JPH11147183A - チタンハニカムの製造方法 - Google Patents

チタンハニカムの製造方法

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JPH11147183A
JPH11147183A JP9326912A JP32691297A JPH11147183A JP H11147183 A JPH11147183 A JP H11147183A JP 9326912 A JP9326912 A JP 9326912A JP 32691297 A JP32691297 A JP 32691297A JP H11147183 A JPH11147183 A JP H11147183A
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克憲 松岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1に、強度,耐熱性,耐食性等に優れ、第
2に、安全性にも優れ、第3に、エロージョン現象や金
属間化合物層も発生せず、第4に、接合不良も防止さ
れ、第5に、異種金属の介在による耐食性低下も回避さ
れ、第6に、正確,均一,簡単に接合がコントロールで
き、第7に、軽量化も促進され、第8に、コスト面に優
れ、第9に、拡散接合により一段と強度が向上し、第1
0に、低荷重での拡散接合が可能で、第11に、短時間
でも可能であり、第12に、接合強度に優れ、第13
に、事前の酸化皮膜除去のための表面洗浄も不要で、第
14に、展張もスムーズ化される、チタンハニカムの製
造方法を提案する。 【解決手段】 純チタンやチタン合金を母材2として用
いると共に、そのβ変態点やβ変態域の温度以上で加
熱,加圧することにより、重積された母材2間を条線状
に拡散接合した後、展張することにより、チタンハニカ
ム1を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チタンハニカムの
製造方法にに関する。すなわち、純チタンやチタン合金
を母材とすると共に、中空柱状の多数のセルの平面的集
合体よりなる、チタンハニカムの製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】中空柱状の多数のセルの平面的集合体よ
りなるハニカムコアは、重量比強度に優れるのを始め各
種の優れた特性を備えており、各種の構造材として広く
用いられている。このようなハニカムコアの母材として
は、用途に応じ金属,プラスチック,紙等が用いられて
いるが、金属としてはアルミ(合金)が代表的である。
そして、例えばアルミハニカムは、他の一般的なハニカ
ムコアと同様、従来、展張方式やコルゲート方式にて製
造されており、セル壁間の条線接合は、接着やろう付け
により行われていた。展張方式では、まず、母材たるア
ルミ(合金)箔に条線状に接着剤又はろう材を塗布した
後、多数枚を、塗布された接着剤又はろう材が半ピッチ
ずつずれた位置関係で重積し、それから、加熱,加圧し
て相互間を接着又はろう付けした後、重積方向に引張力
を加えて展張する。これにより、展張されたアルミ(合
金)箔をセル壁とし、セル壁にて区画形成された中空柱
状の多数のセルの平面的集合体よりなる、アルミハニカ
ムを製造していた。これに対しコルゲート方式では、ま
ず、母材たるアルミ(合金)箔を波板に成形した後、多
数枚の波板を、波の半ピッチ分ずつずらせ谷部と頂部と
を合わせる位置関係で重積した後(なお、更にアルミ
(合金)箔の平板が各波板間に介装されることもあ
る)、加熱,加圧することにより、塗布,介装された接
着剤又はろう材にて相互間を条線状に接着又はろう付け
する。これにより、重積された波板をセル壁とし、セル
壁にて区画形成された中空柱状の多数のセルの平面的集
合体よりなる、アルミハニカムを製造していた。
【0003】ところで、このようなアルミハニカムその
他の金属製ハニカムコアを構造材として用いる分野、例
えば航空機の構造材,構造部品等の分野では、より一層
の軽量化,高強度,耐食性,耐熱性等が求められている
状況にある。そこで、航空機等の分野では、これらの性
能に極めて優れた母材として、アルミ(合金)やステン
レス等に代え、チタン(合金)の採用が進展しつつあ
る。しかしながら、純チタンやチタン合金を母材とした
ハニカムコア、つまりチタンハニカムコアについては、
次に述べるように種々の問題が存し、現状では実用化に
至ってない状況にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、チタンハニ
カムについては、従来、次のような問題が指摘されてい
た。まず、接着剤を用いて条線状に接着してから展張す
る、前述した展張方式にて製造されるチタンハニカムに
ついては、次のとおり。第1に、一般的に展張方式はコ
ルゲート方式に比べ、加熱接着されるまで母材がブロッ
ク状に重積されているので、その分、スペースを取らず
に製造可能であり、大型のチタンハニカムの製造やチタ
ンハニカムの大量生産に適している、という利点があ
る。しかしながら、接着剤を用いる展張方式について
は、チタンハニカムの性能が接着剤の性能に支配されて
しまう、という致命的な問題が指摘されていた。すなわ
ち、製造されたチタンハニカムの全体的な強度,耐熱
性,耐食性等が、セル壁間の部分的な条線接着のために
用いられた接着剤の強度,耐熱性,耐食性等にて、支
配,決定されてしまっていた。このように、接着剤を用
い展張方式にて製造されたチタンハニカムは、母材たる
純チタンやチタン合金本来の基本性能、つまり優れた強
度,耐熱性,耐食性等が生かされず、強度,耐熱性,耐
食性等の性能面に難点が指摘されることになる。
【0005】第2に、この接着剤を用いた展張方式で
は、製造に際し、まず母材たる純チタンやチタン合金
を、毒性が強く有害な有機溶剤,アルカリ,強酸等で、
前処理洗浄することを要する。すなわち、事後の接着に
備え、予め母材たる純チタン表面やチタン合金表面の油
脂分やゴミ等を除去しておくために、毒性の強い有害物
質を必須的に使用しなければならず、製造に危険が伴
い、安全性に問題が指摘されることになる。更に、製造
時の加熱,加圧による条線接着に際し、溶融,硬化され
た接着剤から有毒ガスが発生し、この面からも製造に危
険が伴い、安全性に問題が指摘されることになる。な
お、このような接着剤を用い展張方式にて製造されるチ
タンハニカムに関する問題は、接着剤を用いコルゲート
方式にて製造されるチタンハニカムに関しても、全く同
様に指摘される。
【0006】接着剤を用いて条線状に接着されると共
に、展張方式やコルゲ─ト方式にて製造されるチタンハ
ニカムについては、このように第1,第2の問題が指摘
され、もって、実用化には至っていなかった。(なお、
このような第1,第2問題は、チタンハニカムに限ら
ず、アルミハニカムその他の金属製ハニカムについて、
一般的に指摘されていた問題でもある。)次に、上述し
た接着剤に代えろう材を用いて条線状にろう付けされ、
もって展張方式やコルゲ─ト方式にて製造されるチタン
ハニカムについても、次の種々の問題が指摘されてい
た。
【0007】まず第1に、このチタンハニカムは、ろう
材を用いてセル壁間がろう付けされるが、ろう付けに際
し、エロージョン現象や金属間化合物層が生じやすい、
という問題が指摘されていた。すなわち、製造時の加
熱,加圧による条線ろう付けに際し、ろう付け対象の母
材たる純チタンやチタン合金(そして波板やセル壁)に
ついて、ろう材に浸食されてエロージョン現象が発生
し、表面に機械的な小片剥離,浸食,穴等が発生しやす
くなる。更に、ろう付けに際し、ろう付け対象の母材た
る純チタンやチタン合金(そして波板やセル壁)間に、
母材とろう材が溶融,反応した脆い金属間化合物層が生
成しやすくなる。このように、ろう材を用いたチタンハ
ニカムについては、展張方式であるとコルゲート方式で
あるとを問わず、製造時にそのセル壁について、エロー
ジョン現象の問題や金属間化合物層の生成による脆化の
問題があり、この面から強度そして品質に難点が生じや
すくなる。つまり、チタンハニカムについて、母材たる
純チタンやチタン合金の優れた基本性能の1例たる強度
が生かされず、強度に問題が指摘されることになる。
【0008】第2に、このようなエロージョン現象や金
属間化合物層の発生をおさえるためには、加熱,加圧に
よるろう付けを、極く短時間のうちに行わなければなら
なくなる。しかしながら、それではろう付けが不完全と
なりやすく、特に、展張方式にてチタンハニカムを製造
する際は、加熱,加圧時にブロック状に重積された母材
について、ブロック中心部がろう付け温度に達せず、ろ
う付けされなくなる事態も発生してしまう。このよう
に、ろう材を用いたチタンハニカムは、そのセル壁間の
条線ろう付け不良,接合不良が発生しやすく、この面か
らも、強度そして品質に問題が指摘されることになる。
