JPH11147791A - 単結晶基板とその上に成長させた窒化ガリウム系化合物半導体結晶とから構成されたエピタキシャルウェハ - Google Patents
単結晶基板とその上に成長させた窒化ガリウム系化合物半導体結晶とから構成されたエピタキシャルウェハInfo
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- JPH11147791A JPH11147791A JP31051997A JP31051997A JPH11147791A JP H11147791 A JPH11147791 A JP H11147791A JP 31051997 A JP31051997 A JP 31051997A JP 31051997 A JP31051997 A JP 31051997A JP H11147791 A JPH11147791 A JP H11147791A
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Abstract
り、熱膨張係数の差が小さく、かつ熱的にも安定である
という条件を備えた単結晶基板を提供し、その単結晶基
板上に良好な格子整合性でエピタキシャル成長させるこ
とで、エピタキシャル膜内の結晶欠陥を大幅に低減す
る。 【解決手段】 この発明の単結晶基板とその上に成長さ
せた窒化ガリウム系化合物半導体結晶とから構成された
エピタキシャルウェハは、一般構造式がA5 (PO4)3
F(組成例、)、X2Z8(SiO4)6O2 (組成例
、、)、X 2Z8(PO4)6O2(組成例)、L
i2B4O7(組成例)、La3Nb1-XGa XO14、ある
いはLiHo(WO4)2 で表される単結晶を基板と
し、その単結晶基板上に窒化ガリウム系化合物半導体結
晶を成長させて成る、ことを特徴としている。
Description
の上に成長させた窒化ガリウム系化合物半導体結晶とか
ら構成されたエピタキシャルウェハに関するものであ
る。
される窒化物系化合物は、ウルツライト型の六方晶構造
をした直接遷移型のワイドギャップ半導体であり、その
エネルギギャップに対応した発光作用に基づいて、青色
から紫外領域の発光波長を持つ発光ダイオードあるいは
レーザ素子材料として注目されている。この窒化物系化
合物を使って、すでに青色の発光ダイオードは実用化さ
れ、短波長レーザは開発段階にさしかかっている。
合、1727℃)、その成長温度域での窒素(N)の平
衡蒸気圧が高いため、常圧化でのバルク結晶の成長が困
難である。そのため、電子デバイス用途、または発光デ
バイス用途としての単結晶を得るためには、有機金属気
相法(MOCVD法)やハライド気相成長法(HVPE
法)などのエピタキシャル気相成長法が用いられ、基板
上に結晶をエピタキシャルに成長させる方法が一般的に
行われている。
使われている基板は、六方晶構造を持つサファイア単結
晶の(0001)面である。サファイア単結晶が基板と
して使用されているのは、結晶構造が類似しているとい
う理由からである。しかし、サファイアに比べて、Ga
Nの方が格子定数が小さく、サファイア基板の(000
1)面にGaNを成長させても、サファイア基板とGa
Nエピタキシャル膜との格子ミスマッチ量は、13.8
%と大きくなる。また、サファイアとGaNとでは、熱
膨張係数の差が25.5%も存在している。このため、
GaNの成長過程や成長後の降温過程において、格子ミ
スマッチと熱膨張差に起因した歪みや内部応力が必然的
に発生し、エピタキシャル膜内に結晶欠陥を発生させ品
質を悪化させていた。このように、GaN等の窒化ガリ
ウム系化合物のエピタキシャル成長に適した基板は未だ
得られておらず、このことが有望な発光デバイス、電子
デバイスであるのに関わらず、実用化が思ったほど進ま
ないでいる主要な原因となっている。
