JPH1114674A - 電力系統の高調波測定方法 - Google Patents

電力系統の高調波測定方法

Info

Publication number
JPH1114674A
JPH1114674A JP9180572A JP18057297A JPH1114674A JP H1114674 A JPH1114674 A JP H1114674A JP 9180572 A JP9180572 A JP 9180572A JP 18057297 A JP18057297 A JP 18057297A JP H1114674 A JPH1114674 A JP H1114674A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
harmonic
measurement
current
power system
admittance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9180572A
Other languages
English (en)
Inventor
Isao Koda
勲 香田
Masakazu Tsukamoto
政和 塚本
Soji Nishimura
荘治 西村
Yasukazu Natsuda
育千 夏田
Toshihiko Shikata
俊彦 志方
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chubu Electric Power Co Inc
Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Chubu Electric Power Co Inc
Nissin Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chubu Electric Power Co Inc, Nissin Electric Co Ltd filed Critical Chubu Electric Power Co Inc
Priority to JP9180572A priority Critical patent/JPH1114674A/ja
Priority to US09/099,381 priority patent/US6208945B1/en
Publication of JPH1114674A publication Critical patent/JPH1114674A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/40Arrangements for reducing harmonics

Landscapes

  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力系統の上位,下位の少なくとも一方の高
調波についての等価回路のアドミタンスを、その高調波
の上,下両側の基本波の非整数倍周波数の複数の電流を
注入して短時間に精度よく求め得るようにする。 【解決手段】 電力系統1の測定波についてのアドミタ
ンス又はこのアドミタンスと電流源との並列回路からな
る等価回路を求める際に、測定調波の上,下両側それぞ
れの基本波の非整数倍周波数の複数の電流を、系統1の
高調波注入点4に同時に供給し、この注入に基づく注入
点4の電圧及び系統1の注入点4より上位,下位の少な
くとも一方の電流を計測し、この計測の結果から系統1
の前記上位,前記下位の少なくとも一方の測定調波の
上,下両側それぞれの前記非整数倍周波数の各電流に基
づくアドミタンスを算出し、この算出の結果に基づく補
間処理により、前記上位,前記下位の少なくとも一方の
測定調波についてのアドミタンスを求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力系統の高調波
(測定調波)についてのアドミタンス(インピーダン
ス)又は等価回路を求める電力系統の高調波測定方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】電力系統の送,配電系統等の高調波抑制
技術においては、高調波ロスを利用したいわゆる系統切
り換え技術により高調波を低減することが、重要視され
てきた。
【0003】そして、系統切り換え等によって生じる高
調波の周波数は、系統電源の基本波の周波数fsの整数
倍であり、代表的な第5調波の周波数は5×fsであ
る。
【0004】また、高調波の低減はコンデンサ設備に付
属するフィルタ設備により、高調波の電圧レベルの予測
等に基づき、そのフィルタを設置して行われる。
【0005】このとき、高調波の電圧レベルの予測等を
行うには、電力系統のフィルタ設備の接続点より上位
(上流),下位(下流)の高調波に対する特性を把握し
てその等価回路を求める必要がある。
【0006】この等価回路は、アドミタンスと電流源と
の並列回路又はインピーダンスと電圧源との直列回路と
みなすことができ、そのうちのアドミタンス又はインピ
ーダンスが特性の把握の上からは最も重要である。
【0007】そして、電気学会論文誌B,101巻8
号,p.451−458,(昭56−8)には、配電線
の第5調波についての等価回路を求める際、系統の基本
波の電圧,電流を計測し、その結果から高調波に対する
等価回路のアドミタンス(インピーダンス),電流源
(電圧源)の大きさ,位相等を算出して推定することが
記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記文献等に記載のよ
うに電力系統の高調波についての等価回路をその基本波
についての電圧,電流の計測結果で求める場合、精度よ
く求めることができない問題点がある。
【0009】なお、例えば前記フィルタ装置の接続点に
基本波(周波数fs)の整数倍周波数n×fsの高調波
の電流(電圧)を注入(印加)し、そのときの系統各所
の電流,電圧等の計測結果からその高調波についての等
価回路を求めようとしても、電力系統にその高調波が存
在するため、注入した高調波変化に基づく電流,電圧等
の変化を明確に計測することができず、その高調波につ
いての電力系統のアドミタンス(インピーダンス)や等
価回路を正確に求めることができなかった。
【0010】したがって、従来は電力系統の前記フィル
タ装置の接続点等の上位,下位の高調波についてのアド
ミタンス(インピーダンス)や等価回路を個別に精度よ
く求めることができず、この結果、系統切り換え等の際
の高調波の電圧レベルの精度の高い予測ができなかっ
た。
【0011】ところで、n次高調波を測定調波とする
