JPH11155151A - 3次元撮像表示システム - Google Patents

3次元撮像表示システム

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JPH11155151A
JPH11155151A JP9318497A JP31849797A JPH11155151A JP H11155151 A JPH11155151 A JP H11155151A JP 9318497 A JP9318497 A JP 9318497A JP 31849797 A JP31849797 A JP 31849797A JP H11155151 A JPH11155151 A JP H11155151A
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JP
Japan
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image
dimensional
imaging
hologram
dimensional object
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Pending
Application number
JP9318497A
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English (en)
Inventor
Tamiki Takemori
民樹 竹森
Hiroshi Tanaka
博 田中
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Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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Publication date
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Publication of JPH11155151A publication Critical patent/JPH11155151A/ja
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  • Holo Graphy (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Testing, Inspecting, Measuring Of Stereoscopic Televisions And Televisions (AREA)
  • Image Analysis (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない計算量で良好な画質の再生像を表示す
ることができる3次元撮像表示システムを提供する。 【解決手段】 3次元撮像装置は、2つのステレオカメ
ラ40Rおよび40Lを備えて構成され、ステレオカメ
ラ40R,40Lは、3次元物体50から発した光を入
力し結像するレンズ41R,41Lと、その結像された
像を撮像する撮像素子42R,42Lとを備えている。
撮像された像は画像処理装置70を経て3次元表示装置
に送信され、3次元表示装置において再生像が表示され
る。3次元撮像装置におけるレンズ41Rおよび41L
ならびに3次元物体50上の特定点51の間の関係は、
3次元表示装置における右瞳面および左瞳面ならびに視
線交点の間の関係と等価である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3次元物体像の立
体表示およびその撮像に関するものである。
【0002】
【従来の技術】3次元物体像の立体表示を行うものとし
て、両眼視差を利用した偏光眼鏡を使用する方式やレン
チキュレータレンズ方式等が知られている。しかし、こ
れらの方式は、人間の目が物体の立体構造を認識する要
因の1つである両眼視差のみを利用するものである。こ
れに対して、両眼視差の他に輻輳や水晶体の調整等の要
因をも考慮した3次元物体像の立体表示技術として、波
面再生法であるホログラフィが知られている。
【0003】従来より、ホログラフィでは、レーザ光が
照射された3次元物体から発生した物体波と参照波とを
写真乾板や感光フィルム等の上で干渉させることで、3
次元物体像を干渉縞として記録していた。しかし、この
ように写真乾板や感光フィルムを記録媒体として用いる
場合には、干渉縞の書き替えが不可能であり、また、現
像処理が必要となることから、動画としての3次元物体
像を実時間で記録・表示できないという問題点があっ
た。そこで、近年、写真乾板や感光フィルムに替えて空
間光変調素子を用い、この空間光変調素子上て動画のホ
ログラムを書き替えて連続表示しようとする試みがなさ
れている。
【0004】また、ホログラムを記録する際に一般には
3次元物体にレーザ光を照射するため、振動や空気の揺
らぎ等の影響を受け、人物像を撮像し記録する際には危
険を伴う等の事情により、記録・表示され得る3次元物
体像は限られている。これに対し、白色光でホログラム
を撮像し記録するものとしてステレオホログラムが知ら
れているが、これも写真乾板や感光フィルムを使用する
ものであり、動画としての3次元物体像を実時間で記録
・再生することはできない。
【0005】そこで、人体に対して危険のない白色光を
用いて撮像し記録して3次元物体像を動画表示すべく、
複数の2次元画像に基づいて3次元物体の距離情報を計
算してホログラム(これを計算機ホログラムと言う)を
求め、この計算機ホログラムを空間光変調素子に書き込
み、3次元物体像を再生し立体表示するものが知られて
いる。これは、何れも従来より一般的に行われているス
テレオ視に依る3次元情報収集と計算機ホログラムとを
組み合わせたものであり、例えば、特開平6−3539
1号公報、特開平6−35392号公報および特開平6
−67591号公報に開示されている。
【0006】また、撮像手段を設けることなくCAD
(Computer Aided Design )等を用いて作成した3次元
情報を用いて3次元物体像を立体表示する技術が特開平
