JPH11157940A - 低摩擦性を有する窒化ケイ素複合焼結材料 - Google Patents

低摩擦性を有する窒化ケイ素複合焼結材料

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JPH11157940A
JPH11157940A JP9339355A JP33935597A JPH11157940A JP H11157940 A JPH11157940 A JP H11157940A JP 9339355 A JP9339355 A JP 9339355A JP 33935597 A JP33935597 A JP 33935597A JP H11157940 A JPH11157940 A JP H11157940A
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JP
Japan
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silicon nitride
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sintered material
silicon
iron
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JP9339355A
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English (en)
Inventor
Kazuo Osumi
和生 大角
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Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
Original Assignee
Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 窒化ケイ素の母相に鉄化合物と窒化ホウ素を
複合化することにより、機械的強度に問題がなく、低摩
擦性を有する窒化ケイ素複合焼結材料を得る。 【解決手段】 窒化ケイ素複合焼結材料は、ケイ素(S
i)粉末と、ホウ化鉄(FeB )粉末と、酸化タンタル(T
a2O5 )粉末またはホウ化タンタル(TaB )粉末との混
合粉末を出発原料とし、窒化ケイ素粒子2と、窒化ホウ
素と鉄化合物との複合焼結した複合粒子3と、タンタル
化合物粒子4と、ケイ素,アルミニウム,イツトリウム
の酸窒化物粒子5とが相互に交差する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は窒化ケイ素を主成分
とし、鉄と窒化ホウ素を複合化することにより、境界潤
滑域から流体潤滑域まで低摩擦性を有する窒化ケイ素複
合焼結材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】潤滑油を吸着しやすい鉄の化合物を分散
させた窒化ケイ素焼結材料の問題点は、境界潤滑域での
摩擦係数が大きいことである。固体潤滑剤としての六方
結晶窒化ホウ素(h-BN)を複合した窒化ケイ素複合焼結
材料の問題点は、組織の緻密な焼結体が得にくいことで
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は上述の
問題に鑑み、窒化ケイ素の母相に鉄化合物と窒化ホウ素
を複合化した複合粒子を分散させることにより、組織が
緻密で、機械的強度に問題がなく、低摩擦性を有する窒
化ケイ素複合焼結材料を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の構成は窒化ケイ素粒子と、タンタル化合物
粒子と、窒化ホウ素と鉄化合物との複合焼結した複合粒
子と、ケイ素,アルミニウム,イツトリウムの酸窒化物
粒子とが相互に交差していることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明では、反応焼結時の窒素雰
囲気と熱を利用して、窒化ケイ素の母相に鉄化合物と窒
化ホウ素との複合粒子を分散させることにより、組織が
緻密で、摩擦係数が小さい窒化ケイ素複合焼結材料を得
る。
【0006】
【実施例】図1,2は本発明に係る低摩擦性を有する窒
化ケイ素複合焼結材料の焼結前後の組織を模式的に示す
断面図である。図2に示すように、本発明による低摩擦
性を有する窒化ケイ素複合焼結材料は、窒化ケイ素粒子
2と、窒化ホウ素と鉄ケイ化物とが複合焼結した複合粒
子3と、タンタル化合物粒子4と、ケイ素,アルミニウ
ム,イツトリウムの酸窒化物粒子5とが相互に交差して
