JPH11152272A - 非プロトン性極性溶媒の分液分離方法 - Google Patents

非プロトン性極性溶媒の分液分離方法

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JPH11152272A
JPH11152272A JP32140197A JP32140197A JPH11152272A JP H11152272 A JPH11152272 A JP H11152272A JP 32140197 A JP32140197 A JP 32140197A JP 32140197 A JP32140197 A JP 32140197A JP H11152272 A JPH11152272 A JP H11152272A
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JP
Japan
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aprotic polar
polar solvent
water
imidazolidinone
dimethyl
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Pending
Application number
JP32140197A
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English (en)
Inventor
Tadashi Okuma
正 大熊
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱エネルギーが少なく、蒸留残渣が少なく、
効率的に非プロトン性極性溶媒を回収することを目的と
する。 【解決手段】 少なくとも非プロトン性極性溶媒と水を
含む混合物を、苛性アルカリを用いて、非プロトン性極
性溶媒と水とに分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反応溶媒等として
用いられる非プロトン性極性溶媒の分離回収方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、耐酸性、耐アルカリ性、耐熱
性に優れた非プロトン性極性溶媒として、1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジノンが知られている。その他、
N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリド
ン、ジメチルスホキシド、スルホラン等も広く使用され
ている。いずれも高溶解能を有し、比較的安価な溶媒で
ある。また、これら非プロトン性極性溶媒は、水を加え
ると、その量にかかわらず均一に混合する性質を有して
いる。
【0003】この非プロトン性極性溶媒の性質を利用し
て、種々の除去、回収方法が提案されている。例えば、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンをメタノール
と水の混合液として生成物から分離し、蒸留回収する方
法が、特開昭62−25167号公報に記載されてい
る。
【0004】また、特開昭60−1169号公報に記載
されているように、1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジノンを水溶液として分離する方法も知られている。こ
のように、反応目的物が常温で固体であり、反応系中に
無機物を含有する場合には、大量の水を加え、非プロト
ン性極性溶媒と無機物を水に溶解させ、濾過により分離
する方法が有効である。
【0005】しかし、これらの方法でリサイクルするた
めには、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの
他、大量の水やメタノール等の低沸点成分も蒸留・分離
しなければならない。更には、アルカリ等の無機物が蒸
留残渣として多量に発生し、産業廃棄物として処理しな
ければならない。そのため、必ずしも工業的に満足でき
る方法とは言い難い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】よって、非プロトン性
極性溶媒の回収において、熱エネルギーが少なく、蒸留
残渣の少ないプロセスの確立が望まれた。
【0007】即ち、本発明は、熱エネルギーが少なく、
蒸留残渣が少なく、効率的に非プロトン性極性溶媒を回
収することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、少なくとも非プロ
トン性極性溶媒と水とを含む混合物に、苛性アルカリを
添加することで、これらを分液分離できることを見出
し、本発明を完成した。
【0009】即ち、本発明は、少なくとも非プロトン性
極性溶媒と水を含む混合物を、苛性アルカリを用いて、
非プロトン性極性溶媒と水とに分液分離する方法を提供
するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の具体的な態様を示せば、例えば、水と無機物が
溶解した非プロトン性極性溶媒に、所定量の苛性アルカ
リを加える。撹拌、静置後、2相に分液したうちのアル
カリ水相を分液分離し、非プロトン性極性溶媒を得る方
法を挙げることができる。尚、得られた非プロトン性極
性溶媒を蒸留することにより、更に高純度の非プロトン
性極性溶媒を分離回収することができる。
【0011】本発明の方法の少なくとも水と非プロトン
性極性溶媒とを含む混合物は、これらを含むものであれ
ば特に制限はないが、例として次のようにして得られた
ものが好適である。まず非プロトン性極性溶媒中で無機
物を用いた、あるいは無機物が生成する反応を行い、系
内に水を装入し、析出した目的物を濾別する。ここで得
られた濾液を、水と無機物を溶解した非プロトン性極性
溶媒として用いることができる。この方法の例として、
特開昭60−1169号公報に記載されている方法を挙
げることができる。
【0012】本発明の方法において、非プロトン性極性
溶媒の具体例を挙げると、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノン、テトラメチル尿素等のテトラ置換尿素系
溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のカルボン酸
アミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の
スルホキシド系溶媒である。
【0013】本発明の方法において、非プロトン性極性
溶媒と水との比は、非プロトン性極性溶媒10重量部に
対し、水は0.01〜90重量部である。好ましくは
0.5〜40重量部、更に好ましくは、1〜25重量部
である。
【0014】本発明の方法において、使用する苛性アル
カリの具体例を挙げると、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、水酸化ルビ
ジウムである。好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムである。使用する苛性アルカリは単独、あるい
は2種以上の複数の苛性アルカリを用いても構わない。
【0015】本発明の方法において、使用する苛性アル
カリの量は、非プロトン性極性溶媒中に含まれる水10
0部に対して、5部〜300部、好ましくは10〜20
0部、更に好ましくは20〜150部である。その形態
は、固体、懸濁液あるいは水溶液のいずれの形でも構わ
ない。使用する苛性アルカリが少ないと、分離するアル
カリ水相の量が少なく、次の蒸留工程の効率が低下す
る。
【0016】また、非プロトン性極性溶媒中に水ととも
に苛性アルカリが含まれている場合には、その苛性アル
カリ分を含めた上で使用する苛性アルカリの量を決定す
る。更には、含有する水を一部蒸留することにより、ア
ルカリ水相の分液分離を効果的に行うことができる。
【0017】本発明の方法において、苛性アルカリ装
入、撹拌および静置する温度は、100℃以下、好まし
くは0〜80℃である。
【0018】本発明の方法において、分液分離したアル
カリ水相のアルカリ濃度は、通常10重量%以上となる
ように苛性アルカリを添加する。但し、2種以上の苛性
アルカリが存在する場合には、各々の濃度の総和が10
重量%以上となるようにする。
【0019】
【実施例】以下、実験例により本発明を更に説明する
が、本発明はその要旨を越えないかぎり、以下の実験例
に限定されるものではない。 実験例1(特開昭60−1169号公報 実施例1記載
の反応) 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン235gに、
1−アミノアントラキノン145.7gを加え、95〜
100℃に加熱した。300ml/分の流量で空気を吹
き込み、50%水酸化カリウム水溶液141gを3時間
かけて滴下した。その後、125〜130℃で9時間か
けて水を一部留去しながら加熱撹拌した後、80℃に冷
却し、水600gに装入し、撹拌した。結晶部を濾取し
た。濾液670gを得た。濾液をガスクロマトグラフィ
ーで分析した結果、1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジノンは20.7重量%含まれていた。また、中和滴定
の結果、水酸化カリウムが6.2重量%含まれていた。
カールフィッシャー法による水分分析の結果、水分は5
8.0重量%であった。
【0020】実施例1(1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノンの回収例) 実験例1で得た濾液200gに固体状の水酸化カリウム
80gを加え、撹拌溶解させた。水酸化カリウムが溶解
するに伴い、2相に分かれた。室温まで冷却後、下相
(水酸化カリウム水溶液相)207gを分液した。水酸
化カリウム水溶液相の水酸化カリウム分は45重量%、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンは0.1重量
%未満であった。上相(1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノン相)を35〜40mmHgで減圧蒸留する
と、塔頂温度120〜125℃で留出液37gが得られ
た。1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの純度は
99.5%、濾液からの1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノンの回収率は89%であった。また、蒸留残渣
は35gであった。
【0021】比較例 実験例1で得た濾液200gを、まず塔頂温度60〜1
00℃、150mmHgで低沸分を蒸留した。次いで3
5〜40mmHgで減圧蒸留すると、塔頂温度120〜
125℃で留出液32gが得られた。1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノンの純度は97.4%、濾液から
の1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンの回収率は
75%であった。また、蒸留残渣は82gであった。
【0022】
【発明の効果】本発明により、予め蒸留しなければなら
ない水は極めて少なく抑えることができ、蒸留残渣が少
なく、効率的に1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン等の非プロトン性極性溶媒を回収することができる。
即ち、本発明は、非プロトン性極性溶媒の有用な回収方
法を提供するものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも非プロトン性極性溶媒と水を
    含む混合物を、苛性アルカリを用いて、非プロトン性極
    性溶媒と水とに分液分離する方法。
  2. 【請求項2】 非プロトン性極性溶媒が1,3−ジメチ
    ル−2−イミダゾリジノンである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 水相を10重量%以上の苛性アルカリ水
    溶液として分液分離する請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 苛性アルカリが、水酸化ナトリウムある
    いは水酸化カリウムである請求項1記載の方法。
JP32140197A 1997-11-21 1997-11-21 非プロトン性極性溶媒の分液分離方法 Pending JPH11152272A (ja)

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Cited By (3)

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