JPH11156164A - 酢酸セルロース膜の保管方法及びホウ酸廃液処理装置 - Google Patents
酢酸セルロース膜の保管方法及びホウ酸廃液処理装置Info
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- JPH11156164A JPH11156164A JP32447297A JP32447297A JPH11156164A JP H11156164 A JPH11156164 A JP H11156164A JP 32447297 A JP32447297 A JP 32447297A JP 32447297 A JP32447297 A JP 32447297A JP H11156164 A JPH11156164 A JP H11156164A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 新規なホウ酸廃液処理装置及び該装置に用い
るホウ酸廃液処理用の酢酸セルロース膜を長期安定に保
管できる方法。 【解決手段】 ホウ酸廃液処理に使用後の酢酸セルロー
ス膜をホウ素濃度が300ppm以上のホウ酸水中に浸
漬することにより、殺菌状態で保管することを特徴とす
る酢酸セルロース膜の保管方法、ホウ酸廃液処理に未使
用の酢酸セルロース膜をホウ素濃度が5000ppm以
上のホウ酸水中に浸漬することにより、殺菌状態で保管
することを特徴とする酢酸セルロース膜の保管方法、及
びホウ酸廃液を酢酸セルロース膜を用いてホウ酸濃縮液
と回収水に分離するホウ酸廃液処理装置において、ホウ
廃液処理装置内にホウ酸を注入するホウ酸注入手段と、
ホウ酸濃縮液及び回収水を当該ホウ酸廃液処理装置内に
それぞれ戻す循環手段とを備えたことにより、当該ホウ
酸廃液処理装置内のホウ酸濃度をホウ素として300p
pm以上に調整可能とされたことを特徴とするホウ酸廃
液処理装置。
るホウ酸廃液処理用の酢酸セルロース膜を長期安定に保
管できる方法。 【解決手段】 ホウ酸廃液処理に使用後の酢酸セルロー
ス膜をホウ素濃度が300ppm以上のホウ酸水中に浸
漬することにより、殺菌状態で保管することを特徴とす
る酢酸セルロース膜の保管方法、ホウ酸廃液処理に未使
用の酢酸セルロース膜をホウ素濃度が5000ppm以
上のホウ酸水中に浸漬することにより、殺菌状態で保管
することを特徴とする酢酸セルロース膜の保管方法、及
びホウ酸廃液を酢酸セルロース膜を用いてホウ酸濃縮液
と回収水に分離するホウ酸廃液処理装置において、ホウ
廃液処理装置内にホウ酸を注入するホウ酸注入手段と、
ホウ酸濃縮液及び回収水を当該ホウ酸廃液処理装置内に
それぞれ戻す循環手段とを備えたことにより、当該ホウ
酸廃液処理装置内のホウ酸濃度をホウ素として300p
pm以上に調整可能とされたことを特徴とするホウ酸廃
液処理装置。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なホウ酸廃液処
理装置及び該装置に用いるホウ酸廃液処理用の酢酸セル
ロース膜を長期安定に保管する方法に関するもので、例
えば原子力関連施設におけるホウ酸廃液処理に適用して
非常に有効である。
理装置及び該装置に用いるホウ酸廃液処理用の酢酸セル
ロース膜を長期安定に保管する方法に関するもので、例
えば原子力関連施設におけるホウ酸廃液処理に適用して
非常に有効である。
【0002】
【従来の技術】従来、原子力関連設備特に原子力発電プ
ラント例えばPWR(Pressurized Water Reactor の略
記)を用いた発電プラントの機器・床ドレン系統から発
生するホウ酸廃液は、ホウ酸廃液処理系に導入され、蒸
発装置により処理されている。
ラント例えばPWR(Pressurized Water Reactor の略
記)を用いた発電プラントの機器・床ドレン系統から発
生するホウ酸廃液は、ホウ酸廃液処理系に導入され、蒸
発装置により処理されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは従来の蒸
発装置によるホウ酸廃液処理に代えて、逆浸透膜として
汎用されている酢酸セルロース膜を用いて、効率良くホ
