JPH11155199A - 屋外音場補正装置 - Google Patents

屋外音場補正装置

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JPH11155199A
JPH11155199A JP32084097A JP32084097A JPH11155199A JP H11155199 A JPH11155199 A JP H11155199A JP 32084097 A JP32084097 A JP 32084097A JP 32084097 A JP32084097 A JP 32084097A JP H11155199 A JPH11155199 A JP H11155199A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 拡声範囲内の任意の場所における音圧を自由
に補正することができる屋外音場補正装置を提供する。 【解決手段】 屋外音場補正装置は、音声を入力して電
気信号に変換する音声入力部と、電気信号を音声に変換
して出力する各音源部とを有する。屋外音場補正装置
は、各受音点で実測した各原音圧と、各受音点における
各所望の音圧と、を入力する入力部22を有する。屋外
音場補正装置は、入力部22に入力された各データか
ら、各補正音圧係数及び各補正係数を算出する計算部2
4を有する。屋外音場補正装置は、音声入力部と各音源
部との間に配置され各補正係数に基づいて電気信号を制
御する各補正部12iを有する。各補正部12iによる
電気信号の制御により各音源部が各補正音圧を各受音点
に生成して各受音点の音圧を各所望の音圧に補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋外音場補正装
置、特に拡声範囲内の任意の位置における音圧を補正す
る屋外音場補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、屋外においてスピーカ等の音
源器を配置して音声を拡声させることが行われる。この
際、音声の拡声範囲内において、音声により生じる音場
を制御することが必要とされている。この音場制御の方
式としては、一般的に以下に示す方式がある。
【0003】即ち、拡声範囲内の音場ができるだけ均一
になるように、複数のスピーカを適切に配置すると共
に、各スピーカの向きを適切に設定する。また、各スピ
ーカに対して、音声に変換される前の電気信号の振幅や
周波数等を制御するミキシングコンソールを設ける。そ
して、補正しきれない音場の不均一性は、電気信号の振
幅や周波数等をミキシングコンソールで制御することに
より、各スピーカから発生する音声による音圧を補正し
ていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
方式では、スピーカの配置や向きを設定してしまうと、
予測しない事態が生じて拡声範囲内の特定地点における
音圧が大きく変化してしまった場合や特定地点での騒音
を防止する必要が生じた場合、対処することができなか
った。即ち、一度、屋外に設定したスピーカの配置や向
きは変更することはできないので、ミキシングコンソー
ルで音圧を補正するしかなかったが、ミキシングコンソ
ールで補正して拡声範囲内の特定地点の音圧を所望の音
圧に補正しようとしても、そのような条件を決定するこ
とが容易でなかった。
【0005】従って、拡声範囲内の任意の場所における
音圧を自由に補正することができなかった。
【0006】本発明は、以上のような問題点を解決する
ためになされたものであり、その目的は、拡声範囲内の
任意の場所における音圧を自由に補正することができる
屋外音場補正装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る屋外音
場補正装置は、電気信号を音声に変換して出力する音源
部を複数有し、各電気信号を制御して各音源部の音声の
拡声範囲内における音場を補正する屋外音場補正装置に
おいて、前記拡声範囲内の複数の受音点に対して、各受
音点における各所望の音圧が設定された場合、各音源部
から発生する各受音点で実測した各原音圧を補正するた
めの音圧係数である各補正音圧係数を、前記各原音圧に
それぞれ乗じた音圧である各受音地点での各補正音圧を
足しあわせた音圧が、それぞれ各受音地点での各所望の
音圧に等しくなるように、各補正音圧係数を決定する計
算部と、各音源部内に配置され、各補正音圧係数に対応
する各補正係数に基づいて、各電気信号を制御する各補
正部と、を有し、各補正部が各補正係数に基づいて各電
気信号を制御して各音源部が各補正音圧を各受音点に生
成することにより、拡声範囲内の各受音点における音圧
を各所望の音圧に補正することを特徴とする。
【0008】第1の発明によれば、計算部は、各受音点
での音圧が各所望の音圧になるように、各受音点で実測
した各原音圧に乗じる各補正音圧係数を以下のように決
定している。即ち、各受音地点での各補正音圧を足しあ
わせた音圧が、それぞれ各受音地点での各所望の音圧に
等しくなるように各補正音圧係数を決定する。
【0009】そして、各補正部が各補正音圧係数に対応
する各補正係数に基づいて電気信号を制御することによ
り、各音源部は各補正音圧を各受音点に発生する。そし
て、各受音点での音圧は、各音源部から発生する各受音
点での各補正音圧を足しあわせた音圧になるので、拡声
範囲内の各受音点における音圧を各所望の音圧に補正す
ることができる。
【0010】第2の発明に係る屋外音場補正装置は、電
気信号を音声に変換して出力する音源部を複数有し、各
電気信号を制御して各音源部の音声の拡声範囲内におけ
る音場を補正する屋外音場補正装置において、各音源部
の電気信号の情報と、前記拡声範囲内の複数の受音点の
各受音点と各音源部との間の3次元的距離と、を入力す
