JPH11160180A - カテーテル圧センサの生体内零点合わせ - Google Patents

カテーテル圧センサの生体内零点合わせ

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JPH11160180A
JPH11160180A JP10199472A JP19947298A JPH11160180A JP H11160180 A JPH11160180 A JP H11160180A JP 10199472 A JP10199472 A JP 10199472A JP 19947298 A JP19947298 A JP 19947298A JP H11160180 A JPH11160180 A JP H11160180A
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    • A61B5/021Measuring pressure in heart or blood vessels
    • A61B5/0215Measuring pressure in heart or blood vessels by means inserted into the body
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 カテーテルに取り付けられる生理圧の圧力セ
ンサ、およびこの圧力センサの生体内較正方法を提供す
る。 【解決手段】 カテーテル付属用の生体内較正可能な生
理圧センサ装置は、バルブ状にしてカテーテル10の先
端部16に配置される。圧力センサ装置は圧力センサ先
端部とこの圧力センサ先端部に取り付けられる圧力セン
サ素子とを具備しており、分離および隔離可能な第1お
よび第2の室を形成する第1および第2の相対向する面
を有する。開口部が圧力センサ先端部の外壁に形成され
て第1の室に至る通路を構成すると共に圧力センサ素子
の第1の面を生理圧に曝する役割を果たす。バルーンの
ような閉塞素子が第1の室に配置されて開口部を開閉す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カテーテル付属圧
力センサの生体内零点合わせに関する。
【0002】
【従来の技術】カテーテルは、診断、治療および医学的
状態の監視を含む種々の医療用途に使用されている。あ
るタイプのカテーテルは、種々の生理圧を生体内で測定
するセンサを具備する。カテーテルに装着された圧力セ
ンサは、例えば、カテーテルの一端を脳室領域に、他端
をモニタに連結するための頭蓋領域に配置して行う頭蓋
内圧の測定に用いられる。
【0003】典型的なカテーテル圧センサは、電気容
量、電気抵抗、光線あるいは超音波を利用する感圧装置
を用いる。一般的に、センサの片側あるいは片面は、測
定する生理圧に曝し、他方の面(すなわち基準面)は基
準圧の液体または気体に曝す。センサの両面で測定した
圧力の差は、第1の面が曝された生理圧を指示する。
【0004】たいていの電子センサ装置の場合において
は、センサのずれを零圧条件に正すため、カテーテル圧
センサを定期的に較正するのがよい。一定の医学的条件
によっては頭蓋内圧が増加することがあるからである
(例えば過剰の脳脊髄液の生成による)。さらに、圧力
が一定の閾値を超えると、患者を死に至らしめたり、脳
に不可逆的な創傷を与えることがある。したがって、信
頼性の高い圧力の読取りを行うことが必要である。
【0005】較正は、典型的には、センサの両面に既知
の等しい圧力を与え、圧力センサの出力信号を測定する
ことによって行う。測定した出力信号はセンサの零点か
らのずれを表すため、較正は「零点合わせ」と呼ばれる
ことがある。センサを較正する既知の圧力には、しばし
ば大気圧を用いる。測定したセンサの零点からのずれは
測定信号を調整する回路によって使われて、零点からの
ずれが補正され、これによって、装置の感圧精度が高め
られる。
【0006】ある種のカテーテル圧センサは、生体内で
較正を行うことができる。そのようなカテーテル、米国
特許第4,901,735号(von Berg)に記
載されている。このカテーテルは、センサが取り付けら
れるカテーテルの先端をバルーンがすっぽりと覆い、較
正時にはバルーンを脹ませる。バルーンが脹むと、歪み
ゲージセンサの両面で均一な圧力が得られるというもの
である。生体内で零点合わせを行えるもう一つのカテー
