JPH11158681A - セレン含有被処理水の処理方法 - Google Patents

セレン含有被処理水の処理方法

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JPH11158681A
JPH11158681A JP9336398A JP33639897A JPH11158681A JP H11158681 A JPH11158681 A JP H11158681A JP 9336398 A JP9336398 A JP 9336398A JP 33639897 A JP33639897 A JP 33639897A JP H11158681 A JPH11158681 A JP H11158681A
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JP
Japan
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selenium
treated
water
electrolytic cell
platinum group
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Application number
JP9336398A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Makita
善之 蒔田
Kimihiro Shimokawa
公博 下川
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来技術では強還元剤を使用して還元析出す
るしか方法のなかった6価セレンイオンの還元析出を比
較的穏やかな電解条件下で行える方法及び装置を提供す
る。 【構成】 電解槽本体1内に収容した白金族金属系触媒
を担持した活性炭粒子7を6価セレンイオンを含む電解
液で流動させながら電解を行うと、該6価セレンイオン
が前記活性炭粒子上又は電解槽内に析出して回収でき
る。本発明では各種の価数を有するセレンイオンの実質
的に全てを電解液から除去でき、特に金属製錬廃液中の
セレンイオン除去に有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セレン含有被処理水か
らセレンを電解的に還元除去する方法に関し、より詳細
には還元処理による除去が困難な6価セレンを廃液から
電解的に還元除去するための方法に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】セレン(Se)は天然に
は、硫黄や硫化物中に少量含まれ産出する。銅を始めと
する金属製錬等の廃液中に、SeO3 2-(4価セレン)
のイオンの形態で含有され、この他にもSeO4 2-(6
価セレン)イオンも前記廃液中に含有され、前者の4価
セレンは廃液中で6価セレンへと変換されて廃液中の6
価セレン濃度が高くなる傾向にある。セレンは有害物質
であり、環境保全の観点から前記廃液中から除去した上
でなければ放流することは法令上許されない。前記4価
セレンと6価セレンのうち、4価セレンの除去は比較的
簡単に行えることが報告され、例えば前記4価セレン化
合物イオン(SeO3 2-)にpH3〜5でFe2-を添加
し該4価セレンイオンによりこのFe2-を酸化し、加水
分解することにより4価セレンの還元を促進して金属鉄
又は鉄化合物と金属セレン又はセレン化合物を共沈させ
て廃液中からの4価セレンの除去が行われている(特公
昭48−30558 号公報)。しかしこの方法は還元性の弱い
6価セレンには適用できず、6価セレンの除去には従来
からより強い薬剤を使用して該6価セレンを金属セレン
又は不溶性のセレン化合物に還元して回収する方法が試
みられている。
【0003】例えば特開平5−78105 号公報には、4価
セレンが上記方法で除去できるのに対し、6価セレン
は、強酸溶液中で強力な還元剤を使用しなければ金属セ
レンとして析出させられないことが記載され、更にこの
公報には前記4価及び6価セレンイオンと反応して難溶
性塩を生成する化合物を廃液中に添加し、2段階で前記
セレンイオンを除去する方法が提案されている。なお廃
液中に銅イオンが共存する場合にはこの方法は使用でき
ず、中和剤、酸及び鉄イオンが添加される(特開平6−