る入力部と、各音源部から発生する各受音点での各原音
圧を、前記入力部により入力された各音源部の電気信号
の情報と前記3次元的距離とを用いてシミュレーション
により決定すると共に、各受音点における各所望の音圧
が設定された場合、各原音圧を補正するための音圧係数
である各補正音圧係数を、前記各原音圧にそれぞれ乗じ
た音圧である各受音地点での各補正音圧を足しあわせた
音圧が、それぞれ各受音地点での各所望の音圧に等しく
なるように、各補正音圧係数を決定する計算部と、各音
源部内に配置され、各補正音圧係数に対応する各補正係
数に基づいて、各電気信号を制御する各補正部と、を有
し、各補正部が各補正係数に基づいて各電気信号を制御
して各音源部が各補正音圧を各受音点に生成することに
より、拡声範囲内の各受音点における音圧を各所望の音
圧に補正することを特徴とする。
【0011】第2の発明によれば、入力部により入力さ
れた各音源部の電気信号の情報と、各音源部と各受音点
との間の3次元的距離と、を用いて、計算部は各原音圧
を、シミュレーションにより決定できる。このため、音
源部の電気信号の周波数等の特性を変化させたり、受音
点の位置を変えた場合の各原音圧を計算することができ
る。この結果、各受音点での各原音圧を実際に測定しな
くて済むので、迅速に各原音圧の予測値を知ることがで
きる。そして、変更された各原音圧に応じて計算部によ
り各補正音圧係数を決定することができるので、拡声範
囲内の任意の場所における音圧を自由に補正することが
できる。
【0012】第3の発明に係る屋外音場補正装置は、第
2の発明に係る屋外音場補正装置において、前記入力部
は、各音源部の電気信号の情報と、各音源部と各受音点
との間の3次元的距離と、各受音点における各所望の音
圧と、を含む無線データを外部装置から受信する受信部
を有することを特徴とする。
【0013】第3の発明によれば、入力部は、各音源部
の電気信号の情報と、各音源部と各受音点と間の3次元
的距離と、各受音点における各所望の音圧と、を含む無
線データを外部装置から受信する受信部を有する。この
ため、入力部から離れた場所からでも、計算部が補正音
圧係数を計算するのに必要なデータを無線データで送る
ことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
好適な実施の形態について説明する。
【0015】実施の形態1. (1)屋外音場補正装置の構成 図1、図2は実施の形態1である屋外音場補正装置の構
成を示すブロック図である。屋外音場補正装置は、音声
を入力して電気信号に変換する音声入力部2と、上記電
気信号の振幅及び周波数等を所定の特性に制御するミキ
シングコンソール4と、各端子Ai(iは1からnまで
の整数)と各端子Biとをそれぞれ有するn個の各パッ
チコード6a,6b,..6c,6d(以下、各パッチ
コード6iという)と、を有する。
【0016】屋外音場補正装置は、各パッチコード6i
とそれぞれ接続されたn個の各アンプ8a,8b,..
8c,8d(以下、各アンプ8iという)と、各アンプ
8iにより増幅された電気信号をそれぞれ音声に変換し
て出力するn個の各音源部10a,10b,..10
c,10d(以下、各音源部10iという)と、を有す
る。
【0017】一方、本実施の形態である屋外音場補正装
置は、拡声範囲内の各受音点における実際に測定した音
圧である実測音圧を入力する入力部22を有する。この
入力部22では、作業者が、各音源部10iにより音声
に変換される前の電気信号の情報(周波数、振幅、位相
等)と、各音源部10iとこれらの音源部10iの音声
の拡声範囲内の各受音点との間のそれぞれの各3次元的
距離と、各受音点におけるそれぞれの各所望の音圧と、
を入力することもできる。
【0018】ここで、3次元的距離とは、所定の地点か
ら他の所定の地点までの間の2次元的距離(地面での距
離)、高さ(地面からの高さ)、角度(所定の地点の角
度と他の地点の角度との差、ここでいう角度とは、後述
するようにある基準点から見たときの角度である)、を
考慮した距離情報のことである。上述した各3次元的距
離の入力の仕方は、先ず、各音源部の位置情報、各受音
点での位置情報を入力部22に入力する。この際、位置
情報とは、ある決められた基準点からの2次元的距離、
高さ、角度を示す。そして、上記各音源部10iの位置
情報及び各受音点での位置情報に基づいて、各音源部1
0iと各受音点との間のそれぞれの各3次元的距離が、
後述する計算部により計算される。本実施の形態では、
入力部22に各音源部10iの位置情報及び各受音点で
の位置情報を入力することを、各音源部10iと各受音
点との間のそれぞれの各3次元的距離を入力するとい
う。
【0019】そして、屋外音場補正装置は、入力部22
に入力された実測音圧(以下、各原音圧という)を補正
するための音圧係数である各補正音圧係数を、以下のよ
うに決定する。即ち、各補正音圧係数を各原音圧にそれ
ぞれ乗じた音圧である各受音地点での各補正音圧を足し
あわせた音圧が、それぞれ各受音地点での各所望の音圧
に等しくなるように、各補正音圧係数を決定する。ま
た、計算部24は、各補正音圧係数に対応する各補正係
数を決定する。
【0020】また、計算部24は、上記各原音圧をシミ
ュレーションにより決定することも可能である。即ち、
計算部24は、入力部22に入力された上記電気信号の
情報(以下、この情報を、各音源部の電気信号の情報と
いう)と上記各3次元的距離とを用いて、シミュレーシ
ョンにより各音源部10iが各受音点に生成する各音圧
を決定する。
【0021】そして、計算部24は、各音源部10iか
ら発生する各受音点での各原音圧(シミュレーションに
より決定した)を補正するための音圧係数である各補正
音圧係数を、上述したように決定することができる。即
