JPH111450A - 含フッ素有機化合物 - Google Patents

含フッ素有機化合物

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JPH111450A
JPH111450A JP9137885A JP13788597A JPH111450A JP H111450 A JPH111450 A JP H111450A JP 9137885 A JP9137885 A JP 9137885A JP 13788597 A JP13788597 A JP 13788597A JP H111450 A JPH111450 A JP H111450A
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fluorine
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och
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JP9137885A
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Yutaka Furukawa
豊 古川
Seisaku Kumai
清作 熊井
A Cook Jeffrey
ジェフリー・エイ・クック
J Murphy Gerald
ジェラルド・ジェイ・マーフィー
George A Policello
ジョージ・エイ・ポリセロ
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AGC Inc
OSI Specialties Inc
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Asahi Glass Co Ltd
OSI Specialties Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撥水撥油剤、界面活性剤、および医農薬の原
料または中間体として有用な新規な含フッ素有機化合物
を提供する。 【解決手段】 式(1)で表される含フッ素有機化合
物。 RfCH2CH2CH2OCH2CH=CH2 ・・・(1) (ただし、Rfは炭素原子数1〜20のフルオロアルキ
ル基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な含フッ素有
機化合物に関する。本発明の含フッ素有機化合物は、撥
水・撥油剤、界面活性剤、および医農薬などの種々の機
能性材料の原料または中間体として用いられる有用な化
合物である。
【0002】
【従来の技術】フルオロアルキル基の末端に炭素−炭素
二重結合を有する化合物は、フルオロアルキル基が有す
る種々の機能発現を期待できるために、重合性モノマ
ー、医農薬の中間体等に広く用いられている。例えば、
上記化合物をヒドロシリコーン化合物と反応させて得ら
れる含フッ素シリコーン化合物は、撥水・撥油性、防汚
性、離型性等の性能を要求される種々の工業用素材およ
びその原料として、工業的に広く用いられている。
【0003】特公平6−78345号公報には、含フッ
素有機ケイ素化合物の製造に用いられる含フッ素有機化
合物として、Ck2k+1−CH=CH2(kは4〜10の
整数)や、RfCH2OCH2−CH=CH2(Rfは炭素
原子数4〜10のパーフルオロアルキル基または炭素原
子数5〜14のパーフルオロポリエーテル基を表す)等
が開示、記載されている。
【0004】特開平7−216090号公報には、フッ
素変性シリコーン、その製造方法およびこれを含有する
化粧料について記載されており、該公報中にはヒドロシ
リレーションに用いるフッ素含有化合物としてC37
(CF32CH2CH=CH2等の化合物が記載されてい
る。
【0005】特開平7−53719号公報には、特定の
オルガノポリシロキサンと含フッ素オレフィンとを反応
させることによって含フッ素オルガノポリシロキサン化
合物を製造する方法が記載されており、上記含フッ素オ
レフィンとしてC817CH2CH=CH2 や、n−C3
7OCH2CH=CH2 等が具体的に記載されている。
【0006】特開平4−99780号公報には、有機ケ
イ素化合物の製造に用いられる含フッ素有機化合物とし
て、Rf−CH2OCH2−CH=CH2(Rfは炭素原子
数4〜10のパーフルオロアルキル基)等が具体的に記
