JPH11152901A - 穿孔装置 - Google Patents

穿孔装置

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JPH11152901A
JPH11152901A JP33483297A JP33483297A JPH11152901A JP H11152901 A JPH11152901 A JP H11152901A JP 33483297 A JP33483297 A JP 33483297A JP 33483297 A JP33483297 A JP 33483297A JP H11152901 A JPH11152901 A JP H11152901A
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JP
Japan
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drill
movable member
hole
frame
gantry
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Application number
JP33483297A
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English (en)
Inventor
Shigehide Sakurai
重英 櫻井
Masahiro Takahashi
正浩 高橋
Hideyuki Takada
秀行 高田
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Kumagai Gumi Co Ltd
Original Assignee
Kumagai Gumi Co Ltd
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  • Conveying And Assembling Of Building Elements In Situ (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波切削用ドリルを用いて行うモルタル層
またはコンクリート躯体への穿孔作業に要する時間およ
び労力を軽減すること。 【解決手段】 本発明は、既設の建物のコンクリート躯
体(12)を破砕するために用いられる膨張剤を充填するた
めの穴を穿孔するための装置であって、超音波切削加工
用ドリル(14)と、超音波切削加工用ドリルを支持する架
台(16)とを備える。架台(16)は、超音波切削加工用ドリ
ルをこれが躯体の表面と平行な面上の互いに直交する2
直線およびこの面に垂直な1直線のそれぞれに沿って移
動可能であるように支持する。架台には、超音波加工用
ドリルを各直線方向へ移動させるための駆動用モータ(5
4)が支持されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既存または既設の
建物のコンクリート躯体または該躯体を覆うモルタル層
を破砕するために用いられる膨張剤を充填するための穴
の穿孔装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、既設コンクリート造建築物の柱
や壁のような躯体を覆う、化粧材としての、またはタイ
ル、壁紙等の下地としてのモルタル層の経年劣化に伴う
更新、前記建築物の耐震補強、前記建築物の補修等のた
め、前記躯体から前記モルタル層を除去して前記躯体を
露出した後、該躯体を新たなモルタル層、コンクリート
層で覆うことがある。また、例えば建物の増設のために
コンクリート製の躯体、例えば壁の全部を破砕し、ある
いはその一部を破砕した跡に扉を新設することがある。
【0003】前記モルタル層の除去のための破砕あるい
は前記コンクリート躯体の破砕は、前記モルタル層また
は前記コンクリート躯体にこれを貫通する複数の穴を設
け、各穴に膨張剤を充填することにより行うことができ
る。各穴に充填された膨張剤は経時的に体積膨張をし、
前記モルタル層にあってはその各穴の周壁面およびコン
クリート躯体に対して膨張圧を及ぼし、また、前記コン
クリート躯体にあってはその各穴の周壁面に対して膨張
圧を及ぼす。その結果、前記モルタル層にあっては前記
穴相互間部分に多数のクラックが生じまた該部分が前記
コンクリート躯体から剥離され、これにより、前記穴相
互間部分が破砕され、また、前記コンクリート躯体にあ
っては前記穴相互間部分に多数のクラックが生じ、該部
分が破砕される。
【0004】これによれば、前記膨張剤による前記モル
