JPH11144652A - 画像表示装置 - Google Patents

画像表示装置

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JPH11144652A
JPH11144652A JP23388198A JP23388198A JPH11144652A JP H11144652 A JPH11144652 A JP H11144652A JP 23388198 A JP23388198 A JP 23388198A JP 23388198 A JP23388198 A JP 23388198A JP H11144652 A JPH11144652 A JP H11144652A
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JP
Japan
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image display
display device
electron
electrode
phosphor layer
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Pending
Application number
JP23388198A
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English (en)
Inventor
Tatsuaki Watanabe
達昭 渡邉
Mitsunori Yokomakura
光則 横枕
Makoto Kawachi
誠 河内
Kenji Fujishiro
憲二 藤代
Kanji Imai
寛二 今井
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electronics Corp
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  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マトリクス状に配置された電子源を有する電
子放出源から放出された電子ビームを、適当に偏向・集
束させる機能を有する電極を備え、画像表示装置を構成
した際の電子放出源と蛍光体層との間に発生した位置ず
れを補正することが可能であるように構成し、高い解像
度を有する画像表示装置を得る。 【解決手段】 真空容器4と、蛍光体層3と、マトリク
ス状に配置された電子源1aを有する電子放出源1と、
電子ビームを集束し偏向させる電極2とを備え、真空容
器4中に蛍光体層3と電極2と電子放出源1とを設け、
蛍光体層3と電子放出源1との間に電極2を配置し、蛍
光体層3と電極2との間の平均電界の強さを、電極2と
電子放出源1との間の平均電界の強さよりも大きく設定
し、電子ビームによって蛍光体層3を発光させるような
構成を有する画像表示装置とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像表示装置に関
し、詳しくは、映像機器等に用いられる薄型の画像表示
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、カラーテレビあるいはパソコン等
のディスプレイ(画像表示装置)としては、陰極線管
(Cathode Ray Tube)が主流であっ
た。ところが近年は、画像表示装置に小型、軽量、薄型
化が求められるようになり、それに応じて、様々な薄型
の画像表示装置の開発、製品化が進められている。
【0003】以上のような状況下において、最近は様々
な薄型の画像表示装置の研究開発がなされており、その
中でも液晶ディスプレイおよびプラズマディスプレイの
開発が盛んである。液晶ディスプレイについては、携帯
型パソコン、携帯型テレビ、ビデオカメラおよびカーナ
ビゲーション等の様々な製品に応用されている。また、
プラズマディスプレイについても、20インチあるいは
40インチ級の大型ディスプレイ等の製品に応用されて
いる。
【0004】しかしながら、液晶ディスプレイは視野角
が狭く、応答性能が遅いという問題点を抱えており、プ
ラズマディスプレイについても高輝度が得にくく、消費
電力が大きい等の問題点を抱えている。そこで、これら
の問題を解決する薄型の画像表示装置として、常温で真
空中に電子が放出される電界放出(Field Emi
ssion)という現象を応用した画像表示装置(以下
「電界放出型画像表示装置」、あるいは単に「画像表示
装置」という)が注目されている。この電界放出型画像
表示装置は、自発光タイプであるため、広い視野角およ
び高輝度を得ることが可能であり、また、基本原理(電
子ビームを用いて蛍光体を発光させること)は従来の陰
極線管と同様であるため、自然で色再現性の高い画像を
表示することができる。
【0005】この種の電界放出型画像表示装置は、例え
ば特開昭61−221783号公報、特開平1−100
842号公報、特開平2−61946号公報等に開示さ
れている。
【0006】図7は、従来技術に係る第一の電界放出型
画像表示装置の概略構成の断面図を示したものである
(特開昭61−221783号公報参照)。図7に示さ
れた電界放出型画像表示装置は、電子放出源21と、こ
の電子放出源21と向かい合うような形で、透明平面基
板24の内面上に、蛍光体層23、導電性薄膜25が順
次積層形成されている。陰極(電子放出源)21は、電
