JPH11155599A - Dnaの塩基配列決定方法 - Google Patents

Dnaの塩基配列決定方法

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JPH11155599A
JPH11155599A JP32760997A JP32760997A JPH11155599A JP H11155599 A JPH11155599 A JP H11155599A JP 32760997 A JP32760997 A JP 32760997A JP 32760997 A JP32760997 A JP 32760997A JP H11155599 A JPH11155599 A JP H11155599A
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JP
Japan
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nucleic acid
sequence
rna polymerase
dna
ribonucleoside
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Application number
JP32760997A
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English (en)
Inventor
Yoshihide Hayashizaki
良英 林崎
Takumi Tanaka
巧 田中
Masanori Watabiki
正則 綿引
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NIPPON JIIN KK
Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
NIPPON JIIN KK
Wako Pure Chemical Industries Ltd
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】RNAポリメラーゼを用いるDNAの塩基配列決
定方法において、従来と同様のRNAポリメラーゼを用い
ても、一度のシークエンスで読み取れるDNA配列の長さ
を長くできる方法を提供すること。 【解決手段】DNA断片を鋳型としてRNAポリメラー
ゼを用いて核酸転写物を得、得られる核酸転写物を分離
し、得られる分離分画から核酸の配列を読み取るDNA
の塩基配列決定方法であって、前記核酸転写反応をカダ
ベリン、アグマチン及び1,8−ジアミンオクタンから
なる群から選ばれる少なくとも1種のアミンの存在下で
行う方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、RNAポリメラー
ゼを用い、かつRNAポリメラーゼによる核酸転写反応
の開始剤を用いるDNA の塩基配列決定方法に関する。特
に本発明は、RNAポリメラーゼの活性をより高めるこ
とにより、シークエンスの効率を向上させ、長鎖塩基配
列の読み取りを可能にするDNAの塩基配列決定方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法は優れ
た方法であり、年々その利用範囲が広がっている[Rand
all K. Saiki et al. (1988) Science 239, 487-491]。
PCR 法では、1分子のDNA 断片を増幅することも可能で
ある。PCR 法で増幅した生成物をクローニングすること
なくシークエンスする方法(ダイレクト・シークエンス
法)も有用な方法である[Corinne Wong et al. (1988)
Nature, 330,384-386]。この方法はライブラリー作製
やそのライブラリーのスクリーニングが不要であり、多
くのサンプルの配列情報を同時に得られる迅速な方法で
ある。
【0003】しかるに、上記ダイレクト・シークエンス
法には2つの大きな問題点がある。一つは、取り込めな
かったプライマー及び2’デオキシリボヌクレオシド5
トリフォスフェート(2’dNTPs)が反応系中に残
存し、これらがシークエンス反応を妨げることである。
従って、従来法では、これら残存するプライマーと2’
dNTPsは、シークエンスの前にPCR生成物から除
去する必要があった。PCR生成物の精製方法には種々
の方法があり、例えば、電気泳動による精製法、エタノ
ール沈殿法、ゲル濾過法、HPLC精製法がある[例え
ば、Dorit R.L et al. (1991) Current Protocols in M
olecular Biology, Vol. 11, John Wiley and Sons, Ne
w York, 15.2.1-15.2.11参照」。しかし、何れの方法で
も煩雑である。
【0004】2つ目の問題は、PCR 生成物の迅速な再生
(renaturation) である。PCR生成物が2本鎖DNA
に再生してしまうと、1本鎖のテンプレート(鋳型)で
はなくなり、プライマーと1本鎖テンプレートとの間の
アニーリングを妨げる。再生を最小限にするための方法
として、例えば変性後の急冷、1つのプライマーのビオ
チレーション(biotilation)とストレプトアビジン被覆
物へのPCR生成物の吸着、エクソヌクレアーゼの使
用、エイシメトリックPCR等が報告されている。例え
ば、Barbara Bachmannら、1990, Nucleic Acid Res.,1
8, 1309- に開示されている。しかし、これらの方法の
殆どは、長い時間を必要とし、非常に面倒である。
【0005】そこでそれらを解決するための新しい方法
として、本発明者は、PCR 反応系中に残存する未反応の
プライマー及び2’デオキシリボヌクレオシド5トリフ
ォスフェート(2’dNTPs)を除去することなく、
かつPCR反応生成物が迅速に再生する問題を回避する
ため、変性自体を全く行わないで良い、全く新しいDNA
の塩基配列決定方法を提案した〔WO96/14434〕。この方
法は、T7 RNAポリメラーゼ等のRNA ポリメラーゼとRN
A転写反応のターミネーター(例えば、3’デオキシリ
ボヌクレオシド5’トリフォスフェート、3’dNTP
s)を用いるダイレクト転写シークエンス法である。こ
の方法によれば、ポリメラーゼ連鎖反応により増幅した
DNA生成物の塩基配列を、プライマー及び2’デオキ
シリボヌクレオシド5トリフォスフェート(2’dNT
Ps)を去する必要なしにそのままシークエンスに使用
