JPH11156686A - 眼鏡レンズ研削装置 - Google Patents

眼鏡レンズ研削装置

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JPH11156686A
JPH11156686A JP33799697A JP33799697A JPH11156686A JP H11156686 A JPH11156686 A JP H11156686A JP 33799697 A JP33799697 A JP 33799697A JP 33799697 A JP33799697 A JP 33799697A JP H11156686 A JPH11156686 A JP H11156686A
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俊昭 水野
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裕且 大林
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    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B27/00Other grinding machines or devices
    • B24B27/0046Column grinding machines

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工時間を短縮しつつ砥石摩耗によるサイズ
誤差を抑えて高精度に加工を行う。 【解決手段】 レンズ研削部300Lの回転シャフトに
はガラス用粗砥石30、中仕上砥石31が同軸に取り付
けられ、レンズ研削部300Rの回転シャフトにはガラ
ス用粗砥石30、精密仕上砥石34が同軸に取り付けら
れており、被加工レンズの保持軸に対してレンズ研削部
300L、Rの各回転シャフトを移動して加工を行う。
仕上加工時には、中仕上砥石31により中仕上加工が終
了したレンズの周縁部に対して精密仕上砥石34による
精密仕上加工を、中仕上砥石31による加工途中に開始
するように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被加工レンズを眼
鏡枠に合うように研削加工する眼鏡レンズ研削装置に関
する。
【0002】
【従来技術】この種の装置としては、粒度100〜120番程
度の被加工レンズの材質に応じた粗砥石と、粒度が400
番程度で1つのヤゲン溝を持つ仕上砥石とを同軸の砥石
回転軸に備え、レンズ回転軸に保持される被加工レンズ
を各砥石に圧接して被加工レンズの周縁部にヤゲンを形
成するように加工するものが知られている。装置は粗加
工された被加工レンズを仕上砥石が持つヤゲン溝により
眼鏡枠に合う最終形状まで加工するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、レンズの加
工枚数が多くなると、それに比例して砥石が摩耗する。
特に最終仕上げ加工に使用する仕上砥石の摩耗が多い
と、仕上がりサイズの誤差につながりやすい。また、砥
石摩耗は砥石の加工性能の低下に伴う加工精度の低下を
招く。
【0004】サイズ誤差、加工精度の低下を抑えるるた
めには、定期的に仕上がりサイズを確認してサイズ調整
する必要があるが、サングラスレンズのように製造メー
カで大量に加工する場合には、頻繁にこれを行うことは
生産高率が悪い。
【0005】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、
加工時間を短縮しつつ砥石摩耗によるサイズ誤差を抑え
て高精度に加工できる装置を提供することを技術課題と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とす
る。
【0007】(1) 玉型の形状データに基づいて加工
データを得て、眼鏡レンズを眼鏡枠に合うように加工す
る眼鏡レンズ研削装置において、被加工レンズを保持軸
により保持して回転するレンズ回転手段と、被加工レン
