JPH11156492A - 薄板連続鋳造用ロール - Google Patents

薄板連続鋳造用ロール

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JPH11156492A
JPH11156492A JP32469797A JP32469797A JPH11156492A JP H11156492 A JPH11156492 A JP H11156492A JP 32469797 A JP32469797 A JP 32469797A JP 32469797 A JP32469797 A JP 32469797A JP H11156492 A JPH11156492 A JP H11156492A
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JP
Japan
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sleeve
roll
shrinkage
kgf
arbor
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JP32469797A
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Yoshihisa Shirai
善久 白井
Eiji Hirooka
栄司 廣岡
Wataru Mizukoshi
渉 水越
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スリーブ割れやスリーブ外れを抑制した薄板
連続鋳造用ロールを提供する。 【解決手段】 スリーブの材質に0.2%耐力が30kgf/mm2
より大きい銅合金を使用し、下記の式を満足する条件で
スリーブをアーバに焼きバメ固定する。 【数7】 ここで、σc :焼きバメ応力(kgf/mm2) 、δ:焼きバメ
代(直径)(mm)、σ:スリーブの0.2%耐力(kgf/mm2) 、
E:スリーブのヤング率(kgf/mm2) 、D:スリーブの外
径(mm)、d:スリーブの内径(mm)である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素鋼、ステンレ
ス鋼および銅合金等、各種金属の薄板を溶融金属(以
下、溶湯ともいう)から直接、連続鋳造法によって製造
する場合に使用するロールに関する。
【0002】
【従来の技術】溶湯から直接、厚さ数mm程度(明確な定
義はないがおよそ1〜10mm)の薄板を製造する連続鋳造
方法は、ストリップキャスティング法(SC法)と呼ば
れており、種々の方式が提案されている。
【0003】SC法の主な方式には、互いに反対方向に
回転する一対のロール間に溶鋼を上から給湯する双ロー
ル上注ぎ方式、同じく一対のロール間に溶鋼を水平方向
から給湯する双ロール横注ぎ方式、および、1つのロー
ルに溶鋼を水平方向から給湯する単ロール方式等がある
が、いずれもロールが鋳型として使用されている。
【0004】SC法による薄板の製造を双ロール上注ぎ
方式を例にして説明する。図1は、双ロール上注ぎ方式
による薄板の製造方法を模式的に示す概念図である。
【0005】同図に示すように、サイドダム11で幅拘
束され、ロール間に注入された溶湯12は内部冷却され
た一対のロール13で抜熱され、凝固シェル14を形成
する。この凝固シェル14はロール13の回転とともに
下方に移動し、キスポイント(2つのロールの最接近
点)の近傍で圧着し、薄板15が鋳造される。
【0006】ロール13は、ロール本体であるアーバ1
6と、その外周部に焼きバメにて装着したスリーブ17
を備えている。スリーブ17は高温の溶湯と接触するた
め、温度が上昇して熱変形や割れを生じやすい。このた
め、スリーブ17の材質には熱伝導率が大きく強度の高
い銅合金を使用するとともに、スリーブ内表面やアーバ
