JPH11158250A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物

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JPH11158250A
JPH11158250A JP32977297A JP32977297A JPH11158250A JP H11158250 A JPH11158250 A JP H11158250A JP 32977297 A JP32977297 A JP 32977297A JP 32977297 A JP32977297 A JP 32977297A JP H11158250 A JPH11158250 A JP H11158250A
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JP
Japan
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meth
group
epoxy
resin composition
curable resin
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Application number
JP32977297A
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English (en)
Inventor
Yasushi Ariyoshi
泰 有吉
Takehiro Suzuki
健弘 鈴木
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンクリート、ガラスなどの建築用無機基材に
対する塗布性能および硬化性に優れ、高い撥水・撥油効
果を示す平滑な塗膜を形成する硬化性樹脂組成物を提供
すること。 【解決手段】(a) 多官能(メタ)アクリレート化合物、
(b) エポキシ樹脂、(c)(メタ)アクリロイル基、エポ
キシ基、またはアミノ基を有するオルガノポリシロキサ
ン、(d) 多官能アミン化合物、および(e) オルガノポリ
シロキサン部を有する界面活性剤を含む硬化性樹脂組成
物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス、コンクリ
ート、モルタル、セラミック、石材、金属板等の無機基
材上の乾燥面および湿潤面で常温硬化し、雨、油、ほこ
り、水性または油性塗料による汚染に対する保護特性に
優れ、また人為的に貼られたポスター等の貼り紙を容易
に剥がしとることのできる表面性状を有した塗膜を形成
する、外装材、および塗料として有用な硬化性樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリートやモルタルに代表される土
木建築材料および列車などの金属材料への外装材には、
アクリルシリコン、ポリウレタンなどが一般的に用いら
れ、優れた耐候性および強度をもつ硬化塗膜が得られる
ことが知られている。これらの建築物は外界にさらされ
るため、塗膜には、雨、油、ほこり等による汚染に対す
る保護特性が要求される。また、マジックインキやペン
キスプレーによる落書き、ポスター等の貼り紙が、電話
ボックス、地下道、電柱、橋脚、塀、壁等の建築物の美
観を著しく低下させるケースが多発し、これら外装材や
コンクリート、ガラス等の保護性能に優れた塗膜が望ま
れている。
【0003】これらの落書き汚染や貼り紙から基材を保
護する塗布剤としては、主にフッ素系またはシリコーン
系塗料が用いられているが、十分な効果を発揮するもの
は少なく、効果があるものも落書きを除去するために有
機溶剤などの除去剤を必要とする場合が多い。そこで、
水もしくは乾いた布などで落書き汚染を容易に除去でき
るような塗膜が要求されている。シリコーンを含有する
防汚性塗料としては、高い撥水・撥油効果を得ているも
のも存在するが、一般にアクリルなどの各種樹脂溶液と
シリコーンとの相溶性の低さから相分離を起こすなどの
問題がある。とりわけ、高分子量のポリシロキサンを樹
脂中に含有させることは困難であった。また、他成分に
対して相溶性の悪いシリコーンを含有した低粘度の塗料
を基盤に塗布した場合、乾燥過程ではじきやクレーター
現象を起こす場合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、コンクリー
ト、ガラスなどの建築用無機基材に対する塗布性能およ
び硬化性に優れ、高い撥水・撥油効果を示す平滑な塗膜
を形成する硬化性樹脂組成物の提供すること。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、多官能
(メタ)アクリレート化合物、エポキシ樹脂および多官
能アミン化合物を含む硬化性樹脂組成物に、(メタ)ア
クリロイル基、エポキシ基、またはアミノ基を有するオ
ルガノポリシロキサン、およびオルガノポリシロキサン
部を有する界面活性剤を添加することにより、無機基材
上に耐汚染性に優れる平滑な塗膜が形成でき、該塗膜表
面のマジックインキによる落書きが乾布で容易に除去で
きること、また該塗膜表面に貼ったセロファンテープ等
の粘着フィルムが容易に剥がせることを見出し、本発明
に至った。
【0006】硬化塗膜表面の耐汚染性は、(a)多官能
(メタ)アクリレート化合物と(d)多官能アミン化合物
の反応中、および(b) エポキシ樹脂と(d) 多官能アミン
化合物との反応中に、高撥水・撥油成分である(c) (メ
タ)アクリロイル基、エポキシ基、またはアミノ基を有
するオルガノポリシロキサンを組み込み、架橋構造中に
導入することによって発現する。また、塗膜の平滑性は
(e) オルガノポリシロキサン部を有する界面活性剤が、
(c) (メタ)アクリロイル基、エポキシ基、またはアミ
ノ基を有するオルガノポリシロキサンと他成分との界面
張力を低下させ、はじきやクレーター現象を抑制するこ
とで現れる。
【0007】すなわち、本発明は、(a) 多官能(メタ)
アクリレート化合物、(b) エポキシ樹脂、(c) (メタ)
アクリロイル基、エポキシ基、またはアミノ基を有する
オルガノポリシロキサン、(d) 多官能アミン化合物、お
よび(e) オルガノポリシロキサン部を有する界面活性剤
を含む硬化性樹脂組成物に関する。また、本発明は、エ
ポキシ基またはアミノ基を有するシラン化合物を含む上
記硬化性樹脂組成物に関する。また、本発明は、フルオ
