、13および23は下層コア、14および24はクラ
ッド、15および25は加熱部である。ここで、図1は
上層コア12を入力とするタイプであり、図2は下層コ
ア23を入力とするタイプである。
【0024】加熱部15および25としては、一般に金
属薄膜ヒーターを用いる。図1および図2では発熱部位
のみを示し、電流を流すためのリードは省略している。
また、図2では加熱部25の位置を上層コア22の真上
に対して下層コア23から離れた側にオフセットさせ、
2つのコアの温度差が最大となるようにして動作電力の
低減を図っている。
【0025】高分子材料のように熱光学定数が負の場合
は、加熱部に近い側である上層コアの屈折率が、基板に
近い側である下層コアの屈折率より高くなるようにコア
材料を選択することが効果的である。
【0026】スイッチの各領域の構造と働きを以下にま
とめる。
【0027】A:通常の単一の光導波路の領域。図1の
ように上層コアとしても、図2のように下層コアとして
も動作上の本質的な差はなく、スイッチを含む光回路全
体の設計に対応して選ぶことができる。
【0028】B:2つのコアの合計の断面積が徐々に変
化する領域。断面積がモード変換を起こさない程度に徐
々に変化すること(アディアバディック条件)が本質で
あり、図1と図2の様な形状の違いは特性に大きな影響
を与えない。
【0029】C:2つのコアがモード結合を持ち、その
中心がアディアバティック条件を満たして離れていく領
域。
【0030】D:結合のない独立した2つのコアを持つ
光導波路の領域。
【0031】図1,2では、上層コアが直線になるよう
に表したが、上記のアディアバティック条件さえ守られ
れば、曲線部や折れ曲がり部が上層コアや下層コアにあ
ってもかまわない。
【0032】C領域とD領域との境界における基本モー
ドの電場は、等価屈折率が高いコアに集中している。そ
のため、A領域から入射した基本モードの光は、B領域
およびC領域においてアディアバティック条件が満たさ
れると、等価屈折率の高い側にコアに選択的に導かれ
る。従って、入射光は、加熱部を動作させていない時
は、等価屈折率が高くなるように設計してある上層コア
に出力され、加熱部を動作させ、熱光学効果により上層
コアの等価屈折率が低くなると、下層コアに導かれる。
【0033】図3は、X分岐タイプ接触配置のデジタル
型スイッチの一例を示すもので、同図(a)は平面図、
同図(b)は正面図、同図(c)は側面図である。図
中、31は基板、32は上層コア、33は下層コア、3
4はクラッド、35は加熱部である。分岐形状以外の構
造は、Y分岐タイプと同等である。また、C領域および
D領域の構造と働きは上記のY分岐タイプの通りであ
り、E領域の構造と働きは、ヒーターの有無以外、C領
域と同じである。
【0034】C−D境界とE−D境界において、基本
(0次)モードの電場は等価屈折率が高いコアに集中
し、1次モード電場は等価屈折率が低いコアに集中して
いる。そのため、C領域およびE領域においてアディア
バティック条件が満たされると、入力側で等価屈折率の
高い側のコアから入射した光は、出力側の等価屈折率の
高い側のコアに導かれ、かつ、等価屈折率の低い側のコ
アから入射した光は、等価屈折率の低い側のコアに導か
れる。
【0035】加熱していない時、In1とIn2に入射
した光は、それぞれOut1とOut2に出力され、バ
ーステイトとなる。加熱部35を動作させ、C領域のみ
上層コアと下層コアの等価屈折率の上下関係を反転する
と、In1とIn2に入射した光は、それぞれOut2
とOut1に出力され、クロステイストとなり、2×2
スイッチとして機能する。
【0036】このように、基板に垂直な方向の温度勾配
により動作するデジタル型熱光学スイッチは、本発明の
積層型熱光学スイッチにより初めて実現されるものであ
る。従来の熱光学スイッチは、基板に平行な面内に展開