外表面に冷却溝を設け、スリーブを内表面から水冷却す
る構造としている。さらに、スリーブの外表面にNiやCr
の金属をめっきしたり、Al2O3 やZrO2等のセラミックス
あるいはWC-Co やCrC-NiCr等のサーメットを溶射し、耐
熱性を高めたロールも使用されている。
【0007】例えば、文献(鉄と鋼 Vol.82 、No.4、19
96年、p291)には、アーバに焼きバメ固定したスリーブ
の表面割れ対策として、(1) スリーブ材質をCu-0.3%Be
(0.2%耐力:45kgf/mm2)やCu-Cr-Zr(0.2% 耐力:53kgf/m
m2)の高強度の銅合金とする、(2) 焼きバメ応力を約22k
gf/mm2 (銅合金の0.2%耐力未満)とする、(3) スリー
ブ内表面に冷却溝を設けスリーブを水冷却する、(4) ス
リーブ外表面にNiおよびCrメッキを施工する、等が記載
されている。
【0008】特開昭57−14444号公報には、熱伝
導率の高い銅製のスリーブをアーバに焼きバメ固定し、
スリーブあるいはアーバにスリーブを冷却するための冷
却溝を設けたロールの構造が提示されており、焼きバメ
温度は、鋳造時のアーバの温度以上に設定すればよいと
記載されている。
【0009】特開昭61−262452号公報には、ア
ーバの外表面にスリーブ冷却用の冷却溝を設け、スリー
ブをアーバーに焼きバメ固定したロールの構造が提示さ
れており、また、スリーブの材質としては、熱伝導率の
高い銅が良いと記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の文献や公報に
は、銅や銅合金製のスリーブをアーバに焼きバメ固定
し、スリーブ内表面あるいはアーバ外表面に設けた冷却
溝に通水してスリーブを冷却する、等、ロールの構造に
関しては種々提案されている。
【0011】しかし、従来技術においては、操業中にス
リーブ外れやスリーブ割れが見られ、操業を中断せざる
を得ない事故が生じることがあった。一旦、そのような
事故が起こると回復に多大な困難が伴う。
【0012】本発明の目的は、操業中にスリーブ外れや
スリーブ割れの発生が無く、しかも断面形状が良好な低
クラウンの薄板の製造を可能とする薄板連続鋳造用ロー
ルを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
の達成のため焼きバメに関する種々の実験および検討を
おこない、「スリーブの材質として0.2%耐力が30kgf/mm
2 より大きい銅合金を使用し、焼きバメ応力が30kgf/mm
2 以上スリーブの0.2%耐力未満、で焼きバメすることに
より、スリーブの外れや割れを防止し、鋳造時のロール
クラウンを適正範囲に保持することができる」との知見
を得た。
【0014】従来技術には、焼きバメ代や焼きバメ応力
等の具体的な焼きバメ条件については、いずれも殆ど記
載されていない。すなわち、上記の文献や特開昭61−
262452号公報には、焼きバメの条件に関する記述
はない。
【0015】特開昭57−14444号公報では、焼き
バメ温度を例えば100 〜300 ℃以上としているだけで、
焼きバメ条件として焼きバメ応力やスリーブとアーバの
面圧等に対する考慮がされておらず、焼きバメ不良が原
因で操業中にスリーブが軸方向にずれたり、スリーブの
外表面に割れが発生したり、等の問題が生じる懸念があ
る。さらに、ロールの熱変形を考慮していないため、板
幅方向に厚み差の少ないいわゆる低クラウンの薄板を得
ることができない。
【0016】本発明は、上記知見に基づくもので、その
要旨は以下の(1) および(2) の通りである。
【0017】(1) 溶融金属を単一のロールまたは一対の
ロール間に供給し薄板を連続的に製造する装置に使用す
る、スリーブをアーバに焼きバメ固定したロールにおい
て、スリーブの材質に、0.2%耐力が30fkg/mm2 より大き
い銅合金を使用し、焼きバメ応力を30kgf/mm2 以上、ス
リーブの0.2%耐力未満としたことを特徴とする薄板連続
