JPH11157975A - 草木灰と燐酸を反応させた化成肥料 - Google Patents
草木灰と燐酸を反応させた化成肥料Info
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- JPH11157975A JPH11157975A JP32807097A JP32807097A JPH11157975A JP H11157975 A JPH11157975 A JP H11157975A JP 32807097 A JP32807097 A JP 32807097A JP 32807097 A JP32807097 A JP 32807097A JP H11157975 A JPH11157975 A JP H11157975A
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C05—FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
- C05F—ORGANIC FERTILISERS NOT COVERED BY SUBCLASSES C05B, C05C, e.g. FERTILISERS FROM WASTE OR REFUSE
- C05F11/00—Other organic fertilisers
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C05—FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
- C05B—PHOSPHATIC FERTILISERS
- C05B7/00—Fertilisers based essentially on alkali or ammonium orthophosphates
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Fertilizers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 カリ含有量の高い草木灰100重量部
に対し、50〜150重量部相当量の燐酸を、燐酸水溶
液として混合・撹拌して反応させ、pH4.5〜6.5
の範囲に調整した後、乾物重が安定するまで蔵置し、最
終調整pHを5.0〜7.0の範囲にすることを特徴と
する化成肥料の製造方法。 【効果】 本発明の化成肥料は、土壌中にSO4――や
Cl-の残留が少なく、土壌のpHの低下とECの上昇
を防ぐことができる利点を有し、土壌環境の保全に役立
つ肥料である。本発明の化成肥料は、広い範囲の化学肥
料及び有機質肥料と配合することができる。
に対し、50〜150重量部相当量の燐酸を、燐酸水溶
液として混合・撹拌して反応させ、pH4.5〜6.5
の範囲に調整した後、乾物重が安定するまで蔵置し、最
終調整pHを5.0〜7.0の範囲にすることを特徴と
する化成肥料の製造方法。 【効果】 本発明の化成肥料は、土壌中にSO4――や
Cl-の残留が少なく、土壌のpHの低下とECの上昇
を防ぐことができる利点を有し、土壌環境の保全に役立
つ肥料である。本発明の化成肥料は、広い範囲の化学肥
料及び有機質肥料と配合することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カリ成分及び燐酸成分
を含有する化成肥料の製造方法及び該製造方法によって
得られた化成肥料に関する。
を含有する化成肥料の製造方法及び該製造方法によって
得られた化成肥料に関する。
【0002】
【従来の技術】カリ肥料は、塩化カリ及び硫酸カリが広
く使用されている。この他に、珪酸カリ、硝酸カリ等が
ある。塩化カリ及び硫酸カリは、畑に使用すると、カリ
成分は作物に大部分が吸収されるが、SO4 --やCl-は
土壌中に残り、それらによって土壌のpH低下とEC上
昇をもたらし、作物を栽培する上で生育不良や塩類障害
を招きやすい。珪酸カリは、塩化カリ及び硫酸カリに比
べ成分的にカリ含有率が低い上、化学的にアルカリ性で
あるため他の肥料との配合には制限がある。硝酸カリは
肥料製造するうえで爆発等の危険性がある。
