JPH11160697A - 反射型液晶表示素子 - Google Patents

反射型液晶表示素子

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JPH11160697A
JPH11160697A JP9324614A JP32461497A JPH11160697A JP H11160697 A JPH11160697 A JP H11160697A JP 9324614 A JP9324614 A JP 9324614A JP 32461497 A JP32461497 A JP 32461497A JP H11160697 A JPH11160697 A JP H11160697A
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JP
Japan
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liquid crystal
light
crystal display
layer
film
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JP9324614A
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English (en)
Inventor
Riyouta Mizusako
亮太 水迫
Isao Adachi
勲 安達
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表示を充分に明るくすることができる反射型の
カラー液晶表示素子を提供する。 【解決手段】前側基板11の内面に透明電極13を設
け、後側基板12の内面に、表面に複数の色の着色層1
6R,16G,16Bを形成した反射膜14と、その上
に形成された透明電極17とを設けるとともに、一対の
基板11,12間に、二色性染料が添加された光の透過
と吸収を制御する液晶層19を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、反射型のカラー
液晶表示素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、カラーフィルタを備えた液晶表示
素子は、そのほとんどがバックライトからの光を利用し
て表示するものであったが、最近では、自然光や室内照
明光等の外光を利用して表示する反射型の液晶表示素子
にも、カラーフィルタを備えたものが見られるようにな
ってきている。
【0003】図7は従来のカラーフィルタを備えた反射
型液晶表示素子の断面図である。この液晶表示素子は、
TN(ツイステッド・ネマティック)モードのものであ
り、図示しない枠状シール材を介して接合された間隙を
存して対向する前後一対の透明基板1,2間に、カイラ
ル材を添加したネマティック液晶層7を設けるととも
に、両基板1,2の外面にそれぞれ偏光板8,9を配置
し、その後側の偏光板9の背後に反射板10を配置した
構成となっている。なお、前記偏光板8,9は一般に前
側および後側基板1,2の外面に貼り付けられており、
前記反射板10は後側偏光板9の後面に貼り付けられて
いる。
【0004】この液晶表示素子は、例えばTFT(薄膜
トランジスタ)を能動素子とするアクティブマトリック
ス方式のものであり、その後側基板2の内面には、行方
向および列方向にマトリックス状に配列された複数の透
明な画素電極3が設けられている。なお、図では省略し
たが、この後側基板2の内面には、前記複数の画素電極
3にそれぞれ接続された複数のTFTと、各行のTFT
にゲート信号を供給する複数のゲートラインと、各列の
TFTにデータ信号を供給する複数のデータラインが設
けられている。
【0005】また、前側基板1の内面には、前記各画素
電極3にそれぞれ対応する複数の色のカラーフィルタ、
例えば赤、緑、青のカラーフィルタ4R,4G,4Bが
交互に並べて設けられており、その上に、前記各画素電
極3に対向する一枚膜状の透明な対向電極5が設けられ
ている。
【0006】さらに、前記両基板1,2の内面にはそれ
ぞれ、前記電極3,5を覆って配向膜6a,6bが設け
られており、前記液晶層7の液晶分子7aは、それぞれ
の基板1,2の近傍における配向方向を前記配向膜6
a,6bで規制され、両基板1,2間において所定のツ
イスト角でツイスト配向している。
【0007】なお、前記液晶分子7aのツイスト角は、
一般にはほぼ90°とされており、上記偏光板8,9