テル圧センサは、米国特許第5,203,340号(G
ustafson他)に記載されている。このカテーテ
ルにおいては、センサの基準面との液体の連通を防止
し、センサの両面に生理圧が加わるよう、生体外圧力連
通手段が設けられている。他にも生体内零点合わせを行
うことができる圧力モニタはいくつかあるが、生体内モ
ニタのより信頼性が高く効果的な較正が求められてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、圧力測定セ
ンサに係り、特に患者の体内に埋設可能で、かつ生体内
で較正ないし零点合わせができる生理圧センサ装置に関
する。本発明は、較正が望まれる種々の圧力センサに適
用できるが、本明細書ではカテーテルに取り付ける圧力
センサについて説明する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、カテーテルの
内部において形成できるカテーテル付属型の生理圧セン
サ装置に関する。圧力センサ装置は、カテーテルの先端
部において、カテーテルの内部に形成されるバルブ
(球)形状のものが好ましい。圧力センサ装置は、外壁
と、この外壁に設けられてカテーテルの内部と外部を通
ずる通路となる開口部とを有する圧力センサ先端部を具
備する。圧力センサ素子は、その開口部に曝される第1
の面と、この第1の面とは反対側にあって開口部からは
離隔される第2の面を備えて、圧力センサ先端部の内部
に配置される。この圧力センサ素子は、バルブ形状の装
置を、互いに離隔された二つの室に分割する。
【0009】バルーンなどの閉塞素子は、圧力センサ素
子の第1の面と前述の開口部を含むセンサ装置の壁に区
画される第1の室に配置される。閉塞素子は、開口部を
選択的に閉塞できるように構成されている。第1の状態
または条件下においては、閉塞素子は開口部を封鎖して
第1の室をカテーテルの外部から効果的に封じる。一
方、閉塞素子が第2の状態または条件下にあるときに
は、圧力センサ素子の第1の面は開口部を通して外部圧
または生理圧に曝される。
【0010】圧力を測定するためには、閉塞素子を第2
の状態にもっていき、圧力センサ素子の第1の面を外部
圧に曝す一方、基準圧を第2の室に与えるよう操作す
る。第1の室と第2の室の間の圧力差は、圧力差を指示
する出力信号を与える圧力センサ素子で測定される。出
力信号は、圧力監視回路と電気的に接続した導電体に送
るのが好ましい。圧力監視回路は、測定した圧力差を表
示し、記録し、または医師あるいは他の医療スタッフに
指示する。
【0011】装置を較正ないし零点合わせするには、バ
ルーンを膨脹させて圧力センサ先端部にある開口部を閉
鎖し、第1の室を外部圧に対して封止する。そして、既
知の圧力の流体、例えば大気圧の空気を第1の室に導入
する。この後、これと同じかまたは異なる流体を、第1
の室と同じ圧力で第2の室に導入する。圧力センサ素子
は、零点ずれ圧力を指示する出力信号を与える。この零
点ずれ圧力は圧力監視回路により使用されて、センサの
較正とその後の生理圧測定の精度が高められる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、添付の図面に沿って進
める以下の詳細な説明により、十分に理解されるであろ
う。
【0013】図1において、カテーテル10は、基端部
14と先端部16を有する。先端部16は先端領域20
を含み、頭蓋内圧の監視のように、生体内で生理圧を測
定すべく、患者に挿入できるように構成されている。
【0014】カテーテル10は、基端部14と先端部1
6を結ぶ通路の一部を構成する可撓性のカテーテルチュ
ーブ24、および複数の分枝チューブ28,30を備え
る。カテーテルチューブ24は、図2で説明するよう
に、先端領域20にある圧力センサ装置に接続する電気
ワイヤと、より小さなチューブを保持する。カテーテル
の基端部14にあるコネクタ31は、圧力監視回路33
に連結できる形状にされる。所望により取り付けられる
加圧液体供給源35も、空気のような流体を所定の圧力
で先端領域30に送るため、コネクタ31に連結され
る。
【0015】分枝チューブ28,30は、それぞれのY
字形コネクタ32,34を介してカテーテルチューブ2
4に連結され、先端領域30との間で液体またはガスの
注入と抽出を行なう。このため、各分枝チューブ28,
30はそれぞれ、注射器あるいは液体カップリングのよ
