JPH1114761A - 太陽電池を備える時計 - Google Patents

太陽電池を備える時計

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JPH1114761A
JPH1114761A JP16584597A JP16584597A JPH1114761A JP H1114761 A JPH1114761 A JP H1114761A JP 16584597 A JP16584597 A JP 16584597A JP 16584597 A JP16584597 A JP 16584597A JP H1114761 A JPH1114761 A JP H1114761A
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JP
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liquid crystal
crystal polymer
solar cell
covering member
dial
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JP16584597A
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Inventor
Yasushi Kaneko
金子  靖
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Citizen Watch Co Ltd
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Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 太陽電池の発電効率を低下させず、かつ見や
すく、多様な色を有する被覆部材を提供し、太陽電池を
有する時計の文字板のカラー化に対応する。 【解決手段】 風防ガラスを有するケースと、指針を駆
動するムーブメントと、ムーブメントの風防ガラス側に
配置する太陽電池と、太陽電池の受光面側に配置する被
覆部材17とを備え、被覆部材17はコレステリック液
晶ポリマー12をベースフィルム11に塗布した液晶ポ
リマーシート13と拡散層15を有する透明基板14と
からなることを特徴とする太陽電池を備える時計。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は太陽電池を備える時
計の時刻表示手段である文字板の構成に関し、とくに太
陽電池の受光面側に設ける被覆部材の構成に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、太陽電池を有する時計用文字板の
太陽電池は、光を吸収して発電を行う関係上、風防ガラ
スの下面の文字板に、外から見えるような構造で使用す
るのが一般的な構成となっている。
【0003】このような構成では、太陽電池が独特の濃
紫の色を有するため、時計としての外観的な調和をとろ
うとすると、文字板の色やデザインを大きな制約を受け
ることになる。
【0004】そこで太陽電池の受光面側に被覆部材を配
置して太陽電池を見えなくすることが提案されている。
この被覆部材は、散乱性を有するプラスチック材料やセ
ラミックス材料のような透光性を有する材料で構成す
る。
【0005】そしてこの被覆部材は、被覆部材に照射さ
れる光の1/2から2/3の光は透過して太陽電池に照
射され、時計を駆動するための起電力が発生する。
【0006】このような手段では、文字板の色調は被覆
部材の色調である白、または、直接太陽電池の色調であ
る黒に限定されしまい、消費者のデザインに対する多様
な要求に対応することができない。
【0007】そこで、太陽電池の発電効率をあまり低下
させずに、太陽電池の表示色を改善するための手法が多
数開発されている。ここで、いくつかの従来技術を簡単
