JPH1115268A - 現像装置 - Google Patents

現像装置

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JPH1115268A
JPH1115268A JP18024297A JP18024297A JPH1115268A JP H1115268 A JPH1115268 A JP H1115268A JP 18024297 A JP18024297 A JP 18024297A JP 18024297 A JP18024297 A JP 18024297A JP H1115268 A JPH1115268 A JP H1115268A
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JP
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toner
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magnetic
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JP18024297A
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Makoto Nonomura
真 野々村
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像剤規制部材上の現像剤の十分な掻き落と
しを可能とし、現像に必要な帯電量のトナーのみを現像
剤担持体上に塗布することで、良好な画像形成を安定に
行なう現像装置の提供。 【解決手段】 磁性現像剤の動きが、回転可能な現像剤
担持体と現像剤規制部材と、現像剤規制部材に当接した
現像剤剥ぎ取り部材と、現像剤の動きを磁気的に規制す
る磁場発生手段とが協動して形成する磁場により規制さ
れ、且つ現像剤が現像剤担持体と現像剤規制部材との両
方からの搬送力を受けて、一定の帯電量を有するトナー
が選択的に現像剤担持体上へ塗布される現像装置におい
て、現像剤規制部材表面が導電性で、且つ現像剤担持体
とトナーとの摩擦帯電で相互に付与し合う電荷量が略同
等となるように現像剤規制部材表面を構成した現像装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真式画像形
成装置及び静電記録装置等に用いられる現像装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真式画像形成装置に用いら
れる現像方式として、トナーとキャリアが混合された二
成分現像剤を使用する二成分現像法と、主にトナーから
なる一成分現像剤を使用する一成分現像法がある。二成
分現像法では、現像剤担持体上に、トナーの付着した磁
性キャリアによって磁気ブラシを形成し、これをもって
静電潜像が形成された像担持体を慴擦することで現像を
行う「磁気ブラシ現像法」が一般的である。
【0003】それに対する一成分現像方式としては、例
えば、磁性一成分現像剤を、現像剤担持体(以下、現像
スリーブとも呼ぶ)上に現像剤層厚規制部材を使用して
薄層に塗布し、これを像担持体と非接触の状態で、交番
電界によって飛翔、往復させることで現像を行う「ジャ
ンピング現像法」等が使用されている。その他にも、非
磁性トナーを用いた一成分現像法が各種提案され、使用
されている。前述の磁気ブラシ現像法では、像担持体上
に現像されたトナー像を、磁気ブラシが慴擦してトナー
像を乱してしまったり、像担持体上へキャリアの一部が
転移して画像にノイズを生じ易いのに対し、一成分現像
法では、キャリアを使用しておらず、現像剤担持体上に
はトナーのみが塗布されるので、上記磁気ブラシ現像法
におけるようなキャリアの存在によって生じるノイズは
発生せず、画像の均一性を得やすいといった特徴があ
る。
【0004】しかし、キャリアとの摩擦帯電によってト
ナーに対して十分な電荷付与が安定的に行われる二成分
現像法に比べ、上記の一成分現像法では、摩擦帯電によ
るトナーに対する電荷付与が不均一、不十分になり易
く、これが良好な画像の安定形成への妨げの原因の一つ
となっている。そこで、一成分現像法では、現像に供す
るのに十分な摩擦帯電量をトナーに与えるべく、トナー
と現像スリーブとの接触機会を増加させる等の手段によ
り、現像剤担持体上にトナーを薄層塗布することが行わ
れている。
【0005】例えば、トナーと現像スリーブとの接触機
会を増加させるために、非磁性トナーを現像剤担持体上
に薄層塗布する構成を有するものとしては、特公平2−
13792号公報、特公平2−15068号公報、特開
昭60−42776号公報等で、現像剤塗布方法並びに
現像方法を提案している。これらの現像方法において
は、非磁性トナーと磁性キャリアとからなる現像剤を使
用し、磁性キャリアの動きを磁場により規制し、キャリ
アを現像剤容器内に拘束して不動層を形成させ、実質的
に、非磁性トナーのみを現像スリーブ上に塗布して現像
に供させるものである。この結果、非磁性トナーに対し
ては、現像スリーブ表面との摩擦帯電のみならず、磁性
キャリアとの摩擦帯電によって現像に供するのに十分な
電荷付与が行われると共に、キャリアの動きは磁場によ
って規制されるので、現像スリーブ上に非磁性トナーの
みが薄層塗布される。
【0006】しかしながら、上記構成を有する現像装置
においては、磁場によって現像剤の動きを規制し、磁性
キャリアの不動層を形成する構成をとるために、この現
像剤規制領域内における現像剤の入れ替わりが抑制され
易く、トナーへの電荷付与が不安定となったり、トナー
塗布量の変動が生じる場合があった。このような場合に
は、出力画像の濃度低下、濃度ムラが生じ、良好な画像
形成を行なうことができなくなる。又、不動層を形成す
べきキャリアが現像領域へと一部漏れ出す場合があり、
キャリアが転写して画像にノイズを生じる場合があっ
た。
【0007】これに対し、上記した種々の問題を解決す
べく下記のような構成を有する現像装置が開発された。
このような従来例について、以下、図10に即して説明
する。図10に例示した現像装置は、内部に固定配置さ
れた磁場発生手段である永久磁石10を有し、図10中
の矢印方向に回転自在に構成されている現像剤担持体と
しての現像スリーブ1と、内部に固定配置された磁場発
生手段である永久磁石11を有し、現像スリーブ1の回
転方向と同方向に回転自在に構成されている現像剤規制
部材である規制スリーブ2と、該規制スリーブ2に当接
して設けられている現像剤剥ぎ取り部材であるスクレイ
パ3とを有し、更に、現像剤容器5内において現像剤の
撹拌並びに現像スリーブ1への現像剤の供給を行なう攪
拌部材4とにより構成される。そして、規制スリーブ2
は、現像スリーブ1と対向して設けられ、一定の距離
W、例えば、100μm〜2mmの程度の間隙をおいて
配置されている。又、このような構成を有する従来の現
像装置においては、現像スリーブ1及び規制スリーブ2
は、非磁性部材よって形成されている。当該装置に搭載
する現像剤には、体積平均径10μm以下程度の非磁性
トナーと平均粒径20〜100μm程度の磁性キャリア
を含んだものを使用している。
【0008】このような従来例において、現像スリーブ
1内部の永久磁石10、及び規制スリーブ2の内部永久
磁石11は、現像スリーブ1と規制スリーブ2との対向
部近傍に、夫々磁極N1、S1を有するので、現像スリー
ブ1と規制スリーブ2との近接部一帯に磁力線の集中し
た磁場が協働して形成される。その結果、形成された磁
場によって現像剤の動き(特に、磁性キャリアの動き)
が規制され、図中にGで示した現像剤規制領域が現像ス
リーブ1と規制スリーブ2との近接部一帯に形成され
る。以下、この領域を単に、現像剤規制領域と呼ぶ。
【0009】次に、上記現像装置における現像剤の一連
の循環、並びに、これによるトナーの現像スリーブ上へ
の塗布について簡単に説明する。先ず、現像剤容器5か
ら、撹拌部材4によって撹拌されながら現像スリーブ1
へと供給された現像剤は、現像スリーブ1内部の永久磁
石10の磁力を受け、現像スリーブ1上に担持され搬送
されるが、現像剤規制領域Gにおいて、その動きに規制
を受ける。図11に、現像剤規制領域Gの拡大図を示
し、その際の現像剤の受ける規制について説明する。
【0010】先ず、領域Gにおける磁場によって拘束さ
れた現像剤中の磁性キャリアは、規制スリーブ2内の永
