JPH11158063A - 脂溶性ビタミンおよび/またはカロチノイドを含有する乾燥粉末の製造方法 - Google Patents
脂溶性ビタミンおよび/またはカロチノイドを含有する乾燥粉末の製造方法Info
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- JPH11158063A JPH11158063A JP32502697A JP32502697A JPH11158063A JP H11158063 A JPH11158063 A JP H11158063A JP 32502697 A JP32502697 A JP 32502697A JP 32502697 A JP32502697 A JP 32502697A JP H11158063 A JPH11158063 A JP H11158063A
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 被覆剤を分散させた気体が上方から下方
に向けて導入されている噴霧槽1内であって、該気体の
流路の下流に、ゼラチンの水溶液中に脂溶性ビタミンお
よび/またはカロチノイドを乳化分散した乳化分散液を
下方に向けて噴霧することによって、該乳化分散液の液
滴を該被覆剤で被覆してなり、しかも実質的にゲル化し
た微粒子を形成させ、これを乾燥させることからなる脂
溶性ビタミンおよび/またはカロチノイドを含有する乾
燥粉末の製造方法である。該被覆剤を分散させた該気体
の露点が10℃以下であり、かつ該気体の温度が噴霧槽
1内に導入される際に30〜70℃であることを特徴と
する。 【効果】 本発明の脂溶性ビタミンおよび/またはカロ
チノイドを含有する乾燥粉末の製造方法によれば、乾燥
に要する時間を短縮することができる上、形の整った乾
燥粉末を得ることができる。また、使用する装置を小型
化することも可能である。
に向けて導入されている噴霧槽1内であって、該気体の
流路の下流に、ゼラチンの水溶液中に脂溶性ビタミンお
よび/またはカロチノイドを乳化分散した乳化分散液を
下方に向けて噴霧することによって、該乳化分散液の液
滴を該被覆剤で被覆してなり、しかも実質的にゲル化し
た微粒子を形成させ、これを乾燥させることからなる脂
溶性ビタミンおよび/またはカロチノイドを含有する乾
燥粉末の製造方法である。該被覆剤を分散させた該気体
の露点が10℃以下であり、かつ該気体の温度が噴霧槽
1内に導入される際に30〜70℃であることを特徴と
する。 【効果】 本発明の脂溶性ビタミンおよび/またはカロ
チノイドを含有する乾燥粉末の製造方法によれば、乾燥
に要する時間を短縮することができる上、形の整った乾
燥粉末を得ることができる。また、使用する装置を小型
化することも可能である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂溶性ビタミンお
よび/またはカロチノイドを含有する乾燥粉末の製造方
法に関する。
よび/またはカロチノイドを含有する乾燥粉末の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビタミンAアセテートなどの脂溶性ビタ
ミンまたはβ−カロチンなどのカロチノイドは、従来、
動物飼料あるいは食品への添加剤として幅広く使用され
ている。脂溶性ビタミンまたはカロチノイドは、熱また
は酸素の影響によって容易に劣化し、その活性が低下し
やすい化合物であるため、動物飼料あるいは食品として
加工される条件下においてその活性が維持されるよう
に、一般にゼラチンなどのマトリックス中に埋め込まれ
た形の粉末に調製される。このような粉末を製造する方
法として、既に種々の方法が開発されている。
ミンまたはβ−カロチンなどのカロチノイドは、従来、
動物飼料あるいは食品への添加剤として幅広く使用され
ている。脂溶性ビタミンまたはカロチノイドは、熱また
は酸素の影響によって容易に劣化し、その活性が低下し
やすい化合物であるため、動物飼料あるいは食品として
加工される条件下においてその活性が維持されるよう
に、一般にゼラチンなどのマトリックス中に埋め込まれ
た形の粉末に調製される。このような粉末を製造する方
法として、既に種々の方法が開発されている。
【0003】たとえば、脂溶性ビタミンおよび/または
カロチノイドを分散させた乳化分散液を、そのゲル化温
度以下まで冷却された気体状媒質中に噴霧し、そこで乳
化分散液の液滴をゲル化するまで滞留させる方法があ
る。該方法では、通常12〜15mの落差を必要とする
ので、大型の装置が必要となり、設置のスペース、装置
のコストの増大などの点で問題がある。
カロチノイドを分散させた乳化分散液を、そのゲル化温
度以下まで冷却された気体状媒質中に噴霧し、そこで乳
化分散液の液滴をゲル化するまで滞留させる方法があ
る。該方法では、通常12〜15mの落差を必要とする
ので、大型の装置が必要となり、設置のスペース、装置
のコストの増大などの点で問題がある。
【0004】特公昭37-18199号公報には、以下の製法が
記載されている。すなわち、脂溶性ビタミンおよび/ま
たはカロチノイドを分散させた乳化分散液の噴霧液のゲ
ル化温度を有するガスを上方向に導入して、非吸水性の
潤滑剤を含有する担体を流動させ、この流動する担体中
へ脂溶性ビタミンおよび/またはカロチノイドを分散さ
せた乳化分散液の噴霧液滴を導入してゲル化させる。次
に、ゲル化した粒子を潤滑剤と分離した後、ゲル化した
粒子を乾燥することによって、脂溶性ビタミンおよび/
またはカロチノイドを含有する乾燥粉末を得ている。
記載されている。すなわち、脂溶性ビタミンおよび/ま
たはカロチノイドを分散させた乳化分散液の噴霧液のゲ
ル化温度を有するガスを上方向に導入して、非吸水性の
潤滑剤を含有する担体を流動させ、この流動する担体中
