JPH11158884A - 建築物の露出型柱脚 - Google Patents

建築物の露出型柱脚

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JPH11158884A
JPH11158884A JP33052597A JP33052597A JPH11158884A JP H11158884 A JPH11158884 A JP H11158884A JP 33052597 A JP33052597 A JP 33052597A JP 33052597 A JP33052597 A JP 33052597A JP H11158884 A JPH11158884 A JP H11158884A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築物の露出型柱脚を提供する。 【解決手段】 アンカーボルトはアンボンドタイプであ
り、アンカーボルトの材質の機械的性質は、降伏点が4
40〜600N/mm2 の範囲(高張力鋼)で、降伏点と
引張り強さとの比(降伏比)の上限が80%、伸びは1
8%以上で、アンカーボルトのネジ部が軸部の外径より
も大きい拡径に形成された条件を満たす建築物の露出型
柱脚。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建築物の露出型
柱脚の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物の露出型柱脚に関しては多
種多様な技術開発が進められている。 例えばアンカーボルトの降伏特性(降伏応力度)に
着眼した技術は、特公平2ー14496号公報その他に
開示されている。 アンカーボルトをアンボンドタイプで使用する技術
は、特公昭51ー1042号公報その他に開示されてい
る。 アンカーボルトのネジ部を軸部の外径よりも大径と
する拡径アンカーボルトを使用する技術は特開昭61ー
78925号、特公平7ー45731号公報その他に開
示されている。 高張力鋼によるアンカーボルトを使用する技術は、
特公昭50ー24524号公報その他に開示されてい
る。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】柱脚は、鉄骨柱に作
用する軸方向力、曲げモーメント及びせん断力を基礎へ
確実、十分に伝達するように設計される。柱脚の力学的
性状は非常に複雑である。最近では耐震安全性の観点か
らも応力伝達性状、変形性状、及び耐力等々に関する研
究開発が上述したように多様に進められている。
【0004】柱脚に使用するアンカーボルトの材質は、
柱脚の塑性変形能力を左右する重要な項目である。従
来、アンカーボルトの材質に関しては、日本建築学会が
「鋼管構造設計施工指針、同解説」の中で、アンカーボ
ルトの材料を表1のように規定している。これはJIS
規格、G3101一般構造用圧延鋼材 SS400 S
S490 SS540に関するものである。
【0005】
【表1】
【0006】また、阪神大震災後の平成8年10月20
には、建築構造用圧延棒鋼SNRJIS G3138が
表2のように制定された。
【0007】
【表2】
【0008】ところで、構造用鋼等に関しては、その変
形能力を示す尺度として「伸び」が考えられている。そ
の一方で、降伏点又は耐力(以下、降伏点と総称す
る。)と引張強さ(極限強さ)の比、即ち「降伏比」に
ついても、前記「伸び」と同様に構造物の変形性能を示
す尺度として考えられている。降伏比が小さいほど変形
能力が大きい柱脚となる。降伏比はまた、材料の降伏点
から破断に至るまでの所謂余力を示す尺度でもある。
【0009】従って、柱脚に使用するアンカーボルトの
材質に関しては、上記「伸び」及び「降伏比」の双方に
関する検討が進められてしかるべきである。しかし、従
来は上記のように降伏特性に関する検討が進められて
いる程度でしかない。上記の高張力鋼によるアンカー
ボルトにしても、上記「伸び」及び「降伏比」の双方に
関する検討は進められていない。
【0010】次に、柱脚に使用するアンカーボルトが大
きな変形能力を確保するためには、ネジ部の破断に先行
して軸部が降伏することが重要な条件である。そのため
には前記の降伏比が、ネジ部の有効断面積と軸部断面積
の比よりも小さいことが条件(以下、この条件をXと言