久磁石11の磁極S1の磁力によって束縛を受けて留ま
る。しかし、規制スリーブ2は、図中に矢印で示した方
向に回転しているため、磁性キャリアは、その回転に伴
って現像剤容器5内へ戻される方向の搬送力(逆搬送
力)を受けることになる。従って、磁性キャリアは、規
制領域Gで拘束を受けつつも、規制スリーブ2からの搬
送力によって、図中に太い矢印で表示したように、順
次、現像剤容器5方向へと戻される。これによって、磁
性キャリアは、現像領域Gに漏出することなく、現像剤
容器内を循環する。
【0011】一方、現像剤規制領域Gにおける現像剤中
の非磁性トナーは、磁性キャリアとの摩擦帯電、及び現
像スリーブ1表面との摩擦帯電により付与された電荷に
よって、現像スリーブ1からの鏡映力が作用するもの
の、非磁性ゆえに領域Gでの磁場による拘束を受けるこ
とはない。従って、非磁性トナーには、図中に矢印で示
した現像スリーブ1の回転に伴って、鏡映力に起因した
現像スリーブの回転方向への搬送力が働く。加えて、前
述の磁性キャリアにおいて説明した領域G内で形成され
る現像剤容器内方向へ戻されるような循環に伴なった慴
擦により、非磁性トナーも、現像剤容器5内方向へ戻さ
れるような搬送力(逆搬送力)を受ける。従って、現像
スリーブ1上に残り、最終的に現像スリーブ1上に塗布
される非磁性トナーは、この逆搬送力に打ち勝つだけの
搬送力を有したもの、即ち、十分な帯電量を有し、鏡映
力によって強く現像スリーブに束縛されていたものだけ
となる。
【0012】上記のように構成されている従来の現像装
置においては、現像スリーブ1及び規制スリーブ2の夫
々からの搬送力によって、図10中に太い矢印で示した
ような現像剤の循環が形成され、この一連の循環によっ
て、磁性キャリアが現像領域に漏出することがなく、且
つ、現像に供されるに十分な電荷が付与された非磁性ト
ナーのみが現像スリーブ上に塗布されている。
【0013】即ち、上記した従来例においては、規制領
域Gにおいて拘束された現像剤、とりわけ磁性キャリア
に、現像剤容器5内方向への搬送力を付加して現像剤を
積極的に循環させる構成を採ることで、規制領域Gにお
ける磁性キャリアの不動層を形成することなく、しか
も、その拘束を十分維持させることができる。従って、
磁性キャリアの漏出が防止される。更に、現像剤の円滑
な循環が行われることで、トナーとキャリアとの撹拌、
混合が十分に行われ、現像に供される非磁性トナーに対
する電荷付与の安定化が図られる。従って、このような
現像装置を使用すれば、良好な画像形成を、連続、且つ
高速に行うことが可能となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁性を
有する現像剤を使用し、磁場を利用して現像剤、特に磁
性キャリアの動きを規制する構成を有する現像装置にお
いて、上記図10に示した従来例のように、現像剤規制
部材が、磁場を利用して現像剤の規制を行うのみに留ま
らず、現像剤に対して搬送力を作用させる構成を有して
いる場合においては、現像剤規制部材により、必ずしも
すべての現像に不要な現像剤が現像剤容器内へと戻され
る訳ではなく、その一部が現像剤規制部材上に担持さ
れ、その回転に伴って現像剤担持体上へと漏出すること
が生じる。
【0015】このため、図10に示した従来例のよう
に、現像剤規制部材に現像剤剥ぎ取り部材、例えば、ス
クレイパ、ローラー、ブラシ等を当接して設け、これに
よって現像剤規制部材上に担持された現像剤を掻き落
し、現像剤の漏出を防止している。しかしながら、現像
剤規制部材上に担持された現像剤、とりわけトナーを完
全に掻き落とすことは容易ではなく、現像に不要な現像
剤の現像剤担持体への漏出が防止できない場合があり、
良好な画像形成に支障を来たす場合があった。以下、上
記したような場合について、図10に示した従来例に則
して詳述する。
【0016】現像剤規制部材である規制スリーブ2上に
担持される現像剤には、以下の二つの状態が存在する。
一つは、現像剤規制領域G内におけるもので、主に、規
制領域Gを形成する磁場の作用により規制スリーブ2上
に付着、担持されている状態である。もう一つは、現像
剤規制領域G外におけるもので、主に静電的な付着力、
即ち、現像剤の有する電荷に対して作用する鏡映力によ
り、規制スリーブ2上に付着、担持されている状態であ
る。この時の、現像剤の有する電荷とは、例えば、トナ
ーと磁性キャリアとを含んだ現像剤の場合では、トナー
と磁性キャリアとの相互の摩擦帯電、及び、規制領域G
における、現像スリーブ1表面との摩擦帯電により現像
剤に付与される電荷に、規制スリーブ2表面との摩擦帯
電により現像剤に付与される電荷が加わったものであ
る。従って、規制スリーブ2表面との摩擦帯電により付
与される電荷が大きな場合には、規制スリーブ2上に担
持された現像剤に対して作用する付着力は増大している
ため、スクレイパ3等による現像剤の掻き落しが不完全
なものとなり易く、現像スリーブ1への漏出を引き起こ
してしまう。
【0017】ところで、上記のような現像剤を構成する
トナーと磁性キャリアとは、その大きさで数倍〜数十
倍、質量で数百倍以上異なり、磁性キャリアの方が大き
さが大きく、質量も大きい。従って、トナー、磁性キャ
リアの重量比電荷は、トナーの方が圧倒的に大きく、そ
れゆえ、トナーは磁性キャリアに比べて、相対的に大き
な付着力をもって規制スリーブ上に担持されていること
になる。そのため、現像剤のうちでも、とりわけトナー
の掻き落としは容易ではない。加えて、磁性キャリアに
比べてトナーは、その大きさが小さいために、例えば、
剥ぎ取り部材としてスクレイパを使用する場合には、像
担持体と当接するスクレイパとの間をトナーがすり抜け
てしまう場合がある。特にこの傾向は、トナーが小粒径
である場合や球形である場合に顕著なものとなる。
【0018】これに対して、スクレイパの当接圧を高め
ることで、現像剤、特にトナーの十分な掻き落としを可
能とすることができるが、このようにすると、スクレイ
パとの当接部における負荷が増大し、現像剤の損傷等を
招く場合があり望ましい方法とは言えない。同様のこと
が、剥ぎ取り部材として、ローラー、ブラシ等を使用し
た場合にも言える。更に、上述のような現像剤規制部材
に対して剥ぎ取り部材が当接する構成を用いる場合に
は、剥ぎ取り部材自身の耐久劣化や、現像剤規制部材表
面の磨耗等が生じ易く、これが良好な画像形成を安定し
て行う際の障害ともなっていた。
【0019】加えて、上述のように、現像剤規制部材
が、現像剤の規制を行うのみに留まらず、現像剤に対し
て搬送力を作用させる構成を有している場合において
は、現像剤規制部材と現像剤との摩擦帯電による電荷付
与による影響で、現像剤の帯電量の変動が生じ易く、こ
れもまた、良好な画像形成に支障を来たす要因の一つと
なる場合があった。
【0020】従って、本発明の目的は、上記した従来技
術の課題を解決し、現像剤規制部材上に担持された現像
剤の十分な掻き落としを可能とすることで、良好な画像
形成を安定して行なうことのできる現像装置を提供する
ことにある。又、本発明の目的は、現像剤を構成してい
るトナーに付与される帯電量の変動を抑制し、現像に必
要な一定の帯電量を有するトナーのみを現像剤担持体上
に塗布することによって、安定した画像形成を可能とす
ることにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明によって達成される。即ち、本発明は、磁性を有す
る現像剤を使用し、回転可能な現像剤担持体と、回転可
能な現像剤規制部材と、該現像剤規制部材に当接された
現像剤剥ぎ取り部材と、現像剤の動きを磁気的に規制す
るための磁場発生手段とを備え、現像剤の動きが、前記
現像剤担持体、前記現像剤規制部材、及び前記磁場発生
手段とが協動して形成する磁場により規制され、且つ、
現像剤が、前記現像剤担持体と前記現像剤規制部材との
両方からの搬送力を受けることで、現像に適した帯電電
荷量を有するトナーが選択的に前記現像剤担持体上へ塗
布される構成を有する現像装置において、前記現像剤規
制部材の表面が導電性を有し、且つ、現像剤担持体とト
ナーとの摩擦帯電において、相互に付与し合う電荷量が
略同等となるように現像剤規制部材の現像剤との接触面
を構成したことを特徴とする現像装置である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の態
様を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明者は、上記
