JPH11157209A - 感圧感熱記録用多孔カプセルおよびその製造方法 - Google Patents

感圧感熱記録用多孔カプセルおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH11157209A
JPH11157209A JP9345864A JP34586497A JPH11157209A JP H11157209 A JPH11157209 A JP H11157209A JP 9345864 A JP9345864 A JP 9345864A JP 34586497 A JP34586497 A JP 34586497A JP H11157209 A JPH11157209 A JP H11157209A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
capsule
capsule wall
wall film
pressure
sensitive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9345864A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Suzuki
実 鈴木
Hiroshi Oda
洋 織田
Hiroyuki Saito
裕行 齋藤
Katsuyoshi Suzuki
克佳 鈴木
Koichi Furusawa
宏一 古澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd filed Critical Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority to JP9345864A priority Critical patent/JPH11157209A/ja
Priority to DE19848971A priority patent/DE19848971A1/de
Priority to US09/177,565 priority patent/US6139914A/en
Publication of JPH11157209A publication Critical patent/JPH11157209A/ja
Priority to US09/656,754 priority patent/US6403166B1/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
  • Color Printing (AREA)
  • Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 感圧感熱記録すなわち加圧と加熱の制御によ
り、面積階調に基づくハーフトーン表現のフルカラー画
像が容易に記録可能となる微細で高精度の多孔を有する
マイクロカプセルを容易に製造する。 【解決手段】 孔無しカプセルに静電帯電効果を利用し
てセラミック粉93を付着させる。セラミック粉93の
隙間から溶剤によりカプセル壁膜24aを浸食させ、孔
24cを形成する。これにより多孔カプセルが形成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感圧感熱記録すな
わち加圧と加熱により記録を行う例えば高解像度プリン
タにおいて使用される感圧感熱記録用カプセルとその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来高解像度プリンタに用いられるイン
クとして、マイクロカプセルのような微細なカプセルに
感熱発色剤が封入されたものが知られている。このマイ
クロカプセルは、例えば記録シート等の基材上に層状に
形成され、透明なカプセル壁膜を有する。複数色に対応
したマイクロカプセルは、各色毎に異なる所定の温度に
加熱されることにより発色し、各色の発色剤は色毎に異
なる波長の光を照射されることにより定着される。した
がって特定の温度で所定のマイクロカプセルを加熱する
ことにより所定のマイクロカプセルのみが発色し、特定
の波長の光をシート全面に照射することにより発色した
発色剤のみが定着して、シートの基材は着色される。す
なわち複数色のマイクロカプセルにおいて、選択的に加
熱し、光を照射することにより、複数色の発色が制御さ
れる。換言すれば、温度と光とを制御することにより、
フルカラー画像がシート上に記録される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようにカプセルを
備えるシートを用いて記録を行うプロセスにおいて、複
数色の発色剤を発色させるために、加熱と光の照射とを
複数色分繰り返す必要がある。このためこのシートを用
いる記録プロセスは複雑である。
【0004】本発明は、感圧感熱記録すなわち加圧と加
熱の制御により、面積階調に基づくハーフトーン表現の
フルカラー画像が容易に記録可能となる微細で高精度の
多孔を有するマイクロカプセルを容易に製造することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る感圧感熱記
録用多孔カプセルは、カプセル壁膜により形成される殻
体に封入される発色剤と、カプセル壁膜の外表面に付着
する複数の無機物粒子とにより構成され、所定の温度以
上で加熱されるとともに、変形圧力以上で加圧されるこ
とにより変形するマイクロカプセルであって、カプセル
壁膜には、孔が前記無機物粒子の相互の隙間に対応する
位置に形成されることを特徴としている。
【0006】好ましくは、発色剤はマイクロカプセルが
変形されることによりカプセル壁膜に形成された孔から
放出される。さらに好ましくは、孔はカプセル壁膜の内
表面と外表面のいずれか一方の面において閉じている。
好ましくは、孔はカプセル壁膜の内表面では閉じ、カプ
セル壁膜の外表面では開口している。この場合孔は底部
から前記開口部へと連続的に小さくなる拡大率で拡大す
る径を有する。
【0007】本発明に係る感圧感熱記録用多孔カプセル
の製造方法は、カプセル壁膜により形成される殻体に発
色剤が封入されたカプセルを形成するカプセル形成工程
と、カプセル形成工程の後に実施され、カプセル壁膜に
無機物粒子を付着させる粒子付着工程と、粒子付着工程
の後に実施され、カプセル壁膜に孔を形成する孔形成工
程とを備えることを特徴としている。
【0008】好ましくは、無機物粒子はセラミック粉で
ある。さらに好ましくは、孔はカプセル壁膜を溶剤によ
り浸食させることによりカプセル壁膜に形成される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面
を参照して説明する。図1は、本実施形態である感圧感
熱記録用多孔カプセルを備える記録シートを用いた高解
像度カラープリンタの側断面図である。カラープリンタ
10には、サーマルヘッド30とプラテンローラ41、
42、43とばねユニット51、52、53とが設けら
れる。
【0010】カラープリンタ10は、ラインプリンタで
あって、紙面に直交する方向に伸びる各色1ライン毎に
記録を行う。このカラープリンタ10は、ライン方向
(紙面に直交する方向)に長い直方体形状のハウジング
11により覆われる。ハウジング11の上面には、マイ
クロカプセルを備える記録用紙であるシート20を挿入
するための挿入口12が開口され、ハウジング11の側
面には、シート20を排出させるための排出口13が開
口されている。シート20は、挿入口12と排出口13
とを結ぶ搬送経路(一点鎖線)に沿って搬送される。
【0011】サーマルヘッド30は、ハウジング11の
内部において搬送経路の下側に設けられる。このサーマ
ルヘッド30はライン方向に平行な直線上に配列された
発熱体31、32、33を備える。プラテンローラ4
1、42、43は、搬送経路の上側で発熱体31、3
2、33に対応する位置に設けられる。プラテンローラ
41、42、43は、円柱状のゴムローラであって、中
心軸が発熱体31、32、33の配列と平行になるよう
に設置される。
【0012】各発熱体31、32、33の配列と各プラ
テンローラ41、42、43とは、例えばシアン、マゼ
ンタ、イエロー色に対応して3本ずつ設けられる。なお
発熱体の配列の数とプラテンローラの数とは、使用され
る発色カプセルの色数に応じてこれ以上あるいはこれ以
下の本数としてもよい。
【0013】各発熱体31、32、33は、各々異なる
発熱温度T1、T2、T3(後述)でシート20の1ラ
イン上の部位を選択して加熱する。
【0014】各プラテンローラ41、42、43は、ば
ねユニット51、52、53により各々異なる所定の付
勢力P1、P2、P3(後述)で付勢される。これによ
りシート20がそれぞれの圧力P1、P2、P3で加圧
される。また各プラテンローラ41、42、43は図示
しない駆動モータに接続され、この駆動モータが駆動さ
れることにより各々所定の速度で回転される。
【0015】シート20は、挿入口12から挿入され、
発熱体31、32、33各々により各発熱温度T1、T
2、T3で1ライン上の部位を選択的に加熱されるとと
もに、発熱体31、32、33とプラテンローラ41、
