JPH11144785A - 電気接続用ねじ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】小さいスペースに収容でき、ケーブル等をはず
すことなしに電路を遮断することのできる電気接続用ね
じを提供する。 【解決手段】あご部１を有し筒状をなす上部導体２と、
外周面にねじ山を形成され前記上部導体に電気絶縁を保
って同心的に結合された筒状の下部導体３と、この下部
導体の中心孔と前記上部導体の中心孔に連続して挿入さ
れて前記下部導体と前記上部導体を電気的に接続する補
助導体５とを備えた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、端子板にケーブル
の端子金具を接続するときなどに用いる電気接続用ねじ
に関する。

【０００２】

【従来の技術】通信機械やコンピュータ設備等は増設や
改修工事を行うことが多い。しかし現代社会において
は、通信やコンピュータによる重要な設備に対する自動
運用が通常となっているため、このような設備の改修時
に発生するトラブルは、設備に大きなダメージを与える
ばかりでなく社会に重大な損害を与えるおそれがある。
このため、設備改修時等の誤出力等による事故を未然に
防止するためには、外部に接続されているケーブルをは
ずす等の処置が必要となる。しかしこれには工数がかか
り、また、設備復旧時にケーブル誤接続等の起こること
がある。従来、端子台で電路を遮断する場合は、ねじを
一度すべてはずさなければならず、復旧時の誤接続の原
因となる。断路機能付きの端子台もあるが、既設の設備
の端子台を改造するのは費用がかかる。また、断路機能
付きの端子台は幅の広いものが多いため、既設のスペー
スに収まらないことがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、小さ
いスペースに収容でき、ケーブル等をはずすことなしに
電路を遮断することのできる電気接続用ねじを提供する
ことを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の電気接続用ねじ
は、あご部を有し筒状をなす上部導体と、外周面にねじ
山を形成され前記上部導体に電気絶縁を保って同心的に
結合された筒状の下部導体と、この下部導体の中心孔と
前記上部導体の中心孔に連続して挿入されて前記下部導
体と前記上部導体を電気的に接続する補助導体とを備え
た構成とする。

【０００５】このような構成の本発明の電気接続用ねじ
は、補助導体が挿入されているときは通常の金属ねじと
同様に機能し、補助導体が抜かれると絶縁ねじとして機
能する。すなわち、端子板等にケーブル端子金具等を取
り付けるときは、端子板等の上に電気絶縁性のワッシャ
を置き、その上にケーブル端子金具等を置いて、この電
気接続用ねじを端子板等のねじ穴にねじ込み、ケーブル
端子金具等を上部導体のあご部で押さえつける。この状
態で補助導体が挿入されていると、端子板−下部導体−
補助導体−上部導体−ケーブル端子金具等という経路で
電路が形成される。そして、補助導体を抜くと下部導体
と上部導体の間の導通が絶たれるので、端子板等から電
気接続用ねじをはずすことなく、すなわち端子板等から
ケーブル等をはずすことなく、端子板等とケーブル端子
金具等の間の導通を絶つことができる。また本発明の電
気接続用ねじは、ねじの中に装脱できる補助導体を有す
るようにしたので、外形寸法は従来のものと同等に構成
できる。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の電気
接続用ねじを、図１を参照して説明する。すなわち、本
発明の実施の形態の電気接続用ねじは、環状のあご部１
を有する円筒状の金属からなる上部導体２と、外周面と
内周面にねじを形成された円筒状の金属からなる下部導
体３と、上部導体２の下部外周と下部導体３の上部外周
にに埋め込み接合され上部導体２と下部導体３を同心に
離隔結合する絶縁性の環状体４と、上部導体２の中心孔
と下部導体３の中心孔に連続して挿入されて上部導体２
と下部導体３を電気的に接続する補助導体５からなる。
補助導体５としては、図示のような小ねじのほかに、表
面に板バネ状の金属板を備えた金属棒を使用することが
できる。

【０００７】このような構成の電気接続用ねじを用いて
端子板にケーブルを接続するには次のように行う。すな
わち、端子板６にはこの電気接続用ねじの下部導体３の
外周面のねじ山と合うねじが予め切ってある。そしてま
ず、上部導体２と環状体４と下部導体３とからなり、補
助導体５が挿入されていない状態の該ねじで端子板６に
ケーブルの端子金具７を取り付ける。このとき、端子板
６の上に絶縁性のワッシャ８を置き、上部導体２と端子
板６および端子金具７と端子板６が接触しないようにす
る。その後、該ねじ内に補助導体５を挿入すると、端子
板６−下部導体３−補助導体５−上部導体２−端子金具
７という経路で電路が形成される。このように形成した
電気接続において端子板６とケーブルの電気接続を絶つ
には、補助導体５を抜くだけでよい。すなわち、補助導
体５を抜くと下部導体３と上部導体２の間の導通が絶た
れるので、端子板６から電気接続用ねじをはずすことな
く、すなわち端子板６からケーブルをはずすことなく、
端子板６とケーブルの間の導通を絶つことができる。

【０００８】なお上部導体２と下部導体３を電気絶縁を
保って結合する構成は、図示のような環状体４ではな
く、上部導体２の下端面と下部導体３の上端面の間に絶
縁性の板を挟んで接着したものであってもよい。この場
合は、上部導体２と端子板６が接触しないように、上部
導体２と下部導体３の接着面は上部導体２のあご部１の
付近まで高くする。また、補助導体５は上記のような小
ねじ以外に、通称バナナチップといわれる、表面に板バ
ネをつけた金属棒のようなものであってもよい。

【０００９】

【発明の効果】以上説明したように本発明の電気接続用
ねじは、該ねじの中に装脱できる補助導体を有するよう
にしたので、外形寸法は従来のものと同等であり、この
ねじを用いると端子板からケーブルをはずすことなく端
子板とケーブルの電気的導通を絶つことができ、設備改
修時等にケーブル脱着の手間を省くことができるととも
に、設備復旧時にケーブルの誤接続を起こすことがな
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の電気接続用ねじの取り付
け状態を示す断面図

【符号の説明】

１…あご部、２…上部導体、３…下部導体、４…環状
体、５…補助導体、６…端子板、７…端子金具、８…ワ
ッシャ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】あご部を有し筒状をなす上部導体と、外周
   面にねじ山を形成され前記上部導体に電気絶縁を保って
   同心的に結合された筒状の下部導体と、この下部導体の
   中心孔と前記上部導体の中心孔に連続して挿入されて下
   部導体と上部導体を電気的に接続する補助導体とを備え
   たことを特徴とする電気接続用ねじ。