と、電力系統(実系統)には、本来、測定調波の上,下
両側の基本波の非整数倍周波数の電流や電圧が存在しな
いため、これらの電流や電圧の注入又は印加に基づく測
定結果から、つぎのようにして電力系統の測定調波につ
いてのアドミタンス(インピーダンス)や等価回路を求
めることが考えられる。
【0012】すなわち、測定調波の上,下両側の基本波
の非整数倍周波数の電流(電圧)を電力系統に注入又は
印加し、その測定の結果から電力系統の測定調波の上,
下両側での注入電流(印加電圧)についての等価回路の
アドミタンス(インピーダンス)を求める。
【0013】そして、この測定調波の上,下両側でのア
ドミタンス(インピーダンス)に平均等の補間処理を施
し、その中間の測定調波についての電力系統のアドミタ
ンス(インピーダンス)を求める。
【0014】さらに、等価回路を求めるときは、求めた
アドミタンス(インピーダンス)と電力系統の測定調波
についての電流,電圧の測定結果とにより、電力系統の
測定調波についての電流源(電圧源)を求め、アドミタ
ンスと電流源との並列回路又はインピーダンスと電圧源
との直列回路からなる等価回路を求める。
【0015】この場合、基本波の非整数倍周波数の電流
(電圧)に基づく電力系統のアドミタンス(インピーダ
ンス)が測定結果から正確に求まるため、測定調波のア
ドミタンス(インピーダンス)や等価回路を正確に求め
ることができる。
【0016】しかし、実際の電力系統においては、測定
調波の上,下両側に基本波の非整数倍周波数の電流,電
圧が存在することがあり、その周波数及び大きさは系統
や時間帯等によって異なる。
【0017】そして、電力系統に注入する電流や印加す
る電圧と同じ周波数の電流源又は電圧源が電力系統に存
在していれば、測定調波のアドミタンス(インピーダン
ス)や等価回路を正確に求めることができない。
【0018】そこで、測定調波の上,下両側の基本波の
非整数倍周波数の注入電流(印加電圧)をそれぞれ複数
とし、各注入電流(印加電圧)に基づく複数の計測結果
の平均等から、電力系統に存在する電流源(電圧源)の
影響を極力排除して測定調波についての等価アドミタン
ス(等価インピーダンス)や等価回路を求めることが望
ましい。
【0019】しかし、測定調波の上,下両側の複数の周
波数の注入電流(印加電圧)を、1つずつ注入又は印加
して測定をくり返すと、短時間に迅速に測定することが
できず、しかも、測定時間のずれに基づく誤差が生じ易
く、迅速に精度よく測定調波の等価アドミタンス(等価
インピーダンス)又は等価回路を求めることができない
問題点がある。
【0020】また、各注入電流(印加電圧)の周波数を
例えば測定調波に近い周波数から順に設定するのみで
は、電力系統に存在する電流(電圧)の影響を最も少な
くして測定することができず、少ない注入電流(印加電
圧)で精度の高い測定を行うことができない。
【0021】さらに、注入電流(印加電圧)を形成する
装置の電源容量(パワー)等の面からの制約により、注
入電流(印加電圧)の数を多くする程、各周波数の注入
電流量(印加電圧)が減少(低下)し、とくに電源容量
が小さい小型の装置の場合、注入電流数等によっては、
電力系統の高調波が比較的大きいようなときに注入電流
量(印加電圧)が不足して測定できない事態も生じる。
【0022】本発明は、測定調波の上,下両側それぞれ
の基本波の非整数倍周波数の複数の電流(電圧)を短時
間に電力系統に注入して測定し、各電流(電圧)の注入
時間のずれに基づく誤差を防止して迅速に精度よく電力
系統の測定調波についてのアドミタンス(インピーダン
ス)又は等価回路を求め得るようにすることを課題とす
る。
【0023】また、少ない注入電流(印加電圧)で精度
の高い測定が行えるようにし、測定装置の小型化等が図
れるようにすることも課題とする。
【0024】さらに、測定装置の電源容量の制約等によ
らず、注入(印加)不足を防止して正確な測定が行える
ようにすることも課題とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、この出願の請求項1の電力系統の高調波測定方法
においては、電力系統の周波数fsの基本波のn倍(n
は整数)周波数のn次高調波を測定調波とし、電力系統
の測定調波についてのアドミタンス又は該アドミタンス
と電流源との並列回路からなる等価回路を求める際に、
測定調波の上,下両側それぞれの基本波の非整数倍周波
数の複数の電流を、電力系統の高調波注入点に同時に供
給し、この注入に基づく高調波注入点の電圧及び電力系
統の高調波注入点より上位,下位の少なくとも一方の電
流を計測し、この計測の結果から電力系統の上位,下位
の少なくとも一方の測定調波の上,下両側それぞれの非
整数倍周波数の各電流に基づくアドミタンスを算出し、
この算出の結果に基づく補間処理により、前記上位,前
記下位の少なくとも一方の測定調波についてのアドミタ
ンスを求める。
【0026】したがって、測定調波の上,下両側それぞ
れの基本波の非整数倍周波数の複数の電流が電力系統に
同時に注入されて測定され、この場合、各電流の注入及
び測定が、注入電流数によらず、短時間に行え、注入及
び測定の時間ずれに伴う測定誤差が発生せず、迅速に精
度よく電力系統の注目側の測定調波についてのアドミタ
ンス又は等価回路が求まる。
【0027】また、請求項2に係る電力系統の高調波測
定方法においては、高調波注入点の注入前の測定電圧の
周波数分析から電力系統の測定調波の上,下両側それぞ
れの設定値以下の電圧成分の周波数を検索し、この検索
の結果に基づき、高調波注入点に注入する基本波の非整
数倍周波数の複数の電流をそれぞれ電力系統の設定値以
下の電圧成分の各周波数に設定する。
【0028】したがって、測定調波の上,下両側それぞ
れの同時に注入する各電流の周波数が、事前に電力系統
には存在しない周波数又は存在しても極めて僅かな成分
の周波数に選定される。
【0029】そのため、各注入電流が電力系統の影響を
ほとんど受けることがなく、それぞれ少ない電流量であ
っても精度の高い測定が行える。
【0030】さらに、請求項3に係る電力系統の高調波
測定方法においては、測定調波の上,下両側それぞれの
基本波の非整数倍周波数の各電流の注入に基づく高調波
注入点の各非整数倍周波数の計測された電圧が基準値以
下になるときに、注入電流数を制限して高調波注入点に
測定調波の上,下両側それぞれの基本波の非整数倍周波
数の1又は複数の電流を再注入し、この再注入に基づく
高調波注入点の電圧及び高調波注入点の上位,下位の少
なくとも一方の電流の計測結果から測定調波の上,下両
側それぞれの非整数倍周波数の電流に基づくアドミタン
スを算出し、このアドミタンスの算出結果から前記上