42、43との間で、各付勢力P1、P2、P3でそれ
ぞれ均一に加圧される。この加熱と加圧とにより、シー
ト20に選択的に加熱された部位が画像として記録され
る。プラテンローラ41、42、43が回転することに
より、シート20は所定の速度で搬送経路に沿って搬送
され、排出口13から排出される。
【0016】シート20が上述のように搬送されると
き、温度の制御性を高めるため、シート20の温度が低
温から高温に変化するように、発熱体31、32、33
の発熱温度T1、T2、T3は、T1よりT2が高く、
かつT2よりT3が高くなるように設定される。またこ
れにともない付勢力P1、P2、P3は、P1よりP2
が小さく、かつP2よりP3が小さくなるように設定さ
れる。
【0017】なお発熱体31、32、33とプラテンロ
ーラ41、42、43の駆動モータ(図示せず)とは、
基板62に設けられる制御回路に接続され、発熱体3
1、32、33の発熱とプラテンローラ41、42、4
3の回転とが制御される。またバッテリー63がカラー
プリンタ10の搬送経路と反対側に設けられ、制御回路
等に電圧が供給される。
【0018】図2は、ラインプリンタにおいてプラテン
ローラを1本だけ用いる場合のプラテンローラ44と発
熱体31、32、33の側面図である。上述の3本のプ
ラテンローラ41、42、43の代わりに、大径の円柱
状プラテンローラ44が1本だけ設けられる。このプラ
テンローラ44の中心軸は紙面と直交している。サーマ
ルヘッド30の上面には、発熱体31、32、33が紙
面と直交する方向に平行な直線上に配列される。また各
発熱体31、32、33は搬送方向において相互に近接
して設けられ、プラテンローラ44の中心軸に最も近い
位置に発熱体31が配置され、この中心軸に最も遠い位
置に発熱体33が配置される。プラテンローラ44の変
形量の違いにより、発熱体31の位置でシート20は最
も強く加圧され、発熱体33の位置で、シート20は最
も弱く加圧される。それぞれの温度および圧力の関係
は、図1に示すラインプリンタと同様である。
【0019】図3は、カラープリンタがシリアルプリン
タである場合の可動ヘッドと平面プラテンの図である。
このシリアルプリンタには、搬送用ローラ71と平面プ
ラテン45と可動ヘッド64とが設けられる。
【0020】搬送用ローラ71は、中心軸がシート20
の幅方向(矢印B方向)と平行となるように平面プラテ
ン45の両側に配置され、図示しない駆動モータを駆動
することにより一方向に回転される。これによりシート
20が搬送方向(矢印A方向)に間欠的に搬送され、可
動ヘッド64は矢印A方向と直交する方向(矢印B方
向)に駆動される。
【0021】平面プラテン45は、シート20を加圧す
るための固定台となる直方体状のプラテンであり、シー
ト20の搬送経路の下側に配置される。搬送経路の上側
には可動ヘッド64が設けられ、この可動ヘッド64は
平面プラテン45の上方を矢印B方向に駆動される。
【0022】可動ヘッド64の内側には、サーマルヘッ
ド34、35、36が設けられ、各々のサーマルヘッド
34、35、36は互いに並列に配置される。サーマル
ヘッド34、35、36の下部には、それぞれ発熱体3
7、38、39が搬送方向(矢印A方向)に平行な直線
上に配列される。
【0023】各サーマルヘッド34、35、36は、図
示しないばねユニットによりそれぞれ異なる付勢力P
1、P2、P3で付勢され、各発熱体37、38、39
は、それぞれ異なる発熱温度T1、T2、T3(後述)
で発熱する。
【0024】このシリアルプリンタでは、シート20が
矢印A方向に間欠的に搬送されるとともに、可動ヘッド
64が矢印B方向に駆動される。シート20は発熱体3
7、38、39により所定の部位を所定の温度で選択的
に加熱されて、さらにサーマルヘッド34、35、36
と平面プラテン45との間でそれぞれ所定の圧力で加圧
される。
【0025】このシリアルプリンタでは、可動ヘッド6
4が矢印B方向に移動するときのみシート20に画像の
記録を行うため、発熱温度T1、T2、T3はT1<T
2<T3に設定され、付勢力P1、P2、P3はP1>
P2>P3に設定される。
【0026】なお、矢印B方向と反対の方向に移動する
ときも画像の記録を行う構成にすることは可能である。
この場合、可動ヘッド64の移動方向が切り替えられる
とき、可動ヘッド64の向きを替え、必ず発熱体37が
移動方向の先頭にくるように、発熱体37、38、39
が配置される。あるいは発熱体37、39について付勢
力P1とP3の設定を入れ替え、かつ発熱温度T1とT
3の設定を入れ替えても良い。