ロアルキル基を有する単官能(メタ)アクリレート化合
物を含む上記硬化性樹脂組成物に関する。
【0008】また、本発明は、フルオロアルキル基を有
する単官能エポキシ化合物を含む上記硬化性樹脂組成物
に関する。また、本発明は、硬化性樹脂組成物中に含ま
れる(メタ)アクリロイル基の数をXa、エポキシ基の
数をXe、アミノ基の活性水素の数をYとすると、Xa
≦Y≦(Xa+Xe)である上記硬化性樹脂組成物に関
する。また、本発明は(e) オルガノポリシロキサン部を
有する高分子界面活性剤が一般式
【0009】
【化2】
【0010】(式中、R1 2 はポリエーテル系の親水
性高分子またはオリゴマーである。また、l、m、nは
整数であり、l=1〜10、m=5〜200 、n=1〜200 であ
る)で示されるブロックまたはグラフト型のポリジメチ
ルシロキサン共重合体である上記硬化性樹脂組成物に関
する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の硬化性樹脂組成物は、
(a) 多官能(メタ)アクリレート化合物、(b)エポキシ
樹脂および(c) (メタ)アクリロイル基またはエポキシ
基を有するオルガノポリシロキサンを含む主剤と、(d)
多官能アミン化合物を含む硬化剤、もしくは(a) 多官能
(メタ)アクリレート化合物および(b) エポキシ樹脂を
含む主剤と、(c) アミノ基を有するオルガノポリシロキ
サンおよび(d) 多官能アミン化合物を含む硬化剤とを使
用時に混合する二液型の硬化性樹脂組成物として用いら
れる。本発明の硬化性樹脂組成物は、上記主剤と硬化剤
とを混合した状態で液状であればよいが、手早く均一に
混合して優れた硬化物性を得るには、主剤および硬化剤
の両方が液状であり、混合状態での粘度が1000cps(25
℃)以下であることが望ましい。
【0012】ここで言う液状には、二種類以上の化合物
が完全に相溶して液状になっているものだけでなく、エ
マルジョンや液状化合物に粉状化合物が分散している不
均一系も含まれる。本発明の硬化性樹脂組成物に含まれ
る化合物としては、混合時に液状であれば、任意の化合
物を使用することができる。 (a) 多官能(メタ)アクリレート化合物としては、ヒド
ロキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物
およびヒドロキシル基を有さない多官能(メタ)アクリ
レート化合物を用いることができる。ヒドロキシル基を
有する多官能(メタ)アクリレート化合物と、ヒドロキ
シル基を有さない多官能(メタ)アクリレート化合物と
の配合比を調節することによって、硬化性樹脂組成物の
硬化時間を制御することができる。これはヒドロキシル
基の活性水素により(メタ)アクリレート化合物の(メ
タ)アクリロイル基が活性化され、硬化剤のアミン化合
物による求核反応、即ちMichael 反応が促進される効果
を利用するものである。
【0013】ヒドロキシル基を有する多官能(メタ)ア
クリレート化合物としては、3価以上、望ましくは6価
以下の多価アルコールを、少なくとも1個のヒドロキシ
ル基が残存するように、アクリル酸またはメタクリル酸
(以下、(メタ)アクリル酸という)でエステル化した
化合物、およびエポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹
脂に(メタ)アクリル酸を付加させたエポキシアクリレ
ートが用いられる。多価アルコールを(メタ)アクリル
酸でエステル化した化合物として具体的には、ペンタエ
リスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールトリ(メタ)アクリレート、3−(メタ)アクリ
ロイルオキシグリセリンモノ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が
挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではな
い。本発明の樹脂組成物は、(メタ)アクリロイル基と
活性水素を有するアミンとのMichael 付加反応を第一段
階の架橋反応として利用するので、反応性の高いアクリ
レート化合物が好適に使用される。
【0014】ヒドロキシル基を有さない多官能(メタ)
アクリレート化合物としては、多価アルコール、望まし
くは2〜6価の多価アルコールの全てのヒドロキシル基
を(メタ)アクリル酸でエステル化した化合物が用いら
れる。具体的には、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)ア
クリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノール
Aジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピ
レンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリル酸の多価金属塩あるいはこれらの
混合物等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定される
ものではない。本発明の樹脂組成物は、(メタ)アクリ
ロイル基と活性水素を有するアミンとのMichael 付加反
応を第一段階の架橋反応として利用するので、反応性の
高いアクリレート化合物が好適に使用される。
【0015】(b) エポキシ樹脂としては、エポキシ基を
二つ以上有する常温で液状または固体の化合物を用いる
ことができる。常温で液状のエポキシ樹脂としては、液
状ビスフェノール型エポキシ樹脂、ポリグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂、あるいはこれらの混合物等を用い
ることができるが、必ずしもこれらに限定されるもので
はない。液状ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、
油化シェルエポキシ(株)製のエピコート801 、エピコ
ート807 、エピコート808 、エピコート815 、エピコー
ト816 、エピコート819 、エピコート876 、エピコート
828 、エピコート834 、チバガイギー(株)製のアラル
ダイトGY-257、アラルダイトGY-252、アラルダイトGY-2
50、アラルダイトGY-260、アラルダイドGY-280、ダウケ
ミカル日本(株)製のD.E.R.324 、D.E.R.331 、D.E.R.