うな継手36,38を具備する。
【0016】図2と図3の断面図において、カテーテル
10の先端部にある、圧力センサとなる先端領域20
は、圧力センサ素子40を含む。この態様においては、
圧力センサ素子40は、半導体装置である。半導体は、
半導体チップの表面に加わる圧力に応答すべく微細な機
械加工を施された抵抗器網をなす。より詳しく言うと、
抵抗器網に加わる圧力は、抵抗器網の電気抵抗値を変化
させる。共通の圧力に曝されつつ隔離することが可能で
あるかぎりにおいて、他の適当な圧力センサ素子も用い
ることができることは理解できるであろう。
【0017】先端領域20は、測定する生理圧に曝され
るべく形づくられた第1の室44と、基準圧に曝される
べく形づくられた第2の室48を備える。しかし、生体
内較正の最中は、両室44,48は、後述するように基
準圧に曝される。
【0018】圧力センサ素子40は、第1および第2の
室44,48を分離・隔離する。圧力センサ素子40
は、図示のように、第1の室44はセンサ素子40の一
面40aに隣接して配置され、第2の室48はセンサ素
子40のもう一方の面40bに隣接して配置されるよ
う、先端領域20に取り付けられる。圧力センサ素子4
0は、先端領域20の端部50と障壁部52の間で、軸
方向に延びる。圧力センサ素子40の両端41a,41
bは、端部50と障壁部52に接着材で付着される。接
着材は、圧力センサ40の両端41a,41bと端部5
0および障壁部52をそれぞれ密着・封止する。
【0019】圧力センサ40はまた、チューブ66の径
方向にも延びる。圧力センサ素子40は、チューブの内
部に取り付けられ、圧力センサ素子40の両縁部は、チ
ューブ壁に接合する。チューブ66と圧力センサ素子の
両縁の間を封止すべく、圧力センサ素子40の両縁に沿
って、接着剤を塗る。したがって、圧力センサ素子40
は、第1の室44と第2の室48を効果的に隔離すべく
封止する接着材の周縁の周りで接合する。
【0020】第1の室44と第2の室48は、互いに隔
離されるが、大きさは同じである必要はない。例えば、
圧力センサ40は、チューブ66の内部で、大きさの等
しくない二つの室を形成するように配置することもでき
る。
【0021】圧力センサ素子40を接合するために用い
られる接着剤は、エポキシやシリコーン接着剤のよう
な、非導電性で、生体相容性の適当な医用グレードの接
着剤の中から選ぶ。
【0022】図示の態様においては、障壁部52は、チ
ューブ66をチューブ24に固着するため、シリコーン
または、エポキシのような上述の医用グレードの接着剤
から構成される。端部50は、例えばシリコーンから形
成され、カテーテルチューブ66の端部に固着される。
【0023】図2と図3においては、カテーテルチュー
ブ24は、チューブ66に接する。しかし、別の態様に
おいては、カテーテルチューブ24は、チューブ66の
内径より小さな外径を有し、カテーテルチューブ24
は、チューブ66の中に差し込まれる。チューブ24,
66は、接着剤その他の手段で接合される。さらに、チ
ューブ24,66の径と壁厚は、本発明の意図する範囲
から逸脱しない範囲で種々に変えることができる。
【0024】先端領域20は開口部60を備えており、
該開口部60はチューブ66の壁を通って延び、第1の
室44をカテーテル10外の生理圧に選択的に曝する。
特に、本発明によれば、後述するように開口部60を選
択的に塞ぐための閉塞素子64が設けられる。生理圧の
測定は、開口部60が塞がれていないときに行なわれ、
開口部60が塞がれているときは、圧力センサを較正な
いし零点合わせする。図示の態様においては、チューブ
66は、チタン製である。しかし、ステンレススチール
やチタン合金のように、非磁性で、したがって核磁気共
鳴イメージングに影響されない他の生体相和性の材料に
も適しているものがある。
【0025】図示の態様においては、閉塞素子64は、
バルーンが開口部60(図2)を塞ぐ第1の膨脹状態
と、開口部が開いている第2の収縮状態の間で操作でき
る形状にしたバルーン(風船)である。バルーン以外の
種々の装置および/または機構も、開口部を塞ぐのに用
いることができることは理解できるであろう。例えば、
開口部を選択的に塞ぐ膜も用いることができる。
【0026】バルーン64を膨脹させるため、円筒形の
円筒部材68が、チューブ24(図1)に始まる通路を
介して、バルーン64とカテーテルの基端部14または
