JPH11156402A - 圧延加工装置および火炉外壁の構築方法 - Google Patents

圧延加工装置および火炉外壁の構築方法

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JPH11156402A
JPH11156402A JP33793097A JP33793097A JPH11156402A JP H11156402 A JPH11156402 A JP H11156402A JP 33793097 A JP33793097 A JP 33793097A JP 33793097 A JP33793097 A JP 33793097A JP H11156402 A JPH11156402 A JP H11156402A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧延加工装置および同装置を用いた火炉外壁
の構築方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 圧延加工機には、平鋼を挟み込む一対の
圧延ロール12と、当該圧延ロール12間の間隔を変動
させるシリンダ類と、送り量検出ローラ28と、デジタ
ルゲージ30とが設けられ、これらは制御手段に接続さ
れている。当該制御手段は、火炉外壁面に生じた傾斜方
向分割部の隙間の形状を、数値データとして取り込み可
能となっており、この数値データをもとに傾斜方向分割
部の隙間の形状に対応した平鋼14の製作を可能にして
いる。また圧延加工の際、送り量検出ローラ28やデジ
タルゲージ30からの値から、一対の圧延ロール12間
に回転速度差を与え平鋼14の直進度を補正したり、積
極的に曲げ加工を行うことが可能となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスパイラルチューブ
モジュール同士を突き合わせる際モジュール間に生じる
隙間の幅埋めをおこなう平鋼を形成するための圧延加工
装置、および同装置を用い火力発電所ボイラ等における
火炉の外壁を構成するスパイラルチューブ壁の構築方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は火力発電所の火炉外壁面の状態を
表す説明図である。同図に示すように火炉外壁面1は多
管構造とされ、ボイラの種類によっては熱効率向上の目
的で、炉壁チューブ2がスパイラル状になっており、チ
ューブ相互はメンブレンバーと呼ばれる平鋼3によって
幅埋めされている。このようなスパイラルチューブ壁は
現地での直接構築が困難であるため、通常、鉛直方向に
4〜6分割、スパイラル傾斜方向に10分割した状態
で、予め工場にてモジュール製作し、これを現地に搬入
してモジュール同士を溶接接合することによって火炉外
壁面1を構築している。各モジュールの傾斜方向の縁は
チューブ2となっており、現地では各モジュールのチュ
ーブ2同士の隙間を平鋼3で幅埋めして一体の炉壁とし
ている。このチューブ2同士の隙間は長さ10〜30
m、幅寸法に関しては、設計図面上では、モジュールの
メンブレンバーと同一(17mm程度)であるが、現物
は製缶公差のため10〜20mmの範囲となっており、
しかも同一隙間であっても広がったり狭まったりして一
定でないことが多い。
【0003】ところで、分割モジュールの現地組立てに
際し、スパイラルチューブ同士の隙間に幅埋めされる平
鋼3は、予め設計された図面仕様に準拠したチューブ2
間の隙間幅(10〜20mm程度)に合わせて加工され
た幅方向縁部両端開先加工済みのものが用いられ、これ
をモジュール上段から順次下方に向けて幅埋めされる。
このような作業では、平鋼幅埋め溶接作業前の段取りと
して、平鋼3のサイズを実際の隙間に適応させるには現
物合わせ加工作業を必要としている。この作業は、図面
仕様に準拠し製作された数種の幅サイズの素材の中から
幅埋めされる隙間幅に適当なものを選び、作業性が良い
ように300〜1500mm程度の長さ毎に、平鋼表面
に現物隙間に合わせて目視でケガキ針、あるいは油性ペ
ンを用いてケガキを入れ、手持ち電動サンダーによって
摺り加工し、現物合わせと摺り加工を繰り返して、隙間