う。)とされる(鋼管構造設計施工指針・解説125頁
参照)。
【0011】因みに、JIS B1082によって規定
されたネジ規格によるネジ部の有効断面積計算式によれ
ば、ネジ部の有効断面積及びネジ部谷径断面積は表3の
ようである。
【0012】
【表3】
【0013】表3のA2 /A0 値を参照すると、前記降
伏比の上限が80%であれば、およそ上記の「条件X」
を満足することになる。しかしながら、アンカーボルト
の一般的な製造方法、又は引っ張り試験の結果からは、
前記の「条件X」を満たすだけでは、ネジ部の先行破断
の防止に十分な条件とは言えない。即ち、アンカーボル
トのネジ部を作る手段が、切削ネジの場合は、図3A、
Bに例示したように磨き丸鋼12を使用することによ
り、ネジ部外径d3 と軸部外径d0 を同径とすることが
可能である。しかし、引張り試験に於いて、軸部の降伏
よりもネジ部の破断が先行して発生することが多い。
【0014】その原因は、ネジ部10の谷径断面積と材
料の引張り強さとを乗じた値よりも、軸部11の断面積
と材料の降伏点とを乗じた値が大きくなった場合か、そ
こまで後者の値が大きくなくとも、ネジ部の切削による
切り欠き効果によって、ネジ谷部の応力集中によりネジ
部の破断強度が低下していると考えられる。因みに図2
にはネジ部10と軸部11の一般形態と各呼径を示して
いる。d0 が軸部外径、d1 はネジ部谷径、d2 が有効
径、d3 が外径(呼径)である。
【0015】上述したように、アンカーボルトの材料の
「降伏比」の上限値が80%以下でも、表3のA1 /A
0 (谷部断面積/軸部断面積)の値が全て0.8(80
%)以上ではないので、ネジ部の先行破断が発生するこ
とを理解できる。次に、転造ネジの場合は、転造ネジ加
工の方法として、軸径Dの丸鋼を図4Aのように予めネ
ジ部を略有効径dに切削加工をし、その後ネジ部を転造
加工する(図4B)場合と、図5Aに示す丸鋼12の全
体を、伸線加工法で図5Bのように略ネジ有効径dに形
成し、しかる後図5Cのようにネジ部10を転造加工す
る場合とがある。
【0016】前者(図4)の場合は、図3の切削ネジと
同様に、ネジ部外径d3 と軸部外径d0 を略同径とする
ことが可能である。転造ネジは切削ネジと異なり、切り
欠き効果による強度低下もなく、ネジ谷部は加工効果に
より強度が上昇していることから、ネジ部全体の引張り
強度は、ネジ部有効径d2 と同径の丸鋼と同等と従来考
えられていた。
【0017】しかし、実際には前述した転造ネジの引張
り試験に於いても、切削ネジと同様に軸部の降伏開始よ
りもネジ部(特にネジ根元)の破断の方が先行して発生
することが少なくない。この事実は、切削ネジと同じ
く、アンカーボルトの材料の「降伏比」の上限値が80
%以下でも、ネジ部の先行破断を完全に防止できないこ
とを意味する。
【0018】図5に示す転造ネジ加工法の場合は、ネジ
部の有効径d2 と軸径d0 が略同径となり、前者よりも
有利となる。よって、アンカーボルトの材質を降伏比の
上限が80%以下の材料と組み合わせることにより、柱
脚のアンカーボルトとして使用可能な範囲となる。もっ
とも伸線加工の段階で軸部の材料の機械的性質が加工効
果によって降伏比が上昇し、伸びが減少する方向に変化
し、アンカーボルトとして適さなくなる場合もある。そ
の確認のために伸線加工後の軸部の機械的性質の検査や
品質管理が煩雑となる。
【0019】以上のことから、ネジ部の先行破断を完全
に防止するためには、降伏比に関してはその上限が、表
3のA1 /A0 値より小さい値(略75%)以下、理想
的には70%以下としなければならないことが分かる。
しかし、高張力鋼で理想的なアンカーボルト材料(降伏
比70%以下)が入手困難という厳しい現実がある。即
ち、高張力鋼(降伏点が440〜600N/mm 2 の範
囲)で入手が可能な、降伏比の上限値が80%以下の材
料と、アンカーボルトのネジ部の谷径を軸部の外径より
大きい拡径に形成する技術を組み合わせることによっ
て、より完全にネジ部の先行破断を防止した高張力のア
ンカーボルトの提供が可能となる。
【0020】以上に述べた観点から従来の各技術を概観
した場合、上記〜から理解されるように、いずれか
の検討項目を個別に満たすものは存在するが、全ての検
討項目を総合的に満たすものは存在しない。即ち、高強