する光導波路回路を用いているため、スイッチを動作さ
せるのは、基板に平行な方向の温度勾配である。この方
向の温度勾配を、クラッド上に配置したヒータから与え
るためには、ヒータをコアから離れた位置に配置する必
要があるため、分岐部断面の温度分布は、図4(a)に
示すようになる。このため、分岐方向の温度勾配を得る
ためには、加熱効率が悪く、動作電力の増加を招くとい
う問題があった。さらに、スイッチ動作に無関係な基板
に垂直な方向の温度勾配も同時に生じるため、導波損失
の増加などスイッチ特性の悪化を防ぐことが難しいとい
う課題を抱えていた。
【0037】これに対して、本発明の積層型熱光学スイ
ッチでは、図4(b)に示す通り、光の分岐方向が熱勾
配の方向と一致しており、ヒータ直下における大きな温
度勾配を利用することで、従来になく停電力で駆動する
ことが、可能となった。しかも、デジタル型の特徴であ
る安定動作と高消光比も、従来と同等以上に維持され
る。
【0038】図5は、ギャップ配置のDC型スイッチの
一例を示すもので、同図(a)は平面図、同図(b)は
正面図、同図(c)は側面図である。図中、41は基
板、42は上層コア、43は下層コア、44はクラッ
ド、45は加熱部、46はギャップである。
【0039】スイッチの各部分の構造と働きを以下にま
とめる。
【0040】D:結合のない独立した2つのコアを持つ
光導波路の領域。
【0041】F:方向性結合器(DC)の結合領域。
【0042】図では上層コア42と下層コア43が交差
する形状を示しているが、D領域で曲がる方向を変えて
In1とOut1が同じ側に来るようにすることもでき
る。動作原理は、上層コアと下層コアの伝搬定数が同じ
場合(タイプ1)と異なる場合(タイプ2)で異なる。
【0043】タイプ1では、F領域の長さを完全結合長
としておき、非加熱時にはクロスステイト、即ちIn1
−Out2とIn2−Out1の組み合わせが透過状態
とする。加熱部45を動作させると、F領域は熱光学効
果により非対称DCとなる。適切な加熱電力を設定する
ことでバーステイトが実現され、2×2スイッチとして
動作する。
【0044】タイプ2では、加熱部45を動作させて上
層コア42と下層コア43の伝搬定数が等しくなる加熱
電力を設定する。F領域の長さは、この状態の完全結合
長としておき、加熱部45の動作時にクロスステイトを
実現する。非加熱時に非対称DCとしてバーステイトと
なるように予め上層コア材料と下層コア材料の屈折率差
を設定しておく。
【0045】このように、基板に垂直な方向の温度勾配
により動作するDC型熱光学スイッチも、本発明の積層
型熱光学スイッチにより初めて実現されるものである。
前述のデジタル型スイッチと同様に、DC型においても
低電力化を進めることに成功している。
【0046】本発明の積層型熱光学スイッチでは、上下
層コア間に等価屈折率の差を形成することが重要であ
る。通常、2つのコアが同一材料の場合からなる場合、
両コア間に等価屈折率差をつけるためには、コアの大き
さ(幅や高さ)を変化させたり、それ専用にヒーター点
灯を行う必要がある。しかしながら、本発明の積層型の
導波路レイアウトにおいては、上層コアと下層コアを独
立した工程で作製できるので、あらかじめ屈折率の異な
る材料で2つのコアを作製する事ができる。そのため、
コア径の調整や余分なヒーター点灯等の煩雑な操作を必
要としないという利点がある。
【0047】さらに、本発明においては上層コアと下層
コアをそれぞれ独立した工程で作製できるので、2つの
コアを熱光学定数の異なる組み合わせで作製することも
容易にできる。
【0048】上層コアおよび下層コアが同一材料(例え
ば材料A)の場合に比べて、上層コアにAを用い、下層
コアに熱光学定数がAより小さい材料、さらには熱光学
定数の符号が異なる材料を用いれば、効率的に消光を確
保することができ、結果的に小さな動作電力で十分な特