は、それぞれの透過軸を互いにほぼ直交させるか、ある
いはほぼ平行にして配置されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のカ
ラーフィルタを備えた反射型液晶表示素子は、偏光板
8,9およびカラーフィルタ4R,4G,4Bによる光
の吸収が大きく、そのために表示が非常に暗いという問
題をもっている。
【0009】すなわち、上記従来の反射型液晶表示素子
では、その前面から入射する光が、まず前側偏光板8に
よりその吸収軸に沿った偏光成分の光を吸収されて、光
量がほぼ半分に減少した直線偏光になるため、この時点
で光量を大きく減じてしまう。
【0010】また、前側偏光板8を透過した光は、カラ
ーフィルタ4R,4G,4Bによりその吸収波長帯域の
光を吸収されて、これらのカラーフィルタ4R,4G,
4Bの色に着色した光になる。
【0011】そして、前記カラーフィルタ4R,4G,
4Bを透過した光は、液晶層7を透過して後側偏光板9
に入射し、この後側偏光板9を透過した光が反射板10
で反射されて、前記後側偏光板9と液晶層7とカラーフ
ィルタ4R,4G,4Bと前側偏光板8とを順に透過し
て前面に出射するが、その過程でも、前記偏光板8,9
およびカラーフィルタ4R,4G,4Bによりある程度
の光が吸収される。
【0012】さらに、従来の反射型液晶表示素子は、カ
ラーフィルタ4R,4G,4Bが前側基板1の内面に設
けられており、反射板10が後側基板2の後面側に配置
されているため、カラーフィルタ4R,4G,4Bから
反射板10までの距離が大きく、そのため、図7に矢線
で示したように前面から入射し反射板10で反射されて
前面に出射する光のうちの一部の光が、入射経路と出射
経路とで色の異なるカラーフィルタに入射し、これらの
カラーフィルタによりそれぞれの吸収波長帯域の光を吸
収されてほとんど出射しない。
【0013】すなわち、反射型液晶表示素子は、一般
に、その画面(液晶表示素子の前面)の上縁側から主に
外光を取り込むように、画面に垂直な方向に対して画面
の上縁側に傾いた方向を明るい外光が得られる方向に向
けて使用され、その表示は、正面方向、つまり画面に垂
直な方向の付近から観察される。
【0014】このように、外光は、画面に垂直な方向に
対して斜めに傾いた方向から主に入射するため、その入
射光は、反射板10に斜め方向から入射して反射される
が、従来の反射型液晶表示素子は、上述したようにカラ
ーフィルタ4R,4G,4Bから反射板10までの距離
が大きいため、反射板10で反射された光が、入射経路
でのカラーフィルタ透過位置から大きくずれた位置にお
いてカラーフィルタに入射する。
【0015】したがって、反射板10で反射された光に
は、図7に示したように、入射経路において透過したカ
ラーフィルタと同じカラーフィルタに入射する光と、入
射経路において透過したカラーフィルタとは色の異なる
カラーフィルタに入射する光とがある。
【0016】そして、これらの反射光のうち、入射経路
において透過したカラーフィルタと同じカラーフィルタ
に入射した光は、このカラーフィルタを透過して出射す
るが、入射経路において透過したカラーフィルタとは色
の異なるカラーフィルタに入射した光は、このカラーフ
ィルタによりその吸収波長帯域の光を吸収されてほとん
ど出射しない。
【0017】すなわち、図7に示したような、赤、緑、
青のカラーフィルタ4R,4G,4Bを備えて加法混色
によりフルカラー画像を表示する液晶表示素子では、例
えば赤のカラーフィルタ4Rを透過した赤の着色光が、
他の色、つまり緑または青のカラーフィルタ4G,4B
に入射すると、前記赤の着色光のほとんどの波長光が、
前記緑または青のカラーフィルタ4G,4Bで吸収され
てしまい、出射光がほとんど得られなくなる。
【0018】このため、従来のカラーフィルタを備えた
反射型液晶表示素子は、その前面から入射する外光の光
量に比べて、出射光量が極端に少なく、したがって、表
示が非常に暗くなってしまう。
【0019】この発明は、外光を利用して表示する反射
型のカラー液晶表示素子でありながら、その表示を充分
に明るくすることができる反射型液晶表示素子を提供す
ることを目的としたものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】この発明の反射型液晶表
示素子は、間隙を存して対向する前後一対の基板のう
ち、前側基板の内面に透明電極が設けられ、後側基板の
内面に、表面に複数の色の着色層を交互に並べて形成し
た反射膜と、その上に形成された透明電極とが設けられ