【0009】第3に、このようにろう材を用いて条線状
にろう付けされたチタンハニカムについては、更に、耐
食性にも問題が指摘される。すなわち、母材たる純チタ
ンやチタン合金とろう材とは異種の金属材料よりなる
が、条線ろう付け箇所において、純チタンやチタン合金
を母材としたセル壁間に、これとは異種金属たるろう材
が介在し,接していることに起因して、耐食性に問題が
生じることになる。つまりチタンハニカムについて、母
材たる純チタンやチタン合金の優れた基本性能の1例た
る耐食性が生かされず、耐食性に問題が指摘されること
になる。
【0010】第4に、ろう材の母材に対する付着性を向
上させる為に、有害物質たるバインダーが使用されるこ
とも多い。そこで、バインダー自体が毒性を帯びた有害
物質であることに加え、ろう付け時の加熱,加圧によ
り、バインダーから有害物質や有毒ガスが発生すること
もあり、製造に危険が伴い、安全性にも問題が指摘され
るようになる。
【0011】第5に、ろう材としては、粉末状やペース
ト状のろう材が使用されることが多いが、このようなろ
う材を、ろう付け対象の純チタンやチタン合金よりなる
母材(そして波板)に塗布する際、条線状への位置決め
や塗布量の制御が容易でない、という問題も指摘されて
いた。すなわち、展張方式で製造する場合は、ペースト
状のろう材が使用されることが多いが、このようなペー
スト状のろう材は流れやすく、純チタンやチタン合金よ
りなる母材に正確に条線状に塗布することが容易でない
と共に、そのまま条線状に位置決め保持するのが非常に
困難である。又、コルゲート方式で製造する場合は、粉
末状やペースト状のろう材を、純チタンやチタン合金を
母材とした波板のろう付け対象部たる谷部や頂部に対
し、条線状に正確,均一に塗布すること、つまりろう材
の塗布量を制御することが容易でない。このように、粉
末状やペースト状のろう材を用いたチタンハニカムは、
ろう材の条線位置決めや塗布量の制御が正確に行いにく
く、ろう付け位置のコントロールが困難化し、品質が不
安定化しやすい。
【0012】第6に、そこでろう材を用いつつコルゲー
ト方式にてチタンハニカムを製造する場合は、このよう
な粉末状やペースト状のろう材に代え、ブレージングシ
ートつまり予め板状とされたろう付け用のろう材たるク
ラッド材を用い、これを母材間に介装することも考えら
れる。しかしながらブレージングシートは、100μm
以下の肉厚のものが現状では得られがたく、重量が非常
に重い。そこで、このようなブレージングシートをろう
材として用い、コルゲート方式にて製造されるチタンハ
ニカムについては、軽量化が困難であり、重量面に問題
が指摘されることになる。
【0013】第7に、なおコルゲート方式にてチタンハ
ニカムコアを製造する場合は、上述したようにろう材を
用い条線状にろう付けするのではなく、スポット溶接を
用いることも考えられる。すなわち、純チタンやチタン
合金よりなる母材を波板に成形した後、重積した波板間
を条線方向に沿いスポット溶接して、チタンハニカムを
製造することも可能であるが、スポット溶接箇所が非常
に多くなるので、極めてコスト高になるという問題が生
じることになる。
【0014】ろう材やスポット溶接等を用い、展張方式
やコルゲート方式にて製造されるチタンハニカムについ
ては、このように第1,第2,第3,第4,第5,第
6,第7等の問題が指摘され、もって、前述した接着剤
を用い展張方式やコルゲート方式にて製造されるチタン
ハニカムと同様、実用化されるには至っていなかった。
(なお、このような第1,第2,第3,第4,第5,第
6,第7の問題は、チタンハニカムに限らず、アルミハ
ニカムその他の金属製ハニカムについて、一般的に指摘
されていた問題でもある。)
【0015】ところで、ニッケル,ステンレス,純チタ
ン,チタン合金等々に関し、その接合方法としては、前
述した接着,ろう付け,スポット溶接等のほか、拡散接
合も知られている。そして、この拡散接合については、
まず第1に、事前に、地肌表面の酸化皮膜を除去する厳
格な表面洗浄を必須的に要し、例えばフッ素洗浄を必須
的に要し、極めて手間がかかるという問題が知られてい
る。第2に、更に拡散接合は、極めて高温,高荷重,長
時間,高真空等を、いずれも同時に必須的に要する、と
いう問題も知られている。例えば、板状の純チタンやチ
タン合金の拡散接合には、0.3kgf/mm2以上の
高荷重が必要とされており、もって、高荷重用の外部油
圧式のホットプレス真空炉(真空炉内にホットプレスが
配設されているもの)や、不活性ガス雰囲気中での熱間
静水圧プレス(HIP)装置等の特殊な設備が、必須的
に用いられており、設備コスト,製造コストが極めて高
額なものとなっていた。又、拡散接合には、一般的に例
えば数10時間から数100時間程度の長時間を要す
る、ということも知られている。更に、純チタンやチタ
ン合金は、酸化されやすいので、1.0×10-7tor
r程度以上の高真空が必要であり、設備コスト,製造コ
ストがかさむ、という状況にある。このように、拡散接
合には、厳格な表面洗浄や、極めて高温,高荷重,長時
間,高真空等を要することが知られている。そこで従
来、拡散接合を用いて、展張方式やコルゲート方式にて
チタンハニカムを製造することは、開発に手が付けられ
ていない状況にあった。
【0016】本発明に係るチタンハニカムの製造方法
は、このような実情に鑑み、上記従来例の課題を解決す
べくなされたものであって、純チタンやチタン合金を母
材として用いると共に、そのβ変態点やβ変態域の温度
に着目して加熱,加圧するようにしたことにより、母材
たる純チタンやチタン合金間を条線状に拡散接合し、も
って展張方式により、チタンハニカムを製造するように
してなる。更にこれに加え、請求項2,3では、母材た
る純チタンやチタン合金について、肉厚や結晶粒径を具
体的に設定し、請求項4では、用いられる離型剤につい
て、潤滑性や粒径を具体的に設定し、請求項5では、純
チタンの場合について上限温度を具体的に設定してな
る。
【0017】もって本発明は、第1に、純チタンやチタ
ン合金の基本性能が十分に生かされ、強度,耐熱性,耐
食性等に優れ、第2に、製造時に有害物質を使用せず有
毒ガスも発生せず、安全性に優れ、第3に、エロージョ
ン現象や金属間化合物層も発生せず、この面からも強
度,品質に優れ、第4に、接合不良も防止され、この面
からも品質が向上し、第5に、異種金属が介在せず、こ
の面からも耐食性が向上し、第6に、正確,均一,簡単
に接合位置がコントロールでき、この面からも品質が安
定し、第7に、軽量化が促進され、第8に、コスト面に
も優れ、第9に、拡散接合により一段と強度が向上し、
第10に、そして拡散接合は低荷重でも可能となると共
に、第11に、短時間でも可能となり、第12に、接合
強度にも優れ、第13に、しかも事前の酸化皮膜除去の
ための表面洗浄も不要であり、第14に、拡散接合後の
展張もスムーズに行われる、チタンハニカムの製造方法
を提案することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
る本発明の技術的手段は、次のとおりである。まず、請
求項1については次のとおり。すなわち、この請求項1
のチタンハニカムの製造方法では、まず、肉厚が極薄の
箔状の純チタンやチタン合金を母材として準備し、該母
材について、離型剤を一定幅とピッチで、条線状に地肌
を残しつつ所定間隔にて配設する。それから、複数枚の
該母材を、該離型剤間に残された地肌が半ピッチずつず
れた位置関係で重積してから、該母材間を、接触した地
肌にて条線状に拡散接合する。該拡散接合は、該母材が
純チタンの場合はβ変態点以上、該母材がチタン合金の
場合はβ変態域以上等、該母材が超塑性を示す温度以上
により、真空や不活性ガス雰囲気等の低酸素濃度雰囲気
中で、荷重を加えて加圧し、もって、該母材の地肌表面
の酸化皮膜中の酸素が該母材中に拡散,固溶して、該酸
化皮膜が分散,除去せしめられると共に、該母材のチタ
ンや合金元素が地肌間で拡散移動することにより、行わ
れる。しかる後、重積方向に引張力を加えて展張するこ
とにより、該母材が、条線状の拡散接合面の縁に沿って
折曲されると共に、条線状の該拡散接合面以外の箇所が
分離,離隔される。もって、該母材をセル壁とし、該セ
ル壁にて区画形成された中空柱状の多数のセルの平面的
集合体たる、チタンハニカムを得ること、を特徴とす
る。
【0019】次に、請求項2については次のとおり。す
なわち、この請求項2のチタンハニカムの製造方法は、
請求項1に記載したチタンハニカムの製造方法におい
て、母材として準備される純チタンやチタン合金は、肉
厚が200μm以下であること、を特徴とする。請求項
3については次のとおり。すなわち、この請求項3のチ
タンハニカムの製造方法は、請求項1に記載したチタン
ハニカムの製造方法において、母材として準備される純
チタンやチタン合金は、結晶粒径が50μm以下である