導性被覆材21bの上に形成された複数個の電導性微小
ポイント21aを有し、電導性被覆材21bは絶縁基板
21cの上に積層されている。各電導性微小ポイント2
1aは、絶縁性被覆材21dにより互いに切り離されて
おり、絶縁性被覆材21dの上には、各電導性微小ポイ
ント21aに対応した位置が穴あけされたグリッド21
eが設けられている。
【0007】以上のように構成された電界放出型画像表
示装置によれば、それぞれの電導性微小ポイント21a
が電子を放出し、これにより蛍光体層23が励起され、
この励起された蛍光体層23が光を放出して、その光が
透明平面基板24を介して観察されることとなる。この
従来技術においては、平方mm当たり2〜3万個の電導
性微小ポイント21aを形成する必要があり、複数個の
電導性微小ポイント21aから発生される電子(電子ビ
ーム)によって1画素を発光させる構成となっている。
【0008】図8は、従来技術に係る第二の電界放出型
画像表示装置の概略構成の断面図を示したものである
(特開平2−61946号公報参照)。図8に示された
電界放出型画像表示装置は、電子放出源31と、この電
子放出源31と向かい合うような形で、透明平面基板3
4の内面上に、蛍光体層33a,33b,33c、導電
性薄膜35a,35b,35cが順次積層形成されてい
る。電子放出源31は、電導性被覆材31bの上に形成
された複数個の電導性微小ポイント31aを有し、電導
性被覆材31bは絶縁基板31cの上に積層されてい
る。各電導性微小ポイント31aは、絶縁性被覆材31
dにより互いに切り離されており、絶縁性被覆材31d
の上には、グリッド31eが設けられている。
【0009】以上のように構成された電界放出型画像表
示装置によれば、それぞれの導電性薄膜35に印加する
電位を調整することにより、複数の導電性微小ポイント
31aから放出された電子を、意図した蛍光体層(図8
においては蛍光体層33a)にランディングさせること
が可能となる。
【0010】図9は、従来技術に係る第三の電界放出型
画像表示装置の概略構成の断面図を示したものである
(特開平1−100842号公報参照)。図9に示され
た電界放出型画像表示装置は、電子放出源41と、この
電子放出源41と向かい合うような形で平行な位置に設
けられた蛍光体層43a,43b、フェースプレート4
4および透明電極45とから構成されている。蛍光体層
43a,43bは、透明電極45を介してフェースプレ
ート44上に設けられており、蛍光体層43a,43b
が電子放出源41と対面している。電子放出源41は、
基板41eと、この基板41eの上に形成された薄膜4
1cと、この薄膜41cに電圧を印加するために形成さ
れた電極41a,41bとを用いて構成されており、薄
膜41cには、フォーミングによって電子放出部41d
が形成されている。
【0011】以上のように構成された電界放出型画像表
示装置によれば、電極41a,41bに印加する電圧を
制御して電子放出部41dから発生する電子ビームの偏
向状態を調整することにより、蛍光体層43aまたは蛍
光体層43bを発光させるような構成となっている。ま
た、この従来技術に係る電界放出型画像表示装置におい
ては、電子放出源41と、蛍光体層43との間に板状電
極(図示省略)を設けて、この板状電極に透明電極45
よりも低い電圧を印加することにより、レンズ効果によ
って蛍光体面で電子ビームを絞る技術が開示されてい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7に
示された従来技術に係る電界放出型画像表示装置におい
ては、電導性微小ポイント21aから発生する電子が非
常に弱いため、蛍光体層23と電子放出源21とを近接
対向させなくてはならず、また、複数の電導性微小ポイ
ント21aから発生された電子により1画素の蛍光体を
発光させる必要があり、電子ビームを偏向、集束するこ
とができない。このため、蛍光体層23に到達する電子
が広がってしまうので、蛍光体層23の高密度化が困難
であり、高い解像度を有する画像表示装置を得ることが
できない。
【0013】また、図8に示された従来技術に係る電界
放出型画像表示装置においては、導電性薄膜35に印加
する電位を調整する(切り替える)ことによって電子ビ
ームを偏向させる技術が開示されているが、この導電性
薄膜35の切り替えを行うためには、切替走査を高電圧
下で行わなければならない。しかし、導電性薄膜35に
印加させるキロボルトオーダーの高電圧を、画像表示に
おける高周波でスイッチングすることができるような回
路素子を実現することはかなり困難である。したがっ
て、この従来技術においても、高い解像度を有する画像
表示装置を得ることは難しい。
【0014】また、図9に示された従来技術に係る電界
放出型画像表示装置においては、電子ビームの偏向およ
び集束を行うという技術が開示されている。しかし、こ
の従来技術に係る電界放出型画像表示装置は、2つの電
極41a,41b間に電流を流して電子を発生させるた
め、放出された電子ビームが電極間の電位差によって必
ず偏向するという特性を用いたものであり、2つの電極
41a,41bの電位差は電子ビームを放出させるため
に所定の値であることが必要であるので、偏向方向を変
えることはできるが、偏向の度合いを調整するための所
望の電圧を印加することはできない。さらに、集束につ
いては、板状電極に印加する電圧を調整することによっ
て電子ビームを絞る旨の技術が記載されているが、この