できる。さらに、変性自体を全く行わないため、PCR
生成物が迅速に再生する問題も回避でき、極めて優れた
方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記方法に
ついて本発明者がさらに研究を行ったところ、より正確
な塩基配列データを得るためには、さらに解決すべき課
題があることを見出した。
【0007】ゲノムプロジェクトのように、膨大な量の
遺伝子配列を決定する場合、一度のシークエンスで読み
取れるDNA配列の長さが長い程、効率は良くなる。さら
に、完全長cDNAをそのままの長さで読み取れれば、遺
伝子の機能の理解も容易になる。そのため、今後、より
長鎖のDNAの配列決定に対する要求は強くなる。一度の
シークエンスで読み取れるDNA配列の長さを長くする試
みは、種々なされている。例えば、DNAポリメラーゼを
用いる方法においては、2種類のDNAポリメラーゼを組
み合わせて用いることが提案されている(特開平8−3
8198号)。しかるに、RNAポリメラーゼを用いる
前記方法では、これまで具体的な方法についての提案は
ない。
【0008】そこで、本発明の目的は、RNAポリメラー
ゼを用いるDNAの塩基配列決定方法において、従来と
同様のRNAポリメラーゼを用いても、一度のシークエン
スで読み取れるDNA配列の長さを長くできる塩基配列決
定方法を提供することにある。
【0009】ところで、RNAポリメラーゼの転写活性
がスペルミジンのようなアミンにより強化されることは
知られており、市販のRNAポリメラーゼ活性測定用バ
ッファーにもスペルミジンが添加されている。さらに、
スペルミジン以外のアミンでもそのような活性の強化が
起こることも報告されている(2784-2790 Nucleic Acid
s Research, 1994, Vol.22, No.14)。
【0010】そこで、本発明者は、スペルミジンの使用
の有無により、読み取れるDNA配列の長さに変化がある
かについて検討した。その結果、同一量のRNAポリメ
ラーゼを用いても、スペルミジンを用いることにより、
スペルミジンを用いない場合に比べて読み取れるDNA配
列の長さが長くなることが判明した。そこでさらに、ス
ペルミジン以外の約100種類のアミンについても、同
様の試験を行った。ところが、ほとんどのアミンについ
ては、読み取れるDNA配列の長さが長くなるという効果
は得られず、試験したアミンの中で、僅かにカダベリ
ン、アグマチン及び1,8−ジアミンオクタンのみに上
記効果があり、かつこれらのアミンの効果は、スペルミ
ジンの持つそれに比べて高いをことを見出して本発明を
完成させた。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、DNA断片を
鋳型としてRNAポリメラーゼを用いて核酸転写物を
得、得られる核酸転写物を分離し、得られる分離分画か
ら核酸の配列を読み取るDNAの塩基配列決定方法であ
って、前記核酸転写反応をカダベリン、アグマチン及び
1,8−ジアミンオクタンからなる群から選ばれる少な
くとも1種のアミンの存在下で行うことを特徴とする方
法に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】アミン 本発明のDNAの塩基配列決定方法は、核酸転写反応を
カダベリン、アグマチン及び1,8−ジアミンオクタン
からなる群から選ばれる少なくとも1種のアミンの存在
下で行うことを特徴とする。いずれのアミン化合物も市
販品として容易に入手できる。尚、カダベリンはNH2
(CH25NH2で示される1,5−ジアミノペンタン
である。また、アグマチンはNH2(CH24NHC
(NH2)=NHで示される化合物である。これらアミ
ン化合物の少なくとも1種を、RNAポリメラーゼを用
いる核酸転写反応に、RNAポリメラーゼ1単位当たり
0.5〜5mmol程度共存させることにより、同量の
RNAポリメラーゼを用いる場合、より長鎖のシークエ
ンスが可能である。さらに、同程度の長さのシークエン
スを行う場合、より少ない量のRNAポリメラーゼまた
はより少ない量のテンプレートを用いての核酸転写反応
が可能になる。
【0013】DNAの塩基配列決定方法 DNA断片を鋳型としてRNAポリメラーゼを用いて核
酸転写物を得、得られる核酸転写物を分離し、得られる
分離分画から核酸の配列を読み取るDNAの塩基配列決
定方法は公知である。さらに、RNAポリメラーゼのた
めのプロモーター配列を含むDNA断片を鋳型として、
RNAポリメラーゼを用いて核酸転写生成物を酵素的に
合成する方法、核酸転写生成物の分離方法、さらには分
離された分画から核酸の配列を読み取る方法は、原理的
には何れも公知の方法である。従って、これらの点に関
して、いずれの公知の方法及び条件、装置等を適宜利用
することができる。
【0014】また鋳型となるDNA断片にも、RNAポ
リメラーゼのためのプロモーター配列を含むこと以外、
制限はない。例えば、プロモーター配列を含むDNA断
片がポリメラーゼ連鎖反応により増幅したDNA生成物
であることができる。さらに、増幅したDNA生成物か
ら、ポリメラーゼ連鎖反応に用いたプライマー及び/又
は2デオキシリボヌクレオシド5トリフォスフェート及び
/又はその誘導体を除去することなしに、本発明の方法
における核酸転写生成反応を行うことができる。上記D
NA増幅のためのポリメラーゼ連鎖反応は、PCR法と
して広く用いられている方法をそのまま用いることがで
きる。また、プロモーター配列を含むDNA断片は、プ
ロモーター配列と増幅対象のDNA断片とをライゲーシ
ョンした後、適当な宿主を用いてクローニングされたD
NA断片であることもできる。即ち、本発明において、
増幅の対象であるDNA配列、プライマー、増幅のため
の条件等には特に制限はない。
【0015】例えば、プロモーター配列を含むDNA断
片の増幅のためのポリメラーゼ連鎖反応の反応系とし
て、10〜50ngのゲノミックDNA又は1pgのク
ローンされたDNA、10μMの各プライマー、200
μMの各2’デオキシリボヌクレオシド5’トリフォス
フェート(dATP、dGTP、dCTP、dTTP)
を含む20μl容量中でDNAポリメラーゼとして、例
えばTaqポリメラーゼ等を用いて行うことができる。
【0016】但し、ポリメラーゼ連鎖反応のためのプラ
イマーのいずれか一方又は増幅された挿入(insert)DN
Aが、後述するRNAポリメラーゼのためのプロモータ
ー配列を含む必要がある。ダイレクト転写シーケンス法
では、PCR法において、2種類のプライマーのいずれ