へ脂溶性ビタミンおよび/またはカロチノイドを分散さ
せた乳化分散液の噴霧液滴を導入してゲル化させる。次
に、ゲル化した粒子を潤滑剤と分離した後、ゲル化した
粒子を乾燥することによって、脂溶性ビタミンおよび/
またはカロチノイドを含有する乾燥粉末を得ている。
【0005】該方法では、乳化分散液の液滴を流動層で
捕集する時点で粒子同士の付着が生じやすく、形が整っ
た単一の粒子が得られにくいという問題がある。また、
該方法では、熱および水分の移動速度が遅いので、乾燥
粉末を得るのに長い時間が必要となる。
捕集する時点で粒子同士の付着が生じやすく、形が整っ
た単一の粒子が得られにくいという問題がある。また、
該方法では、熱および水分の移動速度が遅いので、乾燥
粉末を得るのに長い時間が必要となる。
【0006】特開昭49-7415 号公報に記載の発明によれ
ば、脂溶性ビタミンおよび/またはカロチノイドを分散
させた乳化分散液の噴霧液滴を噴霧乾燥器中でケイ酸な
どの微小吸収剤の粉末と接触させることによって、脂溶
性ビタミンおよび/またはカロチノイドを含有する乾燥
粉末を得ている。
ば、脂溶性ビタミンおよび/またはカロチノイドを分散
させた乳化分散液の噴霧液滴を噴霧乾燥器中でケイ酸な
どの微小吸収剤の粉末と接触させることによって、脂溶
性ビタミンおよび/またはカロチノイドを含有する乾燥
粉末を得ている。
【0007】該方法では、いわゆる噴霧乾燥器を使用す
るので、乾燥器内の温度が高温(同公報の実施例では入
りガス温度が163〜204℃)の条件で操作される。
このため水分の除去が急速に行われ、得られる乾燥粉末
は形が整ったものとはなり難い。
るので、乾燥器内の温度が高温(同公報の実施例では入
りガス温度が163〜204℃)の条件で操作される。
このため水分の除去が急速に行われ、得られる乾燥粉末
は形が整ったものとはなり難い。
【0008】特開昭63-258807 号公報に記載の発明によ
れば、脂溶性ビタミンおよび/またはカロチノイドを分
散させた乳化分散液の噴霧液滴を澱粉粉末中に捕集し
て、ゲル化した微粒子を得ている。この方法では、予め
乾燥し冷却した大過剰の澱粉粉末の流動床中に、脂溶性
ビタミンおよび/またはカロチノイドを分散させた乳化
分散液を該流動床の上方から噴霧し、脂溶性ビタミンお
よび/またはカロチノイドを分散させた乳化分散の噴霧
液滴から水分を除去すると共に冷却することによって該
液滴をゲル化させる。そして、このゲル化した微粒子を
乾燥することによって、脂溶性ビタミンおよび/または
カロチノイドを含有する乾燥粉末としている。
れば、脂溶性ビタミンおよび/またはカロチノイドを分
散させた乳化分散液の噴霧液滴を澱粉粉末中に捕集し
て、ゲル化した微粒子を得ている。この方法では、予め
乾燥し冷却した大過剰の澱粉粉末の流動床中に、脂溶性
ビタミンおよび/またはカロチノイドを分散させた乳化
分散液を該流動床の上方から噴霧し、脂溶性ビタミンお
よび/またはカロチノイドを分散させた乳化分散の噴霧
液滴から水分を除去すると共に冷却することによって該
液滴をゲル化させる。そして、このゲル化した微粒子を
乾燥することによって、脂溶性ビタミンおよび/または
カロチノイドを含有する乾燥粉末としている。
【0009】該方法では、熱および水分の移動速度が遅
いので、乾燥粉末を得るまでに長い時間が必要となると
いう問題がある。また、該方法では、過剰量の澱粉の分
離除去操作が必要となる煩雑さがある。
いので、乾燥粉末を得るまでに長い時間が必要となると
いう問題がある。また、該方法では、過剰量の澱粉の分
離除去操作が必要となる煩雑さがある。
【0010】特公平4-28684 号公報に記載の発明によれ
ば、被覆剤として疎水性珪酸、高級脂肪酸の金属塩また
は該金属塩と疎水性珪酸の混合物を均一に分散した噴霧
塔内に、脂溶性ビタミンおよび/またはカロチノイドを
分散させた乳化液を噴霧して、該乳化液の噴霧液滴を被
覆剤で被覆した後、該液滴がゲル化しない状態で流動床
内で捕集して凝固乾燥することによって、脂溶性ビタミ
ンおよび/またはカロチノイドを含有する乾燥粉末を得
ている。
ば、被覆剤として疎水性珪酸、高級脂肪酸の金属塩また
は該金属塩と疎水性珪酸の混合物を均一に分散した噴霧
塔内に、脂溶性ビタミンおよび/またはカロチノイドを
分散させた乳化液を噴霧して、該乳化液の噴霧液滴を被
覆剤で被覆した後、該液滴がゲル化しない状態で流動床
内で捕集して凝固乾燥することによって、脂溶性ビタミ
ンおよび/またはカロチノイドを含有する乾燥粉末を得
ている。
【0011】該方法では、該乳化液の噴霧液滴の水分が
噴霧塔内では十分に除去されないので、流動床での乾燥
負荷が大きく、乾燥粉末を得るのに長い時間が必要とな
るという問題がある。
噴霧塔内では十分に除去されないので、流動床での乾燥
負荷が大きく、乾燥粉末を得るのに長い時間が必要とな
るという問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決すべき課
題は、前記した従来の製造方法が持つ問題点を解決する
ことにあり、脂溶性ビタミンおよび/またはカロチノイ
ドを含有する乾燥粉末の製造方法であって、短時間で形
の整った粉末を得ることができ、それに用いる装置の小
型、簡略化が可能な方法を提供することにある。
題は、前記した従来の製造方法が持つ問題点を解決する
ことにあり、脂溶性ビタミンおよび/またはカロチノイ
ドを含有する乾燥粉末の製造方法であって、短時間で形
の整った粉末を得ることができ、それに用いる装置の小
型、簡略化が可能な方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
課題は、「被覆剤を分散させた気体が上方から下方に向
けて導入されている噴霧槽内であって、該気体の流路の