ズの周縁部を第1仕上加工するための第1仕上砥石を第
1砥石回転軸に取付け該第1砥石回転軸を被加工レンズ
の保持軸に対して移動する第1仕上加工手段と、該第1
仕上加工手段により加工された加工レンズの周縁部をさ
らに仕上加工するための第2仕上砥石を第2砥石回転軸
に取付け該第2砥石回転軸を被加工レンズの保持軸に対
して移動する第2仕上加工手段と、前記第1仕上加工手
段による所定の加工が終了した周縁部に対して前記第2
仕上加工手段による仕上加工を前記第1仕上加工手段に
よる加工途中に開始するように制御する加工制御手段
と、を備えることを特徴とする。
【0008】(2) (1)の眼鏡レンズ研削装置にお
いて、前記第2仕上砥石は前記第1仕上砥石より細かい
粒度の素材で形成されていることを特徴とする。
【0009】(3) (1)の眼鏡レンズ研削装置にお
いて、前記第1仕上砥石及び第2仕上砥石は共にヤゲン
溝を持つヤゲン仕上砥石であることを特徴とする。
【0010】(4) (3)の眼鏡レンズ研削装置にお
いて、前記第1仕上砥石及び第2仕上砥石は共に複数の
ヤゲン溝を持つヤゲン仕上砥石であることを特徴とす
る。
【0011】(5) (1)の眼鏡レンズ研削装置は、
さらに玉型の形状データに基づく前記加工データを記憶
する記憶手段と、前記加工データを更新する更新手段と
を備え、加工デ−タが更新されるまでは記憶されている
前の加工データに基づいて加工することを特徴とする。
【0012】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0013】[装置全体の構成]図1において、1はメ
インベ−ス、2はメインベ−ス1に固定されたサブベ−
スである。100はレンズチャック上部、150はレン
ズチャック下部であり、加工時にはそれぞれのチャック
軸で被加工レンズを挟持する。また、レンズチャック上
部100の下方のサブベ−ス2の奥側には、レンズ形状
測定部400が収納されている。
【0014】300R,300Lはそれぞれの回転シャ
フトにレンズ研削用の砥石を持つレンズ研削部である。
各レンズ研削部300R,300Lは、後述する移動機
構によりそれぞれサブベ−ス2に対して上下方向、左右
方向に移動可能に保持されている。レンズ研削部300
Lの回転シャフトには、図2に示すように、ガラス用粗
砥石30、ヤゲン溝を持つ中仕上砥石31が同軸に取り
付けられている。中仕上砥石31は粒度400番のメタ
ルボンド砥石からなり、その砥石面にはV字状を呈する
同一形状の4つのヤゲン溝31a〜31dが設けられて
いる。レンズ研削部300Rの回転シャフトには、レン
ズ研削部300L側のものと同じガラス用粗砥石30、
ヤゲン溝を持つ精密仕上砥石34が同軸に取り付けられ
ている。精密仕上砥石34は粒度600番のメタルボン
ド砥石からなり、その砥石面には中仕上砥石31のヤゲ
ン溝と同一形状の4つのヤゲン溝34a〜34dが設け
られている。これらの砥石群は、その直径が60mm程
の比較的小さなものを使用し、加工精度を向上するとと
もに砥石の耐久性も確保するようにしている。このよう
な砥石構成により、実施例の装置は、ガラス材質の度無
しサングラスレンズのヤゲン形成を大量に加工するのに
適した構成としている。
【0015】装置の筐体前面には、加工情報等を表示す
る表示部10、デ−タを入力したり装置に指示を行う入
力部11が設けられている。12は開閉可能な扉であ
る。
【0016】[主要な各部の構成] <レンズチャック部>図3はレンズチャック上部100
及びレンズチャック下部150を説明するための図であ
る。サブベ−ス2に固定された固定ブロック101の上
部には、取付け板102によりDCモ−タ103が取り
付けられている。DCモ−タ103の回転は、プ−リ1
04、タイミングベルト108、プ−リ107を介して
送りネジ105に伝達され、送りネジ105が回転する
ことにより固定ブロック101に固定されたガイドレ−
ル109にガイドされてチャック軸ホルダ120が上下
動する。チャック軸ホルダ120の上部にはパルスモ−
タ130が固定されており、その回転はギヤ131、中
継ギヤ132、ギヤ133へと伝達されてチャック軸1
21が回転するようになっている。124はチャック軸
