JPH11148232A - 既設コンクリ−ト構造物の補強方法 - Google Patents
既設コンクリ−ト構造物の補強方法Info
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- JPH11148232A JPH11148232A JP33090697A JP33090697A JPH11148232A JP H11148232 A JPH11148232 A JP H11148232A JP 33090697 A JP33090697 A JP 33090697A JP 33090697 A JP33090697 A JP 33090697A JP H11148232 A JPH11148232 A JP H11148232A
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Abstract
維シ−ト及び係止固定具を使用して強固に固定する補強
方法を提供する。 【解決手段】既設コンクリ−ト構造物の亀裂、欠損等の
損傷部分に、下地処理を施し、エポキシ樹脂を含浸した
高強度繊維シ−トの第1及び第2カ−ボン層を層着した
後、穿孔し係止固定具を打ち込み、該構造物と貼着した
カ−ボン層を一体的に強固に固定した構成とする。 【効果】重量増加および断面変化が僅少で、コンクリ−
ト構造物と高強度繊維を一体的強固に固定する為、補強
効果を発揮でき、該構造物の剪断のみならず曲げの施工
も可能で、工数の低減、コスト低下を図り得る。
Description
物の補強方法に関し、より詳細には柱、梁、壁面等の既
設コンクリ−ト構造物、特に無筋コンクリ−ト構造物の
亀裂、欠損等の損傷部分に熱硬化性樹脂組成物で含浸し
た高強度長繊維シ−トを接着した上からアンカ−ピン類
を打ち込み、固定一体化し補強する方法に関するもので
ある。
いては、構造部材の経年変化による劣化で設計時の性能
を保持できなくなった構造物、或いはより優れた性能を
必要とされ、特に既存構造物で古い設計基準で構築され
た無筋マンホ−ル(人孔)等では、亀裂や大気中の成分
や湿潤状態によるコンクリ−トの劣化等により強度が低
下するので、周囲に鉄板等の鋼材を巻き付け等により設
け、該構造物と鋼材の間にモルタルや樹脂を注入して補
強又は補修することが行われている。しかし、この方法
では、鋼材の重量が構造物自体の重量を増加させること
になり作業も大掛かりになる欠点がある。
ため、例えば特公平5−73863号公報には、高強度
繊維ストランドを構造物の柱に巻き付け、必要に応じて
接着剤で該ストランドを柱に接着して補強することが開
示されている。また、特開平4−89970号公報に
も、硬化剤を含む浸透させたテキスタイルを柱等の周囲
に巻き付けて該硬化剤を硬化させることにより補強する
方法が提案されている。さらに、構造物の周囲を鋼板や
鉄筋篭で囲むことに代えて、たとえば特開平1−837
68号公報には、一体的な結合を避けるためにコンクリ
−ト軸方向と周方向で異なる樹脂を用いて塗布し接着さ
せる補強方法等の如く、近年、高強度繊維を捲回して補
強する方法が提案されている。
ような従来の工法は、特に既存構造物で古い設計基準に
よって構築されたものでは、現行の基準や指針に比べて
耐震補強性能等が劣り耐震補強を必要とするか、更に特
に地中に埋設されている無筋マンホ−ルの天井、壁等の
補修或いは補強では一般的に次に示すような問題点を抱
えている。 (1)構造物としての機能性や、施工時の作業性の点で
空間的な制約を受けること、また、使用材料が多く、ま
たその自重が重く、作業能率や作業安全性の面で難点が
ある。特に、地下の無筋マンホ−ル等は、入口が狭く、
鋼板等の資材の搬入が難しい。(2)従来の鉄筋コンク
リ−ト増打工法も近年の炭素繊維シ−ト貼付工法でも、
補強の必要区間に定着区間を加え貼付区間を広げること
により定着域を確保しているが、施工対象区間が冗長に
成り勝ちであり、さらに柱〜梁の接合部分等の部材の変
化箇所で使用する場合には有効な定着域を確保しにくい