ち、実測された各原音圧を補正するための各補正音圧係
数を決定する方法と同様にして、シミュレーションによ
る各原音圧を補正するための各補正音圧係数を決定する
ことができる。
【0022】また、屋外音場補正装置は、計算部24に
より計算された各補正係数をI/Oポート26を介して
取り込んだのち、後述する各補正部へ送る制御部28を
有する。
【0023】また、屋外音場補正装置は、各パッチコー
ド6iの両端子間に接続されることが可能であると共に
電気信号を制御する各補正部を有する。図2に示すよう
に、各補正部12a,12b,..12c(以下、各補
正部12iという)は、それぞれ、各パッチコードの各
端子Aiから入力されたアナログ信号である電気信号を
デジタル信号に変換する各A/D変換部14a,14
b,..14c(14b,..14cは図示せず、以
下、各A/D変換部14iという)と、上記デジタル信
号に対して各補正係数に基づいて演算処理(フィルタ処
理)を施す各DSP16a,16b,..16c(16
b,..16cは図示せず、以下、各DSP16iとい
う)と、この各DSP16iに接続され演算処理対象の
デジタル信号を記憶したり上記演算処理を命令する演算
命令を記憶する各メモリ18a,18b,..18c
(18b,..18cは図示せず、以下、各メモリ18
iという)と、各DSP16iにより演算処理を施され
たデジタル信号をアナログ信号である電気信号に変換し
て各パッチコードの各端子Biへ出力する各D/A変換
部20a,20b,..20c(20b,..20cは
図示せず、以下、各D/A変換部20iという)と、を
有する。
【0024】なお、制御部28は、表示部30及び操作
部32を制御する。操作部32は、作業者が各種の操作
を行うためのものである。作業者は、上記操作部32に
より、例えば各補正部12aと各パッチコード6aとの
オンオフの操作を行える。表示部30は、各種設定の案
内等を表示する。
【0025】また、本実施の形態ではミキシングコンソ
ール4の制御条件及び各アンプ8iの増幅率は予め決め
られた固定条件とする。また、各音源部10iは、例え
ばそれぞれ1つの音源器(スピーカ)から構成されても
よいし、又は複数のスピーカからなるスピーカクラスタ
で構成されてもよい。
【0026】(2)屋外音場補正装置の動作 実施の形態1である屋外音場補正装置の動作について、
(A)各補正部12iによる電気信号の制御を行わない
場合の動作と、(B)各補正部12iによる電気信号の
制御を行う際の各補正係数を決定したのち、各補正部1
2iにて、各補正係数に基づいて電気信号を制御して各
音源部10iから各補正音圧を発生する動作と、に分け
て説明する。
【0027】(A)各補正部12iによる電気信号の制
御を行わない場合の動作について 各補正部12iによる電気信号の制御を行わない場合、
先ず、操作部32により各パッチコード6iの両端子と
各補正部12iとの接続をオフするように操作する。こ
の結果、制御部28は、各パッチコード6iの各端子A
i,Bi間を接続する。
【0028】そして、マイク等の音声入力部2に、音声
を入力すると、この音声が電気信号に変換される。上記
音声の入力方法としては、直接声を入力してもよいし、
又はCD、MD、カセットテープ等による音声を入力し
てもよい。
【0029】そして、ミキシングコンソール4により上
記電気信号が制御される。この際、電気信号の周波数、
振幅、位相等が所定の特性に制御される。
【0030】そして、ミキシングコンソール4により制
御された電気信号は各アンプ8iで増幅され、各音源部
10iにより電気信号が音声に変換され、各音源部10
iから音圧が発生する。これにより、例えば、各音源部
10iの音声の拡声範囲内における音場を所定の特性に
制御することができる。
【0031】(B)各補正部12iによる電気信号の制
御を行う際の各補正係数を決定したのち、各補正部12
iにて、各補正係数に基づいて電気信号を制御して各音
源部から各補正音圧を発生する動作について 各音源部10iの音声の拡声範囲内の各受音点における
音圧を各所望の音圧にするには、各補正部12iによる
電気信号の制御を行う際に各DSP16iが演算処理を
するのに必要な各補正係数を決定する必要がある。この
方法について、以下に示す2通りの方法がある。即ち、
実測した各原音圧から各補正音圧係数及び各補正係数を
決定する方法と、シミュレーションにより決定された各
原音圧から各補正音圧係数及び各補正係数を決定する方
法と、がある。
【0032】(Bー1)実測した各原音圧から各補正音
圧係数及び各補正係数を決定する方法について図3に示
すフローチャート図を用いて以下に説明する。
【0033】先ず、ステップS102では、各受音点に
おける各原音圧(振幅、周波数、位相)を測定する。こ
の測定においては、n個の各音源部10i(i=a〜
d)から発生するm個の各受音点Pk(k=1〜m)に
おける各原音圧Cki+jDkiを測定する。なお、C
ki、Dkiは係数であり、周波数、振幅、位相等の情
報が含まれる。上記測定において、音源部10aから発
生した受音点P1における原音圧C11+jD11を測
定する場合、他の音源部からの音圧が受音点P1に発生
しないようにする。図4(a)は、本実施の形態におけ
るn個の各音源部10iから発生するm個の各受音点P
1,..,Pmでの原音圧を示す模式図である。なお、
図4(a)においては、ミキシングコンソール4、各ア
ンプ8i、音声入力部2、各パッチコード6iは省略し
ている。
【0034】そして、図4(a)に示すように、音源部
10aから受音点P1に発生した実測の原音圧を、C1
1+jD11と表せる。同様にして、音源部10bから
受音点P1に発生した実測の原音圧は、C12+jD1
2と表せる。同様にして、各音源部10iから受音点P
1に発生した実測の原音圧は、C1i+jD1