性を得ることができる。
【0049】ただし、材料の熱伝導率が大きいと熱が基
板に逃げ易くなり、結果的に動作電力が大きくなるた
め、特に下層コアの材料は、熱光学定数の大小のみなら
ず、熱伝導率が小さい材料を選ぶ必要がある。例えば、
下層コアを石英ガラス、上層コアを高分子として接触配
置の積層型スイッチを作製すると、石英ガラスの熱伝導
率は高分子の約10倍もあるので、上層コアおよび下層
コアとも高分子で作製した場合より消費電力が大きくな
ることが予想される。このため、熱伝導率が高分子の2
倍以下で熱光学定数が小さい材料を下層コアに使って初
めて低消費電力化が可能になると考えられる。後述する
実施形態6,7では、この点を考慮してギャップ配置の
DC型スイッチ、つまりギャップが断熱層となり、上層
コアが熱的に石英ガラス層と接触しないスイッチのみに
ついて記述した。
【0050】具体例として、下層コアに石英ガラスを用
いた場合を考える。石英ガラスの平面光波回路は、導波
損失が大変小さく(〜0.01dB/cm)低損失な大
規模光集積回路を構成した実績が数多くある。したがっ
て、本発明の積層型熱光学スイッチにおいて、下層をこ
の石英ガラス、上層を高分子とすることで、高分子の大
きい熱光学定数を利用した低損失の光クロスコネクト回
路や光分岐挿入(光ADM)回路を実現することが可能
となる。
【0051】例えば、図10に示すように、下層は低導
波損失の石英ガラス製交差マトリックス光導波路、上層
は下層コアとの結合部を両端に持つスイッチ用高分子光
導波路によるマトリックススイッチが考えられる。結合
部は、前述のタイプ2のギャップ配置DC型スイッチと
することで、必要な4つの単位スイッチを加熱動作させ
ることで4×4の非ブロッキング接続が実現できる。8
×8のようにマトリックス規模を拡大する時でも、低損
失である下層光導波路の引き回しが長くなるのみであ
り、スイッチ用高分子光導波路を信号光が通るのは各接
続チャンネルとも1回のみなので損失の増加を低く抑え
る事が出来る。
【0052】また、下層コアは互いに交わることのない
無機ガラス製の複数本の光導波路、上層コアは1本もし
くは下層コアと必ずしも同本数ではない複数本の高分子
光導波路であって、下層コアと上層コアが基板に垂直な
方向から見て交差する部分に請求項1記載のスイッチが
構成されているスイッチマトリクスも考えられ、例え
ば、図11に示すような光ADM回路が構成できる。こ
の回路を用いれば、複数の下層ガラスコアそれぞれには
異なる波長信号が流れており、アドレスしたい波長信号
の流れる下層コアと上層コアの間に設置されたスイッチ
を駆動させることによって、その信号を取り出すと同時
に、同一波長の新しい信号を挿入することができる。
【0053】以上2つの例では、ギャップ配置DC型ス
イッチを用いたが、例えば、積層×構造のデジタル型ス
イッチでも、同様のマトリックススイッチを構成でき
る。
【0054】このように、上下層コアに異種材料を用い
る試みは、低電力化のような特定の効果を増大させるば
かりでなく、光導波路を機能分担し、各々の機能に最適
な材料を配するという、幅広い光導波路部品設計を可能
にする。同時に、こうした機能分担の思想は、デバイス
の小型化や歩留まり解消を含めた低コスト化に関しても
非常に効果的であり、単純計算による最低限の見積りで
も、デバイスサイズや歩留まりを1/2以下程度には削
減できる。図10や図11はその実例である。機能分担
の要素となる光導波路層個々の機能としては、本発明で
詳しく述べた光スイッチ機能やパッシブな光導波機能の
他に、光変調、WDM、光増幅などをあげることができ
る。
【0055】以下、本発明を実施形態により更に具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定される
ものではない。
【0056】(実施形態1)図6は、Y分岐タイプ接触