331C、D.E.R.332 、D.E.R.334 、D.E.R.335 、D.E.R.33
6 、D.E.R.337 、D.E.R.353J、D.E.R.732 、D.E.R.736
等が挙げられる。
【0016】ポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂と
しては、ナガセ化成工業(株)のデナコールEX-211(ネ
オペンチルグリコールジグリシジルエーテル)、デナコ
ールEX-212(1、6−ヘキサンジオールジグリシジルエ
ーテル)、デナコールEX-221(ジブロモネオペンチルグ
リコールジグリシジルエーテル)、デナコールEX-313、
デナコールEX-314(グリセロールポリグリシジルエーテ
ル)、デナコールEX-321(トリメチロールプロパンポリ
グリシジルエーテル)、デナコールEX-421(ジグリセロ
ールポリグリシジルエーテル)、デナコールEX-512、デ
ナコールEX-521(ポリグリセロールポリグリシジルエー
テル)、デナコールEX-611、デナコールEX-612、デナコ
ールEX-614、デナコールEX-614B 、デナコールEX-622
(ソルビトールポリグリシジルエーテル)、デナコール
EX-810(エチレングリコールジグリシジルエーテル)、
デナコールEX-811、デナコールEX-850、デナコールEX-8
51、デナコールEX-821、デナコールEX-830、デナコール
EX-832(ポリエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル)、デナコールEX-911(プロピレングリコールジグリ
シジルエーテル)、デナコールEX-941、デナコールEX-9
20、デナコールEX-921、デナコールEX-931(ポリプロピ
レングリコールジグリシジルエーテル)、デナコールEX
-2000 、デナコールEX-992等が挙げられる。
【0017】常温で固体のエポキシ樹脂としては、油化
シェルエポキシ(株)製のエピコート864 、エピコート
1001、エピコート1004、エピコート1007、エピコート10
09、エピコート1310、チバガイギー(株)製のアラルダ
イトGY-6040 、アラルダイトGY-6060 、アラルダイトGY
-6071 、アラルダイト6075、アラルダイトGY-6084 、ア
ラルダイトGY-6097 、アラルダイトGY-6099 、ダウケミ
カル日本(株)製のD.E.R.661 、D.E.R.664 、D.E.R.66
7 などのビスフェノール型エポキシ樹脂、また、グリシ
ジル(メタ)アクリレートとエチレン性不飽和二重結合
を有する単量体との共重合体、あるいはこれらの混合物
等を用いることができるが、必ずしもこれらに限定され
るものではない。
【0018】グリシジル(メタ)アクリレートとエチレ
ン性不飽和二重結合を有する単量体との共重合体として
は、グリシジル(メタ)アクリレートと公知のエチレン
性不飽和二重結合を有する単量体を共重合することによ
り得られる共重合体を特に制約なく使用することができ
る。その際、単量体は2種以上用いることが可能であ
り、重合体の構造は、ランダム、ブロック、グラフト等
のいずれのものでも良い。分子量も任意のものが使用で
きる。 (c) (メタ)アクリロイル基、エポキシ基、またはアミ
ノ基を有するオルガノポリシロキサンとしては、一般に
数平均分子量(以下、Mnという)が 500〜50000 の下記
構造式で表される両末端官能型、片末端官能型、側鎖官
能型のもが使用できる。
【0019】
【化3】
【0020】両末端官能型のオルガノポリシロキサン
は、m=5〜200 程度の直鎖状のポリシロキサン鎖の両端
に、l=1〜10、n=1〜10のアルキル鎖が導入され、その
両末端に(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、または
アミノ基Xを有する上記構造式のものである。なお、ア
ルキル鎖のメチレン部位の一部は、エーテル骨格に置換
されていてもよい。また、一般にRにはメチル基が導入
されている。(メタ)アクリロイル基を有する両末端官
能型シロキサンとしては、チッソ(株)製のサイラプレ
ーンFM-7711 (上記構造式において、l= n=3、m=8.2
9 、R= メチル基、X= メタクリロイル基、Mn1000)、
サイラプレーンFM-7721 (上記構造式において、l= n
=3、m=62.28、R= メチル基、X= メタクリロイル基、
Mn5000)、サイラプレーンFM-7725 (上記構造式におい
て、l= n=3、m=129.77 、R= メチル基、X= メタク
リロイル基、Mn10000 )などが挙げられる。
【0021】エポキシ基を有する両末端官能型シロキサ
ンとしては、チッソ(株)製のサイラプレーンFM-5511
(上記構造式において、l= n=5(うち一部エーテル骨
格を含む)、m=8.61 、R= メチル基、X= エポキシ