に平鋼3が一致するまで行っている。しかし、このよう
な摺り加工量は最大3mmにも達し、しかも長さ方向で
うねった形状等もあって一様ではなく、更に、このよう
な平鋼3の加工は、ボイラの規模によっても異なるが、
加工総延長700〜1000m程度の物量があり、多数
の作業従事者と多くの作業時間(10〜30分/1m)程
度が必要となっていた。
【0004】そして前述の作業は、高所及び閉所での繰
り返し作業のため、合理化が強く望まれていた。すなわ
ち組立て現場で隙間を計測しつつ直接加工することがで
きれば、上述した問題を解決することができ作業の合理
化を達成できる。このため隙間形状を隙間計測装置によ
って計測し、デジタルデータとしてフロッビーディスク
等の記憶媒体に記録し、さらにその記憶媒体に記録され
たデジタルデータを基に、現場内に設置した加工装置に
よってNC加工を行うことが考えられた。
【0005】このような方法では、隙間部分に急激な凹
凸が存在しても、その凹凸形状に倣って平鋼3を加工で
きる。このためスパイラルチューブ壁鉛直方向分割部5
のようにスパンが比較的短く(100〜500mm)か
つチューブの突合せ溶接が存在する部分に適用すれば、
多数の作業従事者と多くの作業時間を必要とせずとも平
鋼3の製作をおこなうことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし傾斜方向分割部
4に用いられる長い平鋼3(500〜1500mm)に
上述のNC加工装置(切削方式)を適用しようとする
と、以下の点で問題が生じる。
【0007】第1の問題点は、切削加工においては平鋼
3(ワーク)を強く把持する必要があるため平鋼3(ワ
ーク)の把持手段長さは1500mm程度となってい
る。ここで加工装置は切削カッタあるいは把持手段を平
鋼3(ワーク)の長手方向に移動させる必要があるた
め、該加工装置は大型となり現場内に持ち込む加工装置
として好ましくなかった。
【0008】第2の問題点は、切削方式では平鋼幅方向
縁部両面それぞれについて加工を行う必要がある。この
ため縁部を切除した分再度開先を取り直す必要があり、
材料取りが悪化するという点である。
【0009】第3の問題点は、切削方式で加工した場
合、多くの加工時間(10〜15分/1m)を必要とす
るので作業効率が低下するという点である。第4の問題
点は、切削加工であることから粉塵が発生するので、作
業現場の環境が悪化するという点である。
【0010】本発明は上記従来の問題点に着目し、小型
・軽量であるとともに加工時間が短く、また材料取りの
効率が良く粉塵発生のない圧延加工装置および同装置を
用いた火炉外壁の構築方法を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、傾斜方向分割
部に用いられる長い平鋼を製作するのにあたり、切削方
式の代わりに圧延方式を用いれば、加工装置の小型軽量
化や加工時の粉塵の発生を防止することができるという
知見に基づいてなされたものである。
【0012】すなわち本発明に係る圧延加工装置は、隙
間の幅埋めをなす平鋼の加工装置であって、前記平鋼を
幅方向に挟み込む一対の圧延ロールと、前記隙間の形状
を示す数値データに対応して前記圧延ロール同士の間隔
と回転速度差とを可変にする制御手段とを備えるように
構成した。
【0013】そして具体的な用途としては、スパイラル
チューブモジュールを並べ火力ボイラの火炉外壁を構築
する際、前記スパイラルチューブモジュール間に生じる
隙間を幅埋めする平鋼の加工装置であって、前記平鋼を
幅方向に挟み込む一対の圧延ロールと、前記隙間の形状
を示す数値データに対応して前記圧延ロール同士の間隔
と回転速度差とを可変にする制御手段とを備えるように
構成した。ここで前記圧延ロール通過後の前記平鋼に
は、送り量検出ローラを接触させるとともに、この送り
量検出ローラからの値を前記制御手段に送り込み可能に
するのが望ましい。
【0014】また本発明に係る火炉外壁の構築方法は、
スパイラルチューブモジュールを並べるとともに、前記
スパイラルチューブモジュール間に生じる隙間に平鋼を
幅埋めし、火力ボイラの火炉外壁を構築する火炉外壁の