位,前記下位の少なくとも一方の測定調波についてのア
ドミタンスを求める。
【0031】したがって、装置の電源容量(パワー)の
制約等から、各非整数倍周波数の電流の注入が不足する
ときに、注入電流数を制限して少なくし、電力系統に制
限されたときの非整数倍周波数の電流が再注入され、こ
のとき、各注入電流量が最初の注入時より増大し、十分
な電流量の注入電流に基づいて測定が行え、電源容量の
小さい小型の装置を用いて精度の高い測定が行える。
【0032】つぎに、請求項4に係る電力系統の高調波
測定方法においては、電力系統の測定調波についてのア
ドミタンス又は該アドミタンスと電流源との並列回路か
らなる等価回路の代わりに、測定調波についてのインピ
ーダンス又は該インピーダンスと電圧源との直列回路か
らなる等価回路を求める際に、高調波注入点に、基本波
の非整数倍周波数の電流の代わりに、基本波の非整数倍
周波数の電圧を印加し、計測の結果から非整数倍周波数
の各電圧に基づくインピーダンスを算出し、この算出の
結果に基づく補間処理により、高調波注入点の上位,下
位の少なくとも一方の測定調波についてのインピーダン
スを求める。
【0033】したがって、電流を注入する代わりに電圧
を印加して測定調波についてのインピーダンスを求め、
このインピーダンス又はこのインピーダンスと電圧源と
の直列回路からなる等価回路を求めることができ、請求
項1,請求項2又は請求項3と同様の効果が得られる。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態につき、図1
ないし図5を参照して説明する。 (実施の1形態)まず、本発明の実施の1形態について
説明する。電力系統の高調波等価回路を測定する際は、
図1に示すように、電力系統1の系統電源2と負荷3と
の間の適当な位置,例えば高調波電流低減用のフィルタ
装置が接続される位置を、高調波注入点4とし、この注
入点4にマイクロコンピュータ構成の計測装置5から電
流(電圧)を注入又は印加する。
【0035】ところで、電力系統1の基本波の整数倍の
周波数n×fsの高調波に対して、高調波注入点4から
みた系統1の下位(負荷側)はほぼ負荷3が接続された
状態にあり、上位(電源側)は例えば配電トランスを含
む線路インピーダンス6を介して系統電源2が接続され
た状態にある。
【0036】このとき、上位,下位をノートンの定理で
表現した高調波等価回路は、それぞれアドミタンスと電
流源との並列回路とみなせる。
【0037】なお、下位の電流源は実際に存在するので
はなく、負荷による電流歪み等で等価的に形成されるも
のである。
【0038】また、上位の線路インピーダンス6等は電
力系統1の線路特性から予め把握されており、既知であ
る。
【0039】そして、第5調波(n=5)等のn次高調
波を測定調波とし、この測定調波についての高調波注入
点4の上位,下位の時々刻々変化するアドミタンス(回
路定数)を求める場合、注入点4の電圧(系統電圧)を
変圧器7により計測し、高調波注入点4の上位,下位の
少なくとも一方,例えば上位の電流を変流器8により計
測する。
【0040】さらに、変圧器7の検出電圧の信号をPL
L回路構成の同期信号作成部9に供給し、この作成部9
により、制御部10の制御信号に基づいて系統電源2の
例えば60Hzの基本波に同期した同期制御信号を形成
する。
【0041】そして、この同期制御信号が供給される注
入源信号作成部11は、制御部10の制御に基づき、測
定調波(n次高調波)とn±1次高調波それぞれとの間
の基本波に同期した基本波の非整数倍周波数(周波数f
x)の複数の注入信号を同時に形成する。
【0042】さらに、各注入信号を加算器12により加
算合成して増幅器13に供給し、この増幅器13の増幅
により測定調波の上,下両側それぞれの基本波に同期し
た複数の中間次数調波の電流を形成する。
【0043】そして、測定調波の上,下両側それぞれの
各中間次数調波の電流を注入回路14,開閉器15を介
して高調波注入点4に同時に注入し、各注入電流を変流
器16により検出する。
【0044】ところで、後述の周波数分析に基づく測定
精度等を考慮し、例えば測定精度1/10で各中間次数
調波の電流注入に基づく電力系統1の系統電圧,系統電
流の歪みを測定する場合、各中間次数調波の電流を基本
波の10周期注入する。
【0045】そして、この注入中の系統電圧,系統電流
を変圧器7,変流器8により検出し、変圧器7の電圧の
検出信号及び変流器8,16の電流の検出信号をA/D
変換部17に供給する。
【0046】また、同期信号作成部9の同期信号に基づ
き、サンプリングタイミング作成部18が基本波に同期
したタイミング制御信号を形成する。
【0047】そして、制御部10の制御に基づき、A/
D変換部17は作成部18のタイミング制御信号にした
がって変圧器7の電圧の検出信号及び変流器8,16の
電流の検出信号をサンプリングする。
【0048】さらに、A/D変換部17の各サンプリン
グデータ(計測データ)が信号処理部19に供給され、
この処理部19はDFT処理,FFT処理等のデジタル
周波数分析又はアナログ周波数分析を実行し、この分析
の結果に基づき、電力系統1の高調波注入点4の上位,
下位の少なくとも一方、例えば下位を注目側とし、この
注目側の測定調波の上,下両側それぞれの各中間次数調
波についてのアドミタンスを求め、測定調波の上,下両
側のアドミタンスに基づく補間処理により測定調波につ
いてのアドミタンスを求める。
【0049】ところで、各中間次数調波の周波数は最も
簡単には、例えば、測定調波から予め適当に設定したm
次(0<m<1)ずつ離れるように設定することが考え
られるが、このように電力系統1の状態を考慮せずに設
定すると、いずれかの中間次数調波が電力系統1に比較
的大きなレベルで存在する事態が生じ、この場合は電力
系統1の影響を受けて精度の高い測定が行えなくなる。
【0050】そこで、この実施の形態においては、事前
に電力系統1に存在しない周波数又は存在しても極めて
僅かな周波数を選択してこれらの周波数を各中間次数調
波の周波数に設定する。
【0051】すなわち、制御部10が計測装置5を図2
の各処理に制御する。そして、各中間次数調波の電流の
注入前に、図2のステップS1 により測定調波の上,下
両側それぞれの注入する各中間次数調波(注入電流周波
数)が実測結果から設定(決定)される。
【0052】つぎに、各注入電流周波数の設定手法を説
明する。まず、図2のステップS1 は図3,図4のステ
ップQ1 〜Q15からなり、ステップS1 の処理が実行さ
れると、開閉器15を開放した状態で系統電圧がサンプ
リングされる。
【0053】このとき、測定精度が1/10(=0.
