JPH11160550A - 光ファイバ引き込み用パイプ - Google Patents

光ファイバ引き込み用パイプ

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JPH11160550A
JPH11160550A JP9329349A JP32934997A JPH11160550A JP H11160550 A JPH11160550 A JP H11160550A JP 9329349 A JP9329349 A JP 9329349A JP 32934997 A JP32934997 A JP 32934997A JP H11160550 A JPH11160550 A JP H11160550A
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JP
Japan
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optical fiber
weight
nylon
resin
pipe
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Withdrawn
Application number
JP9329349A
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English (en)
Inventor
Akira Sano
章 佐野
Suehiro Miyamoto
末廣 宮本
Yoshiro Iwata
善郎 岩田
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Fujikura Ltd
Ube Corp
Original Assignee
Fujikura Ltd
Ube Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低負荷においても摩擦抵抗が小さく、かつ高
強度で、その薄肉化、細径化、軽量化に対応できる光フ
ァイバ引き込み用パイプを提供する。 【解決手段】 光ファイバ引き込み用パイプに、(A)
ナイロン12またはナイロン11、99〜50重量%
と、(イ)潤滑性樹脂0.1〜50重量%と(ロ)ポリ
オレフィン系樹脂99.9〜50重量%との混合物であ
る(B)摩擦改善組成物1〜50重量%とからなる組成
物、または、(A)ナイロン12またはナイロン11、
99〜50重量%と、上記(B)摩擦改善組成物1〜5
0重量%と(C)変性直鎖状低密度ポリエチレン40重
量%以下とからなる組成物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力ケーブルや光
ファイバケーブル等のケーブル内に予め組み込まれて用
いられ、ケーブル等を敷設後パイプ内に空気等の圧縮気
体を送り込み、光ファイバユニット等の線状体を挿通さ
せるに好適な光ファイバ引き込み用パイプに関し、特
に、強度が要求される用途や、パイプの細径化が要求さ
れる用途に対して好適な光ファイバ引き込み用パイプに
関する。
【0002】
【従来の技術】空中や地中または海底などに敷設されて
いる光伝送路には、将来の伝送量の増大に伴う光ファイ
バの増設やルートの変更などに伴う光ファイバの引き替
えなどが容易にできるように、ケーブル内に予め光ファ
イバユニット等を引き込むことのできる専用のパイプが
組み込まれている。この専用パイプとしては通常挿入さ
れる光ファイバユニット等が傷つきにくいようにポリエ
チレンのような樹脂製のパイプが用いられている。ま
た、この専用パイプに光ファイバユニット等を挿入する
方法としては、一般に、吹き流し工法と呼ばれる圧縮空
気等による圧送方式がとられている。この方法は挿入さ
れる光ファイバユニット等をローラー等で送り込むのと
同時に、圧縮した気体を送り込み、その気体に乗せて光
ファイバユニット等を推進させるものである。この工法
は、光ファイバユニット等の一部に過大な張力がかかる
ことがないため、光ファイバユニット等のような強度の
小さな線状体を挿通させるのに好適な工法である。
【0003】しかし、このような気体圧送方式により光