構築方法であって、前記隙間形状を数値データとして記
録し、この数値データをもとに制御手段にて一対の圧延
ローラを回転させ前記平鋼を前記隙間形状に合わせて圧
延したのち、この平鋼を前記隙間に幅埋めする手順とし
た。
【0015】
【作用】上記構成によれば、あらかじめ幅埋めする隙間
の形状を数値データとして記録させておく。そして制御
手段にこの数値データを読み込ませ、圧延加工後の形状
が形成されるように圧延ロール間の距離を設定する。こ
こで圧延加工中に平鋼に反り等が発生し当該平鋼の直進
性が悪化しても、左右の圧延ローラの回転速度に差を持
たせ平鋼の直進性を保つことができる。また左右の圧延
ローラの回転速度に積極的に差を持たせることで、平鋼
に円弧部を形成することもできる。さらに本圧延につい
ては隙間形状に平鋼圧延後形状を一致させ、幅埋めする
ことが可能であればよい。このため圧延による平鋼の厚
み方向の寸法変化については許容する。
【0016】ところで火力発電所ボイラ等における火炉
の外壁を構成するスパイラルチューブ壁の傾斜方向分割
部の隙間は、鉛直方向分割部にみられるようなチューブ
継ぎ合わせ部の溶接肉盛はない。よって局所的な変形は
なく、隙間形状はテーパ状あるいは鼓状のなだらかな変
形で、しかも加工後の幅寸法さえ合致していれば叩き込
むことで幅埋めすることができる。
【0017】すなわちスパイラルチューブモジュール間
に生じる隙間の形状を現場にてあらかじめ計測してお
く。そして計測が終了した後には、隙間の形状を表示す
る数値データを制御手段に読み込ませる。ここでスパイ
ラルチューブモジュールの積み重ねにより、当該スパイ
ラルチューブモジュールにはたわみが発生しており、隙
間形状は同一のものはなく、各種多様な形状となってい
る。
【0018】そして制御手段に数値データを読み込ませ
た後は、平鋼を挟み込む一対のローラを回転させ平鋼の
圧延を開始する。ここで圧延ローラは、制御手段からの
信号を受け圧延ローラ同士の圧延間隔の量を変動させた
り、あるいは圧延ローラ間の回転速度を変動させる。こ
のような圧延ローラの変動によって当該圧延ローラを通
過した平鋼には、隙間形状に倣うテーパあるいは鼓状の
なだらかな形状が形成される。そして圧延ローラを通過
した平鋼を対象となる隙間に幅埋めし、その後平鋼両端
を溶接すれば、火力ボイラの火炉外壁を構築することが
できる。
【0019】なお圧延ロール通過後の平鋼には、送り量
検出ローラを接触させるとともに、この送り量検出ロー
ラからの値を制御手段に送り込み可能にすれば、圧延後
の平鋼長さを正確に検知することができる。このため圧
延ローラ同士の距離および回転速度の変動を適時なすこ
とが可能となり、もって圧延ローラ通過後の平鋼の形状
を隙間により近似させることができる。
【0020】また圧延においては、ワーク中心線に対し
常に左右均等(線対称)に加工される。したがって通常
への字のような非線対称形状の加工を行うことは難し
い。しかし圧延ローラの出口での直進性に応じて、一対
の圧延ロールそれぞれの回転速度を積極的に変化させれ
ば、ワークの直進性の保持を行うことができる。さらに
積極的にワークの直進性を変化させることで、非線対称
形状のワークの加工も行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る圧延加工装置
および火炉外壁の構築方法について好適な具体的実施の
形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0022】図1は圧延加工機における圧延ローラ周囲
の斜視図を示し、図2は同圧延ローラ周囲の平面図およ
び圧延ローラの側面図を示し、図3は圧延加工機10の
構成図を示す。これらの図に示すように本発明に係る圧
延加工機10では一対の圧延ローラ12が設けられてお
り、当該圧延ローラ12にて加工対象となる平鋼14を
挟み込み、これを送り出すことで平鋼14の圧延を可能
にしている。
【0023】圧延ローラ12は、平鋼14に対して十分
な厚みを持ったドラム形状となっており、その厚み方向
中央部分には、平鋼14を取り込むとともに当該平鋼1
4の圧延をなす溝部16が設けられている。ここで当該