1)に設定されると、制御部10の図3のステップQ1
の処理に基づき、A/D変換部17はサンプリング位相
をずらしながら変圧器7の検出信号をサンプリングして
系統電圧を基本波の10周期にわたってサンプリング
し、系統電圧の計測データを形成する。
【0054】そして、この系統電圧の計測データが信号
処理部19に供給され、図3のステップQ2 の制御に基
づく処理部19の周波数分析により、系統電圧の高調波
の0.1次間隔の周波数分析を行う。
【0055】さらに、図3のステップQ3 の測定調波の
下側の注入周波数の決定に移行し、制御部10のステッ
プQ4 〜Q8 の処理により、信号処理部19は、系統電
圧の測定調波(n次高調波)とその1つ下のn−1次高
調波との間の例えば0.1次刻みのn−m次の中間次数
調波の大きさ(電圧)を、測定調波に近いものから順に
検出して設定値と比較する。
【0056】このとき、電力系統1に存在しないか又は
僅しか存在しない電圧の周波数を注入電流周波数として
選択するため、前記設定値は測定誤差等を考慮して例え
ば基本波の0.01%の大きさ(電圧)に設定される。
【0057】また、検出対象の中間次数調波の下限は、
実際には、例えばn−0.5次(m=0.5)に設定さ
れる。
【0058】そして、n−0.1次,n−0.2次,
…,n−0.5次の各中間次数調波のうちの設定値以下
の各周波数が測定調波の下側の注入電流周波数として選
択される。
【0059】なお、検出対象の中間次数調波がn−0.
5次になってもその大きさが基本波の0.01%以下の
ものが検出されなければ、本来は電力系統1に存在しな
い中間次数調波の比較的大きな電圧が測定調波の近傍に
存在し、注入電流に基づく正確な計測が行えないため、
処理を強制的に終了して測定を中止する。
【0060】一方、n−0.5次までの比較,選択が終
了すると、図3のステップQ8 を肯定YESで通過して
図4のステップQ9 の測定調波の上側の注入周波の決定
に移行する。
【0061】そして、制御部10のステップQ10〜Q15
の処理により、信号処理部19は、系統電圧の測定調波
とその1つ上のn+1次高調波との間の0.1次刻みの
n+m次の中間次数調波の大きさを、測定調波に最も近
いものから順に検出して設定値と比較し、前記下側の注
入電流周波数の設定の場合と同様にして系統電圧の測定
調波に上側の各中間次数調波のうちの設定値以下のもの
を検出し、それらの周波を上側の注入電流周波数として
選択する。
【0062】そして、n+0.5次までの比較,選択が
終了すると、図4のステップQ15を肯定で通過し、図2
のステップS1 を終了する。
【0063】このステップS1 で測定調波の上,下両側
の各注入電流周波数が選択されて設定されると、設定結
果が信号処理部19から制御部10に通知されて図2の
ステップS2 に移行する。
【0064】そして、このステップS2 により制御部1
0が注入源信号作成部11に測定調波の上,下両側それ
ぞれの設定された注入電流周波数の信号作成を指令し、
この指令に基づき、注入源信号作成部11が測定調波の
上,下両側毎に、それぞれの電力系統1に存在しないか
又は基本波の0.01%以下しか存在しない各中間次数
調波の注入信号を形成する。
【0065】したがって、この実施の形態においては、
測定調波の上,下両側それぞれの各中間次数調波の電流
が、電力系統1の状態を考慮し、それぞれ電力系統1の
影響が最も少なくなるように周波数を選定して高調波注
入点4に同時に注入される。
【0066】このとき、A/D変換部17のサンプリン
グ周波数を高くすることなく、そのサンプリングの始,
終端の連続性を保って所望の測定精度(0.1)で測定
を行うため、各中間次数調波の電流は前記したように基
本波の10周期(=1/0.1周期)注入される。
【0067】ところで、各中間次数調波の電流量は、各
注入信号の大きさ及び増幅器12の増幅能力等に基づく
計測装置5の電流出力能力,すなわち電流源としてのパ
ワーと中間次数調波の数とに依存し、注入電流数が多く
なる程注入電流当りの電流量は減少する。
【0068】したがって、とくに計測装置5がパワーの
小さい小型の装置の場合、設定された全ての注入電流周
波数の電流を注入すると、電力系統1の状態によっては
個々の注入電流が不足し、測定できない事態も生じる。
【0069】そこで、この実施の形態においては、注入
電流量が不足するようなときは、つぎに説明するよう
に、注入電流の数を制限して注入電流量の不足を解消す
る。
【0070】すなわち、図2のステップS1 で設定され
た各中間次数調波の電流がステップS2 で電力系統1に
同時に注入されると、ステップS3 により電力系統1の
各注入電流それぞれに基づく電圧(歪み電圧)が測定さ
れる。
【0071】この測定は、高調波注入点4に測定調波の
上,下両側それぞれの各中間次数調波の電流が同時に注
入されたときに、変圧器7の検出信号に基づくA/D変
換部17の系統電圧の計測データを信号処理部19によ
り周波数分析して行われる。
【0072】そして、信号処理部19はステップS4
より、測定調波の上,下両側それぞれについて、各注入
電流に基づく電圧がいずれもしきい値以上になるか否か
を判別し、1つでもしきい値より小さくなり、注入電流
の不足を検出すると、制御部10に再注入を指令する。
【0073】この指令が測定調波の上側又は下側の各中
間次数調波の注入によって発生すると、ステップS4
らステップS5 に移行し、制御部10はステップS1
設定された上側又は下側の各中間次数調波から1又は複
数を選択して注入電流数を制限する。
【0074】この制限は、例えば測定調波に近いものか
ら順に予め設定した数だけ選択して行われる。
【0075】また、制限後の注入電流数が少なくなる
程、注入電流当りの電流量が増大し、制限後の注入電流
数を1つに絞ると、その電流量が計測装置5の最大出力
電流量になるため、ここでは制限後の注入電流数が1つ
になるとして説明する。
【0076】そして、ステップS6 に移行し、制限され
た注入電流周波数の制御信号が制御部10から注入源信
号作成部11に供給され、高調波注入点4に制限後の所
定の中間次数調波の電流が注入される。
【0077】このとき、注入電流量が計測装置5の最大
出力電流になり、注入不足が確実に解消される。
【0078】そして、最初の注入又は再注入で十分な系
統電圧(歪み電圧)が得られると、信号処理部19によ
