JPH11153214A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents
自動変速機の油圧制御装置Info
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- JPH11153214A JPH11153214A JP33819897A JP33819897A JPH11153214A JP H11153214 A JPH11153214 A JP H11153214A JP 33819897 A JP33819897 A JP 33819897A JP 33819897 A JP33819897 A JP 33819897A JP H11153214 A JPH11153214 A JP H11153214A
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Abstract
答遅れを起こすことがない自動変速機の油圧制御装置を
実現する。 【解決手段】 油路3とアキュームレータ6とを連通す
る緩衝器用油路5を開放・遮断するカットバルブ12
と、このカットバルブ12に作動圧を与える油路10お
よびオリフィス11とを設ける。カットバルブ12は、
締結要素1に油圧が与えられていない状態から締結要素
1に油圧が与えられ、ピストンストローク完了後の第1
設定時間経過するまで緩衝器用油路5を開放してアキュ
ームレータ6のダンパ作用を有効とし、この第1設定時
間経過後に緩衝用油路5を遮断してアキュームレータ6
のダンパ作用を無効にする。
Description
要素に与える油圧を、応答遅れすることなく制御し得る
自動変速機の油圧制御装置に関する。
変速時に締結要素(クラッチやブレーキ)が入力軸と出
力軸との回転差を吸収する半クラッチと同様の状態にあ
り、この締結要素に給排される油圧を適切に制御しない
と、大きな変速ショックが生じてしまう。その為、従来
では、アキュームレータと呼ばれる油圧要素を用いて変
速中だけ締結要素に加える油圧を一定の圧力(棚圧)に
維持しておき、変速終了と同時に締結要素が滑らないよ
うにクラッチ必要容量まで油圧を増圧する、所謂、棚圧
制御が行われている。
タによる棚圧制御に替えて、締結要素に給排される油圧
を直接、ソレノイドでデューティー制御する方式も案出
されている。この種の方式では、ソレノイド駆動電流に
応じた油圧を発生する増幅弁にて調圧するものである。
そして、増幅弁を用いた場合、締結要素に与えられる油
圧は図15(ロ)の点線で図示するように、締結要素の
ピストンストロークが完了した時点t2以降では、油の
流れが急激に止ることにより、増幅弁が油の流れのある
状態から油の流れのない状態に移り変るまではライン圧
が直接クラッチにかかり続けるため、油圧が目標値以上
に上昇してしまう。その結果、油圧がオーバーシュート
してしまい、これにより締結要素に目標圧以上の圧力が
加わり、結果的に出力軸への伝達トルクが変動して変速
ショックを誘起させる要因となっていた。
油圧制御装置では、上述したオーバーシュートを回避す
るため、図14に図示するように、ソレノイド2aおよ
び増幅弁2bからなる調圧部2と締結要素1とを繋ぐ油
路3に、圧力差に応じた流量を発生するオリフィス4を
設けると共に、当該オリフィス4と締結要素1との間の
油路3に緩衝器用油路5を介してアキュームレータ6を
接続した構成としている。
ストンがストロークしきってしまうと(図15(イ)参
照)、緩衝器用油路5の油圧が高まり、この圧力がアキ
ュームレータ6におけるスプリングSPの付勢力より勝
ると、アキュームレータ6のピストンPTがストローク
し始めて緩衝器用油路5の油圧が低下する。この結果、
オリフィス4に油流が生じて急激に油の流れが止ること
がなくなり、油圧の上昇が緩やかとなり、上述した油圧
のオーバーシュート(図15(ロ)参照)が回避され