か一方にファージプロモーター配列を持っているプライ
マーを用いるか、又は増幅された挿入DNA内にファー
ジプロモーター配列を持たせることで、得られるPCR
生成物はそのプロモーターにより働くRNAポリメラー
ゼを用いるin vitro転写に付すことができる。RNAポ
リメラーゼのためのプロモーター配列は、用いるRNA
ポリメラーゼの種類に応じて適宜選択することができ
る。
【0017】本発明の方法ではプロモーター配列を含む
DNA断片からRNA転写物等の核酸転写物を合成する。D
NA断片は、RNAポリメラーゼのためのプロモーター配
列を含むので、このプロモーター配列が前述のRNAポ
リメラーゼに認識されてRNA転写物等の核酸転写物を
合成する。
【0018】RNA転写物等の核酸転写物の合成は、例
えば、前記核酸転写開始剤及びRNAポリメラーゼの存
在下、ATP、GTP、CTP及びUTP又はこれらの
誘導体からなるリボヌクレオシド5’トリフォスフェー
ト(NTP)類(但し、その内の1種は、コンプレッシ
ョン抑制リボヌクレオチド誘導体である)並びに1種又
は2種以上の3’dNTP誘導体を反応させることで行
うことができる。尚、3’dNTP誘導体は、本明細書
においては、3’dATP、3’dGTP、3’dCT
P、3’dUTP及びこれらの誘導体の総称として用い
る。リボヌクレオシド5’トリフォスフェート(NT
P)類としては、その一部がATP等の誘導体である場
合も含めて、塩基が異なる少なくとも4種類の化合物が
転写物の合成に必要である。
【0019】転写生成物であるRNA又は核酸の3’末
端には、3’dNTP誘導体が取り込まれることによ
り、3’ヒドロキシ基が欠落し、RNA又は核酸の合成
が阻害される。その結果、3’末端が3’dNTP誘導
体である種々の長さのRNA又は核酸断片が得られる。
塩基の異なる4種類の3’dNTP誘導体について、そ
れぞれ、このようなリボヌクレオシド・アナログ体を得
る。このリボヌクレオシド・アナログ体を4通り用意す
ることで、RNA又は核酸配列の決定に用いることがで
きる〔Vladimir D. Axelred er al. (1985) Biochemist
ry Vol. 24, 5716-5723 〕。
【0020】尚、3’dNTP誘導体は、1つの核酸転
写反応に1種類又は2種以上を用いることができる。1
種のみの3’dNTP誘導体を用いて1つの核酸転写反
応を行う場合、核酸転写反応を4回行うことで、3’末
端の3’dNTP誘導体の塩基の異なる4通りの転写生
成物を得る。1回の核酸転写反応で、3’末端の3’d
NTP誘導体は同一で、分子量の異なる種々のRNA又
は核酸断片の混合物である転写生成物が得られる。得ら
れた4通りの転写生成物について、独立に、後述する分
離及び配列の読み取りに供することができる。また、4
通りの転写生成物の2種以上を混合し、この混合物を分
離及び配列の読み取りに供することもできる。
【0021】1回の核酸転写反応に2種以上の3’dN
TP誘導体を同時に用いると、1つの反応生成物中に、
3’末端の3’dNTP誘導体の塩基の異なる2通り以
上の転写生成物が含まれることになる。これを後述する
分離及び配列の読み取りに供することができる。核酸転
写反応に2種以上の3’dNTP誘導体を同時に用いる
と、核酸転写反応操作の回数を減らすことができるので
好ましい。
【0022】さらに、RNA等の核酸転写が、塩基の異
なる4種類のリボヌクレオシド5’トリフォスフェート
類の存在下で、RNAポリメラーゼにより行われ、かつ
3’dNTP誘導体によりターミネートされる。その結
果、各塩基について、RNA又は核酸ラダー(ladder)
がシーケンスのために生成される。本発明では、特に、
核酸転写を塩基の異なる4種類のリボヌクレオシド5’
トリフォスフェート類の存在下で行い、これを分離し
て、4種類の塩基の配列を一度に(同時に)読み取りる
ことが好ましい。
【0023】RNAポリメラーゼ 本発明の方法で用いるRNAポリメラーゼは、野性型R
NAポリメラーゼ及び変異型RNAポリメラーゼのいず
れでも良い。但し、対応する野性型RNAポリメラーゼ
の能力と比較して、3dNTP誘導体を取り込む能力を増加
させるように、野性型RNAポリメラーゼの少なくとも
1つのアミノ酸が修飾されたものである変異型のRNA
ポリメラーゼであることが好ましい。ここで、「野性型
RNAポリメラーゼ」は、天然に存在する全てのRNA
ポリメラーゼを含み、さらに、及び野性型RNAポリメ
ラーゼであって、対応する野性型RNAポリメラーゼの
能力と比較して、3デオキシリボヌクレオチドまたはそ
れらの誘導体を取り込む能力を増加させることを目的と
する修飾以外のアミノ酸の変異、挿入または欠落を、さ
らに有するものであることもできる。即ち、野性型RN
Aポリメラーゼを人為的に上記以外の目的で修飾したR
NAポリメラーゼも、上記「野性型RNAポリメラー
ゼ」に含まれる。但し、そのようなアミノ酸の変異、挿
入または欠落は、RNAポリメラーゼとしての活性を維
持する範囲で、行われたものであることが適当である。
【0024】「野性型RNAポリメラーゼ」としては、
例えば、T7ファージ、T3ファージ、SP6ファー
ジ、K11ファージに由来するRNAポリメラーゼを挙
げることができる。但し、これらのRNAポリメラーゼ
に限定されるものではない。また、本発明において「野
性型RNAポリメラーゼ」は、天然に存在する耐熱性の
RNAポリメラーゼ、及び天然に存在するRNAポリメ
ラーゼを耐熱性を有するように人為的に修飾した(即
ち、アミノ酸の変異、挿入または欠落を行った)ものも
包含する。但し、耐熱性を付与するための修飾は、RN
Aポリメラーゼとしての活性を維持する範囲で、行われ
たものであることが適当である。「野性型RNAポリメ
ラーゼ」として耐熱性のRNAポリメラーゼを用いた本
発明の変異型RNAポリメラーゼも耐熱性となる。その
結果、例えば、PCR法に併用して、PCR産物を鋳型として
その場で、即ち、PCRと並行して、シークエンス用のR
NAフラグメントを合成することも可能である。
【0025】T7 RNAポリメラーゼは、極めて特異性の高
いプロモーター特異的RNAポリメラーゼとして知られて
いる。T7 RNAポリメラーゼの塩基配列と生産法に関して
はDavanloo et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA., 81:203
5-2039 (1984)に記載されている。さらに大量生産に関
しては、Zawadzki et al., Nucl. Acids Res., 19:194