るとともに、前記一対の基板間に、二色性染料が添加さ
れた光の透過と吸収を制御する液晶層が設けられている
ことを特徴とするものである。
【0021】この反射型液晶表示素子は、一対の基板間
に、二色性染料が添加された液晶層を設け、この液晶層
による光の透過と吸収を両基板の電極間への電圧の印加
により制御して表示するものであり、この反射型液晶表
示素子によれば、偏光板が不要であるため、偏光板での
光の吸収による光量減少が全く無い。
【0022】さらに、この反射型液晶表示素子では、そ
の後側基板の内面に、表面に複数の色の着色層を交互に
並べて形成した反射膜を設けているため、前面から入射
した光を、後側基板の内面において前記着色層により着
色して反射させることができ、明るい表示が得られる。
【0023】このように、この発明の反射型液晶表示素
子は、外光を利用して表示する反射型のものであり、し
かも着色層を備えたものであるが、偏光板が不要である
ため、偏光板での光の吸収による光量減少が全く無く、
しかも、着色層が形成された反射膜を備え、入射光をそ
の反射膜で反射するので、従来のカラーフィルターを備
えた液晶表示素子のように、光が入射経路と出射経路と
で色の異なるカラーフィルタに入射してその両方のカラ
ーフィルタの吸収波長帯域の光を吸収されることもな
く、入射光を高い出射率で出射させて、表示を充分に明
るくすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】この発明の反射型液晶表示素子
は、上記のように、一対の基板間に、二色性染料が添加
された光の透過と吸収を制御する液晶層を設けることに
より、偏光板を不要とし、さらに、後側基板の内面に、
表面に複数の色の着色層を交互に並べて形成した反射膜
を設けることにより、前面から入射した光を前記反射膜
で効率良く反射されて前面に出射させ、表示を充分に明
るくしたものである。
【0025】この発明の反射型液晶表示素子において、
前記反射膜に形成される着色層は、例えば金属膜等の表
面にカラーレジスト等からなるカラーフィルタを形成し
たものでもよいが、表面を陽極酸化処理により多孔質層
とした金属膜の前記多孔質層に着色物質を吸着させて着
色層を形成したものが好ましい。この反射膜は、金属膜
の表面を着色して形成した着色層であるため、非常に反
射率が高く、したがって、表示をより明るくすることが
できる。
【0026】また、前記反射膜の表面の着色層は、その
表面を平坦に形成してもよいが、この着色層の表面を断
面山形の凹凸面とすれば、その斜面の傾斜角を選ぶこと
により、前記反射膜からの着色反射光を所定の方向に出
射させ、その方向からの表示の観察輝度を高くすること
ができる。
【0027】このように前記反射膜の表面を断面山形の
凹凸面とする場合は、この反射膜の着色層の上に表面が
平坦な絶縁膜を設け、その上に透明電極を形成するのが
望ましく、このようにすれば、前記液晶層の層厚および
両基板の電極間の間隔をほぼ均一にして、均一な電気光
学特性を得ることができる。
【0028】
【実施例】図1および図2はこの発明の第1の実施例を
示しており、図1は反射型液晶表示素子の一部分の断面
図、図2はその後側基板の一部分の拡大断面図である。
この実施例の反射型液晶表示素子は、TFTを能動素子
とするアクティブマトリックス方式のものであり、図示
しない枠状シール材を介して接合された間隙を存して対
向する前後一対の基板11,12のうち、前側基板(ガ
ラス等からなる透明基板)11の内面には、行方向およ
び列方向にマトリックス状に配列された複数の透明な画
素電極13が設けられている。なお、図では省略してい
るが、この前側基板11の内面には、前記複数の画素電
極13にそれぞれ接続された複数のTFTと、各行のT
FTにゲート信号を供給する複数のゲートラインと、各
列のTFTにデータ信号を供給する複数のデータライン
が設けられている。
【0029】また、後側基板(例えばガラス基板)12
の内面には、表面に、前記各画素電極13にそれぞれ対
応する複数の色の着色層、例えば赤、緑、青の3色のカ
ラーフィルタ16R,16G,16Bを交互に並べて形
成した反射膜14が設けられており、この反射膜14の
上(カラーフィルタ16R,16G,16B上)に、前
記各画素電極13に対向する一枚膜状の透明な対向電極
17が設けられている。なお、この実施例では、前記反
射膜14のカラーフィルタ16R,16G,16B上に
直接対向電極17を形成しているが、前記カラーフィル
タ16R,16G,16Bを透明な保護絶縁膜で覆い、
その上に対向電極17を形成してもよい。