基、Mn1000)、サイラプレーンFM-5521 (上記構造式に
おいて、l= n=5(うち一部エーテル骨格を含む)、m
=62.60、R= メチル基、X= エポキシ基、Mn5000)、サ
イラプレーンFM-5525 (上記構造式において、l= n=5
(うち一部エーテル骨格を含む)、m=130.10 、R= メ
チル基、X= エポキシ基、Mn10000 )などが挙げられ
る。アミノ基を有する両末端官能型シロキサンとして
は、チッソ(株)製のサイラプレーンFM-3311 (上記構
造式において、l= n=3、m=10.15、R= メチル基、X
= アミノ基、Mn1000)、サイラプレーンFM-3321 (上記
構造式において、l=n=3、m=64.14、R= メチル基、
X= アミノ基、Mn5000)、サイラプレーンFM-3325 (上
記構造式において、l= n=3、m=131.63 、R= メチル
基、X= アミノ基、Mn10000 )などが挙げられる。
【0022】片末端官能型のオルガノポリシロキサン
は、m=5〜200 の直鎖状のポリシロキサン鎖の片末端
に、n=1〜10のアルキル鎖が導入され、その末端に(メ
タ)アクリロイル基、エポキシ基、またはアミノ基Xを
有する上記構造式のものである。なお、アルキル鎖のメ
チレン部位の一部は、エーテル骨格に置換されていても
よい。また、一般にRにはメチル基が導入されている。
さらに、末端のシロキサン骨格が分岐していてもよい。
(メタ)アクリロイル基を有する片末端官能型シロキサ
ンとしては、チッソ(株)製のサイラプレーンFM-0711
(上記構造式において、m≒8 、n=3、R= メチル基、
X= メタクリロイル基、Mn1000)、サイラプレーンFM-0
721 (上記構造式において、m≒62、n=3、R= メチル
基、X= メタクリロイル基、Mn5000)、サイラプレーン
FM-0725 (上記構造式において、m≒130 、n=3、R=
メチル基、X= メタクリロイル基、Mn10000 )、サイラ
プレーンTM-0701 、サイラプレーンTM-0701T(上記構造
式分岐型シロキサンにおいて、n=3、X= メタクリロイ
ル基、分子量423 )などが挙げられる。
【0023】エポキシ基を有する片末端官能型シロキサ
ンとしては、チッソ(株)製のサイラプレーンFM-0511
(上記構造式において、m≒9 、n=5(うち一部エーテ
ル骨格を含む)、R= メチル基、X= エポキシ基、Mn10
00)、サイラプレーンFM-0521 (上記構造式において、
m≒63、n=5(うち一部エーテル骨格を含む)、R=メ
チル基、X= エポキシ基、Mn5000)、サイラプレーンFM
-0525 (上記構造式において、m≒130 、n=5(うち一
部エーテル骨格を含む)、R= メチル基、X=エポキシ
基、Mn10000 )などが挙げられる。側鎖官能型のオルガ
ノポリシロキサンは、n=5〜200 の直鎖状のポリシロキ
サン鎖の一部のケイ素原子に(メタ)アクリロイル基、
エポキシ基またはアミノ基を末端に有するアルキル基X
が結合した上記構造式のものである。なお、一般にRは
メチル基である。エポキシ基を有する側鎖官能型シロキ
サンとしては、日本ユニカー(株)製のL-9300、FZ-372
0 、FZ-3736 、FZ-3745 、Y-7499(上記構造式におい
て、R= メチル基、X= エポキシ基を末端に有するアル
キル基)などが挙げられる。アミノ基を有する側鎖官能
型シロキサンとしては、日本ユニカー(株)製のFZ-370
5 、FZ-3707 、FZ-3710 、FZ-3750 、FZ-3760 (上記構
造式において、R= メチル基、X= アミノ基を末端に有
するアルキル基)などが挙げられる。
【0024】(c) (メタ)アクリロイル基、エポキシ
基、またはアミノ基を有するオルガノポリシロキサンの
うち、(メタ)アクリロイル基またはエポキシ基を有す
るものは主剤に、アミノ基を有するものは硬化剤に配合
するのが適当である。 (c) (メタ)アクリロイル基、エポキシ基、またはアミ
ノ基を有するオルガノポリシロキサンは、硬化性樹脂組
成物の総重量に対して0.01〜10重量%程度含有さ
せるのが望ましい。0. 01重量%未満では、防汚性お
よび撥水・撥油性向上の効果が低く、10重量%を越え
ると、(a) 多官能(メタ)アクリレート化合物、もしく
は(d) 多官能アミン化合物と相分離を起こし、均一な硬
化性樹脂組成物が得られ難い。
【0025】(d) 多官能アミン化合物は、一級または二
級アミノ基を二つ以上有する化合物であり、常温で液状
のものが好適に使用できる。主剤との混合、塗布あるい
は注入時の作業性を考えると粘度が 5〜1000cps (25
℃)のものを、作業環境や安全性を考えると引火点が70
〜300 ℃で臭気の少ないものを使用することが望まし
い。具体的には、イソホロンジアミン(IPDA)、ビス(4-
アミノ−3-メチルシクロヘキシル)メタン、4,4'−ビス
(p-アミノシクロヘキシル)メタン、あるいはジェファ