難点がある。この為、炭素繊維シ−ト貼付工法で定着区
間を短縮する手段として、特開平4−189977号に
既存コンクリ−ト躯体の補強構造、さらに特開平8−1
20948号公報には、このような場合での柱〜梁等の
接合部分のような部材変化点の補強に適用する補強構造
が提案されているが、この場合はテ−プ状の高強度繊維
複合補強材を長手方向に貼着し、他方のコンクリ−ト躯
体に穿設された挿入固定孔を設け、これに該補強材の端
部を固着したフ−ブ巻で定着する接合部分を補強する稍
複雑な構造でなければ定着区間を確保が難しい。(3)
従来、一方向炭素繊維を用いた補強では、弾性率が2
3.5トン/mmクラスで、目付け200g/m2 程度
の炭素繊維シ−トが使用されているが、この炭素繊維シ
−トでは、1層当たりの剛性が低く、たとえば0.15
〜0.20%程度迄の歪みの範囲を補強するには、補強
箇所に炭素繊維シ−トを多層巻き付けるか、積層せざる
を得ず、工期が長くかかったり、又は工事コストが嵩む
難点があった。また、(4)無筋コンクリ−トの耐久力
実験の結果よれば、無筋コンクリ−トに炭素繊維シ−ト
を内側より貼付けたものを用い、上面より耐力テスト
(載荷)を行ったところ、無筋コンクリ−トの上部位置
と立上がり面の箇所より破壊されるとの知見を得た。こ
のため本発明において、無筋コンクリ−トに高強度繊維
シ−トを接着する複合材料の補強層では、常時かかる荷
重の補強に関して既設コンクリ−ト構造物の歪みの範囲
内で補強することが必要である。
外周面の亀裂、膨隆、座屈等の損傷部分に高強度長繊維
シ−トを熱硬化性樹脂組成物で貼着し、或いは熱硬化性
樹脂組成物を塗着又は含浸せしめた高強度長繊維シ−ト
を接着し、前記熱硬化性樹脂組成物を硬化せしめてなる
既設コンクリ−ト構造物の補強方法であって、躯体外周
面の亀裂、欠損等の損傷部分に樹脂注入手段の下地処理
を施した後、前記コンクリ−ト構造物の損傷部分に躯体
外周面の横幅方向及び長手方向に第1の高強度長繊維シ
−トを少なくとも2層接着する工程と、さらに前記接着
部位でかつ該損傷部分を覆う部位に第2の高強度長繊維
シ−トを層着する工程と、前記既設コンクリ−ト構造物
の躯体外周面に層状に形成した最外層の高強度長繊維シ
−トの表面側より穿孔し係止固定具を所定の間隔で打ち
込み既設コンクリ−ト構造物と前記高強度長繊維シ−ト
を固定することを特徴とする既設コンクリ−ト構造物の
補強方法を提供することを目的とする。
め、本発明の既設コンクリ−ト構造物の補強方法では、
躯体外周面の亀裂、欠損等の損傷部分に樹脂注入手段の
下地処理を施した後、コンクリ−ト構造物の躯体外周面
の亀裂、欠損やひび割れ部や膨隆等の損傷部分を高強度
長繊維シ−トから選ばれた引張強度の大きい補強シ−ト
を少なくとも2層接着する第1の工程と、次に前記接着
部位でかつ該損傷部分を覆う略有効な定着域に高強度長
繊維シ−トを層着して補強する第2工程と、さらに前記
既設コンクリ−ト構造物の躯体外周面に層状に形成した
最外層の高強度長繊維シ−トの表面側より穿孔し、例え
ばアンカ−・ピン類の係止固定具を所定の間隔で打ち込
んでなる既設コンクリ−ト構造物の補強方法であって、
既設コンクリ−ト構造物と高強度長繊維シ−トを一体的
に固定する既設コンクリ−ト構造物の補強方法により達
成される。
いる高強度繊維としては、炭素繊維、芳香族ポリアミド
繊維、ガラス繊維等より選ばれたものが適当である。こ
れらの中でも炭素繊維は引張強度、引張弾性率が高く、
軽量で高剛性である炭素繊維が本発明の解決手段として
好適である。すなわち、高強度長繊維シ−トとして、た
とえば炭素繊維シ−トは、弾性率35トン/mm2 以上
の高弾性でありながら、破断伸度が0.9%以上の高弾
性率、高伸度炭素繊維が適当であり、一般にコンクリ−
トの引張破断伸度は約0.03%といわれており、約
0.15%付近ではひび割れ、亀裂が発生し、このよう
なクラック等の発生する近傍は局部的な応力がかかる
為、破断伸度が0.9%未満の中程度のものでは、該シ
−トが破断してしまう場合がある。従って、少なくとも