8(1991)に既に記載されている。このファージ由来の RN
Aポリメラーゼは、大腸菌や高等な生物のRNAポリメラー
ゼと異なり、単一のポリペプチドのみで転写反応を行う
ことが出来る(Chamberlin et al., Nature, 228:227-23
1,1970)。そのため、転写メカニズムを解析する格好の
材料となり、沢山の突然変異体が分離され、報告されて
いる。さらにSousa et al., Nature, 364:593-599,1993
に結晶解析結果が記載されている。
【0026】さらに、その他極めて特異性の高いプロモ
ーター特異的RNAポリメラーゼとして大腸菌に感染するT
3ファージ、サルモネラ菌に感染するSP6ファージ及
びKlebsiella pneumoniae に感染するK11ファージ由来
のRNAポリメラーゼの3つがよく知られている。尚、上
記4種のRNAポリメラーゼは、アミノ酸の一次構造、
プロモーターの配列等、極めて類似している。
【0027】上記変異型RNAポリメラーゼは、対応す
る野性型RNAポリメラーゼの能力と比較して、3デオ
キシリボヌクレオチドまたはそれらの誘導体を取り込む
能力を増加させたものであることができる。前述のよう
に、野性型RNAポリメラーゼでは、リボヌクレオチド
に比べて3デオキシリボヌクレオチドの取り込みが悪
く、塩基配列決定法に用いる妨げとなっていた。それに
対して、変異型RNAポリメラーゼは、3デオキシリボ
ヌクレオチドまたはそれらの誘導体に対する取り込み能
力を、好ましくは野性型の少なくとも2倍増加させるよ
うに修飾されている。3デオキシリボヌクレオチドの取
り込みは、3デオキシリボヌクレオチドに蛍光標識を付
した3デオキシリボヌクレオチド誘導体を用いた場合に
特に低下する傾向があるが、本発明で使用する変異型R
NAポリメラーゼは、このような3デオキシリボヌクレ
オチド誘導体の取り込みも改善できる。
【0028】変異型RNAポリメラーゼは、対応する野
性型RNAポリメラーゼの少なくとも1つのアミノ酸が
修飾されたものである。このようなアミノ酸の修飾は、
アミノ酸の変異のみならず、挿入または欠落であること
ができる。また、アミノ酸の変異は、例えば、天然に存
在するアミノ酸の少なくとも1つをチロシンに置換する
ことである。さらに、置換されるべき天然に存在するア
ミノ酸は、例えば、フェニルアラニンであることができ
る。但し、フェニルアラニンに限定されることはなく、
対応するリボヌクレオチドに対して3デオキシリボヌク
レオチドまたは他のリボヌクレオチド類似体を取り込む
能力を増加させることができるアミノ酸の置換であれば
よい。
【0029】変異型RNAポリメラーゼとしては、例え
ば、変異型T7 RNAポリメラーゼF644Y及びL665P/F667Yを
挙げることができる。ここで番号は、ポリメラーゼ蛋白
質のN末端からの番号であり、例えばF667は、このポリ
メラーゼの667番目のアミノ酸残基がFであることを示
し、F667Yの記述は、667番目のアミノ酸残基FをYに置
換させたことを意味する。これらは、RNA合成活性を充
分保持し、さらに3'dNTPsの取り込み能力が大幅に改善
し、野生型で観察された強いバイアスが著しく低下して
いる。このような優れた特性を有する、変異型T7 RNAポ
リメラーゼF644Y、L665P/F667Yを用いることにより、D
NAポリメラーゼを用いる塩基配列決定法を超える実用レ
ベルで、転写生成物による塩基配列決定法が可能にな
る。変異型T7 RNAポリメラーゼF644Y、L665P/F667Yを生
産する大腸菌pT7RF644Y(DH5α)及びpT7RL665P/F667Y(DH
5α)は、生命研国際寄託番号がそれぞれ5998号(FERM-BP
-5998)及び5999号(FERM-BP-5999)として1997年7月2日に
寄託されている。
【0030】上記変異型のRNAポリメラーゼは、RN
Aポリメラーゼをコードする核酸分子を用意し、ヌクレ
オチド塩基配列内の1つまたはそれ以上の部位における1
つまたはそれ以上の塩基を変異させるように該核酸分子
に突然変異を起こさせ、次いで変異させた核酸分子によ
り発現される修飾されたRNAポリメラーゼを回収する
ことで調製することができる。RNAポリメラーゼをコ
ードする核酸分子の用意、核酸分子への突然変異の導
入、修飾されたRNAポリメラーゼの回収はいずれも、
公知の手法を用いて行うことが出来る。
【0031】変異型T7 RNAポリメラーゼは、例えば、以
下の方法により構築することができる。T7 RNAポリメラ
ーゼ遺伝子を挿入してある発現ベクターを鋳型にして
T7 RNAポリメラーゼ遺伝子のC末端側に相当する制限酵
素Hpa I, Nco I部位にはさまれる領域をPCR法を利用し
て変異を導入した発現プラスミドを構築する。次いで、
この発現プラスミドを用い、大腸菌DH5αに形質転換
し、イソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(IPT
G)を添加すると、変異型T7 RNAポリメラーゼ蛋白質を
大量に発現させることができる。
【0032】無機ピロフォスファターゼ 本発明の方法において、核酸転写生成反応は、無機ピロ
フォスファターゼ存在下で行うことが好ましい。無機ピ
ロフォスファターゼを用いる場合、リボヌクレオチドに
比べて、対応する3'-デオキシリボヌクレオチドやその
誘導体がポリリボヌクレオチド配列に取り込まれにくか
ったり、リボヌクレオチドの中及び3'-デオキシリボヌ
クレオチドの中でもそれぞれ塩基の種類により、配列へ
の取り込まれ方に差があるといった、リボヌクレオチド
等の取り込み能力に対するバイアスを解消して、より安
定したシークエンスデータを得ることができる。即ち、
各標識されたリボヌクレオチドに対応して得られるピー
クの高さ(シグナルの強弱)の差を小さくしてシークエ
ンスの読み取りの精度を向上させて、より正確なシーク
エンスデータを得ることを可能にする。
【0033】ピロホスホロリシスは、DNA合成によって
生じるピロリン酸塩が増加することによって起こり、結
果として合成されたDNA生成物が分解する方向に反応を
促進する働きをする。その結果、ピロホスホロリシス
は、DNAポリメラーゼを用いたジデオキシシーケンス法
においてシーケンスを阻害することになる。それに対し
て、無機ピロフォスファターゼをDNAポリメラーゼを用
いたジデオキシシーケンス法において使用すると、ピロ
ホスホロリシスを阻害して、安定したシークエンスデー
タが得られることが知られている[特開平4−5060
02号]。ピロホスホロリシスは、RNAポリメラーゼ