下流に、ゼラチンの水溶液中に脂溶性ビタミンおよび/
またはカロチノイドを乳化分散した乳化分散液を下方に
向けて噴霧することによって、該乳化分散液の液滴を該
被覆剤で被覆してなり、しかも実質的にゲル化した微粒
子を形成させ、これを乾燥させることからなる脂溶性ビ
タミンおよび/またはカロチノイドを含有する乾燥粉末
の製造方法であって、前記の被覆剤を分散させた気体の
露点が10℃以下であり、かつ該気体の温度が該噴霧槽
内に導入される際に30〜70℃であることを特徴とす
る該粉末の製造方法」を提供することによって解決され
る。
課題は、「被覆剤を分散させた気体が上方から下方に向
けて導入されている噴霧槽内であって、該気体の流路の
下流に、ゼラチンの水溶液中に脂溶性ビタミンおよび/
またはカロチノイドを乳化分散した乳化分散液を下方に
向けて噴霧することによって、該乳化分散液の液滴を該
被覆剤で被覆してなり、しかも実質的にゲル化した微粒
子を形成させ、これを乾燥させることからなる脂溶性ビ
タミンおよび/またはカロチノイドを含有する乾燥粉末
の製造方法であって、前記の被覆剤を分散させた気体の
露点が10℃以下であり、かつ該気体の温度が該噴霧槽
内に導入される際に30〜70℃であることを特徴とす
る該粉末の製造方法」を提供することによって解決され
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において使用される被覆剤
は、脂溶性ビタミンおよび/またはカロチノイドを乳化
分散した乳化分散液の液滴を被覆するためのものであ
り、具体的には、当分野において公知の澱粉、ケイ酸な
どが挙げられる。ここで、澱粉としては例えば、馬鈴薯
やトウモロコシなどから取得された生澱粉の他、酸化澱
粉、アセチル化澱粉、メチル化澱粉、カルボキシメチル
化澱粉などの変性澱粉などが挙げられるが、好ましくは
疎水性の澱粉が使用される。被覆剤の粒径は特に限定さ
れるものではないが、通常、実質的に200メッシュ
(開口:74μm)のふるいを通過する範囲であり、好
ましくは実質的に完全に440メッシュ(開口:32μ
m)のふるいを通過する範囲である(JIS Z880
1−1982の篩い分析による)。
は、脂溶性ビタミンおよび/またはカロチノイドを乳化
分散した乳化分散液の液滴を被覆するためのものであ
り、具体的には、当分野において公知の澱粉、ケイ酸な
どが挙げられる。ここで、澱粉としては例えば、馬鈴薯
やトウモロコシなどから取得された生澱粉の他、酸化澱
粉、アセチル化澱粉、メチル化澱粉、カルボキシメチル
化澱粉などの変性澱粉などが挙げられるが、好ましくは
疎水性の澱粉が使用される。被覆剤の粒径は特に限定さ
れるものではないが、通常、実質的に200メッシュ
(開口:74μm)のふるいを通過する範囲であり、好
ましくは実質的に完全に440メッシュ(開口:32μ
m)のふるいを通過する範囲である(JIS Z880
1−1982の篩い分析による)。
【0015】被覆剤の使用量は乳化分散液の噴霧液量に
対して、通常0.7〜1.5倍重量の範囲である。
対して、通常0.7〜1.5倍重量の範囲である。
【0016】本発明において使用される脂溶性ビタミン
としては、例えばビタミンAアセテート、ビタミンAパ
ルミテート、ビタミンA(レチノール)、ビタミンAア
ルデヒド(レチナール)、ビタミンA酸などのビタミン
A類、コレカルシフェロール(ビタミンD3 )、エルゴ
カルシフェロール(ビタミンD2 )、1α,25−ジヒ
ドロキシコレカルシフェロール(活性型ビタミンD3 )
またはこれらの誘導体などのビタミンD類、α−トコフ
ェロール、5,7,8−トリメチルトコトリエノールな
どのビタミンE類、2−ファルネシル−3−メチル−
1,4−ナフトキノン(ビタミンK2 )、2−メチル−
1,4−ナフトキノン(ビタミンK3 )などのビタミン
K類などが挙げられる。また、本発明において使用され
るカロチノイドとしては、β−カロチン、カンタキサン
チン、アスタキサンチン、ルテインなどが挙げられる。
としては、例えばビタミンAアセテート、ビタミンAパ
ルミテート、ビタミンA(レチノール)、ビタミンAア
ルデヒド(レチナール)、ビタミンA酸などのビタミン
A類、コレカルシフェロール(ビタミンD3 )、エルゴ
カルシフェロール(ビタミンD2 )、1α,25−ジヒ
ドロキシコレカルシフェロール(活性型ビタミンD3 )
またはこれらの誘導体などのビタミンD類、α−トコフ
ェロール、5,7,8−トリメチルトコトリエノールな
どのビタミンE類、2−ファルネシル−3−メチル−
1,4−ナフトキノン(ビタミンK2 )、2−メチル−
1,4−ナフトキノン(ビタミンK3 )などのビタミン
K類などが挙げられる。また、本発明において使用され
るカロチノイドとしては、β−カロチン、カンタキサン
チン、アスタキサンチン、ルテインなどが挙げられる。
【0017】本発明において使用されるゼラチンは、そ
のブルーム、pH等において特に限定されるものではな
い。ゼラチンの使用量は、特に制限されるものではない
が、使用する脂溶性ビタミンおよび/またはカロチノイ
ドの重量に対して、通常0.5〜1.5倍重量、好まし
くは0.7〜1.3倍重量の範囲である。
のブルーム、pH等において特に限定されるものではな
い。ゼラチンの使用量は、特に制限されるものではない
が、使用する脂溶性ビタミンおよび/またはカロチノイ
ドの重量に対して、通常0.5〜1.5倍重量、好まし
くは0.7〜1.3倍重量の範囲である。
【0018】また、乳化分散液には、ショ糖、乳糖、ソ
ルビトール等の糖、澱粉などが配合され得る。糖の使用
量は、使用する脂溶性ビタミンおよび/またはカロチノ
イドの重量に対して、0.7〜2倍重量の範囲が好まし
く、澱粉の使用量は、使用する脂溶性ビタミンおよび/
またはカロチノイドの重量に対して、0.1〜1倍重量