121に取り付けられたレンズ押えである。135はフ
ォトセンサ、136はチャック軸121に取り付けられ
た遮光板であり、フォトセンサ135はチャック軸12
1の回転基準位置を検出する。
【0017】下側のチャック軸152はメインベ−ス1
に固定されたホルダ151に回転可能に保持され、パル
スモ−タ156の回転が伝達されて回転される。159
はチャック軸152に取り付けられたカップ受けであ
り、被加工レンズに固定された固定カップを受けて被加
工レンズを保持する。157はフォトセンサ、158は
ギヤ155に取り付けられた遮光板であり、フォトセン
サ157は下チャック軸151の回転基準位置を検出す
る。
【0018】このような構成のレンズチャック部によ
り、チャック軸152側に載せられた被加工レンズはチ
ャック軸121の下降移動によりチャッキングされる。
このときのチャック圧は、DCモ−タ103の負荷電流
を後述する制御部600が監視して適切になるように制
御される。
【0019】<レンズ研削部の移動機構>図4はレンズ
研削部300Rの移動機構を説明する図である。201
は上下スライドベ−ス201であり、サブベ−ス2の前
面に固着された2つのガイドレ−ル202に沿って上下
に摺動可能である。サブベ−ス2の側面には、コの字型
のスクリュ−ホルダ203が固着され、スクリュ−ホル
ダ203の上端にはパルスモ−タ204Rが固定されて
いる。パルスモ−タ204Rの回転軸にはボ−ルネジ2
05がカップリングされており、ボ−ルネジ205が回
転することにより、ナットブロック206に固定された
上下スライドベ−ス201がガイドレ−ル202にガイ
ドされて上下動する。サブベ−ス2と上下スライドベ−
ス201との間にはバネ207が掛け渡されており、バ
ネ207は上下スライドベ−ス201を上方へ付勢し、
上下スライドベ−ス201の下方への荷重をキャンセル
して上下の移動を容易にしている。216Rはフォトセ
ンサ、217はナットブロック215に固定された遮光
板であり、フォトセンサ216Rは遮光板215の位置
を検出して左右スライドベ−ス210の上下移動の基準
位置を決定する。
【0020】210はレンズ研削部300Rが固定され
る左右スライドベ−スであり、上下スライドベ−ス20
1の固着された2つのガイドレ−ル211に沿って左右
に摺動可能である。上下スライドベ−ス201の下端部
にはコの字型のスクリュ−ホルダ212が固着され、ス
クリュ−ホルダ212の側部にはパルスモ−タ214R
が固定されており、その回転軸にはボ−ルネジ213が
カップリングされている。ボ−ルネジ213にはナット
ブロック215が螺合しており、ナットブロック215
は、図5に示すように、左右スライドベ−ス210の下
部から伸びる突出部210aとバネ220により連結さ
れている(なお、図5に示す機構は、図4におけるナッ
トブロック215の背後に収納されている)。バネ22
0は左右スライドベ−ス210をレンズチャック側に付
勢している。パルスモ−タ214Rの回転によりボ−ル
ネジ213が回転されてナットブロック215が図5上
の左側に移動すると、バネ220に引っ張られる左右ス
ライドベ−ス210も左側に移動する。被加工レンズの
加工時にバネ220の付勢力よりも強い研削圧がかかる
と、ナットブロック215が左側に移動しても左右スラ
イドベ−ス210は移動せず、被加工レンズへのの研削
圧が調整される。ナットブロック215が図上の右側に
移動すると、ナットブロック215に突出部210aが
押され、左右スライドベ−ス210も右側に移動する。
突出部210aにはフォトセンサ221Rが取り付けら
れており、フォトセンサ221Rはナットブロック21
5に固定された遮光板222を検知すことにより、加工
終了を検知する。
【0021】また、スクリュ−ホルダ212に固定され
たフォトセンサ216Rは、ナットブロック215に固
定された遮光板217の検出して左右スライドベ−ス2
10の左右移動の基準位置を決定する。
【0022】レンズ研削部300Lの移動機構はレンズ
研削部300Rの移動機構と左右対称であるので、その
説明は省略する。
【0023】<レンズ研削部>図6はレンズ研削部30