した従来技術の課題を解決すべく鋭意研究の結果、磁性
を有する現像剤を使用し、回転可能な現像剤担持体と、
回転可能な現像剤規制部材と、該現像剤規制部材に当接
配置された現像剤はぎ取り部材と、現像剤の動きを磁気
的に規制するための磁場発生手段とを備え、現像剤の動
きが、前記現像剤担持体、前記現像剤規制部材、及び前
記磁場発生手段とが協動して形成する磁場により規制さ
れ、且つ、現像剤が、前記現像剤担持体と前記現像剤規
制部材との両方からの搬送力を受けることで、現像に適
した帯電電荷量を有するトナーが選択的に前記現像剤担
持体上へ塗布される構成を有する現像装置において、現
像剤規制部材上に担持された現像剤の十分な掻き落とし
を行うと共に、現像剤を構成しているトナーの帯電量の
変動を抑制することで、良好な画像形成が可能となるこ
とを知見して本発明に至った。
【0023】即ち、本発明においては、上記構成を有す
る現像装置において、現像剤規制部材の表面が導電性を
有するように構成し、且つ、現像剤担持体とトナーとの
摩擦帯電において、相互に付与し合う電荷量が略同等と
なるように現像剤規制部材の現像剤との接触面を構成す
ることにより、現像剤規制部材上に担持された現像剤
(トナー)の帯電量の増加、換言すれば、トナーの現像
剤規制部材に対する静電的付着力の増加が抑制され、こ
の結果、現像剤規制部材上の現像剤を容易に掻き落とす
ことが可能となる。又、上記の構成によれば、併せて、
現像剤を構成するトナーの帯電量の変動が抑制されるの
で、良好な画像を安定して形成することが可能となる。
【0024】従って、本発明の現像装置においては、現
像剤規制部材の現像剤との接触面を、上記の要件を満足
し得る材料で形成することを要する。そこで、本発明に
おいては、現像剤規制部材を、基材と、その基材と異な
る材質からなる上記した機能を有する表面部材とから構
成することによって、所期の目的に合致したより良好な
現像剤規制部材の形成を可能とすることが好ましい。
【0025】即ち、使用する現像剤に対して、上記した
ような電荷付与能を有する材質は限られており、このよ
うな材質を有するものが、必ずしも、現像剤規制部材と
して満たすべきその他の各種条件、例えば、強度、耐磨
耗性、コスト等を満足する訳ではないが、現像剤接触面
を構成する表面部材に、基材と異なる材質を使用すれ
ば、現像剤に対する電荷付与能と、現像剤規制部材とし
て満たすべき各種条件との両立を図り、現像剤規制部材
の形成材料の選択性を拡大することができる。
【0026】本発明の現像装置において使用し得る現像
剤規制部材の現像剤接触面を構成する表面部材として
は、例えば、導電性を有する樹脂層や、金属膜或いは合
金膜が挙げられる。これらの表面部材は、いずれも導電
性を有しており、現像剤との摩擦帯電によって付与され
た電荷が過剰に蓄積されることがないので、摩擦帯電に
よる電荷の付与性の変動が小さい。この結果、現像剤規
制領域における現像剤に対する電荷付与能の変動を有効
に防止でき、現像剤が適正な帯電量を維持することがで
きる。
【0027】本発明で使用し得る導電性を有する樹脂層
としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等をバインダー
樹脂として、カーボン、金属粉、金属酸化物等の導電性
微粒子を分散させたものが挙げられる。この際に使用し
得るバインダー樹脂としては、具体的には、例えば、ス
チレン及びその置換体の単独重合体、及びそれらの共重
合体;スチレンと、アクリル酸エステル又はメタクリル
酸エステルのいずれか、ないしは両方の共重合/多元重
合体;スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合
体;スチレンとビニル系共重合性単量体とのスチレン系
共重合体、更に、ポリメチルメタクリレート、ポリブチ
ルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポ
リアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等が挙げら
れる。
【0028】又、バインダー樹脂中に分散させる導電剤
としては、カーボンやグラファイト、Al及びCu等の
金属単体粉末、酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化スズ等の
金属酸化物粉末等が挙げられる。本発明においては、上
記した導電剤と併せて適宜な電荷制御剤を分散させて導
電性を有する樹脂層を形成し、電荷付与性の制御を行っ
てもよい。この際に使用し得る電荷制御剤としては、具
体的には、例えば、ネガ系として、サリチル酸、ナフト
エ酸及びダイカルボン酸等の金属塩、スルホン酸、カル
ボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ酸化合物、尿
素化合物、ケイ酸化合物、カリークスアレーン等を利用
することができ、ポジ系として、四級アンモニウム塩、
該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、
グアニジン化合物、イミダゾール化合物等を利用するこ
とができる。
【0029】基材上に設けられる樹脂層の厚みとして
は、基材表面粗さのRzの値以上とすることが望まし
い。これは、現像剤規制部材表面において、基材の材質
が露出しないようにするためであり、上記値未満の厚み
では、基材の影響が現れてしまい本発明による効果が不
十分となる。尚、Rzとは、表面の任意の10点におけ
る平均粗さで、JIS B0601において示される定
義のものであり、その測定には、小坂研究所製の表面粗
さ試験器「SE−30H」を用いた。
【0030】又、本発明においては、現像剤規制部材の
表面部材として金属膜或いは合金膜を使用し、現像剤接
触面を形成することができるが、その際の金属膜或いは
合金膜としては、基材上に、電解/無電解メッキ、融
着、蒸着、スパッタリング、拡散等によって単一金属な
いしは複数の金属からなる合金、金属酸化物合金、金属
窒化物合金、金属炭化物合金、金属硼化化合物等を表面
に積層したものが挙げられる。これらの使用により、先
に述べた基材表面に樹脂層を形成した部材に比べて、耐
摩耗性に優れたものとすることができる。具体的な金属
元素としては、例えば、Ni、Cu、Zn、Sn、C
r、Ti、Pd、Pt、Fe、Co、Mo及びW等を使
用できる。又、基材上に樹脂層を設ける場合と同様に、
これらの材料で基材上に設ける金属膜の厚みも、その表
面粗さのRz値以上とすることが望ましい。
【0031】更に本発明においては、現像剤規制部材の
表面に形成されたこれらの表面膜に対して、併せて公知
の各種表面改質処理を施すことで、耐摩耗性の他に、例
えば、平滑性を持たせ、現像剤の離型性を向上させる等
の機能を付加することも可能である。例えば、PTF
E、PFA、(CF)X等のフッ素化合物や、MoS等
の潤滑剤を分散させながら膜を形成する複合メッキや、
イオンビームの打ち込み、熱処理等による表面改質処理
が挙げられる。
【0032】又、これらの表面部材を設ける基材として
は、強度、耐摩耗性等を考慮すると、例えば、アルミニ
ウム(Al)やSUS(ステンレス)等のφ5〜40m
m程度の金属シリンダ或いは棒等が好適である。
【0033】本発明では、現像剤規制領域において、現
像剤規制部材の現像剤接触面との摩擦帯電により現像剤
規制部材が現像剤に付与する帯電量と、トナー同士、或
いはキャリアとの摩擦によって現像剤が付与される帯電
量との比較を、下記の手順で摩擦帯電量を測定すること
によって行なった。即ち、下記の手順によって測定され
る摩擦帯電量がゼロに近いような材料を、現像装置の現
像剤規制部材の表面部材に使用すれば、上記した優れた
効果を有する本発明の現像装置とすることができる。
【0034】先ず、現像剤として、本発明で使用するト
ナー100gを、トルエン等の有機溶剤に溶かして得た
溶液中に、平均粒径100μm程度の鉄粉を混合して撹
拌し、その後、乾燥して鉄粉の表面全体がトナー粒子で
覆われたものを作成してサンプル粒子とする。この時の
鉄粉表面に対するトナーの被覆状態は、電子顕微鏡によ
り観察したところ、全面に被覆されていた。ここで、ト
ナーによって表面を被覆する粒子として上記では鉄粉を
使用したが、その材質は、導電性を有するものであれば
特に限定されない。何故なら、この粒子表面は、上記し
たようにトナー粒子(樹脂)で完全に覆われるため、摩