6−102811号公報に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術は何れも以下のような問題点がある。すなわち、
特開平6−35391号公報および特開平6−3539
2号公報それぞれに記載されたものは、1次元ホログラ
ムであるので、奥行きの大きな物体については画質が悪
い。特開平6−67591号公報に記載されたもので
は、所定の点を通過し且つホログラム平面に平行な2次
元平面上に3次元物体の3次元情報を投影しているの
で、再生される3次元物体像は、紙のような平面状の物
体が奥行き方向に並ぶように表示され、忠実度の点で劣
り違和感がある。特開平6−102811号公報に記載
されたものでは、所定の点を通過し且つホログラム平面
に対して任意の配置関係にある2次元平面上に3次元物
体の3次元情報を投影しているので、再生される3次元
物体像(特に曲面物体)は、紙のような平面状の物体が
奥行き方向に並ぶように表示され、忠実度の点で劣り違
和感がある。特開平6−35391号公報、特開平6−
35392号公報および特開平6−67591号公報そ
れぞれに記載されたものは、再生像の拡大・縮小に際し
て、記録した3次元物体像に関するデータを数値的に拡
大・縮小して表示を行うことから、再生像を拡大するに
従って再生像がぼけるという問題点がある。
【0008】また、上記従来技術の何れも、表示の際の
観察視点位置を任意とするためにホログラム平面上に視
点を配置し、その視点から見えるべき再生像を計算によ
り生成することから、計算量が非常に膨大なものとなっ
ている。仮にこの光学系で観察視点を固定することで計
算量を削減しようすると、ホログラム面上に観察視点を
固定するか、あるいは、ホログラムより離れた位置に観
察視点を固定することになる。しかし、前者の場合に
は、ホログラムの再生原理より再生像が観察できず、後
者の場合には、その手法が未だ開示されていない。
【0009】特開平6−35391号公報、特開平6−
35392号公報および特開平6−67591号公報そ
れぞれに記載されたものでは、3次元物体について3次
元情報を得るため複数の視差画像より対応点探索を実施
しているが、対応点の数の削減について何等工夫がなさ
れておらず、したがって、全ての画素に対し相関計算を
実施して距離データを得る必要がある。また、これらに
記載されたものでは、複数の互いに異なる視点それぞれ
についての画像に基づいて任意の観察視点から見たとき
の再生像を生成する必要がある。すなわち、ホログラム
における各サンプル点(セグメントホログラム)それぞ
れを視点とした2次元画像を生成する必要がある。した
がって、各サンプル点を視点とした補間処理や、物体の
配置により陰面消去処理を行う必要があり、多視点画像
の生成に膨大な計算量が必要となる。
【0010】また、特開平6−102811号公報に記
載されたものも、3次元物体の3次元情報に基づいて任
意の観察視点からの画像を生成する必要がある。すなわ
ち、ホログラムにおける各サンプル点(セグメントホロ
グラム)それぞれを視点とした2次元画像を生成する必
要がある。したがって、各サンプル点を視点とした陰面
消去処理を行う必要があり、多視点画像の生成に膨大な
計算量が必要となる。
【0011】また、このように上記従来技術の何れも膨
大な計算量が必要であるにも拘わらず、実時間で計算が
可能である旨の記載があるが、実時間動作の具体的構
成、手順および実験結果等については何等記載されてい
ない。
【0012】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、少ない計算量で良好な画質の再生像を
表示することができ、3次元物体像を動画表示する場合
であっても実時間で計算し表示することができる3次元
撮像表示システムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る3次元撮像
表示システムは、(1) それぞれのレンズが互いに所定距
離の間隔で配置された2つの撮像手段を有し、2つの撮
像手段それぞれにより3次元物体を撮像する3次元撮像
装置と、(2) 2つの撮像手段それぞれにより撮像された
3次元物体の像に基づいて3次元物体の3次元情報およ
び視差画像を計算し出力する画像処理装置と、(3) 所定
距離の間隔で配された2つの観察視点を有し、画像処理
装置から出力された3次元情報および視差画像に基づい
てホログラムを形成し、2つの撮像手段の視線交点と等
価な視線交点の位置を基準として3次元物体の再生像を
表示する3次元表示装置と、を備えることを特徴とす
る。
【0014】この3次元撮像表示システムによれば、画
像処理装置により、3次元撮像装置の2つの撮像手段そ
れぞれにより撮像された3次元物体の像に基づいて、そ
の3次元物体の3次元情報および視差画像が計算され出
力される。そして、3次元表示装置により、この3次元
情報および視差画像に基づいてホログラムが形成され、
2つの観察視点より観察すれば3次元物体の再生像が表
示される。ここで、3次元撮像装置の2つの撮像手段そ
れぞれのレンズおよび視線交点の関係は、3次元表示装
置の2つの観察視点および視線交点の関係と等価である
ので、画像処理装置において、少ない計算量で3次元物
体の3次元情報が計算される。
【0015】また、本発明に係る3次元撮像表示システ
ムでは、2つの撮像手段それぞれの撮像素子の縦横それ
ぞれの画素数は、3次元表示装置による再生像の表示に
おける縦横それぞれの有効表示画素数に対して一致また
は2以上の整数倍であることを特徴とする。
【0016】また、本発明に係る3次元撮像表示システ
ムでは、2つの撮像手段それぞれのレンズのバックフォ
ーカス距離および撮像素子の縦横それぞれの画素数に対
応した撮像画角の最小単位は、3次元表示装置による再
生像の表示における表示画角の最小単位に等しいことを
特徴とする。
【0017】また、本発明に係る3次元撮像表示システ
ムでは、2つの撮像手段それぞれは、3次元物体を拡大
または縮小して撮像するズーム手段を有するとともに、
3次元表示装置は、ズーム手段による拡大または縮小に
応じて再生像を表示することを特徴とする。また、この
場合には、画像処理装置は、2つの撮像手段それぞれに
より撮像された3次元物体の像の横倍率を検出する横倍