載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
6−78345号公報における含フッ素有機化合物とし
て、C613CH=CH2(上記式においてkが6)を用
いた場合、反応性に劣るという問題があり、またC37
OCF(CF3)CH2OCH2CH=CH2(上記式にお
いてRfがC37OCF(CF3))を用いようとする場
合、該化合物自体が高価で入手が難しく、また製造段階
での副生成物が多く多段階の工程を要するという問題が
ある。
【0008】また、特開平7−216090号公報に記
載されるC37C(CF32CH2CH=CH2 は、ヘ
キサフルオロプロペンのオリゴマー反応で合成される
が、副生成物が多く、反応の制御が難しいという問題が
ある。
【0009】また、特開平7−53719号公報に記載
されるC817CH2CH=CH2 やn−C37OCH2
CH=CH2 等は、合成が難しく、工業的に大量に製造
することが実際上困難であるという問題がある。
【0010】また、特開平4−99780号公報に記載
されるRfCH2OCH2−CH=CH2(Rfは炭素原子
数4〜10のパーフルオロアルキル基)を用いて製造し
た有機ケイ素化合物では、充分な撥水性が得られないと
いう不具合がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、下記式
(1)で表される含フッ素有機化合物が、安価に製造す
ることができ、しかもヒドロシリレーションを効率的に
行うことができるという知見を得、これに基づいて本発
明を完成するに至った。
【0012】すなわち本発明によれば、下式(1)で表
される含フッ素有機化合物が提供される。
【0013】
【化3】 RfCH2CH2CH2OCH2CH=CH2 ・・・(1) (式(1)中、Rfは炭素原子数1〜20のフルオロア
ルキル基を表す。)
【0014】上記式(1)で表される含フッ素有機化合
物(以下、「化合物(1)」と略記する場合あり)中、
fの炭素原子数は3〜16が好ましく、特には4〜1
2が好ましい。
【0015】フルオロアルキル基は、アルキル基の水素
原子の1個以上がフッ素原子に置換された基をいい、水
素原子の2個以上がフッ素原子に置換されているのが好
ましい。本発明において、フルオロアルキル基は、アル
キル基の炭素原子の1個以上がエーテル性の酸素原子、
またはチオエーテル性の硫黄原子に置換されていてもよ
く、また炭素−炭素結合間に−NH−が挿入されていて
もよい。
【0016】フルオロアルキル基は、アルキル基の水素
原子の2個以上がフッ素原子に置換されたポリフルオロ
アルキル基が好ましい。ポリフルオロアルキル基中のフ
ッ素原子の数は、(ポリフルオロアルキル基中のフッ素
原子)/(ポリフルオロアルキル基に対応する同一炭素
原子数のアルキル基中の水素原子数)×100(%)で
表現した場合に60%以上であるのが好ましく、特には
80%以上が好ましく、さらには実質的に100%であ
る場合が好ましい。
【0017】フルオロアルキル基は、直鎖、分岐のいず
れの構造であってもよいが、特には直鎖の構造が好まし
い。分岐の構造である場合には、分岐部分が炭素原子数
1〜3程度の短鎖であるのが好ましい。
【0018】本発明の化合物(1)においては、Rf
構成する炭素原子中の -CH2CH2CH2OCH2CH=CH2 に直接結
合する炭素原子に少なくとも1つのフッ素原子が直接結
合されている化合物が好ましい。
【0019】フルオロアルキル基としては、アルキル基
の水素原子の実質的に全てがフッ素原子に置換された基
(以下、「パーフルオロアルキル基」と記す)が好まし
く、特にはRfがCF3(CF2n−(ここで、nは炭素
原子数0〜19であり、好ましくは5〜11である)で
表される直鎖のパーフルオロアルキル基が好ましい。
【0020】Rf基の具体例としては、以下に示す例が
挙げられる。なお、以下の具体例中には、それぞれの構
造異性の基に相当する基も含まれる。
【0021】
【化4】C49−{ただし、CF3(CF23−、(C
32CFCF2−、(CF33C−、CF3CF2CF
(CF3)−等の構造異性の基を含む}、C511−{た
だし、CF3(CF24−、(CF32CF(CF22
−、(CF33CCF2−、CF3(CF22CF(CF
3 −等の構造異性の基を含む}、C613−{ただし、
CF3(CF22C(CF32−等の構造異性の基を含
む}、C817−、C1021−、C1225−、C1429