こと、を特徴とする。請求項4については次のとおり。
すなわち、この請求項4のチタンハニカムの製造方法
は、請求項1に記載したチタンハニカムの製造方法にお
いて、配設される該離型剤は、重積,接触せしめられた
該母材の地肌表面間を滑らせることが可能な潤滑性を備
えてなると共に、含有する粉末粒子の粒径が5μm以下
のものよりなること、を特徴とする。請求項5について
は次のとおり。すなわち、この請求項5のチタンハニカ
ムの製造方法は、請求項1に記載したチタンハニカムの
製造方法において、該拡散接合は、該母材が純チタンの
場合、1100℃以下の温度で行われること、を特徴と
する。
【0020】このチタンハニカムの製造方法は、このよ
うに構成されているので、次のようになる。まず、母材
たる純チタンやチタン合金は、極薄の箔状をなし、条線
状に離型剤が配設され、半ピッチずつずらして重積され
た後、拡散接合される。そして拡散接合は、母材が純
チタンの場合はβ変態点以上、母材がチタン合金の場合
はβ変態域以上の温度、つまり母材が超塑性を示す温度
下で行われる。これに加え請求項5では、1100℃以
下、つまり事後の伸びが確保される温度下で行われる。
更に、例えば0.00001kgf/mm2 (0.0
1gf/mm2 )や0.003kgf/mm2 (3gf
/mm2 )程度の低荷重にて、加圧することにより行わ
れる。これと共に、真空や不活性ガス雰囲気等の低酸
素濃度雰囲気中で、例えば30分から2時間程度の時
間をかけて行われる。更に拡散接合は、請求項2では、
母材の肉厚が200μm以下とされ、もって拡散接合
面間の密着性が高められ、請求項3では、母材の結晶
粒径が50μm以下とされ、もって超塑性が生じやす
く、請求項4では、離型剤の潤滑性により、拡散接合
面間の間隙を無くすと共に、離型剤の粒径が5μm以下
であることにより、拡散接合面間の接触が確実化され
る。
【0021】さて、このような条件下で拡散接合が行わ
れ、まず、母材の離型剤間の地肌表面の酸化皮膜が、酸
素が母材中に拡散,固溶することにより、分散,破壊,
除去される。そこで、離型剤間の母材の地肌が条線状に
露出し、各々拡散接合面となって接触,当接,密着し、
もって、母材の純チタンや合金元素が拡散移動する。こ
のようにして、重積された母材間が、条線状に直接,密
に拡散接合される。しかる後、重積,拡散接合された母
材について、引張力を加えて展張することにより、この
母材をセル壁とし、セル壁にて区画形成された中空柱状
の多数のセルの平面的集合体たる、チタンハニカムが得
られる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示す発明の実
施の形態に基づいて、詳細に説明する。図1,図2,図
3,図4は、本発明の実施の形態の説明に供する。そし
て、図1の斜視説明図において、(1)図は、準備され
た母材を、(2)図は、離型剤を配設した状態を、
(3)図は、切断した状態を、(4)図は、重積した状
態を、(5)図は、拡散接合した状態を、(6)図は、
展張した状態をそれぞれ示す。図2は、チタンハニカム
の斜視図である。図3は原理説明図であり、(1)図
は、接合対象の1対の母材を、(2)図はその重積状態
を、(3)図は、その加熱,加圧状態を、(4)図は、
拡散接合状態をそれぞれ示す。図4のグラフにおいて、
(1)図は、温度と引張強度との関係を示し、(2)図
は、温度と伸び率との関係を示す。
【0023】このチタンハニカム1の製造方法では、ま
ず、図1の(1)図に示したように、帯状をなすと共
に、肉厚が極薄の箔状の純チタンやチタン合金が、母材
2として準備される。この母材2について、更に詳述す
る。母材2として用いられるチタン材としては、純チタ
ンTiのほかチタン合金が考えられ、チタン合金として
は、α合金,α−β合金,β合金等が代表的であるが、
ここでは、特にα合金,α−β合金が良い。チタン合金
において、純チタンTiに添加される合金元素として
は、アルミAl,バナジウムV,クロムCr,マンガン
Mn,鉄Fe,ジルコニウムZr,モリブデンMo,ス
ズSn等が、代表的である。
【0024】周知のごとく、純チタンは常温では稠密六
方晶(以下単にα相という)であるが、昇温されて行く
と、約885℃の温度(以下この温度を単にβ変態点と
いう)で、体心六方晶(以下単にβ相という)に、同素
変態する。そして、このような純チタンに合金元素を添
加すると、添加される合金元素の種類や添加量により、
α相からβ相に変態する温度域いわゆるα+β相の温度
域(以下単にβ変態域)が変化すると共に、α相とβ相
の2相領域も出現する。このようなチタン合金のうち、
例えばTi−5Al−2.5Snのように、常温におい
てα単相のものがα合金とされ、又、例えばTi−3A
l−2.5Vや、Ti−6Al−4V等のように、常温
においてα相とβ相の2相が存在するものがα−β合金
とされている。いずれにしても上述したβ変態域とは、
順次昇温されて行く過程において、最初に、常温におけ
るα相がβ相に変態を開始した後(低い方の温度か
ら)、途中、順次含まれるα相がβ相に変態して行き
(途中の温度を経て)、最後に、すべてのα相がβ相に
変態し終わるまで(高い方の温度)の上下幅を持った温
度域のことを言う。(このようにチタン合金の場合は、
純チタンの場合とは異なり、885℃のβ変態点ではな
く、幅を持ったβ変態域となる。)
【0025】さて、母材2としては、このような純チタ
ンやチタン合金が準備される。そして、この純チタンや
チタン合金よりなる母材2は、圧延されその肉厚が極薄
の箔状をなし、具体的には肉厚(箔厚)が200μm以
下のものを用いるのがよく、又、その平均表面粗さ、例
えばRaが3μm以下のもの、例えばRaが1μmや
0.2μm程度のものが望ましく、更に、その結晶粒径
が50μm以下、望ましくは20μm以下のものが用い
られる。又、図3の(1)図に示したように、このよう
に純チタンやチタン合金よりなる母材2の地肌3表面
は、酸化皮膜4にて、強固かつ安定的に覆われている。
すなわち、この地肌3表面は、通常、酸化皮膜4にて覆
われており、機械的・化学的に磨いても、すぐに酸化さ
れて酸化皮膜4が形成されるようになる。
【0026】ところで、このように準備された純チタン
やチタン合金よりなる母材2については、適宜必要に応
じ、洗浄が実施される。この洗浄として脱脂が代表的で
あり、脱脂は、アセトン,メチルエチルケトン(ME
K),アルコール等の非塩素系溶剤を使用して行われる
が、その方法として蒸気脱脂,浸漬,超音波洗浄も考え
られる。更に、適宜必要に応じ、酸洗いによる洗浄も実
施される。この酸洗いには、例えば20%から50%の
硝酸や、2%のフッ化水素酸が用いられる。なお、この
ような脱脂や酸洗い等の洗浄は、あくまでも必要に応じ
特に必要な場合のみ実施されるものであり、この製造方
法において必須的ではない。母材2は、このようになっ
ている。
【0027】次に、この製造方法では、図1の(2)図
に示したように、このような母材2に対し、離型剤5
が、一定幅とピッチで条線状に地肌3を残しつつ、所定
間隔にて配設される。すなわち離型剤5は、図示例では
純チタンやチタン合金よりなる母材2の片面に対し、地
肌3を一定幅とピッチの条線状に残すように、間隔を存
しつつ一定ピッチで、例えば塗布,スプレー,印刷等に
より配設される。(なお離型剤5は、図示例によらず母
材2の両面に配設される場合もあり、この場合は、この
ように両面に離型剤5が配設された母材2と、離型剤5
が両面共に配設されない母材2とが、後述により順次重
積,拡散接合,展張されるようになる。) このような離型剤5としては、セラミックスの粉末スプ
レイ,窒化硼素粉末,その他狭義の離型剤5のほか、溶
剤中に微粒子の黒鉛または窒化硼素の粉末を分散させた
塗料、更にはビニールテープ,粘着テープ,油性イン
ク,揮発性インク,カーボン紙,その他広義のマスキン
グ用の離型剤5も、使用可能である。
【0028】しかしながら離型剤5としては、後述する
ように重積,接触せしめられることになる母材2の地肌
3表面間を滑らせることが可能な潤滑性を備えてなると
共に、含有する粉末粒子の粒径が5μm以下のものより
なること、が望ましい。すなわち、純チタンやチタン合
金よりなる母材2に条線状に配設される離型剤5は、事
後に母材2がブロック状に重積,接触されることに鑑
み、まず、母材2の地肌3相互間を滑らせて間隙を無く
す潤滑性を、備えてなることが望ましい。又、塗布等に
より配設される離型剤5の層厚が厚くなり過ぎると、後
で詳述する事後の次の工程において、ブロック状に重積
される母材2の地肌3相互間が、隣接する離型剤5の層
厚に邪魔されて、接触しなくなるおそれもある。そこ
で、事後にブロック状に重積される母材2の地肌3間の
接触を確実化させるため、離型剤5は、含有する粉末粒
子の粒径が5μm以下のものを使用することによって、
その配設された層厚を薄くしておくことが望ましい。こ
のような潤滑性や粒径を勘案すると、離型剤5として