ファイバユニット等を挿入する方法においても、挿入さ
れる光ファイバとパイプとの間の摩擦係数が、比較的大
きいことから、圧送距離に限界があり、あまり長距離を
圧送できないという問題がある。さらにまた、パイプの
敷設状態が直線か曲線状態かによっても圧送距離に差が
生じ、それによっては、圧送できないという問題があ
る。この問題を解決するために、光ファイバ引き込み用
パイプの内部の摩擦係数を低減する方法がいくつか提案
されている。
【0004】例えば、特開平4−113304号公報に
は、ポリエチレンに滑剤を配合した組成物を用いた光フ
ァイバ引き込み用パイプと光ファイバユニットが、特開
平6−94926号公報には、潤滑性樹脂を均一に分散
する樹脂を含む組成物を用いた光ファイバ引き込み用パ
イプと光ファイバユニットが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
一般加入者系の光ファイバ化や、光ファイバケーブル敷
設などの需要の増大により、光ファイバケーブルの細径
化、軽量化が求められるようになり、上述のポリエチレ
ン等により形成されたものでは強度不足で対応できない
という問題があった。本発明は前記事情に鑑みてなされ
たもので、低負荷においても摩擦抵抗が小さく、かつ高
強度で、その薄肉化、細径化、軽量化に対応できる、光
ファイバ引き込み用パイプを提供することを課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、光ファイバ引き込み用パイプの少なくとも
内面を、(A)ナイロン12またはナイロン11、99
〜50重量%と、(B)摩擦改善組成物1〜50重量%
とからなり、上記(B)摩擦改善組成物が、(イ)潤滑
性樹脂0.1〜50重量%と、(ロ)該(イ)潤滑性樹
脂を軟化または溶融状態にて均一に分散し得る親和性を
有するポリオレフィン系樹脂99.9〜50重量%との
混合物である組成物から構成した。また、光ファイバ引
き込み用パイプの少なくとも内面を、上記(A)ナイロ
ン12またはナイロン11、99〜50重量%と、上記
(イ)潤滑性樹脂と(ロ)ポリオレフィン系樹脂との混
合物である(B)摩擦改善組成物1〜50重量%と、
(C)変性直鎖状低密度ポリエチレン40重量%以下と
からなる組成物から構成した。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。請求項1記載の光ファイバ引き込み用パイプは、
(A)ナイロン12またはナイロン11(以下、(A)
ナイロンと略記する)99〜50重量%に対して、
(イ)潤滑性樹脂0.1〜50重量%と、該(イ)潤滑
性樹脂を軟化または溶融状態にて均一に分散し得る親和
性を有するポリオレフィン系樹脂99.9〜50重量%
との混合物である(B)摩擦改善組成物1〜50重量%
を混合してなる組成物を用いてなるものである。
【0008】上記(A)ナイロンとしては、11−アミ
ノウンデカン酸等のアミノカルボン酸の重合により得ら
れるナイロン、ω−ラウロラクタム等のラクタムから得
られるナイロンなどが挙げられる。この(A)ナイロン
の配合量としては、本発明に用いられる組成物の、99
〜50重量%の割合で配合されるのが望ましく、70〜
95重量%の割合であればより望ましい。上記配合量
が、50重量%未満であると組成物の強度が低下し不都
合となり、99重量%を越えると滑性が不足するため不
都合となる。
【0009】上記(B)摩擦改善組成物は、(イ)潤滑
性樹脂0.1〜50重量%と(ロ)ポリオレフィン系樹
脂99.9〜50重量%とからなるものである。この
(B)摩擦改善組成物の配合量としては、(A)ナイロ
ンとあわせて100重量%となるように配合される。よ
って、その配合量は、(A)ナイロンの配合量によって
定まるので、組成物に対して、1〜50重量%配合され
るのが望ましい。このときの(A)ナイロンと(B)摩
擦改善組成物との配合比は、潤滑性や機械特性などの特
性バランスを考慮して定められる。
【0010】上記(B)摩擦改善組成物に配合される
(イ)潤滑性樹脂としては、具体的には、ポリオルガノ
シロキサン、ポリオルガノシロキサンとポリオレフィン
(ポリエチレンなど)とのブロック共重合体、フッ素樹