に説明する。第1の従来技術は、太陽電池上のガラス基
板に、誘電体多層膜を形成し、光の干渉作用により、特
定波長の光を反射させ、他の波長の光を透過する。しか
し、屈折率の異なる薄膜を数層から十数層も形成するた
め、非常に製造コストが高くなり、あまり実用化してい
ない。なお、この従来技術については、特開昭62−2
13283号公報に開示されている。
【0008】第2の従来技術は、太陽電池の前面に可視
光の特定波長を散乱する波長選択散乱層を設けた太陽電
池である。太陽電池の表示色は、選択散乱した波長領域
の光の色調となるが、他の波長領域の光は波長選択散乱
層を透過し、太陽電池の発電に寄与し、高効率で発電で
きる。
【0009】波長選択散乱層として、コレステリック液
晶、もしくはカイラルネマティック液晶、もしくはこれ
らの混合液晶、もしくはこれらをマイクロカプセル化し
たもの、またはコレステリックポリマーシートのいずれ
かを用いることが開示されている。なお、この従来技術
については、実開平4−97362号公報に開示されて
いる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の波長選
択散乱層を太陽電池の表面に設けたの太陽電池の表示色
を改善する手段では、太陽電池の表面がミラー状に反射
し、時計用の文字板としては非常に見ずらい上に、視角
により太陽電池表面の配線やキズが透けて見え、太陽電
池を備える時計へ応用することができなかった。
【0011】(発明の目的)本発明の目的は、上記課題
を解決して、太陽電池の効率を低下させずにカラフルな
色調で、かつ、時計用の文字板として見やすく、視角に
より太陽電池表面が透けて見えることもない文字板を構
成することにより、多様な色種類を有する太陽電池を備
える時計を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明における太陽電池を備える時計において
は、風防ガラスを有するケースと、指針を駆動するムー
ブメントと、ムーブメントの風防ガラス側に配置する太
陽電池と、太陽電池の受光面側に配置する被覆部材とを
備え、被覆部材はコレステリック液晶ポリマーをベース
フィルムに塗布した液晶ポリマーフィルムと拡散シート
とを有することを特徴とする。
【0013】また、本発明による太陽電池を備える時計
は、風防ガラスを有するケースと、指針を駆動するムー
ブメントと、ムーブメントの風防ガラス側に配置する太
陽電池と、太陽電池の受光面側に配置する被覆部材とを
備え、被覆部材はコレステリック液晶ポリマーをベース
フィルムに塗布した液晶ポリマーフィルムと表面に拡散
層を形成した透明基板とを有することを特徴とする。
【0014】また、本発明による太陽電池を備える時計
の被覆部材は、液晶ポリマーフィルムを複数枚備え、か
つこの液晶ポリマーフィルムの散乱中心波長がそれぞれ
異なることを特徴とする。
【0015】また、本発明による太陽電池を備える時計
の被覆部材は、液晶ポリマーフィルムを複数枚備え、か
つこの液晶ポリマーフィルムの散乱中心波長がほぼ等し
く、かつコレステリック液晶ポリマーのねじれ方向が逆
であることを特徴とする。
【0016】また、本発明による太陽電池を備える時計
の液晶ポリマーフィルムを、屈折率がベースフィルムと
ほぼ等しい粘着剤を用いて、太陽電池と接着することを
特徴とする。
【0017】(作用:図5、図6)本発明による太陽電
池を備える時計の作用について、図5と図6を用いて説
明する。コレステリック液晶ポリマーへの入射光は右旋
光と左旋光の2つの円偏光に別れ、一方の円偏光は全て
透過するが、他方の円偏光は、散乱中心波長λcを中心
に、散乱バンド幅Δλの光が選択散乱により反射し、黒
い紙や太陽電池の上に置いて、透過光を吸収すると、鮮
やかな反射色を得ることができる。
【0018】コレステリック液晶ポリマーの屈折率を
n、コレステリック液晶ポリマーのねじれピッチをPと
定義すると、散乱中心波長λc=n×Pとなり、コレス
