JPH11155235A - 配線用遮断器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ２系の電源に接続された分電盤を連係して、
一方の系の電源が停電したとき、他方の系の電源からバ
ックアップ給電される。この場合、停電側分電盤の主幹
の配線用遮断器３０の電路３には逆方向の電流が流れ、
この遮断器の開閉機構部３１より電源側は、停電と思っ
ていたものが実際には他方の系の電源電圧が加圧され、
保守、点検作業者に危険をおよぼす。 【解決手段】 主幹の配線用遮断３０に逆電流検知回路
１を設け、主幹の遮断器に逆電流が流れたとき、トリッ
プコイル３２によりトリップ指令を出し開閉機構部３１
を開放する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は配線用遮断器に関
し、特に、異なる２系の電源の夫々に接続された２つの
分電盤を互いに電線路で連係し、一系側が停電したと
き、他方の系側の分電盤からバックアップ給電するよう
にした分電盤の主幹の配線用遮断器に関する。

【０００２】

【従来の技術】異なる２系の電源の夫々に接続された分
電盤を互いに連系して、一方の系側が停電したとき他方
の系側からバックアップ給電することが行われる。

【０００３】図３はかかる配電方式の単線による回路図
で、１０はＡ系電源側の分電盤、２０はＢ系電源側の分
電盤を示す。分電盤１０は主幹の配線用遮断器１１，複
数の分岐線１２Ｆ，１３Ｆ，１４，１５Ｆから成り、Ａ
系電源から各分岐線に接続された負荷に電力を供給す
る。分岐線１２Ｆ〜１４Ｆには分岐の配線用遮断器１
２，１３，１４が設けられ、また、必要に応じて配線用
遮断器の代わりに漏電遮断器１５が設けられる。

【０００４】Ｂ系電源側の分電盤２０も同様に構成され
ている。即ち、２１は主幹の配線用遮断器、２２Ｆ〜２
５Ｆは分岐線、２２〜２４は、分岐の配線用遮断器、２
５は漏電遮断器を示している。

【０００５】これらＡ系電源側の分電盤１０とＢ系電源
側の分電盤２０とはケーブル等の電線路Ｌで連係され、
例えば、Ａ系電源側が停電したときは、Ｂ系電源側から
分岐線２５Ｆ，１２Ｆを介してＡ系側の分電盤１０にバ
ックアップ給電する。

【０００６】ここに使用されている配線用遮断器は、Ｊ
１Ｓ−８３７０で定められており、開閉機構および引き
外し装置などを絶縁物の容器内に一体に組み立てたもの
で、常規状態の電路を手動又は電動操作により開閉がで
き、かつ過負荷および短絡などのとき自動的に電路を遮
断する器具として構成される。

【０００７】図４はこの配線用遮断器の一例を示すもの
で、静止リレーによって構成したものである。

【０００８】図４において、３０は配線用遮断器、３１
は開閉機構部、３２はトリップコイル、３３は電流検出
部、３４は半導体リレー部を示している。

【０００９】半導体リレー部３４は、電流検出部３３の
検出電流の最大電流を検出する最大電流検出回路、電圧
センサ、長限時回路，短限時回路，瞬時回路，トリガ回
路等から成り、故障電流の状況に応じてトリガ回路から
トリップ信号を出力してトリップコイル３２を付勢して
開閉機構部３１を開放（遮断）する。

【００１０】現在この配線用遮断器は、順方向，逆方向
のいずれかに電流が流れても、当該配線用遮断器の動作
設定電流値（トリップ値）以下の電流であればトリップ
指令を出さないようになっている。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】図３において、Ａ系電
源側が停電した場合、Ｂ系電源側からバックアップ給電
が行われ、電流は点線矢印で示すように流れる。

【００１２】この場合、主幹の配線用遮断器１１には、
通常と逆の方向に電流が流れ、該遮断器１１より電源側
のＡ１地点側は停電と思っていたものが実際にはＢ系電
源側からの電源が逆に加圧されていることになる。