りステップS7 の測定処理が行われて前記の注目側の測
定調波についてのアドミタンスが求められる。
【0079】つぎに、A/D変換部17の測定調波の
上,下両側の中間次数調波の電圧及び電流の計測データ
に基づく測定調波のアドミタンスの算出手法について説
明する。
【0080】まず、説明を簡単にするため、高調波注入
点4に注入される中間次数調波の電流をIxとし、この
電流Ixが電力系統1に存在しない周波数fxの電流で
あるとすると、電力系統1は電流Ixに対してアドミタ
ンスYxのみが存在した状態になる。
【0081】このとき、電流Ixに基づく高調波注入点
4の電圧をVxとすれば、アドミタンスYxは電力系統
1に存在する高調波の影響を受けることなく、つぎの数
1の式から正確に求まる。
【0082】
【数1】Yx=Ix/Vx
【0083】また、電流Ixの注入に基づき電力系統1
の高調波注入点4より上位,下位それぞれを流れる電流
をIx1 ,Ix2 とし、この電流Ix1 ,Ix2 に基づ
く電力系統の高調波注入点4より上位,下位のアドミタ
ンスをYx1 ,Yx2 とすると、アドミタンスYx1
Yx2 は、つぎの数2,数3の2式それぞれから求ま
る。
【0084】
【数2】Yx1 =Ix1 /Vx
【0085】
【数3】Yx2 =Ix2 /Vx
【0086】そして、電流Ix1 ,Ix2 はいずれか一
方を測定すれば、Ix1 =Ix−Ix2 ,Ix2 =Ix
−Ix1 の演算により他方が求まる。
【0087】したがって、電力系統1の高調波注入点4
より下位を注目側とする場合、信号処理部19は、A/
D変換部17の計測データのDFT解析等の周波数分析
により電圧Vx及び電流Ix,Ix1 を求める。
【0088】このとき、注入電流が電力系統1の基本波
に同期した整数倍周期の電流であり、基本波に同期した
サンプリングにより、サンプリングの開始,終了の連続
性が保たれ、DFT誤差等の周波数分析の誤差は生じな
い。
【0089】さらに、信号処理部19は、電流Ix,I
1 に基づき、Ix2 =Ix−Ix1 の演算から注目側
の測定調波の上,下両側の中間次数調波の電流Ix2
求め、電流Ix2 ,電圧Vxに基づき、数3の式から注
目側の測定調波の上,下両側の中間次数調波についての
アドミタンスYx2 を求める。
【0090】そして、測定調波の上,下両側の中間次数
調波の電流が複数になるときは、測定調波の上,下両側
それぞれにつき、中間次数調波毎に電流Ix2 を求め、
各中間次数調波についてのアドミタンスYx2 を求め
る。
【0091】このとき、各中間次数調波の電流Ixが電
力系統1に存在しない周波数の電流又は僅しか存在しな
い周波数の電流であり、しかも、注入電流量が不足する
ときは電流Ixの数が制限されて流入電流量が増大補正
されるため、計測装置5が電源容量の小さい小型の装置
であっても、各アドミタンスYx2 が電力系統1の高調
波の影響を受けることなく正確に求まる。
【0092】なお、電流Ixの代わりに測定調波の高調
波電流を注入しても、この高調波が電力系統1に存在し
ているため、注入した高調波電流に基づくアドミタンス
を求めることはできない。
【0093】つぎに、注目側の測定調波についてのアド
ミタンスをYn,その上,下両側の電流Ix2 について
のアドミタンスをYx2 (u),Yx2 (d)とする
と、測定調波についてのアドミタンスYnは、アドミタ
ンスYx2 (u),Yx2 (d)の中間値として求める
ことができる。
【0094】そのため、信号処理部19は同時に求めら
れた複数のアドミタンスYx2 (u),Yx2 (d)そ
れぞれにつき、例えば、アドミタンスYx2 (u),Y
2(d)毎に単純平均や最小二乗法等で平均値(代表
値)を求めて補間演算を実行し、測定調波についてのア
ドミタンスYnを求めて決定する。
【0095】このとき、各アドミタンスYx2 (u),
Yx2 (d)がそれぞれ同時に注入されて測定された中
間次数調波の電流に基づく計測結果から求められるた
め、アドミタンスYx2 (u)間及びアドミタンスYx
2 (d)間の注入時間(計測時間)のずれに基づく誤差
が防止され、各アドミタンスYx2 (u),Yx
2 (d)が電力系統1の高調波の影響や計測時間のずれ
に伴う誤差なく正確に算出され、測定調波についてのア
ドミタンスYnが正確に求まる。
【0096】なお、高調波注入点4の上位の電流Ix1
を計測する代わりに、その下位の電流Ix2 を計測して
もよく、この場合は、計測された電流から直ちに注目側
の電流Ix2 が求まる。
【0097】また、高調波注入点4の上位を注目側とす
る場合にも、計測又はIx−Ix2の演算から得られた
電流Ix1 と電流Ix,電圧Vxとに基づき、前記と同
様にして測定調波についてのアドミタンスYnを、電力
系統1の高調波の影響を受けることなく正確に求めるこ
とができる。
【0098】なお、高調波注入点4の上位,下位の両方
を注目側とし、それぞれの測定調波についてのアドミタ
ンスYnを求めることもでき、この場合、上位,下位の
両方に変流器を設け、上位,下位を流れる電流Ix1
Ix2 をそれぞれ計測してもよい。
【0099】そして、注目側の測定調波についてのアド
ミタンスYnが求まれば、注目側の測定調波に対する挙
動等を把握することができる。
【0100】ところで、この実施の形態においては、ア
ドミタンスYnだけでなく、このアドミタンスYnと電
流源IGnとの並列回路からなる測定調波についての等価
回路をより完全に求めるため、信号処理部19は測定調
波についての注目側のアドミタンスYnを求めて決定し
た後、つぎに説明するように、測定調波についての注目
側の電流源IGnを算出してその等価回路を求める。
【0101】すなわち、測定調波についての注目側のア
ドミタンスYnが求まると、中間次数調波の電流注入の
終了後、開閉器15が開放した状態での変圧器7,変流
器8の検出信号に基づくA/D変換部17の計測データ
の周波数分析により、電力系統1の測定調波の電圧(高
調波電圧),電流(高調波電流)を求める。
【0102】そして、求めた測定調波の高調波電圧をV
n,高調波電流をIn(上位から下位の向きを正)と
し、高調波注入点4の上位,下位の測定調波の等価回路
のアドミタンスYnをYn1 ,Yn2 ,電流源IGnをI
Gn1 ,IGn2 (高調波注入点4に流れる方向を正)とす
ると、図5の等価回路からも明らかなように、高調波注