i、...、音源部10dから受音点P1に発生した実
測の原音圧は、C1n+jD1nと表せる。そして、音
源部10aから受音点P2に発生した実測の原音圧は、
C21+jD21.....音源部10dから受音点P
mに発生する原音圧は、Cmn+jDmnと表せる。
【0035】次に、ステップS104では、表示部30
に、各受音点Pkでの各所望の音圧を入力部22に入力
する指示が表示され、入力部22により各受音点Pkで
の各所望の音圧(周波数、振幅、位相)を入力する。
【0036】そして、ステップS106では、計算部2
4が各原音圧、各所望の音圧から各補正音圧係数を算出
する。そして、計算部24は各補正音圧係数を各補正係
数に変換する。
【0037】(B−1−2)各補正音圧係数及び各補正
係数の算出方法について このステップS106における各補正音圧係数及び各補
正係数の算出方法を以下に詳細に説明する。
【0038】図4(b)は本実施の形態における電気信
号がn個の各補正部12iを介してn個の各音源部10
iから発生するm個の各受音点Pkでの音圧を導出する
方法を示す模式図である。図4(b)において、図4
(a)と異なる点は、ミキシングコンソール4により調
整された電気信号が各補正部12iにより制御されてか
ら各音源部10iにより音声に変換される点にある。こ
の際、各受音点Pkでの音圧が、入力部22により入力
された各所望の音圧Ak+jBkになるように、各補正
部12iの各補正係数が決められる。即ち、各受音点P
kにおける音圧である、各原音圧Cki+jDkiに各
補正音圧係数Xi+jYiを乗じた各補正音圧(Cki
+jDki)*(Xi+jYi)の和が、それぞれ、各
所望の音圧Ak+jBkになるようにする。この関係を
まとめると、以下のような数式となる。
【0039】
【数1】 上記数式から各受音点Pkでの方程式がm個生成され
る。例えば、受音点P1の方程式は、 A1+jB1=(C11+jD11)*(X1+jY
1)+(C12+jD12)*(X2+jY2)
+...+(C1n+jD1n)*(Xn+jYn)に
表され、受音点P2の方程式は、 A2+jB1=(C11+jD11)*(X1+jY
1)+(C12+jD12)*(X2+jY2)
+...+(C1n+jD1n)*(Xn+jYn)の
ように表せる。
【0040】同様にして、受音点P3、P4..Pmに
ついても方程式を立てる。この際、音源の数nより受音
点の数mの方が少ないと、方程式が解けないので、受音
点条件の数は、音源部の数以上に与える必要がある。
【0041】そして、Ak、Bk(k=1〜m)、Ck
i、Dki(k=1〜m、i=1〜n)は既知なので、
連立多元1次方程式を解いて、各補正音圧係数Xi、Y
i(i=1〜n)を求める。
【0042】そして、計算部24は、各補正音圧係数X
i、Yi(i=1〜n)に対して、それぞれ、各音源部
10iの音圧/電気信号変換特性を考慮して、各補正係
数を決定する。
【0043】続いて、ステップS110では、表示部3
0に、各受音点Pkの音圧Ak+jBkを描画するか否
かについて表示される。
【0044】そして、各受音点Pkの音圧を描画させる
ときは、ステップS112にてその旨を示す操作を操作
部32により行い、表示部30に各受音点Pkの音圧を
描画させる。この際、各受音点Pkにおける音圧が2以
上の周波数成分をもつときは、入力部22に描画させた
い周波数を入力することにより、計算部24が各受音点
Pkの音圧について、上記周波数成分の音圧を算出す
る。これらの音圧を制御部28が計算部24から受け取
り、表示部30に送る。そして、制御部28は、表示部
30に各受音点Pkの音圧の上記周波数成分を描画させ
る。そして、ステップS114へ移行する。
【0045】一方、各受音点Pkの音圧を描画させない
ときは、ステップS114へ移行する。
【0046】最後に、ステップS114では、制御部2
8が計算部24により計算された各補正係数を各補正部
12iの各DSP16iへ送る。これにより、各補正部
12iは、各補正係数に基づいて、端子Aiから入力さ
れた電気信号を制御して、各音源部10iから各補正音
圧(Cki+jDki)(Xi+jYi)を各受音点P
kに発生することが可能な状態に設定される。
【0047】(B−2)シミュレーションにより決定さ
れた各原音圧係数から各補正音圧係数及び各補正係数を
決定する方法について図5に示すフローチャート図を用
いて以下に説明する。
【0048】先ず、ステップS202では、入力部22
に各音源部10iの電気信号の情報と、各音源部10i
と各受音点Pkとの間のそれぞれの各3次元的距離と、
を入力する。
【0049】次に、ステップS204では、ステップS
202にて入力したデータを用いて、計算部24により
シミュレーションを行い、各音源部10iから発生する
各受音点Pkにおける各原音圧Cki+jDkiを算出
する。そして、計算部24は、各受音点Pkにおける各
音源部10iから発生する各原音圧の和を算出する。
【0050】(B−2−1)各原音圧の算出方法及び各
受音点における各原音圧の和の算出方法について このステップS204における各原音圧Cki+jDk
iの算出方法及び各受音点Pkにおける各原音圧の和の
算出方法を、図4(a)を用いて以下に詳細に説明す
る。
【0051】図4(a)において、各音源部10iから
各受音点Pkにて発生する各原音圧は、以下のように決
定される。即ち、入力部22により入力された各音源部
10iの電気信号の情報と上記3次元的距離とが計算部
24に入力される。計算部24は、これらのデータを用
いてシミュレーションにより各原音圧を決定する。この
シミュレーションにおいては、各音源部10iの電気信
号の情報と、各音源部10iと各受音点Piとの間の3
次元的距離と、各音源部10iの電気信号/音圧変換方
程式と、各音源部10iから発生する音圧の波動方程式