【0027】図4は、シリアルプリンタにおいてプラテ
ンローラを用いる場合のプラテンローラと可動ヘッドを
示す図である。図5は、図4のプラテンローラと可動ヘ
ッドの側面図である。
【0028】図3に示すシリアルプリンタの平面プラテ
ン45の代わりに、円柱状のプラテンローラ46が設け
られる。このプラテンローラ46を回転させることによ
り、シート20は矢印C方向に搬送される。可動ヘッド
64は矢印D方向に駆動される。
【0029】可動ヘッド64には、サーマルヘッド8
1、82、83が、シート20の搬送方向(矢印C方
向)において相互に並列に配置されて、相互に近接して
設けられる。サーマルヘッド81、82、83の下部に
は、発熱体84、85、86が設けられ、この発熱体8
4、85、86は、シート20の幅方向(矢印D方向)
に平行な直線上に配列される。各発熱体84、85、8
6によりシート20は発熱温度T3、T2、T1で加熱
される。
【0030】シート20は、サーマルヘッド81、8
2、83とプラテンローラ46により加圧される。サー
マルヘッド83はプラテンローラ46の中心軸と最も近
い位置に配置され、サーマルヘッド81はこの中心軸に
最も遠い位置に配置される。これにより、シート20は
サーマルヘッド83によって最も強く加圧され、サーマ
ルヘッド81によって最も弱く加圧される。
【0031】なおこのシリアルプリンタでは、可動ヘッ
ド64が矢印Dと反対方向に移動するときにも、可動ヘ
ッド64の向きを替えることなく、シート20に画像の
記録を行うことが可能である。さらに可動ヘッド64の
移動に伴い、選択された同一部位を複数回加熱すること
ができ、これにより発色性(後述するシート20が備え
る発色剤の定着性)を高め、発熱体の配列最大数に近い
面積階調を得ることができる。
【0032】次に図6を参照して上述の高解像度カラー
プリンタに用いられる記録用紙であるシート20につい
て説明する。図6は、シート20の断面図の一例であ
る。シート20は、基材21とカプセル層22と保護フ
ィルム23とにより構成される。
【0033】カプセル層22は、粒径5〜10μmの多
孔を備えるマイクロカプセル(以下多孔カプセルと呼
ぶ)24、25、26の層であって、基材21上に形成
される。多孔カプセル24、25、26は、微細な多孔
を有するカプセル壁膜24a、25a、26aとこれら
のカプセル壁膜24a、25a、26aにコアとして封
入された発色剤24b、25b、26bとから成る。発
色剤24b、25b、26bは例えばシアン、マゼン
タ、イエロー色の発色をするインクである。カプセル壁
膜24a、25a、26aは、例えば形状記憶樹脂によ
り形成される。カプセル層22は、透明な保護フィルム
23により覆われる。なお図6においてカプセル層22
は、多孔カプセル24、25、26の単層として示され
るが、通常多層であることが多く、また多孔カプセル2
4、25、26の配列は順不同である。
【0034】図7を参照して形状記憶樹脂について説明
する。形状記憶樹脂は、例えばポリノルボルネン、トラ
ンス−1、4−ポリイソプレン、ポリウレタン等から成
り、一般に図7に示す温度と弾性係数の特性を有する。
この樹脂固有の温度であるガラス転移温度Tg以上の領
域bでは、分子鎖のミクロブラウン運動が活発となり、
弾性係数が低くなる。一方ガラス転移温度Tg以下の領
域aでは、ミクロブラウン運動が凍結し、弾性係数は高
くなる。すなわち形状記憶樹脂は、ガラス転移温度Tg
以上に加熱されることによりゴム状になり変形されやす
くなり、ガラス転移温度Tg以下に冷却されることによ
り凝固して変形されにくくなる。
【0035】このガラス転移温度特性を利用して、カプ
セル壁膜24a、25a、26aは選択的に変形され
る。図8、9を参照して、カプセル壁膜24a、25
a、26aの変形について説明する。
【0036】カプセル壁膜24a、25a、26aは、
各々異なるガラス転移温度T1、T2、T3(ただし、
T1<T2<T3であり、例えば70℃、110℃、1
30℃に設定される。)を有する形状記憶樹脂により形
成される。すなわち各カプセル壁膜24a、25a、2
6aは、各々が有するガラス転移温度以上に加熱された
ときのみ、変形され易くなる。
【0037】また、図9に断面を示すようにカプセル壁
膜24a、25a、26aは、異なる厚さd4、d5、
d6(ただし、d4>d5>d6である。)を有する。
これによりガラス転移温度T1が比較的低いカプセル壁
膜24aは変形されにくくなり、ガラス転移温度T3が
比較的高いカプセル壁膜26aは変形され易くなる。す
なわちカプセル壁膜24aを変形するには、相対的に大