板状電極は、ある角度を持って放出された電子ビームの
向きを所定方向に変えるという機能のみを有するもので
あり、一つの電子ビームの角度を適宜変化させ、複数の
蛍光体画素に順次当てるという、走査偏向を行うもので
はない。
【0015】さらに、図7、図8および図9に示された
従来技術に係る電界放出型画像表示装置においては、画
像表示装置を構成した際に、電子放出源21,31,4
1と、蛍光体層23,33,43との間に位置ずれ(各
部材の製造誤差よる位置ずれ、組立誤差による位置ずれ
等)が発生してもこれらの位置ずれを調整する機能を有
していないので、電子ビームが所望の蛍光体以外の蛍光
体を照射することを防止できず、蛍光体画素と電子放出
源の設計において、一定の裕度を設けることが必要とな
るので、高い解像度を有する画像表示装置を得ることは
困難である。
【0016】そこで、本発明はこのような課題を解決す
るためになされたもので、電子源を有する電子放出源か
ら放出された電子ビームを、適切に偏向・集束させる機
能を有する電極を備え、画像表示装置を構成した際の電
子放出源と蛍光体層との間に発生した位置ずれを補正す
ることが可能であるように構成することにより、高い解
像度を有する画像表示装置を提供することを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る画像表示装置は、真空に保持された真空
容器中に、蛍光体層と、電子源を有する電子放出源と、
前記電子放出源から放出された電子ビームを集束し走査
偏向させる機能を有する電極とを備え、前記蛍光体層と
前記電子放出源との間に前記電極を配置し、前記蛍光体
層と前記電極との間の平均電界の強さを、前記電極と前
記電子放出源との間の平均電界の強さよりも大きく設定
し、前記電子ビームによって前記蛍光体層を発光させる
ように構成されている。本発明に係る画像表示装置によ
れば、前記電子ビームが前記電極を通ることによって所
定の偏向作用を受けるので、前記電子放出源の配列ピッ
チ以上の細かなピッチで配列された前記蛍光体層の所定
の位置に、前記電子ビームをランディングさせることが
できる。また、前記蛍光体層と前記電極との間の平均電
界の強さを、前記電極と前記電子放出源との間の平均電
界の強さよりも大きく設定することによって、前記電子
ビームを所定の大きさに絞ることが可能となる。したが
って、本発明によれば、前記電子ビームを集束し偏向さ
せる機能を有する前記電極を用いることによって、前記
電子ビームを所定の方向に偏向させ、前記蛍光体層に到
達する前記電子ビームを所定の大きさに絞ることが可能
となり、前記電子源の数以上の数を有する前記蛍光体層
の所定の位置に、前記電子ビームを正確にランディング
させることができるので、高い解像度を有する画像表示
装置を得ることが可能となる。
【0018】また、本発明に係る画像表示装置において
は、前記電極が、それぞれの電子ビーム軌道を挟む一対
の電極であり、前記一対の電極のそれぞれに異なる電圧
を印加することができるように構成されていることが好
ましい。この好ましい例によれば、前記電子ビームを挟
むように構成された一対の電極のそれぞれの電極に異な
る電圧を印加することによって、前記電子ビームを効果
的に偏向させることができる。
【0019】また、本発明に係る画像表示装置において
は、前記電子ビームの前記蛍光体層上におけるランディ
ング位置のずれに対応するデータを記憶する位置ずれ記
憶手段と、前記データに基づいて前記電子ビームのラン
ディング位置のずれを補正するようなオフセット電圧を
前記一対の電極間に印加する補正手段とを備えた構成と
することが好ましい。この好ましい例によれば、前記画
像表示装置を構成した際に、組立誤差等による前記電子
ビームの前記蛍光体層への実際のランディング位置と設
計上のランディング位置との間にずれが発生しても、前
記電極に前記オフセット電圧を印加することによってそ
のずれを補正することができる。この結果、多色打ち又
は他色打ち等を防止して、高解像度の画像表示装置を得
ることができる。
【0020】上記の好ましい構成において、画像表示装
置を構成する全ての前記一対の電極間に同一のオフセッ
ト電圧を印加することできるように構成されていること
が好ましい。この好ましい例によれば、全ての電極間に
同一のオフセット電圧を印加するので、組立誤差等によ
る電子ビームのランディング位置のずれを、簡易な装置
を用いて低コストで効果的に補正することができる。特
に本構成は、電子ビームのランディング位置のずれ量が
全ての電子ビームについてほぼ同一である場合に有効で
ある。
【0021】また、上記の好ましい構成においては、前
記一対の電極間毎に前記オフセット電圧を独立して印加
することによって、各電子ビームのランディング位置を
それぞれ独立して補正することができるように構成され
ていることが好ましい。この好ましい例によれば、前記
画像表示装置を構成した際の組立誤差等によって、個々
の前記電子ビームのランディング位置のずれ量が同一で
なく、バラツキを有してずれていた場合において、前記
一対の電極間毎にそれに挟まれた電子ビームのずれ量に
応じた最適なオフセット電圧を独立して印加することが
可能である。その結果、それぞれの前記電子ビームのラ
ンディング位置のずれを個別に効果的に補正することが
できる。
【0022】また、上記の好ましい構成において、画像
表示装置を構成する前記一対の電極を複数のブロックに
分割し、前記ブロック毎にオフセット電圧を独立して印
加することによって、各電子ビームのランディング位置