る。つまり、アキュームレータ6が油圧のオーバーシュ
ートを吸収するダンパとして作用するのである。なお、
アキュームレータ6をダンパとして作用させる構成につ
いては、例えば、特開平6−207602号公報に開示
されている。
来の油圧制御装置では、アキュームレータ6を設けて締
結要素1に加わる油圧のオーバーシュートをダンピング
させる構成としているが、このアキューレータ6を設け
たことにより以下に示す弊害が生じている。
圧をリアルタイムで細かく直接的に制御する必要がある
が、その際、アキュームレータ6内に貯留される油も変
化する為、アキュームレータ6がない場合に比べ、より
多くの油量変化が生じ、図13に示すように、目標圧に
達するまでに要する時間が長くなるという問題がある。
ないように油圧を高い圧力に設定する必要があるが、こ
の場合も、アキュームレータ6に流量をくわれてしま
い、図14(ロ)の領域E2に示すように、油圧を急激
に立上がらせることができず、緩慢な立上がり特性にな
ってしまうという問題もある。
圧制御装置では、アキュームレータ6により油圧のオー
バーシュートをダンピングし得る反面、このアキューム
レータ6のダンピング特性によって、変速に係わる油圧
制御に応答遅れが生じてしまい、木目細かな制御を行う
ことができないという問題を招致している。そこで本発
明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、油圧のオ
ーバーシュートを抑止しながらも応答遅れを起こすこと
がない自動変速機の油圧制御装置を提供することを目的
としている。
め、請求項1に記載の発明では、締結要素に油圧を給排
する第1の油路と連通し、この締結要素のピストンスト
ローク完了後に生じる油圧のオーバーシュートを吸収す
るダンパ手段を有する油圧制御装置において、前記締結
要素に加わる油圧が所定圧に達するまで前記ダンパ手段
の吸収作用を有効とし、所定圧以上では無効とするダン
パ制御手段を具備することを特徴としている。
する請求項2に記載の発明によれば、前記ダンパ手段
は、締結要素に油圧を給排する第1の油路と分岐接続さ
れる緩衝器用油路と、この緩衝器用油路に接続されるア
キュームレータとから構成され、前記ダンパ制御手段
は、締結要素に油圧が与えられていない状態から所定の
油圧が与えられて第1設定時間経過するまで前記緩衝器
用油路を開放して前記アキュームレータのダンパ作用を
有効とし、この第1設定時間経過後に前記緩衝器用油路
を遮断して前記アキュームレータのダンパ作用を無効に
することを特徴とする。
記載の発明では、好ましい態様として、前記ダンパ制御
手段は、前記第1の油路に分岐接続される前記緩衝器用
油路を遮断・開放するバルブと、前記第1の油路に分岐
接続され、この第1の油路の油圧に応じた作動圧を上記
バルブに与えるべくオリフィスが形成された第2の油路
とを具備することを特徴とする。さらに、請求項4に記
載の発明によれば、前記ダンパ制御手段は、前記第1の
油路の油圧に対応して電磁的にアクチュエータを駆動
し、前記緩衝器用油路に接続されるアキュームレータを
直接固定・解放することを特徴としている。
素に油圧を給排する第1の油路と連通し、この締結要素
のピストンストローク完了後に生じる油圧のオーバーシ
ュートを吸収するアキュームレータを有する油圧制御装
置において、前記第1の油路と前記アキュームレータと
を連通する緩衝器用油路に配置され、前記締結要素に油
圧が与えられていない状態から前記締結要素のピストン
のストローク完了後の第1設定時間経過するまでは前記
緩衝器用油路を開放して前記アキュームレータのダンパ
作用を有効とし、前記第1設定時間経過後に前記緩衝器
用油路を遮断して前記アキュームレータのダンパ作用を
無効にするバルブを設け、このバルブに、前記締結要素
のピストンのストローク完了後の第2設定時間経過時、
前記アキュームレータに貯留する油を排出する排出手段