鋳造用ロール。
【0018】(2) 下記の式を満足する条件でスリーブを
アーバに焼きバメ固定したことを特徴とする上記(1) 項
に記載の薄板連続鋳造用ロール。
【0019】
【数2】
【0020】ここで、σc :焼きバメ応力(kgf/mm2) 、
δ:焼きバメ代(直径)(mm)、σ:スリーブの0.2%耐力
(kgf/mm2) 、E:スリーブのヤング率(kgf/mm2) 、D:
スリーブの外径(mm)、d:スリーブの内径(mm)である。
【0021】
【発明の実施の形態】図2は、本発明の薄板連続鋳造用
ロール(以下、本発明のロールという)の基本構造例を
示す模式図で、同図(a)は縦断面図、同図(b)は同
図(a)の線A−A矢視部における上側1/2の横断面
図、同図(c)は同図(a)の線B−B矢視部における
上側1/2の横断面図である。
【0022】同図に示すように、本発明のロール1は、
外表面に複数の冷却溝5を形成したアーバ2と、このア
ーバ2の外周部に焼きバメにて装着したスリーブ3を備
えている。
【0023】図2(a)に示すように、アーバ2の外周
部には、アーバ2およびスリーブ3を冷却する冷却剤4
を流すための複数の冷却溝5が、アーバ2の中央部から
すなわち線B−B部からロール1の軸方向に端部に向か
って左右および上下対象に設けられている。複数の冷却
溝5は、出側分配流路6に連なり、この出側分配流路6
はさらにアーバ2の軸芯部の水平方向に貫通する出側流
路7に連結されている。一方、アーバ2の軸芯部に水平
方向に貫通する入側流路8が設けられ、この入側流路8
がアーバ2の中央部から複数の冷却溝5へ連なるように
入側分配流路9がアーバ2の内部にスリーブ3に向かっ
て周方向に設けられ、さらに、この入側分配流路9と冷
却溝5をつなぐための入側ヘッダ10aが備えられる。
冷却剤4は、ロール1の軸方向の左右から入側流路8を
経て入側分配流路9に入り、次いでスリーブ3の方向に
流れ、入側ヘッダ10aでロール1の軸方向の左右に分
岐して冷却溝5に入り、さらに出側ヘッダ10b、出側
分配流路6および出側流路7を経てロール1の外に流出
する。
【0024】図3は、本発明のロールの別の基本構造例
を示す縦断面図である。同図に示す本発明のロール1
は、図2と同様に、外表面に複数の冷却溝5を形成した
アーバ2と、このアーバ2の外周部に焼きバメにて装着
したスリーブ3を備えている。図3に示すように、アー
バ2の外周部には、複数の冷却溝5がロール1の軸方向
に端部から端部に向かって周方向に等間隔に設けられて
いる。
【0025】この冷却溝5の一端は、入側ヘッダ10a
を経て入側分配流路9に連なり、この入側分配流路9は
さらにアーバ2の軸芯部に形成した入側流路8に連結さ
れている。冷却溝5の他端は、出側ヘッダ10bを経て
出側分配流路6に連なり、この出側分配流路6はさらに
アーバ2の軸芯部に形成した出側流路7に連結されてい
る。冷却剤4は、入側流路8を経て入側分配流路9に入
り、冷却溝5をロール1の軸方向に流れ、出側分配流路
6と出側流路7を経てロール1の外に流出する。
【0026】なお、図2および図3に示すように、本発
明のロールによれば、冷却溝をアーバーの外表面に設け
ることにより、焼きバメ時の熱応力による冷却溝のコー
ナ割れ防止が可能となる。
【0027】次に、スリーブの材質について説明する。
スリーブの材質は、抜熱性および焼きバメ時の変形や割
れ防止の観点から、熱伝導率が大で、かつ耐力が高い銅
合金を使用する。
【0028】具体的には、後述する焼きバメ条件より、
0.2%耐力が30kgf/mm2 以上である銅合金を用いる。0.2%
耐力が30kgf/mm2 未満では、焼きバメ時にスリーブの変
形または割れが発生しやすい。熱伝導率は、150kcal/m2
h ℃以上が望ましい。通常、下記の銅合金が用いられる
が、熱伝導率が上記の値以上で0.2%耐力が30kgf/mm2
上であれば、下記以外の銅合金でも良い。
