JPH11152084A - 輪状気室及びその製造方法 - Google Patents

輪状気室及びその製造方法

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JPH11152084A
JPH11152084A JP9323334A JP32333497A JPH11152084A JP H11152084 A JPH11152084 A JP H11152084A JP 9323334 A JP9323334 A JP 9323334A JP 32333497 A JP32333497 A JP 32333497A JP H11152084 A JPH11152084 A JP H11152084A
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cloth
air chamber
cloths
shaped
ring
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JP9323334A
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Yoshio Niie
義夫 新江
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Okamoto Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 浮き袋の如き輪状気室に関し、膨張時にお
いて気室の真円度を高めることのできる気室構造を提供
する。 【解決手段】 ゴム引き布1を切断して成る円弧状布
a1を接合して輪状布aを構成し、該輪状布aを2枚重
ね合わせ、これら輪状布aの外周縁部同士及び開口部口
縁部同士を接合して円形の輪状気室Aを構成し、上記各
円弧状布a1を構成するゴム引き布1の縦横両糸を、上
記輪状気室Aの円周方向と、それに直交する方向とに合
わせて構成することにより、輪状気室Aの変形量を各部
分で均等化し、輪状気室Aを極めて真円に近い形態で膨
張せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、輪状に膨張する
気室およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、膨張
した状態における真円度が高い輪状気室及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ゴム引き布を使用して構成する輪
状の気室は、救助用の浮き袋やトンネル掘削時に発生す
る湧き水の止水用等、多種多用に利用されている。従来
の輪状気室100は、図9(a),図9(b)にて示す
ようなゴム引き布101を利用して構成される。ゴム引
き布101は、縦横両糸からなる基布101bの表面、
若しくは表裏両面にゴム層101aを一体的に被着する
ことにより構成してある。
【0003】従来、上記した如き輪状気室を製造する際
には、上記した如きゴム引き布101から、中央が開口
する真円の輪状布を102を2枚裁断し、この輪状布1
02同士を重ね合わせると共に、これらの外周縁部及び
内周縁部同士を接着して接合して平面視円形の輪状気室
100を構成し、該気室100に、バルブ103を付設
することにより構成してある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した如く構成した
輪状気室100は、同気室100を構成するゴム引き布
101の基布101bの縦横両糸が気室内圧に対する伸
び変形を抑止することにより、強度のある気室を維持し
ている。しかし、格子状に織り込まれる基布101bの
縦横両糸は、輪状気室100を構成する輪状布102の
全面にそのままの形態で分布するため、輪状布102の
ある部分では縦横両糸が輪状布102の直径方向と円周
方向とに走り、また、他の部分では、縦横両糸がバイア
ス方向に走ることになる(図10−a)。