79286 号公報)。しかしながらこれらの方法は2工程を
必要とし、以前の技術と同様に添加薬剤を必要とするた
め経済性に劣りかつ添加した薬剤を処理済みの廃液から
完全に除去するためには更なる操作が必要になるという
問題点がある。
【0004】セレンイオンを含有する廃液を電解的に還
元するセレンイオンの除去方法も開示されている(米国
特許第5,322,600 号明細書)。この方法は、基本的にシ
ート状の陽極及び陰極を収容した電解槽に、セレンイオ
ンを含む廃液を供給してセレンイオンを不溶性金属又は
化合物として除去することを意図し、電極面積を増大さ
せるために電極室にグラファイト粒子又は類似物質を充
填しても良いことが開示されている。しかしこの米国明
細書には、パラジウム等の金属をグラファイト等に担持
させることに関する記載はない。更に隔膜として特殊な
半透過膜(semipermeable membranes)を使用し、陰極室
→半透過膜→陽極室の順に液を循環させて陽極室で−2
価のセレンイオンを酸化し陰極室で4価及び6価のセレ
ンイオンを還元して回収するようにしている。このよう
に両極室でセレンイオンの還元又は酸化を行うため、電
解液が隔膜を透過して両極室を通過することになり、高
価な半透過膜が必要となり、運転を継続すれば該半透過
膜の目詰まりも生じメンテナンスが必要になり、更に電
解液を半透過膜を透過させるためにより以上の圧力を要
し、大型のポンプを設置しなければならないという欠点
がある。更にこの発明は電極室にグラファイト等を充填
しても良いことを開示しているが、基本的にシート状の
電極が使用され、しかも実施例に「4価セレン及び6価
セレンが電解的に金属セレンに還元される」という記載
があるのみで、6価セレンの初期濃度や電解条件が不明
で実際にどの程度6価セレンが還元されるかは明らかに
されていない。後述する通り、本発明者が活性炭を充填
した固定床電解槽で6価セレンの還元を試みたところ、
該還元は殆ど起こらず実用的でないことが判った。
【0005】
【発明の目的】本発明は、薬剤の添加を必要とせず、し
かもほぼ定量的に6価セレンを廃液等の被処理水から効
果的に除去するための方法及び装置を提供することを目
的とする。
【0006】
【問題点を解決するための手段】上記問題点を解決する
本発明は、隔壁により陽極室及び陰極室に区画された電
解槽の該陰極室に1又は2以上の白金族金属を担持した
導電性微粒子を収容した流動床型電解槽の該陰極室に、
6価セレンを含有する被処理水を供給して電解し、前記
6価セレンを還元し金属セレン又は不溶性セレン化合物
とすることを特徴とするセレン含有被処理水の処理方
法、及び隔壁により陽極室及び陰極室に区画された電解
槽の該陰極室に1又は2以上の白金族金属を担持した導
電性繊維を収容し、該陰極室に6価セレンを含有する被
処理水を供給しながら通電し、前記6価セレンを還元し
金属セレン又は不溶性セレン化合物とすることを特徴と
するセレン含有被処理水の処理方法である。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。本発明方法
あるいは装置を使用する金属製錬廃液等の被処理水の処
理は、陰極として白金、パラジウム、ルテニウム、イリ
ジウム、オスミウム等の白金族金属を担持した導電性粒
子又は繊維等の陰極担体、特に炭素質粒子又は炭素繊維
である陰極担体を使用する。本発明では、この白金族金
属の担持が必須であり、該金属等の担持がない単なる陰
極担体では最大20〜30%程度の除去効率しか得られない
のに対し、所定量の白金族金属等の担持により高い除去
効率が得られる。なお本発明は広いpH範囲でのセレン
除去を意図するため前述の白金族金属の担持が必須にな
るが、pH1.0 付近の強酸性領域では白金族金属を担持
しなくても6価セレンの還元除去は可能である。白金族
金属の担持により6価セレンが還元されるのは通常の電
解条件では還元されにくい6価セレンの過電圧が白金族
金属の有する還元能により通常の過電圧より小さくなる
ため、強酸性領域以外では白金族金属の担持のない陰極
担体では還元されにくい6価セレンが4価セレンを経て
金属セレンに還元されるものであると推測できる。本発
明は特に6価セレンを対象とするが、4価セレンや2価
セレンも容易に金属セレンに還元され、又被処理水の液
性を酸性にしておくと−2価セレンも電解開始前に4価
又は2価に酸化され、本発明により金属セレンに還元さ