度で、しかも「伸び」の大きいアンカーボルトを用いた
柱脚は見当たらない。例えば高張力鋼に属するPC鋼棒
は、高強度ではあるが、伸びは5%程度でしかない。
【0021】また、「降伏比」に関して、理想的なアン
カーボルトの材料(降伏比70%以下)が入手困難とい
う現実もある。例えば表1の場合、降伏点の数値が「1
95以上」のように曖昧で、降伏比の決め手になる規定
がない。表2の場合は降伏比が「80%以下」のように
規定されてはいるが、降伏点の数値が「235以上」と
か「445以下」のように小さ過ぎる。
【0022】よって、本発明の目的は、アンカーボルト
はアンボンドタイプとして、塑性ヒンジはアンカーボル
トの塑性変形とする露出型柱脚を提供することである。
本発明の次の目的は、アンカーボルトの材質を降伏点が
大きい高張力鋼とし、しかも変形能力が大きい「伸び」
及び「降伏比」の条件を満たし、更に回転バネ定数(回
転剛性)が小さく、アンカーボルトのネジ部の先行破断
を完全に防止した露出型柱脚を提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めの手段として、請求項1記載の発明に係る建築物の露
出型柱脚は、そのアンカーボルトがアンボンドタイプで
あり、アンカーボルトの材質の機械的性質は、降伏点が
440〜600N/mm2 の範囲(高張力鋼)で、降伏点
と引張り強さとの比(降伏比)の上限が80%、伸びは
18%以上で、アンカーボルトのネジ部が軸部の外径よ
りも大きい拡径に形成された条件を満たすことである。
【0024】請求項2記載の発明は、請求項1に記載し
たアンカーボルトのネジ部の有効径が、軸部の外径より
も大きい拡径であることを特徴とする。請求項3記載の
発明は、請求項1に記載したアンカーボルトのネジ部谷
径が、軸部の外径よりも大きい拡径であることを特徴と
する。請求項4記載の発明は、請求項1に記載したアン
カーボルトの引張り有効長さが、その軸部の外径の16
〜20倍であることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施形態及び実施例】請求項1記載の発明に係
る建築物の露出型柱脚は、図1に例示したような形態で
実施される。即ち、予めコンクリート基礎1の中に所定
の配置で垂直に埋設された複数本のアンカーボルト2の
上部に、鉄骨柱3の下端に取り付けたベースプレート4
のボルト孔を嵌め、前もってベースプレートの設置レベ
ルに合わせてセットしてある高さ調節用の先行モルタル
5の上にベースプレートの下面を載せ、鉄骨柱3の垂直
度、柱芯を調整した後に締め付けナット6で強固に固定
する。そして、前記ベースプレート4とコンクリート基
礎1の上面との隙間に、モルタル(及びグラウト材)7
を充填して固める。図1中の符号8はアンカーボルト2
の定着板、9は囲い枠である。
【0026】本発明は、上記した露出型柱脚のアンカー
ボルト2に関する材料的研究の成果として実施される。
もっとも、アンカーボルト2は、アンボンドタイプであ
ることを前提とする。その理由はアンカーボルト2に大
きな塑性変形を期待し、柱脚の塑性ヒンジを、アンカー
ボルトの塑性変形として実現するためである。ここで言
うアンボンドタイプの意味は、予めシース管などでアン
カーボルト2をコンクリート基礎1から絶縁した構成、
或いは予めアンカーボルトの表面にコールタールその他
の剥離剤を塗布するなどして当該アンカーボルトに或る
大きさの引張り荷重が作用した段階でコンクリートから
剥離して縁が切れるような構成、又はアンカーボルトの
表面には何も加工を行わず、そのままコンクリート基礎
と密着させるが、当該アンカーボルトにアンカーボルト
の表面のコンクリート付着力より大きな引張り荷重が作
用した段階でコンクリートから剥離して縁が切れるよう
な構成、つまり、アンカーボルトが比較的大きな荷重を
受けたとき、実質的にアンカーボルトの下部の定着板8
で基礎コンクリート1と締結されるように、従来一般に
行われている構造を指す。
【0027】次に、上記アンカーボルト2の材質は、柱
脚のサイズを可及的に小さくコンパクト化するために、
機械的性質のうち降伏点が440〜600N/mm2 の範
囲の高張力鋼を使用する。鋼材の機械的性質は、降伏点
が上がるに従って「降伏比」は上がり、「伸び」は下が
る傾向となることが一般的に知られている。降伏点のみ