テリック液晶ポリマーのねじれピッチPを調整すること
で、いろいろな反射色を得ることができる。
【0019】図6に、n=1.65、P=0.37μm
の左ねじれのコレステリック液晶ポリマーを使用した場
合のコレステリック液晶ポリマーをベースフィルムに塗
布した液晶ポリマーシートの透過率を実線で表示した曲
線2で示す。散乱中心波長λc=0.61μmを中心
に、0.56μm〜0.67μmの範囲の左旋光の円偏
光が反射され、オレンジ色の反射色を示し、反射光領域
の透過率は約50%に低下する。
【0020】しかし、散乱反射した反射色は、ミラー状
で非常に見にくい上、視角により選択散乱光量が変化
し、透明度も変化するので、太陽電池の上の配線やキズ
が見えてしまう。そこで、液晶ポリマーシート上に拡散
シートや拡散層を設けた透明基板を配置し、選択散乱に
よる反射光を拡散させることで、ミラー状の表示が、磨
りガラス越しの様なやわらかい色調になり、文字板とし
て、見やすくなる。
【0021】さらに、拡散シートによる文字の遮蔽効果
に加え、視角による色彩や透明度の変化が少なくなり、
太陽電池上の配線やキズが見えるのを防ぐことができ
る。拡散層を塗布した透明基板を、液晶ポリマーシート
の上に配置した状態である被覆部材の透過率を点線で表
す曲線3に示す。液晶ポリマーシートの透過率である曲
線2と比較し、透過率は10%程度しか低下せず、可視
光全域での平均透過率は60%以上と非常に高い。
【0022】非単結晶型(アモルファス)太陽電池の発
電効率を図5の実線で示した曲線1に示す。波長0.5
5μm付近に発電効率のピークを示すが、可視光全域で
発電している。したがって、本実施の形態の被覆部材を
透過しても、太陽電池の発電効率はほとんど低下せず、
良好な発電を行うことが可能である。
【0023】また、液晶ポリマーシートのベースフィル
ムの材料であるトリアセチルセルロース(TAC)フィ
ルムと太陽電池の間に空気層が存在すると、選択散乱し
なかった透過光が完全に太陽電池に吸収されず、空気層
での反射光が選択散乱光に加算され、反射色の色彩が低
下する。そこで、TACフィルムの屈折率は1.487
であるので、屈折率が1.5前後の粘着剤を用いて液晶
ポリマーシートと太陽電池を接着することで、液晶ポリ
マーシートを透過した光の空気層での反射を押さえ、選
択散乱波長以外の光を太陽電池に完全に吸収させること
で、文字板の色彩をより鮮やかにすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下図面を用いて本発明を実施す
るための最良な形態における太陽電池を備える時計の文
字板の構成と効果を説明する。
【0025】(第1の実施の形態:図1,図3,図4)
まずはじめに本発明の実施形態における太陽電池を備え
る時計の文字板の構成を、図1と図3と図4とを用いて
説明する。図1は本発明の実施形態における太陽電池を
備える時計の文字板を構成する被覆部材17を示す断面
図であり、図3は本発明の実施形態における文字板21
を時計に組み込んだ状態を示す断面図であり、図4は本
発明の実施形態における文字板21を示す平面図であ
る。以下、図1と図3と図4とを交互に参照して太陽電
池を備える時計の文字板の構成を説明する。
【0026】図3に示すように、透明ガラスやサファイ
アから構成する風防ガラス23を設けるケース25内
に、ムーブメント27を設ける。このムーブメント27
は指針29を駆動する。
【0027】このムーブメント27内には、図3には図
示しないが、太陽電池19の起電力を貯蔵する電気二重
層コンデンサーあるいは2次電池や、時間基準源として
水晶振動子や、水晶振動子の発振周波数をもとに時計を
駆動する駆動パルスを発生する半導体集積回路や、この
駆動パルスを受けて輪列機構を1秒ごとに指針29を駆
動するステップモーターや、輪列機構などを備えてい
る。
【0028】ケース25には、樹脂材料からなる第2の
パッキング39を介して、風防ガラス23を取り付け、