く使用されている。この他に、珪酸カリ、硝酸カリ等が
ある。塩化カリ及び硫酸カリは、畑に使用すると、カリ
成分は作物に大部分が吸収されるが、SO4 --やCl-は
土壌中に残り、それらによって土壌のpH低下とEC上
昇をもたらし、作物を栽培する上で生育不良や塩類障害
を招きやすい。珪酸カリは、塩化カリ及び硫酸カリに比
べ成分的にカリ含有率が低い上、化学的にアルカリ性で
あるため他の肥料との配合には制限がある。硝酸カリは
肥料製造するうえで爆発等の危険性がある。
【0003】上記の他のカリ肥料として、草木灰が知ら
れている。特に、カリ含有量の高い草木灰として、たば
こ屑灰、たばこ中骨灰及びパーム椰子焼成灰等がある。
なお、たばこ屑灰とは、主に葉たばこの屑を燃焼させて
得た灰のことであり、たばこ中骨灰とは、たばこの中骨
を燃焼させて得た灰のことであり、パーム椰子焼成灰と
は、パーム椰子の果房を燃焼させて得た灰のことであ
る。
れている。特に、カリ含有量の高い草木灰として、たば
こ屑灰、たばこ中骨灰及びパーム椰子焼成灰等がある。
なお、たばこ屑灰とは、主に葉たばこの屑を燃焼させて
得た灰のことであり、たばこ中骨灰とは、たばこの中骨
を燃焼させて得た灰のことであり、パーム椰子焼成灰と
は、パーム椰子の果房を燃焼させて得た灰のことであ
る。
【0004】それらのカリ含有率は、珪酸カリに比べ高
く、たばこ屑灰では全カリおよび水溶性カリを約50
%、たばこ中骨灰では全カリを約30%含有しおり、パ
ーム椰子焼成灰のカリ含有量は、く溶性カリ30%以上
および水溶性カリ20%以上である。これらの草木灰の
主成分は、重炭酸カリ(KHCO3) と炭酸カリ(K2
CO3)であり、pHの急激な低下を調節する機能があ
り、最終的に、これらの炭酸塩は、土壌中でCO2に分
解する。この性質は、硫酸カリや塩化カリには見られな
いものである。すなわち、土壌に残留するSO4 --やC
l-が少ないことから、作物に悪影響を与える物質を出
さない、ストレスの小さい肥料といえる。しかしなが
ら、カリ含有量の高い草木灰は、化学的性質がアルカリ
性であるため、燐酸一アンモン又は燐酸二アンモンなど
のアンモニア系肥料と混合すると、アンモニアガスが発
生して揮発し、窒素成分の減少が起きる。同時に、燐酸
は、く溶性に変化し、作物への吸収力が低下する。
く、たばこ屑灰では全カリおよび水溶性カリを約50
%、たばこ中骨灰では全カリを約30%含有しおり、パ
ーム椰子焼成灰のカリ含有量は、く溶性カリ30%以上
および水溶性カリ20%以上である。これらの草木灰の
主成分は、重炭酸カリ(KHCO3) と炭酸カリ(K2
CO3)であり、pHの急激な低下を調節する機能があ
り、最終的に、これらの炭酸塩は、土壌中でCO2に分
解する。この性質は、硫酸カリや塩化カリには見られな
いものである。すなわち、土壌に残留するSO4 --やC
l-が少ないことから、作物に悪影響を与える物質を出
さない、ストレスの小さい肥料といえる。しかしなが
ら、カリ含有量の高い草木灰は、化学的性質がアルカリ
性であるため、燐酸一アンモン又は燐酸二アンモンなど
のアンモニア系肥料と混合すると、アンモニアガスが発
生して揮発し、窒素成分の減少が起きる。同時に、燐酸
は、く溶性に変化し、作物への吸収力が低下する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、カリ含有量
の高い草木灰にみられる上記のような課題を解決する化
成肥料を製造することを目的としたものである。すなわ
ち、カリ含有量の高い草木灰の特徴である土壌中にSO
4 --やCl-の残留が少なく、土壌のpHの低下とECの
上昇を防ぐことができるという利点を生かしつつ、同時
に、カリ含有量の高い草木灰の化学的性質であるアルカ
リ性に起因した欠点、すなわち、アンモニア系肥料や尿
素、ホルム窒素と配合するとアンモニアガスが発生し、
窒素成分の減少がもたらされるという欠点を、解消する
化成肥料を製造することである。
の高い草木灰にみられる上記のような課題を解決する化
成肥料を製造することを目的としたものである。すなわ
ち、カリ含有量の高い草木灰の特徴である土壌中にSO
4 --やCl-の残留が少なく、土壌のpHの低下とECの
上昇を防ぐことができるという利点を生かしつつ、同時