タル層またはコンクリート躯体の破砕作用はほとんど音
を立てることなくまたほとんど振動を生じることなしに
徐々に進行する。このため、前記モルタル層の破砕また
は前記コンクリート躯体の破砕作業について、供用中の
建築物の居住者や利用者に精神的または肉体的苦痛を与
えることなく、また、建築物内の精密機器や設備の作動
や操作に影響を及ぼすことなしに行うことができる。さ
らに、前記膨張剤が充填される穴の形成について、超音
波切削加工用ドリルを用いて行うことができ、これによ
れば、前記モルタル層の破砕または前記コンクリート躯
体の破砕作業に伴う騒音の発生をより一層軽減すること
ができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、作業員の前記
超音波切削加工用ドリルの操作による前記モルタル層ま
たは前記コンクリート躯体への多数の穿孔作業には多大
の時間と労力とを要する。
【0006】本発明の目的は、前記超音波切削加工用ド
リルを用いて行うモルタル層またはコンクリート躯体へ
の穿孔作業に要する時間および労力を軽減することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】既設の建物のコンクリー
ト躯体またはこれを覆うモルタル層を破砕するために用
いられる膨張剤を充填するための穴を穿孔するための装
置は、超音波切削加工用ドリルと、該超音波切削加工用
ドリルを支持する架台であって超音波切削加工用ドリル
が前記躯体またはモルタル層の表面と平行な面上の互い
に直交する2直線および前記面に垂直な1直線のそれぞ
れに沿って移動可能である架台と、前記架台に支持され
た、前記超音波加工用ドリルを各直線方向へ移動させる
ための駆動用モータとを含む。前記穿孔装置は、さら
に、前記架台を解除可能に支持する台車を備えるものと
することができる。
【0008】
【作用および効果】本発明によれば、モータの駆動によ
る架台上における超音波切削加工用ドリルの移動操作に
より、建物のコンクリート躯体またはモルタル層の表面
と平行な面上の任意の位置に超音波切削加工用ドリルを
位置決めること、すなわち、前記超音波切削加工用ドリ
ルを前記コンクリート躯体またはモルタル層の穿孔予定
位置に相対する位置に位置決めることができる。また、
モータ駆動による、前記面に直交する方向への前記超音
波切削加工用ドリルの移動操作により、前記超音波切削
加工用ドリルを前記穿孔予定位置に進め、さらにこの間
に前記超音波切削加工用ドリルの作動により前記コンク
リート躯体またはモルタル層に所定の深さの穿孔を行う
ことができる。その結果、前記超音波切削加工用ドリル
による前記コンクリート躯体またはモルタル層への穿孔
作業を従来の人手による場合と比べて少ない時間と労力
とをもって、また、静粛に行うことができる。
【0009】また、前記超音波切削加工用ドリルの架台
を台車で支持することにより、前記建物の床面あるいは
地面上における本装置の移動を容易にし、また、前記架
台を前記台車から分離して例えば足場に取り付けて穿孔
を行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1および図2を参照すると、本
発明に係る穿孔装置が全体に符号10で示されている。
【0011】穿孔装置10は、既設のコンクリート造建
築物の柱、床スラブ、図示の壁等のコンクリート躯体ま
たはこれを覆うモルタル層(以下これらを総称して「躯
体等」という。)12に複数の穴(図示せず)を設ける
ために用いられる。各穴には、後に、躯体等12を破砕
するために用いられる膨張剤(図示せず)が充填され
る。なお、前記コンクリート躯体は、コンクリート造建
築物における躯体に限らず、非コンクリート造建築物に
おけるものも含まれる。
【0012】躯体等12に設けられた前記穴に充填され
る膨張剤は、例えば生石灰および珪酸塩を主体とする無
機化合物を主成分とする薬剤(例えば、株式会社小野田
製の「ブライスター」)に水を混ぜて練ったものからな
り、前記薬剤が水と反応(水和反応)することにより、
その体積が経時的に膨張する性質を有する。
【0013】各穴内の膨張剤の経時的な体積膨張によ
り、各穴の周壁面がこれに直角な方向(半径方向)に膨
張圧を受ける。前記モルタル層にあっては、さらに、前
記穴の軸線方向に膨張圧を受ける。前記膨張圧のため、
躯体等12の穴相互間部分に一方の穴からこれに相対す
る他方の穴に向けて多数のクラック(図示せず)が生じ
る。また、前記モルタル層にあっては、さらに、前記軸
線方向への膨張圧により、前記穴相互間部分が前記コン
クリート躯体から剥離される。その結果、躯体等12が
破砕される。