擦帯電による電荷のやり取りは、その表面のトナーが有
する摩擦帯電特性によるものが主となり、内部の材質の
影響は大きくないからである。導電性が必要とされるの
は、摩擦帯電により付与される電荷が、内部の材料に過
剰に蓄積されることで表面の摩擦帯電特性が変動するこ
とを抑止するためである。
【0035】次に、本発明で使用する現像剤規制部材で
使用する芯材と同様のAl或いはSUS基板の表面に、
各種の樹脂層或いは金属膜等を形成した板を作製してサ
ンプル板とした。そして、このサンプル板の表面に、上
記で得たサンプル粒子を接触させて摩擦することによっ
て、サンプル粒子に付与される摩擦帯電量を以下の手順
により測定した。そして、この帯電量をもって、現像剤
規制部材のトナーに対する摩擦帯電による電荷付与性と
した。
【0036】帯電量の測定装置としては、図12に示す
ものを用いた。100はサンプル粒子を入れる容器であ
り、101はサンプル板、102は、サンプル板101
に接続されたコンデンサであり、103は、サンプル粒
子を受ける受け皿である。上記のような構成を有する測
定装置を用い、サンプル粒子を容器100内に入れ、容
器100に設けられたスリットより一定量ずつ10〜2
0秒間の範囲の一定時間に亘って供給すると、サンプル
粒子は、水平面に対して45〜60°の範囲内の角度
で、一定の傾斜で配置されているサンプル板101の上
を摩擦帯電されながら転がり落ちる。この時、生じた摩
擦帯電電荷は、サンプル板101に接続されたコンデン
サ102に蓄えられる。尚、落下したサンプル粒子は、
受け皿103に収容される。上記のようにして得られる
摩擦帯電電荷量によって、サンプル粒子1gあたりに生
じた摩擦帯電電荷量を測定する。尚、この帯電量は、コ
ンデンサ102の両端の電位の測定値と容量の積により
算出される。尚、摩擦帯電による電荷付与性の測定は、
上記方法以外にも、例えば、ブローオフ法等の公知の各
種測定法を用いてもよい。
【0037】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明する。 (実施例1)本実施例における現像装置の構成を述べ
る。本実施例の現像装置は、図7に示した構成を有し、
現像剤として非磁性トナーと磁性キャリアとを含んだ現
像剤を使用した。図7に示したように、本実施例の現像
装置は、図中の矢印方向に回転する現像スリーブ1と、
該現像スリーブ1と一定の距離Wの間隙を有し、現像ス
リーブ1と対向した位置にあり、現像スリーブ1の回転
方向と同方向に回転自在に配置された規制スリーブ2
と、該規制スリーブ2に当接して配設されたスクレイパ
3、現像剤容器5内にあって現像剤の撹拌並びに現像ス
リーブ1へ現像剤を供給するための攪拌部材4とから構
成される。
【0038】現像スリーブ1及び規制スリーブ2は、夫
々内部に固定配置された永久磁石10、11を有し、φ
20mmの外径をもつ非磁性体からなるシリンダからな
る。現像スリーブ1と、規制スリーブ2は、一定の距離
Wの間隙をおいて対向して配置されている。両者の間隙
の距離Wは、1.0mmの値に設定されている。規制ス
リーブ2の形成材料等については後述するが、SUSシ
リンダーの上に導電性を有する樹脂層を設けたものを用
いた。
【0039】現像スリーブ1内の永久磁石10は、規制
スリーブ2との対向位置近傍に磁極N1を有し、規制ス
リーブ2内の永久磁石11は、現像スリーブ1との対向
位置近傍に前述の磁極N1とは異極性の磁極S1を有して
いる。この磁極N1並びに、磁極S1が主に協働すること
で、現像スリーブ1並びに規制スリーブ2との近接部一
帯に磁力線の集中した磁場が形成され、この磁場によっ
て現像剤の動きが規制される現像剤規制領域Gが形成さ
れる。
【0040】本実施例で使用した現像剤を構成するトナ
ーとしては、結着樹脂たるスチレンアクリル樹脂に対し
て、低軟化点物質からなる離型剤、着色剤、荷電制御剤
等を加圧ニーダーやエクストルーダー、又はメディア分
散機を用いて均一に分散せしめた後、機械的またはジェ
ット気流下でターゲットに衝突させ、所望のトナー粒径
に微粉砕化せしめた後に、更に分級工程を経て、粒度分
布を所望の分布にそろえた、所謂、「粉砕方式」により
作成し、現像の際に負極性に帯電された状態で使用する
ものを用いた。又、磁性キャリアとしては、市販のフェ
ライトキャリアの表層にシリコン樹脂を被覆したものを
用いた。
【0041】上記の構成を有する本実施例の現像装置に
おける現像剤の一連の循環と、これにより行なわれる現
像スリーブ1上への一定の帯電量を有する非磁性トナー
の塗布について簡単に説明する。本実施例の現像装置で
は、図7中に太い矢印で示したような一連の現像剤の循
環が形成される。又、現像剤容器5から撹拌部材4によ
って現像スリーブ1上へ供給された現像剤は、内部の永
久磁石10の磁力を受け、現像スリーブ1上に担持さ
れ、搬送されるが、前述の現像剤規制領域Gにおいて、
その動きが下記のような規制を受ける。
【0042】領域Gにおける現像剤中の磁性キャリア
は、現像スリーブ1、規制スリーブ2、及び永久磁石1
0と11とが協動して形成する磁場により規制される
が、その中で、最も近傍に位置する永久磁石11の磁極
1からの束縛を強く受ける。この時、規制スリーブ2
は、図7で示される矢印方向に回転しているため、その
回転に伴い、磁性キャリアには逆搬送力が作用する。従
って、磁性キャリアは、規制領域Gで拘束を受けつつ
も、規制スリーブ2からの逆搬送力によって、順次、現
像剤容器方向へ戻されるので、現像領域に漏出すること
がない。
【0043】一方、領域Gにおける現像剤中の非磁性ト
ナーには、磁性キャリアとの摩擦、並びに現像スリーブ
1表面との摩擦帯電により電荷が付与されており、現像
スリーブ1からの鏡映力が作用する。従って、非磁性ト
ナーは、現像スリーブの回転に伴い、現像スリーブの回
転方向への搬送力を受けることとなり、規制領域G内の
磁場によって拘束されて形成された磁性キャリアによる
磁気ブラシの間を通過して、現像スリーブ上へ塗布され
る。加えて、規制領域G内の磁性キャリアの循環に伴な
った慴擦により、非磁性トナーは、現像剤容器内方向へ
戻されるような搬送力(逆搬送力)も受ける。従って、
この逆搬送力に打ち勝つだけの搬送力を有することが可
能な、十分な電荷を有する非磁性トナーのみが、現像ス
リーブ上に塗布される。以上のようにして、磁性キャリ
アが漏出することなく、現像に供されるに十分な電荷が
付与された一定の帯電量を有する非磁性トナーのみが安
定して現像スリーブ上に塗布される。
【0044】一方、規制スリーブ2上に担持された現像
剤は、規制スリーブ2表面が導電性を有する樹脂層を有
するため、その作用により大きな付着力をもって担持さ
れることはないので、当接するスクレイパ3によって完
全に掻き落される。そして、現像剤容器5内へ戻された
現像剤は、不図示のトナー供給部から新たに供給された
非磁性トナーと共に、回転する撹拌部材4によって、攪
拌、混合され、再び現像スリーブ1上へと供給される。
【0045】以下に、本実施例の現像装置において、最
も特徴的な規制スリーブ2について述べる。規制スリー
ブ2は、前述のように、内部に永久磁石11を有し、φ
20mmの外径を有する円筒状のシリンダからなる。該
シリンダは、φ20mmのSUS(ステンレス)からな
る基体と、その表面、即ち、現像剤接触面を形成する、
フェノール樹脂中に、平均粒径0.5μmのカーボン微
粒子が分散された厚みが 150μmの樹脂層Aとから
なっている。この際、SUS基体の表面に、上記樹脂層
Aが形成された現像剤規制部材と同様の構成のサンプル
板と、本実施例で使用したと同様のトナーを用いて、先
に説明した方法によって樹脂層の帯電付与性を測定し、
図1に示したように、帯電量が、+0.5×10-4μC
/gとなるように、荷電制御剤の量を調整して、現像剤
規制部材がトナーに付与する摩擦帯電量を非常に僅かに
した。
【0046】(実施例2)樹脂層Aの代わりに、PMM
A(ポリメチルメタクリレート)樹脂100部に対し
て、荷電制御剤であるサルチル酸金属塩を2.0部添加
したものからなる導電性を有する樹脂層Bを使用した以
外は実施例1と同様にして現像剤規制部材を形成した。
そして、得られた現像剤規制部材を、実施例1と同様の
構成の現像装置に適用して本実施例の現像装置とした。
この際、基体の表面上に樹脂層Bが形成された現像剤規
制部材と同様の構成のサンプル板と、実施例1で使用し
たと同様のトナーを用いて、先に説明した方法によって