【0030】前記反射膜14は、後側基板12上にアル
ミニウム等からなる高反射率の金属膜15をスパッタ装
置等により成膜し、その表面をサンドブラスト処理等に
より微細な凹凸面(図2参照)に加工した後、この金属
膜15の表面に、感光性カラーレジストを塗布して露光
および現像処理により所定のパターンにパターニングす
る方法で、赤、緑、青のカラーフィルタ16R,16
G,16Bを順次形成することによって形成されたもの
であり、これらのカラーフィルタ16R,16G,16
Bの表面は平坦面となっている。
【0031】さらに、前記一対の基板11,12の内面
にはそれぞれ、前記電極13,17を覆って、ポリイミ
ド等からなる配向膜18a,18bが設けられており、
これらの配向膜18a,18bの膜面は、ラビング等に
より配向処理されている。
【0032】そして、前記一対の基板11,12間の上
記シール材で囲まれた領域には、二色性染料が添加され
た光の透過と吸収を制御する液晶層19が設けられてい
る。この液晶層19は、例えば、カイラル材を混入した
誘電異方性が正のネマティック液晶に二色性染料を添加
した液晶材料からなっており、その液晶分子19aおよ
び染料分子19bは、それぞれの基板11,12の近傍
における配向方向を前記配向膜18a,18bで規制さ
れ、両基板11,12間において所定のツイスト角、例
えばほぼ180°〜ほぼ300°の範囲内のツイスト角
でツイスト配向している。
【0033】この液晶表示素子は、自然光や室内照明光
等の外光を利用し、前面から入射する光を後側基板12
の内面の反射膜14で反射させて表示するものであり、
その表示方式は相転移モードである。
【0034】すなわち、この液晶表示素子は、各画素電
極13と対向電極17とが互いに対向している各画素領
域の前記電極13,17間に印加する電圧を制御するこ
とにより、液晶層19をネマティック相とコレステリッ
ク相とに切り換えて表示を行なうものであり、無電界状
態、つまり液晶分子19aおよび染料分子19bが初期
のツイスト配向状態にあるコレステリック相状態では、
液晶分子19aと染料分子19bが様々な方向を向いて
おり、液晶層19を透過する光が散乱されて染料分子1
9bに吸収され、その画素領域の表示がほぼ黒の暗状態
になる。
【0035】また、前記電極13,17間に電圧を印加
してその電界により液晶分子19aおよび染料分子19
bを基板11,12面に対してほぼ垂直に立上がり配向
させたネマティック相状態では、染料分子19bによる
光の吸収量が極く少なくなり、前面からの入射光が液晶
層19を透過して後側基板12の内面の反射膜14で反
射され、その反射光が液晶層19を透過して前面に出射
して、その画素領域の表示が明状態になる。
【0036】そして、この液晶表示素子では、前記反射
膜14の表面に各画素領域にそれぞれ対応する赤、緑、
青のカラーフィルタ16R,16G,16Bを交互に並
べて形成しているため、この反射板14で反射された光
は、前記赤、緑、青のカラーフィルタ16R,16G,
16Bの色に着色した赤、緑、青の着色光であり、ま
た、両基板11,12の電極13,17間に印加する電
圧を制御することにより、液晶層19による光の透過と
散乱および吸収の度合を変化させて光の透過率を複数段
階に制御することができるから、これらの赤、緑、青の
着色光の加法混色よりフルカラー画像を表示することが
できる。
【0037】このように、上記液晶表示素子は、一対の
基板11,12間に、カイラル材を混入したネマティッ
ク液晶に二色性染料を添加した液晶材料からなり、その
液晶分子19aおよび染料分子19bをほぼ180°〜
ほぼ300°の範囲内の大きなツイスト角でツイスト配
向させた液晶層19を設け、この液晶層19による光の
透過と散乱および吸収を両基板11,12の電極13,
17間への電圧の印加により制御して相転移モードによ
る表示を行なうものであり、この液晶表示素子によれ
ば、従来一般に用いられているTNモードの液晶表示素
子では必要不可欠である偏光板が不要であるため、偏光
板での光の吸収による光量減少が全く無い。
【0038】さらに、上記液晶表示素子では、その後側
基板12の内面に、表面に赤、緑、青のカラーフィルタ
16R,16G,16Bを交互に並べて形成した反射膜
14を設けているため、前面から入射した光を、後側基
板12の内面において前記カラーフィルタ16R,16
G,16Bにより着色するとともにその着色光を反射す
ることができる。したがって、従来のカラー表示素子の
ように、前面から入射し前記反射膜14で反射されて前