ーソンケミカル社製のジェファーミンD-230 、ジェファ
ーミンD-400 、ジェファーミンD-2000、ジェファーミン
T-403 のようなポリオキシアルキレンアミン等が挙げら
れるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0026】(e) オルガノポリシロキサン部を有する高
分子界面活性剤としては、疎水基がポリジメチルシロキ
サンなどのオルガノポリシロキサン化合物、親水基がポ
リエーテルなどの親水性高分子またはオリゴマーから構
成されるものが好適に使用できる。例えば、高分子界面
活性剤は一般式
【0027】
【化4】
【0028】で示される化合物でl=1〜10、m=5〜200
、n=1〜200 のものであり、R1 、R 2 がポリエーテ
ル系の親水性高分子またはオリゴマーが例示され、複数
のR1 、R2 はそれぞれ同構造でも異構造でも構わな
い。R1 、R2 の親水性高分子またはオリゴマーは、
(a) 多官能(メタ)アクリレート化合物および(d) 多官
能アミン化合物の混合物と相溶しうるもの、または溶解
度パラメーター値が近く親和性の高いものが望ましい。
ここで、(e) オルガノポリシロキサン部を有する高分子
界面活性剤をoil /oil の界面活性剤として利用してい
るため、相溶性が著しく悪いと硬化過程で、R1 、R2
の高分子またはオリゴマーは、(a) 、(b) および(c) 成
分の混合物と相溶性が悪くなり、界面活性剤としての働
きを失い平滑性のある塗膜を得ることは難しい。(e) オ
ルガノポリシロキサン部を有する界面活性剤は、具体的
には日本ユニカー(株)製のSILWETシリーズL-720 、L-
722 、L-7602、L-7604、FZ-2113 、FZ-2123 、FZ-2162
、FZ-2165 、また日本ユニカー(株)製のABN SILWET
シリーズFZ-2222 等(これらは全て、上式でR1 、R2
がポリオキシエチレンもしくはポリオキシプロピレンの
単独および共重合体)が挙げられるが、必ずしもこれら
に限定されるものではない。
【0029】(d) オルガノポリシロキサン部を有する高
分子界面活性剤は、硬化性樹脂組成物の総重量に対して
0.01〜1重量%程度含有させるのが望ましい。0.
01重量%未満でははじきやクレーター現象を十分に防
ぐことはできず、1重量%を越えると塗膜の乾燥速度を
低下させたり、界面活性剤自体が表面に拡散してオイル
状またはワックス状となり塗膜表面汚染の原因となる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物には、接着強度を向上
させるために、エポキシ基またはアミノ基を有するシラ
ン化合物を配合することができる。なお、エポキシ基を
有するものは主剤に、アミノ基を有するものは硬化剤に
配合するのが適当である。エポキシ基を有するシラン化
合物としては、β−(3、4エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエト
キシシランなどのエポキシシランが挙げられ、アミノ基
を有するシラン化合物としては、γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−
アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノシラン
が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものでは
ない。
【0030】エポキシ基またはアミノ基を有するシラン
化合物は、エポキシ樹脂のエポキシ基および多官能(メ
タ)アクリレート化合物の(メタ)アクリロイル基の総
数に対するシラン化合物のエポキシ基の数またはアミノ
基の活性水素の数の比が0.01〜0.3になるように
配合することが望ましい。0.01未満では、無機基材
への密着性能が向上する効果が低い。0.3を越える
と、Michael 付加反応、エポキシ樹脂の硬化反応および
アルコキシシリル基の基材に対する反応より、基材のア
ルカリと水分によって促進されるアルコキシシリル基同
士の縮合が優先的に起こるため、濡れ性が悪くなると共
にシロキサン結合が密になり、膜が脆くなって高い硬度
をもつ塗膜が得られ難い。
【0031】さらに、本発明の硬化性樹脂組成物には、
防汚性および撥水・撥油性を向上させるために、フルオ
ロアルキル基を有する単官能(メタ)アクリレート化合
物、フルオロアルキル基を有する単官能エポキシ化合
物、またはフルオロアルキル基を有する単官能アミン化
合物を配合することができる。なお、単官能(メタ)ア
クリレート化合物および単官能エポキシ化合物は主剤
に、単官能アミン化合物は硬化剤に配合するのが適当で
ある。フルオロアルキル基を有する単官能(メタ)アク
リレート化合物、フルオロアルキル基を有する単官能エ
ポキシ化合物およびフルオロアルキル基を有する単官能
アミン化合物は、硬化性樹脂組成物の総重量に対し0.