樹脂層の帯電付与性を測定し、図1に示したように、帯
電量が、+1×10-4μC/gとなるように、荷電制御
剤の量を調整して、現像剤規制部材がトナーに付与する
摩擦帯電量を僅かにした。
【0047】(比較例1)実施例2で使用した荷電制御
剤の代わりに、正極性の荷電制御剤である4級アンモニ
ウム塩を使用した以外は実施例2と同様にして、導電性
を有する樹脂層CをSUS基体上に設けた。そして、得
られた現像剤規制部材を実施例1と同様の構成の現像装
置に適用して比較用の現像装置とした。基体の表面上に
樹脂層Cが形成された現像剤規制部材と同様の構成のサ
ンプル板と、実施例1で使用したと同様のトナーを用い
て、先に説明した方法によって上記現像剤規制部材の帯
電付与性を測定した。この結果、本比較例の場合は、図
1に示したように帯電量が+8×10-4μC/gであ
り、現像剤規制領域における現像剤規制部材とトナーと
の摩擦によって、かなりの量の電荷がトナーに付与され
ていることを確認した。
【0048】(比較例2)実施例2で使用した荷電制御
剤の代わりに、負極性の荷電制御剤であるアゾ染料を使
用した以外は実施例2と同様にして、導電性を有する樹
脂層DをSUS基体上に設けた。そして、得られた現像
剤規制部材を実施例1と同様の構成の現像装置に適用し
て本実施例の現像装置とした。基体の表面上に樹脂層D
が形成された現像剤規制部材と同様の構成のサンプル板
と、実施例1で使用したと同様のトナーを用いて、先に
説明した方法によって、現像剤規制部材の帯電付与性を
測定した。この結果、本比較例の場合は、図1に示した
ように帯電量が、−5×10-4μC/gであり、現像剤
規制領域における現像剤規制部材とトナーとの摩擦によ
って、かなりの量の電荷がトナーに付与されていること
を確認した。
【0049】(実施例3)PMMA樹脂の代わりに、エ
ポキシ樹脂を使用した以外は実施例2と同様にして、導
電性を有する樹脂層EをSUS基体上に設けた。そし
て、得られた現像剤規制部材を実施例1と同様の構成の
現像装置に適用して本実施例の現像装置とした。この
際、基体の表面上に樹脂層Eが形成された現像剤規制部
材と同様の構成のサンプル板と、実施例1で使用したと
同様のトナーを用いて、先に説明した方法によって、樹
脂層の帯電付与性を測定し、図1に示したように、帯電
量が、−0.5×10-4μC/gとなるように、導電剤
と荷電制御剤の量を調整し、現像剤規制領域における現
像剤規制部材が、現像剤に付与する摩擦帯電量を非常に
僅にした。
【0050】(比較例3)実施例3で使用した荷電制御
剤の代わりに、アゾ染料を使用した以外は実施例3と同
様にして、導電性を有する樹脂層FをSUS基体上に設
けた。そして、得られた現像剤規制部材を実施例1と同
様の構成の現像装置に適用して比較例の現像装置とし
た。基体の表面上に樹脂層Fが形成された現像剤規制部
材と同様の構成のサンプル板と、実施例1で使用したと
同様のトナーを用いて、先に説明した方法によって、現
像剤規制部材の帯電付与性を測定した。この結果、本比
較例の場合は、図1に示したように、帯電量は、−11
×10-4μC/gであり、現像剤規制領域における現像
剤規制部材とトナーとの摩擦によって、かなりの量の電
荷がトナーに付与されていることを確認した。
【0051】[評価]上記で得られた実施例1〜3と、
比較例1〜3との現像装置を使用して、5,000回ま
での間欠した画像形成を行う過程で、現像剤の漏出がな
かったものを「○」、現像剤の漏出を生じたものを「N
G」で評価し、図2に結果を示した。又、出力画像の画
質を、画像濃度及び画像均一性に注目し、初期(およそ
100回の画像形成時)に得られた画像、及び耐久後
(4,500〜5,000回の画像形成時)に得られた
画像について、良好な場合を「○」、濃度の変動、ない
しは画像のムラを生じたものを「×」として、評価し、
その結果を併せて図2に示した。尚、上記の実施例1〜
3及び比較例1〜3では、基材上に設ける各樹脂層の体
積抵抗値が、ほぼ同等となるように調整して現像剤規制
部材を作製した。
【0052】図1及び図2に示したように、現像剤規制
部材のトナーに対する電荷付与性を、トナーの有する電
荷量と略同等とした、実施例1(樹脂層A)及び実施例
2(樹脂層B)の場合には、耐久後においても現像剤の
漏出は生じず、良好な画像形成が維持された。これに対
して、トナーに対して負極性の電荷を付与する(即ち、
図1に示したサンプル板を使用しての測定では、トナー
に付与して失った電荷の対となる正電荷の帯電性が測定
される)比較例1(樹脂層C)の場合には、100回の
間欠した画像形成を待たずして現像剤の漏出を生じた。
これは、トナーに対して更に電荷が付与されてしまうた
めに、過度に帯電したトナーが生じ、スクレイパによる
掻き落としが不完全となってしまうためと考えられる。
【0053】又、比較例1(樹脂層C)とは逆に、トナ
ーに対して逆極性の正極性の電荷が付与される(サンプ
ル板を使用しての測定では、負電荷の帯電性を示す)比
較例2(樹脂層D)の場合には、図2に示したように現
像剤の漏出は生じなかった。これは、現像容器内等にお
ける磁性キャリアとの摩擦帯電、及び規制領域Gにおけ
る現像スリーブ表面との摩擦帯電によりトナーが有して
いた負極性の電荷が、規制スリーブ表面の導電性を有す
る樹脂層Dとの摩擦帯電により奪われてしまい、トナー
が有している帯電量が減少するので、スクレイパによる
掻き落としが容易となるためであると考えられる。しか
しながら、この場合には、画像形成を重ねるにつれ、出
力画像の濃度ムラが生じた。これは、トナーが有してい
た電荷が、規制スリーブ表面の樹脂層Dとの摩擦帯電に
より奪われてしまったために、現像剤容器内の現像剤中
に帯電不十分なトナーが次第に多く含まれることになっ
て、これが画像の濃度ムラを引き起こしていると考えら
れる。
【0054】実施例1と同様に、規制スリーブのトナー
に対する電荷付与性を、トナーの有していた電荷量と略
同等とした本実施例3(樹脂層E)の場合にも、図2に
示したように、耐久後も現像剤の漏出は生じず良好な画
像形成が維持された。
【0055】一方、負に帯電しているトナーに対して逆
極性の正極性の電荷を付与する比較例3(樹脂層F)の
場合は、比較例2(樹脂層D)と同様に、画像形成の当
初にはトナーの漏出を生じることはなかったが、図2に
示したように、およそ3,000回の間欠した画像形成
時にトナーの漏出を生じた。これは、樹脂層Fが、樹脂
層Dに比べて、電荷付与能がより大きいために、トナー
が樹脂層Fと摩擦帯電を繰り返す結果、所望の極性とは
逆の正極性の電荷を有するに至り、ついには、過度に帯
電したトナーが生じるので、現像剤規制部材上のトナー
をスクレイパで掻き落とすことが不完全となってしまう
ためと考えられる。又、これは、耐久後に次第に出力画
像の濃度低下を生じ画像性が劣ったものとなっているこ
ととも整合する。即ち、画像形成を重ねるにつれて、現
像に供されない極性に帯電したトナーの存在が増して、
出力画像の濃度低下を生じたものと考えられる。
【0056】上記に挙げた実施例1〜3では、現像剤に
使用するトナーとして非磁性トナーを使用したが、非磁
性トナーの代わりに磁性トナーを使用する以外は実施例
1〜3と同様にして試験を行なった。この結果、規制ス
リーブのトナーに対する電荷付与性が、磁性トナーが規
制スリーブに対する電荷付与性と略同等である導電性を
有する樹脂層を設けることで同様の効果が得られた。以
上までで示したように、前記した摩擦帯電量測定法によ
って得られるサンプル板の帯電電荷量Qの絶対値[Q]
とした場合に、[Q]<5×10-4μC/gとなるよう
にする、即ち、現像剤規制部材とトナーとの摩擦帯電に
おいて、相互に付与し合う電荷量が略同等となるように
現像剤規制部材の現像剤との接触面を構成することで、
良好な画像形成が達成された。
【0057】(実施例4)本実施例における現像装置
は、図8に示されるもので、先の実施例1〜3における
現像装置の小型化と、画像形成の高速化を図ったもので
あり、基本的には、同様の構成をもつ。本実施例におけ
る現像装置と、実施例1〜3の現像装置との相違点は、
構成材料が異なる現像剤の使用、これに伴う現像剤規制
部材表面に設ける樹脂層の種類の相違、並びに、より小
径のシリンダからなる現像剤担持体及び現像剤規制部材
の使用である。従って、これらの相違点並びに、これに
伴う若干の相違のみを示し、その他の説明は省略する。
【0058】先ず、本実施例の現像装置に使用する現像
