JPH11156463A - 割型による缶胴の張出し成形方法及びその装置 - Google Patents

割型による缶胴の張出し成形方法及びその装置

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JPH11156463A
JPH11156463A JP34086497A JP34086497A JPH11156463A JP H11156463 A JPH11156463 A JP H11156463A JP 34086497 A JP34086497 A JP 34086497A JP 34086497 A JP34086497 A JP 34086497A JP H11156463 A JPH11156463 A JP H11156463A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 張出し成形時に缶内面と割型部材の間に生じ
る摩擦力が缶高さ減少を阻害することを防止して板厚減
少を抑え、より高い加工率の張出し成形を可能とする。 【解決手段】 張出し成形時に割型ユニット40の各割
型部材41は缶の径方向に移動すると共に、缶のボトム
方向にも移動し、矢印43で示す放射斜め方向に移動す
る。これにより、缶内面と成形型面42の間に生じる摩
擦力は、矢印44で示すように缶高さ減少を助長する軸
力(圧縮力)となってクラックにつながる板厚減少を抑
え、より高い加工率の成形が可能となる。また、この圧
縮力は缶胴側壁に直接作用するため、ネッキング量の大
きい缶においてもネック部の座屈を生じる恐れがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、割型によって缶胴
の一部を張出し成形する缶胴の張出し成形方法及びそれ
を実施するための張出し成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、缶胴部に張出し成形を行う方法と
して、金型である割型ユニットを缶内に挿入して缶の径
方向へ移動させて成形を行う方法が行われている。その
ための成形装置は、外周面が成形面となっている割型部
材を放射方向に拡開可能に組立てて割型ユニットを構成
し、その中心部に拡開作動部材であるテーパーコーンを
押し込むことによって、割型部材が放射方向、即ち缶の
径方向に移動して、缶胴内面に圧接して当接個所を型面
形状に応じて膨出させることにより張出し成形を行って
いる。一般に張出し成形を行うと缶の高さは減少する。
この缶の高さの減少量は、理想的な状態として缶胴の肉
厚が減少しないと仮定すると、缶径の増大に見合う量が
缶高さの減少となる。
【0003】しかしながら、例えば図6に示すように、
割型部材55の膨出型面がまず最初に缶胴60の内面に
当るが、この部分が当接した缶胴の当接点(図ではA、
B、C)は缶の張出し成形が進んで缶高さが減少するに
応じて缶底方向に移動する。同図(c)(d)は、割型
部材55に対するA点の移動を示し、缶胴60の当接点
Aは矢印イで示す方向に移動する。従って、割型と缶内
面との間にすべりが生じることになり、この滑りに対す
る摩擦抵抗は矢印ロに示すように缶の高さ減少を阻害す
る方向に作用する。そのため、缶高さは前記理想的な量
の減少は生じないで、その分板厚の減少を生じさせる。
それがクラックの発生につながり、成形性を悪する原因
となっている。
【0004】図6の例において、例えば外径63.0m
mの缶を最大外径66.2mmまで張出し加工を行う場
合、缶側壁の板厚がまったく変化しないと仮定すると、
張出し加工による高さ減少量は2.0mmと算出され
る。このような条件において金型を径方向に移動させた
場合、この際に生じる摩擦力は側壁を上方に引っ張る力
となるので、缶のボトム側を基準とすると、缶上部A点
は金型上を約1.8mm下方へ移動するが、C点は僅か