−、C1633−、C1837−、C2041−、(CF32
CFCS2S−(ここで、sは1〜17の整数であ
る)、HCt2t−(ここで、tは1〜20の整数であ
る)、CF3(CF24OCF(CF3)−、F[CF
(CF3)CF2O]uCF(CF3)CF2CF2−(uは
1〜5の整数である)、F[CF(CF3)CF2O]r
CF(CF3)−(rは1〜6の整数である)、F(C
2CF2CF2O)vCF2CF2−(vは1〜6の整数で
ある) F(CF2CF2O)wCF2CF2−(wは1〜9の整数
である)。
【0022】本発明の化合物の好ましい例である、Rf
が直鎖のパーフルオロアルキル基である場合の上記
(1)で表される含フッ素有機化合物は、下式(2)で
表される。ただし、式(2)におけるnは炭素原子数で
あり、0〜19であり、好ましくは5〜11である。
【0023】
【化5】 CF3(CF2n(CH23OCH2CH=CH2 ・・・(2)
【0024】本発明の上記式(1)で表される含フッ素
有機化合物の具体例としては、以下の化合物が挙げられ
る。
【0025】
【化6】CF3(CH23OCH2CH=CH2 、 CF3CF2(CH23OCH2CH=CH2 、 CF3(CF23(CH23OCH2CH=CH2 、 CF3(CF25(CH23OCH2CH=CH2 、 CF3(CF27(CH23OCH2CH=CH2 、 (CF32CF(CH23OCH2CH=CH2 、 (CF32CF(CF22(CH23OCH2CH=C
2 、 (CF32CF(CF24(CH23OCH2CH=C
2 、 (CF32CF(CF24(CH23OCH2CH=C
2 、 CF3(CF24OCF(CF3)(CH23OCH2
H=CH2 、 F[CF(CF3)CF2O]uCF(CF3)CF2CF2
(CH23OCH2CH=CH2(uは1〜5の整数であ
る)、 F[CF(CF3)CF2O]rCF(CF3)(CH23
OCH2CH=CH2(rは1〜6の整数である)、 F(CF2CF2CF2O)vCF2CF2(CH23OCH
2CH=CH2(vは1〜6の整数である)、 F(CF2CF2O)wCF2CF(CF3)(CH23
CH2CH=CH2(wは1〜9の整数である)。
【0026】本発明の化合物(1)の製造方法として
は、特に限定されず、例えば3−フルオロアルキルプロ
パノールとアリルハライドとを相間移動触媒およびアル
カリの存在下に反応させる方法が挙げられる。アリルハ
ライドとしては、アリルクロリド、アリルブロミド等が
好ましく、特にアリルクロリドが好ましい。相間移動触
媒としては、炭化水素基を有する第4級アンモニウム塩
またはホスホニウム塩が好ましく、特にテトラ−n−ブ
チルアンモニウムブロミド、テトラ−n−ブチルアンモ
ニウムサルファイト、テトラフェニルホスホニウムブロ
ミド、またはテトラ−n−ブチルホスホニウムブロミド
等が好ましく、特にテトラ−n−ブチルアンモニウムブ
ロミド、テトラ−n−ブチルアンモニウムサルファイト
が好ましい。アルカリとしては、アルカリ金属水酸化物
を用いるのが好ましく、水酸化ナトリウムまたは水酸化
カリウムが好ましい。アルカリ金属水酸化物は水溶液と
して用いるのが好ましく、該水溶液の濃度は20〜50
重量%とするのが好ましい。相間移動触媒の量は化合物
(1)に対して0.1〜10モル%とするのが好まし
い。また、上記反応は溶媒の存在下に実施してもよく、
該溶媒としては、塩化メチレンが好ましい。
【0027】本発明の化合物(1)は、撥水・撥油剤、
界面活性剤、医農薬などの様々な機能性材料の中間体ま
たは原料として有用な化合物である。
【0028】例えば、ケイ素原子に直接結合した水素原
子(Si−H)を有するヒドロシリコーン化合物と、本
発明の化合物(1)とでヒドロシリル化反応を行わせる
ことにより、撥水・撥油性、防汚性等に優れた含フッ素
シリコーン化合物を得ることができる。本発明の化合物
(1)は非常に反応性が高いため、ヒドロシリル化反応
が容易に進行し、フルオロアルキル基が導入されたフル
オロシリコーン化合物を得ることができる。
【0029】ここで、「ケイ素原子に直接結合した水素
原子(Si−H)を有するヒドロシリコーン化合物」と
しては、シリコーン化合物の分子中の部分構造としてS
i−H部分を1個または2個以上有する公知ないしは周
知の化合物が採用され得る。該ヒドロシリコーン化合物
は、シリコーン化合物の構成単位として、RaHSiO
2/2 単位、(Rb2 HSiO1/2 単位、HSiO3/2