ア基板の上にバッファ層という中間層を堆積させ、その
上にGaN膜をエピタキシャル成長させるという手法が
開発された。これにより、発光デバイスとしての使用に
耐えうる良質なGaNエピタキシャル膜が得られるよう
になった。
数差に起因した歪み、内部応力、貫通転位などを自身の
中で緩和して、上層のGaNエピタキシャル膜に伝播さ
せないという役割を果たしている。したがって、バッフ
ァ層上に成長させたGaN膜は、サファイア基板に直接
成長させたGaN膜に対して、結晶方位の揺らぎが少な
い、貫通転位や積層欠陥が減じているといった特徴を有
している。なお、前者の結晶方位の揺らぎは、X線回折
によるロッキングカーブから算出した半値幅により評価
でき、また後者の貫通転位や積層欠陥は、透過電子顕微
鏡によって観察可能である。また、電気特性では、残留
キャリア濃度の減少と電子移動度の増加といった改善効
果が現れてきた。現在では、このバッファ層の上に、G
aNとAlN、あるいはInNとの混晶化合物であるA
lXGa1-XN、InXGa1-XN、InXAlYGa1-X-Y
N といった窒化ガリウム系化合物をエピタキシャル成
長させて形成した活性層を有する発光ダイオードやレー
ザダイオードが作られている。
に形成したエピタキシャル膜には、減少したとはいえ、
結晶欠陥は依然として多数存在しており、このため、デ
バイス化しても十分な発光特性を発揮させるに至ってい
ない。ここで、結晶欠陥とは、GaあるいはNが抜けた
原子空孔であり、また基板・成長界面から成長面に抜け
る貫通転位であり、さらには成長面に平行に存在する積
層欠陥などをいう。
存在すると、素子として構成したとき、その素子の中で
非発光中心として作用し発光特性を悪化させてしまう
し、素子への注入電流が残留転位を移動させたり堆積さ
せる駆動力として消費されてしまい、強いては素子の劣
化、破損につながってしまう。したがって、素子として
の機能を充分に発揮させるには、エピタキシャル膜中の
結晶欠陥を極力低減することが重要である。このような
理由から、サファイア基板に替えて、基板上に直接成長
させてもGaNと良好に格子整合でき、かつ熱膨張係数
が近い単結晶基板が検討されてきた。
の、サファイア基板に比べて格子ミスマッチ量(格子不
整合率)が少ない単結晶として、GaAs、Si、Zn
O、SiCなどが挙げられる。これらの単結晶の中でS
iC基板は、GaNとの熱膨張係数の差は、サファイア
基板の場合と同程度であるが、格子ミスマッチ量は2.
5%と小さい。また、このSiC基板はGaNの成長過
程でも熱的に安定に存在するので、サファイア代替え基
板としてはほぼ条件を満たしている。しかし、SiC単
結晶の場合、大型の単結晶が得られないこと、またこの
結晶特有のマイクロパイプという欠陥が基板エピタキシ
ャル面に存在し、やはり多数の結晶欠陥を発生させてし
まうといったことが問題となっている。このように、G
aNエピタキシャル膜の成長に最適な単結晶基板が確定
していないのが現状であり、ここにおいて、GaNと格
子整合性があり、熱膨張係数の差が小さく、かつ熱的に
も安定であるという条件を兼ね備えた単結晶の出現が強
く望まれるようになってきた。
エピタキシャル膜との間で、格子整合性があり、熱膨張
係数の差が小さく、かつ熱的にも安定であるという条件
を備えた単結晶基板を提供し、その単結晶基板上に窒化
ガリウム系化合物半導体結晶をエピタキシャル成長させ
ることで、エピタキシャル膜内の結晶欠陥を大幅に低減
させ、電子デバイスに用いるとき、そのデバイス特性を
大幅に改善できる、単結晶基板とその上に成長させた窒
化ガリウム系化合物半導体結晶とから構成されたエピタ
キシャルウェハを提供することを目的とする。
に、請求項1に記載の発明は、単結晶基板とその上に成
長させた窒化ガリウム系化合物半導体結晶とから構成さ