率検出手段と、3次元物体の3次元情報のうち奥行き方
向の座標値を横倍率に基づいて補正する補正手段とを備
えるのが好適である。
【0018】また、本発明に係る3次元撮像表示システ
ムでは、画像処理装置は、2つの撮像手段それぞれによ
り撮像された3次元物体の像の特徴点を抽出する特徴点
抽出手段と、特徴点に関して対応点を検索する対応点検
索手段と、対応点の3次元座標値および対応点のリスト
に基づいて多角形平面体データを作成し3次元情報とし
て出力する多角形平面体データ生成手段とを備えること
を特徴とする。
【0019】また、本発明に係る3次元撮像表示システ
ムでは、3次元表示装置は、2つの観察視点それぞれの
瞳面上の各点と再生像の最小3次元表示単位とを結ぶ直
線または該直線の延長がホログラムの形成面において交
わる範囲においてのみホログラムを形成することを特徴
とする。
【0020】上記何れの場合にも、画像処理装置におい
て更に少ない計算量で3次元物体の3次元情報が計算さ
れ、また、良好な画質の再生像が表示される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明におい
て同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省
略する。
【0022】先ず、本発明に係る3次元撮像表示システ
ムの概略について説明する。この3次元撮像表示システ
ムは、3次元撮像装置、画像処理装置および3次元表示
装置とを備えて構成される。3次元撮像装置は、互いに
異なる方向から3次元物体を撮像する2つのステレオカ
メラを備えており、これら2つのステレオカメラのレン
ズは、3次元表示装置における表示時の右視点および左
視点にそれぞれ一致させて配置される。また、3次元撮
像装置における2つのステレオカメラの視線交点は、3
次元表示装置における2つの観察視点(右視点と左視
点)の視線交点と等価な位置にある。画像処理装置は、
これら2つのステレオカメラそれぞれにより撮像された
画像から得られる視差画像における特徴点の3次元座標
値を求め、その3次元座標値で表される点を頂点とする
多角形平面体(ポリゴン)を求め、3次元表示装置に送
信する。
【0023】また、3次元表示装置は、この表示に際し
て、実際に撮像された画像をビットマップデータとし、
多角形平面体の表面に輝度値や色情報を付加する。この
ビットマップデータで表され輝度値や色情報が付加され
た画像は、従来例では必要であった複雑な画像変換処理
を行うことなく、3次元撮像装置による撮像時の画角変
化に伴う撮像画像の拡大・縮小の場合であっても、光軸
に対して垂直な方向の座標変換処理のみにより3次元表
示が可能である。また、撮像時における2つのステレオ
カメラの配置が表示時における両観察視点と一致してい
るので、他の視差画像の生成や陰面消去処理が不要であ
り、良好な画質が得られるとともに計算量が大幅に削減
される。
【0024】次に、本発明に係る3次元撮像表示システ
ムおける観察視点位置を考慮したホログラムの計算方法
について説明する。従来では、視点の位置をできるだけ
広くとるために、再生物体からの波面をホログラム面上
で計算していたことから、陰面消去処理およびホログラ
ム計算に際して膨大な計算量を必要としていた。これに
対して、本発明では、これらの処理・計算における計算
量を大幅に削減することができる。
【0025】陰面消去処理の際の計算量については以下
のとおりである。3次元座標値を有する多数の輝点の集
合として3次元物体をみなしたとき、ホログラム各要素
点から3次元物体を観察する場合、輝点の重なり具合は
ホログラム各要素点に依り全て異なる。
【0026】したがって、従来技術では、ホログラム各
要素点を仮想の視点とみなして透視変換処理を行い、視
点に最も近い輝点または最も遠い輝点のみを抽出する陰
面消去処理を行い、その後、抽出された輝点からの波面
を計算し累積加算して、ホログラム各要素点の計算デー
タとする。また、陰面消去処理は、ホログラム要素1点
に留まらず、ホログラム上の全ての要素点それぞれにつ
いて計算しなければならないことから、ホログラム要素
1点に要する計算量に要素点の個数を乗じただけの計算
量が必要となる。例えば、ホログラムの大きさを10cm×
10cmとする。このとき、ホログラム各要素点は最大でも
瞳径に2個程度含まれることから、ホログラム各要素点
の大きさは2.5mm×2.5mm程度となり、要素点の個数は
1,600(=40×40) となる。また、ステレオ視に依る画像
から得られる物体の構成点の個数は、最大で262,144(=5
12×512)となる。透視変換処理では、各要素点から物体
構成点までの垂直距離で除算することから、少なくとも
物体構成点数だけの除算処理と前後距離判定演算とが必
要となる。そして、この陰面消去処理をホログラムの要
素点の全てについて行うと、419,430,400(=1,600×262,
144)回の演算処理が必要となる。この演算処理の全てに
ついてパイプライン手法を用いてハード化し、データの
読み込み動作が演算処理を律速するものとして、アクセ
ス速度10nsecの高速メモリを用いても4秒以上を要する
ことになる。
【0027】これに対して、本発明において観察視点を
限定すれば、3次元物体の画像は元々陰面消去処理され
てステレオカメラにより撮像されるので、透視変換処理
および陰面消去処理は一切不要である。したがって、陰
面消去処理時間を比較すれば、従来技術では4秒である
のに対して、本発明では全く時間を要しない。
【0028】また、ホログラム計算の際の計算量につい
ては以下のとおりである。ここでは、ホログラム面の計
算範囲の観点より物体波面の計算量に関し従来技術と本
発明とで比較する。
【0029】従来技術のホログラム計算方法では、再生
物体とホログラムと視域との関係のみに基づいてホログ
ラムを計算しており、視点については考慮されていなか
った。したがって、暗黙のうちに視域として両目が含ま
れる範囲が仮定され、ホログラム面内での計算範囲は制
限されることなく、ホログラム面上の必要以上の範囲に
亘ってホログラム計算がなされていた。すなわち、両目
の間隔内まで視域としていたので、透視変換処理および
陰面消去処理における計算量だけでなく、ホログラム計
算における計算量も膨大なものであった。
