JPH11157975A - 草木灰と燐酸を反応させた化成肥料 - Google Patents

草木灰と燐酸を反応させた化成肥料

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JPH11157975A
JPH11157975A JP32807097A JP32807097A JPH11157975A JP H11157975 A JPH11157975 A JP H11157975A JP 32807097 A JP32807097 A JP 32807097A JP 32807097 A JP32807097 A JP 32807097A JP H11157975 A JPH11157975 A JP H11157975A
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phosphoric acid
ash
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plant ash
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JP32807097A
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Tadashi Aizawa
正 相澤
Tadashi Nakayama
忠 中山
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Japan Tobacco Inc
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Japan Tobacco Inc
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05FORGANIC FERTILISERS NOT COVERED BY SUBCLASSES C05B, C05C, e.g. FERTILISERS FROM WASTE OR REFUSE
    • C05F11/00Other organic fertilisers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05BPHOSPHATIC FERTILISERS
    • C05B7/00Fertilisers based essentially on alkali or ammonium orthophosphates

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Fertilizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 カリ含有量の高い草木灰100重量部
に対し、50〜150重量部相当量の燐酸を、燐酸水溶
液として混合・撹拌して反応させ、pH4.5〜6.5
の範囲に調整した後、乾物重が安定するまで蔵置し、最
終調整pHを5.0〜7.0の範囲にすることを特徴と
する化成肥料の製造方法。 【効果】 本発明の化成肥料は、土壌中にSO4――や
Cl-の残留が少なく、土壌のpHの低下とECの上昇
を防ぐことができる利点を有し、土壌環境の保全に役立
つ肥料である。本発明の化成肥料は、広い範囲の化学肥
料及び有機質肥料と配合することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カリ成分及び燐酸成分
を含有する化成肥料の製造方法及び該製造方法によって
得られた化成肥料に関する。
【0002】
【従来の技術】カリ肥料は、塩化カリ及び硫酸カリが広
く使用されている。この他に、珪酸カリ、硝酸カリ等が
ある。塩化カリ及び硫酸カリは、畑に使用すると、カリ
成分は作物に大部分が吸収されるが、SO4 --やCl-
土壌中に残り、それらによって土壌のpH低下とEC上
昇をもたらし、作物を栽培する上で生育不良や塩類障害
を招きやすい。珪酸カリは、塩化カリ及び硫酸カリに比
べ成分的にカリ含有率が低い上、化学的にアルカリ性で
あるため他の肥料との配合には制限がある。硝酸カリは
肥料製造するうえで爆発等の危険性がある。
【0003】上記の他のカリ肥料として、草木灰が知ら
れている。特に、カリ含有量の高い草木灰として、たば
こ屑灰、たばこ中骨灰及びパーム椰子焼成灰等がある。
なお、たばこ屑灰とは、主に葉たばこの屑を燃焼させて
得た灰のことであり、たばこ中骨灰とは、たばこの中骨
を燃焼させて得た灰のことであり、パーム椰子焼成灰と
は、パーム椰子の果房を燃焼させて得た灰のことであ
る。
【0004】それらのカリ含有率は、珪酸カリに比べ高
く、たばこ屑灰では全カリおよび水溶性カリを約50
%、たばこ中骨灰では全カリを約30%含有しおり、パ
ーム椰子焼成灰のカリ含有量は、く溶性カリ30%以上
および水溶性カリ20%以上である。これらの草木灰の
主成分は、重炭酸カリ(KHCO3) と炭酸カリ(K2
CO3)であり、pHの急激な低下を調節する機能があ
り、最終的に、これらの炭酸塩は、土壌中でCO2に分