対応する継手36,38の間に延びる。円筒部材68
は、バルーンを膨脹・収縮させるため、ガスまたは流体
をバルーン64との間でやり取りする。円筒部材68
は、バルーンを膨脹させるため、例えばルアー(突起)
コネクタを介して、注射器または他の送気管に接続され
る。注射器は、バルーンを収縮させるときには取り外さ
れる。
【0027】第1の円筒形部材70は、第1の室44か
ら、チューブ24を通って基端部14まで延びる。この
円筒形部材70は中空で、圧力センサ40を較正するた
め、ガスを第1の室44に送り込むことができる形状に
される。より詳しくいうと、円筒形部材70を介して第
1の室44に向かうガスは、較正の際に第2の室48に
送られるガスと同じ圧力である。このため、第2の円筒
形部材74は、チューブ24を通って、第2の室48と
カテーテルの基端部14の間に延びる。第2の円筒形部
材74は、較正および生理圧測定の最中に、基準圧のガ
スを第2の室に移送できる形状にされる。
【0028】例示の態様においては、第2の円筒形部材
74は圧力センサ素子の一面40bを常時大気圧に曝す
ために開放したままにされる。したがって、較正および
生理圧測定の最中は、第2の室48の中には大気圧の空
気が存在する。第1の円筒形部材70は生理圧の測定中
は閉鎖されるために、圧力センサ素子の他の面40aに
外部の圧力が加わる。しかし、較正の間は、第1の円筒
形部材70は圧力センサ素子の他の面40aを大気圧に
曝すために開放されるので、圧力センサ素子の両面40
a,40bは共に大気圧に曝されることになる。
【0029】もう一つの態様においては、加圧流体供給
源35(図1)が、較正の間、第1および第2の室4
4,48に所定の圧力でガスを送る。加圧流体供給源3
5は、第1および第2の円筒形部材70,74の両方に
選択的に連結することができる。加圧されたガスのた
め、圧力センサ素子の両面40a,40bに同じ圧力が
導入され、圧力センサの零点合わせをより正確に行うこ
とができるようになる。加圧ガス(例えば空気)は、室
44,48に残留する流体のために生じる、例えば生理
圧測定値からの圧力差を解消する。大気圧については、
第1の室44と第2の室48の間にコネクタ31から先
端領域20までの比較的長い通路のために小さな圧力差
が存在する。加圧ガスは正確な較正のために第1の室と
第2の室にほぼ等しい圧力を分布させる。
【0030】円筒形部材80は、加圧センサ40の第1
の面40aと第1のバルーン64の間のシリコンバリア
領域52に取り付けられる。図2から明らかなように、
円筒形部材80は、圧力センサ素子40の一部を覆う。
円筒形部材80の一部85は、バルーンが膨脹したと
き、バルーンが圧力センサ40に触れたり、圧力センサ
40が行う測定の正確さに影響を与えないよう、支持プ
レートとなる。すなわち、支持プレートは、圧力センサ
40の第1の面40aにある閉塞素子64によって生じ
る歪みを防止する。
【0031】円筒形部材80は、閉塞素子64のための
支持プレートとなるが、この円筒形部材80は、圧力セ
ンサ40のチューブ66への取付けを機械的な支障をき
たさない。より詳しくいうと、圧力センサ素子40の縁
部は、チューブの径方向を横切って延びる。このため、
円筒部材80は、圧力センサ素子40がチューブ66の
壁に向かって延びることを可能にする開口部のような、
少なくとも一つの隙間、溝等を構成する。圧力センサ素
子40のチューブ66の壁への延出を妨げない構成にお
いて、円筒形部材80が閉塞素子64の支持プレートに
なり得る形状が多数あることは当然に理解できると考え
る。例えば、円筒形部材80は、閉塞素子64が配置さ
れる第1の室44内にのみ存在するようにすることもで
きる。
【0032】円筒形部材80は、閉塞素子64のための
支持プレートとして作用する他に、カテーテルの先端領
域20に構造的剛性を与える。例えば、円筒形部材の一
部84は、接着材、超音波溶接その他の手段でチューブ
66に固定することができる。
【0033】圧力センサ40とコネクタ31(図1)の
間には導電体78が連結され、圧力監視回路33と電気
的に接続される。導電体78は、圧力センサ40の第1
の面40aと第2の面40bにおける圧力差の測定結果
を示す圧力センサ40の出力信号を伝える。圧力センサ
40と圧力監視回路33は、生理圧を測定する電子装置
となる。導電体78の他に円筒形部材68,70および
74も、バリア領域52を通ってチューブ24まで延び