くとも0.15〜0.2%程度の歪み範囲での補強にお
いても、破断伸度では0.9以上の高伸度品が適当であ
る。
当であり、繊維強化樹脂に使用できるものであれば特に
限定されるものではないが、エポキシ樹脂接着剤に限ら
ず、引張剪断強度が10Kgf/cm2 程度以上の接着
力を持つ接着剤であれば使用可能である。
た補強の場合、補強箇所に炭素繊維シ−トを多層巻き付
け、或いは積層せざるを得ないのに対し、従来より少な
い積層数で該シ−トの破断を起こさず、既設コンクリ−
ト構造物の補強をすることができる為、工期が長引いた
り、工事コストが嵩む欠点を解消することができる。こ
の為、本発明では、弾性率35トン/mm2 以上、破断
伸度0.9以上の高弾性率、高伸度炭素繊維シ−トを使
用し、繊維目付250g/m2 以上で配列しものを使用
することが好適である。
層巻き付け、或いは積層工程の簡略化、工事コストの低
減を図るため、上記のごとき好適に用いられる高弾性率
および高伸度の長繊維シ−トを使用すること、並びに既
設コンクリ−ト構造物の損傷部分に躯体外周面の横幅方
向及び長手方向に接着する第1の工程では、該長繊維シ
−トは2層接着することにより補強する範囲に限った方
法とし、さらに損傷部分を覆う第2層着工程との組み合
わせとして、積層工程を簡略化、工事コストの低減を図
った補強方法を提供する。さらに、該高強度長繊維シ−
トは、コンクリ−ト構造物の外周面に貼着又は巻き付
け、接着剤により該構造物と一体化されるが、該シ−ト
の表裏間に積極的に接着剤を流通させる為の繊維空間を
持たせた構成とし、繊維空間を介して表裏間に接着剤が
流動し易いため、接着性が良好で強固に該シ−トとコン
クリ−ト構造物とを一体化させることができる。このた
め該シ−トの積層或いは巻き付けが少なくなり、また、
その幅方向の高強度長繊維が該長さ方向の該繊維を拘束
するので、ほぼ均一な厚さの積層或いは巻き付けられ、
局面や段差に対しての適合性が向上する。
方向に間隔をもって高強度長繊維シ−トを接着する工程
と、該間隔に存在する亀裂等の内部へ樹脂を注入する手
段を設けて樹脂を注入し、該注入手段を隔離させて少な
くとも該間隔を覆うように高強度長繊維シ−トを接着せ
しめてなる既設コンクリ−ト構造物の補強ないし補修方
法を提供する。
では、無筋コンクリ−トの上部位置と立上がり面の箇所
より破壊されるとの知見に基づき、本発明では、既設コ
ンクリ−ト構造物の躯体外周面に層状に形成した最外層
の高強度長繊維シ−トの表面側より穿孔し係止固定具を
所定の間隔で打ち込み既設コンクリ−ト構造物と前記高
強度長繊維シ−トを固定することにより達成される。
ル等の入口が狭く搬入が難しい箇所でも補修或いは補強
の為の施工が可能である。また、無筋マンホ−ルの内部
よりの施工でコンクリ−ト構造物の補修或いは補強が可
能で、耐震性及び設計荷重の大幅な向上ができ、大幅な
コストの削減、工期の短縮が可能とするように働く。さ
らに、特に地下マンホ−ル等での湿潤区間でも、熱硬化
性樹脂の選択により強固に接着し、コンクリ−ト構造物
の補修或いは補強が可能である。また、本発明において
は、柱、梁、壁面の剪断、曲げ補強、端部の定着、並び
に補強繊維シ−ト貼付工法で定着区間を短縮する手段と
して、特に予め繊維をエポキシ樹脂のごとき熱硬化樹脂
の一種以上より選ばれた樹脂組成物で含浸させながら一
体化させ、好ましくは略3cm幅で、2層以上に積層し
た帯状シ−トの形態を採用することにより、補修作業を
確実にすると共に、使い易さ、取扱い易さと併せ、補
修、或いは補強による工程管理を容易とし、かつ帯筋の
数倍の強度向上が期待でき、工期の短縮、コスト削減に
つながるように働く。
る。図1は既設コンクリ−ト構造物からなる無筋マンホ
−ルに適用した実施例を示す要部説明図である。図1に
おいて、無筋マンホ−ルのコンクリ−ト躯体1は、マン
ホ−ル4、駆体頸部2、立上がり壁16、及びボックス
カルバ−ト3では床版天井6、上部ハンチ7、内壁8、
下部ハンチ9、並びに土間15の構成からなり、横幅方
向は1.71m、長手方向の長さ3.81m、垂直高さ