を用いたシーケンス法においても有効である。即ち、核
酸転写生成反応を無機ピロフォスファターゼ存在下で行
うことで、各標識されたリボヌクレオチドに対応して得
られるピークの高さ(シグナルの強弱)の差を小さくで
き、より安定したシークエンスデータが得られる。
【0034】無機ピロフォスファターゼ(EC.3.6.1.1)
は、市販品として入手可能であり、例えば、シクマ社か
らINORGANIC PYROPHOSPHATASEとして、またベーリンガ
ー社からピロフォスファターゼとして市販されている。
また、無機ピロフォスファターゼの使用量は、無機ピロ
フォスファターゼ及びRNAポリメラーゼの活性の程度
にもよるが、例えば、RNAポリメラーゼ1単位に対し
て10-6〜10-2単位の範囲とすることが適当である。
【0035】コンプレッション抑制リボヌクレオチド誘
導体 本発明の方法は、核酸転写反応において、コンプレッシ
ョン抑制リボヌクレオチド誘導体を用いることが、コン
プレッションを抑制して、より正確な配列の読取が可能
になるという観点から好ましい。コンプレッションの発
生を抑制することで、シークエンスの読み取りの精度を
向上させることができる。コンプレッション抑制リボヌ
クレオチド誘導体は、リボヌクレオチド誘導体であって
シークエンスの際にコンプレッションを抑制し得る化合
物である。コンプレッション抑制リボヌクレオチド誘導
体は、例えば、塩基の代わりに塩基類似体(塩基アナロ
ーグ)を有するリボヌクレオチドから選ぶことが出来
る。塩基類似体は、天然物であっても合成物であっても
よい。合成物は、例えば、プリン環やピリミジン環を構
成する炭素の一部が窒素に置換されたものや、プリン環
やピリミジン環を構成する窒素の一部が炭素に置換され
たものであることができる。あるいは、プリン環やピリ
ミジン環に種々の置換基を導入したものであることもで
きる。
【0036】塩基類似体を有するリボヌクレオチドであ
るコンプレッション抑制リボヌクレオチド誘導体とし
て、例えば、デアザリボヌクレオシド5トリフォスフェ
ート類を挙げることができる。さらに、デアザリボヌク
レオシド5トリフォスフェート類として、7−デアザリ
ボヌクレオシド5トリフォスフェート類及び3−デアザリ
ボヌクレオシド5トリフォスフェート類を挙げることが
できる。7−デアザリボヌクレオシド5トリフォスフェ
ート類には、7−デアザATP、7−デアザGTP及び
それらの誘導体があり、3−デアザリボヌクレオシド5ト
リフォスフェート類には、3−デアザCTP、3−デア
ザUTP及びそれらの誘導体がある。
【0037】コンプレッション抑制リボヌクレオチド誘
導体のその他の例として、デアミノリボヌクレオシド5
トリフォスフェート類を挙げることができる。リボヌク
レオチドが有する塩基には、ウラシルを除き、アミノ基
が存在する。GTPはプリン環の2位に、ATPプリン
環の6位に、及びCTPはピリミジン環の4位にそれぞ
れアミノ基を有する。上記デアミノリボヌクレオシド5
トリフォスフェート類とは、これらのアミノ基を脱離し
たリボヌクレオチド類であり、N2-デアミノGTP、N6-
デアミノATP及びN4-デアミノCTP並びにそれらの
誘導体を挙げることができる。尚、N2-デアミノグアニ
ンは、イノシンと同一物質であり、N2-デアミノGTP
はITPと略記することもできる。
【0038】コンプレッション抑制リボヌクレオチド誘
導体のその他の例として、リボヌクレオチドの塩基に存
在するアミノ基の水素の1つまたは2つが水素以外の有
機基で置換された誘導体を挙げることができ、そのよう
な誘導体の例として、Nアルキル置換リボヌクレオシド
5トリフォスフェート類(但し、アルキルは炭素数1〜
6の低級アルキルであり、かつ置換はモノまたはジ置換
である)を挙げることができる。但し、置換基は、アル
キル基以外の有機基から選択することもできる。Nアル
キル置換リボヌクレオシド5トリフォスフェート類とし
ては、例えば、N2-モノメチル置換GTP、N4-モノメチ
ル置換CTP、N6-モノメチル置換ATP及びそれらの
誘導階体を挙げることができる。
【0039】核酸転写反応において、ATP、GTP、
CTP及びUTP又はそれらの誘導体からなる4種類の
リボヌクレオシド5トリフォスフェート類の内、コンプ
レッションを生じやすい塩基について、リボヌクレオシ
ド5トリフォスフェート類の代わりにコンプレッション
抑制リボヌクレオチド誘導体を用いることができる。必
要により、2種以上のリボヌクレオシド5トリフォスフ
ェート類について、コンプレッション抑制リボヌクレオ
チド誘導体を用いることもできる。
【0040】4種類のリボヌクレオシド5トリフォスフ
ェート類のうち、1種類の塩基についてコンプレッショ
ン抑制リボヌクレオチド誘導体としてデアザリボヌクレ
オシド5トリフォスフェート類を用いる場合の組合せ
は、[7−デアザATP、GTP、CTP、UTP]、
[ATP、7−デアザGTP、CTP、UTP]、[A
TP、GTP、3−デアザCTP、UTP]、[AT
P、GTP、CTP、3−デアザUTP]である。デア
ザNTPを別のコンプレッション抑制リボヌクレオチド
誘導体に置き換えることもできる。尚、7−デアザNT
P等のコンプレッション抑制リボヌクレオチド誘導体は
市販され、市販品を入手可能である。また、2種以上の
コンプレッション抑制リボヌクレオチド誘導体を併用す
ることも、同一の塩基について、コンプレッション抑制
リボヌクレオチド誘導体と通常のリボヌクレオシド5ト
リフォスフェート類を併用することもできる。
【0041】GTPまたはその誘導体であるリボヌクレ
オシド5トリフォスフェート類の一部または全部として
コンプレッション抑制リボヌクレオチド誘導体を用いる
場合、核酸転写開始剤として、グアノシン、グアノシン
5モノフォスフェート(GMP)、グアノシン5ジフォス
フェート(GDP)、一般式N1(N)n-1Gで示される
オリゴリボヌクレオチド類、又は一般式N2(N)n-1G
で示されるオリゴリボヌクレオチド類を併用することが
適当である。この場合、上記コンプレッション抑制リボ
ヌクレオチド誘導体は、例えば、7−デアザGTP、N2
-デアミノGTP、またはN2-モノメチル置換GTPであ
ることができる。
【0042】ATPまたはその誘導体であるリボヌクレ
オシド5トリフォスフェート類の一部または全部とし
て、コンプレッション抑制リボヌクレオチド誘導体を用
いる場合、核酸転写開始剤として、アデノシン、アデノ
シン5モノフォスフェート(AMP)、アデノシン5ジフ
ォスフェート(ADP)、一般式N1(N)n-1Aで示さ