に、カリ含有量の高い草木灰の化学的性質であるアルカ
リ性に起因した欠点、すなわち、アンモニア系肥料や尿
素、ホルム窒素と配合するとアンモニアガスが発生し、
窒素成分の減少がもたらされるという欠点を、解消する
化成肥料を製造することである。
【0006】本発明者等は、上記した課題を達成した肥
料を提供するために研究を行い、本発明を完成した。
料を提供するために研究を行い、本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、カリ含有量の
高い草木灰100重量部に対し、50〜150重量部相
当量の燐酸を、燐酸水溶液として混合・撹拌して反応さ
せ、pH4.5〜6.5の範囲に調整した後、乾物重が
安定するまで蔵置し、最終調整pHを5.0〜7.0の
範囲にすることを特徴とする化成肥料の製造方法を要旨
とするものである。
高い草木灰100重量部に対し、50〜150重量部相
当量の燐酸を、燐酸水溶液として混合・撹拌して反応さ
せ、pH4.5〜6.5の範囲に調整した後、乾物重が
安定するまで蔵置し、最終調整pHを5.0〜7.0の
範囲にすることを特徴とする化成肥料の製造方法を要旨
とするものである。
【0008】さらに、本発明は、上記製造方法によって
得られた化成肥料を要旨とするものである。
得られた化成肥料を要旨とするものである。
【0009】本発明のカリ含有量の高い草木灰とは、た
ばこ屑灰、たばこ中骨灰又はパーム椰子焼成灰などのこ
とである。好ましくは、たばこ屑灰、たばこ中骨灰又は
パーム椰子焼成灰である。
ばこ屑灰、たばこ中骨灰又はパーム椰子焼成灰などのこ
とである。好ましくは、たばこ屑灰、たばこ中骨灰又は
パーム椰子焼成灰である。
【0010】これらの草木灰に対し、燐酸を水溶液とし
て加えて混合・撹拌する。その混合比率は、草木灰10
0重量部に対して、燐酸を50〜150重量部相当量を
加える。好ましくは、草木灰100重量部に対して、燐
酸を64〜100重量部相当量を加える。これらの燐酸
は、燐酸水溶液として加えられる。その燐酸水溶液の燐
酸濃度は、10%から飽和濃度までの範囲であり、好ま
しくは、40%から飽和濃度までの範囲であり、より好
ましくは、70〜89%の範囲である。
て加えて混合・撹拌する。その混合比率は、草木灰10
0重量部に対して、燐酸を50〜150重量部相当量を
加える。好ましくは、草木灰100重量部に対して、燐
酸を64〜100重量部相当量を加える。これらの燐酸
は、燐酸水溶液として加えられる。その燐酸水溶液の燐
酸濃度は、10%から飽和濃度までの範囲であり、好ま
しくは、40%から飽和濃度までの範囲であり、より好
ましくは、70〜89%の範囲である。
【0011】草木灰と燐酸水溶液とを混合・撹拌するこ
とによって化学反応を起こし、pHは4.5〜6.5の
範囲に調整される。目標とするpH値に調整するために
は、使用する草木灰原料について、予備試験を行い、そ
の試験結果に基づいて草木灰と燐酸の混合すべき重量比
を計算して求める必要がある。
とによって化学反応を起こし、pHは4.5〜6.5の
範囲に調整される。目標とするpH値に調整するために
は、使用する草木灰原料について、予備試験を行い、そ
の試験結果に基づいて草木灰と燐酸の混合すべき重量比
を計算して求める必要がある。
【0012】pH値を目標値に調整した後に、肥料の乾
物重の減少は、徐々に進行するので、一定の蔵置期間が
必要である。その蔵置期間は、好ましくは、少なくとも
26日間である。その蔵置期間を経ることによって、p
H値は、さらに上昇し、最終調整pHを5.0〜7.0
の範囲に到達することができる。なお、蔵置期間経過後
のpHが、上記範囲よりも小さい場合には、燐酸水溶液
を追加して、再調整することも可能である。
物重の減少は、徐々に進行するので、一定の蔵置期間が
必要である。その蔵置期間は、好ましくは、少なくとも
26日間である。その蔵置期間を経ることによって、p
H値は、さらに上昇し、最終調整pHを5.0〜7.0
の範囲に到達することができる。なお、蔵置期間経過後
のpHが、上記範囲よりも小さい場合には、燐酸水溶液
を追加して、再調整することも可能である。
【0013】以上によってつくられた本発明化成肥料