を考えれば高い方ばよいが、降伏点が高くなるに従っ
て、「降伏比」の上限値80%以下、又は「伸び」18
%以上の条件を同時に満足する材料の入手が困難となっ
てくる。本発明では、あまりコストアップにならず、入
手が可能で実用的な範囲として、上限値を600N/mm
2 と定めた。このような高張力鋼のアンカーボルトを使
用することにより、同一サイズの柱脚(ベースプレート
のサイズ、アンカーボルトのサイズが同一)と比較し
て、回転バネ定数(回転剛性)が同じでも耐力が大きい
柱脚が可能となる。逆に言えば、耐力が同一の柱脚の場
合、そのサイズが小さいコンパクトなものとなり回転バ
ネ定数が小さくなるので、鉄骨柱3のモーメント(応
力)を基礎へ伝達する割合が小さくなり(半剛性)、結
局コンクリート基礎1のサイズのコンパクト化を図れる
ことになる。
【0028】一方、柱脚の塑性変形能力を大きくするこ
と、そのためにアンカーボルト2のネジ部の先行破断を
防止し軸部の降伏を実現する手段として、アンカーボル
トの材質は、降伏点と引っ張り強さの比、即ち「降伏
比」の上限を80%までとし、「伸び」は18%以上の
材質とする。「伸び」は大きいにこしたことはないが、
前述したように材料の降伏値が上がるに従って「伸び」
は低下してくる。理想的には3号試験片で21%以上が
望ましいが、本発明では実用範囲として許容できる18
%以上を下限値とした。
【0029】アンカーボルト2のネジ部2aに関して
は、その有効径、理想的には谷径が軸部の外径よりも大
きい拡径に形成する(請求項2、3記載の発明)。その
理由は、既に上記解決課題の項で詳しく説明したよう
に、柱脚に使用するアンカーボルトに大きな変形能力を
確保するためには、ネジ部の破断に先行して軸部が降伏
することが重要な条件となる。そのために材質の「降伏
比」が、ネジ部の有効断面積と軸部断面積の比よりも小
さいことが条件(以下、この条件をXと言う。)とされ
るからである。
【0030】ここに先の説明を復唱することは省くが、
前記「降伏比」の上限が80%であれば、およそ上記の
「条件X」を満足することになる。しかし、アンカーボ
ルトの一般的な製造方法、又は引っ張り試験の結果を検
討すると、前記の「条件X」を満たすだけでは、ネジ部
の先行破断の防止に十分な条件と言えないから、要する
に、降伏比の上限が80%でも、ネジ部の先行破断を防
止できないことを意味する。従って、アンカーボルトの
ネジ部が軸部の外径よりも大きい拡径に形成しなければ
ならないことが解かったのである。
【0031】以上に詳述したアンカーボルト2の材質の
条件を現実に満たすものとしては、例えば株式会社合鐵
建材が鋼構造物用高張力鋼(タイロッド)として販売し
ている商品名NHT690(440N/mm2 用の材
質)、或いは商品名NHT740(600N/mm2 用の
材質)を好適に採用して実施することが出来る。本発明
は更に、アンカーボルト2の引張り有効長さを軸部の外
径の16〜20倍で実施する(請求項4記載の発明)。
以下に、その意義を説明する。
【0032】先ずアンカーボルトの引張り有効長さの上
限値は、従来から採用されている20dとした。有効長
さの下限値に関しては、従来一般に採用されている材料
SS490の降伏点275N/mm2 (表1 SS490
の16<d≦40範囲の降伏点)と、本発明で採用する
降伏点の下限値440N/mm2 とを比較すると、次のこ
とが分かる。まず、回転バネ定数の一般式は次の数1で
表すことが出来る。
【0033】
【数1】 上記の数1は、下記の通り、回転バネ定数は数2に比例
する。
【0034】
【数2】 但し、KBS:回転バネ定数 Lb:アンカーボルトの引張り有効長さ(cm) E:アンカーボルト材料のヤング係数(t/cm2 ) nt:引張り側アンカーボルトの本数 Ab:アンカーボルトの軸部の断面積(cm2 ) dt+dc:柱脚の回転中心から引っ張り側アンカーボルト
芯までの距離(cm)上記の数1から、回転バネ定数
は、アンカーボルトの軸部の断面積に比例し、アンカー
ボルトの引張り有効長さに反比例することが分かる。
【0035】ここで、同じ引張り耐力(材料の降伏点×
軸部断面積)となるSS490と本発明品との断面積を
それぞれAb1 、Ab2 とすれば、次の数値が求められる。 この場合の軸部の直径をそれぞれdb1 、db2 とすれば、
次の数3が成り立つ。