に0.3mmしか移動ないことになり、缶底部側は特に
強い板厚減少を生じクラックが発生し易くなることが分
かる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、張出し
成形における上記現象への対策として、潤滑剤を使用し
て型面と缶胴内面との摩擦抵抗を減少させる方法、ある
いは張出し成形中に缶に軸力を付与して缶高さ減少を助
ける方法を先に提案した。しかし、温度変化などによる
缶内面と金型の摩擦係数の変動が成形性に大きな影響を
与える問題があり、これらの方法では複雑な形状や高い
加工率の張出し成形では上記原因を完全に克服するに至
っていない。特に、内面に熱可塑性樹脂等をコーティン
グ又はラミネートしてある缶胴の場合は、温度上昇によ
って摩擦係数が大きくなり、摩擦力が増大する傾向にあ
る。また、成形中に圧縮方向の軸力を付与する方法にお
いて、ネッキング後に張出し成形を行う場合には、付与
できる軸力はネック部の強度以下でなければならないと
いう制約がある。
【0006】本発明は、従来の張出し成形の上記欠点を
解決するために創案されたものであって、張出し成形時
に缶内面と割金型の間に生じる摩擦力が缶高さ減少を阻
害することを防止して、板厚減少を抑え、より高い加工
率の成形が可能とする缶の張出し成形方法及びその装置
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を本発明の割
型による缶胴の張出し成形方法は、缶胴内で割型ユニッ
トを拡開させることにより、缶胴の張出し成形を行う缶
胴の張出し成形方法において、割型部材を缶軸に対して
相対的に放射斜め方向に移動させながら拡開して、缶胴
の張出し成形を行うことによって解決することができ
た。
【0008】前記割型部材の缶軸に対して相対的に放射
斜め方向への移動は、割型部材を直接缶軸に対して放射
斜め方向へ移動させる手段のほかに、割型部材は缶径方
向へ移動し、缶胴を支持しているボトムチャックを缶胴
の張出し成形の進行に伴って缶胴フランジ側に移動させ
る手段を採用することによっても達成できる。また、上
記張出し成形中の圧縮力で缶胴が座屈する場合、又は逆
に圧縮力不足で十分な加工性が得られない場合は、前記
割型部材による軸力付与と、外部より缶胴を軸方向に圧
縮する軸力付与とを組合せることによって、さらに成形
性を向上させることができる。
【0009】上記缶胴の張出し成形方法を実施する本発
明の缶胴張出し成形装置は、外周面が成形型面となって
いる複数個の割型部材からなる割型ユニットを缶胴内で
拡開作動部材により拡開させることにより、缶胴の張出
し成形を行う缶胴の張出し成形装置において、前記割型
部材は缶軸に対して放射斜め方向に移動するようにケー
シングに保持されていることを特徴とする。
【0010】前記割型部材を缶軸に対して放射斜め方向
に移動させる手段として、例えば、前記割型部材の基端
部にフランジを形成し、該フランジを前記ケーシングの
放射方向に向かって傾斜した傾斜案内面に摺動可能に係
合させ、前記フランジをケーシングの傾斜案内面に沿っ
て移動させることにより、前記成形型面を缶軸に対して
放射斜め方向に移動させることができる。また、外部よ
り缶胴に軸方向圧縮による軸力を付与する手段として、
前記ケーシングの端部に缶胴フランジ部と係合する軸圧
付与プレートがスプリングを介して軸方向に変位可能に
取り付けられ、該スプリングのクッションによって成形
中の缶胴に軸力を付与するようにした手段を採用するこ
とができる。さらに、他の手段として、缶胴を載置して
支持する缶胴載置プレートがスプリングを介して支持さ
れ、該スプリングのクッションによって成形中の缶胴に
軸力を付与する手段、さらには、前記缶胴載置プレート
又は前記ケーシング側をカム等により、成形に応じて軸
方向に移動させて軸力を付与する手段も採用できる。
【0011】また、上記缶胴の張出し成形方法を実施す