ウ酸廃液を処理することを考えつき、研究に取り組ん
だ。ところが、逆浸透膜として汎用されている酢酸セル
ロース膜はバクテリアにおかされやすいという欠点があ
り、膜にバクテリアが増殖すると性能低下をきたす。そ
のため、長期運転停止中(保管中)には保有水中に殺菌
剤を添加する必要があり、一般的には殺菌剤としてホル
マリン、酸化剤等が用いられる。しかし、PWRプラン
トのホウ酸廃液処理においては、処理水は一次系水とし
て回収再使用され、前記の殺菌剤の存在は回収不可とい
う問題を起こす。すなわち、原子力発電所の一次系にホ
ルマリンなどの有機物や酸化剤が混入すると機器や燃料
に有害であるため、その水質が厳しく制限されている。
したがって酢酸セルロース膜の保管に殺菌剤を使用する
ことはできない。そこで本発明の課題は、酢酸セルロー
ス膜をバクテリアにおかされることなく保管できて、し
かも使用時には処理水に影響することのない酢酸セルロ
ース膜の保管方法及びホウ酸廃液処理装置の提供にあ
る。
発装置によるホウ酸廃液処理に代えて、逆浸透膜として
汎用されている酢酸セルロース膜を用いて、効率良くホ
ウ酸廃液を処理することを考えつき、研究に取り組ん
だ。ところが、逆浸透膜として汎用されている酢酸セル
ロース膜はバクテリアにおかされやすいという欠点があ
り、膜にバクテリアが増殖すると性能低下をきたす。そ
のため、長期運転停止中(保管中)には保有水中に殺菌
剤を添加する必要があり、一般的には殺菌剤としてホル
マリン、酸化剤等が用いられる。しかし、PWRプラン
トのホウ酸廃液処理においては、処理水は一次系水とし
て回収再使用され、前記の殺菌剤の存在は回収不可とい
う問題を起こす。すなわち、原子力発電所の一次系にホ
ルマリンなどの有機物や酸化剤が混入すると機器や燃料
に有害であるため、その水質が厳しく制限されている。
したがって酢酸セルロース膜の保管に殺菌剤を使用する
ことはできない。そこで本発明の課題は、酢酸セルロー
ス膜をバクテリアにおかされることなく保管できて、し
かも使用時には処理水に影響することのない酢酸セルロ
ース膜の保管方法及びホウ酸廃液処理装置の提供にあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する手段
として本発明は、(1) ホウ酸廃液処理に使用後の酢酸セ
ルロース膜をホウ素濃度が300ppm以上のホウ酸水
中に浸漬することにより、殺菌状態で保管することを特
徴とする酢酸セルロース膜の保管方法、(2)ホウ酸廃液
処理に未使用の酢酸セルロース膜をホウ素濃度が500
0ppm以上のホウ酸水中に浸漬することにより、殺菌
状態で保管することを特徴とする酢酸セルロース膜の保
管方法、及び(3)ホウ酸廃液を酢酸セルロース膜を用い
てホウ酸濃縮液と回収水に分離するホウ酸廃液処理装置
において、ホウ酸廃液処理装置内にホウ酸を注入するホ
ウ酸注入手段と、ホウ酸濃縮液及び回収水を当該ホウ酸
廃液処理装置内にそれぞれ戻す循環手段とを備えたこと
により、当該ホウ酸廃液処理装置内のホウ酸濃度をホウ
素として300ppm以上に調整可能としたことを特徴
とするホウ酸廃液処理装置、を提供する。
として本発明は、(1) ホウ酸廃液処理に使用後の酢酸セ
ルロース膜をホウ素濃度が300ppm以上のホウ酸水
中に浸漬することにより、殺菌状態で保管することを特
徴とする酢酸セルロース膜の保管方法、(2)ホウ酸廃液
処理に未使用の酢酸セルロース膜をホウ素濃度が500
0ppm以上のホウ酸水中に浸漬することにより、殺菌
状態で保管することを特徴とする酢酸セルロース膜の保
管方法、及び(3)ホウ酸廃液を酢酸セルロース膜を用い
てホウ酸濃縮液と回収水に分離するホウ酸廃液処理装置
において、ホウ酸廃液処理装置内にホウ酸を注入するホ
ウ酸注入手段と、ホウ酸濃縮液及び回収水を当該ホウ酸
廃液処理装置内にそれぞれ戻す循環手段とを備えたこと
により、当該ホウ酸廃液処理装置内のホウ酸濃度をホウ
素として300ppm以上に調整可能としたことを特徴
とするホウ酸廃液処理装置、を提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明者らは、試験的に作成した
酢酸セルロース膜を用いた逆浸透法によるホウ酸廃液処