単位等のヒドロシロキサン単位を含むシリコーン化合物
が好ましい。ここで、RaおよびRbは、1価の炭化水素
基を示し、炭素原子数1〜3のアルキル基、C65−、
またはC65CH2CH2−が好ましく、特にメチル基が
好ましい。
【0030】また、ヒドロシリコーン化合物が、ヒドロ
シロキサン単位以外のオルガノシロキサン単位を含む場
合、(Rc3SiO1/2 単位、(Rd2SiO2/2
位、ReSiO3/2 単位を含むのが好ましい。ここで、
c〜Reは、1価の炭化水素基を示し、特に、炭素数1
〜3のアルキル基、C65−、またはC65CH2CH2
−が好ましく、さらにメチル基が特に好ましい。
【0031】ヒドロシリコーン化合物は、環状、線状
(直鎖状または分岐状)のいずれの構造であってもよ
く、環状または線状(直鎖状または分岐状)であるのが
好ましく、特に直鎖状であるのが好ましい。
【0032】本発明に用いられるヒドロシリコーン化合
物としては、下記式(3)の平均組成式を有するヒドロ
シリコーン化合物が好ましい。
【0033】
【化7】 (R7c(H)dSiO(4-c-d)/2 ・・・(3) 上記式(3)中、0≦c<4、0<d<4、0<c+d
≦4である。またR7は1価の有機基を示し、1価の炭
化水素基が好ましく、特には炭素原子数1〜3のアルキ
ル基、C65−、またはC65CH2CH2−が好まし
く、さらにメチル基が特に好ましい。
【0034】上記式(3)で表される平均組成式を有す
るヒドロシリコーン化合物としては、下記式(4)で表
されるヒドロシリコーン化合物、(CH32HSiO
(CH2pSiO(CH32H(ここで、pは1以上の
整数を表す)等のヒドロシリコーン化合物等が挙げられ
る。なかでも下記式(4)で表されるヒドロシリコーン
化合物が特に好ましい。
【0035】
【化8】 (R7)3SiO・[Si(R7)2O]q・[SiH(R7)O]r・Si(R7)3 ・・・(4) (式(4)中、R7は上記と同じ意味を表し;qは0以
上の整数を表し,rは1以上の整数を表す。)
【0036】上記式中、R7 としてはメチル基が特に好
ましい。上記式(4)で表されるシリコーン化合物は、
ブロック重合体、ランダム重合体のいずれの場合も含む
ものとする。
【0037】本発明の化合物(1)は、ケイ素原子に直
接結合した水素原子を1個または2個以上有するヒドロ
シリコーン化合物とでヒドロシリレーションを行わせる
ことによって、撥水・撥油性、防汚性等に優れた含フッ
素ヒドロシリコーン化合物とすることができる。
【0038】ヒドロシリレーションに用いる化合物
(1)は、フルオロアルキル基の異なる構造の化合物を
2種以上用いてもよく、2種以上用いる場合にはフルオ
ロアルキル基の炭素原子数の異なる2種以上とするのが
好ましい。
【0039】本発明の化合物(1)をヒドロシリコーン
化合物に付加する反応(以下、「ヒドロシリレーショ
ン」と記す)は、例えば以下のようにして行わせること
ができる。
【0040】すなわち、化合物(1)とケイ素原子に結
合した水素原子を1個以上有するヒドロシリコーン化合
物とを反応させて、ケイ素原子に結合したRfCH2CH
2CH2OCH2CH2CH2−基とケイ素原子に結合した
水素原子を有するヒドロシリコーン化合物を含む反応生
成物を得る。さらに該反応生成物が未反応のケイ素原子
に結合した水素原子を若干量含む場合には、この反応生
成物をさらにCH2=CHR8(R8は水素原子または炭
素原子数1〜6の有機基)等と反応させることによっ
て、ケイ素原子に結合した水素原子を実質的に含まない
含フッ素シリコーン化合物としてもよい。
【0041】上記ヒドロシリレーションにおいては、ケ
イ素原子に直接結合する水素原子の上記式(1)への付
加が起こり、ケイ素原子に直接結合するRfCH2CH2
CH2OCH2CH2CH2−基を有するシリコーン化合物
が生成する。
【0042】ヒドロシリコーン化合物と化合物(1)と
のヒドロシリレーションにおいては、化合物(1)が、
f基と不飽和[−CH=CH2]の間に結合基(本発明
の場合、−CH2CH2CH2O−CH2−)を有する化合
物であることが重要である。結合基が存在しない化合
物、例えばC817CH=CH2 のような化合物におい
ては、ヒドロシリコーン化合物への付加反応は極めて進
行しにくい欠点がある。
【0043】上記のヒドロシリコーン化合物と、化合物
(1)との反応においては、触媒を存在させるのが好ま
しい。用いる触媒としては、遷移金属を含む触媒が好ま
しく、白金、ロジウム、コバルトを含む触媒が特に好ま