【0005】即ち、上記輪状気室100にあっては、膨
張状態において気室の内部に圧力が加わると、上記縦横
両糸が直径方向と円周方向とに走る部分では、伸びが小
さく、また、縦横両糸がバイアス方向へ走る部分では大
きく伸びてしまうことになる。よって、上記輪状気室1
00は、内圧によって生じる伸び変形の大きな部分と伸
び変形の小さな部分が円周方向に沿って交互に存在する
ことになり、その結果、同輪状気室100は、膨張状態
において、若干四角形になるように変形してしまう(図
10−b)。
【0006】したがって、浮き輪等のように上記形状変
形が機能に影響を及ぼさないものは問題ないが、トンネ
ル掘削時に生じる湧き水を止水する用途で使用する場合
などは、上記した形状変形により真円度が低下したため
に、止水機能が低下してしまう問題を生じる。
【0007】本発明の課題は、上記した如き輪状気室に
関し、膨張時における真円度を高めることのできる気室
構造と、その製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明の輪状気室の製造方法は、中央部が開口
する輪を円周方向に沿って所定間隔に分割して成る所要
枚数の円弧状の布をゴム引き布から裁断し、且つ、上記
円弧状布は、ゴム引き布が具備する基布の縦横両糸が、
上記各円弧状布の円周方向と、それと直交する方向とに
なるように裁断し、上記円弧状布は端部同士を接合して
中心部が開口する真円の輪状布を構成し、該輪状布を2
枚重ね合わせ、これら輪状布の外周縁部同士及び開口部
口縁部同士を接合して成るものである。
【0009】ゴム引き布から裁断した各円弧状布は、端
部同士を接合することにより、中心部が開口する真円の
輪状布として構成される。また、上記各円弧状布は、ゴ
ム引き布の基布の縦横両糸が円弧の円周方向と、これと
直交する方向とに合わせた状態にて裁断してある。よっ
て、これら円弧状布の端部同士を接合して構成した輪状
布は、輪の円周に沿う糸と、これと直交する方向へ延び
る糸とが内設された状態となり、さらに、上記輪状布を
重ねて接合して成る輪状気室は、基布の縦横両糸が、輪
の円周方向と、気室の縦断面に視る円周方向とに沿うこ
とになる。
【0010】したがって、上記した如き製造方法で製造
された輪状気室は、内圧によって気室の周壁(気室を構
成するゴム引き布)に対して均等に作用する膨張力が、
同輪状気室の円周方向へ沿う糸と、それと直交する方向
(気室縦断面に視る円周方向)へ延びる糸に対し、それ
ぞれの糸の延出方向に略沿う形で作用する。その結果、
上記縦横両糸の張力により維持される輪状気室の耐変形
強度が各部分において略均等化され、輪状気室の膨張形
態を真円に近い状態にて維持することができる。
【0011】本発明の輪状気室は、ゴム引き布を円弧状
に切断して所要数枚の円弧状布を構成し、これら円弧状
布の端部同士を接着接合して、中心部が開口する真円の
輪状布を構成し、該輪状布を2枚重ね合わせ、これら輪
状布の外周縁部同士及び開口部口縁部同士を接合して構
成し、且つ、上記各円弧状布はゴム引き布が具備する基
布の縦横両糸が、上記輪状気室の円周方向と、それに直
交する方向とになるように裁断して成るものである。
【0012】上記した手段によれば、本発明の輪状気室
は、前記した製造方法により製造した輪状気室と同様
に、輪状気室の周壁に内設される基布の糸が、輪の円周
方向と、気室の縦断面に視る円周方向とに沿うことにな
る。よって、上記輪状気室は、膨張させた場合に生じる
内圧によって気室の周壁に対して均等に作用する膨張力
が、同輪状気室の円周方向へ沿う糸と、それと直交する
方向(気室の縦断面に視る方向)へ延びる糸に対し、そ
れぞれの糸の延出方向に略沿う形で作用する。その結
果、上記縦横両糸の張力により維持される輪状気室の耐
変形強度が各部分において略均等化され、輪状気室の膨
張形態を真円に近い状態にて維持することができるよう
になる。
【0013】請求項3記載のもののように、上記輪状気
室は、重ね合わせた両輪状布の間において、円弧状布の