と、を組み合わせて解くことにより各原音圧が得られ
る。
【0052】例えば、図4(a)に示すように、音源部
10aから受音点P1に発生する原音圧を求める場合は
以下のように行う。即ち、上記原音圧は、音源部10a
で音声に変換される前の電気信号の情報と、音源部10
aと受音点P1との間の3次元的距離と、を用いて音源
部10aの電気信号/音圧変換方程式と、音源部10a
から発生する音圧の波動方程式と、を組み合わせたシミ
ュレーションにより求められる。そして、音源部10a
から受音点P1に発生する原音圧は、C11+jD11
と表せる。
【0053】同様にして、音源部10bから受音点P1
に発生する原音圧は、音源部10bで音声に変換される
前の電気信号の情報と、音源部10bと受音点P1との
間の3次元的距離と、を用いて音源部10bの電気信号
/音圧変換方程式と、音源部1baから発生する音圧の
波動方程式と、を組み合わせたシミュレーションにより
求められ、C12+jD12と表せる。同様にして、各
音源部10iから受音点P1に発生する原音圧は、C1
i+jD1i、...、音源部10dから受音点P1に
発生する原音圧は、C1n+jD1n(C1n、D1n
は係数)と表せる。そして、音源部10aから受音点P
2に発生する原音圧は、C21+jD21(C21、D
21は係数).....音源部10dから受音点Pmに
発生する原音圧は、Cmn+jDmn(Cmn、Dmn
は係数)と表せる。そして、各受音点Pkにおける音圧
Ek+jFkは、各音源部10iの原音圧の和によって
表わされる。各受音点Pkにおける音圧の式を以下の数
式に示す。
【0054】
【数2】 例えば、受音点P1の音圧E1+jF1は、C11+C
12+...+C1n+j(D11+D12+...+
D1n)と表される。
【0055】続いて、ステップS206では、表示部3
0に、上述のようにして求めた各受音点Pkの音圧Ek
+jFk(各補正部による補正前の各受音点Pkにおけ
る音圧)を描画するか否かについて表示される。
【0056】そして、各受音点Pkの音圧を描画させる
ときは、ステップS207にてその旨を示す操作を操作
部32により行い、表示部30に、補正前の各受音点P
kの音圧を描画させる。この際、各受音点Pkにおける
音圧が2以上の周波数成分をもつときは、入力部22に
描画させたい周波数を入力することにより、計算部24
が各受音点Pkの音圧について、上記周波数成分の音圧
を算出する。これらの音圧を制御部28が計算部24か
ら受け取り、表示部30に送る。そして、制御部28
は、表示部30に各受音点Pkの音圧の上記周波数成分
を描画させる。そして、ステップS208へ移行する。
【0057】一方、各受音点Pkの音圧を描画させない
ときは、ステップS208へ移行する。
【0058】そして、ステップS208では、表示部3
0に、各受音点Pkでの各所望の音圧を入力部22に入
力する指示が表示され、入力部22により各受音点Pk
での各所望の音圧を入力する。
【0059】そして、ステップS210では、計算部2
4が各原音圧、各所望の音圧から各補正音圧係数を算出
する。そして、計算部24は各補正音圧係数を各補正係
数に変換する。
【0060】このステップS210における各補正音圧
係数及び各補正係数の算出方法は、上述した(B−1−
2)に示した方法と同様である。
【0061】続いて、ステップS214では、表示部3
0に、各受音点Pkの音圧Ak+jBkを描画するか否
かについて表示される。
【0062】そして、各受音点Pkの音圧を描画させる
ときは、ステップS215にてその旨を示す操作を操作
部32により行い、表示部30に各受音点Pkの音圧を
描画させる。この際、各受音点Pkにおける音圧が2以
上の周波数成分をもつときは、入力部22に描画させた
い周波数を入力することにより、計算部24が各受音点
Pkの音圧について、上記周波数成分の音圧を算出す
る。これらの音圧を制御部28が計算部24から受け取
り、表示部30に送る。そして、制御部28は、表示部
30に各受音点Pkの音圧の上記周波数成分を描画させ
る。そして、ステップS216へ移行する。
【0063】一方、各受音点Pkの音圧を描画させない
ときは、ステップS216へ移行する。
【0064】最後に、ステップS216では、制御部2
8が計算部24により計算された各補正係数を各補正部
12iの各DSP16iへ送る。これにより、各補正部
12iは、各補正係数に基づいて、端子Aiから入力さ
れた電気信号を制御して、各音源部10iから各補正音
圧(Cki+jDki)(Xi+jYi)を各受音点P
kに発生することが可能な状態に設定される。
【0065】(B−1)又は(B−2)の方法により算
出された各補正係数に基づいて、各補正部12iが電気
信号を制御して各音源部10iから各補正音圧(Cki
+jDki)(Xi+jYi)を発生する動作について
以下に説明する。
【0066】先ず、操作部32により各パッチコード6
iの両端子と各補正部12iとの接続をそれぞれオンす
るように操作する。この結果、制御部28は、各端子A
iを各AD変換部14iの入力側と接続させ、各端子B
iを各DA変換部20iの出力側と接続させる。
【0067】そして、音声入力部2に、音声を入力する
と、この音声が電気信号に変換される。そして、ミキシ
ングコンソール4により制御された電気信号は、各補正
部12iに入力される。そして、各補正部12iにおい
ては、各AD変換部14iは、アナログ信号である電気
信号をデジタル信号に変換する。そして、各DSP16
iは、デジタル信号に対して、各補正係数に基づいて、
演算処理(フィルタ処理)を行う。
【0068】この際、各DSP16iはデジタル信号を
一旦各メモリ18iに格納し、演算処理を命令する演算
命令を各メモリ18iから読み出す。そして、演算命令
及び各補正係数に基づいて、各DSP16iが所定の演