0Rの構成を示す側面断面図である。左右スライドベ−
ス210にはシャフト支基301が固定されており、シ
ャフト支基301の前部には、粗砥石30等の砥石群を
下方部に取付けた上下に伸びる回転シャフト304を回
転可能に保持するハウジング305が固定されている。
シャフト支基301の上部には、取付け板311を介し
てサ−ボモ−タ310Rが固定されており、サ−ボモ−
タ310Rの回転はプ−リ312、ベルト313、プ−
リ306を介して回転シャフト304に伝達されて砥石
群が回転する。
【0024】レンズ研削部300Lの構成は、レンズ研
削部300Rと左右対称に同じ構成を持つので、その説
明は省略する。
【0025】<レンズ形状測定部>図7はレンズ形状測
定部400の構成を示す側面概略図である。レンズ測定
ユニット401は、固定ベース402の下面に取り付け
られたレール403に、移動ブロック404を介して前
後にスライド可能に吊り下げ保持されている。固定ベー
ス402の上には前後移動用のモータ405が固定され
ており、モータ405の回転はプーリ406、ベルト4
07、プーリ408を介して送りネジ409に伝達され
る。移動ブロック404の内部には送りネジ409と螺
合する雌ネジが形成されており、送りネジ409の回転
によりレール403にガイドされて前後に移動する。
【0026】移動ブロック404の下には次の構成を持
つレンズ測定ユニット401が取り付けられている。上
板410と下板411の間には、ガイド軸412、後方
支柱413、中支柱414が固定されている。ガイド軸
412には上下に摺動する軸受415が挿通されてお
り、軸受415には先端に被加工レンズ面に当接する測
定子416を持つ測定アーム417が固定されている。
測定アーム417はバネ418により上方向に付勢され
ている。測定アーム417の後方には取付ブロック42
3を介してラック419が固定されている。中支柱41
4にはポテンショメータ420が固定されており、その
回転軸にはラック419と螺号するピニオン421が取
り付けられている。ポテンショメータ420は上下に移
動する測定アームの移動量を検出する。422は測定ア
ームの下方向への荷重をキャンセルするためのバネであ
り、その一端が取付ブロック423に固定されている。
また、上板410と下板411の間には送りネジ430
が回転可能に保持されている。送りネジ430は下板4
11に取り付けられたモータ431により、プーリ43
2、ベルト433、プーリ434を介して回転する。4
35は送りネジ430と螺号する雌ネジを持つ移動ブロ
ックであり、送りネジ430の回転によりガイド軸41
2に沿って上下に摺動移動するようになっている。この
移動ブロックが下方に移動するとガイド軸412側の下
面が軸受415に当接して、測定アーム417を押し下
げる。測定アーム417の最下点である初期位置は、セ
ンサ436と取付ブロック423に固着された遮光板4
37により検知される。
【0027】このような構成のレンズ形状測定部400
の測定は次のようして行う。まず、眼鏡枠の枠形状デー
タに基づきモータ405を駆動してレンズ測定ユニット
401を測定位置まで移動する。次にモータ431を所
定パルス分正回転して送りネジ430を回転すると、移
動ブロック435が上方向に移動する。これに伴い、測
定アーム417もバネ418に引っ張られて上方向に移
動し、測定子416が被加工レンズの前面に当接するよ
うになる。なお、移動ブロック435は十分な逃げの位
置まで移動する。測定子416をレンズ前面に当接させ
ながら被加工レンズを1回転させると共に、枠形状デー
タに基づいてレンズ測定ユニット401を前後移動させ
る。このときの測定子416のレンズチャック軸方向の
移動量がポテンショメータ420により検出されて、被
加工レンズの形状が得られるようになる。
【0028】実施例の装置でのレンズ測定は、眼鏡枠デ
ータに基づく異なる測定軌跡にしたがってレンズ前面の
形状を2回測定する。この2回の測定により、各経線毎
にコバ位置でのレンズ前面の傾きを得て、これをヤゲン
データの算出に利用する(後述する)。なお、特開平3
−20603号その他と同様に、レンズ前面とレンズ後