端部同士の各接合部相互を円周方向にずらしてもよい。
この場合、各円弧状布による分割位置が、片面の輪状布
ともう片面の輪状布との間で円周方向にずれることとな
り、これにより、輪状気室を構成する各円弧状布の分割
数を2倍にした状態と実質上同じ状態となり、膨張状態
における輪状気室の真円度を増すことができる。
【0014】また、請求項4記載の輪状気室は、上記各
円弧状布の端部同士の各接合部に沿って、ゴム引き布製
の補強用帯布を接着してなるものである。これにより、
比較的バイアス状態に近くなる各円弧状布の接合部に沿
って補強用帯布が接着され、この補強用帯布により、他
の部分よりも変形し易くなる円弧状布同士の接合部の伸
び変形を防止することができる。尚、上記補強用帯布が
具備する縦横両糸の方向は、同補強用帯布の全長方向と
幅方向へ走るように設定しても、若しくはバイアス方向
に設定してもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて説明する。図1,図2,図8にて示す輪状気室
Aは、例えばトンネル掘削時に発生する湧き水の止水用
として使用するものであり、膨張させた状態において輪
状に膨張する気室の真円度が高くなるように構成してあ
る。
【0016】上記輪状気室Aは、図3にて示すように、
基布1bの表裏両面にゴム層1aを被覆してなる3層の
ゴム引き布1を用いて構成してある。尚、上記ゴム引き
布1は、基布1bの表裏両面にゴム層1aを被着したも
のを用いたが、本願の輪状気室Aに用いるゴム引き布1
は、基布の表面のみにゴム層を被着した2層のものを用
いてもよい。
【0017】輪状気室Aは、ゴム引き布1を円弧状に裁
断して成る円弧状布a1を必要枚数裁断し、この円弧状
布a1の端部同士を所定幅の糊代20を重ね合わせなが
ら接着接合することにより、図4にて示すような真円形
の輪状布aを構成する。また、上記したように重ね合わ
せた各円弧状布a1の接合部の表面には、ゴム引き布1
を帯状に裁断して成る補強用帯布a2を接着してある。
上記補強用帯布a2は、上記円弧状布a1の接合部を補
強するためのものである。尚、上記各円弧状布a1の接
合部の裏面側の接合部には、通常のゴム布製気室を製造
する場合と同様に、接合部の内側に沿って気密テープa
4を接着して気室内側から接合部分の気密を保持する。
この場合、上記各円弧状布a1の端部の接合部は、実際
には重なり合う両円弧状布a1と、補強用帯布a2と、
気密テープa4との合計4層となる。また、上記気密テ
ープa4は基布を具備ものであっても、若しくはゴム層
だけから成るものであってもよい。
【0018】図1にて示すように、本実施例の輪状気室
Aは、8枚の円弧状布a1を円に沿って順次接合するこ
とにより構成してある。尚、上記輪状布aは、適宜枚数
の円弧状布a1を接合することにより構成するが、輪状
布を構成する円弧状布の枚数は、即ち、輪状布の分割枚
数は任意に増減してもよい。
【0019】上記した如く構成した輪状布aは、同じも
のを2枚用意し、これら両輪状布aを、気室内面となる
基布1bを向かい合わせた状態で重ね合わせ、両輪状布
aの外周部同士、及び内周部同士を糊代を重ね合わせて
接着接合し、さらに該接合部の表面に沿って帯布a3を
接着することにより、輪状気室Aとして構成してある。
また、輪状布a同士は、内周部同士及び外周部同士を接
合する際に、各円弧状布a1同士の接合部が、一方の面
と他方の面との間において、円周方向に1/2ピッチず
つずらした状態にて接合してある(図1)。上記輪状気
室Aは、片面の側面にバルブ30を付設し、該バルブ3
0から空気の注入と排出を行うことができるように構成
してある。
【0020】ところで、上記した各円弧状布a1は、ゴ
ム引き布1から裁断する際に、該ゴム引き布1の裏面に
付着する基布1bの縦横両糸が、上記輪状気室Aの円周
方向、即ち円弧状布a1が構成する円周と接する方向
(接線方向)と、それに直交する方向、即ち輪状気室A
の直径方向へ向くように設定してある。一方、補強用帯
布a2及び帯布a3は、各々基布1bの縦横両糸が同帯