1.81mのコンクリ−ト構造物を示している。該マン
ホ−ル躯体1の構造物では、無筋コンクリ−ト製である
故に、鉄筋の腐食或いは錆落としは要しないが、無筋の
要因もあって該ボックスカルバ−ト3での床版天井6或
いは内壁8、場合によっては上部ハンチ7及び下部ハン
チ9の角縁箇所の躯体内周面には無数の亀裂、膨隆やひ
び割れ部や浮き上がりの損傷部分が発生して補強ないし
補修を必要とする状態にある場合が多い状態である。こ
の実施例は、無筋コンクリ−ト製で、たとえば路面電
車、自動車等の幹線道路で走行車両類の使用頻度が高
く、万が一陥没すれば多大な影響が懸念される構造物に
関し、このようなボックスカルバ−ト3での亀裂、膨隆
やひび割れ部や浮き上がりの損傷部分の補強ないし補修
のための構造並びに方法である。
在箇所を外部より全面にわたって調査し、少なくとも亀
裂や欠損等のクラック幅が0.2mm以上のものをチェ
ックした上、記録し、補強ないし補修のための施工法を
検討の上、選定する。
内部施工の第1工程として下地補修では、例えばひび割
れ箇所では、汚れた部分を水洗いし、乾燥後、SKグラ
ウトプラグAの台座を、ひび割れ箇所のクラックに沿っ
て1m当たり4〜5個、速硬性エポキシ樹脂で取り付
け、該速硬性エポキシ樹脂でクラックを巾20mm程度
でシ−ルした。次に、上記グラウトプラグAにプラスチ
ックの樹脂貯蔵タンクを取り付け、専用ガンにて、注入
口よりエポキシ樹脂をタンクの目盛りの1.5を目途に
注入を行い、タンク内のエポキシ樹脂が早く減る場合は
追加注入を繰り返した。注入完了後、シ−ル材をサンデ
ィング除去した。
で、たとえば浮き、或いは欠損部では、ピンニング及び
10mm程度の凹み部は、水中硬化エポキシ樹脂パテで
充填後、慣らしを行い、補強した。さらに、エポキシ樹
脂の端部のバリは、スクレバ−、サンダ等でケレンし
た。
長手方向では、プライマ−をウ−ロ−ラ−で塗布後、エ
ポキシ樹脂を高強度長繊維シ−ト巾で、長手方向にウ−
ロ−ラ−で塗布し、該高強度繊維シ−トを貼付け、脱泡
ロ−ラ−で内部の巻き込み空気を除去した。次いで、高
強度長繊維シ−ト5を1cm程度ラップするようにエポ
キシ樹脂を塗布し、高強度長繊維シ−ト巾で、長手方向
にウ−ロ−ラ−で塗布、順次貼付けていき、端縁部分の
立ち上がり迄施工した。また、短手方向では、高強度長
繊維シ−ト5の2層目の貼付けは、プライマ−塗布後、
エポキシ樹脂を用い、高強度長繊維シ−ト5を短手方向
に貼付け、コ−ナ−部11の部分迄施工した。
反対側の内壁8の上部ハンチ7および下部ハンチ9迄、
エポキシ樹脂をウ−ロ−ラ−で塗布後、補強、帯筋用と
して高強度繊維シ−ト5を30cm巾、1m間隔で貼り
付け後、長手方向に脱泡ロ−ラ−で、内部の巻き込み空
気を除去して施工を行った。
第2工程、さらにエポキシ樹脂補強の施工第3工程によ
れば、コンクリ−ト製の駆体の下地補修を行った表面
に、高強度長繊維シ−ト5がコンクリ−ト駆体の長手方
向に沿って貼着され、次に、短手方向の2層目の貼付け
る構成により、薄くて細長い高強度長繊維シ−ト5がコ
ンクリ−ト駆体1に貼着される為、嵩高になる制約を受
けず、軽量で取扱、ハンドリング性が良く、作業能率や
安全性の向上を図れる。また、施工第2工程および施工
第3工程完了後の構造物では、経時断面変化も僅少に抑
制することができると共に、重量増加の影響を殆ど無視
できる利点がある。
カ−取付け 高強度長繊維シ−ト5とコンクリ−ト駆体1との接着破
壊防止のため、補強、帯筋用として貼付けた部分を約5
0cm間隔で穿孔し、SKグラウトピン(50mm)を
挿入、専用の打ち込み棒を用いて、開脚用中ピンを打ち
込み固定した。次いで、専用ノズルをつけたグリスガン
で注入材(水中硬化タイプ)エバ−ボンドEW−128
0(商標,世界長株式会社製)を充填し、特殊流出防止
を打ち込み、注入材の流出防止と高強度長繊維シ−ト5
と該駆体1との固定を行った。
5のアンカ−取付けにより、既設コンクリ−トの損傷箇
所での高強度長繊維シ−ト5の定着領域で、コンクリ−
ト構造物に対し高強度長繊維シ−ト5を貼付け層着した