を設けたことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
さらに、上記請求項5に従属する請求項6に記載の発明
によれば、前記第1設定時間は、前記第2設定時間より
長く設定されていることを特徴とする。
加わる油圧が所定圧に達するまで油圧のオーバーシュー
トを吸収するダンパ手段のダンパ作用を有効にしてお
き、所定圧以上となった時にダンパ手段のダンパ作用を
無効にするので、油圧のオーバーシュートを抑止しなが
らも応答遅れを起こさずに油圧制御することが可能にな
る。したがって、変速に際しては、締結要素に与える油
圧が目標圧以上になった時にダンパ作用を無効とするた
め、従来のように、アキュームレータ内に貯留される油
量の変化により生じる油量の変動を解消でき、これ故、
締結要素に与える油圧を短時間で目標圧に上昇させ得
る。また、変速終了後には、締結要素が滑らないように
油圧を増圧するが、この場合もダンパ作用が無効にされ
るから、従来のように、応答遅れすることなく油圧を急
激に増圧させ得る。
油圧制御装置を実施例とし、これについて図面を参照し
て説明する。 A.第1実施例 (1)構造 図1は、本発明の第1実施例による油圧制御装置の概略
構造を示す図である。この図において、図14に示した
従来例と共通する部分には同一の符号を付し、その説明
を省略する。図1に示す油圧制御装置が図14に図示し
た従来例と異なる点は、油路3とアキュームレータ6と
を連通する緩衝器用油路5を、解放・遮断するカットバ
ルブ12と、このカットバルブ12に対して油路3の油
圧に応じた作動圧を与えるようオリフィス11が形成さ
れた油路10とを設け、後述する条件下でカットバルブ
12を作動させて緩衝器用油路5を遮断し、アキューム
レータ6のダンパ作用を無効にすることにある。以下、
こうした構造について述べる。
スプール12aと、このスプール12aを油路10側に
付勢するバネ12bとから構成されており、油路10内
の油圧による力が上記バネ12bの付勢力より高くなる
と、それに応じてスプール12aがストロークしてアキ
ュームレータ6に連通する緩衝器用油路5を遮断する。
つまり、締結要素1に油の供給がなされず、油路3に油
圧が加わっていない場合には、カットバルブ12は図1
の中心線CLの右側に図示する通り、バネ12bによっ
てスプール12aが油路10側に付勢され、アキューム
レータ6に接続される緩衝器用油路5を開放する。
0にバネ12bの荷重に釣り合う油圧よりも大きな油圧
が作用すると、カットバルブ12は図1の中心線CLの
左側に図示する通り、スプール12aが緩衝器用油路5
側にストロークしてアキュームレータ6に接続される緩
衝器用油路5を遮断する。なお、バネ12bの荷重は締
結要素1のピストン1aがリターンスプリング1bに対
抗してストロークするのに必要な油圧よりやや高い油圧
によって、スプール12aが図1の上方へ移動するよう
な値に設定されている。また、油路10に設けられたオ
リフィス11は、スプール12aのストローク時間(移
動時間)が、図2における締結要素の油圧がピストンス
トローク終了時の油圧から目標油圧まで立上がるのを十
分に保証し得る範囲で、可能な限り短い時間となるよう
にその径が設定されている。こうして緩衝器用油路5を
遮断するカットバルブ12は、締結要素1に油が供給さ
れている間ではスプール12aをストロークせず、締結
要素1のピストンストローク終了後からストロークし始
め、所定時間経過後にストローク完了する特性を持つ。
作について説明する。いま、例えば、図示されていない
ATコントロールユニットが変速に際して調圧部2(図
14参照)にソレノイド駆動信号を供給したとする。そ
うすると、調圧部2は締結要素1に目標圧を与えるべく
オリフィス4を介して油路3に油を供給し始め(時点t
1)、これに従って締結要素1のピストンが図2(イ)
に示すように、ストロークし始める。
されるリターンスプリング相当圧が加わるが、その圧力