布の全長方向と幅方向とに走るように裁断してある。
尚、上記輪状気室Aの大きさは、約直径1mであるが、
その寸法は任意に変更してもよい。
【0021】次ぎに、上記した如く構成する輪状気室A
の製造方法を、図3乃至図8に基づいて説明する。図3
にて示すように、シート状のゴム引き布1から必要枚数
の円弧状布a1及び補強用帯布a2を裁断する。前述し
たように、上記各円弧状布a1は、ゴム引き布1裏面に
付着する基布1bの縦横両糸が、円弧状布a1の円周方
向と、それと直交する方向とに合わて裁断する。
【0022】次いで、上記した如く裁断した各円弧状布
a1の端縁部同士を、ゴムのりを塗布する糊代20の幅
を介して重ね合わせて接着接合する。そして、上記した
ように、円弧状布a1の端部同士の接着接合を順次繰り
返すことによりシート状の輪状布aを構成する(図
4)。また、上記した如く接着接合した各円弧状布a1
の接合部の表面に沿っては、補強用帯布a2を接着す
る。
【0023】上記した如く構成した輪状布a2は同じも
のを2枚用意し、これら輪状布a2をゴム引き布1の基
布1bが向かい合わせになる状態で重ね合わせ、両輪状
布aの外周縁部同士、及び内周縁部同士をそれぞれゴム
のりを塗布する糊代分の幅を重ね合わせた状態で接着接
合する(図5,図6)。また、上記輪状気室Aの内周部
と外周部の接合部の表面に沿っては、各々帯状布a3を
接着する(図7)。
【0024】また、既述したように、重ね合わせた輪状
布a同士を接合する際には、各円弧状布a1同士の接合
部が、一方の面と他方の面との間において、1/2ピッ
チずつずらした状態にて接合する(図1)。上記したよ
うに、両輪状布a相互を、円周方向へ1/2ピッチずつ
ずらすことにより、一方の輪状布aの各円弧状布a1の
接合位置(分割位置)が、もう一方の各円弧状布a1の
中央部に位置するようになる。その結果、両輪状布a間
において各円弧状布a1の接合部同士を一致させて構成
した輪状気室と比較して、輪状気室Aを構成する各円弧
状布a1の分割数を実質上2倍にした場合と同等の状態
となり、膨張状態における輪状気室Aの真円度を増すこ
とができる(図8)。
【0025】また、上記輪状気室Aの側面にはバルブ3
0を付設し、該バルブ30から空気の注入と排出を行う
ように構成してある。上記した実施例においては、接着
剤として未加硫のゴムのりを使用しているので、上記し
たように構成した輪状気室Aを加硫室内に入れて、ゴム
のりを加硫することにより完成する。尚、本発明の輪状
気室の製造方法としては、上記した方法の他に、各円弧
状布a1,補強用帯布a2等を未加硫ゴム布にて構成
し、未加硫ゴムのりで接着して輪状気室Aとして構成し
た後に、加硫室内にて加硫する方法や、加硫ゴム布から
構成した円弧状布a1,補強用帯布a2等を硬化材を入
れたゴムのりで接着して輪状気室を構成し、自然加硫せ
しめる方法等がある。
【0026】上記した如く構成した輪状気室Aは、ゴム
引き布1の縦横両糸が、同輪状気室Aの円周方向と、気
室Aの縦断面に視る円周方向、即ち、図2の気室A断面
に視る円周方向とに沿うことになる。したがって、輪状
気室Aを膨張せしめた際の内圧によって同気室Aの周壁
(ゴム引き布)に作用する膨張力は、上記したように、
輪状気室Aの円周方向へ沿う糸と、気室A断面に視る円
周方向へ延びる糸に対し、それぞれの糸に沿うように作
用することになる。その結果、上記縦横両糸の張力によ
り維持される輪状気室Aの耐変形強度が各部分において
略均等化され、輪状気室Aを極めて真円に近い状態にて
膨張せしめることが可能となる。即ち、上記輪状気室A
は、従来の輪状気室のように、ゴム引き布1の縦横両糸
がバイアスに成る部分が生じ、この部分だけが大きく伸
び変形するような不具合を防止することができる。
【0027】また、上記した輪状気室Aは、各円弧状布
a1同士の接合部付近において、ゴム引き布1の縦横両
糸が幾分バイアスに近い状態となる。しかし、上記輪状
気室Aは、各円弧状布a1の接合部に沿って、縦横両糸