【0029】 Cu-3%Co-0.15%Be-0.15%Zr ( k:200kcal/m2h ℃、σ:58kgf/mm2)、 Cu-0.3%Be ( k:250kcal/m2h ℃、σ:46kgf/mm2)、 Cu-0.2%Be-1.0%Ni-0.2%Zr-0.05%Mg ( k:210kcal/m2h ℃、σ:44kgf/mm2)、 Cu-1.0%Cr-0.2%Zr (k:300kcal/m2h ℃、σ:35kgf/mm2)。 ここで、k:熱伝導率、σ:0.2%耐力、である。
【0030】次に本発明に係る焼きバメについて説明す
る。通常、焼きバメは次のようにしておこなわれる。ス
リーブ内径がアーバ外径より焼きバメ代δだけ小さい寸
法になるように加工したスリーブを、(焼きバメ温度+
室温)よりやや高い温度に加熱し、スリーブ内径がアー
バ外径よりも数mm程度大きくなるように熱膨張させ、ア
ーバをスリーブ内に挿入する、あるいはスリーブをアー
バにはめ込む。スリーブが放冷して収縮すると、ある時
点でスリーブ内面とアーバ外面が接触し始め、スリーブ
が周方向に伸ばされ周方向の引張り応力が発生する。こ
の時のスリーブの温度と室温の差を焼きバメ温度と称す
る。スリーブがさらに冷却されて室温になった時点での
スリーブとアーバとの間に作用する半径方向応力および
スリーブの周方向引張り応力をそれぞれ面圧、焼きバメ
応力と呼ぶ。
【0031】この面圧、焼きバメ応力および焼きバメ温
度は、アーバを剛体と仮定すると、次の(1) 〜(3) 式か
ら求めることができる。
【0032】
【数3】
【0033】
【数4】
【0034】
【数5】
【0035】ここで、σt :面圧(kgf/mm2) 、σc :焼
きバメ応力(kgf/mm2) 、δ:焼きバメ代(mm)、E:スリ
ーブのヤング率(kgf/mm2) 、D:スリーブの外径(mm)、
d:スリーブの内径(mm)、L:スリーブの線膨張係数(/
℃) 、ΔT:焼きバメ温度(℃) で、面圧は、スリーブ
とアーバとの間に冷却溝等の非接触部分が存在しないと
仮定した場合の値である。
【0036】通常、スリーブ外径(=ロール外径)は60
0 〜1600mmで、スリーブ厚さが20〜70mmのロールが用い
られる。ロール外径が過小だと、スリーブの温度が高く
なり、スリーブ外表面に割れが発生したり、スリーブが
外れやすくなる。ロール外径が過大だと、スリーブの焼
きバメ施工が困難になる、ロール製作費が高くなる、設
備全体が大きくなる、等、問題がある。スリーブの厚さ
が過小だと、スリーブの強度が小さくなり焼きバメ施工
時にスリーブが変形したり焼きバメが外れやすくなる。
スリーブの厚さが過大だと、スリーブの外表面温度が高
くなり、スリーブ外表面に割れが発生したり、スリーブ
が外れやすくなる。
【0037】図4は焼きバメ代と面圧との関係を示すグ
ラフで、前記(1) 式より算出した。ただし、ヤング率E
=11800kgf/mm2、線膨張係数L=17×10-6/ ℃、スリー
ブ外径D=600 〜1600mm、およびスリーブ厚さ((外径D
−内径d)/2)=20〜70mmである。
【0038】同図から明らかなように、焼きバメ代の増
加とともに面圧は増大する。面圧は、0.7kgf/mm2以上、
好ましくは1.0kgf/mm2以上必要である。0.7kgf/mm2未満
の場合、ロールの回転やサイドダム等の耐火物との摺
動、あるいはスリーブの熱膨張による熱変形により、ス
リーブが操業中にずれ易く、サイドダムの破損や冷却剤
の漏れが発生する恐れがある。
【0039】スリーブは溶湯との接触により温度が上昇
するため、焼きバメ温度の設定が不適正だと、スリーブ
がゆるんでアーバーから外れる恐れがある。操業条件や
スリーブの肉厚等によって異なるため、一概には言えな
いが、スリーブ外表面は、溶湯との接触により250 〜40
0 ℃まで上昇し、平均温度は70〜200 ℃になる。したが
って、焼きバメ温度は操業中のスリーブの平均温度より
高く設定することが必要である。