配置のデジタル型スイッチの実施形態、ここでは符号1
0で示す部分として図1に示した上層コアを入力とする
スイッチを含む例を示す。各部のサイズは、コアの上下
層とも断面8μm×8μm、下層コアと基板との間のク
ラッド厚20μm、上層コア上のクラッド厚14μm、
基板に水平な面内に投射された上層コアと下層コアとが
成す角度(以下、単に分岐角という。)0.2度、ヒー
ター長7mmとした。なお、15aは加熱部15の端子
である。
【0057】材料としては、重水素化ポリメタクリル酸
メチル(以下、d8−PMMAという。)を上層コア、
部分フッソ化率を上げて上層よりも屈折率を下げたd8
−PMMAを下層コア、エポキシ系紫外線硬化樹脂(以
下、UV樹脂という。)をクラッドに用いた。上下コア
およびクラッドの屈折率(波長1.55μm)は、各々
1.4800,1.4794,1.4753であった。
【0058】シリコン基板上にUV樹脂をスピンコート
し、紫外線照射により硬化させ、厚さ20μmの下層ク
ラッドを作製した。この上に厚さ8.5μmの下層コア
用d8−PMMA層を形成した。この上にレジストを塗
布し、パターン露光、現像を行った。さらにこのレジス
トパターンをマスクとして、酸素ガスの反応性イオンエ
ッチングを行い、d8−PMMA層を8μm×8.5μ
mの矩形状に加工し、レジストパターンを剥離した。
【0059】次に、このリッジ型光導波路上にUV樹脂
をスピンコートし、紫外線硬化し、厚さ9.5μmの平
坦なUV樹脂膜を得た。次に、マスクなしで全面を反応
性イオンエッチングにより1.5μm削りとった。これ
により、断面が8μm×8μmのd8−PMMA下層コ
アが、周囲のUV樹脂クラッドと上面を揃えて形成され
た。
【0060】さらに、この上に、厚さ8μmの上層コア
用d8−PMMAを積層し、レジスト塗布後、精密に位
置合わせされた上層コア用のマスクを用いて、パターン
露光、現像を行い、さらに反応性イオンエッチングによ
って、幅8μmに上層コアを作製した。レジストパター
ンを剥離後、前記と同様な手順で、平坦なUV樹脂クラ
ッド層(厚さ22μm,コア上厚14μm)を形成し
た。
【0061】上述の平坦なUV樹脂クラッド上に金属薄
膜をスパッタ装置にて堆積し、フォトリソグラフィー法
およびドライエッチング法を用いて加熱部を形成した。
【0062】光導波路の入力および2つの出力にシング
ルモードファイバを突き合わせ接続し、入力側ファイバ
から波長1.55μmのレーザ光を入射した。上層コア
上の加熱部に通電し駆動させたところ、50mWの電力
で、全ての光信号が下層コアを通して出力された。この
時、光損失は3dB、消光比40dBであり、実用上十
分な特性を有する積層型熱光学スイッチが実現された。
【0063】(実施形態2)上層および下層コアとクラ
ッドに屈折率の異なる熱硬化シリコーンを用いて、第1
の実施形態と同様のY分岐タイプ接触配置のデジタル型
スイッチを作製した。各部のサイズおよび角度は、第1
の実施形態と同じとした。波長1.55μmでの屈折率
のデータを表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】シリコン基板上に溶媒に溶かしたクラッド
用熱硬化性シリコーンをスピンコートし、250℃1時
間の加熱により硬化させ、厚さ20μmの下層クラッド
を作製した。この上に厚さ8.5μmの下層コア用シリ
コーン層を同様に形成した。この上にレジストを塗布
し、パターン露光、現像を行った。さらにこのレジスト
パターンをマスクとして、四フッ化炭素の反応性イオン
エッチングを行い、下層コア層を8μm×8.5μmの
矩形状に加工した後、レジストパターンを剥離した。
【0066】次に、このリッジ型光導波路上にクラッド
用シリコーンをスピンコートし、熱硬化し、厚さ9.5
μmの平坦な下部クラッド膜を得た。次に、マスクなし
で全面を反応性イオンエッチングにより1.5μm削り