剤としては、実施例1と同様に、非磁性トナーと磁性キ
ャリアを含むものを用いるが、トナーとして、結着樹脂
たるスチレンアクリル樹脂に対して、低軟化点物質から
なる離型剤、着色剤、荷電制御剤等を分散させ、特公昭
36−10231号公報、特開昭59−53856号公
報、特開昭59−61842号公報等に記載の懸濁重合
方式によるトナー製造方法を用いて形成した重合トナー
を使用する。又、実施例1と同様に、現像の際に、負に
帯電させて使用するものを用いた。上記の懸濁重合法に
よって製造することによって、4〜8μm程度の体積平
均径を有する小粒径の球状トナーを容易に得ることがで
きる。
【0059】又、磁性キャリアには、前述のフェライト
を、エポキシ樹脂のバインダーに分散して作製した平均
70μm程度の樹脂キャリアを使用した。更に、トナー
に対して所望の電荷付与を行うために、その表面にシリ
コン樹脂の被覆を施したものを使用した。尚、本発明に
おいては、その他にも、表面酸化又は未酸化の鉄、ニッ
ケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類等の金属、
及びそれらの合金又は酸化物フェライト等を、熱硬化性
樹脂等のバインダー樹脂に分散して形成した樹脂キャリ
アを用いてもよい。
【0060】本実施例の現像装置を構成する現像剤担持
体たる現像スリーブ1は、φ16mmの外径を有する非
磁性体からなるシリンダと、内部に固定配置された磁性
部材10からなり、規制スリーブ2は、非磁性体からな
るシリンダと、その内部に配置された現像スリーブ1と
規制スリーブ2との対向位置近傍に位置する磁極S
1と、図8中には図示されていないもう一つの磁極の、
2極を有する永久磁石11とからなる。
【0061】現像スリーブ1内の磁性部材10は、規制
スリーブ2内の永久磁石11によって磁化されること
で、永久磁石11と協働し、現像スリーブ1と一定の距
離W=500μmの間隙をおいて対向する規制スリーブ
2との近接部一帯に磁力線の集中した磁場を形成する。
この磁場によって、実施例1の装置の場合と同様に、現
像剤規制領域Gが形成され、この磁場に起因する作用に
より一連の現像剤の循環が形成される。これによって、
磁性キャリアは漏出することなく現像剤容器内を循環
し、現像スリーブ1上に、非磁性トナーのみが塗布され
る。本現像装置を使用し、画像の出力を高速且つ連続し
て行なったが、規制スリーブ上に担持された現像剤の十
分な掻き落とし状態が維持されると共に、現像剤の漏出
による画像不良は生じず、良好な画像形成を安定して行
なうことができた。
【0062】以下に、本実施例の現像装置における規制
スリーブ2の構成、及び、規制スリーブ2上に担持され
た現像剤の剥ぎ取りの経緯について詳述する。規制スリ
ーブ2は、前述のように、内部に永久磁石11を有し、
φ16mmの外径を有する円筒状のシリンダを用いた
が、該シリンダは、基体と、導電性を有する樹脂層Gか
らなる表面部材とからなる。基体には、Alを用い、樹
脂層Gには、フェノール樹脂に、荷電制御剤のアゾ染料
と、更に導電剤としての粒径1.0μmのカーボンブラ
ックを分散したものを用いた。荷電制御剤及びカーボン
ブラックの量は、先に述べたサンプル粒子及びサンプル
板を使用しての帯電量を測定して、図3に示したよう
に、帯電量が−0.5×10-4μC/gと帯電量がほぼ
ゼロになるように決定した。
【0063】又、本実施例の現像装置では、シリンダの
径が実施例1〜3で使用したものよりも小さく、高速で
画像形成が行なわれるので、装置の動作に伴う現像剤の
一連の循環も実施例1の装置の場合よりも著しく、特
に、規制スリーブ2と現像剤との摩擦帯電による影響が
無視できない。しかし、本実施例では、規制スリーブ2
表面に設けられた樹脂層が導電性を有しており、現像剤
との摩擦帯電により生じる樹脂層自身の帯電が防止され
るので、現像剤に対する電荷付与能の変動が抑制され、
現像剤は適正な帯電量を維持することができる。
【0064】(比較例4)樹脂層Gの代わりに、ポリカ
ーボネイトに対して、導電剤及び荷電制御剤を分散した
樹脂層Hを使用した以外は実施例4と同様にして現像剤
規制部材を形成した。そして、得られた現像剤規制部材
を実施例4と同様の構成の現像装置に適用して本実施例
の現像装置とした。基体の表面上に樹脂層Hが形成され
た現像剤規制部材と同様の構成のサンプル板と、実施例
4で使用したと同様のトナーを用いて、先に説明した方
法によって、現像剤規制部材の帯電付与性を測定した。
この結果、本比較例の場合は、図3に示したように、帯
電量が+9×10-4μC/gであり、現像剤規制領域に
おける現像剤規制部材とトナーとの摩擦によって、かな
りの量の電荷が磁性トナーに付与されていることを確認
した。
【0065】(比較例5)樹脂層Gの代わりに、メラミ
ン樹脂に対して、導電剤として、酸化チタンを分散した
樹脂層Iを使用した以外は実施例4と同様にして現像剤
規制部材を形成した。そして、得られた現像剤規制部材
を実施例4と同様の構成の現像装置に適用して本実施例
の現像装置とした。基体の表面上に樹脂層Iが形成され
た現像剤規制部材と同様の構成のサンプル板と、実施例
4で使用したと同様のトナーを用いて、先に説明した方
法によって、現像剤規制部材の帯電付与性を測定した。
この結果、本比較例の場合は、図3に示したように、帯
電量が−6×10−4μC/gであり、現像剤規制領域
における現像剤規制部材とトナーとの摩擦によって、か
なりの量の電荷がトナーに付与されていることを確認し
た。
【0066】(実施例5)フェノール樹脂の代わりにエ
ポキシ樹脂を使用し、導電剤として酸化スズと、荷電制
御剤としてサルチル酸金属塩を使用した以外は実施例4
と同様にして樹脂層Jを基体上に設けた。そして、得ら
れた現像剤規制部材を実施例4と同様の構成の現像装置
に適用して本実施例の現像装置とした。この際、基体の
表面上に樹脂層Jが形成された現像剤規制部材と同様の
構成のサンプル板と、実施例4で使用したと同様のトナ
ーを用いて、先に説明した方法によって、樹脂層の帯電
付与性を測定し、図3に示したように、帯電量が、+1
×10-4μC/gとなるように、導電剤及び荷電制御剤
の量を調整して、現像剤規制部材がトナーに付与する摩
擦帯電量を僅かにした。
【0067】(比較例6)実施例5で使用した荷電制御
剤の分散量を変えて、現像剤規制部材を絶縁性とした以
外は実施例5と同様にして樹脂層Kを基体上に設けた。
そして、得られた現像剤規制部材を実施例4と同様の構
成の現像装置に適用して比較例の現像装置とした。基体
の表面上に樹脂層Kが形成された現像剤規制部材と同様
の構成のサンプル板と、実施例4で使用したと同様のト
ナーを用いて、先に説明した方法によって、現像剤規制
部材の帯電付与性を測定した。この結果、本比較例の場
合は、図3に示したように、帯電量が、+0.5×10
-4μC/gであり、現像剤規制領域における現像剤規制
部材とトナーとの摩擦によっても、現像剤に電荷が付与
されていないことが確認された。
【0068】[評価]上記の実施例4及び5、比較例4
〜6で得た現像装置を夫々用い、500回の連続した画
像形成を、60回繰り返し、計30,000回の画像形
成を行う過程での、現像剤の漏出、及び出力画像の画質
の試験を行なった。評価基準は、実施例1〜3で用いた
と同様にし、図4に、初期(およそ250回の画像形成
時)、及び耐久後(25,000〜30,000回の画
像形成時)についての評価結果を示した。
【0069】図3及び図4に示したように、現像剤規制
部材のトナーに対する電荷付与性を、トナーの有する電
荷量と略同等とした、実施例4(樹脂層G)及び実施例
5(樹脂層J)の場合には、耐久後においても現像剤の
漏出は生じず、良好な画像形成が維持された。これに対
して、図3及び4で示されるように、トナーに対して負
極性の電荷を付与する(図3に示したサンプル板を使用
しての測定では、正電荷の帯電量が測定される)比較例
4(樹脂層H)の場合には、250回の間欠した画像形
成を待たずして、現像剤の漏出を生じた。これは、規制
スリーブからの過剰な電荷付与のために、過度に帯電し
たトナーが生じ、スクレイパによる掻き落としが不完全
となったためである。
【0070】又、上記比較例4(樹脂層H)とは逆に、
トナーに対して逆極性の正極性の電荷を付与する(図3
に示したサンプル板を使用しての測定では、負電荷の帯
電量が測定される)比較例5(樹脂層I)の場合には、
現像剤の漏出は生じなかった。これは、トナーの有して