面を測定することによって、ヤゲンデータを算出するよ
うにしてもよいし、レンズ前面とレンズ後面についてそ
れぞれ専用の測定子を設けてもよい。また、球面で構成
されているサングラスレンズの場合には、各経線につい
て一点のデ−タ(たとえばヤゲン底面)があれば、必要
な精度は確保できる(たとえば、球面カ−ブを計算また
はデ−タとして得ることができれば、ヤゲン位置での表
面の傾きが得られる)。
【0029】<制御部>図8は装置の制御系を示す概略
ブロック図である。600は装置全体の制御を行う制御
部であり、表示部10、入力部11、各フォトセンサが
接続されている。また、ドライバ620〜628を介し
て移動用、回転用の各モ−タが接続されている。レンズ
研削部300R用のサ−ボモ−タ310R及びレンズ研
削部300L用のサ−ボモ−タ310Lに接続されたド
ライバ622、625は、加工時のサ−ボモ−タ310
R,310Lの回転トルク量をそれぞれ検出して制御部
600にフィ−ドバックする。また、ドライバ628は
DCモータ103の負荷電流を検出して制御部600に
フィ−ドバックする。制御部600はこれらの情報をレ
ンズ研削部300R,300Lの移動制御や、レンズ回
転の制御、レンズチャック圧の制御に利用する。
【0030】601はデ−タの送受信に使用されるイン
タ−フェイス回路であり、レンズ枠形状測定装置650
(特開平4−93164号等参照)やレンズ加工情報を
管理するホストコンピュ−タ651、バ−コ−ドスキャ
ナ652等を接続することができる。602は装置を動
作するためのプログラムが記憶された主プログラムメモ
リ、603は入力されるデ−タやレンズ形状測定デ−タ
等を記憶するデ−タメモリである。
【0031】以上のような構成を持つ装置において、そ
の動作を説明する。ここでは、同一仕様の度無しサング
ラスレンズを、同一の形状で多数加工するときの動作を
説明する。
【0032】サングラスレンズを入れるための種々の眼
鏡枠の形状(以下、玉型という)は、予めレンズ枠形状
測定装置650により測定し、その各玉型データをホス
トコンピュ−タ651に送信する。玉型データはホスト
コンピュ−タ651により管理される。また、レンズの
厚み等のレンズ形状に関するデータもホストコンピュ−
タ651により管理されている。レンズ加工に際して
は、本装置に接続されたバ−コ−ドスキャナ652で被
加工レンズに添付されているバーコードの作業票を読み
取る(バーコードの作業票は、同一の玉型で加工する同
一仕様のレンズを多数まとめ、ロット単位で添付されて
いる)。作業票で指示されたレンズの厚み等のレンズ形
状に関するデータや玉型データがホストコンピュ−タ6
51の管理データベースから読み出され、データメモリ
603に転送記憶される。
【0033】転送された玉型データで初めて加工を行う
ときは、入力部11のスイッチ11eにより測定モード
を「レンズ測定」モードに切換える。被加工レンズをチ
ャック軸152側に載置し、スタートスイッチ11iを
押すとチャック軸121が下降して被加工レンズをチャ
ッキングする。その後、レンズ測定が開始される。
【0034】制御部600は玉型データに基づいてレン
ズ形状測定部400を作動させ、レンズ前面の形状を測
定する。測定は玉型(眼鏡枠)データに基づく2次元的
な第1測定点と第2測定点により、レンズ前面側を2個
所測定する。第1測定点は、例えば、最終外周部分であ
るヤゲン頂点の位置とし、第2測定点はヤゲンの高さ分
内側の軌跡(中仕上砥石31及び精密仕上砥石が持つヤ
ゲン溝の大きさ)とする。
【0035】ヤゲン計算について説明する。厚さが一定
の度無しのサングラスレンズにヤゲンを形成する場合、
そのヤゲン状態を見た目に良好とするために、本実施例
ではヤゲン頂点がレンズコバのほぼ中央に位置するよう
に加工するものとする。被加工レンズにカーブがなけれ
ば、玉型加工されたレンズのコバの厚さはどの部分も一
定であるが、サングラス用のレンズはカーブを持つの
で、レンズ面が傾けばそれに応じてレンズコバは厚くな
る。ヤゲン計算は第1測定点及び第2測定点のコバ位
置、レンズ中心の厚みに基づいて、この厚みの変化分を
補正したデ−タを得てヤゲン軌跡データを求める。すな