面に出射する光が、入射経路と出射経路とで色の異なる
カラーフィルタに入射してその両方のカラーフィルタの
吸収波長帯域の光を吸収されることがない。
【0039】すなわち、反射型液晶表示素子は、[発明
が解決しようとする課題]の項でも説明したように、画
面(液晶表示素子の前面)の上縁側から主に外光を取り
込むように、画面に垂直な方向に対して画面の上縁側に
傾いた方向を明るい外光が得られる方向に向けて使用さ
れ、その表示は、正面方向、つまり画面に垂直な方向の
付近から観察される。
【0040】そのため、液晶表示素子にその前面から入
射する光は、図1に矢線で示したように、画面に垂直な
方向に対して斜めに傾いた方向から主に入射するが、上
記液晶表示素子は、その後側基板12の内面に反射膜1
4を設けるとともに、この反射膜14を、金属膜15の
表面にカラーフィルタ16R,16G,16Bを形成し
た構造としているため、前記カラーフィルタ16R,1
6G,16Bを透過して前記金属膜15の表面で反射さ
れた光が、他の色のカラーフィルタに入射することがな
い。
【0041】このため、前記反射膜14で反射された光
は、この反射膜14への入射時にカラーフィルタ16
R,16G,16Bによりその吸収波長帯域の光を吸収
されて着色し、反射膜14からの出射時に同じカラーフ
ィルタ16R,16G,16Bによりその吸収波長帯域
の光を吸収されてより色純度が高くなった着色光とな
り、その光が液晶表示素子の前面に出射する。
【0042】したがって、上記液晶表示素子は、外光を
利用して表示する反射型のものであり、しかもカラーフ
ィルタを備えたものであるが、偏光板が不要であるた
め、偏光板での光の吸収による光量減少が全く無く、し
かも、入射光が反射膜の表面に形成された着色層により
着色されて且つ反射されるため、入射光を高い出射率で
出射させて、表示を充分に明るくすることができる。
【0043】また、上記実施例では、前記反射膜14
を、後側基板12上に成膜した金属膜15の表面を微細
な凹凸面に加工し、この金属膜15の表面に感光性カラ
ーレジストからなる赤、緑、青のカラーフィルタ16
R,16G,16Bを形成した構造としているため、前
記金属膜15とカラーフィルタ16R,16G,16B
との密着強度は充分である。
【0044】図3および図4はこの発明の第2の実施例
を示しており、図3は反射型液晶表示素子の一部分の断
面図である。この実施例の反射型液晶表示素子は、その
後側基板12の内面に、表面を陽極酸化処理により多孔
質層とした金属膜21の前記多孔質層に金属イオンから
なる着色物質を吸着させて赤、緑、青の着色層22R,
22G,22Bを形成した構造の反射膜20を設け、こ
の反射膜20の上(着色層22R,22G,22B上)
に透明な絶縁膜23を形成して、その上に対向電極17
を設けたものである。
【0045】なお、この実施例の液晶表示素子は、相転
移モードのアクティブマトリックス表示素子であり、前
記反射膜20を除けば、その他の構成は上述した第1の
実施例のものと同じであるから、重複する説明は図に同
符号を付して省略する。
【0046】図4は、前記反射膜20の形成方法を示す
各工程での断面図であり、この反射膜20は次のように
して形成する。まず、図4の(a)に示すように、後側
基板12の上にアルミニウム等からなる高反射率の金属
膜21をスパッタ装置等により成膜する。
【0047】次に、図4の(b)に示すように、前記金
属膜21の上に感光性レジストを塗布して露光および現
像処理することにより、赤、緑、青のうちの1つの色の
着色層、例えば赤色の着色層22Rの形成領域を除いて
前記金属膜21を覆うレジストマスク24を形成し、そ
の状態で前記金属膜21の表面を陽極酸化処理して、こ
の金属膜表面の赤色の着色層形成領域を多孔質層21a
とする。
【0048】この金属膜21の陽極酸化処理は、前記基
板12を電解液中に浸漬し、前記金属膜21を陽極とし
て、この金属膜21と電解液中に配置された陰極との間
に直流電圧を印加する方法で行ない、その酸化深さ(形
成される多孔質層21aの厚さ)は、前記電圧の印加時
間により制御する。
【0049】次に、前記レジストマスク24を残したま
ま、前記基板12を、赤に着色する金属イオン(例えば
クロムイオン)を溶解させた電解液中に浸漬して電気メ
ッキ処理を行ない、前記金属膜21の多孔質層21aの
孔部に前記金属イオンを吸着させて、図4の(c)に示
すように赤色の着色層22Rを形成する。
【0050】この後は、前記赤色の着色層22Rの形成
と同様に、前記金属膜21の表面の緑色の着色層形成領
域の陽極酸化による多孔質化と、その多孔質層への緑に