【0036】
【数3】 つまり、上記の数2と数3から、SS490を採用した
アンカーボルトと、同じ引張り耐力を持つ本発明品のア
ンカーボルトは、軸部の断面積が0.625倍、軸部の
直径が0.790倍となる。
【0037】ここで、数1の LbをLb=J×dbとおき
(但し、Jは係数、dbは軸部直径)、同じ引張り耐力と
なるSS490と本発明品の回転バネ定数をそれぞれKB
S1、KBS2とすれば、次の数4が成り立つ。
【0038】
【数4】 但し J1:SS490 に対する係数 J2:本発明品に対する係数 ここで上記の数4に於いて、同じ回転バネ定数となる
J1、J2の関係は、次の数5のように、
【0039】
【数5】
【0040】以上のことから、同じ引張り耐力を持つS
S490と、本発明のアンカーボルトを使用した場合と
を比較すると、本発明の回転バネ定数をSS490の回
転バネ定数以下にする条件は、本発明品の引張り有効長
さをSS490の0.79倍、つまり略0.8倍まで減
少させても達成できることを意味する。
【0041】以上の検討から、従来のアンカーボルトの
引張り有効長さ20dに対して、本発明品の引張り有効
長さの下限値は、従来の20dの0.8倍、つまり、1
6dとした。
【0042】
【本発明が奏する効果】本発明に係る建築物の露出型柱
脚によれば、アンカーボルトのネジ部の先行破断を完全
に防止でき、大きな変形能力を確保できる。高張力ボル
トの採用により耐力の大きい柱脚を実現でき、換言すれ
ば、柱脚のサイズが小さいコンパクト化が達成され、且
つコンクリート基礎のコンパクト化も達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する露出型柱脚の形態を示した立
面図である。
【図2】アンカーボルトのネジ部の一般的形態図であ
る。
【図3】A、Bはネジ部の切削加工法の工程順を示す説
明図である。
【図4】A、Bはネジ部の転造加工法の工程順を示す説
明図である。
【図5】A〜Cは転造加工法の異なる工程順を示す説明
図である。
【符号の説明】
2 アンカーボルト 2a ネジ部 d0 軸部外径 d1 谷径 d2 有効径

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物の露出型柱脚において、そのアン
    カーボルトはアンボンドタイプであり、下記の条件を満
    たすこと。アンカーボルトの材質の機械的性質は、降伏
    点が440〜600N/mm2 の範囲(高張力鋼)で、降
    伏点と引張り強さとの比(降伏比)の上限が80%、伸
    びは18%以上であり、アンカーボルトのネジ部は軸部
    の外径より大きい拡径に形成されている。
  2. 【請求項2】 アンカーボルトのネジ部の有効径が、軸
    部の外径よりも大きい拡径であることを特徴とする、請
    求項1に記載した建築物の露出型柱脚。
  3. 【請求項3】 アンカーボルトのネジ部の谷径が、軸部
    の外径よりも大きい拡径であることを特徴とする、請求
    項1に記載した建築物の露出型柱脚。
  4. 【請求項4】 アンカーボルトの引張り有効長さが、そ
    の軸部の外径の16〜20倍であることを特徴とする、
    請求項1乃至3に記載した建築物の露出型柱脚。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007303102A (ja) * 2006-05-09 2007-11-22 Sekigahara Seisakusho:Kk レール位置決め装置及びそれに用いるタイプレート
JP2019035271A (ja) * 2017-08-17 2019-03-07 センクシア株式会社 アンカー補強構造、アンカー補強方法およびアンカー補強部材
JP2019035272A (ja) * 2017-08-17 2019-03-07 センクシア株式会社 アンカー補強構造およびアンカー補強方法
JP2020105729A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 大和ハウス工業株式会社 アンカー筋用鉄筋、アンカー筋およびプレキャストコンクリート基礎

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