時計内にチリやホコリや水分の侵入を防止する気密構造
にしている。
【0029】さらにケース25の風防ガラス23と反対
側の面に溝を設け、その溝内にゴム材料からなる第1の
パッキング37を設ける。そして、裏蓋35とケース2
5との間に配置する第1のパッキング37によって、時
計内にチリやホコリや水分の侵入を防止する気密構造に
している。
【0030】そして時計の時刻表示手段として文字板2
1は、太陽電池19と被覆部材17とからなり、風防ガ
ラス23の下面側に配置する。そして、文字板21の受
光面側には、被覆部材17を介してムーブメント27を
駆動するための起電力を発生する太陽電池19を備えて
いる。
【0031】太陽電池19は、光エネルギーを電気エネ
ルギーに変換する機能を有する。そして太陽電池19
は、非単結晶シリコン薄膜にp型の不純物とn型の不純
物とを選択的に導入し、さらにp型の非単結晶シリコン
薄膜とn型の非単結晶シリコン薄膜との間に不純物濃度
の低いi型の非単結晶シリコン薄膜を有するpin構造
をもつ。
【0032】そしてこの太陽電池19は、4つの太陽電
池を直列に接続して、2.1Vから2.3Vの起電力を
得ている。
【0033】そしてさらに太陽電池19の受光面側に
は、被覆部材17を設ける。なお図4の平面図に示すよ
うに、被覆部材17のおもて面には、時刻の5分ごとや
1分ごとの時刻目盛りや文字やマークを設ける。
【0034】さらに被覆部材17には、12時位置と6
時位置にそれぞれ突起部47を設ける。さらにまたこの
被覆部材17の突起部47に対応する凹部を中枠33に
設け、そのうえさらにこの中枠33には被覆部材17に
対応する段差を設ける。
【0035】そして被覆部材17の突起部47と中枠3
3の凹部とを位置合わせして、ムーブメント27に対す
る文字板21の位置を規制している。
【0036】さらに被覆部材17には、時針を駆動する
筒車と、分針を駆動する筒カナと、秒針を駆動する秒針
車とを突出するための中心穴41を設ける。
【0037】さらにまた被覆部材17には、日付を表示
するための日板や、曜日を表示するための曜日板を、被
覆部材17から覗かせるための窓部43を設けている。
【0038】中枠33はムーブメント27と被覆部材1
7と太陽電池19とをケース25に保持する働きをも
ち、中枠33は樹脂材料で構成する。そしてケース25
の開口内に中枠33を介して、被覆部材17と太陽電池
19とムーブメント27とを収納する。
【0039】前述のように中枠33には、被覆部材17
の板厚と同じ寸法の段差を設け、この中枠33の段差に
被覆部材17を落とし込むように収納している。このた
めに、ケース25や見切り31と接触する面側は、中枠
33と被覆部材17との高さが揃い、ほぼ同一平面とな
る。
【0040】さらに中枠33には、被覆部材17を収納
する段差の下側に太陽電池19を収納するための開口を
設け、被覆部材17の下面に太陽電池19を配置してい
る。
【0041】そして被覆部材17と太陽電池19とムー
ブメント27とを保持する中枠33の風防ガラス23と
反対側の端面領域を裏蓋35で押圧することにより、見
切り31とケース25に被覆部材17を押しつけるよう
に接触させている。
【0042】見切り31は被覆部材19の外周領域を覆
い、時計の化粧板としての役割をもつ。そしてこの見切
り31はケース25と異なる材料で構成したり、見切り
31表面をダイヤモンド工具を用いて研削加工して、そ
の表面を鏡面にしている。
【0043】(被覆部材の説明:図1)本発明の実施の
形態の被覆部材17は、図1に示す様に、ベースフィル
ム11上にコレステリック液晶ポリマー12を塗布した
液晶ポリマーシート13と、拡散層15を表面に塗布し
た透明基板14で構成する。
【0044】液晶ポリマーシート13は、トリアセチル
セルロース(TAC)フィルムで厚さ80μmのベース
フィルム11に、配向処理を行い、その上にコレステリ
ック液晶ポリマー13を塗布し、所望の色彩の選択散乱
が発生するようにねじれピッチを調節し、固形化させた