は、潤滑性があると共に含有する粉末粒子の粒径が5μ
m以下の黒鉛粉末塗料や窒化硼素粉末塗料を用いるのが
望ましい。離型剤5は、このようになっている。
【0029】さて次に、この製造方法では、このように
離型剤5が配設されると共に、地肌3が条線状に残され
た純チタンやチタン合金よりなる母材2が、図1の
(3)図に示したように、帯状から一定長さ毎に切断さ
れる。そして、図1の(4)図や図3の(2)図に示し
たように、このように切断された複数枚例えば多数枚の
母材2は、離型剤5間に条線状に残された地肌3が半ピ
ッチずつずれた位置関係で、ブロック状に重積される。
すなわち図示例において、各母材2は、片面について条
線状に残された地肌3が、上下間で左右に互い違いに半
ピッチずつずれた位置関係で、ブロック状に上下に重積
される。
【0030】しかる後、この製造方法では、図1の
(5)図や図3の(3)図,(4)図等に示したよう
に、加熱,加圧することにより、ブロック状に上下の縦
方向に重積された母材2間が、横方向の離型剤5間に条
線状に残されて接触した地肌3にて、条線状に拡散接合
される。そして、この拡散接合は、母材2が純チタン
の場合はβ変態点以上、母材2がチタン合金の場合はβ
変態域以上等、母材2が超塑性を示す温度以上により、
真空や不活性ガス雰囲気等の低酸素濃度雰囲気中で、
所定時間、荷重を加えて加圧すること、により行わ
れる。そして、母材2の地肌3表面の酸化皮膜4中の酸
素が母材2中に拡散,固溶して、酸化皮膜4が分散,除
去せしめられると共に、母材2のチタンや合金元素が地
肌3間で拡散移動すること、により行われる。
【0031】このような拡散接合について、更に詳述す
る。この拡散接合は、炉中等で、次の温度,圧力,
雰囲気,時間、等の条件のもとで実施される。まず
、温度条件(熱処理温度)は、β変態点以上やβ変態
域以上の温度に設定される。すなわち、母材2が純チタ
ンの場合は885℃のβ変態点以上の温度、母材2がチ
タン合金の場合はβ変態域(つまりα+β相の温度域)
以上の温度、例えば900℃,1000℃程度に、炉内
等が保持される。そして、このような温度の炉内等に収
納されたブロック状に重積された母材2は、常温からの
昇温の過程で、まず純チタンの場合は、885℃のβ変
態点を通過するとα相からβ相に変態し、又、α合金や
α−β合金等のチタン合金の場合は、β変態域の幅をも
った温度帯を通過中に順次α相がβ相に変態する。そし
て、母材2たる純チタンやチタン合金は、このようなβ
変態点を通過する際やβ変態域を通過する際において、
超塑性を示し、低荷重でも容易に変形可能となる。(こ
れに対し、温度条件をβ変態点やβ変態域未満に設定す
ると、超塑性が生ぜず、の圧力条件について極めて高
荷重が要求されることになる。)なお、拡散接合された
母材2は、事後、常温下で展張されることになるが、そ
の際5%以上の伸びが必要となる。そこでこれに備え、
例えば純チタンの場合は、この拡散接合の温度を110
0℃以下に設定しておくと、事後の常温下で5%以上の
伸びが確保されるようになる。
【0032】次に、圧力条件、つまり重積されたブロ
ック状の母材2を上下から加圧する荷重(接合荷重)
は、他の温度条件,雰囲気条件,時間条件によっ
ても異なるが、0.00001kgf/mm2 (0.0
1gf/mm2 )以上、例えば0.003kgf/mm
2 (3gf/mm2 )程度に設定される。つまり、上述
によりこの程度の低荷重でも拡散接合が可能となるが、
0.00001kgf/mm2 (0.01gf/m
2 )未満の極低荷重では、母材2間の密着性,接合強
度が不足し、拡散接合が成立困難となる。
【0033】次に、雰囲気条件としては、真空や不活
性ガス雰囲気等の低酸素濃度雰囲気中で、全体的な酸化
防止に留意しつつ実施される。真空による場合は、約
1.0×10-2torr以上の真空、例えば約1.0×
10-3torr程度の真空に設定される。
【0034】次に、時間条件、つまり加圧,加熱処理
時間は、5分から10時間程度、例えば30分間,1時
間,2時間程度に設定される。すなわち、上述により母
材2が超塑性を示すと共にβ相の自己拡散速度もあり、
このように比較的短時間に設定可能となる。処理時間の
設定も、他の温度条件,圧力条件,雰囲気条件次
第ではあるが、処理時間が5分等短過ぎる場合には、拡
散接合の前提となる酸化皮膜4の分散,破壊,除去が不
足して、拡散接合が成立困難となり、処理時間が長過ぎ
る場合は、諸コストが上昇することになる。
【0035】このような、温度,圧力,雰囲気,
時間、等の条件下で、純チタンやチタン合金よりなる
母材2間の拡散接合が、行われる。各条件についての具
体的な設定値は、適宜決定される。ここで、このような
拡散接合について、4つの具体例について述べておく。
表1は具体例1(参考例)を示し、表2は具体例2(参
考例)を示し、表3は具体例3(本発明の実施例)を示
し、表4は具体例4(本発明の実施例)を示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】これらの具体例1,2,3,4では、母材
2としては、共通の純チタンが用いられると共に、その
肉厚(箔厚)が200μm以下の所定値、結晶粒径も約
20μm、平均表面粗さもRaで0.2μmと共通であ
り、又、条線状に配設される離型剤5も、潤滑性で結晶
粒径が5μm以下と共通のものが用いられている。更
に、温度,圧力,雰囲気,時間等の条件の内、
まず、の圧力条件については荷重0.003kgf/
mm2 (3gf/mm2 )で共通であると共に、の雰
囲気条件についても、約1.0×10-3torrの真空
と共通である。これに対し、の温度条件については、
表1の具体例1(参考例)では850℃、表2の具体例
2(参考例)では900℃、表3の具体例3(実施例)
では900℃、表4の具体例4(実施例)では1000
℃に、それぞれ設定されている。これと共に、の時間
条件については、表1の具体例1(参考例)では60
分、表2の具体例2(参考例)では5分、表3の具体例
3(実施例)では30分,60分,120分の3通り、
表4の具体例4(実施例)では60分にそれぞれ設定さ
れている。
【0041】そして、このような条件設定のもとで、そ
れぞれブロック状の母材2の拡散接合を実施した後、確
実かつ十分な拡散接合が行われた否かを、事後テストを
してみたところ、次の結果となった。すなわち、ブロッ
ク状に重積,拡散接合,条線接合された、表1,表2,
表3,表4の具体例1,2,3,4について(更にそれ
ぞれを展張したチタンハニカム1についてでも可)、引
張剥離試験(ピール試験)を行った所、具体例1,2
(参考例)については、拡散接合が不確実,不十分であ
り、例えば接合強度が不足する結果となった。これに対
し具体例3,4(実施例)については、拡散接合が確実
かつ十分に行われており、例えば接合強度にも優れると
いう結果が出た。
【0042】つまり、表1の具体例1(参考例)では、
の温度条件が850℃に設定されており、純チタンよ
りなる母材2の前述したβ変態点たる885℃を越えな
いので、母材2が超塑性を示さなかったことと、α相中
のチタン原子の移動が緩慢なことに起因して、拡散接合
が不確実,不十分となったと判断される。又、表2の具
体例2では、の時間条件が最短の5分に設定されてい
ることを主な原因としつつ、これに、の温度条件が比
較的低目の900℃であり、その他の圧力条件やの
雰囲気条件を勘案した結果、総合的にみて各条件の組み
合わせから、拡散接合が不確実,不十分となったと判断
される。このような結果を、まとめたのが、次の表5で
ある。この表5においては、横の列にの温度条件を配
すると共に、縦の行にの時間条件を配し、縦横の交点
に上述した表1,表2,表3,表4の具体例1,2,
3,4が位置する。そして×の評価は、拡散接合が不確
実,不十分であることを示し、○の評価は、拡散接合が
確実かつ十分であることを示す。
【0043】
【表5】
【0044】4つの具体例は、このような結果となる。
すなわち、温度,圧力,雰囲気,時間等の各条
件が、前述したように適切な組み合わせで設定される
と、確実かつ十分に所期の拡散接合が実施されることに
なる。
【0045】さて、図示例では(図1の(1)図,
(2)図,(3)図,(4)図等を参照)、各母材2
は、その片面(例えば表面)には、離型剤5が配設され
地肌3が条線状に残されているのに対し、他面(例えば
裏面)には、離型剤5が配設されず全面が地肌3のまま
となっている。そこで、重積,加圧された各母材2相互
間は、片面の離型剤5間の条線状の地肌3と、他面全面
の地肌3とが、直接接触,密着し、もって条線状の地肌
3の所で拡散接合が行われるようになる(図1の(5)
図を参照)。そして、この拡散接合にあっては、まず母
材2の地肌3表面の酸化皮膜4が、その酸素が母材2中
に拡散,固溶することにより、分散,破壊,除去せしめ