れて回収できるので、実質的に全ての価数のセレンイオ
ンを回収できることになる。
【0008】本発明に使用する陰極担体としては、導電
性微粒子又は繊維は炭素質材料、例えば活性炭やグラフ
ァイト粒子、又はフェルト状又は綿状に成形した市販の
炭素繊維を使用することが好ましい。本発明では後述の
通り、電解槽内に充填された導電性微粒子に下方から被
処理水を供給して流動させるが、導電性繊維を電解槽内
に収容して下方から被処理水を供給しても繊維間の拘束
力のため該繊維は流動せず固定床のまま維持される。こ
の陰極担体に担持される白金族金属等はどのような手法
により担持しても良いが、例えば白金族金属の塩化物を
溶解した溶液に活性炭粒子を浸漬し攪拌して担持させる
ことが望ましい。又後述するセレンイオン還元用電解槽
で電解液を白金族金属化合物溶液として電解し活性炭粒
子表面に前記白金族金属を還元担持しても良い。この他
に無電解めっき法や熱分解法も条件によっては採用でき
るが、前記担体が炭素質であると損傷を受けやすいた
め、前述した浸漬法又は電解法を採用することが好まし
い。白金族金属等の担持量は処理すべき廃液中のセレン
イオンの量等にも依存するが、陰極担体1kgに対して3
〜6gとすることが望ましい。3g未満であると短時間
で6価セレンの還元が起こりにくく、かつ6gを越える
量を担持させても効率は殆ど向上せず、経済性に欠ける
ことになる。なおセレン還元のための電解を継続する
と、活性炭等の陰極担体表面の白金族金属等が消耗し触
媒活性が低下することがあるが、その場合には別に準備
した新しい陰極担体と交換するか、消耗した陰極担体を
収容した電解槽の電解液を塩化パラジウム等の白金族金
属化合物溶液として電解し再度活性炭粒子表面に前記白
金族金属を還元担持して再生しても良い。
【0009】又この陰極担体は単に陰極室に収容するだ
けでなく、供給するセレンイオン含有廃液等の被処理水
により流動させることが好ましく、この流動を行わせな
い固定床型電解槽では強酸性下を除き6価セレンの還元
による析出能力は低下する。該流動を起こさせる手段は
前記被処理水を陰極担体の下方から供給して行うことが
最も一般的であるが、機械的攪拌等の他の手段で行って
も良い。この流動の程度は膨脹率で表され、この膨脹率
は電解槽内で流動している状態の活性炭等の陰極担体
(流動層)の高さから、静止状態で充填された活性炭等
の高さ(静止層高さ)を差し引いた値を静止層高さで除
した値を百分率で示したものである。通常の流動床電解
では膨脹率が30%を越えるとかなり激しい流動状態にあ
り、本発明でも膨脹率の上限は30%程度とすることが好
ましいが、この上限値を越えて流動させることは差し支
えない。膨脹率が20%程度までの流動状態ではセレン還
元効率に大きな影響は生じないが、30%に達すると逆に
還元効率が落ちるため好ましい膨脹率は5〜20%程度で
ある。膨脹率が1%未満であると十分な流動が得られな
いため、本発明では膨脹率の下限値を1%とすることが
望ましい。本発明で使用する隔壁は陰極室内の導電性微
粒子が陽極室内に侵入することを防止するために設ける
ものであり、通電用の微細孔を有する絶縁材料であれば
材質等に制限はない。従って安価な材料を使用でき、目
詰まりの心配がなく、更に被処理水を高圧で供給する必
要がないため、小型のポンプで被処理水供給ができる。
【0010】他の電解条件は次のように設定することが
望ましい。 試験廃液のpH: 0.5 〜5.0 、特に0.8 から1.5
。 電流値: 11〜20A/kgb−活性炭(以下「−活性
炭」を省略)、特に18A/kgb前後(kgbのbは粒子を意味
するbeads を示す)。 電解液温度: 室温〜45℃。 pHに関しては1前後の強酸性とすると、−2価のセレ
ンイオンの酸化が起きることからセレン除去効率に好影
響を及ぼすとともに6価セレンイオンの還元も促進す
る。又電流値は高いほど還元効率が向上することは当然
であるが、経済性や装置への悪影響を考慮して20A/kgb
程度を上限とすることが望ましく、下限に関しては4A
/kgbを若干越える値の場合には20A/kgbの場合より長時
間を要するがセレンイオン濃度を1mg/リットル未満ま
で低減できるが、3A/kgb程度まで落ちると他の条件に
も依るが、殆どセレンイオンの還元が起きなくなるた
め、前記下限値は4A/kgb程度とすることが好ましい。
電解温度に関しては効率に対する影響は無視できる程度