【0030】これに対して、本発明では、再生物体とホ
ログラムと2つの瞳面との3つの要素に基づいてホログ
ラム計算の範囲を限定することで、計算量を削減し実時
間性を高めている。図1は、虚像再生型の場合のホログ
ラム計算範囲の説明図であり、図2は、実像再生型の場
合のホログラム計算範囲の説明図である。これら何れの
場合も、ホログラム面6により再生表示された再生像の
うちの特定点3を左瞳面1および右瞳面2で観察するこ
とを考えると、特定点3を再生するための波面が発生す
るホログラム面6上の領域は、特定点3と左瞳面1上の
各点とを結ぶ直線または該直線の延長がホログラム面6
と交わる範囲4、および、特定点3と右瞳面2上の各点
とを結ぶ直線または該直線の延長がホログラム面6と交
わる範囲5である。したがって、再生像のうちの特定点
3については、ホログラム計算の範囲を範囲4および範
囲5とすれば充分であり、範囲4および範囲5を越える
範囲について計算しても、左瞳面1および右瞳面2の何
れにも入射しない再生波面が生じ無駄になる。なお、図
2の構成にレンズ等の光学系を挿入しても、上述した効
果は変わらない。
【0031】なお、再生像の最小分解能は、波面再生に
用いられる空間光変調素子の分解能とは必ずしも一致し
ない。発明者に依る実験により得られた知見によれば、
空間光変調素子を駆動する駆動回路の入力段のサンプル
ホールド特性が特に再生像の分解能に影響を与え、空間
光変調素子の3画素に対して再生像の表示の1画素が最
大である。また、サンプリング定理によれば理論的に
は、空間光変調素子の2画素に対して再生像の表示の1
画素が最大となる。以下で使用する素子数は、空間光変
調素子における素子数ではなく、表示できる有効な画素
数を意味する。
【0032】次に、本発明に係る3次元撮像表示システ
ムにおける画像の撮像からホログラム計算に到るまでの
手順について説明する。
【0033】3次元撮像装置における撮像時の2つのス
テレオカメラそれぞれの位置およびこれらの視線交点の
位置の間の関係を、3次元表示装置における再生像表示
時の両観察視点それぞれの位置およびこれらの視線交点
の位置の間の関係と同一にする。また、このとき、3次
元撮像装置の2つのステレオカメラそれぞれの2次元構
成(縦横それぞれの画素数)を、3次元表示装置に依る
表示時の観察視点から投影した再生空間の投影画面の2
次元構成(縦横それぞれの有効表示画素数)と一致させ
るか或いは2以上の整数倍とする。このようにすること
により、撮像された画像から再生像を求めるに際して、
画素の間引きの程度の処理に軽減され、画像の補間生成
処理が不要となる。
【0034】表示時の再生像を撮像時の3次元物体と同
一の大きさとする場合には、撮像時および表示時それぞ
れの有効画角を互いに同一のものとし、また、撮像時お
よび表示時それぞれの有効最小画角をも互いに同一のも
のとする。
【0035】この場合、3次元撮像装置の2つのステレ
オカメラそれぞれの撮像素子(例えばCCD)の前面に
配されるレンズの焦点距離をfs とし、そのレンズとス
テレオカメラの撮像面との間のバックフォーカス距離を
bとし、撮像素子の外寸をLs とし、その撮像素子の画
素数をN×Nとし、撮像素子の画素間隔をPs とする
と、撮像画角θs は、
【数1】 または、
【数2】 なる式で表される。
【0036】また、この場合、3次元表示装置により表
示する際に使用されるレンズの焦点距離をfd とし、空
間光変調素子の外寸をLd とし、空間光変調素子の有効
表示画素数をN×Nとし、空間光変調素子における有効
表示画素の間隔をPd とすると、表示画角θd は、
【数3】 または、
【数4】 なる式で表される。
【0037】撮像画角θs と表示画角θd とを互いに同
一のものとするのであるから、
【数5】 なる関係式が得られる。また、表示時の観察視点と視線
交点位置との距離をaとすると、ガウスの結像公式よ
り、
【数6】 なる関係式を満たす焦点距離fs のレンズを用いれば、
画像変換処理を行うことなく、厳密に等倍の3次元物体
の再生像の表示が可能である。
【0038】一方、ズームレンズ等を用いて拡大・縮小
して3次元物体を撮像する場合には、撮像された画像の
拡大・縮小に追随して再生像をも拡大・縮小することが
望ましい。また、このとき、画質の劣化がないことも望
まれる。この為には、3次元撮像装置の2つのステレオ
カメラそれぞれの撮像素子の2次元構成(縦横それぞれ
の画素数)を、3次元表示装置の空間光変調素子の2次
元構成(縦横それぞれの有効表示画素数)と一致させ、
また、撮像すべき画像の画角のみを変化させることが必
要である。この場合、このままでは、横倍率については
変化するものの、3次元計測の結果の座標自体は光学拡
大と無関係であることから光軸方向には拡大されず、奥
行き方向に関して変化が小さい3次元表示となる。そこ
で、画像処理装置において、横倍率の変化を検出し、こ
れに基づいて3次元座標のうちの奥行き方向についても
拡大・縮小する。
【0039】続いて、このようにして得られた画像につ
いて、画像処理装置は、視差画像のエッジ検出、データ
の間引き等の処理を行い、3次元物体像の特徴点を抽出
し、複数の画像間での特徴点の対応関係を検索する。さ
らに、ステレオ視や三角測量の原理により特徴点の3次
元座標値を求め、特徴点を結び、多角形平面体(ポリゴ
ン)を生成する。同時に、ステレオ画像を上記の多角形
平面体に分割し、ビットマップデータを生成する。
【0040】以上のようにして画像処理装置により生成
された多角形平面体の各頂点の3次元座標値およびビッ
トマップデータは、3次元表示装置に伝送される。3次
元表示装置では、多角形平面体の内部データを補間によ
り求め、ホログラムを計算する。このとき、輝度値とし
てビットマップデータを利用する。そして、計算された
ホログラムは空間光変調素子に送られ、この空間光変調
素子に可干渉光が照射されて3次元物体の再生像が表示
される。
【0041】次に、本発明に係る3次元撮像表示システ
ムにおける3次元表示装置の1実施形態について説明す
る。図3は、この3次元表示装置の構成図である。
【0042】この3次元表示装置に含まれる光学系およ
び座標系について先ず説明する。この光学系は、右瞳面
31Rの右視点32Rおよび左瞳面31Lの左視点32