を全長方向と幅方向とに走らせた補強用帯布a2を接着
してあるので、上記各接合部分の耐伸び変形特性を、各
円弧状布a1の中央部分のそれに近似せしめることがで
きる。その結果、各部分における耐伸び変形特性の分布
を均一化し、膨張状態における輪状気室Aの真円度をさ
らに向上せしめることができる。また、上記実施例では
補強用帯布a2が具備する縦横両糸の方向を、同帯布の
全長方向と幅方向とに走るように構成したが、上記補強
用帯布が具備する縦横両糸の方向はバイアス方向であっ
てもよい。この場合、同帯状布の屈曲性が向上するので
製造時における加工性を向上せしめることができる。
【0028】尚、上記輪状気室Aは、各円弧状布a1の
接合部を、両輪状布aの間において1/2ピッチずつず
らして構成したが、本発明の主旨によれば、両輪状布a
間において、各円弧状布a1の接合部同士を一致させた
状態として構成してもよい。また、輪状布の分割枚数
は、真円度を高める上では、分割枚数が多い程良いが、
コストパフォーマンスを考慮するならば6〜8枚程度が
好ましい。
【0029】上記実施例においては、輪状気室Aを構成
するゴム引き布1として基布1bの表裏両面にゴム層1
aを被着した3層構造のものを使用したが、本発明の輪
状気室に用いるゴム引き布は、基布とゴム層とを一体に
被着せしめたものであれば、既存のどのようなものを用
いてもよく、例えば、基布の表面側だけにゴム層を被着
させた2層構造のゴム引き布、若しくは3層構造以上の
多重層構造のゴム引き布を用いてもよい。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の輪状気室
の製造方法は、ゴム引き布から円弧状布を裁断する際、
上記ゴム引き布が具備する基布の縦横両糸を、円弧状布
の円周方向と、それと直交する方向とに合わせた状態に
て裁断し、これら円弧状布同士を接合して中心部が開口
する輪状布を構成すると共に、該輪状布を2枚重ね合わ
せて円形の輪状気室を構成するものである。よって、各
円弧状布同士を接合して構成した輪状布は、円周に沿う
糸と、これと直交する方向へ延びる糸とが内設された状
態となり、さらに、上記輪状布を重ねて構成した輪状気
室は、基布の糸が、輪の円周方向と、気室の縦断面に視
る円周方向とに沿うことになる。
【0031】したがって、上記製造方法で製造された輪
状気室おいては、内圧によって気室の周壁に作用する膨
張力が、同輪状気室の円周方向へ沿う糸と、それと直交
する方向へ延びる糸に対し、それぞれの糸が延びる方向
に略沿う形で作用するようになる。その結果、輪状気室
の変形量を各部分において略均等化することが可能とな
り、輪状気室を極めて真円に近い状態にて膨張せしめる
ことができる。
【0032】本発明の輪状気室は、ゴム引き布を裁断し
て成る円弧状布同士を接着接合して、中心部が開口する
輪状布を構成し、該輪状布を2枚重ね合わせて接合する
ことにより円形の輪状気室を構成し、上記各円弧状布を
構成するゴム引き布具備する基布の縦横両糸を、上記輪
状気室の円周方向と、それと直交する方向とに合わせて
構成したものである。よって、本発明の輪状気室は、上
記製造方法により製造した輪状気室と同様に、輪状布
が、輪の円周に沿う糸と、これと直交する方向へ延びる
糸とが内設された状態となり、さらに、上記輪状布を重
ねて接合して成る輪状気室は、基布の糸が、輪の円周方
向と、気室の縦断面に視る円周方向とに沿うことにな
る。
【0033】したがって、本発明の輪状気室は、内圧に
よって気室の周壁に作用する膨張力が、同輪状気室の円
周方向へ沿う糸と、それと直交する方向へ延びる糸に対
し、それぞれの糸が延びる方向に略沿う形で作用するよ
うになる。その結果、輪状気室の変形量を各部分におい
て略均等化することが可能となり、輪状気室を極めて真
円に近い状態にて輪状気室を膨張せしめることができ
る。
【0034】請求項3記載の輪状気室は、輪状布を円周
方向へ相互にずらしたものであるから、各円弧状布によ
る分割位置が、片面の輪状布ともう片面の輪状布との間