しい。反応温度は、通常の場合、0〜100℃程度が好
ましく、反応時間は0.5〜10時間程度が好ましい。
触媒の量は、通常反応系中に1〜100ppm程度とす
るのが好ましい。
【0044】なお、以下において、ヒドロシリコーン化
合物と化合物(1)との反応で生成するケイ素原子に結
合したRf(CH23OCH2CH2CH2−基を有するシ
リコーン化合物をまとめて「含フッ素シリコーン化合
物」と記す。
【0045】含フッ素シリコーン化合物としては、化合
物(1)と上記式(4)で表されるヒドロシリコーン化
合物とを反応させて得られる下記式(5)で表される含
フッ素シリコーン化合物が好ましい。
【0046】
【化9】 (R7)3SiO・[Si(R7)2O]q・[SiH(R7)O]r-s ・[Si(CH2CH2CH2OCH2CH2CH2Rf)(R7)O]s・Si(R7)3 ・・・(5) (ただし式(5)においてqは0以上の整数、rは1以
上の整数、sは1以上の整数を表し、r≧sである。)
【0047】ヒドロシリコーン化合物と化合物(1)の
反応における両化合物の比は、目的とする含フッ素シリ
コーン化合物に応じて適宜変更すればよく、特に限定さ
れない。
【0048】ケイ素原子に結合した水素原子のすべてに
ヒドロシリレーションしようとする場合には、通常は、
ヒドロシリコーン化合物中のケイ素原子に結合した水素
原子量に対して化合物(1)の量は1当量以上が好まし
いが、多過ぎると反応生成物中から除去するのに手間が
かかる問題があるため、特に1.1〜2当量が好まし
い。
【0049】含フッ素シリコーン化合物がケイ素原子に
直接結合した水素原子を有する場合には、加熱によるゲ
ル化が起こる可能性がある。したがって、化合物(1)
以外の炭素−炭素二重結合を有する化合物とさらにヒド
ロシリレーションさせておくのが好ましい。化合物
(1)以外の炭素−炭素二重結合を有する化合物として
は、CH2=CHR8(R8は水素原子または炭素原子数
1〜6の有機基)の他、式(6)(ただし式(6)にお
いて、aは0以上の整数、bは0以上の整数で、aまた
はbのいずれか一方は1以上の整数を表し;R9は水素
原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を表す)で表
されるアルキレンオキシド単位を有する不飽和化合物と
反応させてもよい。
【0050】
【化10】 CH2=CH(OCH2CH2)a[OCH2CH(CH3)]bOR9 ・・・(6)
【0051】アルキレンオキシド単位を有する不飽和化
合物との反応生成物は、界面活性剤または撥水・撥油剤
として用いることもできる。
【0052】また、反応時間は、原料の種類等に応じて
適宜変更され得るが、通常は3〜5時間が好ましい。反
応圧力は、常圧または加圧のいずれかが好ましい。
【0053】ヒドロシリレーションによる方法は、従来
のフルオロアルキル基含有シロキサン三量体を開環重合
する方法に比べ、はるかに効率的であり、合成コストも
低くできる利点がある。
【0054】このようにして得られた含フッ素シリコー
ン化合物は、コピーロール用防汚オイル、冷凍機油・真
空ポンプ油等の各種潤滑油、トランクション油、ブレー
キ油、カップリング油等の各種作動油、自動車や航空機
の計器類、プレイヤーのピックアップ等の防振油、ダッ
シュポットやショックアブソーバ等のダンパ油、感熱転
写記録受像体、磁気記録媒体、磁気ヘッド、含浸軸受け
等の潤滑剤、剥離剤、剥離剤、複写機、プリンターのロ
ール組成物またはその表面コート剤、シャンプー、リン
ス、各種メーキャップ化粧料等への配合剤、各種粉体の
処理剤、撥水・撥油剤、深色加工剤、繊維への潤滑付与
剤、変圧器油、コンデンサー油、ケーブル油等の絶縁
油、レベリング剤、ブロッキング防止剤、色むら防止
剤、ゆず肌防止剤等としてのプラスチック・塗料等への
ポリマー材料への添加剤、ゴム・樹脂の可塑剤、改質
剤、消泡剤、グリース・コンパウンドの基油、整泡剤、
ワックスへの配合油、トナー処理剤、オイルシール剤、
防錆剤、耐電防止剤、曇止め剤、医薬品への添加剤、つ
や出し剤等として有用な化合物である。このように、化
粧料、消泡剤、界面活性剤、撥水撥油剤等の様々な分野
において有用である。
【0055】本発明の化合物(1)は、上記の用途に限
定されず、他の含フッ素材料またはその原料としてさら
に新しい可能性を広げるものとして期待される。
【0056】以下に、本発明の実施例について説明する