きい圧力が必要であり、カプセル壁膜26aを変形する
には、相対的に小さい圧力があればよい。各カプセル壁
膜24a、25a、26aは、各々が有する膜の厚さd
4、d5、d6に対応した圧力を加圧されたとき変形さ
れる。
【0038】カプセル壁膜24a、25a、26aに
は、微細な孔24c、25c、26cが多数形成されて
いる。微細な孔24c、25c、26cは通常状態では
カプセル壁膜24a、25a、26aの内表面側で閉じ
ている。カプセル壁膜24a、25a、26aが潰され
ると孔24c、25c、26cが開口して、そこから発
色剤24b、25b、26bが滲み出る。発色剤24
b、25b、26bの放出量は、カプセル壁膜24a、
25a、26aに加圧される圧力および加熱される温度
に対応する。
【0039】温度と変形に要する力(変形圧力)とを組
み合わせることにより、異なる色を発色する多孔カプセ
ル24、25、26が選択的に潰される。すなわちカプ
セル壁膜24a、25a、26aに加熱される温度がT
1以上T2以下であり、かつカプセル壁膜24a、25
a、26aに加圧される変形圧力がP1以上であるとき
(図8に示す領域c)、カプセル壁膜24aのみが潰さ
れる。温度がT2以上T3以下であり、かつ変形圧力が
P2以上P1以下であるとき(図8に示す領域d)、カ
プセル壁膜25aのみが潰される。温度がT3以上であ
り、かつ変形圧力がP3以上P2以下であるとき(図8
に示す領域e)、カプセル壁膜26aのみが潰される。
【0040】カプセル壁膜24a、25a、26aに加
熱される温度がT2以上T3以下であり、かつカプセル
壁膜24a、25a、26aに加圧される変形圧力がP
1以上であるとき(図8に示す領域f)、カプセル壁膜
24a、25aが潰される。カプセル壁膜24a、25
a、26aに加熱される温度がT3以上であり、かつカ
プセル壁膜24a、25a、26aに加圧される変形圧
力がP2以上P1以下であるとき(図8に示す領域
g)、カプセル壁膜25a、26aが潰される。カプセ
ル壁膜24a、25a、26aに加熱される温度がT3
以上であり、かつカプセル壁膜24a、25a、26a
に加圧される変形圧力がP1以上であるとき(図8に示
す領域h)、カプセル壁膜24a、25a、26aが潰
される。
【0041】例えば領域fにおいて、領域cに近い箇所
ではカプセル壁膜24aから放出される発色剤24bが
多く、領域dに近い箇所ではカプセル壁膜25aから放
出される発色剤25bが多い。したがって領域f、g、
hでは、その温度と圧力を制御することにより、面積階
調に基づくハーフトーンの表現が可能となる。
【0042】多孔カプセル24、25、26は、発熱体
(例えば図1に示す31、32、33)により発熱温度
T1、T2、T3で加熱され、発熱体とプラテンローラ
(例えば図1に示す41、42、43)等により付勢力
P1、P2、P3で加圧される。これによって選択され
た色すなわち、選択された多孔カプセル24、25、2
6のみが変形される。この多孔カプセル24、25、2
6内の発色剤24b、25b、26bのみが放出され
て、シート20の基材21上に発色する。すなわちフル
カラー画像がシート20に記録される。
【0043】以下多孔カプセル24、25、26の製造
方法について説明する。多孔カプセル24、25、26
の製造方法は、多数の孔が形成される前の状態である孔
無しカプセルを形成するカプセル形成工程と、孔無しカ
プセルに無機物粒子を付着させる粒子付着工程と、カプ
セル壁膜に多数の孔を形成する孔形成工程とを備える。
なお製造方法について多孔カプセル24を例として説明
するが、多孔カプセル25、26も同様に製造される。
【0044】図10を参照してカプセル形成工程につい
て説明する。図10は、例えば固形ワックスタイプの固
体インクを発色剤24b、25b、26bとして用いる
場合の孔無しカプセルの形成工程を示す概略図である。
【0045】発色剤24bが液状の形状記憶樹脂29の
プールに一旦漬けられ取り出される。これにより発色剤
24bは形状記憶樹脂29によって覆われる。この形状
記憶樹脂29の膜がカプセル壁膜24'aとなり、孔無し
カプセル24’が形成される。このカプセル壁膜24'a
には多数の孔24cはまだ形成されていない。なおカプ
セル壁膜24'aの厚さd4は、プールに漬ける回数を変
化させることにより制御される。
【0046】また固体インクの代わりに発色剤24b、
25b、26bとして、液体インク等の液状の発色剤を
用いて一般に知られている界面重合法やコアセルベーシ
ョン法により孔無しカプセルを形成することも可能であ
る。