着色する金属イオン(例えば銅イオン)の電気メッキに
よる吸着とにより緑色の着色層22Gを形成し、次いで
青色の着色層形成領域の陽極酸化による多孔質化と、そ
の多孔質層への青に着色する金属イオン(例えば鉄イオ
ン)の電気メッキによる吸着とにより青色の着色層22
Bを形成して、図4の(d)に示すように反射膜20を
完成する。
【0051】この反射膜20は、金属膜21の表面を着
色して着色層22R,22G,22Bとしたものである
ため、図3に矢線で示したように反射膜20に入射した
光のうち、前記着色層22R,22G,22Bの吸収波
長帯域の光が吸収され、着色層22R,22G,22B
に吸収されない波長帯域の光が着色光となって反射膜表
面で反射される。
【0052】したがって、この実施例の液晶表示素子に
よれば、上記反射膜20は、そのフィルタ表面で光を反
射させるため、反射率が非常に高く、高輝度の着色反射
光が得られるから、この実施例の液晶表示素子によれ
ば、上記第1の実施例よりもさらに表示を明るくするこ
とができる。
【0053】また、上記反射膜20は、金属膜21の表
面を陽極酸化処理により多孔質層21aとし、その多孔
質層21aに金属イオンからなる着色物質を吸着させて
赤、緑、青の着色層22R,22G,22Bとしたもの
であるため、この着色層22R,22G,22Bは、耐
熱性および対光性に優れており、また着色層表面も平坦
である。
【0054】図5および図6はこの発明の第3の実施例
を示しており、図5は反射型液晶表示素子の一部分の断
面図である。この実施例の反射型液晶表示素子は、その
後側基板12の内面に、表面を陽極酸化処理により多孔
質層とした金属膜31の前記多孔質層に金属イオンから
なる着色物質を吸着させて赤、緑、青の着色層32R,
32G,32Bを形成するとともに、これらの着色層3
2R,32G,32Bの表面を断面山形の凹凸面とした
構造の反射膜30を設け、この反射膜30の上(着色層
32R,32G,32B上)に表面が平坦な透明絶縁膜
33を設けて、その上に対向電極17を設けたものであ
る。
【0055】なお、この実施例の液晶表示素子は、相転
移モードのアクティブマトリックス表示素子であり、前
記反射膜30を除けば、その他の構成は上述した第1お
よび第2の実施例のものと同じであるから、重複する説
明は図に同符号を付して省略する。
【0056】図6は、前記反射膜30の形成方法を示す
各工程での断面図であり、この反射膜30は次のように
して形成する。まず、図6の(a)に示すように、後側
基板12の上にアルミニウム等からなる高反射率の金属
膜31をスパッタ装置等により成膜し、その表面をエッ
チング処理等により加工して、液晶表示素子の画面の横
軸方向に沿う断面山形の複数の横長凸部がその幅方向に
連続する凹凸面とする。
【0057】なお、この凹凸面の各山形凸部は、前記金
属膜31の表面に形成する各色の着色層32R,32
G,32Bの配列ピッチPよりも小さいピッチP1で形
成する。また、前記各山形凸部はそれぞれ、その両側の
斜面のうち、外光の主な取り込み方向である画面の上縁
側(図において左側)に面する一方の斜面の傾斜角θ1
を他方の斜面の傾斜角θ2(いずれも基板12面に対す
る角度)よりも小さくし、前記一方の斜面の幅を他方の
斜面の幅よりも広くした形状に形成する。
【0058】次に、図6の(b)に示すように、前記金
属膜31の上に感光性レジストを塗布して露光および現
像処理することにより、赤、緑、青のうちの1つの色の
着色層、例えば赤色の着色層32Rの形成領域を除いて
前記金属膜31を覆うレジストマスク34を形成し、そ
の状態で前記金属膜31の表面を陽極酸化処理して、こ
の金属膜表面の赤色の着色層形成領域を多孔質層31a
とする。
【0059】次に、前記レジストマスク34を残したま
ま、電気メッキにより、前記金属膜21の多孔質層21
aの孔部に赤に着色する金属イオンを吸着させ、図6の
(c)に示すように赤色の着色層フィルタ32Rを形成
する。
【0060】この後は、前記赤色の着色層32Rの形成
と同様に、前記金属膜31の表面の緑色の着色層形成領
域の陽極酸化による多孔質化と、その多孔質層への緑に
着色する金属イオンの電気メッキによる吸着とにより緑
色の着色層32Gを形成し、次いで青色の着色層形成領
域の陽極酸化による多孔質化と、その多孔質層への青に
着色する金属イオンの電気メッキによる吸着とにより青
色の着色層32Bを形成して、図6の(d)に示すよう
に反射膜30を完成し、その後、この反射膜30の上に
表面が平坦な透明絶縁膜33を形成する。