られる(図3の(1)図,(2)図,(3)図を参
照)。もって、母材2の地肌3については、離型剤5が
配設されている部分を除き、それぞれ、母材2を構成す
る純チタンやチタン合金が無垢の状態で条線状に露出
し、もって、このように純チタンやチタン合金が露出し
た母材2の地肌3が、条線状の拡散接合面6となって、
加圧により接触,密着することにより、条線状に拡散接
合される(図3の(3)図,(4)図を参照)。つま
り、母材2の地肌3間は、純チタンや合金元素が粒界面
で拡散移動することにより、密に拡散接合される。この
製造方法において、拡散接合は、以上詳述したように行
われる。
【0046】さてこの製造方法では、このようにして、
ブロック状に重積された母材2たる純チタンやチタン合
金について、拡散接合が行われる。しかる後、この製造
方法では、次に図1の(6)図に示したように、展張が
行われる。すなわち、重積方向に引張力を加えて展張す
ることにより、重積された各母材2は、条線状の各拡散
接合面6を拡散接合箇所とし、条線状の各拡散接合面6
の縁に沿って折曲されると共に、条線状の各拡散接合面
6以外の箇所が分離,離隔される。すなわち、前述によ
りブロック状に重積されると共に条線状に拡散接合され
た純チタンやチタン合金よりなる母材2は、矢示の上下
の重積方向に沿い上下に引張力が加えられて、展張され
る。そこで各母材2は、条線状の拡散接合面6の縁にそ
って上下に折曲され、条線状の拡散接合面6間の箇所が
上下に分離,離隔される。
【0047】この展張方式の製造方法では、このような
各工程を辿ることにより、チタンハニカム1が製造され
る。すなわち図2に示したように、純チタンやチタン合
金よりなる母材2をセル壁7とし、セル壁7にて区画形
成された中空柱状の多数のセル8の平面的集合体たる、
チタンハニカム1が得られる。
【0048】さて、このようにして得られたチタンハニ
カム1は、次のようになっている。すなわち図2に示し
たように、このチタンハニカム1は、条線状に接合され
たセル壁7にて区画形成された、中空柱状の多数のセル
8の平面的集合体よりなる。そして、セル壁7の母材2
として、純チタンやチタン合金が用いられると共に、セ
ル壁7は、その母材2たる純チタンやチタン合金が、加
熱,加圧による拡散接合にて条線状に接合されている。
そして、この拡散接合は、母材2たる純チタンやチタン
合金のβ変態点やβ変態域に着目し、その超塑性を利用
すると共に、母材2の地肌3表面の酸化皮膜4中の酸素
が母材2中に拡散,固溶し、もって酸化皮膜4が分散,
破壊,除去せしめられることにより行われている。又、
セル壁7そしてセル8の断面形状は、図示の正六角形状
のものが代表的であるが、これによらず、縦長や横長の
六角形状,台形状,略四角形状,その他各種形状のもの
も可能である。そして、このチタンハニカム1は、一般
のハニカムコアと同様に、重量比強度に優れ、軽量であ
ると共に高い剛性・強度を備え、又、整流効果,平面精
度,保温性,遮音性にも優れ、単位容積当たりの表面積
が大である、等々の特性を備え、広く各種の構造材とし
て使用される。そして通常は、その開口端面たるセル端
面に、それぞれ表面板が、接着,ろう付け,溶接,拡散
接合等にて接合され、もってハニカムサンドイッチパネ
ルとして、使用に供される。チタンハニカム1は、この
ようになっている。
【0049】このチタンハニカムの製造方法は、以上説
明したように構成されている。そこで以下のようにな
る。まず、この製造方法において、母材2たる純チタン
やチタン合金は、肉厚が極薄の箔状をなし、例えば肉厚
が200μm以下とされ、更に結晶粒径が50μm以下
で、平均表面粗さがRaで3μm以下とされる。そし
て、このような母材2について、条線状に離型剤5が配
設され、例えば潤滑性を備え粒径が5μm以下の離型剤
5が用いられる。それから、この製造方法では、このよ
うな母材2を、半ピッチずつずらして重積した後、加
熱,加圧することにより、離型剤5間の地肌3間が、条
線状に拡散接合される(図1の(1)図,(2)図,
(3)図,(4)図,(5)図等を参照)。
【0050】そして、この製造方法において拡散接合
は、母材2が純チタンの場合はβ変態点たる885℃
以上の温度、母材2がチタン合金の場合はβ変態域以上
の温度、つまり母材2が極端に変形容易となる超塑性を
示す温度下で行われる。更にこれに加え、1100℃以
下つまり事後常温に戻した際に5%以上の伸びが確保さ
れる温度下で行われる。又、この拡散接合は、例えば
0.00001kgf/mm2 (0.01gf/m
2 )や0.003kgf/mm2 (3gf/mm2
程度の比較的低荷重にて、加圧することにより行われ
る。これと共に拡散接合は、真空や不活性ガス雰囲気
等の低酸素濃度雰囲気中で、例えば30分から2時間
程度の時間をかけて、行われる。更に拡散接合は、例え
ば、母材2の肉厚が200μm以下とされると共に平
均表面粗さがRaで3μm以下とされ、もって、母材2
の地肌3の拡散接合面6間の密着性が高められ、又、
母材2の結晶粒径が50μm以下とされ、もって超塑性
が生じやすく密着性が確実化され、更に、離型剤5の
潤滑性により、母材2の地肌3の拡散接合面6間の間隙
を無くすと共に、離型剤5の粒径が5μm以下であるこ
とにより、離型剤5の層厚を薄くして隣接する拡散接合
面6間の接触が確実化されるようになっている。
【0051】さて、この製造方法では、このような,
,,,更には,,の条件下で、拡散接合が
行われ、もって、まず母材2の離型剤5間の条線状の地
肌3表面を覆っていた酸化皮膜4が、その酸素が母材2
中に拡散,固溶することにより、分散,破壊,除去せし
められる。そこで、重積されていた母材2の地肌3が無
垢の状態で条線状に露出し、各々拡散接合面6となって
接触,当接,密着し、もってこのような地肌3の拡散接
合面6間で、母材2の純チタンや合金元素が拡散移動す
る。このようにして、重積された母材2間が、条線状に
直接,密に,強力に拡散接合される(図3の(1)図,
(2)図,(3)図,(4)図等を参照)。
【0052】しかる後、この製造方法では、このように
重積,拡散接合,条線接合された母材2について、常温
下で重積方向に引張力を加えて展張することにより、母
材2間が折曲,分離,離隔される(図1の(6)図を参
照)。この製造方法では、このような各工程を辿ること
により、このような母材2をセル壁7とし、セル壁7に
て区画形成された中空柱状の多数のセル8の平面的集合
体たる、チタンハニカム1が得られる(図2を参照)。
このように、このチタンハニカム1は、接着剤やろう材
を用いることなく、セル壁7間が拡散接合により、条線
接合されてなる。さてそこで、このような展張方式のチ
タンハニカム1の製造方法にあっては、次の第1,第
2,第3,第4,第5,第6,第7,第8,第9,第1
0,第11,第12,第13,第14のようになる。
【0053】第1に、この製造方法にて得られたチタン
ハニカム1は、セル壁7間が拡散接合により、条線接合
されている。つまり、このチタンハニカム1は、母材2
たる純チタンやチタン合金のみにて構成されており、他
の異種金属,樹脂等は一切用いられていない。従って、
このチタンハニカム1は、母材2たる純チタンやチタン
合金の基本性能を、そのまま全体的に備えており、優れ
た強度,耐熱性,耐食性等を具備してなる。
【0054】第2に、このチタンハニカム1の製造方法
において、セル壁7の母材2たる純チタンやチタン合金
は、接着によらず拡散接合されるので、拡散接合に備
え、予め有害物質を使用する前処理洗浄を必須的に実施
する必要もなく、圧延された状態のまま使用に供するこ
とが可能である。又、拡散接合は、母材2たる純チタン
やチタン合金を対象とした加熱,加圧により行われ、そ
の際、有毒ガスが発生することもない。又、セル壁7の
母材2たる純チタンやチタン合金は、ろう付けによらず
拡散接合されるので、通常ろう付け時に使用される有害
物質たるバインダーは使用されず、又、加熱,加圧時に
これらから有害物質や有毒ガスが発生することもない。
更に、接合後にこれらの除去のため、有害物質たるアル
カリ等で洗浄する後処理も不用である。
【0055】第3に、このチタンハニカム1の製造方法
において、セル壁7間は、ろう付けによらず拡散接合に
より条線接合される。このように、このチタンハニカム
1は、母材たる純チタンやチタン合金のみを用いて製造
され、他の金属は一切介在しないので、加熱,加圧によ
る拡散接合,条線接合に際し、エロージョン現象や脆い
金属間化合物層が生成されるようなこともない。
【0056】第4に、このように、エロージョン現象や
金属間化合物層の生成がないので、これをおさえるべ
く、拡散接合,条線接合のための加熱,加圧を、無理に
極く短時間に限定,設定する必要もない。つまり、この
チタンハニカム1の製造方法においては、必要十分な時
間をかけて、セル壁7間を拡散接合,条線接合すること
ができる。すなわち、展張方式にてチタンハニカム1を