入点4の下位,上位につき、つぎの数4,数5の2式そ
れぞれが成立する。
【0103】
【数4】IGn1 =In+Vn・Yn1
【0104】
【数5】IGn2 =Vn・Yn2 −In
【0105】そこで、信号処理部19は数4,数5の2
式のいずれか一方又は両方の演算から注目側の測定調波
の電流源IGn1 ,IGn2 を求めて決定し、図5に示す測
定調波の等価回路20,21を求めて決定する。
【0106】この場合、注目側の測定調波についての等
価回路20,21が個別にしかも精度よく求められる。
【0107】そして、注目側の等価回路20,21の決
定された各回路定数Yn1 ,Yn2,IGn1 ,IGn2
の情報は、例えば、計測装置5の記憶部(図示せず)に
記憶されるとともに表示部(図示せず)に例えば等価回
路図の形式で画面表示される。
【0108】また、系統切換え等による高調波の低減を
行う場合は、前記の各測定がくり返されて注目側の最新
の等価回路20,21の状態が把握され、この結果等か
ら系統切り換えに伴う高調波の発生を予測し、高調波注
入点4に接続したフィルタ装置(図示せず)のフィルタ
容量が最適に設定される。
【0109】(実施の他の形態)つぎに、電力系統1の
高調波等価回路をインピーダンスと電圧源との直列回路
とし、注目側の測定調波についてのインピーダンス又は
このインピーダンスと電圧源との等価回路を求める場合
について説明する。
【0110】この場合、図2のステップS1 と同様の処
理により図3,図4と同様の手法で測定調波(n次高調
波)とn±1次高調波との間の複数の印加電圧周波数
(中間次数調波の周波数)を求めて決定する。
【0111】さらに、同図のステップS2 と同様の処理
により測定調波の上,下両側毎に、それぞれの決定した
各中間次数調波の周波数の電圧を高調波注入点4に同時
に例えば基本波の10周期印加し、同図のステップ
3 ,S4 と同様の処理により、変圧器7及び変流器
8,16の検出信号に基づく周波数分析から注目側の各
中間次数調波の印加電圧についての系統電流(歪み電
流)が十分か否かを判別する。
【0112】そして、不足していれば図2のステップS
5 ,S6 と同様の処理により印加周波数を制限して高調
波注入点4に測定調波の上,下両側それぞれの各中間次
数調波の電圧を再び印加する。
【0113】さらに、各中間次数調波の電圧印加に基づ
く変圧器7及び変流器8,16の検出信号をA/D変換
部17によりそれぞれ計測データに変換し、各計測デー
タに基づき信号処理部19により、図2のステップS7
と同様の処理手法で注目側の測定調波についてのインピ
ーダンスを求める。
【0114】すなわち、高調波注入点4に周波数fxの
中間次数調波の電圧Vxを基本波のn周期印加して測定
すると、数1の式の代わりに、この式のアドミタンスY
xをインピーダンスZx(=1/Yx)に変えた式が成
立し、数2,数3の2式に相当する式として、つぎの数
6,数7の2式が成立する。
【0115】
【数6】Zx1 =Vx/Ix1
【0116】
【数7】Zx2 =Vx/Ix2
【0117】そこで、信号処理部19は計測した高調波
注入点4に電圧Vx及び下位,上位の電流Ix1 ,Ix
2 に基づき、数6,数7の式から注目側の基本波の上,
下両側の中間次数調波についてのインピーダンスZx1
(=Zx1 (u),Zx1 (d),Zx2 (=Zx
2 (u),Zx2 (d))を求める。
【0118】さらに、前記上,下両側のインピーダンス
Zx1 又はZx2 に前記と同様の補間処理を施し、測定
調波についてのインピーダンスZn(=1/Yn)を求
めて決定する。
【0119】また、このインピーダンスZnと電圧源と
の等価回路を求める場合は、高調波注入点4の測定調波
の電圧Vn,電流Inを計測し、数4,数5の式に相当
する式の演算から図2の電流源IGn1 ,IGn2 に相当す
る電圧源を求めて決定する。
【0120】なお、中間次数調波の電圧を印加する代わ
りに、中間次数調波の電流を注入して数6,数7の式か
らインピーダンスZx1 ,Zx2 を求め、測定調波につ
いてのインピーダンスZn及び等価回路を求めることも
可能である。
【0121】そして、前記両形態のいずれにおいても、
測定調波の上,下両側それぞれの本来は電力系統1に存
在しない複数の中間次数調波の電流又は電圧を前記上,
下両側毎に同時に電力系統1に注入(印加)して電力系
統1の電圧,電流を測定し、その結果に基づく演算か
ら、測定調波についてのアドミタンス(インピーダン
ス)又は等価回路を求めたため、短時間(同時)の電流
注入(電圧印加)に基づき電力系統1の影響を受けるこ
となく、しかも、注入(印加)の時間ずれに基づく誤差
を防止して精度よく電力系統1の注目側の測定調波につ
いてのアドミタンス(インピーダンス)又は等価回路を
求めることができる。
【0122】また、測定前に、電力系統1の測定調波の
上,下両側の実際には存在しないか存在しても極めて僅
かな中間次数調波のみを注入(印加)周波数に選定し、
計測時にこれらの周波数の各中間次数調波の電流又は電
圧を注入(印加)するため、前記アドミタンス(インピ
ーダンス)又は等価回路が一層精度よく求まる。
【0123】さらに、電力系統1に存在する各注入電流
(印加電圧)の成分に比して測定装置5が小型で各注入
電流(印加電圧)を十分な大きさにすることができない
ときは、測定調波の上,下両側それぞれの注入電流(印
加電圧)を例えば1つに制限し、中間次数調波の十分大
きな電流又は電圧を再注入(再印加)して計測するた
め、小型の測定装置5により種々の状態の電力系統1に
ついて、注目側の測定調波についてのアドミタンス(イ
ンピーダンス)又は等価回路を精度よく求めることがで
きる。
【0124】ところで、各中間次数調波の注入電流(印
加電圧)の周波数間隔,選択数及び注入(印加)期間等
は測定状況等に応じて適当に設定すればよく、前記両実
施の形態に限定されるものではない。
【0125】また、複数の注入電流(印加電圧)は、例
えば、マイクロコンピュータのソフトウェア処理に基づ
き、デジタル的に周波数合成等して形成してもよい。
【0126】
【発明の効果】本発明は、以下に記載する効果を奏す
る。まず、請求項1の場合は、測定調波の上,下両側そ
れぞれの基本波の非整数倍周波数の電流が電力系統1に
同時に注入されて測定が行われるため、各電流の注入及
び測定が、注入電流数によらず、短時間に行え、しか