が、本発明はこの方法により限定されるものではない。
【0057】
【実施例】
[実施例1]
【0058】温度計、還流冷却器および滴下ロートを備
えた5リットルの三つ口フラスコに、CF3(CF27
(CH23OH 1637g(3.43モル)、3−ク
ロロプロペン315g(4.12モル)、テトラ−n−
ブチルアンモニウムブロマイド55.2g(0.17モ
ル)および塩化メチレン1080gを仕込み、40℃で
撹拌を行った。ここへ、50%水酸化ナトリウム水溶液
1370gを滴下ロートより逐次添加した。その後、4
0℃で24時間反応させ、二相分離を行い、有機層を希
塩酸水溶液で1回洗い、次に水で2回洗い、さらに蒸留
することによりCF3(CF27(CH23OCH2CH
=CH2 を1505g(84.8%収率、沸点230
℃)得た。
【0059】1H−NMR(90MHz、CDCl3) δ
(ppm):1.7〜2.0 (2H、m、−CH2)、2.0〜2.4
(2H、m、-CH2-(CF2)-)、3.3〜3.5 (2H、CH2
O、t、J=5.68Hz)、3.9〜4.0 (2H、d、OC
2 、J=5.54Hz、1.29Hz)、5.0〜5.4 (2H、
m、=CH2)、5.7〜6.1 (1H、m、−CH=)19 F−NMR(90MHz、CDCl3) δ(ppm):-8
1.7 (CF3)、-115.1(C2 )CF3)、-122.5〜12
4.1 (CF2 、-126.9(C2 CH2
【0060】[実施例2]攪拌機、ジムロート、温度
計、滴下ロートを備えた1リットルの四つ口フラスコ
に、下式(7)で表されるメチルヒドロジェンシロキサ
ン化合物500gを仕込み、90℃で攪拌した。そこに
実施例1で合成したCF3(CF27(CH23OCH2
CH=CH2 240g(0.45モル)および塩化白
金酸の1%イソプロパノール溶液1.0gを滴下ロート
より逐次添加した。
【0061】
【化11】 (CH3)3SiO・[Si(CH3)2O]n・[SiH(CH3)O]m・Si(CH3)3 ・・・(7) (式(7)中、n+m=30、n/m=1/8である)
【0062】続いて、トルエン250mlを添加後、C
3O(CH2CH2O)RCH2CH=CH2(Rの平均値
は6.6)142g(0.4モル)および塩化白金酸の
1%イソプロパノール溶液3.4gを滴下ロートより逐
次添加した。反応終了を赤外分光測定によるH−Si伸
縮振動(2150cm-1)の消失により確認した。
【0063】生成物の構造は、1H−NMRにより、下
式(8)であることが確認された。ただし、式(8)中
の記号は上記と同じ意味を示す。
【0064】
【化12】 (CH3)3SiO・[Si(CH3)2O]n・{Si[(CH2)3O(CH2)3(CF2)7CF3](CH3)O}m/2・ ・{Si[(CH2)3(OCH2CH2)ROCH3](CH3)O}m/2・Si(CH3)3 ・・・(8)
【0065】[比較例1〜2]実施例2のCF3(C
27(CH23OCH2CH=CH2 の代わりに、そ
れぞれCF3(CF27CH2CH=CH2(比較例
1)、CF3(CF22OCF(CF3)CH2OCH2
H=CH2(比較例2)を用いた以外は、同様に反応さ
せ、比較例1では下式(9)で表される化合物を、比較
例2では下式(10)で表される化合物を得た。
【0066】
【化13】 (CH3)3SiO・[Si(CH3)2O]n・{Si[(CH2)3(CF2)7CF3](CH3)O}m/2・ ・{Si[(CH2)3(OCH2CH2)ROCH3](CH3)O}m/2・Si(CH3)3 ・・・(9) (CH3)3SiO・[Si(CH3)2O]n・{Si[(CH2)3OCH2CF(CF3)O(CF2)2CF3](CH3)O}m/2・ ・{Si[(CH2)3(OCH2CH2)ROCH3](CH3)O}m/2・Si(CH3)3 ・・・(10) ただし、式(9)および式(10)中の記号は上記と同
じ意味を示す。
【0067】[評価]このようにして得られた化合物
(8)、(9)および(10)の布処理を行った。被処
理布としては、ポリエステル加工糸織物を用いた。加工
浴として、化合物(8)、(9)、および(10)をそ
れぞれ固形分濃度が1重量%となるようにメチルエチル
ケトンで希釈したものを用意した。ポリエステル加工糸
織物に処理布を浸漬し、処理布の重量に対して固形分濃
度が1重量%となるように処理した。さらに絞り率60
%で均一に絞り、100℃で30分間乾燥させた。得ら
れた処理布について、撥油性および風合い柔軟性の評価