を前記ブロック毎に独立して補正することができるよう
に構成されていること好ましい。この好ましい構成によ
れば、画像表示装置の一定領域ごとにランディング位置
のずれを当該領域内のずれ量に応じて個別に補正するこ
とができる。したがって、比較的簡単な補正手段によっ
て、表示画面全体の画像品位を向上させることができ
る。
【0023】また、本発明に係る画像表示装置において
は、前記電極が、前記電子ビームを水平方向に集束し偏
向させる第一の電極と、前記電子ビームを垂直方向に集
束し偏向させる第二の電極とを用いて構成されているこ
とが好ましい。この好ましい例によれば、水平方向およ
び垂直方向の両方向に、前記電子ビームを集束し偏向さ
せることが可能であるため、より高い解像度を有する画
像表示装置を得ることができる。
【0024】また、本発明に係る画像表示装置において
は、前記真空容器の内面に前記蛍光体層が形成されてい
ることが好ましい。この好ましい例によれば、前記真空
容器と前記蛍光体層とが一体的に構成されていることに
より、製造工程が簡略化され、工数を削減することがで
きる。
【0025】また、本発明に係る画像表示装置において
は、電子源の構成は特に限定されない。例えば、マトリ
クス状に分割して形成された電子源、ストライプ状に分
割して形成された電子源、あるいは、面状に連続して形
成された電子源のいずれを用いることもできる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を用いて説明する。
【0027】(第一の実施形態)図1は、本発明の第一
の実施形態に係る画像表示装置の分解斜視図を示したも
のである。本実施形態に係る画像表示装置は、図1に示
すように、複数の電子源1aをマトリクス状に配置して
形成されている電子放出源1と、この電子放出源1から
放出される電子ビームを偏向・集束させる機能を有する
電極2と、電子ビームによって励起されて光を放出する
蛍光体層3と、これら電子放出源1、電極2および蛍光
体層3を内部に収容して、その内部を真空状態に保持す
る真空容器4とを用いて構成されている。電極2は、電
子放出源1と蛍光体層3との間に配置され、蛍光体層3
は、真空容器4の内面に接するような位置に設けられて
いる。そして、蛍光体層3から発せられる光が外部から
観察され得るように、真空容器4における蛍光体層3と
接する部分は、透明な部材を用いて形成されている。真
空容器4の内部は、10-6から10-8torr程度の真
空度に保持されている。
【0028】電子放出源1としては、電子ビームをマト
リクス状に放出できるものであれば、どのような形態の
ものでも使用可能であり、例えば、SnO2(Sb)薄
膜またはAu薄膜等やその他の材料の薄膜で形成された
表面伝導素子、スピント型(Spindtにより考案された電
界放出カソード)等のマイクロチップ型の電界電子放出
素子、MIM型若しくはそれに類似した構造をもつ電界
電子放出素子、あるいは電子放出材料がダイアモンド、
グラファイト、DLC(Diamond Like Carbon)等のカ
ーボン材料で形成された冷陰極線素子を用いて構成され
るものがあげられる。
【0029】電極2は、第一の櫛歯状電極2a、第二の
櫛歯状電極2bおよび絶縁性基板2cから構成されてい
る。それぞれの櫛歯状電極2a,2bは、絶縁性基板2
c上において、各櫛歯状電極2a,2bを構成する各構
成部分(櫛歯部分)が適宜の間隔を有し、互いに噛み合
わせたように配置されている。このように構成したこと
により、各櫛歯状電極2a,2bの各構成部分が所定の
間隔を有する一対の電極を複数組形成し、これら複数組
の一対の電極が絶縁性基板2cの同一平面上に一定の間
隔で配列されることとなる。ここで、絶縁性基板2c
は、各櫛歯状電極2a,2bを保持するとともに、絶縁
性基板2c上に配置された各一対の電極間を電子ビーム
が走査することが可能な形状に形成されている。例え
ば、中央部分が貫通して四方の縁部分のみで構成された
ロ字形状等である。電子放出源1からマトリクス状に放
出される電子ビームのそれぞれは、各櫛歯状電極2a,
2bで構成される一対の電極間を通った後に、蛍光体層
3にランディングするように、電子放出源1と電極2と
蛍光体層3とが構成されている。
【0030】蛍光体層3は、電子放出源1から放出され
た電子ビームの照射によって発光する蛍光体材料を、ガ
ラス基板等に塗布等して形成されている。ガラス基板等
に蛍光体材料を塗布等する場合には、カラー表示が可能
な蛍光体層3とするために、赤(R)、緑(G)、青
(B)の順番で、多数の蛍光体のストライプがガラス基
板等上に形成されるように塗布等を行う。このような蛍
光体ストライプは、ガラス基板にスクリーン印刷法等に
より直接印刷形成する方法や、一旦樹脂シート上に印刷
形成したものを熱または圧力により転写形成する方法、
また、通常の陰極線管のように、フォトリソグラフによ
り形成する方法などによって形成することが可能であ
る。
【0031】真空容器4は、例えば、ガラス等の透明な
材料を用いて形成されている。画像表示装置として機能
させるためには、前述したように、真空容器4の外部か
ら、蛍光体層3から発せられる光が観察され得る必要が
あるからである。ただし、真空容器4の全体が透明であ
る必要はなく、真空容器4における蛍光体層3と接する
部分(図1においては、最も面積の広い上面部分)が透
明であればよい。
【0032】本実施形態においては、蛍光体層3と真空
容器4とを別々に設け、これらを組み合わせて画像表示