れたエピタキシャルウェハにおいて、上記単結晶基板
を、一般構造式がA5(PO4 )3Fで表され構成元素A
が2A族元素であるアパタイト型六方晶で構成し、その
単結晶基板上に窒化ガリウム系化合物半導体結晶をエピ
タキシャル成長させて成る、ことを特徴としている。
晶基板を、一般構造式がX2Z8(SiO4)6O2 で表さ
れ構成元素Xが2A族元素、構成元素Zが3A族希土類
元素であるアパタイト型六方晶で構成し、その単結晶基
板上に窒化ガリウム系化合物半導体結晶をエピタキシャ
ル成長させて成る、ことを特徴としている。
を、請求項3の一般構造式X2Z8(SiO4)6O2 中
の、SiO4をPO4で置き換えて構成した、ことを特徴
としている。
晶基板を、一般構造式がLi2B4O 7 で表される酸化物
単結晶で構成し、その単結晶基板上に窒化ガリウム系化
合物半導体結晶をエピタキシャル成長させて成る、こと
を特徴としている。
結晶基板を、一般構造式がLa3 Nb1-X GaX O
14(0<X<1)で表される酸化物単結晶で構成し、そ
の単結晶基板上に窒化ガリウム系化合物半導体結晶をエ
ピタキシャル成長させて成る、ことを特徴としている。
晶基板を、一般構造式がLiHo(WO4 )2 で表され
る酸化物単結晶で構成し、その単結晶基板上に窒化ガリ
ウム系化合物半導体結晶をエピタキシャル成長させて成
る、ことを特徴としている。
細に説明する。基板上に窒化ガリウム(GaN)系化合
物半導体結晶をエピタキシャル成長させる際に、基板側
は次の条件(I)(II)(III )を満たしている必要が
ある。
の格子不整合率が2.5%以内であること。格子整合性
をここでは次にのべるように定義する。すなわち、窒化
ガリウム系化合物半導体結晶のエピタキシャル成長を行
わんとする単結晶基板において、基板に平行な結晶面に
おける原子間隔(格子定数)をDs 、窒化ガリウム系化
合物半導体結晶の成長方向に垂直な面におけるGa原子
の格子定数をDg とする。格子不整合率をLとしたと
き、LはDs とDg の両者を用いて次に表わす式(1)
で求められる。 格子不整合率L={(n1×Dg −n2×Ds )/(n1×Dg )}×100 ・・・・・(1) n1、n2:同じ結晶方位での格子定数の関係を表わす
係数 この格子不整合率Lの値が低いほど基板と窒化ガリウム
系化合物半導体結晶との格子整合性が良いといえる。
成長環境において、熱的かつ化学的に安定に存在する単
結晶であること。
リウム系化合物半導体結晶の結晶性が良いこと。単結晶
基板と窒化ガリウム系化合物半導体結晶との間の格子不
整合性と、熱膨張係数の差とに起因した結晶欠陥は、最
終的には得られたエピタキシャル膜の結晶の良否に影響
を及ぼしている。そのため、ここではエピタキシャル膜
の結晶性を具体的な物性数値で代表させ評価する。
の良否の判断基準として、一つはX線回折測定によるロ
ッキングカーブの半値幅が小さいことを挙げる。これは
エピタキシャル膜の、成長方向に垂直な面内での揺らぎ
が少ないことを意味する。ここでは、窒化ガリウム系化
合物半導体結晶の(0002)面のロッキングカーブの
半値幅が、300秒以下になることを条件とする。
電子顕微鏡観察から求まる数値として、108 /cm2
以下になること、さらに成長面の粗さを表わす尺度とし
てRmsがあるが、原子間力顕微鏡測定結果を統計処理
して求まるRmsの値として、1nm以下になることを
条件とする。
結晶と格子整合性があり、かつ熱的、化学的安定性が窒
化ガリウム系化合物半導体結晶の成長環境下で実現でき
る単結晶を鋭意検討したところ、本発明者は下記の
(1)〜(6)に述べるところの単結晶がエピタキシャ
ル成長に最適であることを見出した。
一般構造式がA5 (PO4)3Fのタイプ(Aは2A族元
素)、またはX2Z8(SiO4)6O2 のタイプ(Xは2
A族元素、Zは3A族希土類元素)で表される単結晶の