も、電流間の注入及び測定の時間ずれに伴う誤差が防止
され、電力系統1に基本波の非整数倍周波数の電流を複
数注入して迅速に精度よく電力系統1の注目側の測定調
波についてのアドミタンス又は等価回路を求めることが
できる。
【0127】また、請求項2の場合は、測定調波の上,
下両側それぞれの電力系統1に注入する各中間次数調波
の電流が、電力系統1に設定値以下しか存在しない各周
波数に選定されるため、少ない注入電流で精度の高い測
定が行え、測定装置5の小型化等を図って一層精度よく
電力系統1の注目側の測定調波についてのアドミタンス
又は等価回路を求めることができる。
【0128】つぎに、請求項3の場合は、最初に注入し
た各中間次数調波の電流が不足するときに、注入電流数
を制限し、測定調波の上,下両側それぞれの中間次数調
波の注入電流量を増大して測定することができ、電源容
量の小さい小型の装置により、種々の状態の電力系統1
の注目側の測定調波についてのアドミタンス又は等価回
路を精度よく求めることができる。
【0129】さらに、請求項4の場合は、電流を注入す
る代わりに中間次数調波の電圧を印加して電力系統1の
注目側の測定調波についてのインピーダンス又は等価回
路を求めることができ、その際、請求項1、請求項2又
は請求項3と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の1形態の回路ブロック図であ
る。
【図2】図1の動作説明用の第1のフローチャートであ
る。
【図3】図2の一部の詳細な動作説明用の第2のフロー
チャートである。
【図4】図2の一部の詳細な動作説明用の第3のフロー
チャートである。
【図5】図1の電力系統の高調波等価回路図である。
【符号の説明】
1 電力系統 4 高調波注入点 5 計測装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 荘治 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機 株式会社内 (72)発明者 夏田 育千 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機 株式会社内 (72)発明者 志方 俊彦 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統の周波数fsの基本波のn倍
    (nは整数)の周波数のn次高調波を測定調波とし、前
    記電力系統の前記測定調波についてのアドミタンス又は
    該アドミタンスと電流源との並列回路からなる等価回路
    を求める際に、 前記測定調波の上,下両側それぞれの前記基本波の非整
    数倍周波数の複数の電流を、前記電力系統の高調波注入
    点に同時に供給し、 該注入に基づく前記高調波注入点の電圧及び前記電力系
    統の前記高調波注入点より上位,下位の少なくとも一方
    の電流を計測し、 該計測の結果から前記電力系統の前記上位,前記下位の
    少なくとも一方の前記測定調波の上,下両側それぞれの
    前記非整数倍周波数の各電流に基づくアドミタンスを算
    出し、 該算出の結果に基づく補間処理により、前記上位,前記
    下位の少なくとも一方の前記測定調波についてのアドミ
    タンスを求めることを特徴とする電力系統の高調波測定
    方法。
  2. 【請求項2】 高調波注入点の注入前の測定電圧の周波
    数分析から電力系統の測定調波の上,下両側それぞれの
    設定値以下の電圧成分の周波数を検索し、 該検索の結果に基づき、前記高調波注入点に注入する基
    本波の非整数倍周波数の複数の電流をそれぞれ前記電力
    系統の前記設定値以下の電圧成分の各周波数に設定した
    ことを特徴とする請求項1記載の電力系統の高調波測定
    方法。
  3. 【請求項3】 測定調波の上,下両側それぞれの基本波
    の非整数倍周波数の各電流の注入に基づく高調波注入点
    の前記各非整数倍周波数の計測された電圧が基準値以下
    になるときに、 注入電流数を制限して前記高調波注入点に測定調波の
    上,下両側それぞれの基本波の非整数倍周波数の1又は
    複数の電流を再注入し、 該再注入に基づく前記高調波注入点の電圧及び前記高調
    波注入点の上位,下位の少なくとも一方の電流の計測結
    果から前記測定調波の上,下両側それぞれの非整数倍周
    波数の電流に基づくアドミタンスを算出し、 該算出の結果から前記上位,前記下位の少なくとも一方
    の前記測定調波についてのアドミタンスを求めることを
    特徴とする請求項1又は請求項2記載の電力系統の高調
    波測定方法。
  4. 【請求項4】 電力系統の測定調波についてのアドミタ
    ンス又は該アドミタンスと電流源との並列回路からなる
    等価回路の代わりに、前記測定調波についてのインピー
    ダンス又は該インピーダンスと電圧源との直列回路から
    なる等価回路を求める際に、 高調波注入点に、基本波の非整数倍周波数の電流の代わ
    りに、前記基本波の非整数倍周波数の電圧を印加し、 計測の結果から前記非整数倍周波数の各電圧に基づくイ
    ンピーダンスを算出し、 該算出の結果に基づく補間処理により、前記高調波注入
    点の上位,下位の少なくとも一方の前記測定調波につい
    てのインピーダンスを求めることを特徴とする請求項
    1,請求項2又は請求項3記載の電力系統の高調波測定
    方法。
JP9180572A 1997-06-19 1997-06-19 電力系統の高調波測定方法 Pending JPH1114674A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9180572A JPH1114674A (ja) 1997-06-19 1997-06-19 電力系統の高調波測定方法
US09/099,381 US6208945B1 (en) 1997-06-19 1998-06-18 Harmonic component measuring method for power system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9180572A JPH1114674A (ja) 1997-06-19 1997-06-19 電力系統の高調波測定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1114674A true JPH1114674A (ja) 1999-01-22