Lそれぞれに対応して設けられている。
【0043】光学系のうち右視点32Rに対応する部分
は、可干渉光であるレーザ光を出力する光源16Rと、
そのレーザ光の光束径を拡げて平行光束とするコリメー
タ17Rと、その平行光束とされたレーザ光を反射させ
る反射鏡18Rと、反射鏡18Rにより反射されたレー
ザ光を直線偏光にする偏光板19Rと、その直線偏光と
されたレーザ光を参照波として入力し3次元物体の実像
を再生する空間光変調素子15Rと、空間光変調素子1
5Rから出力された光のうちの所定方位の直線偏光成分
を透過させる偏光板20Rと、偏光板20Rから出力さ
れた光を入力し3次元物体の虚像を結像するレンズ21
Rと、その光を順次反射させ右視点32Rに到達させる
反射鏡22Rおよび反射鏡23Rとを備えて構成されて
いる。
【0044】光学系のうち左視点32Lに対応する部分
も、同様に、光源16L、コリメータ17L、反射鏡1
8L、偏光板19L、空間光変調素子15L、偏光板2
0L、レンズ21L、反射鏡22Lおよび反射鏡23L
を備えて構成されている。
【0045】また、右視点32Rを座標原点とし視線方
向を Zre軸とする視点座標系(Xre,Yre,Zre) 、および、
左視点32Lを座標原点とし視線方向を Zle軸とする視
点座標系(Xle,Yle,Zle) を考える。また、空間光変調素
子15Rの中心点を座標原点とし法線方向を Zrs軸とす
るホログラム座標系(Xrs,Yrs,Zrs) 、および、空間光変
調素子15Lの中心点を座標原点とし法線方向を Zls軸
とするホログラム座標系(Xls,Yls,Zls) を考える。ま
た、右視点32Rと左視点32Lとの間の距離をWと
し、右視点32Rと左視点32Lとを結ぶ線分から距離
Lだけ離れた視線交点33の位置を中心に3次元物体の
再生像を表示するものとする。
【0046】受信部10は、再生すべき3次元物体像で
ある多角形平面体(ポリゴン)の各特徴点が視点座標系
(Xre,Yre,Zre) および視点座標系(Xle,Yle,Zle) それぞ
れで記述された多角形平面体データおよびその内部のビ
ットマップデータを、3次元撮像表示装置により受信し
記憶している。以降の構成は、右視点32Rおよび左視
点32Lそれぞれについて互いに独立であるので、以下
では先ず、右視点32Rに対応した構成について説明す
る。
【0047】ポリゴン内部座標変換部11Rは、視点座
標系(Xre,Yre,Zre) で記述された多角形平面体データお
よび内部のビットマップデータを受信部10より入力
し、これらのデータに基づいて多角形平面体の内部の全
ての点の Xre,Yre,Zre座標値それぞれを順次に発生して
出力する。この座標値の発生に際しては、多角形平面体
の各頂点の座標値のリストを左右の稜線リストに分割
し、その左右の稜線内で水平走査しながら内部座標を補
間計算して求める。
【0048】虚像実像変換部12Rは、ポリゴン内部座
標変換部11Rから出力された多角形平面体の内部の全
ての点を視点座標系で表した Xre,Yre,Zre座標値および
ビットマップデータを入力し、
【数7】 なる変換を行い、各点についてホログラム座標系で表し
た Xrs,Yrs,Zrs座標値を求める。ここで、fd は、レン
ズ21Rの焦点距離である。なお、近軸領域では、ガウ
スの結像公式より、
【数8】 なる変換式により近似して変換してもよい。
【0049】ホログラム計算部13Rは、虚像実像変換
部12Rから出力された多角形平面体の内部の全ての点
をホログラム座標系で表した Xrs,Yrs,Zrs座標値および
ビットマップデータを入力し、これらのデータに基づい
て、フレネル変換法や球面波法により波面伝搬の計算を
行い、空間光変調素子15Rの位置における波面すなわ
ちホログラムデータを求める。この際に、ビットマップ
データは、輝度値や色情報に利用される。なお、ホログ
ラムデータを計算する範囲は、図1および図2で説明し
た一定範囲のみとする。
【0050】駆動部14Rは、ホログラム計算部13R
により計算されたホログラムデータを入力し、振幅およ
び位相の双方または何れか一方について空間的な変調が
可能な空間光変調素子15Rを駆動しホログラムデータ
を表示する。そして、空間光変調素子15Rは、光源1
6Rから出力されたレーザ光がコリメータ17R、反射
鏡18Rおよび偏光板19Rを介して照射されると、空
間光変調素子15Rとレンズ21Rとの間に3次元物体
の実像を再生し、更に、レンズ21Rは、視線交点33
の位置に3次元物体の虚像を結像する。
【0051】次に、左視点32Lに対応した構成につい
て先ず説明する。ポリゴン内部座標変換部11Lは、視
点座標系(Xle,Yle,Zle) で記述された多角形平面体デー
タおよび内部のビットマップデータを受信部10より入
力し、これらのデータに基づいて多角形平面体の内部の
全ての点の Xle,Yle,Zle座標値それぞれを順次に発生し
て出力する。このポリゴン内部座標変換部11Lにおけ
る Xle,Yle,Zle座標値の発生に際しては、ポリゴン内部
座標変換部11Rにおける処理と同様にして行う。
【0052】虚像実像変換部12Lは、ポリゴン内部座
標変換部11Lから出力された多角形平面体の内部の全
ての点を視点座標系で表した Xle,Yle,Zle座標値および
ビットマップデータを入力し、
【数9】 なる変換を行い、各点についてホログラム座標系で表し
た Xls,Yls,Zls座標値を求める。ここで、fd は、レン
ズ21Lの焦点距離である。なお、近軸領域では、ガウ
スの結像公式より、
【数10】 なる変換式により近似して変換してもよい。
【0053】ホログラム計算部13Lは、虚像実像変換
部12Lから出力された多角形平面体の内部の全ての点
をホログラム座標系で表した Xls,Yls,Zls座標値および
ビットマップデータを入力し、これらのデータに基づい
て、フレネル変換法や球面波法により波面伝搬の計算を
行い、空間光変調素子15Lの位置における波面すなわ
ちホログラムデータを求める。この際に、ビットマップ
データは、輝度値や色情報に利用される。なお、ホログ
ラムデータを計算する範囲は、図1および図2で説明し
た一定範囲のみとする。
【0054】駆動部14Lは、ホログラム計算部13L
により計算されたホログラムデータを入力し、振幅およ