01〜3重量%程度の範囲で配合することが望ましい。
0.01重量%未満では、防汚性および撥水・撥油性が
向上する効果が低く、3%を越えて配合しても撥水・撥
油性および防汚性のさらなる向上効果は期待できない。
【0032】フルオロアルキル基を有する単官能(メ
タ)アクリレート化合物としては、下記の構造式で表さ
れる、片末端に(メタ)アクリロイル基を有し、もう片
末端に一部あるいは全部の水素原子がフッ素原子で置換
されたアルキル基(m=1〜15)を有する化合物が使用で
きる。主鎖はメチレン鎖(n=1〜5)が一般的である
が、メチレン鎖の水素の一部がヒドロキシル基に置換さ
れていたり、途中にエーテル結合が含まれていてもよ
い。なお、Rが水素原子のものはアクリレート化合物、
Rがメチル基のものはメタクリレート化合物に相当す
る。
【0033】
【化5】
【0034】フルオロアルキル基を有する単官能(メ
タ)アクリレート化合物として具体的には、大阪有機化
学工業(株)製のビスコート3F(上記構造式におい
て、m=1、n=1 、X=F 、R=H )、ビスコート4F(上記
構造式において、m=2 、n=1 、X=H 、R=H )、ビスコー
ト8F(上記構造式において、m=4 、n=1 、X=H 、R=H
)、ビスコート17F(上記構造式において、m=8 、n
=2 、X=F 、R=H )、ビスコート3FM(上記構造式に
おいて、m=1 、n=1 、X=F 、R=メチル基)、ビスコート
4FM(上記構造式において、m=2 、n=1 、X=H 、R=メ
チル基)、ビスコート8FM(上記構造式において、m=
4 、n=1 、X=H 、R=メチル基)、ビスコート17FM
(上記構造式において、m=8 、n=2 、X=F 、R=メチル
基)、ダイキンファインケミカル研究所(株)製のR−
1210(上記構造式において、m=2 、n=1、X=F 、R=H
)、R−1420(上記構造式において、m=4 、n=2
、X=F 、R=H)、R−1433(上記構造式において、
m=4 、n=3 (メチレン鎖の水素原子1つがヒドロキシル
基に置換されているものを含む)、X=F 、R=H )、R−
1620(上記構造式において、m=6 、n=2 、X=F 、R=
H )、R−1633(上記構造式において、m=6 、n=3
(メチレン鎖の水素原子1つがヒドロキシル基に置換さ
れているものを含む)、X=F 、R=H )、R−1820
(上記構造式において、m=8 、n=2 、X=F 、R=H )、R
−1833(上記構造式において、m=8 、n=3 (メチレ
ン鎖の水素原子1つがヒドロキシル基に置換されている
ものを含む)、X=F、R=H )、R−2020(上記構造
式において、m=10、n=2 、X=F 、R=H )、R−3420
(上記構造式において、m=2 、n=2 、X=CF(CF3)2、R=H
)、R−3433(図2 において、m=2 、n=3 (メチ
レン鎖の水素原子1つがヒドロキシル基に置換されてい
るものを含む)、X=CF(CF3)2、R=H )、R−3620
(上記構造式において、m=4 、n=2 、X=CF(CF3)2、R=H
)、R−3820(上記構造式において、m=6 、n=2
、X=CF(CF3)2、R=H )、R−4020(上記構造式に
おいて、m=8 、n=2 、X=CF(CF3)2、R=H )、R−521
0(上記構造式において、m=2 、n=1 、X=H 、R=H )、
R−5410(上記構造式において、m=4 、n=1 、X=H
、R=H )、R−5610(上記構造式において、m=6
、n=1 、X=H 、R=H )、R−5810(上記構造式に
おいて、m=8 、n=1 、X=H 、R=H )、R−6010(上
記構造式において、m=10、n=1 、X=H 、R=H )などが挙
げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではな
い。
【0035】フルオロアルキル基を有する単官能エポキ
シ化合物としては、下記構造式で表される、片末端にエ
ポキシ基を有し、もう片末端に一部あるいは全部の水素
原子がフッ素原子に置換されたアルキル基(m=1〜15)
を有する化合物が使用できる。主鎖はメチレン鎖(n=1
〜5 )が一般的であるが、メチレン鎖の水素の一部がヒ
ドロキシル基に置換されていたり、途中にエーテル結合
が含まれていてもよい。
【0036】
【化6】
【0037】フルオロアルキル基を有する単官能エポキ
シ化合物として具体的には、ダイキンファインケミカル
研究所(株)製のE−1430(上記構造式において、
m=4、n=1 、X=F)、E−1630(上記構造式におい
て、m=6 、n=1 、X=F)、E−1830(上記構造式にお
いて、m=8 、n=1 、X=F)、E−2030(上記構造式に
おいて、m=10、n=1 、X=F)、E−3430(上記構造式
において、m=2 、n=1 、X=CF(CF3)2)、E−3630
(上記構造式において、m=4 、n=1 、X=CF(CF3)2)、E
−3830(上記構造式において、m=6 、n=1 、X= CF
(CF3)2 )、E−4030(上記構造式において、m=8
、n=1 、X= CF(CF3)2 )、E−5244(上記構造式
において、m=2 、n=3 (メチレン部位の一つがエーテル
骨格に置換されているものを含む)、X=H)、E−544
4(上記構造式において、m=4 、n=3 (メチレン部位の
一つがエーテル骨格に置換されているものを含む)、X=
H)、E−5644(上記構造式において、m=6 、n=3
(メチレン部位の一つがエーテル骨格に置換されている
ものを含む)、X=H)、E−5844(上記構造式におい
て、m=8 、n=3 (メチレン部位の一つがエーテル骨格に
置換されているものを含む)、X=H)などが挙げられる
が、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0038】フルオロアルキル基を有する単官能アミン