解する。この性質は、硫酸カリや塩化カリには見られな
いものである。すなわち、土壌に残留するSO4 --やC
-が少ないことから、作物に悪影響を与える物質を出
さない、ストレスの小さい肥料といえる。しかしなが
ら、カリ含有量の高い草木灰は、化学的性質がアルカリ
性であるため、燐酸一アンモン又は燐酸二アンモンなど
のアンモニア系肥料と混合すると、アンモニアガスが発
生して揮発し、窒素成分の減少が起きる。同時に、燐酸
は、く溶性に変化し、作物への吸収力が低下する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、カリ含有量
の高い草木灰にみられる上記のような課題を解決する化
成肥料を製造することを目的としたものである。すなわ
ち、カリ含有量の高い草木灰の特徴である土壌中にSO
4 --やCl-の残留が少なく、土壌のpHの低下とECの
上昇を防ぐことができるという利点を生かしつつ、同時
に、カリ含有量の高い草木灰の化学的性質であるアルカ
リ性に起因した欠点、すなわち、アンモニア系肥料や尿
素、ホルム窒素と配合するとアンモニアガスが発生し、
窒素成分の減少がもたらされるという欠点を、解消する
化成肥料を製造することである。
【0006】本発明者等は、上記した課題を達成した肥
料を提供するために研究を行い、本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、カリ含有量の
高い草木灰100重量部に対し、50〜150重量部相
当量の燐酸を、燐酸水溶液として混合・撹拌して反応さ
せ、pH4.5〜6.5の範囲に調整した後、乾物重が
安定するまで蔵置し、最終調整pHを5.0〜7.0の
範囲にすることを特徴とする化成肥料の製造方法を要旨
とするものである。
【0008】さらに、本発明は、上記製造方法によって
得られた化成肥料を要旨とするものである。
【0009】本発明のカリ含有量の高い草木灰とは、た
ばこ屑灰、たばこ中骨灰又はパーム椰子焼成灰などのこ
とである。好ましくは、たばこ屑灰、たばこ中骨灰又は
パーム椰子焼成灰である。
【0010】これらの草木灰に対し、燐酸を水溶液とし
て加えて混合・撹拌する。その混合比率は、草木灰10
0重量部に対して、燐酸を50〜150重量部相当量を
加える。好ましくは、草木灰100重量部に対して、燐
酸を64〜100重量部相当量を加える。これらの燐酸
は、燐酸水溶液として加えられる。その燐酸水溶液の燐
酸濃度は、10%から飽和濃度までの範囲であり、好ま
しくは、40%から飽和濃度までの範囲であり、より好
ましくは、70〜89%の範囲である。
【0011】草木灰と燐酸水溶液とを混合・撹拌するこ
とによって化学反応を起こし、pHは4.5〜6.5の
範囲に調整される。目標とするpH値に調整するために
は、使用する草木灰原料について、予備試験を行い、そ
の試験結果に基づいて草木灰と燐酸の混合すべき重量比
を計算して求める必要がある。
【0012】pH値を目標値に調整した後に、肥料の乾
物重の減少は、徐々に進行するので、一定の蔵置期間が
必要である。その蔵置期間は、好ましくは、少なくとも
26日間である。その蔵置期間を経ることによって、p
H値は、さらに上昇し、最終調整pHを5.0〜7.0
の範囲に到達することができる。なお、蔵置期間経過後
のpHが、上記範囲よりも小さい場合には、燐酸水溶液
を追加して、再調整することも可能である。
【0013】以上によってつくられた本発明化成肥料
は、必要に応じて自然又は加熱乾燥される。
【0014】
【発明の効果】本発明の化成肥料は、土壌中にSO4 --
やCl-の残留が少なく、土壌のpHの低下とECの上
昇を防ぐことができる利点を有し、あらゆる作物を栽培
する上で生育不良や塩類障害を防ぐことができる。露地
栽培はもちろんのこと、特に、施設栽培、周年栽培及び
被覆栽培などにおいて、大きな利点を発揮する。土壌環
境の保全に役立つ肥料である。
【0015】従来、カリ含有量が高い草木灰単体では、
尿素、燐酸2アンモニウム、硝酸アンモニウム、ホルム
チッソ、硝酸カリ、重燐酸石灰などの化学肥料及び菜種
油粕、胡麻油粕、脱脂米ぬか、大豆油粕、魚粕、蒸製骨
粉、蒸製皮粉、蒸製毛粉、乾燥血粉、肉粕などの有機質
肥料と配合することができなかった。それは、カリ含有
量が高い草木灰が、化学的にアルカリ性であり、上に列
記した化学肥料と配合すると、アンモニアガスが発生
し、有機質肥料と配合すると、アルカリ性の改善が行わ
れず、根傷みや葉に接触すると葉焼けが生ずるからであ
る。本発明の化成肥料は、pHが5.0〜7.0の範囲
に調整されているために、このような問題点がなく、こ
れらの肥料とも配合できる。
【0016】
【実施例】予備試験 カリ含有量の高い草木灰と燐酸をどのくらいの重量比で
加えたら、pH4.5〜6.5の範囲に調整ができるか
を調査するために、次の予備実験を行った。たばこ屑
灰、たばこ中骨灰およびパーム椰子焼成灰25gにイオ
ン交換水250ミリリットルを加え、燐酸として89%
含有する水溶液を添加し、pHの測定を行った。なお、
肥料のpH測定は、測定対象の肥料重量部1にたいし、