【0014】躯体等12に前記穴を形成するための穿孔
装置10は、超音波切削加工用ドリル(以下、単に「ド
リル」という。)14と、これを支持する架台16とを
含む。図示の穿孔装置10は、さらに、架台16を解除
可能に支持する台車17を含む。
【0015】ドリル14は、砥石が設けられた先端部を
有するスピンドル18と、スピンドル18を回転可能に
支承し、また、スピンドル18にその軸線の周りの回転
動力を付与するためのモータを含む駆動機構、スピンド
ル18にその軸線方向へ超音波振動を付与するための振
動子を含む振動系等を収容するハウジング20とを備え
る。
【0016】前記振動系の振動子は、導線を介して、い
わゆる周波数自動追尾形方式、スピンドル18の振動変
位の定振幅制御方式等を採用する超音波発振器21に電
気的に接続されている。スピンドル18に付与される超
音波の周波数および振幅は、それぞれ、20kHz および55
μmに設定することができる。前記超音波切削加工用ド
リルとして、例えば、多賀電気(株)の製造に係る「ソ
ノドリル SS-500」がある。
【0017】前記穴は、スピンドル18をその軸線の周
りに回転させてその砥石の切削力を躯体等12に及ぼ
し、かつ、この間にスピンドル18を超音波振動させる
超音波切削加工により穿たれる。
【0018】ドリル14は、架台16に、互いに直交す
る3直線のそれぞれに沿って移動可能に支持されてい
る。前記3直線は、躯体等12の表面(図示の例では壁
面)と平行な面(図示せず)上の互いに直交する2直線
(図示の例では鉛直線および水平線)と、前記平行面に
垂直な1直線(図示の例では前記水平線に直交する他の
水平線)とからなる。
【0019】したがって、ドリル14が躯体等12の表
面に対して直交するように該躯体等の面前に架台16を
配置した後、ドリル14を前記2直線上のそれぞれに沿
って移動させることにより、ドリル14を躯体等12の
穿孔予定箇所に相対するように位置決めることができ
る。その後、ドリル14のスピンドル18を回転駆動し
かつこれに超音波振動を与える間にドリル14を躯体等
12に向けて前記1直線に沿って移動させることによ
り、躯体等12にこれに直交する穴をあけることができ
る。前記穴の深さは前記1直線方向へのドリル14の移
動量の設定により任意に定めることができる。
【0020】図示の架台16は、互いに相対する一対の
縦部材22および両縦部材22間に配置されかつ両縦部
材22の頂部に固定され両縦部材22に直交する横部材
24と、両縦部材22間に横部材24と平行に配置され
かつ両縦部材22にこれらの長手方向(上下方向)へ移
動可能に支持された細長い第1の可動部材26と、第1
の可動部材26にその長手方向へ移動可能に支持された
第2の可動部材28と、第2の可動部材28に支持され
該第2の可動部材の移動方向に対して直角な方向へ移動
可能である第3の可動部材30(図3参照)とを含む。
ドリル14は第3の可動部材30上に据え付けられ、そ
のスピンドル18が第3の可動部材30の移動方向へ向
けられている。
【0021】これによれば、第1および第2の両可動部
材26,28のそれぞれの移動によりドリル14を前記
2直線のそれぞれの方向へ移動させることができ、ま
た、第3の可動部材30の移動によりドリル14を前記
1直線の方向へ移動させることができる。
【0022】図3に各可動部材26,28,30の移動
機構の一例を示す。図示の移動機構は、雄ねじ部材32
とこれに螺合された雌ねじ部材34との組み合わせから
なる。
【0023】図示の例では、各縦部材22、第1の可動
部材26および第2の可動部材28がそれぞれ全体に細
長い箱形の形状を有し、それぞれの内部にその長手方向
に向けて雄ねじ部材32が配置されかつそれぞれの両端
部において回転可能に支承されている。
【0024】両縦部材22はこれらの開放面が互いに相
対するように配置され、また、第1および第2の各可動
部材26,28はそれぞれその開放面を上方に向けて配
置されている。
【0025】第1の可動部材26の内部にはその各端部
に仕切板36が設けられ、また、各端部において前記開
放面を覆う覆い板38が設けられており、第1の可動部
材26内に配置された雄ねじ部材32が仕切板36を貫
通している。第1の可動部材26はその各端部において
各縦部材22の内部に受け入れられており、また、その
覆い板38およびその底部(図示せず)にはそれぞれ雌
ねじ部材34が取り付けられており、該雌ねじ部材34
を縦部材22内の雄ねじ部材32が貫通しかつこれと螺
合している。したがって、各縦部材22の雄ねじ部材3
2をその軸線の周りに回転するとき、雌ねじ部材34と
ともに各第1の可動部材26が各縦部材22の長手方向