の範囲が好ましい。また、乳化分散液における水の使用
量は、特に制限されるものではないが、使用する脂溶性
ビタミンおよび/またはカロチノイドの重量に対して、
通常1〜10倍重量の範囲である。
ルビトール等の糖、澱粉などが配合され得る。糖の使用
量は、使用する脂溶性ビタミンおよび/またはカロチノ
イドの重量に対して、0.7〜2倍重量の範囲が好まし
く、澱粉の使用量は、使用する脂溶性ビタミンおよび/
またはカロチノイドの重量に対して、0.1〜1倍重量
の範囲が好ましい。また、乳化分散液における水の使用
量は、特に制限されるものではないが、使用する脂溶性
ビタミンおよび/またはカロチノイドの重量に対して、
通常1〜10倍重量の範囲である。
【0019】さらに、乳化分散液には、脂溶性ビタミン
および/またはカロチノイドの活性を維持することを目
的として、必要に応じて2,6−ジ−t−ブチルヒドロ
キシトルエン(BHT)、2−t−ブチル−4−ヒドロ
キシアニソール(BHA)、6−エトキシ−1,2−ジ
ヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン(エトキシキ
ン)などの酸化防止剤などを配合することができる。
および/またはカロチノイドの活性を維持することを目
的として、必要に応じて2,6−ジ−t−ブチルヒドロ
キシトルエン(BHT)、2−t−ブチル−4−ヒドロ
キシアニソール(BHA)、6−エトキシ−1,2−ジ
ヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン(エトキシキ
ン)などの酸化防止剤などを配合することができる。
【0020】乳化分散液を調製する方法としては、公知
の方法を利用すればよく、例えばゼラチンの水溶液に、
脂溶性ビタミンおよび/またはカロチノイドならびに必
要に応じて使用される澱粉、糖、酸化防止剤などの他の
成分を添加して、ホモジナイザーなどの公知の手段を用
いて乳化させる方法が挙げられる。乳化分散液の調製
は、通常、室温〜100℃で実施されるが、50℃〜7
0℃で実施することが好ましい。乳化分散液の粘度は、
60℃において120〜250cP(センチポイズ)で
あることが好ましく、170〜190cPとすることが
より好ましい。
の方法を利用すればよく、例えばゼラチンの水溶液に、
脂溶性ビタミンおよび/またはカロチノイドならびに必
要に応じて使用される澱粉、糖、酸化防止剤などの他の
成分を添加して、ホモジナイザーなどの公知の手段を用
いて乳化させる方法が挙げられる。乳化分散液の調製
は、通常、室温〜100℃で実施されるが、50℃〜7
0℃で実施することが好ましい。乳化分散液の粘度は、
60℃において120〜250cP(センチポイズ)で
あることが好ましく、170〜190cPとすることが
より好ましい。
【0021】本発明においては、前記の被覆剤が分散さ
れ、露点が10℃以下、かつ噴霧槽内に導入される際の
温度が30〜70℃である気体が上方から下方に向けて
導入されている噴霧槽内であって、該気体の流路の下流
に、上記で得られる乳化分散液を下方に向けて噴霧す
る。
れ、露点が10℃以下、かつ噴霧槽内に導入される際の
温度が30〜70℃である気体が上方から下方に向けて
導入されている噴霧槽内であって、該気体の流路の下流
に、上記で得られる乳化分散液を下方に向けて噴霧す
る。
【0022】ここで、気体として、露点が10℃を越え
るものを使用すると、乳化分散液の噴霧液滴のゲル化速
度が抑制され、噴霧液滴同士の付着が生じやすく、形の
整った微粒子を得ることができない。なお、極端な場合
には、微粒子が形成されないこともある。また、噴霧槽
内に導入される際の気体の温度が70℃を越えると、噴
霧液滴からの水分の除去速度が早くなり過ぎ、形の整っ
た微粒子を得ることができない。一方、噴霧槽内に導入
される際の気体の温度が30℃未満の場合には、噴霧液
滴が冷却されてゲル化速度が促進される一方で、乳化分
散液の粘度が上昇することにより、噴霧状態が不安定化
する。このため、噴霧液滴が表面張力によって球形の形
状となる前にゲル化してしまい、形の整った微粒子を得
ることができない。被覆剤が分散された気体が噴霧槽内
に導入される際の温度は、40〜60℃であることが好
ましい。また、該気体の露点は0〜5℃であることが好
ましい。
るものを使用すると、乳化分散液の噴霧液滴のゲル化速
度が抑制され、噴霧液滴同士の付着が生じやすく、形の
整った微粒子を得ることができない。なお、極端な場合
には、微粒子が形成されないこともある。また、噴霧槽
内に導入される際の気体の温度が70℃を越えると、噴
霧液滴からの水分の除去速度が早くなり過ぎ、形の整っ
た微粒子を得ることができない。一方、噴霧槽内に導入
される際の気体の温度が30℃未満の場合には、噴霧液
滴が冷却されてゲル化速度が促進される一方で、乳化分
散液の粘度が上昇することにより、噴霧状態が不安定化
する。このため、噴霧液滴が表面張力によって球形の形
状となる前にゲル化してしまい、形の整った微粒子を得
ることができない。被覆剤が分散された気体が噴霧槽内
に導入される際の温度は、40〜60℃であることが好
ましい。また、該気体の露点は0〜5℃であることが好
ましい。
【0023】上記の気体としては、通常、空気を使用す
るが、窒素など空気以外の気体を使用することも可能で
ある。
るが、窒素など空気以外の気体を使用することも可能で
ある。
【0024】本発明では、前記条件の気体を使用するこ
とにより、乳化分散液の噴霧液滴から水分を速やかに除
去し、該液滴の水分をほぼ瞬時に10〜20重量%除去
することができる。その結果、上記乳化分散液の噴霧液
滴を被覆剤で被覆してなり、しかも実質的にゲル化した
微粒子を短時間で得ることができ、かつ乾燥工程での乾