る缶胴張出し成形装置として、前記割型部材を缶軸に対
して放射方向に移動するようにケーシングに保持し、且
つ缶胴を支持するボトムチャックを、前記割型部材の放
射方向への移動と同期して缶胴フランジ側ヘ移動させる
ボトムチャック移動手段を備えてなる構成も採用でき
る。
【0012】また、前記割型ユニットを保持するケーシ
ングを、回転する上部ターレットの外周部に等ピッチ間
隔で設け、前記拡開作動部材はターレットが回転するこ
とにより固定部に配置された割型駆動カムによって上下
駆動し、且つ張出し成形中に缶胴を支持するボトムチャ
ックユニットは前記上部ターレットと同期して回転駆動
する下部ターレットに前記ケーシングと対向して同軸的
に等ピッチ間隔で設け、該ボトムチャックユニットのリ
フター軸が固定部に配置されたボトムチャック駆動カム
によって上下駆動するように構成することによって、張
出し成形ユニットを多ヘッドに設けることができ高速成
形が可能となり望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明による缶張出し成形
方法の一実施形態の概念を示し、金型を構成する割型ユ
ニット40は複数個の割型部材41に分割され、張出し
成形時に該割型ユニット40を缶胴60内に挿入して、
拡開して割型部材41の外周面に形成した成形型面42
で押して膨出させることにより張出し成形を行なうが、
その際、各割型部材41は缶の径方向(x方向)に移動
すると共に、缶のボトム方向(y方向)にも移動、即ち
矢印43に示すように放射斜め方向に移動するよう構成
されている。これにより、缶内面と成形型面42の間に
生じる摩擦力は、矢印44で示すように缶高さ減少を助
長する軸力(圧縮力)となってクラックにつながる板厚
減少を抑え、より高い加工率の成形が可能となる。ま
た、この圧縮力は缶胴側壁に直接作用するため、ネッキ
ング量の大きい缶においてもネック部の座屈を生じる恐
れがない。なお、矢印45は割型ユニットに対するA点
の移動方向を示している。
【0014】一例として、前述した図6に示す従来の方
法による場合と同様に、図1に示すように外径63.0
mmの缶60を最大外径66.2mmまで張出し加工を
行う場合、割型部材41の径方向の移動量x=1.6m
mに対して、例えば軸方向の移動量y=2.0mmを与
えるように、割型部材を放射斜め方向に拡開させるとA
点は割型部材上を上方に移動する。また、缶胴中央部B
や下部C点も割型部材上を上方に移動するため、摩擦力
は側壁全体を圧縮する軸力として作用し、板厚減少を抑
制しながら加工を行うことができる。その場合、図1の
成形前の状態を示す(a)と成形後の状態を示す(b)
とを比較して分かるように、従来の張出し成形方法の場
合とは逆に、張出し位置A、B、Cのうち缶のボトムに
近い程、缶胴の軸方向移動量が大きくなっていることが
分かる。そのことは、張出し成形でクラックが発生し易
い底部付近の板厚減少を防ぐと共に、座屈の発生を防ぐ
効果がある。
【0015】さらに、缶と割型部材の成形型面との摩擦
係数が変化すると缶胴に作用する軸力も変化するが、本
発明の方法によれば、摩擦係数が高い場合(周方向の滑
りが阻害されクラックが生じ易い条件)では軸力が大き
くなり、逆に摩擦係数が低い場合(軸力による側壁の座
屈が発生し易い条件)では軸力は小さくなるという特徴
を持つ。これにより、温度条件や潤滑条件の変化による
成形性の悪化を防ぐことが可能となり、安定した加工を
行うことができる。
【0016】また、最終的に得ようとする形状や、缶胴
の板厚、材質等によっては、上記方法で得られる圧縮力
で缶胴が座屈する場合、逆に割型部材の放射斜め方向へ
の移動による加わる軸力だけでは圧縮不足の場合には、
上記方法と外部からの軸力付与方式とを組み合わせた方
が有効である。図2は、その場合の成形装置の一実施形
態を示す要部概略図である。図2において、46は割型