であり、室温又は弱い加熱下で行えば良い。電解槽への
被処理水の供給はワンパス方式で行うことが望ましい
が、この他にいわゆるバッチ式により一旦供給した被処
理水を電解槽外に取り出さず、循環して電解処理を行う
ようにしても良い。
【0011】このような条件でセレンイオン特に6価セ
レンイオンを10〜20mg/リットル含有する廃液等を電解
処理すると、2〜6時間程度でセレンイオン濃度を5mg
/リットル未満に低下でき、前記条件の中で更に条件を
選択すると1mg/リットル未満に低下させ、実質的にセ
レンイオンを除去できる。このセレンイオンを含む被処
理水処理は電解的に行うため、添加薬剤が不要(被処理
水のpH調節のため若干の酸を添加することがある)で
あり、かつ従来と異なり条件によっては被処理水から完
全にかつ多くの価数を有する多種のセレンイオンの全て
を除去してセレン含有のない被処理水を再生できる。本
発明は、金属製錬の廃液に主として適用され、セレンイ
オンを金属セレンとして回収することよりむしろ、前記
廃液中からの不純物であり環境汚染物質であるセレンイ
オン除去を主目的とするが、これ以外にもセレンイオン
を含む各種溶液にも適用でき、金属セレン回収に使用し
ても良い。
【0012】次に本発明に係わる電気化学的水処理装置
の実施例を添付図面に基づいて説明する。図1は、本発
明のセレン含有被処理水の処理用電解槽によるバッチ処
理の一例を示す縦断面図である。1は、上面が開口する
円筒形の電解槽本体であり、該電解槽本体1の底面中央
には被処理水導入口2が生成されている。前記電解槽本
体1の上面の開口部には中央に棒状陽極3が挿入された
天板4が設置されて開口部が塞がれ、前記陽極3は下端
が前記被処理水導入口2近傍に達するとともに、全体が
隔壁として機能する袋状の耐酸布5で包まれている。前
記円筒形の電解槽1本体の側部壁面の内側には円筒形の
メッシュ状陰極6が設置され、該陰極6と前記耐酸布5
の間の下部空間には、パラジウム等の触媒物質が担持さ
れた活性炭粒子7が収容されている。
【0013】前記棒状陽極3と円筒陰極6とは外部電源
8に接続され、該電源8により両極に通電されるように
なっている。前記天板4には処理液取出口9が設置され
該取出口9は側方に導かれ、他端が処理液貯留タンク10
に達し、前記電解槽本体1で処理された液を繰り返し処
理するため該タンク10に供給するようにしている。この
タンク10の貯留水11は循環ポンプ12の動力によりフィル
ター13及び流量計14を介して前記被処理水導入口2に循
環し電解槽本体1内に下方から導入されて、前記活性炭
粒子7を流動状態に維持するとともに該活性炭粒子7に
担持されたパラジウム等により被処理水中のセレンイオ
ンが還元されて金属セレンとして活性炭粒子7表面に析
出したりあるいは粉末として電解槽本体1内に沈澱す
る。この時に、触媒物質を担持した活性炭粒子7が供給
する被処理水により流動状態に維持されるため被処理水
中のセレンイオンと前記触媒物質の接触効率が向上して
比較的短時間でセレンイオン特に還元されにくい6価セ
レンイオンが金属セレンに還元されて析出し被処理水か
ら除去されるため、被処理水取出口9からはセレン濃度
が低いかあるいは実質的にセレン濃度がゼロである処理
済みの被処理水が取り出される。
【0014】
【実施例】次に本発明によるセレンイオンを含有する被
処理水からのセレン回収の実施例を記載するが、本実施
例は本発明を限定するものではない。
【0015】
【実施例1】塩化パラジウム5.2 gを秤量し、硫酸を数
滴添加した純水1リットルに添加し60℃で1時間加熱攪
拌して溶解した(パラジウムとして3g/リットル)。
この溶液に未使用の活性炭0.5 kgを加え、時々攪拌しな
がら液が無色透明になるまで2〜4時間放置した。固液
分離により活性炭を取り出し、60℃で十分乾燥させた
(パラジウム担持量:6g/kgb)。直径10cm、高さ20cm
の円筒形の電解槽の内壁に沿ってチタン製のメッシュ状
の円筒陰極を設置し、中央には袋状の耐酸布に収容した
白金めっきしたチタン棒である陽極を設置し、それぞれ
を外部電源に接続した。この電解槽の底板に被処理水導
入口を設け、外部の貯留タンクに貯留した被処理水をフ
ィルターを通した後、ポンプにより供給するようにし、
かつ前記電解槽の天板には被処理水取出口を設け、該取
出口から取り出した処理済みの処理液を前記貯留タンク
に循環させた。