脂、フッ素樹脂と他の樹脂との共重合体等が挙げられ
る。このうちポリオルガノシロキサンとしては、平均分
子量が10万以上、好ましくは30〜500万のものが
用いられる。平均分子量が、10万より小さいと分散性
が悪くなり、目的とする十分な滑り性が得られない。ま
た、このものの有機基としてはメチル基、フェニル基以
外に、クロルフェニル基、ビニル基、カルボキシル基な
どが用いられる。なお、このものが、直鎖型、分岐型の
いずれであっても構わない。
【0011】また、フッ素樹脂としては、テトラフルオ
ロエチレン−パ−フルオロビニルエーテル共重合体(P
EA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−
エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオ
ロエチレン(PCTFG)、ポリフッ化ビニリデン(P
VdF)、ポリフッ化ビニル(PVF)などがある。
【0012】上記(イ)潤滑性樹脂の配合量としては、
(B)摩擦改善組成物に対して、0.1〜50重量%の
割合で配合されることが望ましい。0.1重量%未満で
は、滑性が不足し不都合となり、50重量%を越えると
耐衝撃性などの機械的特性や、押出成形性などの成形性
が低下して不都合となる。また、上記(イ)潤滑性樹脂
としては、2種以上の樹脂を混合して用いてもよい。
【0013】上記(B)摩擦改善組成物に配合される
(ロ)ポリオレフィン系樹脂は、その機械特性、成形加
工性を向上させるために用いられるものである。この
(ロ)ポリオレフィン系樹脂は、上述の(イ)潤滑性樹
脂と、軟化状態または溶融状態において、均一に分散し
得る親和性を有するものである。この「均一に分散し得
る親和性を有する」とは、両方の樹脂、(イ)潤滑性樹
脂と(ロ)ポリオレフィン系樹脂が軟化状態または溶融
状態で混合、混練した際に相互に均一に分散するか、あ
るいは均一に相溶することをさす。
【0014】具体的に(ロ)ポリオレフィン系樹脂とし
ては、(イ)潤滑性樹脂にポリオルガノシロキサンまた
はその共重合体を用いたときには、分子量1〜20万の
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピ
レン(PP)等が好適に用いられ、(イ)潤滑性樹脂に
フッ素樹脂またはその共重合体を用いたときには、LL
DPE、PP、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂が好
適に用いられる。また、上記(ロ)ポリオレフィン系樹
脂は、その一部または全部が(A)ナイロンとの相溶性
を増すためにカルボン酸あるいは酸無水物等で変性した
ものであってもよい。これらのカルボン酸あるいは酸無
水物の具体例としては、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、マレイン酸、フマール酸等が好適に挙げられる。
【0015】上記(ロ)ポリオレフィン系樹脂の配合量
としては、(イ)潤滑性樹脂の配合量とあわせて100
重量%となるように配合される。したがって、その配合
量は、(B)摩擦改善組成物の全体量に対して、99.
9〜50重量%の割合で配合されるのが望ましい。ま
た、上記(ロ)ポリオレフィン系樹脂としては、2種以
上の樹脂を混合して用いてもよい。
【0016】上述の樹脂からなる本発明の光ファイバ引
き込み用パイプに用いられる組成物は、以下のようにし
て製造される。まず、(イ)潤滑性樹脂と(ロ)ポリオ
レフィン系樹脂とを溶融混練して(B)摩擦改善組成物
を調製する。この溶融混練は、過酸化物の存在下で行う
ことが望ましい。つぎに、上記調製された(B)摩擦改
善組成物に、(A)ナイロンを加えて溶融混練する。こ
のとき上記組成物には必要に応じ、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料等の従
来ナイロン、ポリオレフィンに通常添加されるものを添
加しても構わない。また、上記混練は、一軸押出機、二
軸押出機、バンバリミキサー等を使用して行うことがで
きる。
【0017】請求項1記載の光ファイバ引き込み用パイ