イオン交換水重量部10を加え、十分撹拌した状態で測
定することとなっている。その結果、図1の各草木灰に
対する燐酸水溶液の添加量によるpH値曲線を得た。た
ばこ屑灰、たばこ中骨灰およびパーム椰子焼成灰のそれ
ぞれよって、そのpH値曲線に若干の相違はあるが、カ
リ含有量の高い草木灰と燐酸とを混合する重量比をおお
よそ決めることが必要である。
【0017】実際に、本発明の化成肥料をつくる場合に
は、得られたカリ含有量の高い草木灰の各原料につい
て、同様の予備試験を行う必要がある。予備試験の結果
に基づいて、カリ含有量の高い草木灰と燐酸とを混合す
る重量比を、各原料に応じて定めることができる。
【0018】実施例1 予備試験で使用したパーム椰子焼成灰300gに、上記
予備試験より得た燐酸の混合量を計算した。燐酸の89
%水溶液を所定量を十分に混合・撹拌した。混合時のp
Hの調整目標値は、それぞれ1区pH6.0、2区pH
5.5、3区pH5.0、4区pH4.5とした。この
pHの調整目標値を達成するために、それぞれ1区は6
4g、2区は80g、3区は95g、4区は100gの
燐酸を加えた。それらの燐酸は、89%の燐酸水溶液で
混合・撹拌した。対照として、同等量のイオン交換水を
混合・撹拌した区を設けた。
【0019】その後、暗室内に蔵置した。この間、混合
・撹拌してから2時間後、同1日後、同7日後、16日
後、26日後、42日後及び75日後に、重量、水分、
乾物重及び乾物重量比を経時的に測定した。その結果を
表−1に示した。
【0020】同時に、肥料成分の分析を行った。分析用
試料には、110℃で24時間乾燥後粉砕した前記各区
の化成肥料を当てた。全燐酸と水溶性燐酸は、バナドモ
リブデン酸アンモニウム法、全カリと水溶性カリは、原
子吸光測光法により分析した。その結果を表−2に示し
た。
【0021】表−1 乾物重量の変化(1区及び2区)
【0022】表−1 乾物重量の変化(3区及び4区)
【0023】 表−2 肥料成分の変化(乾物当りの含有率)
【0024】上記の表―1から明らかな通り、重量の減
少は、燐酸液添加直後の炭酸および重炭酸イオンが分解
したCO2 として揮発した量と反応熱によって発生した
水蒸気の蒸散量とを合わせた重量、8%前後である。そ
の後の蔵置期間中において、引き続きCO2発生および
水分の蒸散による減少があり、26日程度で安定した。
【0025】また、上記の表―2から明らかな通り、p
Hについては、反応直後にかなり上昇し、さらに蔵置期
間中にも徐々に上昇し、26日以降はほぼ安定した。燐
酸については、熟成が進行すると水溶性燐酸は減少する
が、26日程度で安定した。カリについては、熟成中の
水溶性カリの含有率に変化は無かった。従って、最終調
整pHを5.0〜7.0とした本発明化成肥料に到達さ
せるため26日程度の蔵置を行うと、品質の安定は図ら
れる。また、所定の最終調整pHを定めることによっ
て、燐酸とカリの含有率の異なる肥料が製造可能であ
る。
【0026】本発明の化成肥料は、pHが5.0〜7.
0の範囲であるから、広い範囲の他の肥料と配合可能で
ある。その配合例を列挙すると、次の通りである。
【0027】配合例1 パーム椰子焼成灰を原料 とした本発明化成肥料 60% 尿素 40% これは、窒素18%、燐酸18%、カリ16%の配合肥
料。
【0028】配合例2 パーム椰子焼成灰を原料 とした本発明化成肥料 60% ホルムチッソ 40% これは、窒素16%、燐酸18%、カリ16%の配合肥
料。
【図面の簡単な説明】
【図1】各草木灰に対する燐酸水溶液の添加量によるp
H値曲線グラフ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カリ含有量の高い草木灰100重量部に
    対し、50〜150重量部相当量の燐酸を、燐酸水溶液
    として混合・撹拌して反応させ、pH4.5〜6.5の
    範囲に調整した後、乾物重が安定するまで蔵置し、最終
    調整pHを5.0〜7.0の範囲にすることを特徴とす
    る化成肥料の製造方法。
  2. 【請求項2】 カリ含有量の高い草木灰が、たばこ屑
    灰、たばこ中骨灰及びパーム椰子焼成灰のいずれかであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の化成肥料の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 燐酸水溶液の燐酸濃度が、40%から飽
    和濃度までの範囲であることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の化成肥料の製造方法。
  4. 【請求項4】 草木灰と燐酸水溶液とを混合した後、少
    なくとも26日間蔵置したことを特徴とする請求項1な
    いし3のいずれかに記載の化成肥料の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の製
    造方法によって得られた化成肥料。
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