シートである。
【0045】透明基板14は、厚さ0.5mmのアクリ
ル板の表面に、時刻の5分ごとや1分ごとの時刻目盛り
や文字やマークを印刷した後に、シリカ粒子を接着剤に
混入した拡散層15を塗布してある。さらに、拡散層1
4の表面に、1時間毎の時刻目盛り用の金属片を接着し
て、高級感のある文字板としている。
【0046】液晶ポリマーシート13は、太陽電池19
に粘着剤(図示せず)を用いて接着してある。粘着剤
は、液晶表示装置用偏光板をガラスに接着する際に用い
る化学糊を用いた。透明基板14と液晶ポリマーシート
13は置いてあるだけで、間に空気層が存在している
が、接着しても問題はない。
【0047】(具体例の説明:図1,図5,図6)つぎ
に本発明の第1の実施の形態における文字板の色彩を表
示する具体例について説明する。コレステリック液晶ポ
リマー12は、ピッチ0.38μmで、ベースフィルム
11に平行なプレーナ配向しており、ねじれ中心軸はベ
ースフィルム11に対して垂直方向となっている。
【0048】入射光は右旋光と左旋光の2つの円偏光に
別れ、一方の円偏光は全て透過するが、他方の円偏光
は、散乱中心波長λcを中心に、散乱バンド幅Δλの光
が選択散乱により反射し、鮮やかな色彩を得ることがで
きる。コレステリック液晶ポリマーの屈折率をn、コレ
ステリック液晶ポリマーのねじれピッチをPと定義する
と、散乱中心波長λc=n×Pとなる。本発明の実施の
形態では、n=1.65、P=0.37μmの左ねじれ
のコレステリック液晶ポリマーを使用したので、散乱中
心波長λc=0.61μmとなり、オレンジ色の反射色
を呈する。
【0049】図6に本発明の実施の形態で用いた液晶ポ
リマーシート13の透過率を実線で示した曲線2で示
す。散乱中心波長λc=0.61μmを中心に、0.5
6μm〜0.67μmの範囲の左旋光の円偏光が反射さ
れ、透過率は約50%に低下する。さらに、拡散層15
を塗布した透明基板14を、液晶ポリマーシート13の
上に配置した状態である被覆部材17の透過率を点線で
示す曲線3に示す。液晶ポリマーシートの透過率2と比
較し、透過率は10%程度しか低下せず、可視光全域で
の平均透過率は60%以上と非常に高い。
【0050】本発明の実施の形態で用いた非単結晶型
(アモルファス)太陽電池19の発電効率を図5の実線
で示した曲線1に示す。波長0.55μm付近に発電効
率のピークを示すが、可視光全域で発電している。した
がって、本発明の実施形態の被覆部材17を透過して
も、太陽電池19の発電効率はあまり低下せず、良好な
発電を行うことが可能である。
【0051】さらに、コレステリック液晶ポリマー12
で選択散乱した波長0.56μm〜0.67μm以外の
領域の光は、太陽電池19に吸収されるため、液晶ポリ
マーシート13の色彩は、ミラー的なオレンジ色とな
る。さらに見る角度によっては、透けて太陽電池19が
見えてしまう。
【0052】そこで、液晶ポリマーシート13の外側
に、拡散層15を設けることで、ミラー的な色彩を拡散
層15で散乱させることで、ミラー状の表示が磨りガラ
ス越しの様なやわらかい色調となり、文字板として見や
すくなる。
【0053】さらに、拡散層15による文字の遮蔽効果
に加え、視角による色彩や透明度の変化が少なくなり、
太陽電池19上の配線やキズが見えるのを防ぐことがで
き、太陽電池を備える時計用の良好なカラー文字板とな
る。拡散層15の散乱度としては、ヘイズ値50〜90
が好ましく、また全光線透過率は80〜90%と比較的
高いものが好ましい。
【0054】本発明の実施の形態では、アクリル板の透
明基板14に、シリカ粒子を接着材に混入した拡散層1
5を塗布したが、この拡散層15は、アクリルビーズや
カルシウム粉等の粒子を接着剤に分散しても良いし、あ
るいは拡散シートを張り付けても良いし、あるいは、透
明基板15の表面にエンボス加工を行なってもよい。
【0055】また、液晶ポリマーシート13のベースフ
ィルム11の材料であるTACフィルムの屈折率は1.