【0047】次に図11から図15を参照してカプセル
形成工程の後に実施される粒子付着工程と孔形成工程に
ついて説明する。
【0048】孔無しカプセル24’は、無機物粒子であ
るセラミック粉93とともに図11に一部のみ示す遠心
回転ボールミル90の円筒状の容器92に混入される。
容器92は回転軸91が回転することによってその軸の
廻りを回転する。これにより孔無しカプセル24’とセ
ラミック粉93が、容器92内で互いに混合されること
により、セラミック粉93が摩り砕かれる。この孔無し
カプセル24’とセラミック粉93の摩擦により、孔無
しカプセル24’どうし、セラミック粉93の粒子どう
し、あるいは孔無しカプセル24’とセラミック粉93
の粒子間には、摩擦帯電効果が生じ、孔無しカプセル2
4’は帯電する。したがってセラミック粉93は、孔無
しカプセル24’の表面に単粒子あるいは空隙を有する
凝集体の形で付着する。
【0049】図12にセラミック粉93が表面に付着し
た状態の孔無しカプセル24’の断面を示す。セラミッ
ク粉93の単粒子の径は、カプセル粒径より小さく、セ
ラミック粉93相互の隙間94は単粒子の径に比べ微小
である。
【0050】図12に示す孔無しカプセル24’は揮発
性の例えばアセトン等の溶剤に漬け込まれ、取り出され
る。溶剤は揮発してしまうまでにセラミック粉93の隙
間94から浸入して、カプセル壁膜24'aを等方性浸食
する。すなわち隙間94に対応する位置である図13に
示す斜線部99が浸食される。ここでセラミック粉93
の大きさは大小様々であり、その一部がカプセル壁膜2
4'a内に入り込んでいる部位も在る。またセラミック粉
93相互の隙間94の間隔は異なり、その隙間94から
浸入する溶剤の量も異なる。さらにカプセル壁膜24'a
の材質は部位によって異なる。このため各隙間94に対
応する斜線部99は異なる度合いで浸食される。この斜
線部99が孔24cとなり、孔無しカプセル24’は多
孔カプセル24となる。なお孔24cが貫通しないよう
に、溶剤による浸食は漬け込む時間等を変化させること
により制御され、多孔カプセル24の完成時にはセラミ
ック粉93は付着したままの状態である。
【0051】図14には多孔カプセル24の断面を示
し、図15には多孔カプセル24の断面の一部を拡大し
て示す。多孔カプセル24のカプセル壁膜24aの外表
面には、セラミック粉93が静電帯電効果により付着し
ており、形成された孔24cは、カプセル壁膜24aの
内表面側(以下底部24dと呼ぶ)では閉じ、外表面側
(以下開口部と呼ぶ)では開口している。
【0052】孔24cは、底部24dから開口部へと連
続的に小さくなる拡大率で拡大する径を有する。すなわ
ち孔24cの径は底部24dにおいて最も小さく、開口
部において最も大きい。底部24d付近における任意の
位置の径をR1とし、その径R1の位置からカプセル壁
膜24aの開口部側にΔd離れた位置の径をR2とす
る。また開口部付近における任意の位置の径をR3と
し、その径R3の位置からカプセル壁膜24aの開口部
側にΔd離れた位置の径をR4とすると、開口部付近の
拡大率(R4/R3)は、底部24d付近の拡大率(R
2/R1)より大きい。
【0053】以上のように本実施形態である多孔カプセ
ル24、25、26を図6のように基材上にシート化
し、前述のプロセスに基づいて、圧力と温度とを制御す
ることにより容易に選択発色されるため、これを用いて
フルカラー画像が記録可能となる。さらに図8に示す温
度と圧力の関係を制御することにより、流出する発色剤
の量をコントロールし、面積階調を表現することが可能
となる。また多孔カプセル24、25、26は多数の孔
が形成される前の状態であるカプセル形成工程と、粒子
付着工程と孔形成工程とにより形成される。すなわちカ
プセル形成工程により孔無しカプセルが形成され、粒子
を付着させ、その粒子間に対応する位置のカプセル壁膜
24a、25a、26aを溶剤により浸食して孔を形成
するため、微細で高精度な多孔が、容易に製造できる。
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、感圧感熱
記録すなわち加圧と加熱の制御により、面積階調に基づ
くハーフトーン表現のフルカラー画像が容易に記録可能
となる微細で高精度の多孔を有するマイクロカプセルが
容易に製造可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の感圧感熱記録用多孔カプセ
ルを備える記録シートを用いる高解像度カラープリンタ
の側断面図である。
【図2】ラインプリンタにおいてプラテンローラを1本