わち、図9のように、2回のレンズ測定で得られる点A
と点Bとのレンズ面を、近似的に直線として考えると、
加工後のレンズ周辺部のレンズ前面の傾きθが得られ
る。レンズ前面の傾きθに対応させて、補正係数を予め
定め、この補正係数により第1測定点の位置からヤゲン
頂点の位置を求めることができる。
【0036】また、次のように求めることもできる。被
加工レンズの厚みが一定の場合、レンズ前面と後面の傾
きは同じであるので、レンズ厚さt(例えば、2.2m
m)に対して、ヤゲン頂点よりヤゲン高さ分内側のコバ
厚t´は、 t´=t/cosθ で簡単に求まる。各動径角に対応して玉型データに基づ
くコバ厚が求まれば、その中央に位置させるヤゲン頂点
軌跡データが得られる。
【0037】ヤゲン軌跡デ−タが得られたら、レンズ加
工のためのレンズ回転軸と砥石回転軸との間の軸間距離
データに変換した加工データを求める。その加工デ−タ
はデ−タメモリ603に記憶され、加工時に読み出され
て使用される。
【0038】装置のレンズ測定の動作が終了したら、ス
イッチ11eにより「レンズ測定」モードを解除して加
工モードに移行し、スタートスイッチ11iを押すこと
により加工が開始する。なお、測定モードの切換え信号
やスタート信号は、入力部11のスイッチを操作するの
ではなく、ホストコンピュ−タ651側でのキー操作に
より指令信号が入力されるようにしても良い。
【0039】加工のスタート信号により、まず粗加工が
行われる。制御部600はサ−ボモ−タ310R,31
0Lを駆動してレンズ研削部300R,300Lの両砥
石群を回転させる。また、制御部600は左右のパルス
モ−タ204R,204Lを駆動して両側の上下スライ
ドベ−ス210を下降移動し、左右の粗砥石30が共に
被加工レンズの高さ位置に来るようにする。その後、パ
ルスモ−タ214R,214Lを回転してレンズ研削部
300R、300Lをそれぞれ被加工レンズ側にスライ
ド移動させるとともに、上下のパルスモ−タ130、1
56を同期して回転させてチャック軸121、152に
チャッキングされた被加工レンズを回転する。左右の粗
砥石30は回転しながら被加工レンズ側へ移動すること
により、レンズを2方向から徐々に研削する。粗砥石3
0のレンズ側への移動量は、加工データに基づいて左右
それぞれ独立して制御される。実施例の装置ではレンズ
のチャック軸中心と左右の砥石群の回転シャフトの軸中
心を一直線上になるように配置しているため、左右の粗
砥石30の移動は180度ずれた形状情報に基づいて行
われる。
【0040】粗加工が終了すると、中仕上砥石31及び
精密仕上砥石34によるヤゲン仕上げ加工に移る。制御
部600は両粗砥石30をレンズから離脱させた後、デ
ータメモリ603に記憶されているヤゲン加工データを
呼び出し、これに基づいて中仕上砥石31及び精密仕上
砥石34の各4つのヤゲン溝の内の1つが、被加工レン
ズに形成するヤゲン位置になるようにレンズ研削部30
0L、300Rを移動する。1枚目の被加工レンズの加
工では、それぞれヤゲン溝31a、ヤゲン溝34aを使
用する。制御部600は、回転する中仕上砥石31を被
加工レンズ方向に移動してヤゲン溝31aをレンズに圧
接さて研削し、初期回転位置での中仕上げ加工の加工終
了(精密仕上げの加工代を残した形状の加工終了)が得
られると、レンズを回転し始める。レンズの回転中、中
仕上げ用のヤゲン加工データに基づいて中仕上砥石31
を移動することにより中仕上げ加工を全周行って行く。
この中仕上げ加工の途中でレンズが1/2回転すると、
次に精密仕上砥石34をレンズ方向に移動して、中仕上
げ加工が施された部分をさらにヤゲン溝34aにより精
密加工を施して行く。制御部600は精密仕上げ用のヤ
ゲン加工データに基づいて、精密仕上砥石34の軸方向
及びレンズ方向への移動を制御し、加工終了が得られる
ように加工する。この時、中仕上げの加工代(1.5m
m程度)に対して精密仕上げの加工代を少なくしておく
ことにより(0.2mm程度)、中仕上げ加工で多少加
工代が残ったとしても、厚さ2.2mmのサングラスレ
ンズの場合、精密仕上砥石34はレンズの1回転で十分