を行った。結果を表4に示す。
【0068】(撥水性の評価方法)撥水性は、水/イソ
プロピルアルコール(IPA)試験により測定した。下
表1に示す等級の試験液を処理布表面に1滴たらし、3
0秒間後に浸透しなかった等級を調べた。2つの等級に
決定された場合には、数字が大である等級に評価した。
評価は10回の反復試験の結果の平均値の値である。
【0069】
【表1】
【0070】(撥油性試験)下表2に示す試験溶液を試
験布上の2か所に数滴(径約4mm)置き、30秒後の
浸透状態により判別した(AATCC−TM118−1
966)。
【0071】
【表2】
【0072】(風合いの評価方法)5名の試験者による
官能試験により、未加工布との差を判定した。判定基は
下記基準によった。
【0073】
【表3】
【0074】
【表4】
【0075】
【発明の効果】本発明の含フッ素有機化合物は、撥水撥
油剤、界面活性剤、医農薬等のさまざまな機能性材料等
のための原料、中間体として有用な化合物である。本発
明の含フッ素有機化合物はシリコーン化合物とヒドロシ
リレーションを効率よくかつ安価に行うことができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01F 17/42 B01F 17/42 17/54 17/54 C09K 3/18 102 C09K 3/18 102 104 104 (72)発明者 熊井 清作 神奈川県藤沢市白旗1−10−21 (72)発明者 ジェフリー・エイ・クック アメリカ合衆国、10566、ニューヨーク州、 ピークスキル、スプリング メドー ロー ド 7 (72)発明者 ジェラルド・ジェイ・マーフィー アメリカ合衆国、12533、ニューヨーク州、 ホープウェル ジャンクション、モッキン グバード コート 8 (72)発明者 ジョージ・エイ・ポリセロ アメリカ合衆国、10562、ニューヨーク州、 オシニング、ハーベル ストリート 35

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下式(1)で表される含フッ素有機化合
    物。 【化1】 RfCH2CH2CH2OCH2CH=CH2 ・・・(1) (式(1)中、Rfは炭素原子数1〜20のフルオロア
    ルキル基を表す。)
  2. 【請求項2】式(1)において、Rfを構成する炭素原
    子中の-CH2CH2CH2OCH2CH=CH2に直接結合する炭素原子に
    少なくとも1つのフッ素原子が直接結合している、請求
    項1の含フッ素有機化合物。
  3. 【請求項3】式(1)において、Rfが炭素原子数1〜
    20のパーフルオロアルキル基である、請求項1または
    2の含フッ素有機化合物。
  4. 【請求項4】下式(2)で表される含フッ素有機化合
    物。 【化2】 CF3(CF2nCH2CH2CH2OCH2CH=CH2 ・・・(2) (式(2)中、nは0〜19の整数を表す。)
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の含フッ素
    有機化合物とヒドロシリコーン化合物とを反応させてな
    る、含フッ素シリコーン化合物。
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JP14842696 1996-05-18
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003503637A (ja) * 1999-07-02 2003-01-28 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 燃料噴射弁
JP2016533408A (ja) * 2013-10-04 2016-10-27 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー フルオロアルキルシリコーン組成物

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JP2003503637A (ja) * 1999-07-02 2003-01-28 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 燃料噴射弁
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