る。このような配置のため、先端領域20、特に第1の
室44と第2の室48は、チューブ24内で周囲から隔
離されたままになる。
【0034】例示の態様において、カテーテルの先端領
域20の径は、約1/4〜5mm、好ましくは約2mm
である。先端領域20の長さは、約1〜10mmであ
り、典型的には3〜5mm、そして最も好ましいのは約
4mmである。
【0035】生理圧は、図3に示すようにバルーン64
が収縮しているときに測定される。この条件のときに
は、第1の室44は、閉鎖されていない開口部60を介
してカテーテルの外部と流体を通ずることができるよう
になる。したがって、カテーテルが配置された場所の生
理圧は第1の室44に伝えられる。同時に、基準圧が円
筒形部材74を介して第2の室48に伝えられる。
【0036】導電体78を通じて送られる圧力センサ4
0の出力信号は、第1の室44と第2の室48の圧力差
を指示する。したがって、生理圧が基準圧と等しいとこ
ろでは、この出力信号はゼロになる。導電体により伝え
られる出力信号は、圧力監視回路33によって処理され
る。例示の態様においては、圧力監視回路33は、ホイ
ットストーンブリッジ回路を含む。このブリッジ回路
は、圧力センサ素子40の両面40a,40bに対応す
る二つの抵抗値を、圧力監視回路における二つの抵抗器
に合わせる。ブリッジ回路は、出力信号によって生じる
抵抗値のずれに比例する出力を与える。抵抗値のずれ
は、圧力センサ素子に加えられる圧力の結果、あるいは
圧力のせいではない抵抗の偏りのために生じる。抵抗の
偏りについては、センサはこのずれを補償するよう零点
合わせしなければならない。圧力監視回路は、ずれの測
定量を記憶しこれらを差引く圧力監視回路に付属する装
置またはインターフェース素子を使って、抵抗のずれを
補償することができる。また、圧力監視装置は液晶画面
(LCD)のようなディスプレイ、アラームおよび、ピ
ークの正負信号検出回路を具備していてもよい。
【0037】図4には、本発明の圧力センサを生体内に
おいて較正するプロセスを示す。当業者ならば、この図
に示す特定の工程あるいは工程のシーケンスは例示的な
もので、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更できるこ
とは理解できるであろう。圧力センサの較正は工程90
において、所望の時間間隔でのユーザによる手動、また
は圧力監視回路33の制御下で所定の時間間隔による自
動で開始される。カテーテルの較正を開始するには、工
程92において、バルーン64を、図2に示したよう
に、開口部60を閉鎖する状態にまで膨脹させる。この
状態のときは、第1の室44は、カテーテル10外部の
生理圧から隔離される。工程94においては、大気圧の
ような基準圧を、円筒形部材70を通して第1の室44
に、また円筒形部材74を通して第2の室48にそれぞ
れ導入する。
【0038】ついで工程96において、圧力センサの零
点からのずれを決定するために、圧力センサ40の出力
信号を圧力監視回路33によって測定する。最後に、工
程98において、零点からのずれを補償するための圧力
監視回路33は、測定した零点からのずれ量を用いて次
の圧力測定精度を高める。実施の一例においては、電気
抵抗値の変化を検出するため、ホイットストーンブリッ
ジ回路を用いる。圧力センサ素子の核面から得られる二
つの抵抗値は、ブリッジ回路を形成するよう、圧力監視
回路33における二つの抵抗器のそれと一致させられ
る。抵抗値が、圧力センサ素子の一またはそれ以上の面
に加えられる圧力、または抵抗値のずれによって変化す
ると、ブリッジ回路は、そのブリッジ回路における抵抗
値の差違に比例する出力信号を生成する。こうして、セ
ンサ素子における圧力を測定することができる。抵抗値
のずれに対しては、圧力監視回路における回路素子は、
圧力センサの零点合わせのため、ブリッジ回路における
抵抗値のずれを補償することができる。他の態様におい
ては、圧力回路は、抵抗値のずれ量を格納し、差引くこ
とのできる回路を採用する。
【0039】図5には、本発明により生体内零点合わせ
ができる圧力センサを具備する先端領域100の他の態
様を示す。先端領域100は、図1のカテーテルに使用
するのに適している。図2と図3に示したカテーテルの
先端領域20と同じように、先端領域100は、端部領
域104と障壁領域108を備え、この間に半導体装置