いることを特徴とする。複合粒子3を構成する鉄化合物
は鉄のケイ化物である。タンタル化合物粒子4を構成す
るタンタル化合物はタンタルのケイ化物である。
【0007】本発明による低摩擦性を有する窒化ケイ素
複合焼結材料は、主原料として粒径が10μm以下のケ
イ素(Si)とホウ化鉄(FeB )の粉末と、焼結助剤とし
て粒径が10μm以下の酸化タンタル(Ta2O5 )とアル
ミナ(Al2O3 )とイツトリア(Y2O3)との粉末とを混合
したものから作製される。酸化タンタル(Ta2O5 )の代
りにホウ化タンタル(TaB )を用いることができる。上
述の混合粉末から成形体を成形し、該成形体を圧力90
0kPa 、温度1300℃の窒素雰囲気で約6時間反応焼
結を行うと、図1に示すように、粒径が約20μmのケ
イ素粒子12と、粒径が10μm以下のホウ化鉄粒子1
3と、粒径が10μm以下の焼結助剤の粒子15とがほ
ぼ均一に分散する焼成体が得られる。
【0008】次いで、上述の焼成体を圧力900kPa 、
温度1850℃の窒素雰囲気で約6時間焼成すると、図
2に示すような本発明による窒化ケイ素複合焼結材料が
得られる。すなわち、上述の焼成体は焼結により、ケイ
素粒子12が窒素と反応して柱状結晶をなす窒化ケイ素
(β-Si3N4)粒子2になり、ホウ化鉄(FeB )粒子13
が図3に示すように窒化ホウ素と鉄の珪化物との複合粒
子3になつて、窒化ケイ素(β-Si3N4)粒子2の母相に
分散し、酸化タンタル(Ta2O5 )の一部がタンタルの珪
化物粒子4になり、窒化ケイ素(β-Si3N4)粒子2の内
部と外部(粒界)に分散する。焼結助剤粒子15を構成
していた酸化タンタル(Ta2O5 )の残部とアルミナ(Al
2O3 )とイツトリア(Y2O3)は窒素と珪素と複合化して
(Si-Al-Y-Ta-O-N)の粒界相5を形成し、各粒子2〜4
を相互に結合する。本発明による窒化ケイ素複合焼結材
料の相対密度は97%以上であり、窒化ケイ素複合焼結
材料に存在する気孔6の大きさは10μm以下である。
【0009】[実施例]原料として、粒径がそれぞれ1
0μm以下のケイ素(Si)粉末を70重量部と、ホウ化
鉄(FeB )粉末を15重量部と、焼結助剤である酸化タ
ンタル(Ta2O5),アルミナ(Al2O3 ),イツトリア(Y
2O3)を重量配合比でおおよそ1:3:11に配合した
混合粉末を15重量部とを用意し、これらの混合粉末か
ら成形体を加圧成形し、該成形体を圧力900kPa 、温
度1300℃の窒素雰囲気で約6時間反応焼結させた。
次いで、圧力900kPa 、温度1850℃の窒素雰囲気
で約6時間焼結して、図2に示すような本発明による窒
化ケイ素複合焼結材料を得た。
【0010】[比較例]原料として、粒径がそれぞれ1
0μm以下の窒化ケイ素(α-Si3N4)粉末80重量部
と、窒化ホウ素(h-BN)粉末5重量部と、四三酸化鉄
(Fe3O4 )粉末5重量部と、焼結助剤であるアルミナ
(Al2O3 ),イツトリア(Y2O3)の混合粉末10重量部
とを用意し、これらの混合粉末から成形体を加圧成形
し、該成形体を圧力10MPa 、温度1850℃の窒素雰
囲気で約6時間焼成して窒化ケイ素複合焼結材料を得
た。図6は比較例に係る窒化ケイ素複合焼結材料の焼結
後の組織を模式的に示す断面図である。
【0011】比較例に係る窒化ケイ素複合焼結材料は、
窒化ケイ素(β-Si3N4)粒子2の母相に、窒化ホウ素粒
子3aと鉄珪化物粒子3bとが分散し、ケイ素,アルミ
ニウム,イツトリウム,酸素,窒素(Si-Al-Y-O-N )か
らなる複合物が粒界相5aを形成し、気孔6は10μm
よりも大きなものであり、相対密度は80%以下であつ
た。
【0012】比較例の窒化ケイ素複合焼結材料は十分に
は緻密化していなかつたのに対し、本発明により得られ
た窒化ケイ素複合焼結材料は、相対密度が97%以上と
緻密化したものであつた。本発明の窒化ケイ素複合焼結
材料は、焼結時に潤滑油を吸着しやすいケイ化鉄(FeSi
2 )と、固体潤滑剤である窒化ホウ素(h-BN)とが複合
した複合粒子が合成され、合成時に僅かに体積膨張が生
じるため、窒化ケイ素複合焼結材料の組織が緻密化した
ものになると考えられる。
【0013】図4は本発明による窒化ケイ素複合焼結材
料と比較例の窒化ケイ素複合焼結材料の4点曲げ強度試
験の結果を示す。本発明による窒化ケイ素複合焼結材料
は比較例の窒化ケイ素複合焼結材料よりも非常に高い強
度(約800MPa )を示す。これは次の理由による。ケ
イ化鉄(FeSi2 )と窒化ホウ素(h-BN)との合成時の体
積膨張に伴い生じた残留応力により材料の強度が向上す
る。延性のあるケイ化鉄(FeSi2 )が窒化ホウ素(h-B