装置を構成する場合について説明した。このような構成
には、画像表示装置(真空容器4)の耐圧設計を蛍光体
層3の形状に関係なく行うことができるという利点があ
る。
【0033】すなわち、本実施形態に係る画像表示装置
においては、電子ビームの制御上、電子放出源1の電子
源1aの形成領域と蛍光体層3とは、ほぼ同じ大きさで
かつ、完全に正対していること、すなわち電子放出源1
の面と蛍光体層3の面とが平行であることが望ましい。
しかし、画像表示装置をある程度大きくしていくと、画
像表示装置の内部を真空にする必要性から、真空容器の
耐圧設計が重要となる。そのために真空容器の角部また
は画像表示面全面を湾曲させなければならず、このよう
な真空容器の画像表示面に蛍光体層を塗布形成すること
自体が困難である。更に、電子放出源の電子源形成領域
と蛍光体層との大きさをほぼ同じくし、かつ、それぞれ
の平面を平行にすることが困難である。つまり、真空容
器の内面に直接蛍光体層を形成するよりも、蛍光体層を
別に形成する方が、容易にかつ高精度の画像表示装置を
得ることができるのである。
【0034】したがって、本実施形態においては、上述
したように蛍光体層3と真空容器4とを別々に設け、そ
れらを組み合わせて画像表示装置を構成している。こう
することによって、真空容器4の設計を比較的に容易に
行うことが可能となる。しかしながら、本発明はこの構
成に限定されるものではなく、比較的小型の画像表示装
置を構成する場合には、製造工程の簡略化および工数削
減等を目的として、真空容器4の内面(真空に保持され
ている側)に蛍光体材料を塗布等して、真空容器4と蛍
光体層とを一体的に形成し、内部に蛍光体層を有した真
空容器4を用いて画像表示装置を構成してもよい。比較
的小型の画像表示装置であれば、真空容器の角部をそれ
程湾曲させる必要がない場合もあり、その場合には、真
空容器の内面の正確な位置に蛍光体材料等を直接塗布等
することが可能であり、実質的に電子放出源の電子源形
成領域との面積比が1:1で、これと正対した蛍光体層
を得ることもできるからである。
【0035】以上の電子放出源1、電極2、蛍光体層3
および真空容器4は、いずれも薄い平板状の部品であ
る。したがって、電子放出源1、電極2および蛍光体層
3を積層した状態で真空容器4内に収容することによっ
て構成される本実施形態に係る画像表示装置は、フラッ
トな画面を有する薄型の画像表示装置とすることができ
る。
【0036】図2は、図1に示された画像表示装置の概
略構成の断面図を示したものである。この図2に示すよ
うに、電子放出源1を構成している各電子源1aから
は、適宜電子ビームが放出される。電極2は、各電子源
1aから放出される各電子ビームが一対の電極間を通る
ような位置になるように、電子放出源1と蛍光体層3と
の間に設けられている。ここでは、一つの電子源1aか
ら放出された電子ビーム5の動きを例にあげて、本実施
形態に係る画像表示装置の動作および効果等を説明す
る。
【0037】電子ビーム5は、電極2の一対の電極2
a,2b間を通るように電子源1aから放出され、その
際のそれぞれの電極2a,2bの電位に従って、電子ビ
ーム5a,5b,5cのいずれかの状態に偏向され、蛍
光体層3を構成する各蛍光体層構成部3a,3b,3c
のいずれかにランディングする。ここで、一対の電極2
a,2bは、電子ビーム5を水平方向に挟むように設け
られており、電子ビーム5は、電極2a,2bの電位に
よって水平方向に3段階の偏向を行うこととなる。
【0038】図3は、電子ビーム5を駆動(偏向)させ
る際の、電極2a,2bに印加する電圧の波形を示した
ものである。この図3においては、横軸に時間、縦軸に
電圧をとって、単位時間毎に電極2aに印加する電圧V
aと、単位時間毎に電極2bに印加する電圧Vbとを示
している。電圧0はある基準電圧を示しており、電圧1
は基準電圧より所定の値の電圧だけ高い電圧を表し、電
圧−1は基準電圧より所定の値の電圧だけ低い電圧を表
す。ここで、基準電圧は、電子放出源1から放出された
電子を蛍光体層3上で適切に集束するために必要な電位
であり、電子放出源1および蛍光体層3の電圧値、電極
2の位置や形状、間隔等によって適宜定められるもので
ある。
【0039】まず、時間t1のときには、電極2aに
「Va=1」の電圧が印加され、電極2bに「Vb=−
1」の電圧が印加される。つまり、電極2aに所定の値
(Va=1)の電圧が印加されているのに対して、電極
2bには、電極2aに印加した電圧と符号が異なる値
(Vb=−1)の電圧が印加されている。したがって、
この時間t1のときには、電極2aの方が電極2bより
も電位が高くなるので、電子ビーム5は電子ビーム5a
の状態に偏向させられ、電子ビーム5aが蛍光体層構成
部3aにランディングすることとなる。
【0040】次に、時間t2のときには、電極2aに
「Va=0」の電圧が印加され、電極2bに「Vb=
0」の電圧が印加される。つまり、電極2a,2bの両
方に所定の値(Va=Vb=0)の電圧が印加されるこ
ととなる。したがって、この時間t2のときには、電極
2aと電極2bの電位が等しくなるので、電子ビーム5
はそのまま進んで電子ビーム5bの状態となり、電子ビ
ーム5bが蛍光体層構成部3bにランディングすること
となる。
【0041】次に、時間t3のときには、電極2aに
「Va=−1」の電圧が印加され、電極2bに「Vb=
1」の電圧が印加される。つまり、電極2aに所定の値
(Va=−1)の電圧が印加されているのに対して、電