燥時間を短縮することもできるので、短時間で脂溶性ビ
タミンおよび/またはカロチノイドを含有する乾燥粉末
を製造することが可能となる。
とにより、乳化分散液の噴霧液滴から水分を速やかに除
去し、該液滴の水分をほぼ瞬時に10〜20重量%除去
することができる。その結果、上記乳化分散液の噴霧液
滴を被覆剤で被覆してなり、しかも実質的にゲル化した
微粒子を短時間で得ることができ、かつ乾燥工程での乾
燥時間を短縮することもできるので、短時間で脂溶性ビ
タミンおよび/またはカロチノイドを含有する乾燥粉末
を製造することが可能となる。
【0025】乳化分散液を噴霧する方法としては、公知
の方法を利用することができる。例えば、口径1〜2m
mの噴霧ノズルから、50〜60℃、15〜30kgf
/cm2 G(ゲージ圧)の圧力で上記の乳化分散液を噴
霧する方法が挙げられる。乳化分散液の噴霧は、前記気
体の流路の下流で行えばよいが、乳化分散液の噴霧液滴
を前記被覆剤により充分に被覆して、得られる微粒子同
士の付着を防止するためには、乳化分散液の噴霧は、前
記気体の流路の下流であって、噴霧槽の上部に設けられ
た、前記被覆剤を分散させた気体の導入口の中心軸付近
で行うことが好ましく、さらに該導入口の開口面近傍に
設けられたノズルから乳化分散液を噴霧することがより
好ましい。
の方法を利用することができる。例えば、口径1〜2m
mの噴霧ノズルから、50〜60℃、15〜30kgf
/cm2 G(ゲージ圧)の圧力で上記の乳化分散液を噴
霧する方法が挙げられる。乳化分散液の噴霧は、前記気
体の流路の下流で行えばよいが、乳化分散液の噴霧液滴
を前記被覆剤により充分に被覆して、得られる微粒子同
士の付着を防止するためには、乳化分散液の噴霧は、前
記気体の流路の下流であって、噴霧槽の上部に設けられ
た、前記被覆剤を分散させた気体の導入口の中心軸付近
で行うことが好ましく、さらに該導入口の開口面近傍に
設けられたノズルから乳化分散液を噴霧することがより
好ましい。
【0026】かくして得られた微粒子は、通常、水分含
有量が5重量%(乾燥重量基準)程度に乾燥されて脂溶
性ビタミンおよび/またはカロチノイドを含有する乾燥
粉末とされる。ここで、微粒子の乾燥は、従来より公知
の乾燥機を用いて実施することができるが、微粒子の流
動性をよりよくするために、振動流動層乾燥機を使用し
て実施することが好ましい。乾燥温度は通常30〜10
0℃である。
有量が5重量%(乾燥重量基準)程度に乾燥されて脂溶
性ビタミンおよび/またはカロチノイドを含有する乾燥
粉末とされる。ここで、微粒子の乾燥は、従来より公知
の乾燥機を用いて実施することができるが、微粒子の流
動性をよりよくするために、振動流動層乾燥機を使用し
て実施することが好ましい。乾燥温度は通常30〜10
0℃である。
【0027】以上説明した本発明の製造方法によって得
られる乾燥粉末は、通常、完全に10メッシュ(開口:
1700μm)のふるいを通過し、330メッシュ(開
口:45μm)のふるい上に保持される範囲の大きさを
有している。また、ほぼ球形の形状を有しており、形の
整った粉末である。
られる乾燥粉末は、通常、完全に10メッシュ(開口:
1700μm)のふるいを通過し、330メッシュ(開
口:45μm)のふるい上に保持される範囲の大きさを
有している。また、ほぼ球形の形状を有しており、形の
整った粉末である。
【0028】以下、本発明の実施態様を図1に従って説
明する。図1は、本発明の製造方法を実施するために使
用される装置(ただし、乾燥機は省略している)の一例
を示すものであり、同図において噴霧槽1の上部には、
被覆剤を分散した気体を噴霧槽1内に導入するための導
入口2が設けられている。図1においては、噴霧槽1の
形状は、上部が円筒状であり、下部が下方に向かって外
径が小さくなる円錐状となっているが、本発明では噴霧
槽の形状はこれに限定される訳ではない。
明する。図1は、本発明の製造方法を実施するために使
用される装置(ただし、乾燥機は省略している)の一例
を示すものであり、同図において噴霧槽1の上部には、
被覆剤を分散した気体を噴霧槽1内に導入するための導
入口2が設けられている。図1においては、噴霧槽1の
形状は、上部が円筒状であり、下部が下方に向かって外
径が小さくなる円錐状となっているが、本発明では噴霧
槽の形状はこれに限定される訳ではない。
【0029】噴霧槽1の下端部は開口であり、噴霧槽1
内で形成された微粒子がこの開口を経て乾燥機へ送出さ
れる。噴霧槽1の円錐状部分の上方には、噴霧槽1内に
導入された気体を排出するための排気口3が設けられて
いる。図1において、矢印4は温度が30〜70℃であ
り、かつ露点が10℃以下の気体の導入、矢印5は被覆
剤の導入、矢印6は乳化分散液の導入、矢印7は噴霧槽
1内に導入された前記気体の排出、矢印8は微粒子の送
出を意味する。
内で形成された微粒子がこの開口を経て乾燥機へ送出さ
れる。噴霧槽1の円錐状部分の上方には、噴霧槽1内に
導入された気体を排出するための排気口3が設けられて
いる。図1において、矢印4は温度が30〜70℃であ
り、かつ露点が10℃以下の気体の導入、矢印5は被覆
剤の導入、矢印6は乳化分散液の導入、矢印7は噴霧槽
1内に導入された前記気体の排出、矢印8は微粒子の送
出を意味する。
【0030】噴霧槽1の上部に設けられた導入口2に
は、温度が30〜70℃であり、かつ露点が10℃以下
の気体を導入するための気体導入管9と、乳化分散液を
導入するための乳化分散液導入管10とが設けられてい
る。気体導入管9には、前記気体を整流し、被覆剤を前
記気体中に十分に分散させるための分散装置11が設け
られている。気体の導入量は、通常、噴霧液1kg当た
り12〜16m3 程度である。分散装置11を経た乾燥
気体は、被覆剤が均一に分散されて噴霧槽1内に導入さ