び位相の双方または何れか一方について空間的な変調が
可能な空間光変調素子15Lを駆動しホログラムデータ
を表示する。そして、空間光変調素子15Lは、光源1
6Lから出力されたレーザ光がコリメータ17L、反射
鏡18Lおよび偏光板19Lを介して照射されると、空
間光変調素子15Lとレンズ21Lとの間に3次元物体
の実像を再生し、更に、レンズ21Lは、視線交点33
の位置に3次元物体の虚像を結像する。
【0055】したがって、レンズ21Rおよびレンズ2
1Lそれぞれにより結像された虚像を、右瞳面31Rお
よび左瞳面31Lそれぞれに置かれた両目で見れば、視
線交点33の位置に3次元物体の再生像を立体視するこ
とができる。
【0056】次に、本発明に係る3次元撮像表示システ
ムにおける3次元撮像装置の1実施形態について説明す
る。図4は、この3次元撮像装置の構成図である。この
図には、3次元撮像装置の他に、画像処理装置70なら
びに2つのステレオカメラ40Rおよび40Lそれぞれ
により撮像された画像の例も示されている。
【0057】この3次元撮像装置は、2つのステレオカ
メラ40Rおよび40Lを備えて構成されている。ステ
レオカメラ40Rは、3次元物体50から発した光を入
力し結像するレンズ41Rと、その結像された像を撮像
する撮像素子(例えばCCD)42Rとを備えている。
同様に、ステレオカメラ40Lは、レンズ41Lと撮像
素子42Lとを備えている。
【0058】レンズ41Rおよびレンズ41Lそれぞれ
の中心点は、3次元表示装置(図3)における右視点3
2Rと左視点32Lとの間の距離と等しい距離Wだけ互
いに隔てて配される。また、3次元物体50上の特定点
51は、レンズ41Rおよびレンズ41Lそれぞれの光
軸が互いに交差する位置にある。レンズ41Rおよびレ
ンズ41Lそれぞれの中心点を互いに結ぶ線分と3次元
物体50上の特定点51との間の距離Lは、3次元表示
装置(図3)における右視点32Rおよび左視点32L
を互いに結ぶ線分と視線交点33との間の距離に等し
い。すなわち、この3次元撮像装置におけるレンズ41
Rおよび41Lならびに特定点51の間の関係は、3次
元表示装置(図3)における右瞳面31Rおよび左瞳面
31Lならびに視線交点33の間の関係と等価である。
【0059】すなわち、ステレオカメラ40Rは、3次
元表示装置(図3)において右視点32Rにより観察さ
れる再生像を生成するために用いられる右目用画像60
Rを撮像するものである。一方、ステレオカメラ40L
は、左視点32Lにより観察される再生像を生成するた
めに用いられる左目用画像60Lを撮像するものであ
る。
【0060】画像処理装置70は、ステレオカメラ40
R内の撮像素子42Rおよびステレオカメラ40L内の
撮像素子42Lそれぞれと接続されており、ステレオカ
メラ40Rにより撮像された右目用画像60Rおよびス
テレオカメラ40Lにより撮像された左目用画像60L
を入力する。また、画像処理装置70は、ステレオカメ
ラ40R内のレンズ41Rおよびステレオカメラ40L
内のレンズ41Lそれぞれと接続されており、レンズ4
1Rおよびレンズ41Lそれぞれを光軸方向に駆動制御
し焦点調整を行う。
【0061】また、画像処理装置70は、入力した右目
用画像60Rおよび左目用画像60Lに基づいて、3次
元物体50上の各点について3次元座標値を計算する。
この3次元座標値の計算に際しては、右目用画像60R
および左目用画像60Lそれぞれにおいて、3次元物体
50上の特定点51に対応する位置を原点とし、水平、
垂直および奥行きそれぞれの方向を座標軸として求め
る。ここで、水平および垂直それぞれの方向の座標値に
ついては、物理的に意味のある単位で表したものではな
く、画像中の画素位置に応じたものとすることにより、
3次元表示装置(図3)の虚像実像変換部12Rおよび
12Lそれぞれにおける変換処理において奥行き方向の
座標値についてのみ計算するだけでよい。
【0062】さらに、画像処理装置70は、ステレオカ
メラ40R内のレンズ41Rおよびステレオカメラ40
L内のレンズ41Lそれぞれの光軸方向の移動に伴う画
像の拡大・縮小を補正する。相関計算等により得られた
3次元座標値は3次元物体50の3次元座標値に一致し
ているので、レンズ41Rおよび41Lそれぞれの移動
に伴って画像が拡大・縮小された際に、画面上の寸法と
実際の奥行き方向の座標軸とは対応したものとはなら
ず、したがって、得られた座標値をそのまま使用すれ
ば、何ら拡大・縮小されないままの3次元表示が得られ
る。そこで、撮像時のレンズ41Rおよび41Lそれぞ
れの焦点距離f1 、レンズ前主面から3次元物体50上
の特定点51までの距離a、および、3次元表示装置
(図3)のレンズ21Rおよび21Lそれぞれの焦点距
離fd から、補正係数Kを
【数11】 なる式により決定し、この補正係数Kを奥行き方向の座
標値に乗ずることで縦倍率と横倍率とが互いに一致し、
自然な奥行きを有する3次元表示が可能となり、また、
得られた画像をそのままビットマップデータとして使用
することが可能となる。なお、数値の1例として、Pd
=41.4μm、Ps=11μm、fd=30cmとすれ
ば、b=約8cm、f=約6.6cm、a=0.4mで
ある。
【0063】画像処理装置70は、以上のようにして補
正して求めた3次元座標値を多角形平面体として頂点リ
ストに変換し、これをビットマップデータと共に3次元
表示装置(図3)の受信部10へ送信する。
【0064】次に、3次元撮像部の画像処理装置70に
おける画像処理の内容について更に詳細に説明する。図
5は、画像処理装置70における画像処理の内容を説明
するフローチャート図である。
【0065】画像処理装置70は、先ずステップS1
で、ステレオカメラ40Rおよび40Lそれぞれにより
撮像された右目用画像60Rおよび左目用画像60Lを
取得し、ステップS2で、例えばラプラシアンフィルタ
を用いて右目用画像60Rのエッジ抽出を行う。ステッ
プS3で、エッジ抽出された右目用画像60Rを例えば
20×20画素の小領域に分割し、各小領域それぞれに
おける最大値を選ぶことにより、右目用画像60Rの特
徴点を抽出する。このように小領域に分割して処理する
ことにより、計算量を削減でき実時間で計算することが
できる。
【0066】ステップS4では、ステップS3で抽出さ