などの圧力センサ素子110が取り付けられる。圧力セ
ンサ110は、先端領域を効果的に二つの隔離された室
に分割する。すなわち、第1の室112は、センサの第
1の側110aに隣接して、また第2の室114はセン
サの第2の側110bに隣接して設定される。第1の室
112は、先端領域の壁またはチューブ112の一部
と、端部領域104、第1のセンサ面110aおよび障
壁領域108によって包囲される。また、第2の室11
4は、チューブ122の一部と、端部領域104、第1
のセンサ面110bおよび障壁領域108によって包囲
される。圧力センサ110は、接着剤によって、チュー
ブ122、端部領域104と障壁領域108の一部に接
着される。接着剤を使うと、密着シールが形成され、第
1の室112と第2の室114が隔離される。
【0040】開口部120は、生理圧測定の際、第1の
室112と外部の環境の間で流体の流通を可能にするた
め、チューブ122を貫通して延びる。開口部120
は、生体内較正の最中は、バルーン124のような閉塞
素子124によって閉鎖したりしなかったりできる。こ
のために、バルーン124とカテーテルチューブ24の
間にチューブ125が設けられる。そして、センサ較正
のユーザの操作による開始あるいは自動開始に応答し
て、チューブ125を通して流体がバルーンに導入さ
れ、バルーンを膨脹させる。
【0041】生理圧の測定は、図6に示すように、圧力
センサ素子110の第1の側110aをカテーテルが配
置される場所の生理圧に曝すため、バルーンが収縮状態
にあるときに行われる。圧力センサ素子110の第1の
側と第2の側の間の圧力差が測定できるよう、基準圧
が、チューブ132を介して、圧力センサ素子の第2の
側110に加えられる。圧力センサ素子110は、第1
の室112と第2の室114の間の圧力差を指示する出
力信号を与える。出力信号は、図2で説明したのと同様
に、導電体130を通じて圧力監視回路に伝えられる。
【0042】生体内零点合わせを行いたい場合は、バル
ーン124を膨脹させて開口部120を塞ぎ、第1の室
112を密閉する。そして、圧力センサ素子の第1の側
110aと第2の側110bの間に圧力差が生じないよ
う、チューブ134を通じて第1の室122に、またチ
ューブ132を通じて第2の室114に基準圧を加え
る。この零点相殺条件を指示する出力信号は、導電体1
30を通じて圧力監視回路に与えられる。
【0043】障壁領域108には、先端領域と障壁領域
108の接合部に構造的な安定性を増大させるため、円
筒形部材126を埋設してバルーン124の支持プレー
トとすることができる。円筒形部材126は、第1およ
び第2の室112,114までは延びず、障壁領域10
8の壁128で終端する。図2の態様と比べると、先端
領域100は、圧力センサ素子110に対する開口部の
位置のために、長さが増しているが、径は小さくなって
いる。円筒形部材126は、チューブにすることができ
るが、図2に示すような圧力センサ110のチューブ1
22への取付けを妨害することはない。円筒形部材が存
在しない場合は、開口部の近傍にある障壁領域108の
一部が、バルーンの支持プレート機能を果たす。
【0044】これまで述べてきた本発明の例示態様は、
本発明が適用される構成の範囲を示すためのものであ
る。本明細書における記載に基づいて本発明の物理的な
設計や寸法を変更することは、当業者には容易なことで
あろう。しかし、このような変更は、特許請求の範囲の
記載に基づいて、特許権が及ぶ本発明の範囲内に含まれ
るとみなされる。
【0045】本発明の具体的な実施態様は、以下の通り
である。 (1) 前記装置はさらに、前記閉塞素子が前記第1の
状態にあるときに生理圧を測定し、前記閉塞素子が前記
第2の状態にあるときに生理圧センサ装置の較正をする
電子装置を具備する請求項1記載の装置。 (2) 前記圧力センサ先端部は長手カテーテルの先端
部に取り付けられる請求項1記載の装置。 (3) 前記閉塞素子は、この閉塞素子が前記第2の状
態にあるときには膨脹するバルーンである請求項1記載
の装置。 (4) さらに、前記カテーテルの基端部に配置され
て、較正制御を行うときに膨脹する前記閉塞素子として
のバルーンに接続する較正制御装置を具備する上記実施
態様(2)記載の装置。 (5) さらに、前記開口部と前記圧力センサ素子の間
に配置されて、前記バルーンによって引き起こされる圧
力センサ素子の歪みを効果的に防止する支持プレートを