へ移動する。
【0026】第2の可動部材28は、第1の可動部材2
6上に該第1の可動部材と直交するように載置されてい
る。第2の可動部材28は、その底部から第1の可動部
材26の内部に垂下する互いに平行な一対の垂下板40
を有し、第1の可動部材26内の雄ねじ部材32が両垂
下板40にそれぞれ設けられた雌ねじ部材34を貫通し
かつこれらと螺合している。したがって、第1の可動部
材26の雄ねじ部材32をその軸線の周りに回転する
と、第2の可動部材28が第1の可動部材26上をその
長手方向へ滑動する。
【0027】また、第2の可動部材28は、その一端部
にのみ設けられた、第1の可動部材26における仕切板
36および覆い板38とそれぞれ同様の仕切板42およ
び覆い板44を有する。第3の可動部材30は、第2の
可動部材28上に載置されたプレート46と、該プレー
トから第2の可動部材28内に垂下する互いに平行な一
対の垂下板48とからなり、第2の可動部材28内の雄
ねじ部材32が、各垂下板48に設けられた雌ねじ部材
34を貫通しかつこれに螺合している。したがって、第
2の可動部材28の雄ねじ部材32をその軸線の周りに
回転すると、第3の可動部材30が第2の可動部材28
上をその長手方向へ滑動する。
【0028】ドリル14は、第3の可動部材のプレート
46上に該第3の可動部材の移動方向に向けて載置され
かつバンド50でプレート46に固定されている。した
がって、ドリル14は第3の可動部材30とともに移動
する。
【0029】各縦部材22、第1の可動部材26および
第2の可動部材28には、それぞれ、これらの雄ねじ部
材32の両側に該雄ねじ部材と平行に一対のガイドロッ
ド52が配置されかつ各縦部材22および各可動部材2
6,28の両端部に支持されている。
【0030】各縦部材22における両ガイドロッド52
は第1の可動部材26の前記底部と覆い板38とを貫通
しており、第1の可動部材26は、両ガイドロッド52
の案内作用下において、縦部材22の長手方向へ移動可
能である。
【0031】同様に、第1の可動部材26における両ガ
イドロッド52は第2の可動部材28の両垂下板40を
貫通しており、第2の可動部材28は、両ガイドロッド
52の案内作用下において、第1の可動部材26の長手
方向へ移動可能である。
【0032】また、同様に、第2の可動部材28におけ
る両ガイドロッド52は第3の可動部材30の両垂下板
48を貫通しており、第3の可動部材30は、両ガイド
ロッド52の案内作用下において、第2の可動部材28
の長手方向へ移動可能である。
【0033】各縦部材22、第1の可動部材26および
第2の可動部材28の端部内、より詳細には、縦部材2
2の下端部に設けられた前記したと同様の仕切板53お
よび覆い板55が規定する空間、第1の可動部材26の
仕切板36および覆い板38が規定する空間、および、
第2の可動部材28の仕切板42および覆い板44が規
定する空間のそれぞれに各雄ねじ部材32をその軸線の
周りに回転駆動するための電動モータ54が据え付けら
れ、各電動モータ54の駆動軸が各雄ねじ部材32の端
部に連結されている。符号56は、各電動モータ54に
電気的に接続された該モータの制御装置を示す。
【0034】第1の可動部材26、第2の可動部材28
および第3の可動部材30は、それぞれ、制御装置56
により例えば各電動モータ54の回転数を電気的に制御
することにより、所望の距離を移動させることができ
る。各電動モータ54の動作を制御することにより、ド
リル14の位置決めおよび該ドリルによる穿孔作業を機
械的にまた迅速に行うことができる。さらに、各可動部
材26,28,30を各電動モータ54で駆動すること
により、各可動部材の移動を静かに行うことができる。
【0035】穿孔場所を変えるときは、床面上または地
面上の台車17(図1参照)を押して架台16を他の穿
孔予定場所に移動させることができる。
【0036】台車17は超音波発振器21およびモータ
の制御装置56を載せるための台58と、台58に固定
され上下方向に伸びる、架台16を支持するための一対
のポスト60とを有する。
【0037】台車17の各ポスト60は、架台16の各
縦部材22と同じ横断面形状を有し、また、その上端か
ら上方へ伸びる凸部(図示せず)を有する。他方、各縦
部材22はその下端から下方へ伸びる、前記凸部を受け
入れ可能の凹部(図示せず)を有する。架台16は、そ
の縦部材22をポスト60上に載せかつ前記凹部と前記
凸部とを相互に嵌合させることにより、台車17に支持
され、また、架台16を引き上げて前記凹部および前記
凸部の嵌合を解除することにより、架台16を台車17
から取り外すことができる。