れた特徴点それぞれについて距離情報を計算する。この
距離情報の計算に際しては、ステップS1で取得された
右目用画像60Rおよび左目用画像60Lに基づいて、
ステップS3で抽出された特徴点を元に相互相関演算を
行い、特徴点について対応関係を求める。すなわち、右
目用画像60Rにおいて各特徴点(座標値xr,yr )を中
心とする10×10画素の小領域rs(xr,yr)を抜き出
し、また、左目用画像60Lにおいて視線面(レンズ4
1Rおよび41Lそれぞれの後焦点ならびに当該特徴点
を含む平面)と画像面(撮像素子42Lの撮像面)との
交線上に10×10画素の小領域ls(xl,yl)を考え、そ
して、小領域rs(xr,yr)と小領域ls(xl,yl)との相互相
関の値zを
【数12】 なる式で表す。ここで、積分範囲は各小領域内である。
この相互相関の値zを上記交線上の各小領域それぞれに
ついて計算し、相互相関の値zが最大値となった位置を
当該特徴点の対応点とする。
【0067】ステップS5では、ステップS3で抽出さ
れた特徴点およびステップS4で求められた対応点の間
の位置関係から、ステレオ視の原理に基づいて特徴点ま
での距離を計算する。この計算方法を図6を用いて説明
する。この図に示すように、レンズ41Rおよび41L
それぞれの中心点を互いに結ぶ線分の中点を原点とし、
当該線分の方向をx軸とし、レンズ41Rおよび41L
それぞれの光軸を含む面に直交する方向をy軸とし、x
軸およびy軸の双方に直交し3次元物体50に向かう方
向をz軸とする。また、レンズ41Rの中心点は、x=
kの位置にあり、レンズ41Lの中心点は、x=−kの
位置にあるものとする。また、レンズ41Rおよび41
Lそれぞれの中心点から3次元物体50上の特定点(視
線交点)51までの距離をaとする。
【0068】当該線分から3次元物体50上の或る特徴
点52までの距離は、レンズ41Rの中心点と撮像素子
42Rの撮像面上で特徴点52を撮像した位置44Rと
を結ぶ直線と、レンズ41Lの中心点と撮像素子42L
の撮像面上で特徴点52を撮像した位置44Lとを結ぶ
直線との交点のz座標値として求めることができる。レ
ンズ41R(またはレンズ41L)の中心点および特定
点51を結ぶ直線と、レンズ41Rおよび41Lそれぞ
れの中心点を結ぶ線分の中点および特定点51を結ぶ直
線とがなす角度θは、
【数13】 または
【数14】 で表される。
【0069】右目用画像60Rに関しては、レンズ41
Rの中心点(k,0)と撮像素子42Rの撮像面上の位
置xr とを結ぶ直線の傾きθr は、
【数15】 で表され、また、この直線は、レンズ41Rの中心点
(k,0)を通過することから、
【数16】 で表される。
【0070】同様に、左目用画像60Lに関しては、レ
ンズ41Lの中心点(−k,0)と撮像素子42Lの撮
像面上の位置xl とを結ぶ直線の傾きθl は、
【数17】 で表され、また、この直線は、レンズ41Lの中心点
(−k,0)を通過することから、
【数18】 で表される。
【0071】したがって、3次元物体50上の特徴点5
2までの距離は、(16)式および(18)式それぞれで表され
る2直線の交点のz座標値として、
【数19】 で得られる。
【0072】続いてステップS6では、ステップS5で
求められた各特徴点の座標値に基づいてポリゴンに分割
して多角形平面体データを作成する。この多角形平面体
データの求め方を図7を用いて説明する。なお、ここで
は多角形として三角形とした。まず、図7(a)に示す
ように、多数の特徴点のうちから画面左上にある3つの
特徴点を互いに結ぶ三角形を作る。次に、図7(b)に
示すように、既に求められた三角形の何れかの辺と未だ
三角形を構成していない1つの特徴点とから次の三角形
を作る。このとき、既に求められた三角形の辺のうち、
2つの三角形に共有されているものは除かれ、また、未
だ三角形を構成していない特徴点が或る一定の範囲内に
存在しないものも除かれる。このようにして三角形を順
次構成していき、そして、図7(c)に示すように、既
に求められた三角形の辺のうち新たな三角形を構成すべ
きものが存在しなくなると、多角形平面体データの作成
は終了する。
【0073】続くステップS7では、画像処理装置70
は、ステップS6で得られた多角形平面体データ等を3
次元表示装置(図3)の受信部10へ送信する。ここ
で、受信部10へ送信すべき情報は、多角形平面体デー
タとして多角形の種類(図7で説明した例では三角形)
および各多角形を構成する特徴点の3次元座標値ならび
にビットマップデータである。そして、3次元表示装置
は、これらのデータに基づいてホログラムを計算し、3
次元撮像装置の2台のステレオカメラ40Rおよび40
Lの視線交点と等価な視線交点33の位置に、3次元物
体50の再生像を表示する。
【0074】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明に
よれば、画像処理装置により、3次元撮像装置の2つの
撮像手段それぞれにより撮像された3次元物体の像に基
づいて、その3次元物体の3次元情報および視差画像が
計算され出力され、3次元表示装置により、この3次元
情報および視差画像に基づいてホログラムが形成され、
2つの観察視点より観察すれば3次元物体の再生像が表
示される。ここで、3次元撮像装置の2つの撮像手段そ
れぞれのレンズおよび視線交点の関係は、3次元表示装
置の2つの観察視点および視線交点の関係と等価である
ので、従来技術では不可欠であった膨大な計算量を必要
とする透視変換処理および陰面消去処理が本発明では不
要となり、画像処理装置において少ない計算量で3次元
物体の3次元情報が計算される。
【0075】また、2つの撮像手段それぞれの撮像素子
の縦横それぞれの画素数が、3次元表示装置による再生
像の表示における縦横それぞれの有効表示画素数に対し
て一致または2以上の整数倍である場合には、画像の補
間生成処理が不要となる。
【0076】また、2つの撮像手段それぞれのレンズの
バックフォーカス距離および撮像素子の縦横それぞれの
画素数に対応した撮像画角の最小単位が、3次元表示装
置による再生像の表示における表示画角の最小単位に等
しい場合にも、画像の補間生成処理が不要となる。
【0077】また、2つの撮像手段それぞれが3次元物