487であるので、屈折率が1.5前後の粘着剤を用い
て液晶ポリマーシート13と太陽電池19を接着するこ
とによって、液晶ポリマーシート13を透過した光の空
気層での反射を押さえ、選択散乱波長以外の光を太陽電
池19に完全に吸収させることで、文字板の色彩をより
鮮やかにすることができる。
【0056】このように、選択散乱するコレステリック
液晶ポリマー13を太陽電池19の受光面にただ置くだ
けでなく、拡散層15を塗布した透明基板14とのサン
ドイッチ構造とすることで、太陽電池19の発電効率を
あまり低下させないで、しかも、太陽電池19が透けて
見えず、さらに良好で見やすいカラー表示が可能な時計
用文字板となる。
【0057】(第1の実施の形態の変形例の説明)本発
明の実施の形態においては、ピッチP=0.37μmの
コレステリック液晶ポリマーを用いてオレンジ色のカラ
ー文字板としたが、ピッチPを変えることで、文字板の
色調は任意に変えることができる。たとえば液晶ピッチ
P=0.3μm(選択散乱中心波長λc=0.49μ
m)では青色表示文字板が、P=0.32μm(λc=
0.53μm)では、緑表示文字板が得られた。
【0058】また、本発明の実施の形態では、屈折率が
約1.5の粘着剤を用いて、液晶ポリマーシート13と
太陽電池19を接着したが、粘着剤の屈折率がベースフ
ィルム11の屈折率と異なっていても、ある程度の効果
は得られる。さらに、反射色の彩度は若干低下するが、
液晶ポリマーシート13と太陽電池19を接着しなくて
も、同様なカラー表示が可能な時計用文字板も、もちろ
ん可能である。
【0059】(第2の実施の形態:図2)つぎに本発明
の第2の実施の形態の太陽電池を備える時計の構成につ
いて図2を用いて説明する。第2の実施の形態の太陽電
池を備える時計は、被覆部材17の構成が第1の実施の
形態と異なる以外は、第1の実施の形態の構成と同一で
ある。
【0060】本発明の第2の実施の形態の被覆部材17
は、図2の断面図に示すように、ベースフィルム11上
にコレステリック液晶ポリマー13を塗布した液晶ポリ
マーシート13と、第2のベースフィルム51上に選択
散乱波長の異なる第2のコレステリック液晶ポリマー5
2を塗布した第2の液晶ポリマーシート53を粘着剤5
4で接着してある。
【0061】第2の液晶ポリマーシート53上に、時刻
の5分ごとや1分ごとの時刻目盛りや文字やマークを印
刷し、その上に厚さ0.1mmの拡散シート16を配置
してある。この拡散シート16としては、ポリエステル
樹脂や、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂があ
り、さらにそれらの樹脂の表面にエンボス加工した物
や、樹脂表面にシリカやカルシウムやアクリルビーズ等
を塗布した物などが使用可能である。拡散シート16の
散乱度としては、ヘイズ値50〜90が好ましく、また
全光線透過率は80〜90%と比較的高いものが好まし
い。
【0062】本発明の実施の形態では、第2の液晶ポリ
マーシート53に、時刻の5分ごとや1分ごとの時刻目
盛りや文字やマークを印刷したが、拡散シート16に印
刷しても、あるいは、拡散シート16の外側に透明のプ
ラスチックシートや貝殻シートを配置し、それらに時刻
目盛りや文字やマークを印刷することも可能である。
【0063】液晶ポリマーシート13は、太陽電池19
に粘着剤(図示せず)を用いて接着してある。粘着剤
は、偏光板をガラスに接着する際に用いる粘着糊を用い
た。透明基板14と液晶ポリマーシート13は置いてあ
るだけで、間に空気層が存在しているが、接着しても問
題はない。
【0064】(具体例の説明:図2,図7)つぎに本発
明の第2の実施の形態における文字板の効果について説
明する。コレステリック液晶ポリマー12は、ピッチ
0.38μmで、ベースフィルム11に平行なプレーナ
配向しており、ねじれ中心軸はベースフィルム11に対
して垂直方向となっている。
【0065】入射光は右旋光と左旋光の2つの円偏光に
別れ、一方の円偏光は全て透過するが、他方の円偏光
は、散乱中心波長λcを中心に、散乱バンド幅Δλの光
が選択散乱により反射し、鮮やかな色彩を得ることがで
きる。コレステリック液晶ポリマー12の屈折率をn、
コレステリック液晶ポリマー12のねじれピッチをPと
定義すると、散乱中心波長λc=n×Pとなる。本発明
の実施の形態では、n=1.65、P=0.37μmの
左ねじれのコレステリック液晶ポリマー12を使用した
ので、散乱中心波長λc=0.61μmとなり、液晶ポ
リマーシート13単独ではオレンジ色の反射色を呈す
る。
【0066】第2のコレステリック液晶ポリマー53