とった。これにより、断面が8μm×8μmの下層コア
が、周囲の下部クラッドと上面を揃えて形成された。さ
らに、この上に、厚さ8μmの上層コア用シリコーン膜
を積層し、レジスト塗布後、精密に位置合わせされた上
層コア用のマスクを用いて、パターン露光、現像を行
い、さらに反応性イオンエッチングによって、幅8μm
に上層コアを作製した。レジストパターンを剥離後、前
記と同様な手順で、平坦なクラッド層(厚さ22μm、
コア上厚さ14μm)を形成した。
【0067】上述の平坦なクラッド上に金属薄膜をスパ
ッタ装置にて堆積し、フォトリソグラフィー法およびド
ライエッチング法を用いて加熱部を形成した。
【0068】スイッチの構造として、第1の実施形態記
載の上層コア入力タイプ(タイプA)の他に、図2に示
した下層コア入力タイプ(タイプB)についても、併せ
て作製した。
【0069】作製した素子の各ポート間の挿入損失とヒ
ーター加熱電力との関係の測定結果を表2に示す。測定
波長は1.55μmである。
【0070】
【表2】
【0071】タイプA、タイプBとも、40〜80mW
の何れの加熱電力においても、オンポート(Out2)
挿入損失と消光比は、それぞれ2.2dB以下、37d
B以上であった。この加熱電力範囲においては、加熱電
力に依存しない、いわゆるデジタル的スイッチ特性を保
証できることが分かった。
【0072】(実施形態3)図7は、X分岐タイプ接触
配置のデジタル型スイッチの実施形態、ここでは符号3
0で示す部分として図3に示したスイッチを含む例を示
す。各部のサイズは、コアの上下層とも断面8μm×8
μm、下層コアと基板との間のクラッド厚20μm、上
層コア上のクラッド厚14μm、分岐角0.2度、ヒー
ター長4mmとした。使用した材料と作製プロセスは第
2の実施形態と同じである。なお、35aは加熱部35
の端子である。
【0073】作製した素子の各ポート間の挿入損失とヒ
ーター加熱電力との関係の測定結果を表3に示す。測定
波長は1.55μmである。
【0074】
【表3】
【0075】50〜90mWのいずれの加熱電力におい
ても、クロスポート挿入損失と消光比は、それぞれ2.
2dB以下、37dB以下であった。以上から、本光ス
イッチが加熱なしでバーステイト、50〜80mWの加
熱でクロスステイトとなる2×2スイッチとして動作す
ることが確かめられた。
【0076】(実施形態4)図8は、ギャップ配置のD
C型スイッチの実施形態、ここでは符号40で示す部分
として図5に示したスイッチを含む例を示す。各部のサ
イズは、コアの断面8μm×8μm、下層コアと基板と
の間のクラッド厚20μm、上層コア上のクラッド厚1
4μm、上下コア間のギャップ厚3μmとした。上下コ
アが重なる結合部分の長さは、完全結合長となる1.7
mmとし、ヒーター長は2mmとした。また、図5のD
領域における曲げ半径は30mmとした。使用した材料
と波長1.55μmにおける屈折率を表4に示す。作製
プロセスは第2の実施形態に準じている。ただし、上下
コア間のギャップ作製のため、下層コアは厚さ8μm、
下部クラッドは厚さ11μmとして、下部クラッド形成
後の全面エッチングは行っていない。
【0077】
【表4】
【0078】作製した素子の各ポート間の挿入損失とヒ
ーター加熱電力との関係の測定結果を表5に示す。測定
波長は1.55μmである。
【0079】
【表5】
【0080】以上の結果から、ヒーター加熱電力0mW
においてクロスステイト、32mWにおいてバーステイ
トとなる2×2スイッチとして動作することが確かめら
れた。
【0081】(実施形態5)第4の実施形態と同様の手
順で、コア材として市販の光学高分子材料、即ちアート
ン(日本合成ゴム製)あるいはゼオネックス(日本ゼオ
ン製)を用いてギャップ配置のDC型スイッチを作製し
た。クラッド材としては、各々のコア材に対して、1.