理装置の運転中には酢酸セルロース膜でのバクテリア増
殖が低いことに着目し、保管時にもホウ酸水中に保持す
ることを考えつき本発明に到達できた。本発明の詳細は
後記する実験例及び実施例で説明する。
酢酸セルロース膜を用いた逆浸透法によるホウ酸廃液処
理装置の運転中には酢酸セルロース膜でのバクテリア増
殖が低いことに着目し、保管時にもホウ酸水中に保持す
ることを考えつき本発明に到達できた。本発明の詳細は
後記する実験例及び実施例で説明する。
【0006】〔作用〕本発明者らは、酢酸セルロース膜
を消費するバクテリアは、特定濃度以上のホウ酸水中で
はホウ酸の殺菌作用により増殖できないのではないかと
考察し、枯草菌を用いて後記する実験により上記考察ど
おりであることを確認した。なお、枯草菌(Batilus su
btils )は自然界に広く分布する好気性胞子形成細菌の
代表的な種類であり、0.8 〜1.0 ×1.5 〜3 μmのカン
菌で、グラム陽性、周毛を有し運動性がある。成育適温
30〜40℃、24〜48時間後に胞子形成する。胞子は耐熱性
で100 ℃で数分〜数10分の加熱に耐える。強力なアミラ
ーゼ、プロテアーゼを生成する菌株が多いものであり、
酢酸セルロース膜に増殖する菌の代表として選んだもの
である。
を消費するバクテリアは、特定濃度以上のホウ酸水中で
はホウ酸の殺菌作用により増殖できないのではないかと
考察し、枯草菌を用いて後記する実験により上記考察ど
おりであることを確認した。なお、枯草菌(Batilus su
btils )は自然界に広く分布する好気性胞子形成細菌の
代表的な種類であり、0.8 〜1.0 ×1.5 〜3 μmのカン
菌で、グラム陽性、周毛を有し運動性がある。成育適温
30〜40℃、24〜48時間後に胞子形成する。胞子は耐熱性
で100 ℃で数分〜数10分の加熱に耐える。強力なアミラ
ーゼ、プロテアーゼを生成する菌株が多いものであり、
酢酸セルロース膜に増殖する菌の代表として選んだもの
である。
【0007】
【実施例】以下、実験例及び実施例を挙げて本発明の効
果を説明する。 〔実験例〕市水(水道水、但し殺菌効果を有する塩素ガ
スを除去するため24時間放置したもの)に100mg
/リットル濃度となるように粉末セルロースを添加し、
さらに枯草菌(菌株:Bacillus subtilis 、財団法人醗
酵研究所より入手の株)を添加した供試水を複数本用意
し、ホウ素濃度が100,300,1000,5000
mg/リットルとなるようにそれぞれホウ酸を加えたも
のを試料とした。粉末セルロースを用いた理由は、セル
ロースは酢酸セルロースと同じ効果を有すること、さら
に粉末のものは膜状のものより菌体が繁殖しやすいこと
にある。なお、枯草菌原液として殺菌試験を実施する濃
度の100倍から1000倍の濃度のものを用意してお
き、市水にセルロースを添加した後、該枯草菌原液を1
リットルに対し10mlから1ml添加すれば供試水と
なる。枯草菌原液の菌数は別途測定しておく。測定方法
は後述する生存量測定方法に同じである。各試料を温度
35℃で保持し、24,48及び72時間後の試料中の
枯草菌生存量を測定し、枯草菌除去率を数1の式により
求めた。
果を説明する。 〔実験例〕市水(水道水、但し殺菌効果を有する塩素ガ
スを除去するため24時間放置したもの)に100mg
/リットル濃度となるように粉末セルロースを添加し、
さらに枯草菌(菌株:Bacillus subtilis 、財団法人醗
酵研究所より入手の株)を添加した供試水を複数本用意
し、ホウ素濃度が100,300,1000,5000
mg/リットルとなるようにそれぞれホウ酸を加えたも
のを試料とした。粉末セルロースを用いた理由は、セル
ロースは酢酸セルロースと同じ効果を有すること、さら
に粉末のものは膜状のものより菌体が繁殖しやすいこと
にある。なお、枯草菌原液として殺菌試験を実施する濃
度の100倍から1000倍の濃度のものを用意してお
き、市水にセルロースを添加した後、該枯草菌原液を1
リットルに対し10mlから1ml添加すれば供試水と
なる。枯草菌原液の菌数は別途測定しておく。測定方法
は後述する生存量測定方法に同じである。各試料を温度
35℃で保持し、24,48及び72時間後の試料中の