溝部16の幅寸法は平鋼14の厚み形状に対し約10%
幅広に設定されており、圧延後の平鋼14の断面形状が
鼓状に変形するのを防止している。また当該溝部16の
最奥部分はV字形状となっており、平鋼14が圧延ロー
ラ12を通過すると平鋼14の幅方向両端が溝部16の
最奥形状に倣い、先細り形状になるようにしている。と
ころで圧延ローラ12に挟み込まれる平鋼14にも、あ
らかじめその幅方向両側に圧延ローラ12の最奥部形状
に倣う先細り形状が形成されている。本実施の形態では
平鋼14の断面六角形状を丸棒からの引き抜きによって
製作しているが、矩形断面形状の平鋼を断面六角形状に
切削加工したり、あるいは矩形断面形状の平鋼をそのま
ま適用するようにしてもよい。
【0024】一対の圧延ローラ12における回転中心に
は、インバータモータ18の軸心が取り付けられてお
り、これら一対のインバータモータ18を独立して動作
させることで圧延ローラ12間の回転速度差を発生可能
にしている。またこれら一対のインバータモータ18
は、平鋼14の幅方向に沿って移動可能としている。す
なわち一対のインバータモータ18には、それぞれねじ
駆動油圧シリンダ20と油圧シリンダポンプ駆動用サー
ボモータ21とが接続され、これらを駆動させることに
より一対のインバータモータ18同士を連結するように
設けられたガイドシャフト22に沿ってインバータモー
タ18を移動可能にしている。また圧延加工機10の外
枠24にはガイドシャフト22の軸心方向に沿って移動
量検知用ダイヤルゲージ26が設けられており、ガイド
シャフト22に沿って移動するインバータモータ18の
移動量を正確に検知できるようになっている。
【0025】また圧延ローラ12における平鋼14の送
り出し側には、圧延後の平鋼14の長さを計測する送り
量検出ローラ28と、圧延後の平鋼14の反りや直進度
を検出するデジタルゲージ30とが設けられる。
【0026】送り量検出ローラ28は、平鋼14を厚み
方向に挟み込み可能となるよう一対設けられており、こ
れを平鋼14に接触させることでローラの転動がなされ
るようにしている。そして送り量検出ローラ28の軸心
には、当該送り量検出ローラ28の転動量を計測するロ
ータリーエンコーダ(図示せず)が設けられており、圧
延ローラ12同士の間隔が変動し、それに伴い平鋼14
の伸び率が変動しても圧延後の正確な長さ(移動量)を
計測できるようになっている。
【0027】また圧延後の平鋼14の反りや直進度を検
出するデジタルゲージ30は、平鋼14を幅方向から挟
み込むように2組設けられている。デジタルゲージ30
は、そのゲージ先端に平鋼14接触用の倣いローラ32
が設けられており平鋼14表面に転接が可能になってい
るとともに、平鋼14に反り等が発生し直進度に変化が
あると、ゲージの伸縮度合いが変化し、それによって圧
延後の平鋼14の直進度が計測できるようになってい
る。また平鋼14の長手方向に平鋼14を挟み込む2組
のデジタルゲージ30を設けてあることから、ゲージ3
0の値を和差演算し平鋼14の長手方向中心軸の曲率を
得て、この値を基にロール速度を調整するようになって
いる。
【0028】またこうした圧延加工機10には、平鋼1
4の圧延形状を決定する数値データを読み込み、当該数
値データに対応してモータ類の回転等を制御をおこなう
制御手段27が設けられている。そしてこの制御手段2
7には上述したゲージ類からの測定値を読み込み可能と
なっており、測定された値に応じてモータ類のフィード
バック制御ができるようになっている。なお制御手段2
7には調達の容易さやコスト的な面よりパーソナルコン
ピュータなどを用いるようにしてもよい。
【0029】圧延ローラ12と送り量検出ローラ28と
の間には圧延加工の開始位置を明示させるためのポンチ
44が設けられている。これは圧延加工直後の平鋼14
の表面に押し付け可能となっており、平鋼14の表面に
打痕を形成可能にしている。このため圧延加工終了後
は、この打痕を基準に圧延加工後の平鋼14を切り出せ
ばよい。
【0030】このように構成された圧延加工機10を用
いて、火力発電所ボイラ等における火炉の外壁を構成す
る手順を説明する。火力発電所の火炉外壁面は多管構造
とされ、ボイラの種類によっては熱効率向上の目的で、