は、必要に応じて自然又は加熱乾燥される。
は、必要に応じて自然又は加熱乾燥される。
【0014】
【発明の効果】本発明の化成肥料は、土壌中にSO4 --
やCl-の残留が少なく、土壌のpHの低下とECの上
昇を防ぐことができる利点を有し、あらゆる作物を栽培
する上で生育不良や塩類障害を防ぐことができる。露地
栽培はもちろんのこと、特に、施設栽培、周年栽培及び
被覆栽培などにおいて、大きな利点を発揮する。土壌環
境の保全に役立つ肥料である。
やCl-の残留が少なく、土壌のpHの低下とECの上
昇を防ぐことができる利点を有し、あらゆる作物を栽培
する上で生育不良や塩類障害を防ぐことができる。露地
栽培はもちろんのこと、特に、施設栽培、周年栽培及び
被覆栽培などにおいて、大きな利点を発揮する。土壌環
境の保全に役立つ肥料である。
【0015】従来、カリ含有量が高い草木灰単体では、
尿素、燐酸2アンモニウム、硝酸アンモニウム、ホルム
チッソ、硝酸カリ、重燐酸石灰などの化学肥料及び菜種
油粕、胡麻油粕、脱脂米ぬか、大豆油粕、魚粕、蒸製骨
粉、蒸製皮粉、蒸製毛粉、乾燥血粉、肉粕などの有機質
肥料と配合することができなかった。それは、カリ含有
量が高い草木灰が、化学的にアルカリ性であり、上に列
記した化学肥料と配合すると、アンモニアガスが発生
し、有機質肥料と配合すると、アルカリ性の改善が行わ
れず、根傷みや葉に接触すると葉焼けが生ずるからであ
る。本発明の化成肥料は、pHが5.0〜7.0の範囲
に調整されているために、このような問題点がなく、こ
れらの肥料とも配合できる。
尿素、燐酸2アンモニウム、硝酸アンモニウム、ホルム
チッソ、硝酸カリ、重燐酸石灰などの化学肥料及び菜種
油粕、胡麻油粕、脱脂米ぬか、大豆油粕、魚粕、蒸製骨
粉、蒸製皮粉、蒸製毛粉、乾燥血粉、肉粕などの有機質
肥料と配合することができなかった。それは、カリ含有
量が高い草木灰が、化学的にアルカリ性であり、上に列
記した化学肥料と配合すると、アンモニアガスが発生
し、有機質肥料と配合すると、アルカリ性の改善が行わ
れず、根傷みや葉に接触すると葉焼けが生ずるからであ
る。本発明の化成肥料は、pHが5.0〜7.0の範囲
に調整されているために、このような問題点がなく、こ
れらの肥料とも配合できる。
【0016】
【実施例】予備試験 カリ含有量の高い草木灰と燐酸をどのくらいの重量比で
加えたら、pH4.5〜6.5の範囲に調整ができるか
を調査するために、次の予備実験を行った。たばこ屑
灰、たばこ中骨灰およびパーム椰子焼成灰25gにイオ
ン交換水250ミリリットルを加え、燐酸として89%
含有する水溶液を添加し、pHの測定を行った。なお、
肥料のpH測定は、測定対象の肥料重量部1にたいし、
イオン交換水重量部10を加え、十分撹拌した状態で測
定することとなっている。その結果、図1の各草木灰に
対する燐酸水溶液の添加量によるpH値曲線を得た。た
ばこ屑灰、たばこ中骨灰およびパーム椰子焼成灰のそれ
ぞれよって、そのpH値曲線に若干の相違はあるが、カ
リ含有量の高い草木灰と燐酸とを混合する重量比をおお
よそ決めることが必要である。
加えたら、pH4.5〜6.5の範囲に調整ができるか
を調査するために、次の予備実験を行った。たばこ屑
灰、たばこ中骨灰およびパーム椰子焼成灰25gにイオ
ン交換水250ミリリットルを加え、燐酸として89%
含有する水溶液を添加し、pHの測定を行った。なお、
肥料のpH測定は、測定対象の肥料重量部1にたいし、
イオン交換水重量部10を加え、十分撹拌した状態で測
定することとなっている。その結果、図1の各草木灰に
対する燐酸水溶液の添加量によるpH値曲線を得た。た
ばこ屑灰、たばこ中骨灰およびパーム椰子焼成灰のそれ
ぞれよって、そのpH値曲線に若干の相違はあるが、カ
リ含有量の高い草木灰と燐酸とを混合する重量比をおお
よそ決めることが必要である。
【0017】実際に、本発明の化成肥料をつくる場合に
は、得られたカリ含有量の高い草木灰の各原料につい
て、同様の予備試験を行う必要がある。予備試験の結果
に基づいて、カリ含有量の高い草木灰と燐酸とを混合す
る重量比を、各原料に応じて定めることができる。
は、得られたカリ含有量の高い草木灰の各原料につい
て、同様の予備試験を行う必要がある。予備試験の結果