算処理を行うように設定されたのち、各メモリ18iか
らデジタル信号を読み出して演算処理を行い、各DA変
換部20iに出力する。各DA変換部20iは、演算処
理されたデジタル信号をアナログ信号である電気信号に
変換して各端子Biへ出力する。電気信号は各アンプ8
iで増幅され、各音源部10iにより電気信号が音声に
変換される。そして、各音源部10iは、各受音点Pk
に各補正音圧(Cki+jDki)(Xi+jYi)を
発生させる。これにより、拡声範囲内の各受音点Pkに
おける音圧を各所望の音圧Ak+jBkに補正すること
ができる。
【0069】本実施の形態においては、計算部24は、
各受音点Pkでの音圧が各所望の音圧Ak+jBkにな
るように、各受音点Pkで実測した各原音圧Cki+j
Dkiに乗じる各補正音圧係数Xi+jYiを以下のよ
うに決定している。即ち、各受音地点Pkでの各補正音
圧(Cki+jDki)(Xi+jYi)を足しあわせ
た音圧が、それぞれ各受音地点Pkでの各所望の音圧A
k+jBkに等しくなるように各補正音圧係数Xi+j
Yiを決定する。
【0070】そして、各補正部12iが各補正音圧係数
Xi+jYiに対応する各補正係数に基づいて電気信号
を制御することにより、各音源部10iは各補正音圧
(Cki+jDki)(Xi+jYi)を各受音点Pk
に発生する。そして、各受音点Pkでの音圧は、各音源
部10iから発生する各受音点Pkでの各補正音圧(C
ki+jDki)(Xi+jYi)を足しあわせた音圧
(即ち、添え字iについて1からnまで足し合わせる)
になるので、拡声範囲内の各受音点Pkにおける音圧を
各所望の音圧Ak+jBkに補正することができる。
【0071】また、入力部22により入力された各音源
部10iの電気信号の情報と、各音源部10iと各受音
点Pkとの間の3次元的距離と、を用いて、計算部24
は各原音圧Cki+jDkiを、シミュレーションによ
り決定することもできる。このため、各音源部10iの
電気信号の周波数等の特性を変化させたり、各受音点P
kの位置を変えても、各原音圧Cki+jDkiを計算
することができる。この結果、各受音点Pkでの各原音
圧を実際に測定しなくて済むので、迅速に各原音圧の予
測値を知ることができる。そして、計算部24は、上記
変更された各原音圧Cki+jDkiに応じて各補正音
圧係数Xi+jYiを決定することができ、拡声範囲内
の任意の場所における音圧を自由に補正することができ
る。
【0072】図1及び図2に示す屋外音場補正装置を用
いて、図6(a)に示すある地域の競技場40における
音場を補正する具体例を以下に示す。図6(b)は競技
場40内を拡大した模式図である。
【0073】図6(b)に示すように、SPAの位置
に、本実施の形態の屋外音場補正装置を設置した場合に
ついて説明する。なお、この具体例では、各原音圧はシ
ミュレーションにより決定している。
【0074】(具体例1)SPAの位置を中心に2次元
的距離100mで、地上からの高さ1.5mの位置にあ
る複数の受音点(X地点を含む)に生成される音圧に対
して、周波数250Hzの成分について各補正部12i
で制御を行わないときの各受音点Pkでの音圧を描画し
た。この結果を図7に示す。そして、各補正部12iで
制御を行うようにしたときの各受音点Pkでの音圧を描
画した。この結果を図8に示す。但し、図7、図8にお
いて、fは周波数、rはSPAからの2次元的距離、h
は各受音点の地上からの高さである。また、図7、図8
において、円周方向の角度軸は図6(b)において、矢
印αの方向を0°としたときの各受音点Pkの時計回り
の角度を示しており、半径方向の軸は、後述する音圧レ
ベル(dB)を示している。
【0075】同様に、周波数500Hzの成分について
各補正部12iで制御を行わないときの各受音点Pkで
の音圧を描画した。この結果を図9に示す。そして、各
補正部12iで制御を行うようにしたときの各受音点P
kでの音圧を描画した。この結果を図10に示す。
【0076】なお、描画図における音圧は音圧レベルで
あり、以下のような式で表される。
【0077】音圧レベルSPL=20*log10(PP
/P0)(dB) 但し、P0は基準の音圧値であり、20(μPa)であ
る。また、PPは音圧の実効値である。
【0078】(具体例2)SPAの位置を中心に2次元
的距離200mで、地上からの高さ20mの位置にある
複数の各受音点Pk(Y地点を含む)に生成される音圧
に対して、周波数250Hzの成分について各補正部1
2iで制御を行わないときの各受音点Pkでの音圧を描
画した。この結果を図11に示す。そして、各補正部1
2iで制御を行うようにしたときの各受音点Pkでの音
圧を描画した。この場合は、SPAから見て正面から左
方向に80°の位置付近の地点にある建物に対して、騒
音軽減の補正を行った。この結果を図12、図13に示
す。なお、図12、図13では、騒音軽減の補正の度合
いを変化させている。
【0079】同様に、周波数500Hzの成分について
各補正部12iで制御を行わないときの各受音点Pkで
の音圧を描画した。この結果を図14に示す。そして、
各補正部12iで制御を行うようにしたときの各受音点
Pkでの音圧を描画した。この場合も、SPAから見て
正面から左方向に80°の位置に地点にある建物に対し
て、騒音軽減の補正を行った。この結果を図15に示
す。
【0080】以上の結果については、ステップS20
7、S215で描出されたシミュレーションの結果デー
タであるが、各補正部12iをオンさせないで屋外音場
補正装置を上記競技場40にて動作させた実測データ
と、各原音圧による各受音点Pkでの音圧の描画(即
ち、シミュレーション結果データ)と、は特徴的な部分
が類似していた。このため、各補正部12iをオンさせ
て屋外音場補正装置を上記競技場40にて動作させた実