Family

ID=16085631

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9180572A Pending JPH1114674A (ja) 1997-06-19 1997-06-19 電力系統の高調波測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1114674A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1310393C (zh) * 2004-04-29 2007-04-11 江苏省电力公司泰州供电公司 低压无功补偿中的谐波超标保护方法
CN108233379A (zh) * 2018-03-14 2018-06-29 南方电网科学研究院有限责任公司 安全稳定控制装置的测试方法、装置、设备和存储介质
CN109508480A (zh) * 2018-10-23 2019-03-22 华中科技大学 一种构造低频谐波电流计算电机高频电磁力的半解析方法
CN110165670A (zh) * 2019-05-07 2019-08-23 南京师范大学 一种引起换流母线电压畸变的非工频电流快速定位方法
CN112858781A (zh) * 2020-12-31 2021-05-28 华立科技股份有限公司 一种谐波检测系统
CN115201563A (zh) * 2022-06-30 2022-10-18 国网山东省电力公司潍坊供电公司 一种基于联合熵的多谐波源定位方法及系统

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1310393C (zh) * 2004-04-29 2007-04-11 江苏省电力公司泰州供电公司 低压无功补偿中的谐波超标保护方法
CN108233379A (zh) * 2018-03-14 2018-06-29 南方电网科学研究院有限责任公司 安全稳定控制装置的测试方法、装置、设备和存储介质
CN109508480A (zh) * 2018-10-23 2019-03-22 华中科技大学 一种构造低频谐波电流计算电机高频电磁力的半解析方法
CN110165670A (zh) * 2019-05-07 2019-08-23 南京师范大学 一种引起换流母线电压畸变的非工频电流快速定位方法
CN112858781A (zh) * 2020-12-31 2021-05-28 华立科技股份有限公司 一种谐波检测系统
CN115201563A (zh) * 2022-06-30 2022-10-18 国网山东省电力公司潍坊供电公司 一种基于联合熵的多谐波源定位方法及系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Karimi-Ghartemani et al. Measurement of harmonics/inter-harmonics of time-varying frequencies
US6208945B1 (en) Harmonic component measuring method for power system
CN106918741B (zh) 应用于频率宽范围波动电网的自适应采样的相位差校正法
US7502237B2 (en) Power waveform harmonic analysis using summed samples
Lian et al. Real-time simulation of voltage source converters based on time average method
EP1090302B1 (en) System measuring partial discharge using digital peak detection
EP1777530B1 (en) Method and arrangement for measuring inverter output currents
CN109521275B (zh) 一种同步相量确定方法、系统、装置及可读存储介质
US8664921B2 (en) Means of providing variable reactive load capability on an electronic load
EP1086380B1 (en) System for concurrent digital measurement of peak voltage and rms voltage in high voltage system
KR20200065807A (ko) 배터리셀 저항 측정 장치 및 방법
JPH1114674A (ja) 電力系統の高調波測定方法
US6239586B1 (en) System for digital measurement of breakdown voltage of high voltage samples
US20180059154A1 (en) Determining the frequency of an alternating signal
JPH085679A (ja) 周波数検出方法と装置および電力系統安定化システム
KR101172748B1 (ko) 교류전원장치의 3상 불평형 전압 출력 제어 장치 및 방법
JPH1114673A (ja) 電力系統の高調波測定方法
CN114527326A (zh) 电网阻抗的测量方法、装置、相关设备及存储介质
JPH07325636A (ja) 力率自動調整装置および交流電気量のディジタル量変換方法
KR101997633B1 (ko) Teo 및 desa를 이용한 자동 동기화 파라미터 측정 장치
JPH1114675A (ja) 電力系統の高調波測定方法
KR101774728B1 (ko) 복합 동력원 전력 분석 장치 및 그를 포함하는 수상 구조물 복합 동력원 테스트 시스템
JP2940603B2 (ja) 電力系統の高調波測定方法
JP2940598B2 (ja) 電力系統の高調波測定方法
JPH05188105A (ja) インパルス応答測定装置