はバネ12bの付勢力を上回るスプール12aのストロ
ーク開始圧に達していないため、スプール12aは油路
10に当接した状態を保つ。つまり、カットバルブ12
は、緩衝器用油路5を開放してアキュームレータ6を作
動状態に設定しておく。
ピストンがストロークしきって油の流れが急激に止る。
そうなると、油路3および緩衝器用油路5の油圧が急激
に上昇しようとするが、この時、緩衝器用油路5が開放
されているから、アキュームレータピストンPTがスト
ロークして油路3に油の流れを生じさせ、油路3の急激
な油圧上昇を抑制し、前述のオーバーシュートを抑制す
るダンパとして作用する。
ている間、油路10での油圧は締結要素1に加えられる
油圧と共に上昇し、その圧力がストローク開始圧(図2
(ロ)参照)を越えた時点t3において、同図(ハ)に
示するように、スプール12aがストロークし始める。
標圧に達する時点t4から一定時間経過した時点t5
(第1設定時間)にてスプール12aのストロークが完
了して緩衝器用油路5を遮断する。これにより、カット
バルブ12がアキュームレータ6を不作動状態に設定
し、ダンパ作用を無効にする。
要素1に油圧が与えられていない状態から締結要素1に
油圧が与えられ、締結要素1のピストンのストロークが
終了してから第1設定時間経過するまで緩衝器用油路5
を開放してアキュームレータ6のダンパ作用を有効と
し、この第1設定時間経過後に緩衝器用油路5を遮断し
てアキュームレータ6のダンパ作用を無効にするカット
バルブ12を設けたので、油圧のオーバーシュートを抑
止しながらも応答遅れのない油圧制御が実現する。
ピストンのストロークが終了してから第1設定時間経過
後にアキュームレータ6のダンパ作用を無効とするた
め、従来のように、アキュームレータ6内に貯留する油
量の変化により生じる油圧の応答遅れを解消でき、これ
故、締結要素1に与える油圧を木目細かく制御したい場
合、目標油圧に対する応答性を増すことが可能になる。
また、変速終了後には、締結要素1が滑らないように作
動圧を高い圧力に設定すべく増圧するが、この場合にお
いてもアキュームレータ6のダンパ作用が無効にされて
いるので、従来のように、応答遅れすることなく、油圧
を急激に増圧させることが可能になる。
結要素1に与えられる油圧が目標圧に達する時点t4か
ら一定時間経過した時点t5で、緩衝器用油路5を遮断
してアキュームレータ6のダンパ作用を無効にしている
が、この時点t4から時点t5の時間幅は、オリフィス
11の形状に応じて任意に設定可能であって、締結要素
1に加わる油圧がピストンストローク終了後の目標圧に
達するのを十分に保証し得る範囲で、かつ可能な限り短
い時間でスプール12aのストロークが完全に完了する
最適な時間幅にすれば良い。
リフィス11を設けてカットバルブ12に作動圧を与え
る構成としたが、これに替えて、周知のソレノイドバル
ブを用いてカットバルブ12を電磁制御する態様にして
も良い。具体的にはバルブの開閉タイミングは図10に
示すように、変速信号を与えてから所定時間後としても
良いし、図11に示すように、油路3に圧力スイッチを
設けておき、この圧力スイッチが入ってから所定時間後
にする例などが考えられる。この場合の所定時間は当然
温度等によって変えても良い。この場合、構造が簡素化
される上、バルブ開閉タイミングが制御し易くなり、応
答性をより一層向上させ得る。
バルブ12によって緩衝器用油路5を遮断・開放してア
キュームレータ6のダンパ作用を無効あるいは有効にし
ているが、これに替えて、例えば、通常のアキュームレ
ータ構造に加えて、図12に示すように、当該アキュー
ムレータのピストンを直接電磁的にロックさせるアクチ
ュエータ20を持たせておき、油圧のオーバーシュート
を吸収させる時には前述と同様にダンパ作用させ、これ
を無効とさせたい時にはピストンストロークをアクチュ
エータ20のピン21にてロックしてダンパ作用を無効