部材であり、張出し成形時に図1に示すものと同様に矢
印47で示すように放射斜め方向に移動する。48は缶
胴を支持するボトムチャックプレート、49は成形中缶
胴の先端部に係合する軸力付与プレートであり、割型部
材46を支持しているケーシング50との間にスプリン
グ51を介して支持されている。成形するとき缶胴はボ
トムチャックプレート48と軸力付与プレート49との
間にスプリング51を所定量だけクッションされた状態
で挾持して成形を開始する。従って、この状態では缶胴
60にスプリング51のクッションに対するバネ圧が圧
縮力となって作用している。
【0017】この状態で張出し成形を行うことにより、
缶胴は割型部材46によって成形面に直接圧縮力を受
け、且つスプリング51による上下端側からの圧縮力を
受けながら張出し成形が行われることになる。座屈が発
生し易い条件下においては、割型部材46の移動量yを
缶高さ減少量以下に設定すると良い。例えば、yを缶高
さ減少量の1/2以下に設定すると、割型ユニットの軸
方向への移動による圧縮力は缶胴の中央から下部のみに
作用する。このとき、缶上部の成形性はスプリング51
により付与される軸力によって与えられる。割型部材に
よる軸力を付与しないで、バネ圧等による外部からの軸
力のみを与えた場合は、凹凸が連続するような形状では
成形の進行に伴って割型ユニットとの接触面積が増加す
ると固定側には軸力が作用し難くなる。この点、本発明
による場合は、缶のボトム側は割型ユニットの移動によ
る軸力、缶上部側は外部からの軸力が作用するので、座
屈し易い缶であっても高い加工率の成形が可能となる。
【0018】
【実施例】図3〜図5は本発明に係る缶胴張出し成形装
置の一実施例を示している。本実施例の缶胴張出し成形
装置は、上部ターレット1に支持された割型駆動ユニッ
ト2と、下部ターレット3(図4)に前記割型駆動ユニ
ットに対向して同軸的に支持されたボトムチャックユニ
ット5とからなり、一対の割型駆動ユニット2とボトム
チャックユニットで1成形ヘッドを構成し、該成形ヘッ
ドが上部ターレット1及び下部ターレット3に等ピッチ
で複数個配置されている(図では、1ヘッドのみ示され
ている)。割型駆動ユニット2は、上部ターレット1に
固定された円筒部材6の下端に固定されたケーシング1
1、該ケーシングに拡開及び軸方向に変位可能に組立支
持された割型部材10からなる割型ユニット7、該割型
ユニット7のテーパー状の中央空間部に押し込み可能に
変位するように設けられたテーパーコーン部9を有する
拡開作動部材8とからなっている。
【0019】各割型部材10は、拡開可能に円筒状に組
立られ、外周部が缶胴の成形型面12をなし、内周部が
中央部にテーパーコーン部9が圧入できる軸方向の空間
部13を形成すべく、テーパーコーン部のテーパー傾斜
角と同じ傾斜のテーパー内周面14となっている。そし
て、その上端部にはフランジ15が形成され、該フラン
ジの上下両側に、ケーシング11に形成された平行な傾
斜案内面16、17に沿って摺動する同角度の傾斜面を
有する摺動片18、19が固定されている。傾斜案内面
16、17の角度(以下、該角度を割型部材送り角θと
称する)によって割型ユニットが拡開するに際して、割
型部材の軸方向の変位量が規定されるので、張出し成形
度(加工率)に応じて最適な軸方向変位を得るように、
所望の角度に選定される。なお、20は割型部材を常に
閉じる方向に付勢しているスプリングであり、フランジ
端部とケーシング内周面との間に、前記傾斜案内面とほ
ぼ同角度に傾斜して設けられている。
【0020】21は、外部軸力付与機構を構成するため
に、ケーシング11の下端部の凹部空間内に設けられた
環状の軸圧付与プレートであり、成形する缶の上端(フ
ランジ)が当接するフランジ係合部22を有し、所定の
バネ圧を有するスプリング23によって図において下方