に加工終了が得られるように加工できる。つまり、被加
工レンズがトータル1.5回転すると精密仕上げまでの
全ての加工が終了する。
【0041】このように中仕上げ加工された部分を、さ
らに粒度の細かい精密仕上砥石で加工することにより、
ガラスレンズの場合にできやすいレンズコバのバリを無
くして、良好な仕上げ面を確保することができる。この
精密仕上げ加工に当たっては、その前の中仕上げ加工が
全周終わるのを待って加工を開始するのではなく、中仕
上げ加工を施した部分が精密仕上げ加工できる位置まで
きたところで加工を開始するので、その分加工時間が短
縮され、効率良く加工が行える。すなわち、中仕上げ加
工が全周終了した後に精密仕上砥石による加工を開始す
る場合、レンズの回転は最低2回転必要であるが、実施
例の砥石配置では上記のように最も早いときは1.5回
転ですむ。
【0042】また、仕上げ加工を中仕上げと精密仕上げ
の2段階にしたことにより、砥石の摩耗を分散できると
ともに、最終仕上げである精密仕上げは加工量が少なく
て良いため、精密仕上砥石34の砥石摩耗は中仕上砥石
31側より少なく、多量のレンズを連続加工しても砥石
摩耗によるサイズ精度の低下を極めて少なくできる。本
発明者の実験によれば、中仕上げ砥石による加工代を
1.5mm、精密仕上砥石による加工代を0.2mmと
して、約1000枚のレンズを加工したときの中仕上砥
石の摩耗が約0.05mmであったのに対して、精密仕
上砥石の摩耗は約0.01mm以下であり、十分にサイ
ズ精度を維持することが確認できた。
【0043】上記のようにして1枚の被加工レンズの加
工が終了すると、チャック軸121が上昇するので、加
工済みのレンズを取り外して次のレンズの加工に移る。
制御部600は前に記憶した加工データを読み出し、レ
ンズ測定を省略して加工モードによる粗加工、仕上げ加
工を行う。これにより、加工毎にレンズ測定を行う時間
を節約して、ぞの分加工時間が短縮できることになる。
サングラスレンズの加工では、同一仕様のレンズを同一
玉型で連続して多数加工することが多いので、レンズ測
定の時間を省くことはトータル的に大きな時間短縮とな
る。
【0044】なお、加工データもホストコンピュ−タ6
51側でレンズ仕様データと玉型データに対応付けて、
識別記号とともに複数個記憶して管理しても良い。この
場合には、被加工レンズのロットが変わったときも、バ
ーコードの作業票による指示に対応した加工データを呼
び出し、レンズ測定を行わずに加工モードで連続して加
工を行っていくことができる。ただ、複数個の加工デー
タを記憶しなくても、サングラスレンズの加工では、同
一仕様のレンズを同一玉型で多数連続して加工すること
が多く、異なる加工をする場合にレンズ測定をするだけ
ならそれほど負担はないので、加工データをその都度書
換えるようにしても、十分である。
【0045】2枚目の被加工レンズの粗加工後の仕上げ
加工では、制御部600は中仕上砥石31が持つヤゲン
溝31bと精密仕上砥石34が持つヤゲン溝34bで加
工するように制御する。以降、3枚目のレンズ加工時に
はそれぞれヤゲン溝31cとヤゲン溝34c、4枚目の
加工時にはそれぞれヤゲン溝31dとヤゲン溝34dの
よに、被加工レンズが変わる毎に順次加工するヤゲン溝
も変更する。これにより、1つのヤゲン溝だけで加工す
るのに比較して、砥石摩耗を実施例では1/4に減少さ
せることができるとともに、砥石の寿命も長くできる。
したがって多量のレンズを連続加工しても、サイズ精度
の低下を極力抑えることができる。
【0046】加工を繰り返すことによる砥石の摩耗等に
より、レンズの仕上がりサイズが大きくなってくるの
で、サイズ調整が必要な場合には次のようする。メニュ
ースイッチ11dを押して、図10のようなパラメータ
設定画面700を表示部10に呼び出す。画面の左横に
表示される矢印カーソル701でサイズ調整を行う項目
を選択する。各項目は中仕上砥石31の4つのヤゲン溝
31a〜31d、精密仕上砥石34の4つのヤゲン溝3
4a〜34dに対応しており、各ヤゲン溝について選択
できる。選択した項目の設定サイズの変更は、スイッチ
11cにより右横に表示されている数値を増減して入力