にすることも可能である。
えられていない状態から締結要素1に油圧が与えられ、
ピストンのストロークが終了してから第1設定時間経過
するまで緩衝器用油路5を開放してアキュームレータ6
のダンパ作用を有効とし、この第1設定時間経過後に緩
衝器用油路5を遮断してアキュームレータ6のダンパ作
用を無効にするカットバルブ12を設けて油圧のオーバ
ーシュートを抑止しつつ応答遅れを回避する構造とした
が、この構造においては、締結要素1の油圧解放の際に
は、アキュームレータ6に貯留する油も排出する必要が
出てくる。
は図示されていない調圧系の油排出能力以上に、アキュ
ームレータ6の容量変化を生じさせるよう油圧を低減さ
せようとしても、図3に図示する通り、アキュームレー
タ6の油排出が終了するまでは目標油圧へ下がり切らな
い、という弊害が生じる。
弊害について詳述すると、カットバルブ12では、締結
している締結要素1を解放すべく油圧を抜いていき、締
結要素1に連通する油路3の圧力が下がり、カットバル
ブ12に作用する油路10の油圧がスプールストローク
開始圧を下回ると(図4の時点t8)、アキュームレー
タ6に通じる緩衝器用油路5と油路3とを遮断していた
カットバルブ12のスプール12aが、図示下方向へス
トロークして遮断されていたアキュームレータ6が再び
油路3と連通する(図4の時点t9)。
ていた油が油路3に戻る為、アキュームレータ6がない
構造の場合に比べて余分な油排出が要求されてしまい、
この為、連通されるタイミングが、締結要素1のピスト
ンが解放側にストロークしている途中にあると、図4の
時点t3〜t4に図示する通り、油抜きの過程であるに
もかかわらず、アキュームレータ6に貯留した油が締結
要素回路に逆流してしまい、締結要素1が再び締結され
てしまうという弊害を引き起す要因に成り得る。
シュートを抑止しつつ応答遅れを回避する一方で、締結
要素1を解放する際におけるアキュームレータ6からの
油逆流現象を防止する態様について言及する。第2実施
例による油圧制御装置が第1実施例と相違する点は、前
述したスプール12a(図1参照)が図示上方向へフル
ストルークした場合に、油路5を介してアキュームレー
タ6に貯留する油を排出させるドレーン回路Dを、カッ
トバルブ12に設けたことにある。以下、こうした点に
ついて図5〜図9を参照して説明する。なお、図5〜図
7に図示する第2実施例による油圧制御装置において、
図1に示した第1実施例と共通する部分には同一の符号
を付している。
油路3に油圧が供給される以前の状態(図8のt1以
前)では、カットバルブ12のスプール12aはバネ1
2bによって図示下方向に付勢されている。締結要素1
を締結すべく油路3に油が供給され始めて締結要素1の
ピストンがストロークしている間(図8の時点t1〜t
2)も、油路10には締結要素1のリターンスプリング
相当圧しか加わらない。この油圧ではスプール12aが
ストロークしないように、バネ12bの付勢力が設定し
てあるため、この状態ではスプール12aは図5に図示
する位置に保たれる。
が終了すると(図8の時点t2)、油路3の油圧が上昇
し始め、それに連れて油路10の油圧も上昇する。油路
10の油圧がスプールストローク開始圧を超えると、カ
ットバルブ12のスプール12aがストロークを開始し
始め(図8の時点t3)、オリフィス11で決められた
流速に従ってスプール12aが移動し、油路3の油圧が
ピストンストローク終了直後の目標圧に達する(図8の
時点t4)のを十分に保証し得る範囲の最短の時間で、
油圧制御装置は図6に図示する状態B(図8の時点t5
(第1設定時間))となる。この状態Bでは、アキュー
ムレータ6に連通する緩衝器用油路5は油路3と遮断さ
れている為、これ以降のアキュームレータ6による油圧
の応答遅れは前述の第1実施例と同様に回避できる。
12aがストロークして図7に図示する状態Cに達する
と(図8の時点t6(第2設定時間))、緩衝器用油路