【００１３】従って、保守、点検の作業者が通常認識し
ている電源側と負荷側が反対となる。このことは、作業
者が回路構成を十分認識し、なおかつ、その回路の現在
の状況を把握していない限り判断できないことである。

【００１４】特に、事故等が発生したときの緊急事態時
では、「電源側」「負荷側」の判断が誤って人身事故を
起こす危険がある。

【００１５】本発明は、このような危険を防止するため
になされたみもので、主幹の配線用遮断器に逆電流検知
回路を設けて主幹の配電線用遮断器に逆電流が流れたと
きに自動的に遮断して上記の危険を回避するようにする
ものである。

【００１６】

【課題を解決するための手段】本発明において上記の課
題を解決するための手段は、異なる２系の電源の夫々に
接続された２つの分電盤を互いに連係し、一系電源側停
電の際、他系の電源側からバックアップ給電する配電方
式の配線用遮断器において、各分電盤の主幹となる配線
用遮断器に、逆電流検知回路を設け、逆電流を検知した
とき、速やかに当該遮断器を遮断し、該遮断器の電源側
を切り離すようにする。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。

【００１８】図１は本発明の実施の形態における主幹の
配線用遮断器の概念構成図を示す。

【００１９】本発明は従来の配線用遮断器に逆電流検知
回路を設けたことに特徴を有する。従って、図４と同一
又は相当部分には、これと同一符号を付して説明を省略
する。

【００２０】しかして、１は逆電流検知回路で、電流検
出部３３の検出電流と、電圧検出部２からの検出電圧と
を入力し、電路３に流れる逆電流又は逆電力を検出す
る。そして、逆方向の電流を検知したとき、トリップコ
イル３２を付勢し、開閉機構部３１を開放する。

【００２１】逆方向の電流を検出する手段は、電圧検出
部２と電流検出部３２の検出信号を取り、両検出信号の
位相を比較し、電流検出部３３の変流器に流れる電流の
方向が反転するので、これを判別する位相検出回路を応
用してもよいし、また、一般的に知られている電流力計
形又は誘導形の電力計又は電力量計の原理を応用して検
出するようにしてもよい。

【００２２】図２は誘導形電力量計の原理図で、電圧コ
イル５に電圧検出部２の検出電圧ｅを印加し、転流コイ
ル６に電流検出部３３の検出電流を入力する。この電流
コイル６と電圧コイル５で移動磁界を発生させ、円板７
に回転トルクを発生させる、電流コイル６に逆方向の電
流が流れたとき、円板７は回転方向が反転する。この反
転をリミットスイッチで検知してトリップ指令とする。

【００２３】

【発明の効果】以上のように本発明は配線用遮断器に逆
電流検知回路を設けたので、２系が連係され、一方の系
の電源が停電して他系の電源からバックアップ給電され
る配電方式の主幹の配線用遮断器として適用すると、バ
ックアップ給電されると同時に、停電した系側の主幹の
配線用遮断器は自動的に遮断されるので、従来のような
保守、点検作業者の危険は全く生じなくなり、安全に保
守、点検等の作業ができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の概念構成図。

【図２】逆電流検知回路の一例の説明図。

【図３】２系電源を連係した分電盤のバックアップ給電
の説明図。

【図４】従来の配線用遮断器の概念構成図。

【符号の説明】

１…逆電流検知回路 ２…電圧検出部 ３…電路 ３０…配線用遮断器 ３１…開閉機構部 ３２…トリップコイル ３３…電流検出部 ３４…半導体リレー部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２系の電源に夫々主幹の配線用遮断器を
   介して接続された分電盤を互いに連係し、一方の系の電
   源が停電したとき、他方の系の電源からバックアップ給
   電するようにした配電方式の配線用遮断器において、該
   配線用遮断器に逆電流検知回路を設け、逆電流を検知し
   たとき当該配線用遮断器のトリップコイルにトリップ指
   令を与えて開閉機構部を開放するようにしたことを特徴
   とする配線用遮断器。