れるオリゴリボヌクレオチド類、又は一般式N2(N)
n-1Aで示されるオリゴリボヌクレオチド類を併用する
ことが適当である。この場合、コンプレッション抑制リ
ボヌクレオチド誘導体は、例えば、7−デアザATP、
N6-デアミノATP、又はN6-モノメチル置換ATPであ
ることができる。
【0043】CTPまたはその誘導体であるリボヌクレ
オシド5トリフォスフェート類の一部または全部とし
て、コンプレッション抑制リボヌクレオチド誘導体を用
いる場合、核酸転写開始剤として、シチジン、シチジン
5モノフォスフェート(CMP)、シチジン5ジフォスフ
ェート(CDP)、一般式N1(N)n-1Cで示されるオ
リゴリボヌクレオチド類、又は一般式N2(N)n-1Cで
示されるオリゴリボヌクレオチド類を併用することが適
当である。この場合、コンプレッション抑制リボヌクレ
オチド誘導体は、例えば、3−デアザCTP、N4-デア
ミノCTP、又はN4-モノメチル置換CTPであること
ができる。
【0044】UTPまたはその誘導体であるリボヌクレ
オシド5トリフォスフェート類の一部または全部とし
て、コンプレッション抑制リボヌクレオチド誘導体を用
いル場合、核酸転写開始剤として、ウリジン、ウリジン
5モノフォスフェート(UMP)、ウリジン5ジフォスフ
ェート(UDP)、一般式N1(N)n-1Uで示されるオ
リゴリボヌクレオチド類、または一般式N2(N)n-1
で示されるオリゴリボヌクレオチド類を併用することが
適当てある。この場合、コンプレッション抑制リボヌク
レオチド誘導体は、例えば、3−デアザUTPであるこ
とができる。
【0045】核酸転写開始剤 本発明の方法の核酸転写反応において、上記コンプレッ
ション抑制リボヌクレオチド誘導体と核酸転写開始剤と
を併用することで、核酸転写反応の怪死をより容易にす
ることができるという観点から好ましい。核酸転写開始
剤としては、例えば、リボヌクレオシド、リボヌクレオ
シド5モノフォスフェート、リボヌクレオシド5ジフォス
フェート、一般式N1(N)n(式中、N1はリボヌクレ
オシド、リボヌクレオシド5モノフォスフェート、また
はリボヌクレオシド5ジフォスフェートであり、Nはリ
ボヌクレオシド5モノフォスフェートであり、nは1以
上の整数である)で示されるオリゴリボヌクレオチド
類、及び一般式N2(N)n(式中、N2は下記式(1)
で示される基であり、Nはリボヌクレオシド5モノフォ
スフェートであり、nは1以上の整数である)で示され
るオリゴリボヌクレオチド類からなる群から選ばれるこ
とができる。
【0046】
【化1】
【0047】核酸転写開始剤としては、より具体的に
は、例えば、グアノシン、グアノシン5モノフォスフェ
ート(GMP)、グアノシン5ジフォスフェート(GD
P)、一般式N1(N)n-1G(但し、N1はリボヌクレオ
シド、リボヌクレオシド5モノフォスフェート、または
リボヌクレオシド5ジフォスフェートであり、Nはリボ
ヌクレオシド5モノフォスフェートであり、nは1以上
の整数であり、Gはグアノシン5モノフォスフェートであ
る)で示されるオリゴリボヌクレオチド類及び一般式N
2(N)n-1G(式中、N2は前記式(1)で示される基で
あり、Nはリボヌクレオシド5モノフォスフェートであ
り、nは1以上の整数であり、Gはグアノシン5モノフォ
スフェートである)で示されるオリゴリボヌクレオチド
類を挙げることができる。
【0048】さらに核酸転写開始剤としては、より具体
的には、アデノシン、アデノシン5モノフォスフェート
(AMP)、アデノシン5ジフォスフェート(AD
P)、一般式N1(N)n-1A(但し、N1はリボヌクレ
オシド、リボヌクレオシド5モノフォスフェート、また
はリボヌクレオシド5ジフォスフェートであり、Nはリ
ボヌクレオシド5モノフォスフェートであり、nは1以
上の整数であり、Aはアデノシン5モノフォスフェート
である)で示されるオリゴリボヌクレオチド類及び一般
式N2(N)n-1A(式中、N2は下記式(1)で示され
る基であり、Nはリボヌクレオシド5モノフォスフェー
トであり、nは1以上の整数であり、Aはアデノシン5
モノフォスフェートである)で示されるオリゴリボヌク
レオチド類を挙げることができる。
【0049】また、核酸転写開始剤としては、具体的に
は、シチジン、シチジン5モノフォスフェート(CM
P)、シチジン5ジフォスフェート(CDP)、一般式
1(N)n-1C(但し、N1はリボヌクレオシド、リボ
ヌクレオシド5モノフォスフェート、またはリボヌクレ
オシド5ジフォスフェートであり、Nはリボヌクレオシ
ド5モノフォスフェートであり、nは1以上の整数であ
り、Cはシチジン5モノフォスフェートである)で示さ
れるオリゴリボヌクレオチド類及び一般式N2(N)n-1
C(式中、N2は下記式(1)で示される基であり、N
はリボヌクレオシド5モノフォスフェートであり、nは
1以上の整数であり、Cはシチジン5モノフォスフェー
トである)で示されるオリゴリボヌクレオチド類を挙げ
ることができる。
【0050】さらに核酸転写開始剤としては、具体的に
は、ウリジン、ウリジン5モノフォスフェート(UM
P)、ウリジン5ジフォスフェート(UDP)、一般式
1(N)n-1U(但し、N1はリボヌクレオシド、リボ
ヌクレオシド5モノフォスフェート、またはリボヌクレ
オシド5ジフォスフェートであり、Nはリボヌクレオシ
ド5モノフォスフェートであり、nは1以上の整数であ
り、Uはウリジン5モノフォスフェートである)で示さ
れるオリゴリボヌクレオチド類及び一般式N2(N)n-1
U(式中、N2は下記式(1)で示される基であり、N
はリボヌクレオシド5モノフォスフェートであり、nは
1以上の整数であり、Uはウリジン5モノフォスフェー
トである)で示されるオリゴリボヌクレオチド類を挙げ
ることができる。
【0051】上記一般式N1(N)n、N1(N)n-1G、
1(N)n-1A、N1(N)n-1C、N1(N)n-1U、N
2(N)n、N2(N)n-1G、N2(N)n-1A、N2(N)
n-1C、N2(N)n-1Uにおいて、N1で示されるリボヌ
クレオシド、リボヌクレオシド5モノフォスフェート、
及びリボヌクレオシド5ジフォスフェートの塩基に特に
制限はなく、グアニン、アデニン、シトシン、ウリジン
から適宜選択できる。また、Nで示されるリボヌクレオ
シド5モノフォスフェートの塩基の種類及びnが2以上
の場合の塩基の配列にも特に制限はない。さらに、イニ
シエーターの機能の面でnには上限はないが、入手の容
易さ等を考慮すると、実用上は、nはせいぜい10以下
程度であり、好ましくは5以下である。