製造する際、ブロック状に重積された母材2について、
ブロック中心部が短時間の加熱のため所定温度に達せ
ず、結局、接合不良となってしまうようなこともない。
つまりブロック中心部まで、確実に拡散接合,条線接合
され、もって製造されたチタンハニカム1について、セ
ル壁7間に接合不良が生じるようなことは、確実に防止
される。
【0057】第5に、この製造方法によると、チタンハ
ニカム1のセル壁7間は、ろう付けによらず拡散接合,
条線接合される。そこで、純チタンやチタン合金を母材
2としたセル壁7間に、ろう材等の異種金属は介在せ
ず、このような異種金属の介在に起因した、チタンハニ
カム1の耐食性の低下は回避される。
【0058】第6に、このチタンハニカム1の製造方法
にあっては、離型剤5を利用することにより、所期のご
とく一定幅とピッチの条線状に地肌3を残しつつ、事後
の加熱,加圧により正確,均一,簡単に、純チタンやチ
タン合金よりなる母材2間を、条線状に拡散接合するこ
とができる。このように、この製造方法においてチタン
ハニカム1は、拡散接合を採用したことにより、セル壁
7間が正確,均一,簡単に、所期のごとく接合位置をコ
ントロールされつつ、条線接合される。
【0059】第7に、この製造方法にて得られたチタン
ハニカム1は、セル壁7間が拡散接合により条線接合さ
れており、母材2たる純チタンやチタン合金のみを用い
て、構成されている。このように、このチタンハニカム
1は、母材以外の金属や樹脂等を一切使用しないので、
その分、重量が軽減されてなる。
【0060】第8に、同様にこの製造方法にて得られた
チタンハニカム1は、セル壁7間が拡散接合により条線
接合されており、母材2たる純チタンやチタン合金のみ
にて構成されている。つまり、このチタンハニカム1
は、拡散接合を採用し、条線接合のため母材2以外の金
属や樹脂等を一切使用しないので、その分、コスト安で
もある。更に、展張方式を利用してチタンハニカム1を
製造するので、展張方式の利点たる製造スペースを取ら
ず、大型のものでも大量生産することが可能であり、こ
の面からもコスト面に優れつつ、チタンハニカム1を製
造可能である。
【0061】第9に、このチタンハニカム1の製造方法
にあっては、母材2たる純チタンやチタン合金の拡散接
合,条線接合に際し、それまでその地肌3表面を覆って
いた酸化皮膜4中の酸素が、母材2たる純チタンやチタ
ン合金中に、拡散,固溶する。もって、このような酸素
の拡散,固溶により、純チタンやチタン合金を母材2と
したセル壁7の強度、そしてチタンハニカム1の強度
が、より一層向上するようになる。
【0062】第10に、このチタンハニカム1の製造方
法では、母材2たる純チタンやチタン合金のβ変態点や
β変態域に着目し、その超塑性を利用して、母材2の地
肌3表面の拡散接合面6間の密着性が高められている。
更に、母材2たる純チタンやチタン合金について、肉厚
を200μm以下に設定したり、平均表面粗さをRaで
3μm以下としたことによっても、拡散接合面6間の密
着性が高められている。又、母材2たる純チタンやチタ
ン合金について、結晶粒径を50μm以下としたことに
よって、超塑性が生じやすくなっており、もって拡散接
合面6間の密着性がより高められるようになっている。
更に、潤滑性を備えると共に粒径が5μm以下の離型剤
5を用いてなるので、母材2の地肌3の拡散接合面6間
の間隙を無くすと共に、拡散接合面6間の接触そして密
着が、より確実化されるようになっている。これらによ
り、このチタンハニカム1の製造方法において実施され
る拡散接合は、0.00001kgf/mm2 (0.0
1gf/mm2 )から0.003kgf/mm2 (3g
f/mm2 )程度の低荷重でも、実施可能となる。
【0063】第11に、このチタンハニカム1の製造方
法では、母材2が純チタンの場合はβ変態点以上の温度
で、母材2がチタン合金の場合はβ変態域以上の温度
で、それぞれ拡散接合が行われる。そこで、α相からβ
相への変態が進むほど、変態して現れたβ相により、チ
タンや合金元素の自己拡散速度が、極めて大となるよう
になる。例えば純チタンにあっては、自己拡散係数がα
相では、次のように表される。すなわち、α−Ti:
8.6×10-10 2 /s(690℃から885℃)。
これに対し、β相における自己拡散係数は、次のように
表される。すなわち、β−Ti:1.0×10-4から
2.0×10-42 /s(900℃から1540℃)。
そこで、このようなα相とβ相の自己拡散係数を比較す
ると、β相の方が約400倍以上、大きいことになる。
この製造方法では、このようなβ変態点以上やβ変態域
以上の温度に設定,保持したことにより、母材2の地肌
3表面の拡散接合面6間において、チタンや合金元素の
拡散移動が、スピード化され促進される。もって、この
製造方法では、前述した母材2の超塑性の点もあいまっ
て、拡散接合のための時間が、大幅に短縮されるように
なる。
【0064】第12に、このチタンハニカム1の製造方
法によると、上述したように拡散接合が短時間化され
る。そこで、拡散接合が長時間化した場合において発生
する現象、つまり、母材2たる純チタンやチタン合金の
結晶粒径が粗大化する現象が、防止される。すなわち、
結晶粒径がもしも大きく粗大化するようなことがある
と、前述した超塑性が生じにくくなり密着性が低下する
と共に、前述したように低荷重で拡散接合を実施する
と、拡散接合面6にボイドが残存し、結局、拡散接合に
よる接合強度が低下してしまうことになる。
【0065】これに対し、この製造方法によると、拡散
接合の短時間化により、このような結晶粒径の粗大化は
防止され、例えば50μm以下の結晶粒径のもとでの拡
散接合により、接合強度に優れたチタンハニカム1が得
られるようになる。又、このようなチタンハニカム1の
母材2間つまりセル壁7間の接合強度は、更に、母材2
たる純チタンやチタン合金について、β変態点以上やβ
変態域以上での加熱や、200μm以下の肉厚設定、更
には離型剤5の潤滑性や5μm以下の粒径設定等々によ
って、確実かつ十分に拡散接合が行われることによって
も、裏付けられている。因に図4の(1)図は、拡散接
合における温度設定と、事後の常温時における(チタン
ハニカムコア1の)引張強度との関係を示すグラフであ
り、純チタンの母材2について60分間実施した結果を
示す。同図からも明らかなように、β変態点たる885
℃以上で加熱された場合に、引張強度が急激に上昇す
る。つまり、この製造方法によると、接合強度に優れた
チタンハニカム1が得られるようになる。
【0066】第13に、このチタンハニカム1の製造方
法によると、母材2たる純チタンやチタン合金の地肌3
表面を覆っている酸化皮膜4は、これを除去するための
表面洗浄を特に必須的に実施することなく、拡散接合に
際し、酸化皮膜4中の酸素が母材2中に拡散,固溶する
ことにより、分散,破壊,除去される。
【0067】第14に、このようにブロック状に重積,
拡散接合,条線接合された、純チタンやチタン合金より
なる母材2は、事後、常温下で重積方向に引張力を加え
て展張され、もって母材2間が折曲,分離,離隔され
る。そして、このような展張に際しては、母材2につい
て5%以上の伸びが必要とされている。図4の(2)図
は、拡散接合における温度設定と、事後の常温時におけ
る母材2の伸び率との関係を、母材2が純チタンの場合
について示したグラフである。同図からも明らかなよう
に、純チタンを母材2とした場合、事後に常温に戻した
場合に5%以上の伸びが確保されるようになる拡散接合
時の温度設定は、1100℃以下である。1100℃を
越えた温度にて拡散接合が行われると、事後、5%未満
の伸びとなってしまう。従って、母材2が純チタンの場
合は、1100℃以下で拡散接合を実施することによ
り、事後の展張が確実にスムーズ化される。これを前述
したβ変態点と組み合わせると、母材2が純チタンの場
合は、885℃以上で1100℃以下の温度で、拡散接
合を行うのがよい。
【0068】なお、この母材2は純チタンやチタン合金
よりなるので、周知のごとく酸化されやすい。そこで、
加熱,加圧による拡散接合も、酸化防止に留意し、前述
したように真空や不活性ガス雰囲気等の低酸素濃度雰囲
気中で、実施される。そして、例えば1.0×10-7
orr以上程度の超高真空で拡散接合を行えば、純チタ
ンやチタン合金よりなる母材2の酸化は確実に防止され
るが、これでは、その設備コスト,製造コストがかかり
過ぎる、という難点を生じる。(勿論、本発明の製造方
法も、このような超高真空中で拡散接合を行うようにし
てもよい。) そこで、例えばブロック状に重積された純チタンやチタ
ン合金よりなる母材2について、上下,左右,前後等の
外表面・外表層部分を、予め犠牲酸化域として、見込ん
でおくとよい。つまり、例えば1.0×10-2torr
から1.0×10-3torr程度の比較的低真空で、加
熱,加圧による拡散接合を行い、その結果、外表面・外