プは、上述の樹脂組成物を押出成形などの成形法により
成形したものである。このパイプの形状は、断面形状が
円状以外に、楕円状、角筒状であってもよく、さらには
その内壁面にその長手方向に延びる多数の突条を形成
し、光ファイバユニット等との接触面積を小さくするよ
うな構造をとってもよい。また、二層押出法などによっ
て、その内面が、上記樹脂組成物からなる層で被覆され
たものであってもよい。
【0018】請求項2記載の光ファイバ引き込み用パイ
プは、(A)ナイロン12または11、99〜50重量
%に対し、(イ)潤滑性樹脂0.1〜50重量%と、
(ロ)該(イ)潤滑性樹脂を軟化または溶融状態にて均
一に分散し得る親和性を有するポリオレフィン系樹脂9
9.9〜50重量%との混合物である(B)摩擦改善組
成物1〜50重量%と、(C)変性直鎖状低密度ポリエ
チレンを40重量%以下とを混合してなる組成物を少な
くともパイプの内面に用いてなるものである。
【0019】上記(C)変性直鎖状低密度ポリエチレン
(以下、(C)変性LLDPEと略記)は、直鎖状低密
度ポリエチレン(LLDPE)をナイロンとの相溶性を
増すためにカルボン酸あるいは酸無水物等で変性したも
のが好適に用いられる。これらのカルボン酸あるいは酸
無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マ
レイン酸、フマール酸等が好適に挙げられる。上記
(C)変性LLDPEとしては、組成物に対して40重
量%以下の割合で配合される。40重量%を越えると光
ファイバ引き込み用パイプの強度が低くなって不都合と
なる。
【0020】この請求項2記載の組成物を用いた光ファ
イバ引き込み用パイプにおいては、(C)変性LLDP
Eの配合量を増加させていくことによって、摩擦係数を
ほとんど低下させることなく、その表面状態を凹凸のあ
る梨地状態から、凹凸の少ない状態へと、連続的に変化
させることができる。よって、光ファイバ引き込み用パ
イプの使用目的に併せて、その表面状態を変化させるこ
とができる。
【0021】上記請求項2の発明に用いられる、(A)
ナイロン、(B)摩擦改善組成物については、請求項1
の発明に用いられるものと同様のものが用いられる。そ
の配合量は、(A)ナイロンとしては、請求項2の発明
に用いられる組成物の、99〜50重量%の割合で配合
されるのが望ましく、95〜50重量%の割合であれば
より望ましい。上記配合量が50重量%未満であると組
成物の強度が低下し不都合となり、99重量%を越える
と滑性が不足するため不都合となる。 (B)摩擦改善組成物としては、その配合量は、(A)
ナイロンと(C)変性LLDPEの配合量によって定ま
るので、組成物に対して、1〜50重量%配合されるの
が望ましい。このときの(A)ナイロンと(C)変性L
LDPEに対する(B)摩擦改善組成物の配合比は、潤
滑性や機械特性などの特性バランスを考慮して定められ
る。
【0022】上記請求項2の光ファイバ引き込み用パイ
プに用いられる組成物は、以下のようにして製造され
る。まず、次に、(イ)潤滑性樹脂と(ロ)ポリオレフ
ィン系樹脂とを溶融混練して(B)摩擦改善組成物を調
製する。この溶融混練は、過酸化物の存在下で行うこと
が望ましい。つぎに、上記調製された(B)摩擦改善組
成物に、(A)ナイロンに(C)変性LLDPEを溶融
混練したものを加えて、これらを溶融混練する。このと
き上記組成物には必要に応じ、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料等の従来ナ
イロン、ポリオレフィンに通常添加されるものを添加し
ても構わない。
【0023】また、上記混練は、一軸押出機、二軸押出
機、バンバリミキサー等を使用して行うことができる。
上記請求項2の光ファイバ引き込み用パイプは、上述の
ように調整された組成物を請求項1の光ファイバ引き込
み用パイプと同様の方法で成形されることにより製造さ
れる。
【0024】上述の本発明の光ファイバ引き込み用パイ
プにあっては、光ファイバユニット等との摩擦係数が極
めて小さいものとなり、圧送性が著しく改善される。よ
って、このパイプにおいては、従来のアミド系などの滑
剤を混入したものとは異なり、圧送される光ファイバユ