枯草菌生存量を測定し、枯草菌除去率を数1の式により
求めた。
【数1】枯草菌除去率(%)=(1-各ホウ酸濃度における
枯草菌生存数)/( ホウ酸無添加での枯草菌数)×100
枯草菌生存数)/( ホウ酸無添加での枯草菌数)×100
【0008】枯草菌数計測方法は次のとおりである。試
験液を生理食塩水で各段階に希釈した後、シャーレに各
希釈段階の液1mlと寒天入りの培地を投入する。寒天
が固まった後、35℃のインキュベーターで24時間か
ら48時間培養し、培養後、コロニーを計測することに
より、もとの試験液中の菌数を計測する。
験液を生理食塩水で各段階に希釈した後、シャーレに各
希釈段階の液1mlと寒天入りの培地を投入する。寒天
が固まった後、35℃のインキュベーターで24時間か
ら48時間培養し、培養後、コロニーを計測することに
より、もとの試験液中の菌数を計測する。
【0009】試験結果を図2のグラフにまとめて示す。
グラフの横軸はセルロースのホウ酸水接触時間、縦軸は
数1の式による枯草菌除去率を表す。図2の結果から、
セルロースを消費する枯草菌はホウ素濃度300ppm
以上のホウ酸水によって抑制され、ホウ素濃度5000
ppmでは完全に殺菌されることが判った。いま、処理
しようとするホウ酸廃液のホウ素濃度が通常は100〜
2000ppmであることから、長期装置停止(保管)
をしようとする際の系内のホウ素濃度が300ppm以
下の場合には、後記する実施例の要領でホウ酸水を添加
し、系内のホウ素濃度を300ppm以上に高めること
によって、バクテリアの増殖による酢酸セルロース膜の
性能低下を阻止することができる。また未使用膜はホウ
素濃度5000ppm以上のホウ酸水中に封入すれば完
全殺菌できる。
グラフの横軸はセルロースのホウ酸水接触時間、縦軸は
数1の式による枯草菌除去率を表す。図2の結果から、
セルロースを消費する枯草菌はホウ素濃度300ppm
以上のホウ酸水によって抑制され、ホウ素濃度5000
ppmでは完全に殺菌されることが判った。いま、処理
しようとするホウ酸廃液のホウ素濃度が通常は100〜
2000ppmであることから、長期装置停止(保管)
をしようとする際の系内のホウ素濃度が300ppm以
下の場合には、後記する実施例の要領でホウ酸水を添加
し、系内のホウ素濃度を300ppm以上に高めること
によって、バクテリアの増殖による酢酸セルロース膜の
性能低下を阻止することができる。また未使用膜はホウ
素濃度5000ppm以上のホウ酸水中に封入すれば完
全殺菌できる。
【0010】〔実施例〕図1は本発明の一実施例の構成
を示すものである。図1において、PWR運転中はホウ
酸廃液はタンク1に貯蔵され、ポンプ2を経由して酢酸
セルロースからなる逆浸透膜3に送られ、ここで逆浸透
により濃縮水と回収水に分離され、濃縮水は切替弁A4
からPWR一次系へ回収される。また回収水は切替弁
A′5から回収水系へと送られている。運転を停止する
際には、ホウ酸廃液のタンク1への流入を停止して、タ
ンク1内に残留するホウ酸廃液をポンプ2経由で逆浸透
膜3に送り処理した後、下記の(1)〜(4)の手順で
行なう。 (1)切替弁A4及び切替弁A′5を「開」から「閉」
にし、切替弁B6及び切替弁B′7を「閉」→「開」と
する。 (2)ホウ酸注入装置8より所定量のホウ酸水をタンク
1に注入する。 (3)タンク1に注入したホウ酸水を、ポンプ2により
タンク1と逆浸透膜3の間で切替弁B6,B′7及びタ
ンク循環ライン9を介して循環させ、ホウ素濃度が均一
になるようにする。 (4)ホウ素濃度が所定の値で均一となったら、ポンプ
2を停止し、逆浸透膜がホウ酸濃度300ppm以上の
所定濃度のホウ酸水中に保持された状態で保管する。本
実施例において、ホウ素濃度の測定はタンク循環ライン
より採取し、中和滴定法により行った。なお、通常運転
時においても、処理開始時の回収水の水質が安定するま
での期間(通常0.5時間程度)や、タンク1の水位が
異常に低くなった場合、回収水と濃縮水をタンク1に循
環して調節する。このように運転中の酢酸セルロース膜
を一時停止(数日〜数カ月)してホウ素濃度300pp
m以上のホウ酸水中に保管すると、いずれの場合も菌に