する。同様に、中仕上砥石31及び精密仕上砥石34の
ヤゲン位置も個々のヤゲン溝毎に調整が可能である。調
整設定した値は、パラメータ設定画面700を閉じるこ
とにより調整値メモリ604に記憶されたデータが書き
換えられる。なお、これらの入力は、装置本体に接続さ
れたホストコンピュータ651からの制御によっても可
能である。制御部600は書き換えられたデータに基づ
いて、各ヤゲン溝による加工を制御する。これにより、
各ヤゲン溝毎に砥石摩耗の程度が異なっても、それぞれ
適切に設定して対応できる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
加工時間を短縮しつつ砥石摩耗によるサイズ誤差を抑え
て高精度に加工ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の装置の全体構成を示す図である。
【図2】砥石構成を示す図である。
【図3】レンズチャック上部及びレンズチャック下部の
構成を説明する図である。
【図4】レンズ研削部300Rの移動機構を説明する図
である。
【図5】レンズ研削部300Rの左右の移動と加工終了
検出の機構を説明する図である。
【図6】レンズ研削部300Rの構成を示す側面断面図
である。
【図7】レンズ厚測定部400を説明する図である。
【図8】装置の制御系を示す概略ブロック図である。
【図9】実施例のヤゲン計算を説明する図である。
【図10】サイズ調整等を行う場合の設定画面例を示す
図である。
【符号の説明】
10 表示部 11 入力部 31 中仕上砥石 31a,31b,31c,31d ヤゲン溝 34 精密仕上砥石 34a,34b,34c,34d ヤゲン溝 300R,300L レンズ研削部 600 制御部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 玉型の形状データに基づいて加工データ
    を得て、眼鏡レンズを眼鏡枠に合うように加工する眼鏡
    レンズ研削装置において、被加工レンズを保持軸により
    保持して回転するレンズ回転手段と、被加工レンズの周
    縁部を第1仕上加工するための第1仕上砥石を第1砥石
    回転軸に取付け該第1砥石回転軸を被加工レンズの保持
    軸に対して移動する第1仕上加工手段と、該第1仕上加
    工手段により加工された加工レンズの周縁部をさらに仕
    上加工するための第2仕上砥石を第2砥石回転軸に取付
    け該第2砥石回転軸を被加工レンズの保持軸に対して移
    動する第2仕上加工手段と、前記第1仕上加工手段によ
    る所定の加工が終了した周縁部に対して前記第2仕上加
    工手段による仕上加工を前記第1仕上加工手段による加
    工途中に開始するように制御する加工制御手段と、を備
    えることを特徴とする眼鏡レンズ研削装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の眼鏡レンズ研削装置におい
    て、前記第2仕上砥石は前記第1仕上砥石より細かい粒
    度の素材で形成されていることを特徴とする眼鏡レンズ
    研削装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の眼鏡レンズ研削装置におい
    て、前記第1仕上砥石及び第2仕上砥石は共にヤゲン溝
    を持つヤゲン仕上砥石であることを特徴とする眼鏡レン
    ズ研削装置。
  4. 【請求項4】 請求項3の眼鏡レンズ研削装置におい
    て、前記第1仕上砥石及び第2仕上砥石は共に複数のヤ
    ゲン溝を持つヤゲン仕上砥石であることを特徴とする眼
    鏡レンズ研削装置。
  5. 【請求項5】 請求項1の眼鏡レンズ研削装置は、さら
    に玉型の形状データに基づく前記加工データを記憶する
    記憶手段と、前記加工データを更新する更新手段とを備
    え、加工デ−タが更新されるまでは記憶されている前の
    加工データに基づいて加工することを特徴とする眼鏡レ
    ンズ研削装置。
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