ニット等の被覆材の材料によって圧送特性が変化するよ
うな不都合はなく、どのような材質の被覆材であって
も、良好な圧送特性を発揮する。また、使用温度によっ
て圧送性が変化するようなこともなく、幅広い温度範囲
で安定した良好な圧送特性が得られる。また、その機械
的特性にも優れ、押出成形などによる成形性にも優れる
ので、パイプを薄肉化したり、細径化したりして、軽量
化することができる。さらに、請求項2のパイプによれ
ば、その表面の凹凸状態を使用目的に合わせて変化させ
ることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳しく説明す
る。 (試験例1)表1に示した配合組成物をその配合比を変
えて調製し、これを押出機で混練したのち、内径6m
m、外径8mmの光ファイバ引き込み用パイプを押出成
形して製造した。
【0026】実施例1〜6、比較例1、2には、(A)
ナイロンとして、平均分子量が1〜3万のナイロン12
(「ナイロン12 3020U」UBE製)、またはナ
イロン11(「BESN OTL」ATO CHEM
製)を用いた。また、(B)摩擦改善物質には、(イ)
潤滑性樹脂として、平均分子量が45万で、ビニル基含
有率が0.004重量%のポリオルガノシロキサンを用
い、(ロ)ポリオレフィン系樹脂として、平均分子量が
10万のLLDPE(「ネオゼックス2015M」三井
石油化学工業(株)製)と、ポリプロピレン(「徳山ポ
リプロMJ160」徳山曹達(株)製)とを混合したも
の(「ポリファインVMFE02」トクヤマ製)を用い
た。また、その配合比を、(イ)潤滑性樹脂10重量
%、(ロ)ポリオレフィン系樹脂90重量%として混合
した。比較例3〜5には、(A)ナイロンの代わりに、
平均分子量が15万の高密度ポリエチレン(「ハイゼッ
クス」三井石油化学工業(株)製)を用いた。これらの
光ファイバ引き込み用パイプについて、以下に示す方法
により、摩擦係数、送り込み特性、引張強度、側圧試
験、表面状態についてを測定し、諸特性について評価し
た。
【0027】摩擦係数・・・以下の(1)、(2)によ
って測定した。 (1)各配合比で配合された組成物について、ユニオン
プラスチック社製30φ押出機を用い、Tダイにより厚
さ50μmのフィルムを作成し、JIS K7125に
従い、大きさ43×43mm、重量100gの板状重り
により同じ材料のフィルム同士の動摩擦係数を測定し
た。 (2)製造した光ファイバ引き込み用パイプを胴径60
cmのドラムに3回巻き付け、このパイプ内に径2mm
の光ファイバユニット(被覆材:発泡ポリエチレン)を
通線し、光ファイバユニットの一端に40gのバックテ
イションをかけ、光ファイバユニットを引き抜いたとき
の引張力から算出した。
【0028】送り込み特性・・・以下の(3)、(4)
によって測定した。 (3)長さ50mの光ファイバ引き込み用パイプ内に、
6kg/cm2の乾燥圧縮空気を吹き込み、上記光ファ
イバユニットを上記光ファイバユニットを圧送したとき
の送り込みの長さを測定した。 (4)長さ50mの光ファイバ引き込み用パイプ内に、
上記光ファイバユニットを手で押し込み光ファイバユニ
ットが挫屈するまで押し込んだときの送り込みの長さを
測定した。
【0029】引張強度・・・各配合比で配合された組成
物について、押出成形により、厚さ0.5mmのシート
を作成し、このシートから、ダンベル(JIS K63
013号片)にて打ち抜き試験片を作成した。この試験
片について、引張試験機を用い、引張速度を50mm/
min、チャック間を50mmの条件で引張破断点強度
を測定した。
【0030】側圧試験・・・光ファイバ引き込み用パイ
プについて、以下の偏平試験を実施しその偏平率を測定
した。2枚の幅100mm、長さ100mmの平板の間
の中央部に、光ファイバ引き込み用パイプを挟み込み、
3mm/分の速度で行った。
【0031】表面状態・・・成形された光ファイバ引き
込み用パイプについてその表面状態を目視で評価した。
このとき、細かな凹凸のあるものを梨地状とし、梨地状
より凹凸の少ないものをやや凹凸とし、凹凸のみられな
いものを平滑とした。表面状態は、その滑り性の点か
ら、凹凸があるもののほうがよいとされる。以上の結果