【0040】図5は焼きバメ代とロールクラウンの関係
を示すグラフであり、軸対象二次元の熱応力解析により
求めた。ここで、ロールクラウンは、ロール軸方向の中
央部と端部の直径の差である。
【0041】同図に示すように、焼きバメ代が小さい
と、スリーブの熱変形が大きくなりロールクラウンが大
きくなる。双ロール方式においては、薄板の形状はロー
ルクラウンの影響を強く受ける。ロールクラウンが大き
いと薄板のクラウンも大きくなり、冷間圧延が困難にな
ったり、冷間圧延後の製品の形状不良が発生しやすい。
したがって、ロールクラウンを小さくするために、焼き
バメ代を大きくすることが必要である。
【0042】以上のように、面圧の確保、スリーブ外れ
の防止およびロールクラウンの低減等の観点から、焼き
バメ代は大きくすることが要求される。ここで、焼きバ
メ応力について考察する。
【0043】図6は焼きバメ代と焼きバメ応力との関係
を示すグラフであり、前記(2) 式より図4と同じ条件で
算出した。
【0044】図6に示すように、焼きバメ代の増大とと
もに焼きバメ応力も増大する。焼きバメ応力がスリーブ
の材質の0.2%耐力より大きくなると、焼きバメ後や操業
中にスリーブの割れが発生しやすい。したがって、焼き
バメ応力はスリーブの材質である銅合金の0.2%耐力を超
えないようにする必要がある。
【0045】次に、面圧およびロールクラウンの観点か
ら必要とされる焼きバメ応力を求めた。面圧が最も小さ
くなるスリーブ外径=1600mm、スリーブ厚さ=20mmの場
合、面圧σt =0.7kgf/mm2以上を確保するには、前記
(1) および(2) 式より焼きバメ代δは3.8mm 以上、焼き
バメ応力σc は28kgf/mm2 以上となる。また、図6よ
り、ロールクラウンを100 μm 以下にするための焼きバ
メ代δは、外径1400mmのロールで3.5mm 以上、外径600m
m のロールで1.5mm 以上であり、図6より、焼きバメ応
力σc は、いずれも30kgf/mm2 以上必要となる。
【0046】本発明のロールは、上記の検討に基づくも
のであり、スリーブに0.2%耐力が30kgf/mm2 より大きい
銅合金を使用し、焼きバメ応力が30kgf/mm2 以上でスリ
ーブの0.2%耐力未満となるように、スリーブをアーバに
焼きバメ固定したことを特徴とし、好適態様では、下記
の式を満足する条件でスリーブをアーバに焼きバメ固定
したことを特徴とするものである。
【0047】
【数6】
【0048】なお、上式の表記は、前記(1) 〜(3) 式と
同じ記号を用いている。
【0049】
【実施例】(実施例1)図2に示す基本構造で、表1に
示す主仕様のロールを製作した。本発明例は、スリーブ
材質として0.2%耐力が44kgf/mm2 の銅合金Aを用い、焼
きバメ代を変更した5種類のロール、比較例は、スリー
ブ材質として0.2%耐力が44kgf/mm2 の銅合金Aまたは26
kgf/mm2 の銅合金Bを用い、焼きバメ代を変更した8種
類のロールを製作した。なお、表2にそれぞれの銅合金
の特性を示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】表3に、焼きバメ後のスリーブ割れの発生
状況を、スリーブ材質および焼きバメ代ならびに前記
(1) 〜(3) 式による求めた面圧および焼きバメ応力とと
もに示す。
【0053】
【表3】
【0054】本発明例では、焼きバメ後にスリーブ割れ
等の欠陥は発生しなかった。比較例5と8では、焼きバ
メ応力σc が0.2%耐力値より大幅に大きくなり、焼きバ
メ後に、スリーブ表面に小さな割れが多数発生した。 (実施例2)焼きバメ後にスリーブ割れ等の欠陥が発生
しなかった表3に示す本発明例1〜5ならびに比較例1
〜4、6および7のロールを用い、双ロール上注ぎ式薄
板製造装置にて、ステンレスの薄板をそれぞれ15to
n製造した。表4に操業条件を示す。
【0055】
【表4】
【0056】操業中および操業後にスリーブの割れおよ