は、屈折率n=1.65で、ねじれピッチP=0.32
μmの左ねじれである。したがって、散乱中心波長λc
=0.53μmとなって、液晶ポリマーシート54単独
では緑色の反射色を呈する。
【0067】図7に本発明の実施の形態で用いた液晶ポ
リマーシート13の透過率を実線で示した曲線2で、第
2の液晶ポリマーシート53の透過率を一点鎖線で示し
た曲線4で示す。液晶ポリマーシート13の透過率は、
散乱中心波長λc=0.61μmを中心に、0.56μ
m〜0.67μmの範囲の左旋光の円偏光が反射され、
透過率は約50%に低下する。第2の液晶ポリマーシー
ト53の透過率は、散乱中心波長λc=0.53μmを
中心に、0.49μm〜0.59μmの範囲の左旋光の
円偏光が反射され、透過率はやはり約50%に低下す
る。
【0068】液晶ポリマーシート13と第2の液晶ポリ
マーシート53を粘着剤54で接着し、さらに、拡散シ
ート16を配置した状態である被覆部材17の透過率を
点線で示す曲線5に示す。波長0.49μm〜0.67
μmの選択散乱波長領域でも40%以上の透過率が得ら
れており、本発明の実施の形態で用いているアモルファ
ス太陽電池19でも、高い発電効率が得られる。
【0069】また、コレステリック液晶ポリマー12と
第2のコレステリック液晶ポリマー53で選択散乱した
波長0.49μm〜0.67μm以外の領域の光は、太
陽電池19に吸収される。このため、液晶ポリマーシー
トの色彩は、ミラー的な金色となる。さらに見る角度に
よっては、透けて太陽電池19が見えてしまう。
【0070】そこで、第2の液晶ポリマーシート53の
外側に、拡散シート16を設けることで、ミラー的な色
彩を拡散シート16で散乱させることで、視野角依存性
の少ない、良好な見やすいカラー表示に変えることがで
きる。さらに、太陽電池19が透けて見えることも防
ぎ、良好なカラーの文字板となる。
【0071】また、液晶ポリマーシート13のベースフ
ィルム11の材料であるTACフィルムの屈折率は1.
487であるので、屈折率が1.5前後の粘着剤を用い
て液晶ポリマーシート13と太陽電池19を、液晶ポリ
マーシート13と第2の液晶ポリマーシート53をそれ
ぞれ接着することで、各シートを透過した光の空気層で
の反射を押さえ、選択散乱波長領域以外の波長の光を太
陽電池19に完全に吸収させることで、文字板の色彩を
より鮮やかにすることができる。
【0072】このように、選択散乱する液晶ポリマーシ
ート13と第2の液晶ポリマーシート53を重ね合わせ
ることで、任意の色彩の文字板が得られ、さらに液晶ポ
リマーシートと太陽電池19と拡散シート16とのサン
ドイッチ構造とすることで、太陽電池19の発電効率を
あまり低下させないで、かつ、太陽電池19が透けて見
えず、さらに良好で見やすいカラー表示が可能な時計用
文字板となる。
【0073】(第2の実施の形態の変形)本発明の実施
の形態においては、散乱中心波長λcの異なる2枚の液
晶ポリマーシートを重ねたが、3枚以上でも同様な効果
がえられる。たとえば、コレステリック液晶ポリマーの
ピッチP=0.3μm(選択散乱中心波長λc=0.4
9μm)、P=0.32μm(λc=0.53μm)、
P=0.37μm(λc=0.62μm)の三枚の液晶
ポリマーシートを重ねたところ、ほぼ白色の文字板が得
られ、かつ、透過率が従来のセラミック文字板より高
く、良好な発電効率が得られた。
【0074】また、散乱中心波長λcがほぼ等しく、コ
レステリック液晶ポリマーのねじれ方向が逆回りの液晶
ポリマーシートを2枚重ねると、反射光量が2倍に増加
し、さらに明るい表示色が得られる。しかし、この場
合、散乱中心波長λc付近の透過率はほぼ0%となるの
で、図5の曲線1で示した太陽電池19の発電効率の波
長依存性を考慮し、発電効率の良い波長である0.55
μm付近から散乱中心波長λcをずらす方が好ましい。
【0075】コレステリック液晶ポリマー12のピッチ
P=0.37μm(λc=0.62μm)の左ねじれの
液晶ポリマーシート13と、第2のコレステリック液晶
ポリマー52のピッチP=0.37μm(λc=0.6
2μm)の右ねじれの第2の液晶ポリマーシート53を
2枚重ねることで、オレンジ色の明るい反射色で、か
つ、良好な太陽電池19の発電効率が得られた。
【0076】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の太陽電池を備える時計文字板の被覆部材においては、
コレステリック液晶ポリマーの外側に、拡散層や拡散シ
ートを備えることにより、ミラー状に反射するコレステ
リック液晶ポリマーの選択散乱光を見やすく改善し、さ