方向に付勢され、その下端縁が凹部空間に突出している
支持凸条24に係合することによって下方位置が規制さ
れている。なお、本実施例では、割型部材を放射斜め方
向に変位させると共に、外部より所定の軸力を付加しな
がら張出し成形を行うことができるように、外部軸力付
与機構を設けたが、外部より軸力を付与する必要がない
場合は、外部軸力付与機構は省いて良い。また、上記例
ではフランジに別体の摺動片を固定してあるが、フラン
ジ自体が直接傾斜案内面16、17摺動するように、傾
斜形状に形成しても良い。
【0021】拡開作動部材8のステム25は上部ターレ
ットの円筒部材6を貫通して上方に突出して、その上端
部には装置本体の固定部に設けられた割型駆動カム27
に嵌合するカムフォロワー26が設けられ、ターレット
が回転することによって、割型駆動カム27により拡開
作動部材8が上下動するようになっている。
【0022】ボトムチャックユニット5は、図4に示す
ように、下部ターレット3の円筒部材30を上下動自在
に貫通しているボトムチャック軸31を有し、該ボトム
チャック軸31の頂部には缶を載置するボトムチャック
プレート32が固定され、下端部にはボトムチャック駆
動カム33に係合するカムフォロワ34が設けられてい
る。ボトムチャック駆動カム33は装置本体の固定部に
固定され、ターレットが回転することによって、カム山
の高さに応じてボトムチャック軸31が上下駆動され
る。ボトムチャックプレート32にはバキューム孔35
が形成され、ボトムチャック軸31に形成されたバキュ
ーム路36を介して図示しないバキューム源に連結さ
れ、ボトムチャックプレートに載置された缶を容易に動
かないように吸引保持する。
【0023】本実施例の張出し成形装置は以上のように
構成され、次のようにして張出し成形を行う。図示しな
い缶胴供給ターレットによりボトムチャックプレート3
2上に缶胴が供給されるとバキュームにより缶底部を吸
引して保持し、ターレットの回転により次第にボトムチ
ャックプレートが上昇することによって、図3、図5に
示すように、上方に位置している割型部材10が缶胴内
に入り込み、且つ缶胴のフランジが軸圧付与プレート2
1に当り、所定量クッションさせた状態に保持される。
この状態で、缶胴にはスプリング23のクッションによ
る軸圧が付与されることになる。この状態を保持してタ
ーレットが回転を続けることにより、割型駆動カム27
により次第に拡開作動部材が割型の中央空間部に押し込
まれ、そのテーパー面で割型部材10を拡開する。それ
により、その際各割型部材は、ケーシングの傾斜案内面
16、17と摺動片18、19との摺動案内により、所
定の割型部材送り角θで放射斜め方向に変位しながら、
成形型面12が缶胴内周面に当り、前記した作用により
缶胴の張出し成形を行う。
【0024】前記スプリング23は、張出し成形によっ
て缶高さが減少する寸法と同じ寸法だけクッションする
ように、そのバネ圧を調整することによって、缶胴は張
出し成形開始時には所定の荷重で加圧されて軸力が作用
するが、張出し成形の進行に伴って缶胴が膨出して缶高
が減少すると、それに応じてバネ圧が低下するので次第
に缶胴に作用する軸力は減少し、張出し加工が完了した
時点では、所定以下又は略無荷重状態となる。
【0025】以上、本発明の実施例について説明したが
本発明は上記実施例に限るものでなく、種々の設計変更
が可能である。例えば割型ユニットが斜めに移動しなが
ら拡開する拡開手段として、テーパーコーン、及びフラ
ンジとケーシング傾斜面との係合に限らず、例えば電磁
式とカムを組合せる等種々の手段を採用することができ
る。また、上記実施例では、割型ユニットを放射方向斜
めに移動して張出し成形を行ったが、前記割型部材は缶
軸に対して放射方向に移動するようにケーシングに保持
し、缶胴を支持するボトムチャックを、前記割型部材の
放射方向への移動と同期して缶胴フランジ側ヘ移動させ