に基づいて、カリ含有量の高い草木灰と燐酸とを混合す
る重量比を、各原料に応じて定めることができる。
【0018】実施例1 予備試験で使用したパーム椰子焼成灰300gに、上記
予備試験より得た燐酸の混合量を計算した。燐酸の89
%水溶液を所定量を十分に混合・撹拌した。混合時のp
Hの調整目標値は、それぞれ1区pH6.0、2区pH
5.5、3区pH5.0、4区pH4.5とした。この
pHの調整目標値を達成するために、それぞれ1区は6
4g、2区は80g、3区は95g、4区は100gの
燐酸を加えた。それらの燐酸は、89%の燐酸水溶液で
混合・撹拌した。対照として、同等量のイオン交換水を
混合・撹拌した区を設けた。
予備試験より得た燐酸の混合量を計算した。燐酸の89
%水溶液を所定量を十分に混合・撹拌した。混合時のp
Hの調整目標値は、それぞれ1区pH6.0、2区pH
5.5、3区pH5.0、4区pH4.5とした。この
pHの調整目標値を達成するために、それぞれ1区は6
4g、2区は80g、3区は95g、4区は100gの
燐酸を加えた。それらの燐酸は、89%の燐酸水溶液で
混合・撹拌した。対照として、同等量のイオン交換水を
混合・撹拌した区を設けた。
【0019】その後、暗室内に蔵置した。この間、混合
・撹拌してから2時間後、同1日後、同7日後、16日
後、26日後、42日後及び75日後に、重量、水分、
乾物重及び乾物重量比を経時的に測定した。その結果を
表−1に示した。
・撹拌してから2時間後、同1日後、同7日後、16日
後、26日後、42日後及び75日後に、重量、水分、
乾物重及び乾物重量比を経時的に測定した。その結果を
表−1に示した。
【0020】同時に、肥料成分の分析を行った。分析用
試料には、110℃で24時間乾燥後粉砕した前記各区
の化成肥料を当てた。全燐酸と水溶性燐酸は、バナドモ
リブデン酸アンモニウム法、全カリと水溶性カリは、原
子吸光測光法により分析した。その結果を表−2に示し
た。
試料には、110℃で24時間乾燥後粉砕した前記各区
の化成肥料を当てた。全燐酸と水溶性燐酸は、バナドモ
リブデン酸アンモニウム法、全カリと水溶性カリは、原
子吸光測光法により分析した。その結果を表−2に示し
た。
【0021】表−1 乾物重量の変化(1区及び2区)
【0022】表−1 乾物重量の変化(3区及び4区)
【0023】 表−2 肥料成分の変化(乾物当りの含有率)
【0024】上記の表―1から明らかな通り、重量の減
少は、燐酸液添加直後の炭酸および重炭酸イオンが分解
したCO2 として揮発した量と反応熱によって発生した
水蒸気の蒸散量とを合わせた重量、8%前後である。そ
の後の蔵置期間中において、引き続きCO2発生および
水分の蒸散による減少があり、26日程度で安定した。
少は、燐酸液添加直後の炭酸および重炭酸イオンが分解
したCO2 として揮発した量と反応熱によって発生した
水蒸気の蒸散量とを合わせた重量、8%前後である。そ
の後の蔵置期間中において、引き続きCO2発生および
水分の蒸散による減少があり、26日程度で安定した。
【0025】また、上記の表―2から明らかな通り、p
Hについては、反応直後にかなり上昇し、さらに蔵置期
間中にも徐々に上昇し、26日以降はほぼ安定した。燐
酸については、熟成が進行すると水溶性燐酸は減少する
が、26日程度で安定した。カリについては、熟成中の
水溶性カリの含有率に変化は無かった。従って、最終調
整pHを5.0〜7.0とした本発明化成肥料に到達さ
せるため26日程度の蔵置を行うと、品質の安定は図ら
れる。また、所定の最終調整pHを定めることによっ
て、燐酸とカリの含有率の異なる肥料が製造可能であ
る。
Hについては、反応直後にかなり上昇し、さらに蔵置期
間中にも徐々に上昇し、26日以降はほぼ安定した。燐
酸については、熟成が進行すると水溶性燐酸は減少する
が、26日程度で安定した。カリについては、熟成中の
水溶性カリの含有率に変化は無かった。従って、最終調
整pHを5.0〜7.0とした本発明化成肥料に到達さ
せるため26日程度の蔵置を行うと、品質の安定は図ら
れる。また、所定の最終調整pHを定めることによっ
て、燐酸とカリの含有率の異なる肥料が製造可能であ
る。
【0026】本発明の化成肥料は、pHが5.0〜7.