5はドレーン回路Dと連通する。すると、オーバーシュ
ートを吸収するためにアキュームレータ6に蓄えられて
いた油は、このドレーン回路Dから排出され(図8の時
点t6〜t7)、これによりアキュームレータ6には油
が残らないことになり、締結要素1を解放する際におけ
るアキュームレータ6からの油逆流現象が防止される訳
である。なお、アキュームレータ6に残った油のドレー
ンは、変速終了までには十分完了するように、スプール
12aのストローク、径、オリフィス11の径等を設定
しておくことは言うまでもない。
カットバルブ12のスプール12aが緩衝器用油路5を
遮断した後、アキュームレータ6に貯留する油を排出す
る、所謂、オーバーラップ構造のものとして例示した
が、これに限らず、カットバルブ12aのスプール12
aが緩衝器用油路5を完全に遮断する前にアキュームレ
ータ6に貯留する油を排出する、所謂、アンダーラップ
構造のものを用いても良い。アンダーラップ構造とすれ
ば、締結要素1が解放する時に、一瞬、図9に示す状態
となり、油路3がドレーン回路Dに通じた状態となっ
て、カットバルブ12を経て締結要素1に溜まっている
油が排出されるから、解放が素速く行えるようになる。
このようにすることで、変速終了後、新たな変速段にな
るために、締結の終わった締結要素1を再び解放する時
のアキュームレータ6からの油逆流現象を防止すること
ができる。
制御手段が締結要素に加わる油圧が所定圧に達するまで
油圧のオーバーシュートを吸収するダンパ手段のダンパ
作用を有効にしておき、所定圧以上となった時にダンパ
手段のダンパ作用を無効にするので、油圧のオーバーシ
ュートを抑止しながらも応答遅れを起こさずに油圧制御
することができる。請求項2に記載の発明によれば、締
結要素に油圧を給排する第1の油路と分岐接続される緩
衝器用油路と、この緩衝器用油路に接続されるアキュー
ムレータとから構成されるダンパ制御手段は、締結要素
に油圧が与えられていない状態から所定の油圧が与えら
れて第1設定時間経過するまで前記緩衝器用油路を開放
して前記アキュームレータのダンパ作用を有効とし、こ
の第1設定時間経過後に前記緩衝器用油路を遮断して前
記アキュームレータのダンパ作用を無効にするので、油
圧のオーバーシュートを抑止しながらも応答遅れを起こ
さずに油圧制御できる。したがって、変速に際しては、
締結要素に与える油圧を短時間で目標圧に収束させ得る
為、変速終了後には応答遅れすることなく油圧を急激に
増圧させることができ、応答性に優れた木目の細かい油
圧制御を具現できる。請求項3に記載の発明によれば、
前記ダンパ制御手段は、前記第1の油路に分岐接続され
る前記緩衝器用油路を遮断・開放するバルブと、前記第
1の油路に分岐接続され、この第1の油路の油圧に応じ
た作動圧を上記バルブに与えるべくオリフィスが形成さ
れた第2の油路とを具備するので、変速終了後には応答
遅れすることなく油圧を急激に増圧させることができ、
応答性に優れた木目の細かい油圧制御を可能にする。請
求項4に記載の発明によれば、前記ダンパ制御手段は、
前記第1の油路の油圧に対応して電磁的にアクチュエー
タを駆動し、前記緩衝器用油路に接続されるアキューム
レータを直接固定・解放するので、変速終了後には応答
遅れすることなく油圧を急激に増圧させることができ、
応答性に優れた木目の細かい油圧制御を可能にする。請
求項5に記載の発明によれば、締結要素に油圧を給排す
る第1の油路と連通し、この締結要素のピストンストロ
ーク完了後に生じる油圧のオーバーシュートを吸収する
アキュームレータを有する油圧制御装置において、前記
第1の油路と前記アキュームレータとを連通する緩衝器
用油路に配置され、前記締結要素に油圧が与えられてい
ない状態から前記締結要素のピストンのストローク完了
後の第1設定時間経過するまでは前記緩衝器用油路を開
放して前記アキュームレータのダンパ作用を有効とし、
前記第1設定時間経過後に前記緩衝器用油路を遮断して