N)と複合粒子3を形成するので、材料の靭性が向上す
る。また、窒化ケイ素粒子の内部と外部(粒界)に分散
する高融点のタンタル(Ta)のケイ化物粒子4により材
料の強度が向上する。
【0014】図5は本発明による窒化ケイ素複合焼結材
料と、比較例の窒化ケイ素複合焼結材料と、鉄(Fe)の
化合物を添加した窒化ケイ素窒化ケイ素複合焼結材料と
の摩擦特性を示すストライベツク線図である。本発明に
よる窒化ケイ素複合焼結材料は境界潤滑域から流体潤滑
域まで低い摩擦係数を示すことが分かつた。この理由は
潤滑油を吸着しにくい窒化ホウ素(h-BN)と、潤滑油を
吸着しやすいケイ化鉄(FeSi2 )とが合成ないし複合化
した複合粒子が生成されるためである。
【0015】
【発明の効果】上述のように、本発明の窒化ケイ素複合
焼結材料は、ケイ素粉末と、ホウ化鉄粉末と、酸化タン
タル粉末またはホウ化タンタル粉末との混合粉末を出発
原料とし、窒化ケイ素粒子と、ケイ素,アルミニウム,
イツトリウムの酸窒化物粒子と、窒化ホウ素と鉄化合物
との複合焼結した複合粒子と、タンタル化合物粒子とが
相互に交差しているものであり、焼結時に焼結助剤と濡
れにくい窒化ホウ素が鉄化合物と合成され、合成時に僅
かに体積膨張が生じるので焼結が促進され、組織の緻密
な焼結体が得られる。
【0016】窒化ホウ素と鉄化合物との合成時に、体積
膨張で生じた残留応力により、材料の強度が向上する。
【0017】延性のある鉄化合物が窒化ホウ素と複合粒
子を形成するので、材料の靭性が向上する。
【0018】窒化ケイ素粒子の内部と粒界に分散する高
融点のタンタルのケイ化物により、組織の結合度が高め
られ、材料の機械的強度が向上する。
【0019】潤滑油を吸着しにくいが固体潤滑剤である
窒化ホウ素と、潤滑油を吸着しやすい鉄化合物とが、焼
結時に複合粒子を生成するので、境界潤滑域から流体潤
滑域まで摩擦係数が小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る低摩擦性を有する窒化ケイ素複合
焼結材料の反応焼結後の組織を模式的に示す断面図であ
る。
【図2】同窒化ケイ素複合焼結材料の焼結後の組織を模
式的に示す断面図である。
【図3】同窒化ケイ素複合焼結材料に分散する複合粒子
を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明と比較例に係る窒化ケイ素複合焼結材料
の4点曲げ強度試験の結果を表す線図である。
【図5】本発明と比較例に係る窒化ケイ素複合焼結材料
の摩擦特性を表すストライベツク線図である。
【図6】比較例に係る窒化ケイ素複合焼結材料の焼結後
の組織を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
2:窒化ケイ素粒子 3:窒化ホウ素と鉄化合物とが複
合焼結した複合粒子 4:タンタル化合物粒子 5:ケ
イ素,アルミニウム,イツトリウムの酸窒化物粒子 1
2:ケイ素粒子 13:ホウ化鉄粒子 15:焼結助剤
粒子

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化ケイ素粒子と、タンタル化合物粒子
    と、窒化ホウ素と鉄化合物との複合焼結した複合粒子
    と、ケイ素,アルミニウム,イツトリウムの酸窒化物粒
    子とが相互に交差していることを特徴とする、低摩擦性
    を有する窒化ケイ素複合焼結材料。
  2. 【請求項2】前記鉄化合物は鉄のケイ化物である、請求
    項1に記載の低摩擦性を有する窒化ケイ素複合焼結材
    料。
  3. 【請求項3】前記タンタル化合物はタンタルのケイ化物
    である、請求項1に記載の低摩擦性を有する窒化ケイ素
    複合焼結材料。
  4. 【請求項4】主原料としてケイ素、ホウ化鉄、タンタル
    化合物、アルミナ、イツトリアを含む粉末から作製され
    た、請求項1に記載の低摩擦性を有する窒化ケイ素複合
    焼結材料。
JP9339355A 1997-11-25 1997-11-25 低摩擦性を有する窒化ケイ素複合焼結材料 Pending JPH11157940A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008137844A (ja) * 2006-12-01 2008-06-19 Nippon Steel Corp 高耐食性、耐熱衝撃性、難付着性セラミックス

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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