化合物としては、下記構造式で表される、片末端にアミ
ノ基を有し、もう片末端に一部あるいは全部の水素原子
がフッ素原子に置換されたアルキル基(m=1〜15)を有
する化合物が使用できる。主鎖はメチレン鎖(n=1〜
5)が一般的であるが、メチレン鎖の水素の一部がヒド
ロキシル基に置換されていたり、途中にエーテル結合が
含まれていてもよい。
【0039】
【化7】
【0040】フルオロアルキル基を有する単官能アミン
化合物として具体的には、ダイキンファインケミカル研
究所製のU−1310(上記構造式において、m=3 、n=
1 、X= F)、U−1710(上記構造式において、m=
7、n=1 、X= F)などが挙げられるが、必ずしもこれら
に限定されるものではない。本発明の硬化性樹脂組成物
を構成する各成分は、硬化性樹脂組成物中に含まれる
(メタ)アクリロイル基の数をXa、エポキシ基の数を
Xe、アミノ基の活性水素の数をYとすると、Xa≦Y
≦(Xa+Xe)となるように混合することが望まし
い。Y<Xaでは(メタ)アクリロイル基が残り硬化が
不完全になり、また、Y>(Xa+Xe)では未反応の
アミンが残り耐水性が悪くなる。硬化速度と硬化物の耐
久性のバランスをとるには(Xa+Xe)=Y、さらに
はXa=Xe=Y×1/2にすることが望ましい。
【0041】Xa=Xe=Y×1/2になるように配合
することにより、可使時間と無機基材への密着性および
耐久性のバランスのとれた塗膜を得ることができる。本
発明の硬化性樹脂組成物中には、種々の目的のため、各
種添加成分を加えることができる。例えば、硬化物性向
上、粘度調節あるいはコストダウンのためにフィラー、
希釈剤あるいは樹脂成分を加えたり、付加価値を与える
ために抗菌剤、防黴剤あるいは防腐剤等を添加したり、
着色するために顔料を添加したり、(メタ)アクリロイ
ル基のラジカル重合を抑えるために重合禁止剤を添加す
ることができる。また、主剤必須成分と反応するが硬化
剤必須成分とは反応しない添加成分を硬化剤に、硬化剤
必須成分と反応するが主剤必須成分とは反応しない添加
成分を主剤に添加することにより、それぞれの貯蔵安定
性と混合後の反応性および硬化物性向上を図ることもで
きる。また、以上挙げた添加成分の他に更にプラスチッ
クビーズ、ウレタンビーズ、シリカビーズ等の接着面積
低下剤を加えて貼り紙防止能を向上させることもでき
る。
【0042】主剤および硬化剤の粘度は、1000cps (25
℃)以下が望ましい。粘度が1000cps より高いと主剤と
硬化剤の混合、基材への塗布や注入の作業性が悪くな
る。粘度は、材料の選択で調節できる。主剤中に常温で
固体のエポキシ樹脂を用いる場合、または塗装作業を容
易にするために粘度を低下させる場合には、有機溶剤を
使用することが好ましい。有機溶剤としては、イソプロ
ピルアルコール、メチルエチルケトン、トルエン、キシ
レン、酢酸エチル等が挙げられる。
【0043】
【実施例】以下に、実施例にて本発明をさらに詳細に説
明する。 〔グリシジルメタクリレート共重合体の合成〕撹拌機、
温度計、コンデンサー、窒素導入管をとりつけた1000ml
のフラスコにキシレン25部、酢酸ブチル25部を仕込み80
℃に昇温し、別に用意したイソブチルメタクリレート40
部、イソブチルアクリレート10部、グリシジルメタクリ
レート50部、アゾビスイソブチロニトリル1 部、キシレ
ン25部、酢酸ブチル25部の混合液を滴下ロートを用い2
時間かけて滴下し、その後同温度にて4時間撹拌した後
重合を終了した。以上のように固形分52重量%のグリシ
ジルメタクリレイト共重合体を得た。これを樹脂溶液A
とする。
【0044】実施例中で用いられる略号および試験方法
を下記に示す。 (a) 多官能(メタ)アクリレート化合物 SR355=ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート
(サートマー社製「SR355 」、アクリロイル当量116.5g
/eqiv.) (b) エポキシ樹脂 EX313=グリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセ化
成工業(株)製「デナコールEX-313」、エポキシ当量14
1g/eqiv.) 樹脂溶液A(固形分52%、エポキシ当量284g/eqiv.) (c) (メタ)アクリロイル基、エポキシ基、またはアミ
ノ基を有するオルガノポリシロキサン FM0721= メタクリロキシオルガノポリシロキサン(チッ
ソ(株)製「サイラプレーンFM-0721 」、メタクリロイ
ル当量5000g/eqiv.) FM5525= ジグリシジルオルガノポリシロキサン(チッソ
(株)製「サイラプレーンFM-5525 」、エポキシ当量50
00g/eqiv.) FM3325= ジアミノオルガノポリシロキサン(チッソ
(株)製「サイラプレーンFM-3325 」、活性水素当量25
00g/eqiv.) (d) 多官能アミン化合物 D400= ポリオキシプロピレンジアミン(サンテクノケミ
カル(株)製「ジェファ−ミンD-400 」、活性水素当量
100g/eqiv.) (e) オルガノポリシロキサン部を有する高分子界面活性
剤 FZ2123= 分岐状ポリエーテル変性シリコーン(日本ユニ
カー(株)製「SILWET FZ-2123」) FZ2222= 直鎖状ポリエーテル変性シリコーン(日本ユニ
カー(株)製「ABN SILWET FZ-2222」) エポキシ基またはアミノ基を有するシラン化合物 S510= γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
(チッソ(株)製「サイラエースS510」、エポキシ当量
236.3g/eqiv.) S330= γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(チッソ
(株)製「サイラエースS330」、エポキシ当量221.4g/e