だけ用いる場合のプラテンローラと発熱体の側面図であ
る。
【図3】カラープリンタがシリアルプリンタである場合
の可動ヘッドと平面プラテンを示す図である。
【図4】シリアルプリンタにおいてプラテンローラを用
いる場合のプラテンローラと可動ヘッドを示す図であ
る。
【図5】シリアルプリンタにおけるプラテンローラと可
動ヘッドの側面図である。
【図6】記録用紙であるシートの断面図の一例である。
【図7】形状記憶樹脂の温度と弾性係数の特性を示す図
である。
【図8】多孔カプセルの温度と変形圧力との関係を示す
図である。
【図9】多孔カプセルの断面図である。
【図10】孔無しカプセルの形成工程を示す概略図であ
る。
【図11】本実施形態である遠心回転ボールミルの一部
を示す概略図である。
【図12】表面にセラミック粉が付着した状態の孔無し
カプセルの断面図である。
【図13】カプセル壁膜の浸食される部位を示す孔無し
カプセルの断面図である。
【図14】本実施形態の多孔カプセルの断面図である。
【図15】本実施形態の多孔カプセルの断面の一部を示
す図である。
【符号の説明】
24a、25a、26a カプセル壁膜 24b、25b、26b 発色剤 24、25、26 多孔カプセル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 克佳 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 (72)発明者 古澤 宏一 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カプセル壁膜により形成される殻体に封
    入される発色剤と、前記カプセル壁膜の外表面に付着す
    る複数の無機物粒子とにより構成され、所定の温度以上
    で加熱されるとともに、変形圧力以上で加圧されること
    により変形するマイクロカプセルであって、 前記カプセル壁膜には、孔が前記無機物粒子の相互の隙
    間に対応する位置に形成されることを特徴とする感圧感
    熱記録用多孔カプセル。
  2. 【請求項2】 前記発色剤が、前記マイクロカプセルが
    変形されることにより前記カプセル壁膜に形成された前
    記孔から放出されることを特徴とする請求項1に記載の
    感圧感熱記録用多孔カプセル。
  3. 【請求項3】 前記孔が、前記カプセル壁膜の内表面と
    外表面のいずれか一方の面において閉じていることを特
    徴とする請求項2に記載の感圧感熱記録用多孔カプセ
    ル。
  4. 【請求項4】 前記孔が、前記カプセル壁膜の内表面で
    は閉じ、前記カプセル壁膜の外表面では開口しているこ
    とを特徴とする請求項3に記載の感圧感熱記録用多孔カ
    プセル。
  5. 【請求項5】 前記孔が、前記底部から前記開口部へと
    連続的に小さくなる拡大率で拡大する径を有することを
    特徴とする請求項4に記載の感圧感熱記録用多孔カプセ
    ル。
  6. 【請求項6】 カプセル壁膜により形成される殻体に発
    色剤が封入されたカプセルを形成するカプセル形成工程
    と、 前記カプセル形成工程の後に実施され、前記カプセル壁
    膜に無機物粒子を付着させる粒子付着工程と、 前記粒子付着工程の後に実施され、前記カプセル壁膜に
    孔を形成する孔形成工程とを備えることを特徴とする感
    圧感熱記録用多孔カプセルの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記無機物粒子がセラミック粉であるこ
    とを特徴とする請求項6に記載の感圧感熱記録用多孔カ
    プセルの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記孔が、前記カプセル壁膜を溶剤によ
    り浸食させることにより前記カプセル壁膜に形成される
    ことを特徴とする請求項7に記載の感圧感熱記録用多孔
    カプセルの製造方法。
JP9345864A 1997-10-24 1997-12-01 感圧感熱記録用多孔カプセルおよびその製造方法 Pending JPH11157209A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9345864A JPH11157209A (ja) 1997-12-01 1997-12-01 感圧感熱記録用多孔カプセルおよびその製造方法