極2bには、電極2aに印加した電圧と符号が異なる値
(Vb=1)の電圧が印加されている。したがって、こ
の時間t3のときには、電極2bの方が電極2aよりも
電位が高くなるので、電子ビーム5は電子ビーム5cの
状態に偏向させられ、電子ビーム5cが蛍光体層構成部
3cにランディングすることとなる。
【0042】本実施形態においては、以上説明したよう
に、電極2a,2bに図3に示したような電圧を印加す
ることによって電子ビーム5を偏向させており、この
際、各時間毎の電極2aと電極2bとに印加される電圧
の和が、それぞれ等しくなるように設定されている。つ
まり、時間t1のときの和(Va(1)+Vb(−
1))、時間t2のときの和(Va(0)+Vb
(0))、および時間t3のときの和(Va(−1)+
Vb(1))が等しくなるように、電極2aに印加され
る電圧Vaと電極2bに印加される電圧Vbとが設定さ
れている。本実施形態によれば、各電圧Va,Vbをこ
のように設定しているので、電極2全体の電位を常に一
定に保つことが可能となり、電子ビームを駆動させる際
においても電位のブレ等がない。したがって、より安定
した映像を提供することが可能な画像表示装置を得るこ
とができる。
【0043】また、電子ビーム5は、上述したような偏
向作用を受けるとともに、蛍光体層3にランディングす
るまでの間に、集束作用をも受ける。本実施形態におい
ては、電子ビーム5を集束させるために、電子放出源1
から蛍光体層3までの間の電界の強さを制御している。
具体的には、蛍光体層3と電極2との間の平均電界の強
さを、電極2と電子放出源1との間の平均電界の強さよ
りも大きくなるように、電極2に供給する電位を調整し
ている。こうすることにより、一対の電極間に入ってき
た電子ビーム5を適宜偏向させるとともに集束させて、
蛍光体層構成部3a,3b,3cのいずれかにフォーカ
スを絞った状態でランディングさせることができる。
【0044】さらに、上記収束作用は、例えばカーボン
材料の冷陰極素子によく見られるエミッションサイトが
不均一であっても、蛍光体層に高密度でフォーカシング
することができる。その結果、画質劣化の一つであるビ
ームスポット内の輝度分布のバラツキに対して、実用上
影響を与えることがない画像表示装置を得ることができ
る。
【0045】なお、本実施形態においては、電子ビーム
5を水平方向に対して3段階に偏向させるために、電極
2に対して3段階の電圧を印加する場合(図2および図
3参照)について説明したが、本発明はこの構成に限定
されるものではなく、例えば、一対の電極2a,2b間
に供給する電位をさらに細かく制御する(例えば、4段
階以上の電圧を供給する)ことにより、電子ビーム5を
さらに細かく偏向させてもよい。このように、偏向段数
を上げれば上げる程、その分だけ画像表示装置の解像度
を上げることが可能となる。
【0046】また、本実施形態においては、電子ビーム
5を水平方向(表示画像の横長方向)に偏向させる構成
の画像表示装置について説明したが、本発明はこの構成
に限定されるものではなく、例えば、電子ビーム5を垂
直方向(表示画像の縦方向)に偏向させるように構成し
た画像表示装置としてもよく、さらに、電子ビーム5を
水平方向および垂直方向の両方向に偏向可能なように構
成した画像表示装置としてもよい。電子ビーム5を垂直
方向に偏向させるように構成するためには、電極2を構
成する一対の電極2a,2bが電子ビーム5を垂直方向
に挟むように、電子放出源1と蛍光体層3との間に電極
2を配置すればよい。電子ビーム5を水平方向および垂
直方向の両方向に偏向可能なように構成するためには、
本実施形態において説明した電極2の他に、電極2と同
様の構造を有する他の電極を、他の電極を構成する各一
対の電極がそれぞれの電子ビームを垂直方向に挟むよう
に、電子放出源1と蛍光体層3との間に配置すればよ
い。
【0047】本実施形態に係る画像表示装置は、以上説
明したように、電子ビーム5の偏向作用および集束作用
を制御する機能を有する電極2を、電子放出源1と蛍光
体層3との間に設けたものである。本実施形態に係る画
像表示装置によれば、この電極2を設けたことにより、
電子ビーム5を集束させてフォーカスを絞り、さらに電
子ビーム5を偏向させて、電子ビーム5a,5b,5c
を所望の蛍光体層構成部3a,3b,3cにランディン
グさせることが可能となる。したがって、本実施形態に
よれば、電子ビーム5のフォーカスを絞ることによっ
て、複数の蛍光体を同時に照射するいわゆる多色打ちを
防止し、電子ビーム5を適宜偏向させることによって、
電子放出源1の配列ピッチ以上に細かなピッチで配列さ
れた蛍光体構成部(換言すれば、電子源1aの配列個数
以上の配列個数を有する蛍光体構成部)に対して電子ビ
ームをランディングさせることが可能となり、その結
果、高い解像度を有する画像表示装置を得ることができ
る。
【0048】ここまでの本実施形態においては、図2に
示したように電子源1aから放出された電子ビーム5b
が一対の電極2a,2b間のほぼ中央部分を通り、蛍光
体層構成部3bに正確にランディングする場合、いわゆ
る電子放出源1、電極2および蛍光体層3の位置合わせ
が正確に行われている画像表示装置である場合について
説明した。しかしながら、実際に画像表示装置を構成す
る場合には、それぞれの部品の製造誤差および組立時の
組立製造誤差等によって、電子ビーム5の蛍光体層3上
におけるランディング位置にずれが発生する場合もあ
る。もちろん、このようなランディング位置のずれがな