おかされることなく保管することができた。また、再使
用開始の際には膜洗浄等の特別な処理は不要で、そのま
ま運転開始できた。以上の本発明の実施例では、PWR
からのホウ酸廃液を逆浸透法により分離と精製を同時
に、しかも従来の蒸発法より消費エネルギを低減して処
理できた。
を示すものである。図1において、PWR運転中はホウ
酸廃液はタンク1に貯蔵され、ポンプ2を経由して酢酸
セルロースからなる逆浸透膜3に送られ、ここで逆浸透
により濃縮水と回収水に分離され、濃縮水は切替弁A4
からPWR一次系へ回収される。また回収水は切替弁
A′5から回収水系へと送られている。運転を停止する
際には、ホウ酸廃液のタンク1への流入を停止して、タ
ンク1内に残留するホウ酸廃液をポンプ2経由で逆浸透
膜3に送り処理した後、下記の(1)〜(4)の手順で
行なう。 (1)切替弁A4及び切替弁A′5を「開」から「閉」
にし、切替弁B6及び切替弁B′7を「閉」→「開」と
する。 (2)ホウ酸注入装置8より所定量のホウ酸水をタンク
1に注入する。 (3)タンク1に注入したホウ酸水を、ポンプ2により
タンク1と逆浸透膜3の間で切替弁B6,B′7及びタ
ンク循環ライン9を介して循環させ、ホウ素濃度が均一
になるようにする。 (4)ホウ素濃度が所定の値で均一となったら、ポンプ
2を停止し、逆浸透膜がホウ酸濃度300ppm以上の
所定濃度のホウ酸水中に保持された状態で保管する。本
実施例において、ホウ素濃度の測定はタンク循環ライン
より採取し、中和滴定法により行った。なお、通常運転
時においても、処理開始時の回収水の水質が安定するま
での期間(通常0.5時間程度)や、タンク1の水位が
異常に低くなった場合、回収水と濃縮水をタンク1に循
環して調節する。このように運転中の酢酸セルロース膜
を一時停止(数日〜数カ月)してホウ素濃度300pp
m以上のホウ酸水中に保管すると、いずれの場合も菌に
おかされることなく保管することができた。また、再使
用開始の際には膜洗浄等の特別な処理は不要で、そのま
ま運転開始できた。以上の本発明の実施例では、PWR
からのホウ酸廃液を逆浸透法により分離と精製を同時
に、しかも従来の蒸発法より消費エネルギを低減して処
理できた。
【0011】本発明によれば、未使用の酢酸セルロース
膜については、ホウ素濃度5000ppm以上のホウ酸
水を封入することにより菌におかされることなく保存で
きる。図1の構成において前記実施例と同様に操作し
て、未使用の酢酸セルロース膜をホウ素濃度として50
00ppmのホウ酸水中に殺菌状態で長期間保存するこ
とができた。
膜については、ホウ素濃度5000ppm以上のホウ酸
水を封入することにより菌におかされることなく保存で
きる。図1の構成において前記実施例と同様に操作し
て、未使用の酢酸セルロース膜をホウ素濃度として50
00ppmのホウ酸水中に殺菌状態で長期間保存するこ
とができた。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、ホウ酸セルロース膜を
バクテリアにおかされることなく殺菌保管できて、運転
停止に伴う長期保管後も性能低下なく使用できるので、
非常に経済的である。また、新品の酢酸セルロース膜の
保管時にもバクテリア汚染を完全に防止できる。しかも
使用再開又は使用開始の際に膜洗浄等の特別な操作は必
要なく、そのまま通常の起動操作を行えばよいので工程
上も簡便であるに加え、通常の殺菌剤の使用に比較して
コストも低廉であり、回収水等への悪影響の心配もな
い。そして本発明によれば酢酸セルロース膜を逆浸透膜
としてホウ酸廃液処理に実用できるため、ホウ酸の分離
・精製を同時にしかも省エネルギで行える。
バクテリアにおかされることなく殺菌保管できて、運転
停止に伴う長期保管後も性能低下なく使用できるので、
非常に経済的である。また、新品の酢酸セルロース膜の
保管時にもバクテリア汚染を完全に防止できる。しかも
使用再開又は使用開始の際に膜洗浄等の特別な操作は必
要なく、そのまま通常の起動操作を行えばよいので工程
上も簡便であるに加え、通常の殺菌剤の使用に比較して
コストも低廉であり、回収水等への悪影響の心配もな
い。そして本発明によれば酢酸セルロース膜を逆浸透膜