DE19848971A DE19848971A1 (de) 1997-10-24 1998-10-23 Mikrokapseln für ein Bildsubstrat und Verfahren zu deren Herstellung
US09/177,565 US6139914A (en) 1997-10-24 1998-10-23 Microcapsules used in image-forming substrate and process of producing same
US09/656,754 US6403166B1 (en) 1997-10-24 2000-09-07 Microcapsules used in image-forming substrate and process of producing same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9345864A JPH11157209A (ja) 1997-12-01 1997-12-01 感圧感熱記録用多孔カプセルおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11157209A true JPH11157209A (ja) 1999-06-15

Family

ID=18379519

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9345864A Pending JPH11157209A (ja) 1997-10-24 1997-12-01 感圧感熱記録用多孔カプセルおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11157209A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7275817B2 (en) Formation of novel ink jet filter printhead using transferable photopatterned filter layer
KR19990077489A (ko) 유체제트프린트헤드를구성하는방법,프린트헤드및다밀도레벨의마스크
JPH11334048A (ja) パターン形成方法、パターン形成装置、パターン形成用版およびパターン形成用版の製造方法
US20080063978A1 (en) Photo-curable resin composition, method of patterning the same, and ink jet head and method of fabricating the same
EP2158603A1 (en) Method of fabrication mems integrated circuits
JPH11157209A (ja) 感圧感熱記録用多孔カプセルおよびその製造方法
JP2005343051A (ja) 印刷版および印刷方法
US6210053B1 (en) Image-forming apparatus with a thermal head including an arcuate bimetal element
JP3605311B2 (ja) 感圧感熱記録用シートおよび感圧感熱記録用画像形成装置
JP2000255072A (ja) インクジェット記録ヘッドの製造方法およびインクジェット記録ヘッド
JP3542910B2 (ja) 感圧感熱記録用マイクロカプセルおよび感圧感熱記録用シート
JPH11216954A (ja) 感圧感熱プロセス用記録シート
JP2000043413A (ja) 印刷方法及び装置
JPH10104921A (ja) 多色画像を形成する方法及び装置
JP2006030471A (ja) 単粒子膜形成用の転写シートとその製造方法と単粒子膜の形成方法および電気泳動表示装置
JP2878227B2 (ja) インクジェット記録装置
JPH11129627A (ja) 感圧感熱記録用多孔カプセルおよびその製造方法
JP2000238429A (ja) 画像形成シート、感圧感熱記録用シートおよび感圧感熱記録用画像形成装置
JPH11129628A (ja) 感圧感熱プロセス用記録シート
JPH1170741A (ja) 感圧感熱プロセス用記録シート
JPH11170692A (ja) 画像形成システム及び画像形成用シート
JPH11268412A (ja) 感圧感熱記録用転写装置
JP3749320B2 (ja) 液室部品の製造方法
JP3563987B2 (ja) 感圧感熱記録用転写装置
JPH106512A (ja) インクジェット記録ヘッドの製造方法