いた負極性の電荷が、規制スリーブ表面の導電性を有す
る樹脂層Iとの摩擦帯電により奪われてしまうために、
帯電量が減少し、スクレイパによる掻き落としが容易と
なったからである。しかしながら、耐久後には、出力画
像の濃度ムラが生じた。これは、規制スリーブからの逆
極性の電荷の付与により、現像剤容器内の現像剤中に、
帯電不十分なトナーが増加することで、画像の濃度ムラ
を生じたものである。
【0071】更に、実施例5(樹脂層J)と同様の構成
材料を使用するが絶縁性とした比較例6(樹脂層K)の
場合には、現像剤の漏出こそ生じなかったものの、耐久
に連れ、出力画像の濃度変動や、ムラが生じた。これ
は、現像剤との摩擦帯電により生じた電荷が、絶縁性の
樹脂層Kに蓄積されてしまうので、現像剤に対する電荷
付与性が変化し、現像剤の有する電荷量の変動を招いて
しまったためと考えられる。
【0072】(実施例6)本実施例における現像装置
は、図9に示されるもので、現像装置の高耐久、長寿命
を目指したものであり、基本的には、実施例1〜3の現
像装置と同様の構成をもつ。従って、本実施例の現像装
置は、使用される現像剤、現像剤規制部材、及び現像剤
担持体が異なる点以外は、実施例1の現像装置と同様な
構成を有するので、以下、その相違点のみ順に述べる。
【0073】本実施例では現像剤として、磁性トナーを
含んだ、所謂、一成分現像剤を使用する。該トナーとし
ては、結着樹脂たるスチレンアクリル樹脂に対して、磁
性体、低軟化点物質からなる離型剤、着色剤、及び荷電
制御剤等を分散せしめ、粉砕方式により作成した正極性
に帯電させて使用するものを用いた。本実施例の現像装
置を構成する現像スリーブ1及び規制スリーブ2は、夫
々内部に固定配置された永久磁石10、11を有し、φ
20の外径をもつ非磁性体からなるシリンダからなる。
【0074】現像スリーブ1内の永久磁石10は、規制
スリーブ2との対向位置近傍に磁極N1、及び、静電潜
像が形成された像担持体との対向部近傍において、磁性
トナーによる磁気ブラシを形成させるための磁極(現像
極)を有し、一方、規制スリーブ2内の永久磁石11
は、現像スリーブ1との対向位置近傍に、前述の磁極N
1とは異極性の磁極S1を有している。この磁極N1並び
に、磁極S1が主に協働して形成した磁場によって、現
像剤規制領域Gが形成される。
【0075】本実施例における磁性トナーへの電荷付
与、並びに、現像スリーブ1上への磁性トナーの塗布に
ついて簡単に説明する。現像剤容器5から撹拌部材4に
よって現像スリーブ1上へに供給された磁性トナーは、
内部の永久磁石10の磁力を受け、現像スリーブ1上に
担持、搬送された後に、前述の領域Gにおいて規制を受
ける。領域G内で規制されている磁性トナーは、現像ス
リーブ1との摩擦帯電により電荷を付与され、この電荷
に作用する現像スリーブからの鏡映力により拘束を受け
ることになる。従って、この磁性トナーには、現像スリ
ーブの回転に伴って、現像スリーブ回転方向への搬送力
が働く。
【0076】一方、領域G内の磁性トナーは、規制スリ
ーブ2内の永久磁石11の磁極S1の磁力による束縛も
受ける。従って、この磁性トナーには、規制スリーブの
回転に伴い、規制スリーブ回転方向、つまり現像剤容器
内方向への逆搬送力が働く。即ち、規制領域G内の磁性
トナーは、付与された電荷に起因する現像スリーブ1の
回転方向の搬送力と、磁性に起因する現像剤容器5内方
向への逆搬送力が働いている。従って、現像スリーブ1
上に塗布される磁性トナーは、この逆搬送力に打ち勝つ
だけの搬送力を有することが可能な、十分な電荷を有す
るもののみとなり、帯電不十分な磁性トナーは、逆搬送
力により、現像剤容器内方向へ戻されることになる。以
上のようにして、現像に供されるに十分な電荷を付与さ
れた一定の帯電量を有する磁性トナーのみが、安定して
現像スリーブ1上に塗布される。
【0077】尚、規制スリーブ2上に担持された現像剤
は、規制スリーブ2表面に設けられている金属膜の作用
により、大きな付着力をもって担持されることはないた
め、当接するスクレイパ3によって完全に掻き落され
る。その後、現像剤容器内へ戻された現像剤は、不図示
のトナー供給部から新たに供給された磁性トナーととも
に、回転する撹拌部材4によって、再び現像スリーブ1
上へと供給される。
【0078】上記した構成を有する本実施例の現像装置
を使用し、画像の出力を連続して行なったが、規制スリ
ーブ2上に担持された現像剤の掻き取り不良、並びに、
これに伴う現像剤の漏出は生じず、良好な画像形成を長
期に渡って安定して行なうことができた。以上までで示
したように、前記した摩擦帯電量測定法によって得られ
るサンプル板の帯電電荷量Qの絶対値[Q]とした場合
に、[Q]<5×10−4μC/gとなるようにする、
即ち、現像剤規制部材とトナーとの摩擦帯電において、
相互に付与し合う電荷量が略同等となるように、現像剤
規制部材の現像剤との接触面を構成することで良好な画
像形成が達成された。
【0079】以下に、本実施例の現像装置において、現
像剤規制部材たる規制スリーブ2、及び、これに関する
点について詳述する。現像剤規制部材たる規制スリーブ
2は、内部に永久磁石11を有し、φ20の外径を有す
る円筒状のシリンダからなる。シリンダは、Alからな
る基体からなり、その表面、即ち、現像剤接触面には、
現像剤を構成するトナーとの摩擦帯電による電荷付与性
が略同等となる金属膜として、Niをメッキ(Ni−P
メッキ/金属膜L)したものを用いた。その際、先に説
明した方法によって、金属膜の帯電付与性を測定し、図
5に示したように、帯電量が、−1.5×10-4μC/
gとなるように、現像剤規制部材の現像剤接触面の材質
を調整して、現像剤規制部材がトナーに付与する摩擦帯
電量を僅かにした。これにより、規制スリーブ2から磁
性トナーに対する電荷付与の寄与が実質的になくなるの
で、規制スリーブ上の磁性トナーの付着力の増大が抑制
される。
【0080】ところで、規制スリーブ2には、規制スリ
ーブ上に担持される磁性トナーを掻き落すために、スク
レイパ3が当接されている。このような構成を有する現
像装置においては、スクレイパ自身の耐久劣化や、現像
剤規制部材表面の磨耗等が生じるので、装置の長寿命化
をなすのは困難とされる。しかし、本実施例のように、
規制スリーブを構成する表面部材として金属膜を設ける
ことで、磁性トナーの付着力の増大を抑制し、磁性トナ
ーを剥ぎ取り易くし、スクレイパへの負荷を低減せしめ
ると共に、規制スリーブに耐磨耗性を持たせることで、
長寿命化を達成できる。
【0081】又、磁性トナーに対する電荷付与性や、耐
磨耗性は、規制スリーブ2の表面部材である金属膜によ
るものであり、規制スリーブの基体自身に対しては、上
記特性を求める必要がなくなるので、その材質の選択肢
は多くなる。例えば、強度に優れ低コストで有りなが
ら、耐磨耗性に劣るAlのような材質を用いたり、金属
膜を設けて強度向上をはかることで単独では強度不十分
な各種樹脂を使用することも可能である。
【0082】比較例7 実施例6で用いた金属膜Lの代わりに、Snメッキによ
る金属膜Mを使用した以外は、実施例6と同様にして現
像剤規制部材を作製し、実施例6と同様の構成の現像装
置に適用して本比較例の現像装置とした。基体の表面上
に金属膜Mが形成された現像剤規制部材と同様の構成の
サンプル板と、実施例6で使用したと同様の磁性トナー
を用いて、先に説明した方法によって、現像剤規制部材
の帯電付与性を測定した。この結果、本比較例の場合
は、図3に示したように、帯電量が、−6×10-4μC
/gであり、現像剤規制領域における現像剤規制部材と
トナーとの摩擦によって、かなりの量の電荷が磁性トナ
ーに付与されていることを確認した。
【0083】比較例8 実施例6で用いた金属膜Lの代わりに、無電解Crメッ
キによる金属膜Nを使用した以外は、実施例6と同様に
して現像剤規制部材を作製し、実施例6と同様の構成の
現像装置に適用して本比較例の現像装置とした。基体の
表面上に金属膜Nが形成された現像剤規制部材と同様の
構成のサンプル板と、実施例6で使用したと同様の磁性
トナーを用いて、先に説明した方法によって、現像剤規
制部材の帯電付与性を測定した。この結果、本比較例の
場合は、図3に示したように、帯電量が、+7.5×1
-4μC/gであり、現像剤規制領域における現像剤規
制部材とトナーとの摩擦によって、かなりの量の電荷が
磁性トナーに付与されていることを確認した。
【0084】実施例7 実施例6で用いた金属膜Lの代わりに、Cu−Znによ