【0016】前記電解槽内にパラジウムを担持させた前
記活性炭粒子0.5 kgを充填し、被処理水導入口に供給す
る被処理水の速度により膨脹率を調節して20%前後に維
持した。被処理水中の6価セレンイオン濃度は16mg/リ
ットル、pHは1.0 とし、液温は27〜34℃に維持しなが
ら11A/kgb の電流を流して電解を行ない、電解槽の処理
液取出口から取り出した処理液を被処理水導入口へ循環
させながら、6時間電解を継続した。18分、36分、55
分、73分、2時間及び4時間経過後に電解槽の処理液取
出口において、該処理液中のセレンイオン濃度を測定し
たところ、それぞれ14、13、12、10、6、及び<1mg/
リットルであった。更に2時間電解を継続したが、セレ
ンイオン濃度は1mg/リットル未満に維持されていた。
この結果を表1に纏めた。
【0017】
【表1】
【0018】
【実施例2】実施例1と同一の電解槽を使用し、pHを
3.0 、液温を23〜41℃、パラジウム担持量を12g/kgb、
電流値を18.0A/kgb (電圧値は13.3Vとなった) とした
こと以外は実施例1と同一条件で被処理水中のセレンイ
オンの還元を行なった。その際の検出セレンイオン濃度
の経時変化を表1に示した。電解開始後6時間でセレン
イオン濃度は1mg/リットルまで低下したが、実施例1
と比較して還元速度が遅かった。実施例1より電流を高
く維持し、パラジウム担持量を増やしたにもかかわら
ず、速度が遅かったのはpH値を1から3に上げたから
であると推測できる。
【0019】
【実施例3】表1に示した通り、パラジウム担持量は変
化させず、電流を11.0A/kgbとした(表1の通り温度も
若干異なり又電圧値は8.6 Vとなった)こと及び被処理
水のセレン濃度を15mg/リットルとしたこと以外は実施
例2と同一条件で電解を行ったところ、4時間経過後の
セレンイオン濃度は8mg/リットル、6時間経過後は4
mg/リットルであり、実施例2よりかなり還元速度が低
下していた。
【0020】
【実施例4】表1に示す通り、実施例2のパラジウム担
持量12g/kgbを半分の6.0 g/kgbとしたこと以外は実施
例2と実質的に同一条件で電解を行ったところ(表1に
明示した通り温度及び電圧値が僅かに異なる)、各計測
時間におけるセレンイオン濃度は実施例2と比較して僅
かずつ高く、6時間経過後のセレンイオン濃度は実施例
2の1mg/リットルに対して2mg/リットルであり、パ
ラジウム担持量のセレンイオン還元に対する影響が観察
された。
【0021】
【実施例5】表1に示す通り、実施例4よりも低い電流
(11.0A/kgb)としたこと以外は、実施例4と同一条件
で電解を行ったところ (電圧値は7.8 Vとなった) 、4
時間及び6時間経過後のセレンイオン濃度はいずれも実
施例4より高い12及び4mg/リットルであったが、十分
なセレンイオン減少が達成された。
【0022】
【参考例1】表1に示す通り、実施例5よりも更に低い
電流(3.0 A/kgb)としたこと以外は、実施例5と同一
条件で電解を行ったところ(被処理水の初期セレンイオ
ン濃度は18mg/リットルであり、電圧値は3.7 Vとなっ
た) 、6時間経過後のセレンイオン濃度は16mg/リット
ルであり、実質的なセレンイオン濃度の減少は起こらな
かった。
【0023】
【参考例2】表1に示す通り、参考例1よりもパラジウ
ム担持量を大きくした(2倍の12g/kgb)こと以外は
(電圧値は4.6 Vとなった) 、参考例1と同一条件で電
解を行ったところ(被処理水の初期セレンイオン濃度は
16mg/リットル)、6時間経過後のセレンイオン濃度は
14mg/リットルであり、初期値からの減少は参考例1と
同じ2mg/リットルであり、電流値が低いとパラジウム
担持量を増加してもセレンイオン還元効率が上昇しない
ことが判った。
【0024】
【比較例1】電流値を参考例2と同じ3.0 A/kgbとし、
活性炭へのパラジウム担持を行わなかったこと以外は、
参考例1と同一条件で電解を行ったところ(初期セレン
イオン濃度は17mg/リットルであり、電圧値は6.5 Vと
なった)、セレン濃度の経時変化は、表1に示す通り参
考例2とほぼ同じであった。
【0025】
【比較例2】電流値を実施例1、3及び5と同じ11.0A
/kgbとしたこと以外は、比較例1と同一条件で電解を行
ったところ (電圧値は12.8Vとなった) 、セレン濃度の