炉壁チューブがスパイラル状になっており、チューブ相
互は平鋼によって幅埋めされている。このようなスパイ
ラルチューブ壁は現地での直接構築が困難であるため、
通常、鉛直方向に4〜6分割、スパイラル傾斜方向に1
0分割した状態で、予め工場にてモジュール製作し、こ
れを現地に搬入してモジュール同士を溶接接合すること
によって火炉外壁面を構築している。各モジュールの傾
斜方向の縁はチューブになっており、現地では各モジュ
ールのチューブ同士の隙間を平鋼で幅埋めして一体の炉
壁となる。
【0031】図4は各モジュールのチューブ同士におけ
る傾斜方向分割部の隙間を示す説明図である。同図に示
すように傾斜方向分割部の隙間34は、鉛直方向分割部
の隙間36にみられるようなチューブ継ぎ合わせ部の溶
接肉盛38はない。この傾斜方向分割部の隙間34の形
状を、最初に計測治具40あるいは人手にて計測する。
【0032】傾斜方向分割部の隙間34の数値データ
は、チューブ42の長手方向距離と、この長手方向に対
するチューブ42間の間隔とで構成される。そしてこれ
らの数値データはパーソナルコンピューター等に取り込
まれ、フロッピーディスク(以下FDと称す)等の記録
媒体に保存される。このように傾斜方向分割部の隙間3
4の数値データはFD等に次々と記録されていくことか
ら当該数値データの保持および管理が容易になる。
【0033】火炉外壁面における傾斜方向分割部の隙間
34の計測が終了した後は、傾斜方向分割部の隙間34
の形状に倣う平鋼14の製作を行う。当該平鋼14の製
作にあたり、まず数値データが記録されたFDを制御手
段27へと挿入し、当該制御手段27にFDに記録され
た数値データを読み込ませる。そして制御手段27に数
値データを読み込ませた後は、ポンチ44で平鋼14の
表面に打痕を付けるとともに圧延加工機10を稼働さ
せ、圧延ローラ12に挟まれた平鋼14を送り量検出ロ
ーラ28側に送り込ませる。ここで送り量検出ローラ2
8にはロータリーエンコーダが取り付けられていること
から、送り量検出ローラ28の転動速度すなわち圧延後
の平鋼14の移動速度を検知することができる。このた
め制御手段27は、送り量検出ローラ28の転動速度を
受けて圧延加工に最適な速度をインバータモータ18に
指示することができる。
【0034】また平鋼14の幅方向両端には2組のデジ
タルゲージ30が設けられていることから平鋼14に反
り等が発生し、当該平鋼14の直進度が変化すると合計
4つのデジタルゲージ30の値が変動する。ここで制御
手段27はこれらデジタルゲージ30の値を和差演算し
平鋼14の長手方向中心軸の曲率を得るようになってい
る。そしてこの値(曲率値)をもとに左右のインバータ
モータ18の回転速度を変動させ(例えば右曲りの場
合、右側圧延ローラの回転速度を上げ、左側圧延ローラ
の回転速度を下げる)平鋼14の直進性を確保するよう
にしている。また一対の圧延ローラ12に回転速度差を
持たせることで、曲がりのある加工を積極的に行うこと
も可能になっている。
【0035】ところで加工を行う際には、平鋼14を送
り量検出ローラ28やデジタルゲージ30にかかるよう
にある程度出口側に突き出した状態でセットする必要が
ある。このため圧延加工後、先端からポンチ44の打痕
の位置までは(120mm程度)端材として拾てること
となる。しかし、圧延加工においては、平鋼14は長手
方向に延びるため、材料歩留まりは低下することがな
く、平鋼14を有効に使用することができる。
【0036】そして圧延加工機10を通り抜けた平鋼1
4は、個々の傾斜方向分割部の隙間34に対応するよう
に個別の形態となっている(図5参照)。そしてこれら
の平鋼14を隙間34に押し込み、その両面側より溶接
を施せばよい。このように傾斜方向分割部の隙間34を
幅埋めする平鋼14を圧延加工にて製作したことから、
粉塵等が発生せず快適な作業環境を保つことが可能にな
る。また一対の圧延ローラ12で平鋼14の圧延をなす
ことから、圧延加工機10の小型・軽量化を達成するこ
とができる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ス
パイラルチューブモジュールを並べるとともに、前記ス