【0038】また、台車17に支持された架台16の設
置位置を確実に保持するため、架台16の各縦部材22
の上端部と、台車17の台の下面とに、それぞれ、長さ
寸法が可変である1のアジャスタ62および複数のアジ
ャスタ62を設けることができる。各アジャスタ62の
長さ寸法を変えることにより、各アジャスタ62を介し
て、架台16が例えば壁12に連なる天井64に接しか
つ台車17が床66に接するようにすることができ、こ
れにより、架台16を一定位置に保持することができ
る。
【0039】図4に示すように、架台16は、これを台
車17から取り外し、例えば足場68に取り付けて使用
することができる。これにより、高所での穿孔作業を行
うことができる。
【0040】図示の例では、架台16の設置のため、枠
組み足場からなる足場68の互いに相対する一対の縦パ
イプ69から一組のブレース70を取り外されている。
架台16はその両縦部材22を足場板72に載せ、両縦
部材22を両縦パイプ69にバンドのような締め付け手
段74で固定することにより、足場68に取り付けるこ
とができる。これにより、架台16に支持されたドリル
14が躯体等12に向けられる。
【0041】また、図5に示すように、ドリル14はそ
の仰角を変更可能に支持することができる。
【0042】ドリル14の仰角を変更するための仰角変
更機構76が設けられている。仰角変更機構76は、第
2の可動部材28の両側に配置された一対のブラケット
78と、第1の可動部材26と平行に伸びる一対のピン
80とを含む。両ブラケット78は第1の可動部材26
の内部に受け入れられた底部を有し、さらに、両ブラケ
ット78は第1の可動部材26内においてプレート(図
示せず)を介して相互に接続されている。第2の可動部
材28は、両ピン80を介して、両ピン80の軸線の周
りに回転可能に両ブラケット78に支持されており、第
2の可動部材28したがってドリル14は両ピン80と
ともに回転可能である。
【0043】図5に示す例では、図3に示す両垂下板4
0が設けられていない。両ブラケット78は、図3に示
す両垂下板40の代わりに配置され、両ブラケット78
を第1の可動部材26中を伸びる雄ねじ部材32と、両
ガイドロッド52とが貫通している。雄ねじ部材32は
両ブラケット78に設けられた雌ねじ部材34に螺合し
た状態で両ブラケット78を貫通している。
【0044】仰角変更機構76は、さらに、第2の可動
部材28の下方において両ブラケット78間に配置され
かつ少なくとも一方のブラケット78に据え付けられた
電動モータ(図示せず)と、該モータの駆動軸81に取
り付けられたスプロケット82と、一方のピン80に取
り付けられたスプロケット84と、両スプロケット8
2,84に掛け回されたチェーン85とを含む。両スプ
ロケット82,84およびチェーン85はカバー87で
覆われている。
【0045】仰角変更機構76の前記モータを作動させ
ることにより、該モータ側のスプロケット82からチェ
ーン85を介してピン80側のスプロケット84に前記
モータの回転力が伝達され、ピン80とともに第2の可
動部材28およびドリル14を回転させることができ
る。また、前記モータの作動を停止することにより、第
2の可動部材28の回転を止め、ドリル14を所望の仰
角に維持することができる。この仰角を維持する間に、
第2の可動部材28に対して第3の可動部材30を移動
させることにより、躯体等12に斜めに伸びる穴を形成
することができる。なお、ドリル14を鉛直面内におい
て回転させる図示の仰角変更機構76に代えて、ドリル
14を水平面内において回転させる角度変更機構(図示
せず)とすることができる。
【0046】図6〜図9に、仰角変更可能のドリル14
を有する本装置10を用いてコンクリート壁86にあけ
られた穴の例を示す。これらの穴は、前述したように、
壁86の部分的破砕またはその全部の破砕のために設け
られ、後に各穴に前記膨張剤が充填される。各穴内の膨
張剤は経時的に体積を膨張させ、各穴の円筒状の側壁面
に対して垂直な方向に膨張圧または膨張力を及ぼす。
【0047】図6に示す例では、壁86に設けられこれ
を貫通する複数の穴88が壁86の表面に対して非直角
にかつ互いに平行に伸びている。
【0048】前記膨張剤の膨張力Fは、壁86の表面に
対して非直角に伸びる穴88では、壁86の表面に対し
て直角に伸びる穴と異なり、壁86の表面に向けてこれ
と直角な水平分力Fxを有する。この水平分力Fxは、壁8
6の表面から比較的浅い位置までの一部分を剥落させる
作用をなす。この一部剥落により、いわゆる自由面をな
す壁86の表面の範囲がさらに該壁の深い箇所まで拡大
し、その表面積が増大する。その結果、水平分力Fxの作