表層の犠牲酸化域に発生した酸化皮膜等を、事後、切
断,除去するようにするとよい。このようにすることに
より、比較的低真空のもとでも、設備コスト,製造コス
トに優れつつ拡散接合が可能となる。つまり、コスト面
に優れつつチタンハニカム1を製造可能となる。
【0069】
【発明の効果】本発明に係るチタンハニカムの製造方法
は、以上説明したように、純チタンやチタン合金を母材
として用いると共に、そのβ変態点やβ変態域の温度に
着目して加熱,加圧するようにしたことにより、母材た
る純チタンやチタン合金間を条線状に拡散接合し、もっ
て展張方式によりチタンハニカムを製造するようにして
なる。更にこれに加え、請求項2,3では、母材たる純
チタンやチタン合金について、肉厚や結晶粒径を具体的
に設定し、請求項4では用いられる離型剤について、潤
滑性や粒径を具体的に設定し、請求項5では、純チタン
の場合について上限温度を具体的に設定してなる。もっ
て本発明は、次の効果を発揮する。
【0070】第1に、純チタンやチタン合金の基本性能
が十分に生かされ、強度,耐熱性,耐食性等に優れた、
チタンハニカムが得られる。すなわち、この製造方法に
より得られたチタンハニカムは、セル壁間が拡散接合に
より条線接合されており、前述したこの種従来例のよう
に、セル壁間が接着やろう付けにて条線接合されている
訳ではない。このように、このチタンハニカムは、例え
ばより低い温度で溶融する等、強度,耐熱性,耐食性等
に劣る接着剤や、異種金属たるろう材が一切使用され
ず、母材たる純チタンやチタン合金のみにて構成されて
いるので、純チタンやチタン合金本来の基本性能が十分
に生かされており、優れた強度,耐熱性,耐食性等を備
える等、性能面に優れている。
【0071】第2に、この製造方法にあっては、製造時
に有害物質を使用せず、有毒ガスが発生することもな
く、安全性に優れている。すなわち、このチタンハニカ
ムは、セル壁間が拡散接合により条線接合されており、
前述したこの種従来例のように、接着により条線接合さ
れている訳ではない。従って、製造に際し母材たる純チ
タンやチタン合金は、この種従来例のように、接着に備
え表面の油脂分やゴミ等を必須的に除去する必要はな
く、毒性が強い有機溶剤,アルカリ,強酸等の有害物質
を必須的に使用して、前処理洗浄することを要しない。
更に、製造時の加熱,加圧による条線接合に際し、この
種従来例のように、接着剤から有毒ガスが発生するよう
なこともない。又、このチタンハニカムは、このように
セル壁間が拡散接合により条線接合されており、前述し
たこの種従来例のように、ろう付けにより条線接合され
ている訳ではない。そこで製造に際し、ろう材の付着性
向上のためのバインダーは使用されない。もって、接合
時の加熱,加圧によりバインダーから有害物質や有毒ガ
スが発生することもなく、更に接合後に、有害物質たる
アルカリ等で洗浄する後処理も不要である。このよう
に、このチタンハニカムの製造方法にあっては、製造時
に有害物質は使用されず、有毒ガスが発生することもな
く、危険が回避されており、製造時の安全性に優れてい
る。
【0072】第3に、エロージョン現象や脆い金属間化
合物層も発生せず、この面からも強度,品質に優れたチ
タンハニカムが得られる。すなわち、このチタンハニカ
ムは、セル壁間が拡散接合により条線接合されており、
前述したこの種従来例のように、ろう付けにて条線接合
されている訳ではない。従って、製造時の加熱,加圧に
よる条線接合に際し、接合対象たる母材の純チタンやチ
タン合金そしてセル壁について、この種従来例のように
エロージョン現象が生じることはなく、表面に機械的な
小片剥離,浸食,穴、等が発生することはない。更に条
線接合に際し、母材たる純チタンやチタン合金そしてセ
ル壁に、この種従来例のように、脆い金属間化合物層が
生成されることもない。このように、このチタンハニカ
ムの製造方法にあっては、エロージョン現象の問題や金
属間化合物層による脆化の問題が回避されており、この
面からも、母材たる純チタンやチタン合金の基本性能た
る強度が生かされ、強度そして品質に優れたチタンハニ
カムが得られる。
【0073】第4に、接合不良も防止される。すなわ
ち、この製造方法により得られたチタンハニカムは、セ
ル壁間が拡散接合により条線接合されており、前述した
この種従来例のように、ろう付けにて条線接合されてい
る訳ではない。従って、この種従来例のように、上述し
たエロージョン現象や金属間化合物層の発生をおさえる
べく、製造時に加熱,加圧を極く短時間に限定,設定す
る必要はなく、条線接合が不完全となる事態は発生しな
い。つまり、展張方式にて製造する際、ブロック状に重
積された純チタンやチタン合金よりなる母材の中心部
が、この種従来例のように加熱不足で接合不良となるよ
うなことはなく、中心部まで確実に拡散接合されるよう
になる。このように、この製造方法にて得られたチタン
ハニカムは、そのセル壁間が確実に拡散接合されてお
り、接合不良は防止され、この面からも品質が向上す
る。
【0074】第5に、異種金属が介在せず、この面から
も耐食性が向上したチタンハニカムが得られる。すなわ
ち、この製造方法にて得られたチタンハニカムは、セル
壁間が拡散接合により条線接合されており、前述したこ
の種従来例のように、ろう付けにて条線接合されている
訳ではない。従って、条線接合箇所において、純チタン
やチタン合金を母材としたセル壁間に、ろう材等の異種
金属が介在し接してはおらず、もって、異種金属の介在
に起因した耐食性の低下は回避される。この製造方法に
て得られたチタンハニカムは、この面からも、母材たる
純チタンやチタン合金の基本性能たる耐食性が生かされ
る等、耐食性に優れている。
【0075】第6に、正確,均一,簡単に接合位置がコ
ントロールでき、この面からも品質が安定したチタンハ
ニカムが得られる。すなわち、このチタンハニカムは、
セル壁間が拡散接合により条線接合されており、前述し
たこの種従来例のように、粉末状やペースト状のろう材
を用いて条線接合されている訳ではない。従って、この
製造方法によると、粉末状やペースト状のろう材を用い
つつ展張方式にて製造した場合のように、ろう材を純チ
タンやチタン合金よりなる母材に正確に条線状に塗布す
べく苦慮したり、そのまま条線状に位置決め保持すべく
特に配慮する必要はなく、離型剤を用いることにより、
接合位置を正確,均一,簡単にコントロールしつつ、拡
散接合,条線接合が実現される。又、粉末状やペースト
状のろう材を用いてコルゲート方式にて製造した場合の
ように、波板の谷部や頂部に条線状に正確,均一にろう
材を塗布するのが困難で、塗布量の制御が容易でなかっ
たような事態も発生せず、正確,均一な拡散接合,条線
接合が簡単に実現される。このように、この製造方法に
て得られたチタンハニカムは、そのセル壁間が正確,均
一,簡単に接合位置をコントロールされつつ拡散接合,
条線接合されており、この面からも品質が極めて安定し
ている。
【0076】第7に、軽量化も促進される。すなわち、
この製造方法にて得られたチタンハニカムは、セル壁間
が拡散接合により条線接合されており、前述したこの種
従来例のように、接着やろう付けにて条線接合されてい
る訳ではない。従って、接着剤やろう材を使用しない分
だけ軽量化が促進され、特に、前述したブレージングシ
ートを用いつつコルゲート方式にて製造した場合に比べ
ると、重量が大幅に軽減される。このように、この製造
方法にて得られたチタンハニカムは、ハニカムコアとし
ての特性を生かしつつ更に軽量化が促進される等、重量
面に優れている。
【0077】第8に、コスト面にも優れたチタンハニカ
ムが得られる。すなわち、この製造方法にて得られたチ
タンハニカムは、セル壁間が拡散接合により条線接合さ
れており、前述したこの種従来例のように、接着やろう
付けにて条線接合されている訳ではないので、接着剤や
ろう材を使用しない分だけコスト安となる。更に、前述
したスポット溶接を用いたこの種従来例のように、スポ
ット溶接箇所が多く、もって極めてコスト高となること
もない。そして更に、このチタンハニカムの製造方法に
あっては、展張方式の利点を生かし、加熱,加圧により
拡散接合されるまで母材がブロック状に重積されてお
り、スペースを取らず製造可能であり、もって大型のチ
タンハニカムの製造や、チタンハニカムの大量生産が容
易であり、この面からも、コスト面に優れたチタンハニ
カムが得られる。
【0078】第9に、拡散接合により、一段と強度が向
上したチタンハニカムが得られる。すなわち、このチタ
ンハニカムの製造方法にあっては、母材たる純チタンや
チタン合金間が拡散接合,条線接合されるが、この拡散
接合に際し、地肌表面の酸化皮膜中の酸素が、母材たる
純チタンやチタン合金中に拡散,固溶する。従って、こ
のような母材よりなるこのチタンハニカムのセル壁は、
圧延,供給されたままの純チタン材やチタン合金材に比
し、一段と強度が向上してなる。
【0079】第10に、そして拡散接合は、低荷重でも