としてホウ酸廃液処理に実用できるため、ホウ酸の分離
・精製を同時にしかも省エネルギで行える。
【図1】は本発明の方法及び装置を概略説明するフロー
図である。
図である。
【図2】はホウ素濃度と枯草菌除去率の関係を示すグラ
フ図である。
フ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 尚樹 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 村上 督 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 ホウ酸廃液処理に使用後の酢酸セルロー
ス膜をホウ素濃度が300ppm以上のホウ酸水中に浸
漬することにより、殺菌状態で保管することを特徴とす
る酢酸セルロース膜の保管方法。 - 【請求項2】 ホウ酸廃液処理に未使用の酢酸セルロー
ス膜をホウ素濃度が5000ppm以上のホウ酸水中に
浸漬することにより、殺菌状態で保管することを特徴と
する酢酸セルロース膜の保管方法。 - 【請求項3】 ホウ酸廃液を酢酸セルロース膜を用いて
ホウ酸濃縮液と回収水に分離するホウ酸廃液処理装置に
おいて、ホウ酸廃液処理装置内にホウ酸を注入するホウ
酸注入手段と、ホウ酸濃縮液及び回収水を当該ホウ酸廃
液処理装置内にそれぞれ戻す循環手段とを備えたことに
より、当該ホウ酸廃液処理装置内のホウ酸濃度をホウ素
として300ppm以上に調整可能としたことを特徴と
するホウ酸廃液処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32447297A JPH11156164A (ja) | 1997-11-26 | 1997-11-26 | 酢酸セルロース膜の保管方法及びホウ酸廃液処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32447297A JPH11156164A (ja) | 1997-11-26 | 1997-11-26 | 酢酸セルロース膜の保管方法及びホウ酸廃液処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11156164A true JPH11156164A (ja) | 1999-06-15 |
Family
ID=18166194
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32447297A Withdrawn JPH11156164A (ja) | 1997-11-26 | 1997-11-26 | 酢酸セルロース膜の保管方法及びホウ酸廃液処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11156164A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008078498A1 (ja) * | 2006-12-25 | 2008-07-03 | Ngk Insulators, Ltd. | 排水処理システム及び排水処理方法 |
JP2009285565A (ja) * | 2008-05-29 | 2009-12-10 | Miura Co Ltd | 水処理装置 |
JP2010012434A (ja) * | 2008-07-04 | 2010-01-21 | Hitachi Plant Technologies Ltd | Mbr+roシステムの構造および運転方法。 |
JP2011212617A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Kurita Water Ind Ltd | 分離膜エレメント選定装置、分離膜エレメント選定方法 |
-
1997
- 1997-11-26 JP JP32447297A patent/JPH11156164A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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