る合金膜Oを使用した以外は、実施例6と同様にして現
像剤規制部材を作製し、実施例6と同様の構成の現像装
置に適用して本実施例の現像装置とした。基体の表面上
に上合金膜Oが形成された現像剤規制部材と同様の構成
のサンプル板と、実施例6で使用したと同様の磁性トナ
ーを用いて、先に説明した方法によって、図5に示した
ように、帯電量が、−0.5×10-4μC/gとなるよ
うに、現像剤規制部材の現像剤接触面の材質を調整し
て、現像剤規制部材がトナーに付与する摩擦帯電量を非
常に僅かにした。
【0085】実施例8 実施例6で用いた金属膜Lの代わりに、フェノール樹脂
に、導電剤としてカーボンブラック、及び帯電制御剤を
添加して形成した樹脂層Pを使用した以外は、実施例6
と同様にして現像剤規制部材を作製し、実施例6と同様
の構成の現像装置に適用して本実施例の現像装置とし
た。基体の表面上に樹脂層Pが形成された現像剤規制部
材と同様の構成のサンプル板と、実施例6で使用したと
同様の磁性トナーを用いて、先に説明した方法によって
現像剤規制部材の帯電付与性を測定した。そして、図5
に示したように、帯電量が+0.2×10-4μC/gと
なるように、現像剤規制部材の現像剤接触面の形成材料
の材質を調整して、現像剤規制部材がトナーに付与する
摩擦帯電量を非常に僅かにした。
【0086】[評価]上記で得られた実施例6〜8と、
比較例7及び8の現像装置を使用して、100,000
回までの間欠した画像形成を行う過程での現像剤の漏
出、及び、出力画像の画質を、初期(およそ100回の
画像形成時)、耐久中間(40,000〜50,000
回の画像形成時)、及び、耐久後(80,000〜10
0,000回の画像形成時)について、実施例1〜3の
場合と同様の方法及び基準で評価した。結果を図6に示
した。
【0087】図5及び図6で示されるように、トナーに
対して正極性の電荷を付与する比較例7(金属膜M)の
場合には、耐久中間時点で、現像剤の漏出を生じた。こ
れは、トナーに対して更に電荷が付与されてしまうため
に、過度に帯電したトナーが生じ、スクレイパによる掻
き落としが不完全となってしまうためである。又、比較
例7(金属膜M)とは逆に、トナーに対して逆極性の負
極性の電荷を付与する比較例8(金属膜N)の場合に
は、磁性トナーの漏出は生じなかった。これは、現像ス
リーブ表面との摩擦帯電によりトナーが有していた正極
性の電荷が、規制スリーブ表面の金属膜Nとの摩擦帯電
により奪われてしまうことで、帯電量が減少し、スクレ
イパによる掻き落としが容易となるためである。しかし
ながら、この場合には、画像形成を重ねるにつれ、出力
画像の濃度変動、及びムラが生じた。これは、トナーが
有していた電荷が、金属膜Mとの摩擦帯電により奪われ
てしまうために、現像剤容器内の現像剤中に、帯電不十
分なトナーが含まれることになり、これが画像の濃度変
動、ムラを引き起こすためである。
【0088】一方、トナーに対する電荷付与性を略同等
とした、実施例6(金属膜L)、実施例7(合金膜O)
及び実施例8(樹脂層P)の場合には、いずれも、初期
及び耐久中間時においては、現像剤の漏出は生じなかっ
た。しかしながら、実施例6(金属膜L)及び実施例7
(合金膜O)の場合は、更に耐久を続けた長期耐久後に
も、現像剤の漏出を生じなかったのに比べ、実施例8
(樹脂層P)では、長期耐久後において、一部の現像剤
の漏出が生じた。これは、樹脂層Pの耐磨耗性が、長期
耐久に対しては不十分であり、スクレイパの当接により
樹脂層Pが摩耗してしまったからと考えられる。以上ま
でで示したように、前記した摩擦帯電量測定法によって
得られるサンプル板の帯電電荷量Qの絶対値[Q]とし
た場合に、[Q]<5×10-4μC/gとなるようにす
る、即ち、現像剤規制部材とトナーとの摩擦帯電におい
て、相互に付与し合う電荷量が略同等となるように現像
剤規制部材の現像剤との接触面を構成することで、良好
な画像形成が達成された。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
現像剤規制部材上に担持された現像剤の十分な掻き落と
しが可能となり、良好な画像形成を安定して行なうこと
のできる現像装置を提供できる。又、本発明によれば、
現像剤を構成しているトナーに付与される帯電量の変動
を抑制し、現像に必要な一定の帯電量を有するトナーの
みを現像剤担持体上に塗布され、良好な画像形成を安定
して行なうことが可能な現像装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面に樹脂層を有する各現像剤規制部材が、非
磁性トナーと磁性キャリアからなる現像剤に付与する電
荷付与性を示した図である。
【図2】現像剤の漏出及び画像性についての相関を示す
図である。
【図3】表面に樹脂層を有する各現像剤規制部材が、磁
性トナーと磁性キャリアからなる現像剤に付与する電荷
付与性を示した図である。
【図4】現像剤の漏出及び画像性についての相関を示す
図である。
【図5】表面に金属膜等を有する各現像剤規制部材が、
磁性トナーからなる現像剤に付与する電荷付与性を示し
た図である。
【図6】現像剤の漏出及び画像性についての相関を示す
図である。
【図7】実施例1〜3の現像装置の構成を示す概略図で
ある。
【図8】実施例4及び5の現像装置の構成を示す概略図
である。
【図9】実施例6〜8の現像装置の構成を示す概略図で
ある。
【図10】従来例の現像装置の解説図である。
【図11】従来例の現像装置の現像剤規制領域G付近の
解説図である。
【図12】現像剤規制部材が現像剤に付与する電荷付与
性を測定する測定装置の解説図である。
【符号の説明】
1:現像スリーブ 2:規制スリーブ 3:スクレイパ 4:撹拌部材 5:現像剤容器 10、11:永久磁石 N1、S1:磁極 G:規制領域 100:サンプル粒子を入れる容器 101:サンプル板 102:コンデンサ 103:サンプル粒子の受け皿

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性を有する現像剤を使用し、回転可能
    な現像剤担持体と、回転可能な現像剤規制部材と、該現
    像剤規制部材に当接された現像剤剥ぎ取り部材と、現像
    剤の動きを磁気的に規制するための磁場発生手段とを備
    え、現像剤の動きが、前記現像剤担持体、前記現像剤規
    制部材、及び前記磁場発生手段とが協動して形成する磁
    場により規制され、且つ、現像剤が、前記現像剤担持体
    と前記現像剤規制部材との両方からの搬送力を受けるこ
    とで、現像に適した帯電電荷量を有するトナーが選択的
    に前記現像剤担持体上へ塗布される構成を有する現像装
    置において、前記現像剤規制部材の表面が導電性を有
    し、且つ、現像剤担持体とトナーとの摩擦帯電におい
    て、相互に付与し合う電荷量が略同等となるように現像
    剤規制部材の現像剤との接触面を構成したことを特徴と
    する現像装置。
  2. 【請求項2】 現像剤規制部材が、基材とその周囲に形
    成された表面部材とからなり、該表面部材が、基材と異
    なる材質であって、且つ導電性を有する樹脂層で構成さ
    れている請求項1記載の現像装置。
  3. 【請求項3】 現像剤規制部材が、基材とその周囲に形
    成された表面部材とからなり、該表面部材が、基材と異
    なる材質であって、且つ金属膜或いは合金膜を現像剤接
    触面に形成したものを用いる請求項1記載の現像装置
JP18024297A 1997-06-23 1997-06-23 現像装置 Pending JPH1115268A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009019961A1 (ja) * 2007-08-03 2009-02-12 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. 画像形成装置用部材

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009019961A1 (ja) * 2007-08-03 2009-02-12 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. 画像形成装置用部材

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