可能となる。すなわち、このチタンハニカムの製造方法
にあっては、純チタンのβ変態点やチタン合金のβ変態
域の温度に着目し、母材たる純チタンやチタン合金の超
塑性を利用して、拡散接合面間の密着性が高められてい
る。更に請求項2,3では、母材たる純チタンやチタン
合金について、その肉厚を200μm以下に設定するこ
とによって、更に拡散接合面間の密着性が高められ、そ
の結晶粒径を50μm以下に設定することによって、超
塑性が生じやすく密着性が確実化するようになる。又請
求項4では、潤滑性を備えると共に粒径が5μm以下の
離型剤を用いることにより、拡散接合面間の間隙を無く
すと共に、拡散接合面間の接触が確実化する。これらに
より、このチタンハニカム製造方法における拡散接合
は、0.00001kgf/mm2 (0.01gf/m
2 )から0.003kgf/mm2 (3gf/m
2 )程度の低荷重でも実施可能である。(前述したよ
うにこの種従来例において、純チタンやチタン合金の拡
散接合には、一般的に0.3kgf/mm2 以上の高荷
重が必要とされていた。) このように、低荷重でも拡散接合が可能となるので、高
荷重用の外部油圧式のホットプレス真空炉や、不活性ガ
ス雰囲気中での熱間静水圧プレス(HIP)装置等の特
殊な設備を、必須的に用いる必要はなくなる。つまり、
このチタンハニカムの製造では、一般的なホットプレス
装置を使用可能となり、設備コスト,製造コストが低減
され、安価にチタンハニカムを製造可能となる。
【0080】第11に、更に拡散接合は、短時間でも可
能となる。すなわち、このチタンハニカムの製造方法に
あっては、純チタンの場合はβ変態点以上の温度で拡散
接合が行われ、チタン合金の場合はβ変態域以上の温度
で拡散接合が行われるので、β相により純チタンや合金
元素の自己拡散速度が極めて大となる。このようにこの
製造方法では、母材間つまり地肌の拡散接合面間におけ
るチタンや合金元素の拡散移動が促進され、更に前述し
た母材の超塑性の点もあいまって、拡散接合が、例えば
5分から10時間程度、多くの場合は30分間,1時
間,2時間程度の短時間の内に行えるようになる。(前
述したようにこの種従来例において、拡散接合には、一
般的に数10時間から数100時間程度の長時間を要す
るとされていた。)
【0081】第12に、接合強度に優れたチタンハニカ
ムが得られる。すなわち、このチタンハニカムの製造方
法によると、上述した第11のように拡散接合が短時間
のうちに行えるので、拡散接合が長時間化した場合に生
じる、母材たる純チタンやチタン合金の結晶粒径の粗大
化が防止される。つまり、もしも結晶粒径が大きいと前
述した超塑性が生じにくく密着性が低下し、低荷重で拡
散接合を実施すると、拡散接合面にボイドが残存し、結
局、拡散接合による接合強度が低下することになる。こ
れに対し、この製造方法によると結晶粒径の粗大化は防
止され、拡散接合により、接合強度に優れたチタンハニ
カムが得られるようになる。又、このような接合強度
は、純チタンやチタン合金について、β変態点やβ変態
域以上での加熱や、200μm以下の肉厚設定、更には
離型剤の潤滑性や5μm以下の粒径設定、等々によって
も裏付けられ、もって優れた接合強度のチタンハニカム
が得られることになる。
【0082】第13に、しかもこの拡散接合に際して
は、事前の酸化皮膜除去のための表面洗浄も不要化され
る。すなわち、このチタンハニカムの製造方法による
と、母材たる純チタンやチタン合金の地肌表面を覆って
いる酸化皮膜は、拡散接合に際し、酸化皮膜中の酸素が
母材中に拡散,固溶することにより、分散,破壊,除去
される。(前述したように、この種従来例では拡散接合
に際し、事前に母材の地肌表面の酸化皮膜の除去が必要
とされており、フッ素洗浄等の表面洗浄が必須的に実施
されていた。) このように、この製造方法によると、事前の酸化皮膜の
除去,表面洗浄が必須的とはされず(勿論、適宜必要に
応じ実施してもよい)、その分、工程が簡単容易化され
る。
【0083】第14に、拡散接合後の展張もスムーズに
行われる。すなわち、このチタンハニカムの製造方法で
は、このように、重積,拡散接合,条線接合された、純
チタンやチタン合金よりなる母材については、事後、展
張が実施されるが、このような展張に際しては母材につ
いて、5%以上の伸びが必要とされている。そこで、例
えば母材が純チタンの場合については、請求項5のよう
に、拡散接合時の温度を1100℃以下(勿論、前述し
たβ変態点以上の温度)に設定しておくと、事後の常温
時において、母材の5%以上の伸びが確実に確保される
ようになる。もって、事後の展張が極めてスムーズに行
われるようになる。このように、この種従来例に存した
課題が全て解決される等、本発明の発揮する効果は、顕
著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るチタンハニカムの製造方法につい
て、発明の実施の形態の説明に供する斜視説明図であ
り、(1)図は、準備された母材を、(2)図は、離型
剤を配設した状態を、(3)図は、切断した状態を、
(4)図は、重積した状態を、(5)図は、拡散接合し
た状態を、(6)図は、展張した状態をそれぞれ示す。
【図2】同発明の実施の形態の説明に供し、チタンハニ
カムの斜視図である。
【図3】同発明の実施の形態の説明に供する原理説明図
であり、(1)図は、接合対象の1対の母材を、(2)
図は、その重積状態を、(3)図は、その加熱,加圧状
態を(4)図は、拡散接合状態をそれぞれ示す。
【図4】同発明の実施の形態の説明に供するグラフであ
り、(1)図は、温度と引張強度との関係を示し、
(2)図は、温度と伸び率との関係を示す。
【符号の説明】
1 チタンハニカム 2 母材 3 地肌 4 酸化皮膜 5 離型剤 6 拡散接合面 7 セル壁 8 セル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B32B 3/12 B32B 3/12 A

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 まず、肉厚が極薄の箔状の純チタンやチ
    タン合金を母材として準備し、該母材について、離型剤
    を一定幅とピッチで、条線状に地肌を残しつつ所定間隔
    にて配設した後、 複数枚の該母材を、該離型剤間に残された地肌が半ピッ
    チずつずれた位置関係で重積してから、該母材間を、接
    触した地肌にて条線状に拡散接合し、 該拡散接合は、該母材が純チタンの場合はβ変態点以
    上、該母材がチタン合金の場合はβ変態域以上等、該母
    材が超塑性を示す温度以上により、真空や不活性ガス雰
    囲気等の低酸素濃度雰囲気中で、荷重を加えて加圧し、
    もって、該母材の地肌表面の酸化皮膜中の酸素が該母材
    中に拡散,固溶して、該酸化皮膜が分散,除去せしめら
    れると共に、該母材のチタンや合金元素が地肌間で拡散
    移動することにより、行われ、 しかる後、重積方向に引張力を加えて展張することによ
    り、該母材が、条線状の拡散接合面の縁に沿って折曲さ
    れると共に、条線状の該拡散接合面以外の箇所が分離,
    離隔され、 もって、該母材をセル壁とし、該セル壁にて区画形成さ
    れた中空柱状の多数のセルの平面的集合体たる、チタン
    ハニカムを得ること、を特徴とするチタンハニカムの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載したチタンハニカムの製
    造方法において、母材として準備される純チタンやチタ
    ン合金は、肉厚が200μm以下であること、を特徴と
    するチタンハニカムの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載したチタンハニカムの製
    造方法において、母材として準備される純チタンやチタ
    ン合金は、結晶粒径が50μm以下であること、を特徴
    とするチタンハニカムの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載したチタンハニカムの製
    造方法において、配設される該離型剤は、重積,接触せ
    しめられた該母材の地肌表面間を滑らせることが可能な
    潤滑性を備えてなると共に、含有する粉末粒子の粒径が
    5μm以下のものよりなること、を特徴とするチタンハ
    ニカムの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載したチタンハニカムの製
    造方法において、該拡散接合は、該母材が純チタンの場
    合、1100℃以下の温度で行われること、を特徴とす
    るチタンハニカムの製造方法。
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