を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1の結果から、本発明の請求項1記載の
光ファイバ引き込み用パイプにおいては、摩擦係数が低
く、送り込み特性にも優れ、高い機械的強度を有するも
のであることがわかる。また、低負荷時の滑り性に優れ
る梨地状の表面を形成しているものであることがわか
る。
【0034】(試験例2)表2に示した配合組成物をそ
の配合比を変えて調整し、これを押出機で混練したの
ち、内径6mm、外径8mmの光ファイバ引き込み用パ
イプを押出成形して製造し、実施例7〜14と比較例6
を得た。 (C)変性LLDPEとしては、平均分子量15万のマ
レイン酸変性LLDPEを用いた。(A)ナイロンとし
ては、ナイロン12を用い、(B)摩擦改善組成物とし
ては、試験例1と同様のものを用いた。これらの実施例
7〜14および比較例6について、試験例1と同様の方
法にして、摩擦係数、送り込み特性、引張強度、側圧試
験、表面状態について測定し、その諸特性について評価
した。結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】表2の結果から、本発明の請求項2記載の
光ファイバ引き込み用パイプにおいては、摩擦係数が低
く、送り込み特性にも優れ、高い機械的強度を有するも
のであることがわかる。また、変性LLDPEの効果
で、パイプ表面の状態が請求項1記載のものから、凹凸
が少なくなり変化しているのがわかる。しかし、摩擦係
数においてはほとんど変化しておらず、滑り性の点では
優れたものであるといえる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明の光ファイバ
引き込み用パイプにおいては、上述の組成物からなるも
のであるので、光ファイバユニット等との摩擦係数が極
めて小さいものとなり、圧送性が著しく改善され、機械
的特性にも優れる。よって、このパイプにおいては、従
来のアミド系などの滑剤を混入したものや、ポリエリレ
ンを主材として用いたものとは異なり優れた圧送特性を
有し、その上に、機械的特性と、押出成形などによる成
形性にも優れているので、パイプを薄肉化したり、細径
化したりして軽量化することができる。さらに、請求項
2の光ファイバ引き込み用パイプによれば、摩擦係数を
ほとんど低下させることなく、表面状態を凹凸のある状
態から凹凸の少ない状態へと使用目的に合わせて変化さ
せることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 83:00) (C08L 77/02 23:00 27:12) (C08L 77/02 23:00 23:06 83:00) (C08L 77/02 23:00 23:06 27:12) (72)発明者 岩田 善郎 山口県宇部市大字小串1978番地の10 宇部 興産株式会社宇部ケミカル工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ナイロン12またはナイロン11、
    99〜50重量%と、 (B)摩擦改善組成物1〜50重量%とからなり、 上記(B)摩擦改善組成物が、 (イ)潤滑性樹脂0.1〜50重量%と、 (ロ)該(イ)潤滑性樹脂を軟化または溶融状態にて均
    一に分散し得る親和性を有するポリオレフィン系樹脂9
    9.9〜50重量%との混合物である組成物を少なくと
    も内面に用いてなる光ファイバ引き込み用パイプ。
  2. 【請求項2】(A)ナイロン12またはナイロン11、
    99〜50重量%と、 (B)摩擦改善組成物を1〜50重量%と、 (C)変性直鎖状低密度ポリエチレンを重量40重量%
    以下とからなり、 上記(B)摩擦改善組成物が、 (イ)潤滑性樹脂0.1〜50重量%と、 (ロ)該(イ)潤滑性樹脂を軟化または溶融状態にて均
    一に分散し得る親和性を有するポリオレフィン系樹脂9
    9.9〜50重量%との混合物である組成物を少なくと
    も内面に用いてなる光ファイバ引き込み用パイプ
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