【0052】核酸転写生成物の分離及び読み取り 本発明の方法では、RNA又は核酸転写生成物を分離す
る。この分離は、転写生成物に含まれる分子量の異なる
複数の生成物分子を、分子量に応じて分離することがで
きる方法で適宜行うことができる。このような分離方法
としては、例えば電気泳動法を挙げることができる。そ
の他にHPLC等も用いることができる。電気泳動法の
条件等には特に制限はなく、常法により行うことができ
る。転写生成物を電気泳動法に付することにより得られ
るバンド(RNA又は核酸ラダー)からRNA又は核酸
の配列を読み取ることができる。
【0053】RNA又は核酸ラダーの読み取りは、例え
ば、転写物反応に用いるターミネーターであるリボヌク
レオシド5’トリフォスフェート(NTP)類を標識す
ることにより行うことができる。また、核酸転写開始剤
を用いる場合、核酸転写開始剤を標識することにより行
うこともできる。RNA又は核酸ラダーの読み取りは、
転写物反応に用いる3’dNTP誘導体を標識すること
により行うこともできる。標識としては、例えば、蛍光
標識又は放射性若しくは安定同位元素等を挙げることが
できるが、蛍光標識であることが、安全性及び操作性の
点で好ましい。また、上記のよう標識用いることなく、
電気泳動法等により分離した各転写反応生成物の質量を
質量分析計で測定することにより、転写生成物の配列を
読み取ることもできる。
【0054】具体的には、例えば、標識された3’dN
TP誘導体、より具体的には、標識された3’dAT
P、3’dGTP、3’dCTP及び3’dUTPを用
い、転写生成物を電気泳動に付して得られるバンドの放
射性若しくは安定同位元素又は蛍光を検出することで、
転写生成物の配列を読み取ることができる。このように
3’dNTP誘導体を標識することで、いずれのバンド
間の放射性強度又は蛍光強度にばらつきがなく、測定が
容易になる。さらに放射性若しくは安定同位元素又は蛍
光を発生するラダーの検出は、例えば、DNAシーケン
シンクに用いている装置を適宜用いて行うことができ
る。また、放射性若しくは安定同位元素又は蛍光標識さ
れたATP、GTP、CTP及びUTPを用い、電気泳
動に付して得られるバンドの放射性若しくは安定同位元
素又は蛍光を検出することでも転写生成物の配列を読み
取ることができる。
【0055】さらに、異なる蛍光で標識されてた3’d
ATP、3’dGTP、3’dCTP及び3’dUTP
を用い、末端が3’dATP、3’dGTP、3’dC
TP又は3’dUTPであり、異なる標識がなされた種
々の転写生成物断片の混合物を電気泳動に付して得られ
るバンドの4種類の蛍光を検出することでRNA又は核
酸の配列を読み取ることもできる。この方法では、4種
類の3’dNTPをそれぞれ異なる蛍光で標識する。こ
のようにすることで、3’末端の異なる4種類の転写生
成物の混合物を電気泳動に付することで、4種類の異な
る(3’末端の3’dNTP)応じた蛍光を発するバン
ドが得られ、この蛍光の違いを識別しながら、1度に4
種類のRNA又は核酸の配列を読み取ることができる。
蛍光標識した3’dNTPとしては、WO96/14434や特開
昭63−152364号等に記載された3デオキシリボ
ヌクレオチド誘導体を用いることができる。また、蛍光
標識としては、アルゴンレーザーのような適切な供給源
からのエネルギー吸収による刺激に引き続いて、検知可
能な発光放射を生じる蛍光色素等であることが好まし
い。
【0056】上記のように読み取られたRNA又は核酸
配列から、転写の鋳型として用いられたDNA配列を決
定することができる。各塩基について、それぞれラダー
を形成した場合には、4種類のラダーから得られたRN
A又は核酸配列情報を総合して、転写の鋳型として用い
られたDNA配列を決定することができる。また、2種
以上の塩基について同時にラダーを形成した場合(同一
のラダー内に2種以上の塩基のバンドが共存する場合)
には、各ラダーから得られたRNA又は核酸配列情報を
総合して、転写の鋳型として用いられたDNA配列を決
定することができる。特に、4種の塩基について同時に
ラダーを形成した場合(同一のラダー内に4種の塩基の
バンドが共存する場合)には、1つのラダーから得られ
たRNA又は核酸配列情報から、転写の鋳型として用い
られたDNA配列を決定することができる。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、RNAポリメラーゼを用
いるDNAの塩基配列決定方法において、従来と同量の
RNAポリメラーゼを用いても、一度のシークエンスで読
み取れるDNA配列の長さを長くできるという利点があ
る。
【0058】さらに、本発明の塩基配列決定方法は、R
NAポリメラーゼの高いプロセッシビリティーを考える
と、DNAポリメラーゼを用いる塩基配列決定法以上の
塩基配列決定を可能にする。また、本発明の方法によれ
ば、PCR生成物を精製することなく、そのままPCR
生成物のDNAの塩基配列を決定することもできる。こ
れは、反応混合物に残存する2’dNTPが、シークエ
ンシングのための3’dNTPの存在下ではRNA転写
反応において試薬として消費されることがないという、
RNAポリメラーゼの特徴によるものである。さらに、
本発明の方法では、RNAの転写反応を利用するため、
通常のDNAシーケンス法のように1本鎖テンプレート
DNAを使用する必要も、プライマーも必要がなく、さ
らにシークレンシングプライマーのハイブリダイズのた
めの変性工程も必要としない。そのため、PCR生成物
の再生の影響も受けず、容易にDNAの塩基配列を決定
することができる。また、本発明のDNA の塩基配列決定
方法において、RNAポリメラーゼとして耐熱性を有す
る変異型のRNAポリメラーゼを用いる場合、PCR法を
行う段階に併用することができ、その結果、より迅速に
DNA の塩基配列の決定を行うことが可能になる。
【0059】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。 実施例1PCR産物を鋳型に用いたシークエンス反応例 PCR反応の鋳型としてhuman thyroid-stimulating hormo
ne ( hTSH-β)cDNAをT7プロモーターを有するBS750由来
のプラスミドにサブクローニングしたものを用いた。こ
のhTSH -βcDNAを持つプラスミド、100fgを用い、クロ
ーニング部位を挟む形で存在するL220プライマー (5'-T
AA CAA TTT CAC ACA GGA AAC A-3')及び1211プライマー
(5'-ACG TTG TAA AAC GAC GGC CAG T-3')で反応液量20