びスリーブの外れ状況を観察するとともに、鋳造した薄
板のクラウンを調査した。表5にその結果を示す。ここ
で、薄板のクラウンは、幅中央部と幅エッジから20mm内
側の部分との幅方向の厚み差で整理し、100 μm 未満を
良好、100 μm 以上を不良とした。
【0057】
【表5】
【0058】本発明例では、スリーブの割れやスリーブ
の外れ等の欠陥は発生しなかった。また、得られた薄板
のクラウンは小さく良好であり、その後、問題なく冷延
して製品にすることができた。
【0059】比較例1と6は、操業中にスリーブが外れ
て冷却剤が漏れたため操業を中断した。比較例2、4お
よび7は、スリーブのずれ、あるいはスリーブの割れが
認められた。比較例7は、得られた薄板のクラウンが大
きいため、冷間圧延の回数を増やし形状を修正した。比
較例2と3は、クラウンが大きく冷間圧延ができなかっ
た。
【0060】
【発明の効果】焼きバメ後あるいは操業中において、ス
リーブの割れや外れを防止することができ、さらに、ク
ラウンの小さい良好な形状の薄板の製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】双ロール方式による薄板の製造方法を模式的に
示す概念図である。
【図2】本発明の薄板連続鋳造用ロール(以下、本発明
のロールという)の基本構造例を示す模式図で、同図
(a)は縦断面図、同図(b)は同図(a)の線A−A
矢視部における上側1/2の横断面図、同図(c)は同
図(a)の線B−B矢視部における上側1/2の横断面
図である。
【図3】本発明のロールの別の基本構造例を示す縦断面
図である。
【図4】焼きバメ代と面圧との関係を示すグラフであ
る。
【図5】焼きバメ代とロールクラウンの関係示すグラフ
である。
【図6】焼きバメ代と焼きバメ応力との関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1、13 ロール 2、16 アーバ 3、17 スリーブ 4 冷却剤 5 冷却溝 6 出側分配流路 7 出側流路 8 入側流路 9 入側分配流路 10a 入側ヘッダ 10b 出側ヘッダ 12 溶湯 14 凝固シェル 15 薄板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属を単一のロールまたは一対のロ
    ール間に供給し薄板を連続的に製造する装置に使用す
    る、スリーブをアーバに焼きバメ固定したロールにおい
    て、スリーブの材質に0.2%耐力が30kgf/mm2 より大きい
    銅合金を使用し、焼きバメ応力を30kgf/mm2 以上、スリ
    ーブの0.2%耐力未満としたことを特徴とする薄板連続鋳
    造用ロール。
  2. 【請求項2】 下記の式を満足する条件でスリーブをア
    ーバに焼きバメ固定したことを特徴とする請求項1に記
    載の薄板連続鋳造用ロール。 【数1】 ここで、σc :焼きバメ応力(kgf/mm2) 、δ:焼きバメ
    代(直径)(mm)、σ:スリーブの0.2%耐力(kgf/mm2) 、
    E:スリーブのヤング率(kgf/mm2) 、D:スリーブの外
    径(mm)、d:スリーブの内径(mm)である。
JP32469797A 1997-11-26 1997-11-26 薄板連続鋳造用ロール Withdrawn JPH11156492A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100841774B1 (ko) 2006-12-26 2008-06-27 주식회사 포스코 쌍롤식 박판 주조기의 에지댐 제어 방법
CN103639378A (zh) * 2013-12-30 2014-03-19 青岛云路新能源科技有限公司 一种交叉冷却的结晶器

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