前記アキュームレータのダンパ作用を無効にするバルブ
を設け、このバルブに、前記締結要素のピストンのスト
ローク完了後の第2設定時間経過時、前記アキュームレ
ータに貯留する油を排出する排出手段を設けたので、油
圧のオーバーシュートを抑止しつつ応答遅れを回避する
一方で、締結要素1を解放する際におけるアキュームレ
ータ6からの油逆流現象を防止することができる。
ある。
図である。
の図である。
の図である。
の図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 締結要素に油圧を給排する第1の油路と
連通し、この締結要素のピストンストローク完了後に生
じる油圧のオーバーシュートを吸収するダンパ手段を有
する油圧制御装置において、 前記締結要素に加わる油圧が所定圧に達するまで前記ダ
ンパ手段の吸収作用を有効とし、所定圧以上では無効と
するダンパ制御手段を具備することを特徴とする自動変
速機の油圧制御装置。 - 【請求項2】 前記ダンパ手段は、締結要素に油圧を給
排する第1の油路と分岐接続される緩衝器用油路と、こ
の緩衝器用油路に接続されるアキュームレータとから構
成され、 前記ダンパ制御手段は、締結要素に油圧が与えられてい
ない状態から所定の油圧が与えられて第1設定時間経過
するまで前記緩衝器用油路を開放して前記アキュームレ
ータのダンパ作用を有効とし、この第1設定時間経過後
に前記緩衝器用油路を遮断して前記アキュームレータの
ダンパ作用を無効にすることを特徴とする請求項1記載
の自動変速機の油圧制御装置。 - 【請求項3】 前記ダンパ制御手段は、前記第1の油路
に分岐接続される前記緩衝器用油路を遮断・開放するバ
ルブと、 前記第1の油路に分岐接続され、この第1の油路の油圧
に応じた作動圧を上記バルブに与えるべくオリフィスが
形成された第2の油路とを具備することを特徴とする請
求項2記載の自動変速機の油圧制御装置。 - 【請求項4】 前記ダンパ制御手段は、前記第1の油路
の油圧に対応して電磁的にアクチュエータを駆動し、前
記緩衝器用油路に接続されるアキュームレータを直接固
定・解放することを特徴とする請求項2記載の自動変速
機の油圧制御装置。 - 【請求項5】 締結要素に油圧を給排する第1の油路と
連通し、この締結要素のピストンストローク完了後に生
じる油圧のオーバーシュートを吸収するアキュームレー
タを有する油圧制御装置において、 前記第1の油路と前記アキュームレータとを連通する緩
衝器用油路に配置され、前記締結要素に油圧が与えられ
ていない状態から前記締結要素のピストンのストローク
完了後の第1設定時間経過するまでは前記緩衝器用油路
を開放して前記アキュームレータのダンパ作用を有効と
し、前記第1設定時間経過後に前記緩衝器用油路を遮断
して前記アキュームレータのダンパ作用を無効にするバ
ルブを設け、 このバルブに、前記締結要素のピストンのストローク完
了後の第2設定時間経過時、前記アキュームレータに貯
留する油を排出する排出手段を設けたことを特徴とする
自動変速機の油圧制御装置。 - 【請求項6】 前記第1設定時間は、前記第2設定時間
より長く設定されていることを特徴とする請求項5記載
の自動変速機の油圧制御装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1997
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DE112008000764T5 (de) | 2007-04-25 | 2010-01-14 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha, Toyota-shi | Automatikgetriebedämpfermechanismus |
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