るボトムチャック移動手段を備えることにより、張出し
成形中に割型が放射方向斜めに移動する上記実施例の場
合と同様な効果が得られる。その場合、ボトムチャック
移動手段として、例えば前記実施例における缶軸方向へ
の割型移動量と同量ボトムチャックが移動するように、
ボトムチャック駆動カム33のカム形状を設計すること
により、容易に得ることができる。この場合の特徴とし
て、例えば軸方向の移動量=缶高さ減少量としたときに
はスプリングによる軸力は成形中一定の荷重となる。
【0026】
【実験例】本発明に係る張出し成形方法の効果を確認す
るために、上記実施例装置により次のように条件を変え
て張出し成形を行って、成形結果の良品の割合を調べ
た。また、比較のために従来の方法及び装置により同種
の供試缶にも張出し成形を行って観察した。その結果を
表1に示す。 供試缶 材質 :スチール 製缶法 :絞り・しごき加工 缶胴板厚 :0.100mm ネック部板厚 :0.140mm その他 :ネッキング後に張出し加工
【0027】
【表1】 なお、軸力はすべて約200kgf
【0028】以上の実験結果から明らかなように、割型
部材を径方向にのみ移動させて張出し成形を行う従来例
の場合は、外部軸力を付与すると、張出し率3.5%ま
では不良品を発生させずに、張出し成形ができたが、従
来例5に示すように、張出し率4.0%の張出し成形を
行うと、良品の割合は僅かに20%でしかなかった。こ
れに対し、本発明の方法では、割型部材送り角度30°
の場合、張出し率4.0%までは不良品は全く発生せ
ず、4.5%となると良品の割合は50%であった(実
施例2)。そして割型部材送り角度を50°にすると、
張出し率5.0%まで不良品を全く発生させることな
く、張出し成形ができた。この実験により、本発明の方
法が従来と比べて特段に優れていることが確認された。
【0029】
【発明の効果】以上のように、本発明の張出し成形方法
及び装置によれば、張出し成形時に缶内面と割型部材の
間に生じる摩擦力は、缶高さ減少を助長する圧縮力とな
ってクラックにつながる板厚減少を抑え、より高い加工
率の成形が可能となる。また、この圧縮力は缶胴側壁に
直接作用するため、ネッキング量の大きい缶においても
ネツク部に座屈を生じることはない。また、本発明の張
出し成形装置は、割型部材を拡開作動中に斜め方向に移
動するように案内部材を設けるだけ、又は割型部材は従
来と同様に缶胴径方向に移動し、缶胴支持するボトムチ
ャックプレートを適当なカム手段等で缶胴軸方向に移動
させるだけで達成できるから、複雑な構造を必要とする
ことなく、容易に得ることができる。
【0030】さらに、外部よりさらに軸方向の圧縮力付
を付与する圧縮力付与手段を設けて、前記割型部材によ
る軸力付与と、外部より缶胴を軸方向に圧縮する軸力付
与とを組合せることによって、さらに成形性を向上させ
ることができる。例えば、割型部材の軸方向への移動量
と、外部より缶胴に軸方向圧縮による軸力を、成形条件
に応じて任意に設定することによって、より複雑な形状
や座屈を発生し易い缶の良好な張出し成形が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る缶胴の張出し成形方法
の概念図であり、(a)は張出し成形開始の状態、
(b)は張出し成形終了後の状態を示し、(c)(d)
は(a)(b)における作用説明図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係る缶胴の張出し成形
方法の概念図であり、(a)は張出し成形開始の状態、
(b)は張出し成形終了後の状態を示している。
【図3】本発明の実施例に係る缶胴張出し成形装置の要
部断面図である。
【図4】本発明の実施例に係る缶胴張出し成形装置のボ
トムチャックユニット部の断面図である。
【図5】図3の要部拡大図である。
【図6】従来の缶胴の張出し成形方法の概念図であり、