具備する上記実施態様(4)記載の装置。
【0046】(6) 前記装置はさらに、前記圧力セン
サ先端部から前記カテーテルの基端部に延びる管腔を具
備する上記実施態様(2)記載の装置。 (7) 前記管腔には第1および第2の円筒形部材が配
置されており、第1の円筒形部材は前記圧力センサ素子
の第1の面に隣接する圧力センサ先端部まで延び、第2
の円筒形部材は前記圧力センサ素子の第2の面に隣接す
る圧力センサ先端部まで延びる上記実施態様(6)記載
の装置。 (8) 前記圧力センサ先端部は、前記圧力センサ素子
の第1の面に隣接する第1の室と、前記圧力センサ素子
の第2の面に隣接する第2の室を備え、これら第1の室
と第2の室は障壁材によって互いに離隔される請求項1
記載の装置。 (9) 前記圧力センサ素子は半導体装置から成る請求
項1記載の装置。 (10) 前記管腔には第3の円筒形部材が設けられ、
この第3の円筒形部材は前記閉塞素子を前記第1の状態
と第2の状態の間で移動させるため前記閉塞素子まで延
びる上記実施態様(7)記載の装置。
【0047】(11) 前記閉塞工程は前記開口部に隣
接して配置されたバルーンを膨脹させる工程を含む請求
項2記載の方法。 (12) 前記閉塞工程はさらに前記バルーンの膨脹を
ユーザによる較正制御の作動に応答して開始させる工程
を含む上記実施態様(11)記載の方法。 (13) 前記基準圧を加える工程は前記圧力センサ素
子の第1および第2の面を大気圧に曝す工程を含む請求
項2記載の方法。 (14) さらに、前記閉塞素子が前記圧力センサ素子
の歪みを引き起こして、前記圧力センサ素子の出力信号
に影響を与えるのを防止する工程を含む請求項2記載の
方法。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高信頼性かつ高精度の較正を行うことができるカテーテ
ル取付用生理圧センサおよび当該圧力センサの生体内較
正方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】先端部に本発明の感圧装置を備えたカテーテル
を示す図である。
【図2】図1のカテーテルの先端部に取り付けられた本
発明の感圧装置の断面図である。
【図3】図2の感圧装置の断面図であって、収縮状態の
閉塞素子を示している。
【図4】図2の感圧装置における生体内零点合わせのプ
ロセスを示すフローチャートである。
【図5】図1のカテーテルの先端部に取り付けられた本
発明に係る感圧装置の実施形態の他の一例を示す断面図
である。
【図6】図5に示した感圧装置の断面図であって、収縮
状態の閉塞素子を示している。
【符号の説明】
10 カテーテル 14 基端部 16 先端部 20 先端領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エリック・ジェイ・ブラウン アメリカ合衆国、02072 マサチューセッ ツ州、スタウトン、ヘインズ・ロード 40

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生理圧センサ装置であって、 外壁とこの外壁に設けられる開口部を有する圧力センサ
    先端部と、 前記圧力センサ先端部内に設けられて、前記開口部に曝
    される第1の面と前記開口部から隔離される第2の面を
    有する圧力センサ素子と、 前記開口部が開放する第1の状態と前記開口部が封鎖さ
    れる第2の状態の間で移動できるように構成された閉塞
    素子を具備する装置。
  2. 【請求項2】 生体内に埋設可能なカテーテル圧力セン
    サの生体内較正方法であって、 外壁とこの外壁に設けられた開口部を有する圧力センサ
    先端部と、この圧力センサ先端部内に配置されて分離か
    つ隔離された室を形成するとともに前記開口部に曝され
    る第1の面と前記開口部から隔離される第2の面を有す
    る圧力センサ素子と、前記開口部を開放したり封鎖した
    りする閉塞素子を含むカテーテルの先端部に、生理圧セ
    ンサ装置を設ける工程と、 前記センサ先端部にある開口部を、前記閉塞素子で閉塞
    する工程と、 前記圧力センサ素子の第1の面と第2の面に基準圧を加
    える工程と、 前記圧力センサ素子の出力信号を測定する工程を含む方
    法。
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