2層の一体的、かつ強固な固着を図り得る。また、アン
カ−取付けによって既設コンクリ−ト構造物に作用する
引張力は、アンカ−・ピン類の如き係止具に対し軸に直
交する方向であるが、穿孔に挿通し固定されるアンカ−
・ピン類は、直交方向に対して高強度である。この為、
既設コンクリ−ト構造物の外周面と高強度長繊維シ−ト
5との接着或いは巻き付けと、アンカ−・ピン類の打ち
込みを併用した固着層は界面に対する剪断力に対して大
きな耐久性を発揮できる。
おりである。 1)低圧注入システム用には、SKグラウトプラグ工法
を採用し、世界長株式会社製のSKグラウトプラグを使
用した。 2)台座取付け接着材(乾燥面)には、エバ−ボンドG
P−2(世界長株式会社製)を使用した。 3)注入材(水中硬化タイプ)は、エバ−ボンドEW−
1280(世界長株式会社製)を使用した。 4)埋め戻し材は、SWモルタル(世界長株式会社製)
を使用した。 5)高強度長繊維シ−ト固定用には、SKグラウトピン
(世界長株式会社製)を使用した。 6)駆体補強は、高強度長繊維シ−ト(弾性率35トン
/mm2 以上、破断伸度0.9以上の高弾性率、高伸度
炭素繊維シ−ト)を使用した。
構造を示す断面要部説明図であり、コンクリ−ト製のボ
ックスカルバ−ト3での亀裂、欠損、膨隆やひび割れ部
や、浮き上がり等の損傷部12を補強ないし補修する為
のカ−ボン2層構造の断面形態を示している。
ン層10並びに第2カ−ボン層11が層着されており、
第2カ−ボン層11の上面にカ−ボン補強の帯筋13を
あてがって当接状態としネイルアンカ−14が打ち込ま
れており、該ネイルアンカ−14の先端箇所は、一旦上
記コンクリ−ト製のボックスカルバ−ト3に迄打ち込ま
れるときには、機構上先端部が先開き状態の構成となっ
ている。これによって該ボックスカルバ−ト3に層着さ
れた第1カ−ボン層10ならびに第2カ−ボン層11お
よび帯筋13を横断的に強固、かつ永久的に固着セット
可能な構成となっている。
壁箇所Bの補強構造を示す断面要部説明図であり、コン
クリ−ト製のボックスカルバ−ト3の内壁箇所Bでの亀
裂、欠損部分に第1カ−ボン層10を、次に第2カ−ボ
ン層11を層着した補強、補修状態を示している。この
場合、第1カ−ボン層10を貼着する接着する接着剤と
しては、エポキシ樹脂或いは不飽和ポリエステル樹脂等
を使用することができ、これらを予め下地処理を施した
表面に塗布するか、第1カ−ボン層10の高強度長繊維
シ−ト5に塗布して使用する。次いで、上記施工第2工
程での高強度長繊維シ−ト貼付け並びに施工第3工程で
の補強を同様に行い、第2カ−ボン層11を層着した補
強、補修状態の構成とすることができる。
ン層10を層着し、次いで、第1カ−ボン層10の高強
度長繊維シ−ト5を貼着した接着剤がある程度固化した
後、前記第1カ−ボン層10の高強度長繊維シ−ト5の
表面に第2カ−ボン層11の高強度長繊維シ−ト5を層
着させるが、樹脂は第1カ−ボン層10の該長繊維シ−
ト5の貼着用接着剤とを一体的に接合しないように接着
強度を予め低く設定した構成とし、たとえば樹脂を溶媒
で希釈する際にその濃度を低くするか、或いは樹脂自体
の使用量を少量とし、必要に応じて比較的容易に接着強
度を予め低く設定した構成とすることができる。
コクリ−トの損傷箇所の初期亀裂や欠損の発生を抑止す
ると共に、軸方向の曲げ応力に靱性を付与して既設コン
クリ−トの構造物の強度を向上させることができる。ま
た、該構造物に亀裂や欠損が発生し、その亀裂や欠損部
分に応力が集中して第1カ−ボン層10が破断のごとき
状態に至ったとしても、この応力は第2カ−ボン層11
の高強度長繊維シ−ト5には分散して伝播され、第2カ
−ボン層11の高強度長繊維シ−ト5は引き続き既設コ
ンクリ−ト構造物を強固に束縛する為、該構造物の靱性
を維持し、亀裂や欠損箇所の損壊等の防止を図った構成
とすることができる。
−ト構造物に第1及び第2カ−ボン層の貼付工法で、曲
げに対する応力材として高強度長繊維シ−ト5を、接着
にはエポキシ樹脂剤を使用するが、該テ−プ状補強材は