μlでPCR反応[(94℃ 2分)1回、(9 4℃ 1分、55℃ 1
分、72℃ 1.5分)30回、72℃ 5分]を行った。このPCR
反応で出来たPCR産物の1211プライマーの下流にT7プロ
モーターが存在する。
【0060】シークエンス転写反応は、Melton, D.A,
[Nucleic Acids Res., 12: 7035-7056(1984)]に示され
た方法を用いて行った。上記PC R産物の内の1μl(約10
ng)をシークエンス反応に用いた。反応は、3'dNTPの誘
導体として、WO96/14434に記載された方法を参照して合
成したダイ・ターミネーター4μM R6G-3'dATP[5-カル
ボキシローダミン6G標識 3'-デオキシアデノン-5-トリ
フォスフェート(n=4)]、4μM R110-3'dGTP[5-カルボ
キシローダミン110標識 3'-デオキシグアノシン-5-トリ
フォスフェート(n=4)]、80μM XR-3'dCTP[5-カルボキ
シ-X-ローダミン標識 3'-デオキシシチジン-5-トリフォ
スフェート(n=4)]、20μM TMR-3' dUTP[5-カルボキシ
テトラメチルローダミン標識3'-デオキシウリジン-5-ト
リフォスフェート(n=4)]を用いた。さらに500μM 7-デ
アザGTP、500μM UTP、250μM ATP、250μM CTP、200μ
M GMP(核酸転写開始剤)、8mMMgCl2、2mMスペルミジ
ン-(HCl)3(または、スペルミジン-(HCl)3に代えてカダ
ベリン、アグマチン及び1,8−ジアミンオクタンのい
ずれか)、5mMDTT、40mM Tris/HCl pH 8.0 (BRL,ギブコ
社)の条件下に、変異型T7 RNAポリメラーゼF644Y 25
単位を加えて、合計反応体積10μlとして、同じく37℃
で一時間反応を行った。
【0061】
【化2】 5-カルボキシローダミン6G標識 3'-デオキシアデノシン
-5-トリフォスフェート(n=4)
【0062】
【化3】 5-カルボキシローダミン110標識 3'-デオキシグアノシ
ン-5-トリフォスフェート(n=4)
【0063】
【化4】 5-カルボキシ-X-ローダミン標識 3'-デオキシシチジン-
5-トリフォスフェート(n=4)
【0064】
【化5】 5-カルボキシテトラメチルローダミン標識 3'-デオキシ
ウリジン-5-トリフォスフェート(n=4)
【0065】次に反応産物中に残存している未反応のダ
イ・タ―ミネーターを除去するため、セファデックスG-
50カラム(ファルマシア・バイオテク製)を用いたゲル濾
過法により転写産物を精製し、精製産物は遠心式エバポ
レーターを用いて蒸発乾固した。この乾燥させた反応物
を株式会社パーキンエルマージャパンのABI PRISM 377D
NA S equencing System取り扱い説明書Ver.1.0に従い、
ホルムアミド/EDTA/Blue dextrane loading buffer 6μ
lに溶解し、そのうち2μlを、6M尿素/4%ロングレンジャ
TMアクリルアミド溶液(FMC社)を含むシークエンス
解析用変性ゲルを用い、ABI 377 DNA Sequencer及び解
析プログラム(Sequencing Analysis Ver.3 .0)により
解析し、エレクトロフェログラムを得た。図1にスペル
ミジン-(HCl)3、図2にカダベリン、図3にアグマチン、
図4に1,8−ジアミンオクタンをそれぞれ添加した場
合のエレクトロフェログラムを示す。
【0066】さらに、図1〜4において、約500〜600bpの
範囲における100bpの相同領域において読み取れなかっ
た塩基(図中Nと表示されている)の数をカウントしたと
ころスペルミジン-(HCl)3(511〜610bp)では24であった
のに対し、カダベリン(501〜600bp)、アグマチン(471〜
570bp)及び1,8−ジアミンオクタン(491〜590bp)では
それぞれ4つであった。即ち、より少ない添加量であっ
ても、スペルミジンに比べて、カダベリン、アグマチン
及び1,8−ジアミンオクタンを添加した場合の方が、
より長鎖のシークエンスが可能であることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スペルミジン-(HCl)3を添加した場合のエレ
クトロフェログラム。
【図2】 カダベリンを添加した場合のエレクトロフェ
ログラム。
【図3】 アグマチンを添加した場合のエレクトロフェ
ログラム。
【図4】 1,8−ジアミンオクタンを添加した場合の
エレクトロフェログラム。
フロントページの続き (72)発明者 林崎 良英 茨城県つくば市高野台3丁目1番1 理化 学研究所ライフサイエンス筑波研究センタ ー内 (72)発明者 田中 巧 兵庫県尼崎市高田町6番1号 和光純薬工 業株式会社大阪研究所内 (72)発明者 綿引 正則 富山県中新川郡舟橋村上国重25−13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 DNA断片を鋳型としてRNAポリメラ
    ーゼを用いて核酸転写物を得、得られる核酸転写物を分
    離し、得られる分離分画から核酸の配列を読み取るDN
    Aの塩基配列決定方法であって、 前記核酸転写反応をカダベリン、アグマチン及び1,8
    −ジアミンオクタンからなる群から選ばれる少なくとも
    1種のアミンの存在下で行うことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 DNA断片がRNAポリメラーゼのため
    のプロモーター配列を含み、核酸転写反応をATP、G
    TP、CTP及びUTP又はそれらの誘導体からなるリ
    ボヌクレオシド5トリフォスフェート類並びに3dATP、3d
    GTP、3dCTP、3dUTP及びそれらの誘導体からなる1種又は
    2種以上の3デオキシリボヌクレオシド5トリフォスフェ
    ート(以下3dNTP誘導体という)を用いて行う請求項1に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 3dNTP誘導体が標識されており、この標
    識により核酸の配列を読み取る請求項1または2に記載
    方法。
JP32760997A 1997-11-28 1997-11-28 Dnaの塩基配列決定方法 Pending JPH11155599A (ja)

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