(a)は張出し成形開始の状態、(b)は張出し成形終
了後の状態を示し、(c)(d)は(a)(b)におけ
る作用説明図である。
【符号の説明】
1 上部ターレット 2 割型駆動ユニ
ット 3 下部ターレット 5 ボトムチャッ
クユニット 7、40 割型ユニット 8 拡開作動部材 10、41、46 割型部材 11 ケーシング 12、42 成形型面 15 フランジ 16、17 傾斜案内面 18、19 摺動
片 21、49 軸圧付与プレート 23、51 スプ
リング 27 割型駆動カム 31 ボトムチャ
ック軸 32 ボトムチャックプレート 33 ボトムチャ
ック駆動カム

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 缶胴内で割型ユニットを拡開させること
    により、缶胴の張出し成形を行う缶胴の張出し成形方法
    において、割型部材を缶軸に対して相対的に放射斜め方
    向に移動させながら拡開して、缶胴の張出し成形を行う
    ことを特徴とする割型による缶胴の張出し成形方法。
  2. 【請求項2】 前記割型部材の缶軸に対して相対的に放
    射斜め方向への移動は、前記割型部材は缶径方向へ移動
    し、缶胴の張出し成形の進行に伴って缶胴を支持してい
    るボトムチャックが缶胴フランジ側に移動することによ
    り行われる請求項1記載の缶胴の張出し成形方法。
  3. 【請求項3】 外部より缶胴に軸方向圧縮による軸力を
    付与した状態で、缶胴の張出し成形を行う請求項1又は
    2記載の缶胴の張出し成形方法。
  4. 【請求項4】 外周面が成形型面となっている複数個の
    割型部材からなる割型ユニットを缶胴内で拡開作動部材
    により拡開させることにより、缶胴の張出し成形を行う
    缶胴の張出し成形装置において、前記割型部材は缶軸に
    対して放射斜め方向に移動するようにケーシングに保持
    されていることを特徴とする缶胴張出し成形装置。
  5. 【請求項5】 前記割型部材は基端部にフランジを有
    し、該フランジが前記ケーシングに形成された放射斜め
    方向に傾斜した傾斜案内面に沿って摺動可能に係合して
    いる請求項4記載の缶胴張出し成形装置。
  6. 【請求項6】 前記缶胴張出し成形装置が、成形する缶
    胴に外部より軸方向の圧縮力付を付与する圧縮力付与手
    段を有するものである請求項4又は5記載の缶胴張出し
    成形装置。
  7. 【請求項7】 外周面が成形型面となっている複数個の
    割型部材からなる割型ユニットを缶胴内で拡開作動部材
    により拡開させることにより、缶胴の張出し成形を行う
    缶胴の張出し成形装置において、前記割型部材は缶軸に
    対して放射方向に移動するようにケーシングに保持さ
    れ、且つ缶胴を支持するボトムチャックを、前記割型部
    材の放射方向への移動と同期して缶胴フランジ側ヘ移動
    させるボトムチャック移動手段を備えてなることを特徴
    とする缶胴張出し成形装置。
  8. 【請求項8】 前記割型ユニットを保持するケーシング
    は、回転する上部ターレットの外周部に等ピッチ間隔で
    設けられ、前記拡開作動部材は固定部に配置された割型
    駆動カムによって上下駆動され、且つ張出し成形中に缶
    胴を支持するボトムチャックユニットが前記上部ターレ
    ットと同期して回転する下部ターレットに前記ケーシン
    グと対向して同軸的に等ピッチ間隔で設けられ、該ボト
    ムチャックユニットのリフター軸が固定部に配置された
    ボトムチャック駆動カムによって上下駆動されるように
    した請求項3〜7何れか記載の缶胴張出し成形装置。
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