【0061】このようにして形成された前記反射膜30
は、その各色の着色層32R,32G,32Bの表面が
それぞれ、少なくとも1つ以上の山形凸部を有する凹凸
面となっており、その山形凸部の両側の斜面のうち、外
光の主な取り込み方向である画面の上縁側に面する一方
の斜面の幅が他方の斜面の幅よりも広い形状をなしてい
る。
【0062】この実施例の液晶表示素子によれば、上記
反射膜30の反射率が非常に高く、したがって高輝度の
着色反射光が得られるから、上記第1の実施例よりもさ
らに表示を明るくすることができる。
【0063】しかも、この実施例では、前記反射膜30
の各色の着色層32R,32G,32Bの表面をそれぞ
れ、少なくとも1つ以上の山形凸部を有する凹凸面とし
ているため、その斜面の傾斜角θ1,θ2を選ぶことに
より、前記反射膜30からの着色反射光を所定の方向、
例えば図5に矢線で示したように正面方向(画面に垂直
な方向の付近)に出射させ、その方向からの表示の観察
輝度を高くすることができる。
【0064】また、この実施例では、前記着色層32
R,32G,32Bの表面を断面山形の凹凸面としてい
るが、この着色層32R,32G,32Bの上に表面が
平坦な絶縁膜33を設け、その上に対向電極17を形成
しているため、液晶層19の層厚および両基板11,1
2の電極13,17間の間隔をほぼ均一にすることがで
き、したがって、均一な電気光学特性を得ることができ
る。
【0065】すなわち、前記着色層32R,32G,3
2Bの表面を凹凸面とした場合、その表面を平坦化せず
にその上に対向電極17を形成したのでは、液晶層19
の層厚および両基板11,12の電極13,17間の間
隔が、前記凹凸面の凸部に対応する領域と凹部に対応す
る領域とで異なり、前記電極13,17間に印加された
電圧に対し、液晶層19に実際に作用する電界の強さ
が、前記凸部に対応する領域と凹部に対応する領域とで
異なるため、これらの領域電気光学特性にばらつきが生
じて、表示画像の画質が悪くなるが、この実施例のよう
に、前記着色層32R,32G,32Bの上に絶縁膜3
3を設けて平坦化し、その上に対向電極17を形成すれ
ば、電気光学特性を均一にして良好な画質の画像を表示
することができる。
【0066】さらに、この実施例によれば、前記反射膜
30の各色の着色層32R,32G,32Bの表面が断
面山形の凹凸面であり、この凹凸面で反射された光は、
図5に実線で示した矢線のように表示の観察方向(例え
ば正面方向)に出射するが、平坦化膜である前記絶縁膜
33の表面(対向電極17との界面)または対向電極1
7の表面などに全反射角で入射してその面で反射される
光は、図に破線で示した矢線のように、その入射角に対
応じた反射角で斜め方向に反射されるため、その反射光
は観察者には見えず、したがって、前記絶縁膜33の表
面または対向電極17の表面などに外景が映って見える
ことはない。
【0067】なお、上記第2および第3の実施例の反射
膜20,30はいずれも、その金属膜21,31の多孔
質層21a,31aに吸着させる着色物質として金属イ
オンを用いたものであるが、前記着色物質は、有機物ま
たは無機物からなる染料や顔料でもよい。
【0068】また、上記第1〜第3の実施例の液晶表示
素子では、その液晶層19の液晶分子19aおよび染料
分子19bツイスト角をほぼ180°〜ほぼ300°の
範囲にしたが、そのツイスト角は例えばほぼ90°でも
よく、また表示モードは、相転移モードに限らず、例え
ば動的散乱モードなどでもよい。
【0069】さらに、上記第1〜第3の実施例の液晶表
示素子は、赤、緑、青の着色層を備えたものであるが、
この発明は、マゼンタ、イエロー、シアンの3色の着色
層を備えて混色により多色カラー画像を表示する液晶表
示素子にも適用することができる。
【0070】また、この発明は、TFTを能動素子とす
るアクティブマトリックス方式に限らず、MIMを能動
素子とするアクティブマトリックス方式の反射型液晶表
示素子や、一方の基板に一方の方向に沿う走査電極を複
数本互いに平行に設け、他方の基板に前記走査電極と交
差する方向に沿う信号電極を複数本互いに平行に設けた
単純マトリックス方式の反射型液晶表示素子などにも適
用することができる。
【0071】
【発明の効果】この発明の反射型液晶表示素子は、間隙
を存して対向する前後一対の基板のうち、前側基板の内
面に透明電極を設け、後側基板の内面に、表面に複数の
色の着色層を交互に並べて形成した反射膜と、その上に
形成された透明電極とを設けるとともに、前記一対の基
板間に、二色性染料が添加された光の透過と吸収を制御