(0001)面。
5(PO4 )3Fでは、Aで表わされる元素がカルシウム
(Ca)あるいはストロンチウム(Sr)であること。
後者の構造式X2Z8(SiO4)6O2 では、Xで表わさ
れる元素がカルシウム(Ca)あるいはストロンチウム
(Sr)であり、Zで表わされる元素がランタン(L
a)あるいはイットリウム(Y)であること。
O4)6O2 において、配位子がSiO4の代わりにPO
4 で構成され、一般構造式がX2Z8(PO4)6O2 とな
る単結晶の(0001)面。
晶に帰属できる酸化物単結晶の中で、その一般構造式が
Li2B4O7 で表わされる単結晶の(0001)面。な
お、上記の(1)〜(4)の各単結晶においては、Ga
Nエピタキシャル膜の成長方向はその構成単位格子であ
る六方晶のc軸に平行な方向である。
晶に帰属できる酸化物単結晶の中で、その一般構造式が
La3Nb1-XGaxO14 で表わされる単結晶の(10
0)面。
晶に帰属できる酸化物単結晶の中で、その一般構造式が
LiHo(WO4)2で表わされる単結晶の(0001)
面。なお、上記(5)(6)のLa3Nb1-XGaxO
14 、LiHo(WO4)2においては、GaNエピタキ
シャル膜の成長方向はその構成単位格子である六方晶の
c軸に垂直な方向となる。
系化合物半導体結晶がエピタキシャル成長するときの原
子配列を、GaNの場合を例にとり、図1、図2及び図
3を用いて説明する。
(0001)面の原子配列を示す図である。図中の黒丸
印の位置がGa原子の配列に対応する。通常、GaNの
成長方向は構成単位格子である六方晶のc軸に平行な方
向であるから、六方晶のa軸の長さがこの原子配列での
格子定数Dgaとなる。
列を示す図であり、アパタイト型六方晶の単結晶、およ
び六方晶構造のLi2B4O7 単結晶の各(0001)面
の原子配列を表している。図中の白抜き○印が元素の位
置するところである。そして、これらの単結晶基板と上
記のGaNとは、a軸方向で格子整合しており、図では
単結晶基板の格子定数をDsaで表している。一般構造式
(組成式)A5(PO4)3F 中のAで表すところの元素
が、図中の元素1,2,3に対応している。また、一般
構造式X2Z8(SiO4)6O2 またはX2Z8(PO4)6
O2 中の、Xで表すところの元素が、図中の元素1に対
応し、Zで表すところの元素が、図中の元素2,3に対
応している。さらに、一般構造式Li2B4O7 中のLi
(リチウム)原子が、図中の元素2に、B(ホウ素)原
子が、図中の元素1,3に対応している。
原子(黒丸印)が図2の○印の元素上に重ね合わさるよ
うに、<0001>方向に成長したときに成立し、格子
整合した状態での原子配列は、図3に示すように、Ga
NのGa原子と、単結晶基板側の元素とが合致するよう
になる。
としての9つの組成例〜が例示してあり、また、各
欄に〜の各組成から成る単結晶の格子定数Ds 、そ
の単結晶基板上にエピタキシャル成長させたGaNの格
子定数Dg 、及びそのときの両者の格子不整合率Lを示
してある。
(PO4)3F 中のAで表される元素にCa(カルシウ
ム)を用いた場合であり、組成例はそのAにSr(ス
トロンチウム)を用いた場合であり、組成例は一般構
造式X2Z8(SiO4)6O2 中のXで表わされる元素に
Caを、Zで表される元素にY(イットリウム)を用い
た場合であり、組成例はそのXにCaを、ZにLa
(ランタン)を用いた場合であり、組成例はそのXに
Srを、ZにLaを用いた場合であり、組成例は一般
構造式X2Z8(PO4)6O2 中のXで表わされる元素に
Caを、Zで表される元素にLaを用いた場合であり、
そして、組成例は、組成式がLi2B4O7の場合であ
る。
晶基板とGaNとは、上記の図1〜図3で説明したよう
に、a軸方向で格子整合しており、その格子不整合率L