用による壁86の一部剥落がさらに進行する。また、非
剥落部分は、穴88相互間に蓄積された垂直分力Fyの作
用により破壊される。その結果、穴88相互間の壁86
の一部が効率的に破砕される。
【0049】図7および図8に示す壁86にあっては、
斜めに伸びる穴88のほか、さらに、両穴88間ににお
いて壁86を貫通する他の一対の穴90と他の1の穴9
2とが設けられている。両穴90は壁86の表面に対し
て直角に伸び、両壁面においてそれぞれ両穴88と交差
している。また、穴92は、両穴90間にあって壁86
の各表面において両穴90と交差している。
【0050】前記膨張剤の膨張作用を利用する前記躯体
の破砕においては、該躯体に埋設された鉄筋の存在のた
め、前記躯体におけるその表面から深い位置にある部分
(奥部)の破砕が不完全となる場合があるが、斜めの穴
88に加えて、前記穴90および穴92を設けることに
より、これを解消し、前記躯体のより効率的な破砕を達
成することができる。
【0051】すなわち、両穴90が壁86の各表面にお
いてそれぞれ両穴88に連なり、また、穴92が壁86
の各表面において両穴90、または、両穴88および両
穴90の双方に連なることから、これらの穴の軸線を含
む壁86の横断面において、両穴88間の領域が三角形
の複数の小領域94に分割される。各小領域94の三角
形の三辺は2つの穴と壁86の表面とにより規定されて
いるため、各小領域94の部分は、前記膨張剤による膨
張力を両穴から壁86の表面に向けて集中的に受け、こ
れにより、壁86の奥部が容易に破砕される
【0052】図9に示す壁86にあっては、さらに、両
穴90の間にあって穴92と交差しかつ壁86の両面に
おいてそれぞれ穴88および穴90の双方と交差する穴
96が設けられている。
【0053】穴96は、小領域94を2分してさらに小
さい三角形の小領域98を形成する。これらの細分化さ
れた領域98は3つ穴に規定され、または、2つの穴と
各表面とに規定されるため、これらの細分化された領域
98はより一層容易にまた効率的に破砕される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の穿孔装置の概略的な側面図である。
【図2】穿孔装置の概略的な正面図である。
【図3】穿孔装置の架台の部分拡大斜視図である。
【図4】足場に取り付けられた架台の正面図である。
【図5】超音波切削加工用ドリルの仰角を変更するため
の機構を備える架台の一部を概略的に示す斜視図であ
る。
【図6】本発明の装置を用いて穿孔された穴の一例を示
す壁の部分断面図である。
【図7】本発明の装置を用いて穿孔された穴の他の一例
を示す壁の部分断面図である。
【図8】本発明の装置を用いて穿孔された穴のさらに他
の一例を示す壁の部分断面図である。
【図9】本発明の装置を用いて穿孔された穴のさらに他
の一例を示す壁の部分断面図である。
【符号の説明】
10 穿孔装置 12 躯体等 14 超音波切削加工用ドリル 16 架台 17 台車 76 仰角変更機構

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既設の建物のコンクリート製の躯体を破
    砕するために用いられる膨張剤を充填するための穴の穿
    孔装置であって、超音波切削加工用ドリルと、該超音波
    切削加工用ドリルを支持する架台であって前記超音波切
    削加工用ドリルが前記躯体の表面と平行な面上の互いに
    直交する2直線および前記面に垂直な1直線のそれぞれ
    に沿って移動可能である架台と、前記架台に支持され
    た、前記超音波加工用ドリルを各直線方向へ移動させる
    ための駆動用モータとを含む、穿孔装置。
  2. 【請求項2】 さらに、前記超音波切削加工用ドリルの
    仰角を変更するための機構を含む、請求項1に記載の穿
    孔装置。
  3. 【請求項3】 さらに、前記架台を解除可能に支持する
    台車を含む、請求項1または2に記載の穿孔装置。
JP33483297A 1997-11-20 1997-11-20 穿孔装置 Withdrawn JPH11152901A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107842213A (zh) * 2017-11-20 2018-03-27 曾子强 一种混凝土敲击装置
JP2019007161A (ja) * 2017-06-21 2019-01-17 東京電力ホールディングス株式会社 削孔装置及び削孔方法

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