れる。噴霧槽1内に導入された気体は、乳化分散液の噴
霧液滴から水分を吸収して湿度が上昇するが、この湿っ
た気体は排気口3から排出される。この際、過剰の被覆
剤も同時に除去される。
は、温度が30〜70℃であり、かつ露点が10℃以下
の気体を導入するための気体導入管9と、乳化分散液を
導入するための乳化分散液導入管10とが設けられてい
る。気体導入管9には、前記気体を整流し、被覆剤を前
記気体中に十分に分散させるための分散装置11が設け
られている。気体の導入量は、通常、噴霧液1kg当た
り12〜16m3 程度である。分散装置11を経た乾燥
気体は、被覆剤が均一に分散されて噴霧槽1内に導入さ
れる。噴霧槽1内に導入された気体は、乳化分散液の噴
霧液滴から水分を吸収して湿度が上昇するが、この湿っ
た気体は排気口3から排出される。この際、過剰の被覆
剤も同時に除去される。
【0031】図1において導入口2の開口面近傍には、
乳化分散液を噴霧するための噴霧ノズル12が設けられ
ており、噴霧ノズル12は乳化分散液導入管10に接続
されている。噴霧ノズル12は、下方に向けて設けられ
ており、乳化分散液が噴霧液滴となり、下方に向けて噴
霧、拡散される。噴霧ノズル12から噴霧槽1の円筒状
部分の下端に至るまでの落下経路の長さ(図1中のd)
は、形の整った乾燥粉末を得ることと、装置を小型化す
るという観点から1.5〜4mとすることが好ましい。
乳化分散液を噴霧するための噴霧ノズル12が設けられ
ており、噴霧ノズル12は乳化分散液導入管10に接続
されている。噴霧ノズル12は、下方に向けて設けられ
ており、乳化分散液が噴霧液滴となり、下方に向けて噴
霧、拡散される。噴霧ノズル12から噴霧槽1の円筒状
部分の下端に至るまでの落下経路の長さ(図1中のd)
は、形の整った乾燥粉末を得ることと、装置を小型化す
るという観点から1.5〜4mとすることが好ましい。
【0032】噴霧ノズル12から噴霧された乳化分散液
は、導入口2から導入される気体中に分散された被覆剤
と効率よく接触する。このため、乳化分散液の噴霧液滴
の表面は、被覆剤によって完全に被覆されて安定的に単
一の微粒子となり、粒子同士の付着を起こすことがな
い。かくして、形成された微粒子は噴霧槽1内を落下
し、噴霧槽1の下端頂部の開口から送出されて、乾燥機
中に導入され乾燥処理に付される。かくして、脂溶性ビ
タミンおよび/またはカロチノイドを含有する乾燥粉末
が得られる。
は、導入口2から導入される気体中に分散された被覆剤
と効率よく接触する。このため、乳化分散液の噴霧液滴
の表面は、被覆剤によって完全に被覆されて安定的に単
一の微粒子となり、粒子同士の付着を起こすことがな
い。かくして、形成された微粒子は噴霧槽1内を落下
し、噴霧槽1の下端頂部の開口から送出されて、乾燥機
中に導入され乾燥処理に付される。かくして、脂溶性ビ
タミンおよび/またはカロチノイドを含有する乾燥粉末
が得られる。
【0033】このように、本発明の製造方法によれば、
脂溶性ビタミンおよび/またはカロチノイドを含有す
る、形の整った乾燥粉末を短時間で製造することができ
る。また、本発明の製造方法によれば、使用する装置を
小型化することも可能である。さらに、図1に示す装置
を使用して本発明の製造方法を実施した場合、上述のよ
うに、被覆剤で被覆された微粒子は、過剰に用いた被覆
剤から分離された形で得られるので、過剰の被覆剤との
分離工程が不要であり、乾燥粉末の製造工程が簡略化さ
れるというメリットも有している。
脂溶性ビタミンおよび/またはカロチノイドを含有す
る、形の整った乾燥粉末を短時間で製造することができ
る。また、本発明の製造方法によれば、使用する装置を
小型化することも可能である。さらに、図1に示す装置
を使用して本発明の製造方法を実施した場合、上述のよ
うに、被覆剤で被覆された微粒子は、過剰に用いた被覆
剤から分離された形で得られるので、過剰の被覆剤との
分離工程が不要であり、乾燥粉末の製造工程が簡略化さ
れるというメリットも有している。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0035】〔実施例1〕水49.3kgに酸化澱粉
5.2kg、ゼラチン(ブルーム:100〜130、p
H:5〜6)11.9kgおよび蔗糖14.7kgを添
加し、攪拌しながら加熱溶解したのち60℃に保持す
る。この混合水溶液に、エトキシキン4.4kgとビタ
ミンAアセテート14.5kgの混合物を添加し、ホモ
ジナイザーを用いて乳化分散させる。この乳化分散液
(60℃で180cPの粘度を有する)を、60〜62
℃および25kgf/cm2 G(ゲージ圧)で図1に示
す乳化分散液導入管10を通じて噴霧ノズル12から噴
霧する。噴霧の間、図1の気体導入管9に40℃に調節
された乾燥空気(露点5℃)を30m3 /分の割合で、
また図1の矢印5に示すように被覆剤として澱粉を16
0kg/時の割合で供給した。
5.2kg、ゼラチン(ブルーム:100〜130、p
H:5〜6)11.9kgおよび蔗糖14.7kgを添
加し、攪拌しながら加熱溶解したのち60℃に保持す
る。この混合水溶液に、エトキシキン4.4kgとビタ
ミンAアセテート14.5kgの混合物を添加し、ホモ
ジナイザーを用いて乳化分散させる。この乳化分散液
(60℃で180cPの粘度を有する)を、60〜62
℃および25kgf/cm2 G(ゲージ圧)で図1に示
す乳化分散液導入管10を通じて噴霧ノズル12から噴
霧する。噴霧の間、図1の気体導入管9に40℃に調節
された乾燥空気(露点5℃)を30m3 /分の割合で、
また図1の矢印5に示すように被覆剤として澱粉を16
0kg/時の割合で供給した。
【0036】その際の噴霧負荷(乳化分散液の噴霧量)
は145リットル/時(160kg/時)であり、被覆
剤の添加量は噴霧量と等量であった。本方法によって得