経時変化は表1に示す通り比較例1とほぼ同じで、4時
間及び6時間経過後のセレンイオン濃度は14及び15mg/
リットルであった。比較例1及び2からpH3.0 以上で
はパラジウム担持が不可欠であることが判った。
【0026】
【比較例3】パラジウム担持量及び電流値を実施例4と
同じ6g/kgb及び18A/kgbとし、活性炭の膨脹率を1%
未満に抑制して実質的に固定床としたこと以外は実施例
4と同一条件で電解を行ったところ(初期セレンイオン
濃度は16mg/リットルであり、電圧値は15.2Vとなっ
た)、セレン濃度の経時変化は表1に示す通り実施例4
より遙かに高く、4時間及び6時間経過後のセレンイオ
ン濃度は17及び14mg/リットルであり、活性炭の膨脹率
を1%未満(実質的な固定床)とすると、セレンイオン
の還元が殆ど起こらないことが判った。
【0027】
【比較例4】活性炭にパラジウムを担持させず、又電流
値(16A/kgb)を若干増減させたこと比較例3と同一条
件で電解を行ったところ(初期セレンイオン濃度は17mg
/リットル)、セレン濃度の経時変化は表1に示す通り
比較例3よりも僅かに小さい程度で大きな変化はなく、
膨脹率が1%未満(実質的な固定床)であるとパラジウ
ム担持の有無が効率に殆ど影響を与えないことが判っ
た。
【0028】
【実施例6〜8】pH、パラジウム担持量及び膨脹率を
一定に保持し、電流値を実施例6(5.0A/kgb)、実施
例7(11.0A/kgb)及び実施例8(18.0A/kgb)と順に
上昇させて実施例1〜5と同じ電解を行ない、経時変化
を測定したところ、結果は表2に示す通りであった。セ
レンイオン濃度が1mg/リットル未満に達するまでに要
した時間はそれぞれ10時間(実施例6)、6時間(実施
例7)及び2時間(実施例8)であり、電流値が高いほ
どセレンイオン還元が短時間で起こることが判った。
【0029】
【表2】
【0030】
【実施例9〜11】pH、パラジウム担持量、電流値を一
定に保持し、活性炭の膨脹率を実施例9(10%、被処理
水の流速は2,5L/分)、実施例10(20%流速は3,6L/
分)及び実施例11(30%、流速は5,0L/分)と順に上昇
させて前記実施例と同じ電解を行ない、経時変化を測定
したところ、結果は表2に示す通りであった。セレンイ
オン濃度が1mg/リットル未満に達するまでに要した時
間はそれぞれ2時間(実施例9)、2時間(実施例10)
及び6時間(実施例11)であり、前記膨脹率は10〜20%
が適切であることが判った。
【0031】
【実施例12〜13】pHを0.8 (実施例12)及び1.5 (実
施例13)としたこと以外は実施例8(pH1.0 )と実質
的に同一条件で実施例8と同じ電解を行ない、経時変化
を測定したところ、結果は表2に示す通りであった。セ
レンイオン濃度が1mg/リットル未満に達するまでに要
した時間は両者とも3時間であり実施例3の2時間より
は時間を要しているが、pHが3である実施例2〜5よ
りは遙かに早く1mg/リットル未満に達することが判っ
た。
【0032】
【実施例14〜18】pH、パラジウム担持量、電流値及び
膨脹率を一定 (pH1.0 、電流値18.0A/kgb、膨脹率10
%) に保持し、試験の再現性を確認するために前記各実
施例と同じ電解を行ない、経時変化を測定したところ、
結果は表2に示す通りであった。セレンイオン濃度が1
mg/リットル未満に達するまでに要した時間はそれぞれ
4時間(実施例14)、3時間(実施例15)、3時間(実
施例16)、3時間(実施例17)及び4時間(実施例18)
であり、3〜4時間の電解で所望のレベルまで処理液中
のセレンイオン濃度を減少させられることが判った。
【0033】
【実施例19】pH1.0 、電流値9.0 A/kgb、パラジウム
担持量6g/kgb、膨脹率10%とし、初期セレンイオン濃
度が10mg/リットルである被処理水の電解を行ない、消
費電気量と残存セレンイオンの関係を測定したところ、
その結果は図2に示す通りであった (電圧値は6.5 Vと
なった) 。消費電気量が1.8 Ahr/リットルでセレンイオ
ン濃度がほぼゼロとなった。又この時点の電圧値は6.4
Vであった。
【0034】
【比較例5】パラジウム担持量を0g/kgbとしたこと以
外は実施例19と同一条件で電解を行ない、消費電気量と
残存セレンイオンの関係を測定したところ (電圧値は7.