パイラルチューブモジュール間に生じる隙間に平鋼を幅
埋めし、火力ボイラの火炉外壁を構築する火炉外壁の構
築方法であって、前記隙間形状を数値データとして記録
し、この数値データをもとに制御手段にて一対の圧延ロ
ーラを回転させ前記平鋼を前記隙間形状に合わせて圧延
したのち、この平鋼を前記隙間に幅埋めしたことから、
平鋼の加工時間の短縮、材料取りの効率化が図れるとと
もに粉塵の発生を防止することができる。また圧延加工
においては平鋼(ワーク)を強く把持する必要が無いの
で、圧延加工装置の小型・軽量化を図ることができ、作
業現場での使い勝手が良好になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧延加工機における圧延ローラ周囲の斜視図を
示す。
【図2】圧延ローラ周囲の平面図および圧延ローラの側
面図を示す。
【図3】圧延加工機10の構成図を示す。
【図4】各モジュールのチューブ同士における傾斜方向
分割部の隙間を示す説明図である。
【図5】圧延加工機10を通り抜けた平鋼14の形態を
示す説明図である。
【図6】火力発電所の火炉外壁面の状態を表す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 火炉外壁面 2 炉壁チューブ 3 平鋼 4 傾斜方向分割部 5 鉛直方向分割部 10 圧延加工機 12 圧延ローラ 14 平鋼 16 溝部 18 インバータモータ 20 ねじ駆動油圧シリンダ 21 油圧シリンダポンプ駆動用サーボモータ 22 ガイドシャフト 24 外枠 26 移動量検知用ダイヤルゲージ 27 制御手段 28 送り量検出ローラ 30 デジタルゲージ 32 倣いローラ 34 傾斜方向分割部の隙間 36 鉛直方向分割部の隙間 38 肉盛溶接 40 計測治具 42 チューブ 44 ポンチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隙間の幅埋めをなす平鋼の加工装置であ
    って、前記平鋼を幅方向に挟み込む一対の圧延ロール
    と、前記隙間の形状を示す数値データに対応して前記圧
    延ロール同士の間隔と回転速度差とを可変にする制御手
    段とを備えたことを特徴とする圧延加工装置。
  2. 【請求項2】 スパイラルチューブモジュールを並べ火
    力ボイラの火炉外壁を構築する際、前記スパイラルチュ
    ーブモジュール間に生じる隙間を幅埋めする平鋼の加工
    装置であって、前記平鋼を幅方向に挟み込む一対の圧延
    ロールと、前記隙間の形状を示す数値データに対応して
    前記圧延ロール同士の間隔と回転速度差とを可変にする
    制御手段とを備えたことを特徴とする圧延加工装置。
  3. 【請求項3】 前記圧延ロール通過後の前記平鋼には、
    送り量検出ローラを接触させるとともに、この送り量検
    出ローラからの値を前記制御手段に送り込み可能にした
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧延
    加工装置。
  4. 【請求項4】 スパイラルチューブモジュールを並べる
    とともに、前記スパイラルチューブモジュール間に生じ
    る隙間に平鋼を幅埋めし、火力ボイラの火炉外壁を構築
    する火炉外壁の構築方法であって、前記隙間形状を数値
    データとして記録し、この数値データをもとに制御手段
    にて一対の圧延ローラを回転させ前記平鋼を前記隙間形
    状に合わせて圧延したのち、この平鋼を前記隙間に幅埋
    めすることを特徴とする火炉外壁の構築方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014125364A (ja) * 2012-12-25 2014-07-07 Asahi Glass Co Ltd ガラス板の成形方法
KR20190009464A (ko) * 2017-07-18 2019-01-29 주식회사 포스코 선재가공장치 및 선재가공방법

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