られた微粒子は、振動流動層乾燥機に導入されて乾燥
(30〜80℃で0.5時間)され、水分が2.8重量
%(乾燥重量基準)の乾燥粉末が得られた。得られた乾
燥粉末を光学顕微鏡(倍率:50倍)で観察したとこ
ろ、ほぼ球状をしており、形の整った粉末であることが
分かった。また、得られた乾燥粉末のビタミンA含有量
は671,000 国際単位/gであり、JIS Z8801−
1982による篩い分析の結果は下記の通りであった。
は145リットル/時(160kg/時)であり、被覆
剤の添加量は噴霧量と等量であった。本方法によって得
られた微粒子は、振動流動層乾燥機に導入されて乾燥
(30〜80℃で0.5時間)され、水分が2.8重量
%(乾燥重量基準)の乾燥粉末が得られた。得られた乾
燥粉末を光学顕微鏡(倍率:50倍)で観察したとこ
ろ、ほぼ球状をしており、形の整った粉末であることが
分かった。また、得られた乾燥粉末のビタミンA含有量
は671,000 国際単位/gであり、JIS Z8801−
1982による篩い分析の結果は下記の通りであった。
【0037】
【表1】
【0038】ビタミンAアセテートの分析方法 100mlの褐色メスフラスコに、試料80mg、水5
mlおよびPronase−F酵素30mgを入れ、4
5〜50℃で激しく混合して懸濁液とした。これにエタ
ノール20mlを加えて振り混ぜた後、ジエチルエーテ
ルを加えて全体の液量を正確に100mlとした。得ら
れた溶液を1mlとり、メスフラスコを使用して、イソ
プロピルアルコールにて希釈した(全体の液量:50m
l)。紫外吸光度測定装置を用いて得られた希釈溶液の
326nmにおける吸光度を測定し、次式によりビタミ
ンAアセテートの含有量(IU/g)を求めた。
mlおよびPronase−F酵素30mgを入れ、4
5〜50℃で激しく混合して懸濁液とした。これにエタ
ノール20mlを加えて振り混ぜた後、ジエチルエーテ
ルを加えて全体の液量を正確に100mlとした。得ら
れた溶液を1mlとり、メスフラスコを使用して、イソ
プロピルアルコールにて希釈した(全体の液量:50m
l)。紫外吸光度測定装置を用いて得られた希釈溶液の
326nmにおける吸光度を測定し、次式によりビタミ
ンAアセテートの含有量(IU/g)を求めた。
【0039】ビタミンAアセテートの含有量(IU/
g)=326nmにおける吸光度×1900×50/試
料の量(0.08g)
g)=326nmにおける吸光度×1900×50/試
料の量(0.08g)
【0040】〔実施例2〕水49.7kg、酸化澱粉
5.5kg、ゼラチン(ブルーム:100〜130、p
H:5〜6)12.8kg、蔗糖15.8kg、エトキ
シキン4.4kgおよびビタミンAアセテート14.5
kgを用いて、実施例1と同様に操作して得た乳化分散
液(60℃で190cPの粘度を有する)を、実施例1
と同様にして58〜60℃および30kgf/cm2 G
(ゲージ圧)で噴霧し、ビタミンAアセテートを含有す
る乾燥粉末〔水分含有量3.1重量%(乾燥重量基
準)〕を得た。この際、噴霧負荷は160リットル/時
(175kg/時)であり、被覆剤としての澱粉の供給
量は175kg/時とした。得られた乾燥粉末を光学顕
微鏡(倍率:50倍)で観察したところ、ほぼ球状をし
ており、形の整った粉末であることが分かった。得られ
た乾燥粉末のビタミンA含有量は650,000 国際単位/g
であり、JIS Z8801−1982による篩い分析
の結果は下記の通りである。
5.5kg、ゼラチン(ブルーム:100〜130、p
H:5〜6)12.8kg、蔗糖15.8kg、エトキ
シキン4.4kgおよびビタミンAアセテート14.5
kgを用いて、実施例1と同様に操作して得た乳化分散
液(60℃で190cPの粘度を有する)を、実施例1
と同様にして58〜60℃および30kgf/cm2 G
(ゲージ圧)で噴霧し、ビタミンAアセテートを含有す
る乾燥粉末〔水分含有量3.1重量%(乾燥重量基
準)〕を得た。この際、噴霧負荷は160リットル/時
(175kg/時)であり、被覆剤としての澱粉の供給
量は175kg/時とした。得られた乾燥粉末を光学顕
微鏡(倍率:50倍)で観察したところ、ほぼ球状をし
ており、形の整った粉末であることが分かった。得られ
た乾燥粉末のビタミンA含有量は650,000 国際単位/g
であり、JIS Z8801−1982による篩い分析
の結果は下記の通りである。
【0041】
【表2】
【0042】〔実施例3〕20kgのβ−カロチンを
2.6kgのα−トコフェロールと34.1kgのコー
ン油との混合物中に分散し、15μm以下の粒子径の粒
子が全体の90重量%を占めるようになるまで粉砕機に
て粉砕して、β−カロチンが懸濁したオイルを得た。そ
の後、酸化澱粉15kg、ゼラチン(ブルーム:100
〜130、pH:5〜6)35kg、蔗糖42kgおよ
び水83.6kgからなる混合液中に前記のβ−カロチ
ンが懸濁したオイルを添加し、ホモジナイザーを用いて
乳化分散させる。得られた乳化分散液を実施例1と同様
にして、60℃および25kgf/cm2 G(ゲージ
圧)で噴霧し、β−カロチンの含有量が10重量%の乾
燥粉末を得た。
2.6kgのα−トコフェロールと34.1kgのコー
ン油との混合物中に分散し、15μm以下の粒子径の粒
子が全体の90重量%を占めるようになるまで粉砕機に
て粉砕して、β−カロチンが懸濁したオイルを得た。そ
の後、酸化澱粉15kg、ゼラチン(ブルーム:100
〜130、pH:5〜6)35kg、蔗糖42kgおよ
び水83.6kgからなる混合液中に前記のβ−カロチ
ンが懸濁したオイルを添加し、ホモジナイザーを用いて
乳化分散させる。得られた乳化分散液を実施例1と同様
にして、60℃および25kgf/cm2 G(ゲージ
圧)で噴霧し、β−カロチンの含有量が10重量%の乾