いように、設計時および製造時において細心の注意を払
ってはいるが、このようなずれを全く無くすることは非
常に困難である。そして、このような電子ビーム5のラ
ンディング位置のずれが発生すると、多色打ち又は他色
打ち等の起こる可能性が増大して、画像表示装置の画質
が悪化し、高解像度の画像表示装置を得ることは難しく
なる。
【0049】そこで、本実施形態に係る画像表示装置に
おいては、電子ビーム5の蛍光体層3上におけるランデ
ィング位置のずれのデータを記憶する位置ずれ記憶手段
と、このデータに基づいて電子ビームのランディング位
置のずれの補正を行うようなオフセット電圧を一対の電
極2a,2b間に印加する補正手段とを設けることとし
た。このような構成の画像表示装置とすれば、画像表示
装置を組立てた際に、組立誤差等による電子ビーム5と
蛍光体層3のランディング位置とのずれが発生していて
も、電極2にオフセット電圧を印加することによってそ
のずれを補正することができる。したがって、電子ビー
ム5のランディング位置のずれに起因する多色打ち等を
防止することが可能となり、高い解像度を有する画像表
示装置を得ることができる。
【0050】(第二の実施形態)図4は、本発明の第二
の実施形態に係る画像表示装置を構成している電極12
の斜視図を示したものである。本実施形態に係る画像表
示装置は、基本的には、先述した第一の実施形態に係る
画像表示装置(図1および図2参照)と同様の構成を有
している。唯一異なるのは、電極の構造、電極に関する
配線および電極に関する制御等の、いわゆる電極12お
よびその周辺部分の構造等である。
【0051】電極12は、図4に示すように、第一の櫛
歯状電極12a、第二の櫛歯状電極12bおよび絶縁性
基板12cから構成されている。第一の櫛歯状電極12
aは、各構成部材12a1〜12a7を用いて構成されて
おり、第二の櫛歯状電極12bについても、各構成部材
12b1〜12b7を用いて構成されている。つまり、本
実施形態に係る櫛歯状電極12a,12bは、各電子ビ
ームを挟む一対の電極のそれぞれが分割されており、全
ての電極が独立して設けられている。そして、本実施形
態に係る画像表示装置においては、それぞれ独立して設
けられている櫛歯状電極12a,12bの各構成部材1
2a1〜12a7,12b1〜12b7に対して、それぞれ
独立して異なる電位を供給できるように構成されてい
る。
【0052】本実施形態に係る画像表示装置によれば、
電極12が以上のように構成されているので、電子放出
源から放出される電子ビームのそれぞれに対して異なる
電位差を与えることができる。つまり、一対の電極のそ
れぞれが各電子ビーム毎に分割されており、分割された
電極のそれぞれに、電圧を独立して印加することが可能
となる。
【0053】したがって、本実施形態によれば、画像表
示装置を組立てた際の組立誤差等によって、電子ビーム
のランディング位置がそれぞれバラツキを有してずれて
いた場合において、一対の電極のそれぞれが各電子ビー
ム毎に分割されていることにより、電子ビームのそれぞ
れに対して最適なオフセット電圧を独立して印加するこ
とが可能となるので、それぞれの電子ビームのランディ
ング位置のずれを独立して効果的に補正することができ
る。
【0054】なお、以上の実施形態においては、各電子
ビームを挟む一対の電極のそれぞれが分割されている場
合について説明したが、本発明はこの構成に限定される
ものではなく、例えば、複数の電子ビームを1つのブロ
ックとして、そのブロックごとに分割された電極を用い
てもよい。このような電極を用いて画像表示装置を構成
すれば、ブロックごとにオフセット電圧を印加すること
が可能となるので、画像表示装置の一定領域ごとのラン
ディング位置をそれぞれ補正することができる。したが
って、比較的簡単な補正手段によって、表示画面全体の
画像品位を向上させることができる。
【0055】(第三の実施形態)図5は、本発明の第三
の実施形態に係る画像表示装置の分解斜視図を示したも
のである。本実施形態に係る画像表示装置は、基本的に
は前記第一の実施形態に係る画像表示装置(図1参照)
と同様の構成を有している。唯一異なる点は、電子放出
源の構造である。即ち、図5に示すように、制御電極1
01を別部材として設け、また、基板10上の電子源1
bのパターン形状を変更している。
【0056】制御電極101は、ストライプ状に電気的
に分割され、所定の電子ビームが通過する位置に孔10
2を設け、電子が通過できるようにしている。基板10
上の電子源1bは制御電極101の分割方向と垂直方向
に、同様にストライプ状にパターニングされ、それぞれ
が電気的に分離されている。さらに、通常の電子を放出
しない状態では制御電極101のストライプ状の電子源
1bに対する電位差が負、ないしは両者の電位差が低い
状態にある。
【0057】ここで、選択的に一部の制御電極101の
電位を正にし、選択的に一部のストライプ状の電子源1
bの電位を負にすると、選択されたそれぞれの交点の電
位差だけが大きくなり、電子源1bのその交点部分から
電子が放出される(電子の引き出し)。選択された交点
から引き出された電子は、制御電極101に設けられた
孔102を通過して(選択透過)、蛍光体層3の方向に
流れていく。その後の動作については上記第一の実施形
態と同様であるのでその説明は省略する。
【0058】本実施形態に係る画像表示装置によれば、
以上のような構成と作用により、実質的に同一面上に電
子源をマトリクス状に配置しない場合でも、別部材とし