0の範囲であるから、広い範囲の他の肥料と配合可能で
ある。その配合例を列挙すると、次の通りである。
0の範囲であるから、広い範囲の他の肥料と配合可能で
ある。その配合例を列挙すると、次の通りである。
【0027】配合例1 パーム椰子焼成灰を原料 とした本発明化成肥料 60% 尿素 40% これは、窒素18%、燐酸18%、カリ16%の配合肥
料。
料。
【0028】配合例2 パーム椰子焼成灰を原料 とした本発明化成肥料 60% ホルムチッソ 40% これは、窒素16%、燐酸18%、カリ16%の配合肥
料。
料。
【図1】各草木灰に対する燐酸水溶液の添加量によるp
H値曲線グラフ。
H値曲線グラフ。
Claims (5)
- 【請求項1】 カリ含有量の高い草木灰100重量部に
対し、50〜150重量部相当量の燐酸を、燐酸水溶液
として混合・撹拌して反応させ、pH4.5〜6.5の
範囲に調整した後、乾物重が安定するまで蔵置し、最終
調整pHを5.0〜7.0の範囲にすることを特徴とす
る化成肥料の製造方法。 - 【請求項2】 カリ含有量の高い草木灰が、たばこ屑
灰、たばこ中骨灰及びパーム椰子焼成灰のいずれかであ
ることを特徴とする請求項1に記載の化成肥料の製造方
法。 - 【請求項3】 燐酸水溶液の燐酸濃度が、40%から飽
和濃度までの範囲であることを特徴とする請求項1また
は2に記載の化成肥料の製造方法。 - 【請求項4】 草木灰と燐酸水溶液とを混合した後、少
なくとも26日間蔵置したことを特徴とする請求項1な
いし3のいずれかに記載の化成肥料の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の製
造方法によって得られた化成肥料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32807097A JPH11157975A (ja) | 1997-11-28 | 1997-11-28 | 草木灰と燐酸を反応させた化成肥料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32807097A JPH11157975A (ja) | 1997-11-28 | 1997-11-28 | 草木灰と燐酸を反応させた化成肥料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11157975A true JPH11157975A (ja) | 1999-06-15 |
Family
ID=18206186
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32807097A Pending JPH11157975A (ja) | 1997-11-28 | 1997-11-28 | 草木灰と燐酸を反応させた化成肥料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11157975A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008239382A (ja) * | 2007-03-27 | 2008-10-09 | Asahi Industries Co Ltd | 粒状複合肥料の製造方法 |
JP2010120814A (ja) * | 2008-11-20 | 2010-06-03 | Furuta Sangyo:Kk | パームアッシュカリ肥料 |
CN101830738A (zh) * | 2010-04-23 | 2010-09-15 | 镇江恒欣肥料科技有限公司 | 一种利用醋糟生产的微生物有机肥及其生产工艺 |
JP2011037655A (ja) * | 2009-08-07 | 2011-02-24 | Furuta Sangyo:Kk | パームアッシュカリ肥料 |
CN115010544A (zh) * | 2022-06-27 | 2022-09-06 | 山东省葡萄研究院 | 一种用于葡萄种植的缓释肥的制备方法及其使用方法 |
BE1030339B1 (nl) * | 2022-03-14 | 2023-10-09 | Anorel Nv | Werkwijze voor de productie van een meststof uit organisch startmateriaal |
-
1997
- 1997-11-28 JP JP32807097A patent/JPH11157975A/ja active Pending
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