6 Vとなった) 、その結果は図2に示す通りであった。
消費電気量が5.4 Ahr/リットルになってもセレンイオン
濃度は約1mg/リットルであり、パラジウム担持無しで
は十分なセレンイオン除去が起こらないことが判った。
又この時点の電圧値は6.7 Vであった。
【0035】
【発明の効果】本発明は、隔壁により陽極室及び陰極室
に区画された電解槽の該陰極室に1又は2以上の白金族
金属を担持した導電性微粒子を収容した流動床型電解槽
の該陰極室に、6価セレンを含有する被処理水を供給し
て電解し、前記6価セレンを還元し金属セレン又は不溶
性セレン化合物とすることを特徴とするセレン含有被処
理水の処理方法(請求項1)である。従来のセレンイオ
ンの還元による析出において、還元されにくい6価セレ
ンを金属まで還元して析出し溶液から除去するという手
法はその殆どが強い還元剤を使用して行うことであり、
この手法では条件調節が難しく又還元剤が溶液中に残存
してその分離にも手間が掛かるという問題点があった。
比較的穏やかな条件で6価セレンイオンの除去が行うこ
とが要請されていたにもかかわらず、工業的に実施可能
な6価セレン除去方法は着想されていなかった。
【0036】比較的穏やかな還元条件で還元反応を実施
できる手段として電解があるが、単なる電解では6価セ
レンを還元することはできない。本発明者は、このよう
に還元され難い6価セレンを電解的に還元する手法を種
々検討した結果、本発明に達したもので、白金族金属等
を担持した導電性微粒子から成る陰極担体を収容した流
動床型電解槽で、6価セレンを含有する被処理水を処理
することにより6価セレンを還元し金属セレン又は不溶
性セレン化合物とすることを可能にしたものである。広
いpH範囲つまりpHが0.5 〜3.0 (請求項3)での6
価セレン除去を意図する本発明では、白金族金属の担持
と、陰極担体の流動が不可欠の要件であり、いずれが欠
けても電解的に6価セレンを析出させられなくなる。但
しpH1.0 付近では白金族金属の担持がなくても6価セ
レンの除去は可能である。なお前記白金族金属等として
はパラジウムが最適である(請求項2)。
【0037】6価セレンが還元できることは4価及び2
価セレンも還元して析出させられることを意味し、特に
溶液が酸性であると−2価のセレンが2価又は4価に容
易に酸化されるため、−2、2、4及び6価の全てのセ
レンイオンを本発明により還元できることになる。本発
明方法は前述した導電性粒子を収容した流動床型電解槽
のみでなく、導電性繊維を収容した固定床型電解槽を使
用して実施することもできる(請求項4)。この方法で
も同様に比較的穏やかな条件で効率良く、かつ残存不純
物を生じさせることなく、6価セレンを還元でき、被処
理水からの除去が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセレン含有被処理水の処理用電解槽の
一例を示す縦断面図。
【図2】実施例19及び比較例6における消費電気量と残
存セレンイオンの関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1・・・電解槽本体 2・・・廃液導入口 3・・・棒
状陽極 4・・・天板 5・・・耐酸布 6・・・陰極 7・・・活性炭 8・
・・電源 9・・・廃液取出口 10・・・廃液貯留タン
ク 11・・・貯留水 12・・・廃液導入口 13・・・フ
ィルター 14・・・流量計

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隔壁により陽極室及び陰極室に区画され
    た電解槽の該陰極室に1又は2以上の白金族金属を担持
    した導電性微粒子を収容した流動床型電解槽の該陰極室
    に、6価セレンを含有する被処理水を供給して電解し、
    前記6価セレンを還元し金属セレン又は不溶性セレン化
    合物とすることを特徴とするセレン含有被処理水の処理
    方法。
  2. 【請求項2】 白金族金属がパラジウムである請求項1
    に記載の方法。
  3. 【請求項3】 被処理水のpHが0.5 〜3.0 である請求
    項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 隔壁により陽極室及び陰極室に区画され
    た電解槽の該陰極室に1又は2以上の白金族金属を担持
    した導電性繊維を収容し、該陰極室に6価セレンを含有
    する被処理水を供給しながら通電し、前記6価セレンを
    還元し金属セレン又は不溶性セレン化合物とすることを
    特徴とするセレン含有被処理水の処理方法。
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