測データと、各補正音圧による各受音点Pkでの音圧の
描画も類似しているものと考えてよい。
【0081】また、例えば屋外音場補正装置SPAを中
心にして100m以内は音場を均一化させると共に、上
記補正装置から見て正面から左方向に80°で200m
離れた地点の音圧を下げることもできる。このため、音
声の拡声範囲内において、特定領域内では、音場を均一
に制御すると共に、同時に特定範囲外の所定区域では騒
音軽減のために音圧を下げることが可能となる。
【0082】実施の形態2.本実施の形態において、実
施の形態1の屋外音場補正装置と異なる点は、入力部2
2には、各音源部10iの電気信号の情報と、各音源部
10iと各受音点Pkとの間の各3次元的距離と、各受
音点Pkでの各所望の音圧Ak+jBkと、を含む無線
データを外部装置から受信する受信部が配置されている
点と、操作部32には、各操作を指示する各操作指令を
外部装置から受信する指令受信部が配置されている点に
ある。
【0083】本実施の形態では、先ず、入力部22が外
部装置から送信された上記無線データを受信して、各原
音圧Cki+jDkiを算出する。そして、計算部24
は上記各原音圧Cki+jDki、各所望の音圧Ak+
jBkから実施の形態1と同様にして各補正係数を算出
する。
【0084】そして、各パッチコード6iの両端子と各
補正部12iとの接続をオンするように外部装置から操
作指令を送信し操作部32の指令受信部が上記指令を受
信したのち操作部32はその旨を制御部28へ送る。こ
の結果、制御部28は、各端子Aiを各AD変換部14
iの入力側と接続させ、各端子Biを各DA変換部20
iの入力側と接続させる。そして、各補正係数を各補正
部12iに送る旨を示す操作指令を外部装置から送信す
ると、操作部32は上記操作指令を指令受信部により受
信する。そして、操作部32は、その旨を制御部28へ
送る。この結果、制御部28は各補正係数を各補正部1
2iの各DSP16iに送り、各DSP16iは、各補
正係数に基づいて演算処理を行うように設定される。
【0085】本実施の形態では、外部装置から無線デー
タを入力部22に送信すれば、入力部22に電気信号の
情報や、各音源部10iと各受音点Pkとの3次元的距
離、各所望の音圧Ak+jBkが入力される。そして、
計算部24で各補正係数が算出される。このため、入力
部22や計算部24のそばで作業を行う必要がない。ま
た、操作部32による操作も無線にて行えるので、操作
部32より離れた場所で操作ができる。従って、屋外音
場補正装置の各補正部12iの設定を屋外音場補正装置
近傍で行う必要がなく、屋外音場補正装置から離れた場
所でも行うことができる。
【0086】なお、各受音点Pkで実測された各原音圧
及び各所望の音圧Ak+jBkを含む無線データを各受
音点Pkから屋外音場補正装置に送信することも好適で
ある。この結果、屋外音場補正装置の計算部24では、
実測の各原音圧に基づいて、各補正音圧係数及び各補正
係数が決定される。
【0087】実施の形態3.本実施の形態では、実施の
形態1である入力部22と計算部24とが1つのパソコ
ンにまとめられており、このパソコンには電話回線が接
続されている。
【0088】本実施の形態では、パソコンを操作するこ
とにより電話回線を介して送信された各音源部10iの
電気信号の情報と、各音源部10iと各受音点Pkとの
間の各3次元的距離と、各受音点Pkでの各所望の音圧
Ak+jBkと、を知ることができる。そして、上記デ
ータをパソコンに入力すれば、パソコンは、各原音圧C
ki+jDkiを算出すると共に、各補正係数を算出す
る。
【0089】本実施の形態では、各音源部10iの電気
信号の情報と、各音源部10iと各受音点Pkとの間の
各3次元的距離と、各受音点Pkでの各所望の音圧Ak
+jBkと、が電話回線により送られることが可能であ
る。このため、例えば、複数の屋外音場補正装置を用い
る場合、1つのセンターで、上記データを屋外音場補正
装置毎に管理し、必要に応じて各屋外音場補正装置に迅
速に送ることができる。
【0090】なお、電話回線により送られるデータとし
て、各受音点Pkで実測された各原音圧及び各所望の音
圧Ak+jBkが含まれることも好適である。この結
果、屋外音場補正装置の計算部24では、実測の各原音
圧に基づいて、各補正音圧係数及び各補正係数が決定さ
れる。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、計算部は、各受音点での音圧が各所望の
音圧になるように、各受音点で実測した各原音圧に乗じ
る各補正音圧係数を以下のように決定している。即ち、
各受音地点での各補正音圧を足しあわせた音圧が、それ
ぞれ各受音地点での各所望の音圧に等しくなるように各
補正音圧係数を決定する。
【0092】そして、各補正部が各補正音圧係数に対応
する各補正係数に基づいて電気信号を制御することによ
り、各音源部は各補正音圧を各受音点に発生する。そし
て、各受音点での音圧は、各音源部から発生する各受音
点での各補正音圧を足しあわせた音圧になるので、拡声
範囲内の各受音点における音圧を各所望の音圧に補正す
ることができる。
【0093】請求項2に記載の発明によれば、入力部に
より入力された各音源部の電気信号の情報と、各音源部
と各受音点との間の3次元的距離と、を用いて、計算部
は各原音圧を、シミュレーションにより決定できる。こ
のため、音源部の電気信号の周波数等の特性を変化させ
たり、受音点の位置を変えた場合の各原音圧を計算する
ことができる。この結果、各受音点での各原音圧を実際
に測定しなくて済むので、迅速に各原音圧の予測値を知
ることができる。そして、変更された各原音圧に応じて
計算部により各補正音圧係数を決定することができるの
で、拡声範囲内の任意の場所における音圧を自由に補正
することができる。
【0094】請求項3に記載の発明によれば、入力部