は、上記の式(1)から求まる。式(1)の係数n1は
ここでは「3」となり、係数n2は「1」となり、した
がって、〜の場合の格子不整合率Lを求める式は、
次のようになる。 L(%)={(3×Dga−Dsa)/(3×Dga)}×100 ・・・・・(2) 上記の式(2)に図4の各格子定数Dsaの値と、GaN
の格子定数Dgaの値3.160Åを代入して格子不整合
率Lを求めると、では1.2%、では2.5%、
では1.5%、では1.6%、では2.2%、で
は0.2%、では0.01%となり、いずれも従来の
格子不整合率、例えばサファイア基板の場合の約14%
に比べて大幅な改善となっている。
La3Nb1-XGaxO14 の場合であり、組成例は組成
式がLiHo(WO4)2の場合である。組成例で表さ
れる単結晶基板とGaNとは、上記の〜の単結晶基
板と異なり、c軸方向で格子整合しており、その格子不
整合率Lを求める式(1)は、次のようになる。 組成例の場合の格子不整合率L(%) ={(Dgc−Dsc)/Dgc}×100 ・・・・・(3)
aNとは、基板側のa軸方向と、GaN側のc軸方向と
で格子整合しており、その格子不整合率Lを求める式
(1)は、次のようになる。 組成例の場合の格子不整合率L(%) ={(Dgc−Dsa)/Dgc}×100 ・・・・・(4) 上記の式(3)(4)に図5の基板側の格子定数Dsc、
Dsaの値と、GaNの格子定数Dgcの値5.125Åを
それぞれ代入して求めた格子不整合率Lは、では0.
06%、では0.7%となり、上記の〜の場合と
同様に、いずれも従来の格子不整合率、例えばサファイ
ア基板の場合の約14%に比べて大幅な改善となってい
る。
内、図4の組成例(Ca5(PO4)3F) から成る単
結晶基板を用い、その基板上に分子線エピキタシ成長方
法でGaNをエピタキシャル成長させた例を示す。先
ず、基板となる単結晶はX線回折測定から結晶方位を決
め、その面と平行になる断面で基板を切り出した。ここ
では、アパタイト型単結晶であるので(0001)面に
平行に切り出すことになる。
が0.5mm程度になるように切断し、そのカット面を
研磨剤でラッピングした。その後弗化アンモニアで洗浄
し、汚染金属成分を除いた後、有機溶剤と紫外線照射を
行って残留有機物を取り除いた。
00℃で6時間加熱し、吸着ガスを除いた。その後、成
長室に搬送しGaNの成長を開始した。Ga源は金属G
aで、融点以上に加熱したクヌードセンるつぼから供給
した。供給量は、るつぼの開口部のシャッターの開閉操
作で制御した。また窒素源は窒素ガス、またはアンモニ
アガスをプラズマ化した活性窒素である。窒素の供給は
プラズマ照射の有無で決定した。基板温度はパイロメー
ターで計測し、基板温度を1000℃としてエピタキシ
ャル成長を行わせた。成長している間はRHEEDによ
って表面構造、主に成長面の平坦性をモニターした。成
長時間は60分とした。
ル膜は厚みが0.9μmであった。また(0002)面
のX線回折によるロッキングカーブ測定では、そのピー
ク半値幅が 200秒であった。転位密度を透過電子顕
微観察から求めたところ 105 /cm2 であった。ま
た原子力間顕微鏡で表面荒さRmsを求めたところ、
0.4nmであった。
内、図4の組成例(Ca2Y8(SiO4)6O2)から
成る単結晶基板上に有機金属輸送法(MOCVD法)に
よるGaNエピタキシャル膜の成長を行った。ここで、
成長に供する単結晶基板の機械的、化学的前処理は実施
例1と同じである。MOCVD成長装置に上記の単結晶
基板を装着した。基板を固定するところは石英製反応チ
ューブ内のカーボンサセプター上である。加熱は石英チ
ューブの外周にある高周波コイルで行った。
ガスが到達するように設けた原料ガス導入管から、アン
モニア(NH3 )を2.5slmで供給しながら、基板
を1100℃のまで60分かけて昇温した。1100℃