薄いため確実に貼付することができ、定着効果が大きく
定着長を低減することができる。また、応力材として高
強度長繊維シ−ト5を使用し、該ボックスカルバ−ト3
の内壁8のみならず端縁箇所の上部ハンチ7又は下部ハ
ンチ9の施工も可能で、定着区間を確保できない箇所で
も容易に適用でき、かつ第1及び第2カ−ボン層の工程
集約により有効な補強ないし補修をなし得る利点があ
る。
が、具体的な構成はこの実施例に限られるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっ
ても本発明に含まれる。
シ−トの使用により重量増加が少なく嵩高の制約を受け
ず、取扱性が良く、運搬持ち込みの他、作業能率、安全
性等で大幅な改善を図り得る。また、補強施工後の構造
物での断面変化が僅少で、死荷重の増加も認められない
為構造系の変化を伴うことがない。さらに、穿孔し係止
固定具を所定の間隔で打ち込み該構造物と高強度繊維シ
−トを一体的に強固に固定するため、有効かつ十分な補
強効果を発揮する。また、端縁コ−ナ−部の施工も可能
で、該構造物の剪断のみならず曲げも補強でき、第1及
び第2カ−ボン層の工程集約が可能な構成とした為、工
数の低減、コスト低下を図ることができる。
明図である。
面要部説明図である。
部説明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 既設コンクリ−ト構造物の躯体外周面の
亀裂、膨隆、座屈等の損傷部分に高強度長繊維シ−トを
熱硬化性樹脂組成物で貼着し、或いは熱硬化性樹脂組成
物を塗着又は含浸せしめた高強度長繊維シ−トを接着
し、前記熱硬化性樹脂組成物を硬化せしめてなる既設コ
ンクリ−ト構造物の補強方法であって、躯体外周面の亀
裂、欠損等の損傷部分に樹脂注入手段の下地処理を施し
た後、前記コンクリ−ト構造物の損傷部分に躯体外周面
の横幅方向及び長手方向に第1の高強度長繊維シ−トを
少なくとも2層接着する工程と、さらに前記接着部位で
かつ該損傷部分を覆う部位に第2の高強度長繊維シ−ト
を層着する工程と、前記既設コンクリ−ト構造物の躯体
外周面に層状に形成した最外層の高強度長繊維シ−トの
表面側より穿孔し係止固定具を所定の間隔で打ち込み既
設コンクリ−ト構造物と前記高強度長繊維シ−トを固定
することを特徴とする既設コンクリ−ト構造物の補強方
法。 - 【請求項2】 前記躯体外周面の円周方向に間隔をもっ
て高強度長繊維シ−トを接着する工程と、該間隔に存在
する亀裂、欠損等の内部へ樹脂を注入する手段を設けて
樹脂を注入し、該注入手段を隔離させて少なくとも該間
隔を覆うように高強度長繊維シ−トを接着せしめてなる
請求項1記載の既設コンクリ−ト構造物の補強方法。 - 【請求項3】 前記係止固定具がアンカ−ピン類の構成
からなり、平方メ−トル当たり2ないし6本を打ち込み
高強度長繊維シ−トを固定してなる請求項1又は2記載
の既設コンクリ−ト構造物の補強方法。
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---|---|---|---|
JP33090697A JP4040151B2 (ja) | 1997-11-14 | 1997-11-14 | 既設コンクリ−ト構造物の補強方法 |
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JP2005207159A (ja) * | 2004-01-23 | 2005-08-04 | Yuhaso Engineers:Kk | 連続繊維シートを用いたコンクリート構造物の補強方法 |
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1997
- 1997-11-14 JP JP33090697A patent/JP4040151B2/ja not_active Expired - Fee Related
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