燥粉末を得た。
【0043】
【発明の効果】本発明の脂溶性ビタミンおよび/または
カロチノイドを含有する乾燥粉末の製造方法によれば、
乾燥に要する時間を短縮することができる上、形の整っ
た乾燥粉末を得ることができる。また、使用する装置を
小型化することも可能である。
カロチノイドを含有する乾燥粉末の製造方法によれば、
乾燥に要する時間を短縮することができる上、形の整っ
た乾燥粉末を得ることができる。また、使用する装置を
小型化することも可能である。
【図1】本発明の製造方法を実施するために使用される
装置の一例を示す図である。
装置の一例を示す図である。
1 噴霧槽 2 導入口 3 排気口 4 気体の導入 5 被覆剤の導入 6 乳化分散液の導入 7 噴霧槽内に導入された気体の排出 8 微粒子の送出 9 気体導入管 10 乳化分散液導入管 11 分散装置 12 噴霧ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/59 A61K 47/04 D 47/04 47/36 D 47/36 A61J 3/02 A // A61J 3/02 A61K 31/12 A61K 31/12 9/14 R (72)発明者 蓑毛 長弘 大阪市淀川区加島4丁目6番23号 日本化 学機械製造株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 被覆剤を分散させた気体が上方から下方
に向けて導入されている噴霧槽内であって、該気体の流
路の下流に、ゼラチンの水溶液中に脂溶性ビタミンおよ
び/またはカロチノイドを乳化分散した乳化分散液を下
方に向けて噴霧することによって、該乳化分散液の液滴
を該被覆剤で被覆してなり、しかも実質的にゲル化した
微粒子を形成させ、これを乾燥させることからなる脂溶
性ビタミンおよび/またはカロチノイドを含有する乾燥
粉末の製造方法であって、前記の被覆剤を分散させた気
体の露点が10℃以下であり、かつ該気体の温度が該噴
霧槽内に導入される際に30〜70℃であることを特徴
とする該粉末の製造方法。 - 【請求項2】 該噴霧槽の上部に設けられた、該被覆剤
を分散させた気体の導入口の中心軸付近であって、該導
入口の開口面近傍に設けられたノズルから該乳化分散液
を噴霧する請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 該被覆剤が澱粉またはケイ酸である請求
項1または2記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32502697A JPH11158063A (ja) | 1997-11-26 | 1997-11-26 | 脂溶性ビタミンおよび/またはカロチノイドを含有する乾燥粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32502697A JPH11158063A (ja) | 1997-11-26 | 1997-11-26 | 脂溶性ビタミンおよび/またはカロチノイドを含有する乾燥粉末の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11158063A true JPH11158063A (ja) | 1999-06-15 |
Family
ID=18172324
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32502697A Pending JPH11158063A (ja) | 1997-11-26 | 1997-11-26 | 脂溶性ビタミンおよび/またはカロチノイドを含有する乾燥粉末の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11158063A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100950326B1 (ko) | 2009-06-18 | 2010-03-31 | 홍순경 | 비타민 분말 미세화 처리장치 및 방법 |
JP2010534466A (ja) * | 2007-07-26 | 2010-11-11 | カーギル インコーポレイテッド | デンプンの変性方法 |
KR101422732B1 (ko) * | 2010-01-21 | 2014-07-24 | 홍순경 | 분말 처리장치 및 방법 |
JP2020090460A (ja) * | 2018-12-06 | 2020-06-11 | 三生医薬株式会社 | 造粒方法 |
-
1997
- 1997-11-26 JP JP32502697A patent/JPH11158063A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010534466A (ja) * | 2007-07-26 | 2010-11-11 | カーギル インコーポレイテッド | デンプンの変性方法 |
KR100950326B1 (ko) | 2009-06-18 | 2010-03-31 | 홍순경 | 비타민 분말 미세화 처리장치 및 방법 |
KR101422732B1 (ko) * | 2010-01-21 | 2014-07-24 | 홍순경 | 분말 처리장치 및 방법 |
JP2020090460A (ja) * | 2018-12-06 | 2020-06-11 | 三生医薬株式会社 | 造粒方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20060919 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070206 |