55μm帯での比屈折率差が0.3±0.05%となる
UV樹脂を用た。
【0082】作製した2つのギャップ配置のDC型スイ
ッチで40dB以上の消光比を得るためには70mW以
上のヒータが必要であった。
【0083】(実施例6)図8に示す構造のギャップ配
置のDC型スイッチにおいて、下層が無機ガラス製のコ
ア・クラッドからなるスイッチを作製した。使用した材
料を表6にまとめる。
【0084】
【表6】
【0085】Geドープ石英ガラスによる下部クラッド
および下層コアは、火炎堆積法で作製した。中間クラッ
ド作製以降のプロセスは、第1および第4の実施例に準
じた。光導波路構造を図9に示す。図中、51は基板、
52は高分子上層コア、53は石英ガラス下層コア、5
4は高分子上部クラッド、55は高分子中間クラッド、
56は石英ガラス下部クラッド、57は加熱部である。
各部のサイズは、第4の実施例と同じとした。
【0086】作製した素子の各ポート間の挿入損失とヒ
ータ加熱電力との関係の測定結果を、表7に示す。測定
波長は1.55μmである。
【0087】
【表7】
【0088】以上の結果から、ヒータ加熱電力3mWに
おいてバーステイト、24mWにおいてクロスステイト
となる2×2スイッチとして動作することが確かめられ
た。Geドープ石英ガラス光導波路は、本実施例におい
ては、上記のように、火炎堆積法で作製したものを用い
たが、化学気相堆積法およびその改良法等で作製したG
eドープ石英ガラス光導波路を用いても、スイッチ特性
に大きな変化は生じないことを確認した。
【0089】(実施例7)ギャップ配置のDC型スイッ
チを単位スイッチとする4×4マトリックススイッチを
作製した例を、図10に示す。上層コア、下層コアおよ
びクラッドのサイズ、材料は、第6の実施例と同様であ
る。
【0090】図10(a)は単位スイッチを示すもの
で、図中、61は石英ガラス製下層コアであり、交差角
20度の直線交差光導波路をなしている。62はUV樹
脂製上層コアであり、半径30mmで、長さ約10mm
の曲線部62aと、長さ1.7mmの直線結合部62b
とからなっている。なお、直線結合部62bのクラッド
上には、図示しない加熱部が配置される。非加熱時に
は、In1−Out2、In2−Out1の組み合わせ
が接続状態になる。両端の直線結合部62bを同時に加
熱すると、光は上層コアに結合し、In1−Out1が
接続状態になる。
【0091】この単位スイッチ60を16個、図10
(b)に示すように結合して4×4マトリックススイッ
チを作製した。なお、63は入出力用石英ガラスの下層
光導波路である。必要な4つの単位スイッチ60を加熱
動作させることで、4×4の非ブロッキング接続が実現
された。マトリックススイッチ動作時の特性を、表8に
示す。
【0092】
【表8】
【0093】(実施例8)ギャップ配置の2×2 DC
型スイッチを、単位スイッチとする光ADM回路を作製
した。8チャネルの石英ガラス製AWG2つを、8本の
石英ガラス製無分岐無交差導波路で結んで、これを下層
コアとし、1本の熱硬化シリコーン樹脂製の上層コアが
基板に垂直な方向から見て下層の石英ガラス製無分岐無
交差導波路と交差する部分にギャップ配置DC型スイッ
チを設置した。高分子導波路材料として熱硬化シリコー
ン樹脂を用いたことを除いて、上層下層の各コアサイズ
とコア間隔および比屈折率差、上層下層の各コアクラッ
ド間の比屈折率差等は、実施例6、7と同一条件とし
た。上層の熱硬化シリコーン樹脂製導波路上に並んだ8
個のスイッチは、それぞれ8波長の中の1波長に対応し
ている。概略の構成は、図11に対応する。スイッチ部
分は、比加熱時はバー状態、加熱時はクロス状態となる
ように設計した。8個のスイッチについて、任意に選ん
だスイッチを次々に動作させることで、対応する波長の
信号を、随時、分岐挿入することができた。この時の回
路特性を、表9に示す。
【0094】
【表9】
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
スイッチを構成する少なくとも2本のコアを積層型とす
ることによって、理想的な温度勾配の利用と最適な光導
波路材料の選択が可能となり、従来にない低電力動作を
実現可能となった。また、厚み方向に配置する構造であ
るために、スイッチ自体をコンパクトに抑えることが可
能となり、光クロスコネクトや光ADMのような大規模
スイッチへの展開も用意とすることができ、光路切替が
必要となるあらゆる領域において、従来の光スイッチ以
上の性能が発揮できるので、将来の光波ネットワークや
光LANに不可欠な部品として幅白く活用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Y分岐タイプ接触配置のデジタル型スイッチの
一例を示すもので、(a)は平面図、(b)は正面図、
(c)は側面図である。