らに太陽電池表面の配線やキズが視角により透過して見
えることを防ぐことができる。
【0077】さらに、本発明の被覆部材を用い、太陽電
池の効率を低下させずにカラフルな色調で、かつ、時計
用の文字板として見やすい文字板を構成することによ
り、多様な色種類を有する太陽電池を備える時計を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における太陽電池を備
える時計の被覆部材の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態における太陽電池を備
える時計の被覆部材の構成を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態における太陽電池を備える時
計の文字板を適用した時計を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態における太陽電池を備える時
計およびその時計の文字板の平面図である。
【図5】本発明の実施形態における太陽電池の発電効率
を示すグラフである。
【図6】本発明の第1の実施形態におけるコレステリッ
ク液晶ポリマーと被覆部材の透過率を示すグラフであ
る。
【図7】本発明の第2の実施形態におけるコレステリッ
ク液晶ポリマーと被覆部材の透過率を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
11 ベースフィルム 12 コレステリック液晶ポリマー 13 液晶ポリマーシート 15 拡散層 16 拡散シート 17 被覆部材 19 太陽電池 21 文字板 27 ムーブメント 51 第2のベースフィルム 52 第2のコレステリック液晶ポリマー 53 第2の液晶ポリマーシート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 風防ガラスを有するケースと、指針を駆
    動するムーブメントと、ムーブメントの風防ガラス側に
    配置する太陽電池と、太陽電池の受光面側に配置する被
    覆部材とを備え、 被覆部材はコレステリック液晶ポリマーをベースフィル
    ムに塗布した液晶ポリマーフィルムと拡散シートとを有
    することを特徴とする太陽電池を備える時計。
  2. 【請求項2】 風防ガラスを有するケースと、指針を駆
    動するムーブメントと、ムーブメントの風防ガラス側に
    配置する太陽電池と、太陽電池の受光面側に配置する被
    覆部材とを備え、 被覆部材はコレステリック液晶ポリマーをベースフィル
    ムに塗布した液晶ポリマーフィルムと表面に拡散層を形
    成した透明基板とを有することを特徴とする太陽電池を
    備える時計。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の被覆部
    材は、 液晶ポリマーフィルムを複数枚備え、かつ液晶ポリマー
    フィルムの散乱中心波長がそれぞれ異なることを特徴と
    する太陽電池を備える時計。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の被覆部
    材は、 液晶ポリマーフィルムを複数枚備え、かつ液晶ポリマー
    フィルムの散乱中心波長がほぼ等しく、かつコレステリ
    ック液晶ポリマーのねじれ方向が逆であることを特徴と
    する太陽電池を備える時計。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2または請求項3
    または請求項4に記載の液晶ポリマーフィルムは、 屈折率がベースフィルムとほぼ等しい粘着剤を用いて、
    太陽電池に接着することを特徴とする太陽電池を備える
    時計。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002033483A1 (fr) * 2000-10-17 2002-04-25 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Affichage a cristaux liquides et son procede de production
EP1249338A3 (en) * 2001-04-12 2005-12-14 Sumitomo Chemical Company, Limited Outer covering for solar battery

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