は、各音源部の電気信号の情報と、各音源部と各受音点
と間の3次元的距離と、各受音点における各所望の音圧
と、を含む無線データを外部装置から受信する受信部を
有する。このため、入力部から離れた場所からでも、計
算部が補正音圧係数を計算するのに必要なデータを無線
データで送ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1である屋外音場補正装
置の構成を示すブロック図である。
【図2】 同じく、実施の形態1である屋外音場補正装
置の構成を示すブロック図である。
【図3】 実施の形態1である各補正係数を算出する方
法を示すフローチャート図である。
【図4】 (a)は、実施の形態1である各音源部から
発生する各受音点での各原音圧を示す模式図であり、
(b)は実施の形態1である各補正音圧係数を算出する
方法を説明するための模式図である。
【図5】 実施の形態1である各補正係数を算出する方
法を示すフローチャート図である。
【図6】 (a)は、ある地域内の競技場を示す図であ
り、(b)は特定地点の音圧を補正するように、屋外音
場補正装置を配置させたときの競技場を示す図である。
【図7】 補正前の各受音点での音圧を示す図である。
【図8】 補正後の各受音点での音圧を示す図である。
【図9】 補正前の各受音点での音圧を示す図である。
【図10】 補正後の各受音点での音圧を示す図であ
る。
【図11】 補正前の各受音点での音圧を示す図であ
る。
【図12】 補正後の各受音点での音圧を示す図であ
る。
【図13】 補正後の各受音点での音圧を示す図であ
る。
【図14】 補正前の各受音点での音圧を示す図であ
る。
【図15】 補正後の各受音点での音圧を示す図であ
る。
【符号の説明】
2 音声入力部、4 ミキシングコンソール、6a,6
b,6c,6d パッチコード、8a,8b,8c,8
d アンプ、10a,10b,10c,10d音源部、
12a,12b,12c 補正部、14a A/D変換
部、16aDSP、18a メモリ、20a D/A変
換部、22 入力部、24 計算部、26 I/Oポー
ト、28 制御部、30 表示部、32 操作部、40
競技場。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気信号を音声に変換して出力する音源
    部を複数有し、各電気信号を制御して各音源部の音声の
    拡声範囲内における音場を補正する屋外音場補正装置に
    おいて、 前記拡声範囲内の複数の受音点に対して、各受音点にお
    ける各所望の音圧が設定された場合、各音源部から発生
    する各受音点で実測した各原音圧を補正するための音圧
    係数である各補正音圧係数を、前記各原音圧にそれぞれ
    乗じた音圧である各受音地点での各補正音圧を足しあわ
    せた音圧が、それぞれ各受音地点での各所望の音圧に等
    しくなるように、各補正音圧係数を決定する計算部と、 各音源部内に配置され、各補正音圧係数に対応する各補
    正係数に基づいて、各電気信号を制御する各補正部と、
    を有し、 各補正部が各補正係数に基づいて各電気信号を制御して
    各音源部が各補正音圧を各受音点に生成することによ
    り、拡声範囲内の各受音点における音圧を各所望の音圧
    に補正することを特徴とする屋外音場補正装置。
  2. 【請求項2】 電気信号を音声に変換して出力する音源
    部を複数有し、各電気信号を制御して各音源部の音声の
    拡声範囲内における音場を補正する屋外音場補正装置に
    おいて、 各音源部の電気信号の情報と、前記拡声範囲内の複数の
    受音点の各受音点と各音源部との間の3次元的距離と、
    を入力する入力部と、 各音源部から発生する各受音点での各原音圧を、前記入
    力部により入力された各音源部の電気信号の情報と前記
    3次元的距離とを用いてシミュレーションにより決定す
    ると共に、 各受音点における各所望の音圧が設定された場合、各原
    音圧を補正するための音圧係数である各補正音圧係数
    を、前記各原音圧にそれぞれ乗じた音圧である各受音地
    点での各補正音圧を足しあわせた音圧が、それぞれ各受
    音地点での各所望の音圧に等しくなるように、各補正音
    圧係数を決定する計算部と、 各音源部内に配置され、各補正音圧係数に対応する各補
    正係数に基づいて、各電気信号を制御する各補正部と、
    を有し、 各補正部が各補正係数に基づいて各電気信号を制御して
    各音源部が各補正音圧を各受音点に生成することによ
    り、拡声範囲内の各受音点における音圧を各所望の音圧
    に補正することを特徴とする屋外音場補正装置。
  3. 【請求項3】 前記入力部は、各音源部の電気信号の情
    報と、各音源部と各受音点との間の3次元的距離と、各
    受音点における各所望の音圧と、を含む無線データを外
    部装置から受信する受信部を有することを特徴とする請
    求項2に記載の屋外音場補正装置。
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Cited By (4)

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JP2012004877A (ja) * 2010-06-17 2012-01-05 Nec Corp 親局装置、防災同報無線システム、及び防災同報無線システムの放送方法
CN105444874B (zh) * 2015-11-10 2018-10-26 株洲时代新材料科技股份有限公司 一种声强测量校准装置及方法

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