になったところで30分保持した。1100℃のまま、
トリメチルガリウム(TMG)を30sccm、水素
(H2 )を6.0slm、アンモニアガス(NH3 )を
2.5slm、窒素ガス(N2 )を1.3slmそれぞ
れ流した。ここで、slm、sccmとは、標準状態ガ
スの毎分当たりに流れる体積を表す単位であり、100
0sccm=1slmである。
ャル膜の厚みは3.0μmであった。また(0002)
面のロッキングカーブ測定ではその半値幅が220秒で
あった。また、透過電子顕微鏡から求めた転位密度は1
05 /cm2 であった。成長表面の荒さを原子間力顕微
鏡で観察したところ、表面荒さRmsが0.35nmで
あった。また、この発明に係る他の組成例から成る単結
晶基板についても、その基板上に実施例1または実施例
2と同様にしてGaNエピタキシャル膜を成長させた
が、そのGaNエピタキシャル膜に関しても上記の実施
例1、実施例2とほぼ同等の品質結果が得られた。
も、基板にGaNと格子整合性があり、熱膨張率の差も
小さく、かつ成長環境において安定に存在する、一般構
造式がA5(PO4)3F、X2Z8(SiO4)6O2、X2
Z8(PO4)6O2、Li2B4O7、La3Nb1-XGaXO
14、あるいはLiHo(WO4)2で表される単結晶を用
い、その基板上に、バッファー層を介さないで、直接エ
ピタキシャル成長させることで、結晶面の揺らぎが小さ
く、転位密度が低く、また表面粗さも小さいGaN膜を
得ることができた。この基板とエピタキシャル膜とから
成るエピタキシャルウェハを、例えば発光デバイスに適
用した場合、その発光特性の改善に大きく寄与すること
ができ、発光デバイスの材料として大いに有望である。
板の上に直接GaNを成長させているが、この発明に係
る単結晶基板の上にバッファー層を介在させた状態で、
上記の実施例1,2と同条件でGaNを成長させたとこ
ろ、上記の結果と同等、またはそれ以上の品質を備えた
GaNエピタキシャル膜を得ることができた。
基板とその上に成長させた窒化ガリウム系化合物半導体
結晶とから構成されるエピタキシャルウェハによれば、
一般構造式がA5(PO4)3F、X2Z8(SiO4)
6O2、X2Z8(PO4)6O2 、Li 2B4O7、La3Nb
1-XGaXO14、あるいはLiHo(WO4)2で表される
単結晶を基板として用いたので、単結晶基板と、その単
結晶基板上に成長させる窒化ガリウム系化合物半導体結
晶との間での格子整合性を大幅に改善することができ
た。このため、この単結晶基板上に成長させたエピタキ
シャル膜(窒化ガリウム系化合物半導体結晶)内の結晶
欠陥を大幅に低減することができ、したがってこのエピ
タキシャルウェハを例えば発光デバイスに適用した場
合、その発光特性の改善に大きく寄与することができ、
発光デバイスの材料として大いに有望である。
面の原子配列を示す図である。
である。
長させたときの原子配列を示す図である。
と、その格子不整合率とを示す図である。
と、その格子不整合率とを示す図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 単結晶基板とその上に成長させた窒化ガ
リウム系化合物半導体結晶とから構成されたエピタキシ
ャルウェハにおいて、 上記単結晶基板を、一般構造式がA5 (PO4 )3F で
表され構成元素Aが2A族元素であるアパタイト型六方
晶で構成し、その単結晶基板上に窒化ガリウム系化合物
半導体結晶をエピタキシャル成長させて成る、ことを特
徴とする単結晶基板とその上に成長させた窒化ガリウム
系化合物半導体結晶とから構成されたエピタキシャルウ
ェハ。 - 【請求項2】 上記単結晶基板の構成元素Aは、カルシ
ウム(Ca)あるいはストロンチウム(Sr)である、
ことを特徴とする請求項1に記載の単結晶基板とその上