で円周方向にずれることになる。これにより、輪状気室
は基本構造を変えることなく、上記輪状気室を構成する
各円弧状布の分割数を2倍にした場合と同等の状態を得
ることができる。その結果、構造の複雑化や製造手間の
増大を招くことなく、膨張状態においてより正確な真円
度を実現し得る。
【0035】請求項4記載の輪状気室は、各円弧状布の
端部同士の各接合部に沿って、補強用帯布を接着したも
のである。したがって、各円弧状布同士の接合部におい
ては、縦横両糸が幾分バイアス状態に近くなって、延び
変形が生じ易くなるが、上記した如く、各接合部に沿っ
て補強用帯布を接着して補強することにより、他の部分
よりも変形し易くなる円弧状布同士の接合部の延び変形
を防止し、輪状気室の変形量を各部分においてより均等
化することが可能となる。その結果、輪状気室をより真
円に近い状態にて膨張せしめることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施した輪状気室を一部切欠して
示す平面図。
【図2】 図1におけるII-II 線断面図。
【図3】 ゴム引き布から円弧状布や補強用帯布を裁
断した状態を示す平面図。
【図4】 組み付け中の輪状布を一部切欠して示す平
面図。
【図5】 輪状布を重ね合わせる状態を示す斜視図。
【図6】 輪状布の内周縁同士と外周縁同士を接合し
た状態を示す斜視図。
【図7】 外周部に帯状布を接着した輪状気室を示す
斜視図(収縮状態)。
【図8】 膨張した輪状気室を示す斜視図。
【図9】 (a)はゴム引き布から輪状布を裁断した
状態を示す平面図,(b)は同ゴム引き布の拡大縦断面
図。
【図10】 (a)は、従来の輪状気室を一部切欠し
て示す平面図(収縮状態),(b)は、同輪状気室を一
部切欠して示す平面図(膨張状態)。
【符号の説明】
A・・・輪状気室 a・・・輪状布 a1・・・円弧状布 a2・・・補強用帯布 1・・・ゴム引き布 1a・・・ゴム層 1b・・・基布

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央部が開口する輪を円周方向に沿っ
    て所定間隔に分割して成る所要枚数の円弧状の布をゴム
    引き布から裁断し、且つ、上記円弧状布は、ゴム引き布
    が具備する基布の縦横両糸が、上記各円弧状布の円周方
    向と、それと直交する方向とになるように裁断し、上記
    円弧状布は端部同士を接合して中心部が開口する真円の
    輪状布を構成し、該輪状布を2枚重ね合わせ、これら輪
    状布の外周縁部同士及び開口部口縁部同士を接合して成
    る輪状気室の製造方法。
  2. 【請求項2】 ゴム引き布を円弧状に切断して所要数
    枚の円弧状布を構成し、これら円弧状布の端部同士を接
    着接合して、中心部が開口する真円の輪状布を構成し、
    該輪状布を2枚重ね合わせ、これら輪状布の外周縁部同
    士及び開口部口縁部同士を接合して構成し、且つ、上記
    各円弧状布はゴム引き布が具備する基布の縦横両糸が、
    上記輪状気室の円周方向と、それに直交する方向とにな
    るように裁断して成る輪状気室。
  3. 【請求項3】 重ね合わせた両輪状布の間において、
    円弧状布の端部同士の各接合部相互を円周方向にずらし
    てなる請求項2記載の輪状気室。
  4. 【請求項4】 上記各円弧状布の端部同士の各接合部
    に沿って、ゴム引き布製の補強用帯布を接着してなる請
    求項2又は3記載の輪状気室。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109911145A (zh) * 2019-03-15 2019-06-21 山东科技大学 海上救生安全浮台
CN110593896A (zh) * 2019-09-24 2019-12-20 西南交通大学 一种防止盾构隧道不均匀沉降的结构与实施方法

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