qiv.) フルオロアルキル基を有する単官能(メタ)アクリレー
ト化合物 Vis17F= パーフロロオクチルエチルアクリレート(大阪
有機化学工業(株)製「ビスコート17F 」、アクリロイ
ル当量518.2g/eqiv.) フルオロアルキル基を有するエポキシ化合物 E5644= 3-(1H,1H,7H- ドデカフルオロヘプチロキシ)1,2
- エポキシプロパン(ダイキンファインケミカル研究所
(株)製、エポキシ当量388.14) 〔ガラス板塗布後の塗膜形状観察〕硬化性樹脂組成物を
ガラス板(20cm×10cm)にアプリケーターで塗
布し、硬化時間を与え、塗膜乾燥過程でのはじき、クレ
ーター現象を観察した。
【0045】 ○:平滑な塗膜 △:一部はじきやクレーターのある塗膜 ×:全体にはじきのある塗膜) 〔ガラス板塗布後の落書き除去試験〕上記と同様に、硬
化性樹脂組成物を塗布し、室温で一週間の硬化時間を与
えた。この塗膜表面に油性マジックで落書きを行い、非
付着性を評価した。 ○:付着しにくい △:やや付着しにくい ×:付着する また、24時間経過した後、乾布で擦り、除去性を評価
した。
【0046】 ○:容易に除去できる △:強く擦れば除去できる ×:除去できない 〔ガラス板塗布後のセロファンテープ比着性試験〕上記
と同様に、硬化性樹脂組成物を塗布し、室温で一週間の
硬化時間を与えた。平滑な形状のものに対して表面に市
販のセロファンテープを貼り付けて、その剥がれ易さを
調べた。 ○:容易に剥がれる △:やや抵抗がある ×:未処理のガラス板と同様の抵抗がある 〔実施例1〜12および比較例1〜7〕実施例1〜12およ
び比較例1〜7については表1、2の処方に従い、主剤
および硬化剤を調製したのち、両者を混合し、酢酸エチ
ルまたはメチルエチルケトンで2倍に希釈し硬化性樹脂
組成物を得た。また、酢酸エチルまたはメチルエチルケ
トンでの希釈は、主剤と硬化剤を混合する前にそれぞれ
について行っても塗膜形態や物性に違いはなかった。な
お、主剤および硬化剤はそれぞれ別の容器に入れて密栓
することにより、25℃で長期間、粘度増加やゲル化する
ことなく保管することができた。
【0047】
【表1】
【0048】表中の数字は、配合の重量%を示す。主剤
2については、溶液中の樹脂の重量の値で表記 主剤1:EX313、主剤2:樹脂溶液A、主剤3:F
M5523 主剤4:FM0721、主剤5:SR355、主剤6:
Vis17F 主剤7:E5644、主剤8:S510、硬化剤9:D
400 硬化剤10:FM3325、硬化剤11:S330、 硬化剤12:FZ2123、硬化剤13:FZ2222
【0049】
【表2】
【0050】表中の数字は、配合の重量%を示す。 主剤1:EX313、主剤2:樹脂溶液A、主剤3:F
M5523 主剤4:FM0721、主剤5:SR355、主剤6:
Vis17F 主剤7:E5644、主剤8:S510、硬化剤9:D
400 硬化剤10:FM3325、硬化剤11:S330、 硬化剤12:FZ2123、硬化剤13:FZ2222 実施例および比較例で得られた硬化性樹脂組成物をガラ
ス板へ塗布し、硬化塗膜を用いて落書き除去試験および
セロファンテープ比着性試験を行った。結果を表3、4
に示す。
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】○* は、塗膜にはじきが生じているため接
着面積が少ない。
【0054】
【発明の効果】本発明の硬化性樹脂組成物は、ガラス板
等の無機基材上で硬化し、高い耐汚染性、貼り紙防止性
を有し、基材に対する密着性に優れた塗膜を形成するた
め、建築・土木分野における防汚塗料として極めて有用
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 163/00 C09D 163/00 179/02 179/02 183/04 183/04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)多官能(メタ)アクリレート化合
    物、(b) エポキシ樹脂、(c)(メタ)アクリロイル
    基、エポキシ基、またはアミノ基を有するオルガノポリ
    シロキサン、(d)多官能アミン化合物、および(e)
    オルガノポリシロキサン部を有する高分子界面活性剤を
    含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】エポキシ基またはアミノ基を有するシラン
    化合物を含む請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】フルオロアルキル基を有する単官能(メ
    タ)アクリレート化合物を含む請求項1ないし2いずれ
    か記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】フルオロアルキル基を有する単官能エポキ
    シ化合物を含む請求項1ないし2いずれか記載の硬化性
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】硬化性樹脂組成物中に含まれる(メタ)ア
    クリロイル基の数をXa、エポキシ基の数をXe、アミ
    ノ基の活性水素の数をYとすると、Xa≦Y≦(Xa+
    Xe)である請求項1ないし4いずれか記載の硬化性樹
    脂組成物。
  6. 【請求項6】(e)オルガノポリシロキサン部を有する
    高分子界面活性剤が一般式 【化1】 (式中、R1 2 はポリエーテル系の親水性高分子また
    はオリゴマーである。また、l、m、nは整数であり、
    l=1〜10、m=5〜200 、n=1〜200 である)で示される
    ブロックまたはグラフト型のポリジメチルシロキサン共
    重合体である請求項1ないし5いずれか記載の硬化性樹
    脂組成物。
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