する液晶層を設けたものであり、この反射型液晶表示素
子によれば、偏光板が不要であり、また、前面から入射
した光を、後側基板の内面において前記着色層により着
色するとともにその着色光を反射することができる。
【0072】したがって、この反射型液晶表示素子は、
外光を利用して表示する反射型のカラー表示素子である
が、偏光板が不要であるため、偏光板での光の吸収によ
る光量減少が全く無く、しかも、入射光を高い出射率で
出射させて、表示を充分に明るくすることができる。
【0073】この発明の反射型液晶表示素子において、
前記反射膜は、表面を陽極酸化処理により多孔質層とし
た金属膜の前記多孔質層に着色物質を吸着させて着色層
を形成したものが好ましく、この反射膜は、金属膜の表
面を着色して着色層としたものであるため、非常に反射
率が高く、したがって、表示をより明るくすることがで
きる。
【0074】さらに、この反射型液晶表示素子におい
て、前記反射膜の着色層の表面を断面山形の凹凸面とす
れば、その斜面の傾斜角を選ぶことにより、前記反射膜
からの着色反射光を所定の方向に出射させ、その方向か
らの表示の観察輝度を高くすることができる。
【0075】また、このように前記着色層の表面を断面
山形の凹凸面とする場合、この着色層の上に表面が平坦
な絶縁膜を設け、その上に透明電極を形成すれば、前記
液晶層の層厚および両基板の電極間の間隔をほぼ均一に
して、均一な電気光学特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す反射型液晶表示
素子の一部分の断面図。
【図2】第1の実施例における後側基板の一部分の拡大
断面図。
【図3】この発明の第2の実施例を示す反射型液晶表示
素子の一部分の断面図。
【図4】第2の実施例における反射膜の形成方法を示す
各工程での断面図
【図5】この発明の第3の実施例を示す反射型液晶表示
素子の一部分の断面図。
【図6】第3の実施例における反射膜の形成方法を示す
各工程での断面図
【図7】従来の反射型液晶表示素子の断面図。
【符号の説明】
11,12…基板 13…画素電極 14,20,30…反射膜 15,21,31…金属膜 21a,31a…多孔質層 16R,22R,32R…赤色の着色層 16G,22G,32G…緑色の着色層 16B,22B,32B…青色の着色層 17…対向電極 19…液晶層 19a…液晶分子 19b…染料分子 33…表面が平坦な絶縁膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】間隙を存して対向する前後一対の基板のう
    ち、前側基板の内面に透明電極が設けられ、後側基板の
    内面に、表面に複数の色の着色層を交互に並べて形成し
    た反射膜と、その上に形成された透明電極とが設けられ
    るとともに、前記一対の基板間に、二色性染料が添加さ
    れた光の透過と吸収を制御する液晶層が設けられている
    ことを特徴とする反射型液晶表示素子。
  2. 【請求項2】前記反射膜は、表面を陽極酸化処理により
    多孔質層とした金属膜からなっており、前記着色層は、
    前記多孔質層に着色物質を吸着させて形成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の反射型液晶表示素子。
  3. 【請求項3】前記着色層の表面が断面山形の凹凸面とな
    っていることを特徴とする請求項2に記載の反射型液晶
    表示素子。
  4. 【請求項4】前記反射層の上に表面が平坦な絶縁膜が設
    けられ、その上に前記透明電極が形成されていることを
    特徴とする請求項3に記載の反射型液晶表示素子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100362274B1 (ko) * 1999-09-30 2002-11-23 삼성에스디아이 주식회사 반사형 칼라 액정표시소자
JP2007183524A (ja) * 2006-01-06 2007-07-19 Cheil Industries Inc 偏光光学素子及びそれを用いた液晶表示装置
WO2012087269A1 (en) * 2010-12-20 2012-06-28 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Reflective display utilizing luminescence

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