に成長させた窒化ガリウム系化合物半導体結晶とから構
成されたエピタキシャルウェハ。 - 【請求項3】 単結晶基板とその上に成長させた窒化ガ
リウム系化合物半導体結晶とから構成されたエピタキシ
ャルウェハにおいて、 上記単結晶基板を、一般構造式がX2 Z8 (SiO4 )
6 O2 で表され構成元素Xが2A族元素、構成元素Zが
3A族希土類元素であるアパタイト型六方晶で構成し、
その単結晶基板上に窒化ガリウム系化合物半導体結晶を
エピタキシャル成長させて成る、ことを特徴とする単結
晶基板とその上に成長させた窒化ガリウム系化合物半導
体結晶とから構成されたエピタキシャルウェハ。 - 【請求項4】 上記単結晶基板の構成元素Xは、カルシ
ウム(Ca)あるいはストロンチウム(Sr)であり、
構成元素Zは、ランタン(La)あるいはイットリウム
(Y)である、ことを特徴とする請求項3に記載の単結
晶基板とその上に成長させた窒化ガリウム系化合物半導
体結晶とから構成されたエピタキシャルウェハ。 - 【請求項5】 上記単結晶基板は、上記一般構造式X2
Z8(SiO4 )6O2の内、SiO4をPO4で置き換え
て成る、ことを特徴とする請求項3または4に記載の単
結晶基板とその上に成長させた窒化ガリウム系化合物半
導体結晶とから構成されたエピタキシャルウェハ。 - 【請求項6】 単結晶基板とその上に成長させた窒化ガ
リウム系化合物半導体結晶とから構成されたエピタキシ
ャルウェハにおいて、 上記単結晶基板を、一般構造式がLi2B4O7 で表され
る酸化物単結晶で構成し、その単結晶基板上に窒化ガリ
ウム系化合物半導体結晶をエピタキシャル成長させて成
る、ことを特徴とする単結晶基板とその上に成長させた
窒化ガリウム系化合物半導体結晶とから構成されたエピ
タキシャルウェハ。 - 【請求項7】 単結晶基板とその上に成長させた窒化ガ
リウム系化合物半導体結晶とから構成されたエピタキシ
ャルウェハにおいて、 上記単結晶基板を、一般構造式がLa3Nb1-XGaXO
14 (0<X<1)で表される酸化物単結晶で構成し、
その単結晶基板上に窒化ガリウム系化合物半導体結晶を
エピタキシャル成長させて成る、ことを特徴とする単結
晶基板とその上に成長させた窒化ガリウム系化合物半導
体結晶とから構成されたエピタキシャルウェハ。 - 【請求項8】 単結晶基板とその上に成長させた窒化ガ
リウム系化合物半導体結晶とから構成されたエピタキシ
ャルウェハにおいて、 上記単結晶基板を、一般構造式がLiHo(WO4 )2
で表される酸化物単結晶で構成し、その単結晶基板上に
窒化ガリウム系化合物半導体結晶をエピタキシャル成長
させて成る、ことを特徴とする単結晶基板とその上に成
長させた窒化ガリウム系化合物半導体結晶とから構成さ
れたエピタキシャルウェハ。
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JPH11147791A true JPH11147791A (ja) | 1999-06-02 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006518104A (ja) * | 2003-02-19 | 2006-08-03 | キネテイツク・リミテツド | シリコン基板改質用バッファ構造 |
-
1997
- 1997-11-12 JP JP31051997A patent/JP3853942B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2006518104A (ja) * | 2003-02-19 | 2006-08-03 | キネテイツク・リミテツド | シリコン基板改質用バッファ構造 |
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