【図2】Y分岐タイプ接触配置のデジタル型スイッチの
他の例を示すもので、(a)は平面図、(b)は正面
図、(c)は側面図である。
【図3】X分岐タイプ接触配置のデジタル型スイッチの
一例を示すもので、(a)は平面図、(b)は正面図、
(c)は側面図である。
【図4】デジタル型熱光学スイッチの分岐部断面の温度
分布を示す断面図であり、(a)は従来の平面型スイッ
チを示し、(b)は本発明の積層型スイッチを示してい
る。
【図5】ギャップ配置のDC型スイッチの一例を示すも
ので、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面
図である。
【図6】Y分岐タイプ接触配置のデジタル型スイッチの
実施例を示す平面図である。
【図7】X分岐タイプ接触配置のデジタル型スイッチの
実施例を示す平面図である。
【図8】ギャップ配置の方向性結合型スイッチの実施例
を示す平面図である。
【図9】ギャップ配置の方向性結合型スイッチの他の実
施例を示す断面図である。
【図10】ギャップ配置の方向性結合型スイッチを集積
した4×4マトリックススイッチの実施例を示す構成図
であり、(a)は要部の構成図であり、(b)はスイッ
チマトリックス全体の構成図である。
【図11】ギャップ配置の2×2方向性結合器型スイッ
チを単位スイッチとした本発明による光ADM回路の構
成図である。
【符号の説明】
11、21、31、41、51 基板 12、22、32、42、52、62 上層コア 13、23、33、43、53、61 下層コア 14、24、34、44 クラッド 15、25、35、45、57 加熱部 46 ギャップ 54 上部クラッド 55 中間クラッド 56 下部クラッド 60 単位スイッチ 101 平面型デジタル熱光学スイッチ 102 積層型デジタル熱光学スイッチ 103 分岐部コア断面 104 10℃毎の等温線 105 加熱中のヒータの断面 106 非加熱中のヒータの断面 107 基板

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と垂直な方向に直接あるいは所定の
    厚さのクラッド層を挾んで配置される少なくとも2本の
    コアと、 基板と垂直な方向からみて前記コアが重なる領域近傍に
    熱光学屈折率変化を誘起させて前記少なくとも2本のコ
    ア間で光路を切り換えるために、前記コアが重なる領域
    近傍の真上からクラッドを介して加熱する加熱部と、を
    備えたことを特徴とする積層型熱光学スイッチ。
  2. 【請求項2】 前記2本のコアが基板と垂直な方向に直
    接接して配置される部分を有し、 前記加熱部は、基板と垂直な方向から見て接触部近傍の
    コアと重なる位置に、接触部に対して基板と反対側に所
    定の厚さのクラッド層を介して配置されている、ことを
    特徴とする請求項1に記載の積層型熱光学スイッチ。
  3. 【請求項3】 前記2本のコアが所定の厚さのクラッド
    層を介して互いに光結合する部分を有し、 前記加熱部は、前記光結合可能な部分の少なくとも一部
    に基板と垂直な方向から見て重なる位置に、基板と反対
    側に所定の厚さのクラッド層を介して配置されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の積層型熱光学スイッ
    チ。
  4. 【請求項4】 前記各コアの熱光学定数が異なることを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の積層型
    熱光学スイッチ。
  5. 【請求項5】 下層コアが互いに交わることのない無機
    ガラス製の複数本の光導波路からなり、上層コアが互い
    に交わることがなく前記下層コアと必ずしも同本数では
    ない高分子製の光導波路からなり、前記下層コアと上層
    コアが基板に垂直な方向から見て交差する部分に請求項
    1記載のスイッチが形成されていることを特徴とするス
    イッチマトリックス。
  6. 【請求項6】 下層コアが無機ガラス製の網目状の交差
    光導波路からなり、上層コアの両端が、基板に垂直な方
    向からみて交差する異なる2本の下層コアを交差点を挾
    むようにして、当該下層交差コアそれぞれと、請求項1
    記載のスイッチを構成していることを特徴とするスイッ
    チマトリックス。
  7. 【請求項7】 請求項5あるいは請求項6記載のスイッ
    チマトリックスを介して、2つの多重波長合分波器が接
    続されてなることを特徴とする光アドドロップマルチプ
    レクサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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