体を拡大または縮小して撮像するズーム手段を有すると
ともに、3次元表示装置がズーム手段による拡大または
縮小に応じて再生像を表示する場合には、違和感のない
忠実な再生像が表示される。また、この場合には、画像
処理装置が、2つの撮像手段それぞれにより撮像された
3次元物体の像の横倍率を検出する横倍率検出手段と、
3次元物体の3次元情報のうち奥行き方向の座標値を横
倍率に基づいて補正する補正手段とを備えるのが好適で
あり、この場合にも、画像の補間生成処理が不要とな
る。
【0078】また、画像処理装置が、2つの撮像手段そ
れぞれにより撮像された3次元物体の像の特徴点を抽出
する特徴点抽出手段と、特徴点に関して対応点を検索す
る対応点検索手段と、対応点の3次元座標値および対応
点のリストに基づいて多角形平面体データを作成し3次
元情報として出力する多角形平面体データ生成手段とを
備える場合には、3次元情報の計算量が削減されるとと
もに、3次元表示装置への3次元情報の送信に要する時
間が短縮される。
【0079】また、3次元表示装置が、2つの観察視点
それぞれの瞳面上の各点と再生像の最小3次元表示単位
とを結ぶ直線または該直線の延長がホログラムの形成面
において交わる範囲においてのみホログラムを形成する
場合には、ホログラム計算の計算量が削減される。
【0080】以上のように本発明によれば、画像処理装
置において非常に少ない計算量で3次元物体の3次元情
報が計算されるので、3次元物体像を動画表示する場合
であっても実時間で計算し表示することができる。ま
た、少ない計算量であるにも拘わらず、良好な画質の再
生像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】虚像再生型の場合のホログラム計算範囲の説明
図である。
【図2】実像再生型の場合のホログラム計算範囲の説明
図である。
【図3】本実施形態に係る3次元撮像表示システムにお
ける3次元表示装置の構成図である。
【図4】本実施形態に係る3次元撮像表示システムにお
ける3次元撮像装置の構成図である。
【図5】本実施形態に係る3次元撮像表示システムにお
ける画像処理装置70における画像処理の内容を説明す
るフローチャート図である。
【図6】ステレオ視の原理に基づく特徴点までの距離の
計算方法の説明図である。
【図7】多角形平面体データの求め方の説明図である。
【符号の説明】
10…受信部、11R,11L…ポリゴン内部座標補間
部、12R,12L…虚像実像変換部、13R,13L
…ホログラム計算部、14R,14L…駆動部、15
R,15L…空間光変調素子、16R,16L…光源、
17R,17L…コリメータ、18R,18L…反射
鏡、19R,19L,20R,20L…偏光板、21
R,21L…レンズ、22R,22L,23R,23L
…反射鏡、40R,40L…ステレオカメラ、41R,
41L…レンズ、42R,42L…撮像素子、70…画
像処理装置。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれのレンズが互いに所定距離の間
    隔で配置された2つの撮像手段を有し、前記2つの撮像
    手段それぞれにより3次元物体を撮像する3次元撮像装
    置と、 前記2つの撮像手段それぞれにより撮像された前記3次
    元物体の像に基づいて前記3次元物体の3次元情報およ
    び視差画像を計算し出力する画像処理装置と、 前記所定距離の間隔で配された2つの観察視点を有し、
    前記画像処理装置から出力された前記3次元情報および
    前記視差画像に基づいてホログラムを形成し、前記2つ
    の撮像手段の視線交点と等価な視線交点の位置を基準と
    して前記3次元物体の再生像を表示する3次元表示装置
    と、 を備えることを特徴とする3次元撮像表示システム。
  2. 【請求項2】 前記2つの撮像手段それぞれの撮像素子
    の縦横それぞれの画素数は、前記3次元表示装置による
    前記再生像の表示における縦横それぞれの有効表示画素
    数に対して一致または2以上の整数倍である、ことを特
    徴とする請求項1記載の3次元撮像表示システム。
  3. 【請求項3】 前記2つの撮像手段それぞれのレンズの
    バックフォーカス距離および前記撮像素子の縦横それぞ
    れの画素数に対応した撮像画角の最小単位は、前記3次
    元表示装置による前記再生像の表示における表示画角の
    最小単位に等しい、ことを特徴とする請求項1記載の3
    次元撮像表示システム。
  4. 【請求項4】 前記2つの撮像手段それぞれは、前記3
    次元物体を拡大または縮小して撮像するズーム手段を有
    するとともに、前記3次元表示装置は、前記ズーム手段
    による拡大または縮小に応じて前記再生像を表示する、
    ことを特徴とする請求項1記載の3次元撮像表示システ
    ム。
  5. 【請求項5】 前記画像処理装置は、前記2つの撮像手
    段それぞれにより撮像された前記3次元物体の像の横倍
    率を検出する横倍率検出手段と、前記3次元物体の前記
    3次元情報のうち奥行き方向の座標値を前記横倍率に基
    づいて補正する補正手段と、を備えることを特徴とする
    請求項4記載の3次元撮像表示システム。
  6. 【請求項6】 前記画像処理装置は、前記2つの撮像手
    段それぞれにより撮像された前記3次元物体の像の特徴
    点を抽出する特徴点抽出手段と、前記特徴点に関して対
    応点を検索する対応点検索手段と、前記対応点の3次元
    座標値および前記対応点のリストに基づいて多角形平面
    体データを作成し前記3次元情報として出力する多角形
    平面体データ生成手段と、を備えることを特徴とする請
    求項1記載の3次元撮像表示システム。
  7. 【請求項7】 前記3次元表示装置は、前記2つの観察
    視点それぞれの瞳面上の各点と前記再生像の最小3次元
    表示単位とを結ぶ直線または該直線の延長が前記ホログ
    ラムの形成面において交わる範囲においてのみホログラ
    ムを形成する、ことを特徴とする請求項1記載の3次元
    撮像表示システム。
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