て制御電極101を設けることによりマトリクス動作可
能な電子源として利用することができる。つまり、以上
の構成の制御電極101と電子源1bを一体としてマト
リクス状に配置された電子源を有する電子放出源とみな
すことができる。
【0059】なお、以上の実施形態においては、制御電
極101は一面に形成されている場合で説明したが、電
子を電位差で引き出す作用と選択透過する作用を2本以
上の電極に分担させ、例えば、電子源の電子が放出され
る方向に複数本の電極を設けることもでき、上記と同様
の効果を奏する。
【0060】(第四の実施形態)図6は、本発明の第四
の実施形態に係る画像表示装置の分解斜視図を示したも
のである。本実施形態に係る画像表示装置は、基本的に
は前記第一の実施形態に係る画像表示装置(図1参照)
と同様の構成を有している。唯一異なる点は、電子放出
源の構造である。即ち、図6に示すように、同一面上の
全面に電子源1cを配置し、かつ、電子源1c上に、電
子源1cから電子を放出するための電極104,105
をそれぞれ複数枚設けている。
【0061】図6に示すように、制御電極104はスト
ライプ状に電気的に分割され、所定の電子ビームが通過
する位置に孔106を設け、電子が通過できるようにし
ている。制御電極105は、同様にストライプ状に電気
的に分割され、孔106に対応する位置に孔107を設
け、孔106を通過した電子が通過できるようにしてい
る。そして、制御電極104と制御電極105のそれぞ
れの分割方向が直交するように、制御電極104,10
5を配置している。基板10上の電子源1cは面状に連
続した電子源である。さらに、通常の電子を放出しない
状態では制御電極104の面状の電子源1cに対する電
位差が負、ないしは両者の電位差が低い状態にある。
【0062】ここで、選択的に一部の制御電極104の
電位を正にすると、選択された制御電極104に対応す
るストライプ部分の電位差だけが大きくなり、この部分
から電子が放出される(電子の引き出し)。選択された
ストライプ部分から放出された電子は、選択された制御
電極104に設けられた全ての孔106を通過する。次
に、選択的に一部の制御電極105の電位を正電位と
し、その他の制御電極105の電位をカットオフ電位と
すると、孔106を通過した電子のうち、選択された制
御電極104と選択された制御電極105の交点部分の
電子だけが制御電極105の孔107を通過して(選択
透過)、蛍光体層3の方向に流れていく。その後の動作
については上記第一の実施形態と同様であるのでその説
明は省略する。
【0063】本実施形態に係る画像表示装置によれば、
以上のような構成と作用により、連続した面状の一の電
子源1cであっても、2枚の制御電極104,105を
設けることにより、マトリクス動作可能な電子源として
利用することができる。つまり、以上の構成の制御電極
104,105と電子源1cとを一体としてマトリクス
状に配置された電子源を有する電子放出源とみなすこと
ができる。
【0064】なお、以上の実施形態においては、制御電
極は2組で形成されている場合で説明したが、電子を電
位差で引き出すだけの機能を有する電極を別に設け、選
択透過する機能を2組の制御電極に分担させ、合計3組
以上の電極を設けることもでき、上記と同様の効果を奏
する。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
マトリクス状に配置された電子源を有する電子放出源か
ら放出された電子ビームを、適切に偏向・集束させる機
能を有する電極を備え、画像表示装置を構成した際の電
子放出源と蛍光体層との間に発生した位置ずれを補正す
ることが可能であるように構成したことにより、高い解
像度を有する画像表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る画像表示装置の
分解斜視図
【図2】図1に示された画像表示装置の概略構成を示し
た断面図
【図3】図2に示された電子ビームを駆動(偏向)させ
る際に電極に印加する電圧の波形図
【図4】本発明の第二の実施形態に係る画像表示装置を
構成している電極の斜視図
【図5】本発明の第三の実施形態に係る画像表示装置の
分解斜視図
【図6】本発明の第四の実施形態に係る画像表示装置の
分解斜視図
【図7】従来技術に係る第一の画像表示装置の概略構成
を示した断面図
【図8】従来技術に係る第二の画像表示装置の概略構成
を示した断面図
【図9】従来技術に係る第三の画像表示装置の概略構成
を示した断面図
【符号の説明】
1 電子放出源 1a,1b,1c 電子源 2,12 電極 2a,12a 第一の櫛歯状電極 2b,12b 第二の櫛歯状電極 2c,12c 絶縁性基板 3 蛍光体層 3a,3b,3c 蛍光体層構成部 4 真空容器 5,5a,5b,5c 電子ビーム 10 基板 12a1〜12a7 第一の櫛歯状電極の構成部材 12b1〜12b7 第二の櫛歯状電極の構成部材 101,104,105 制御電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤代 憲二 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内 (72)発明者 今井 寛二 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空に保持された真空容器中に、蛍光体
    層と、電子源を有する電子放出源と、前記電子放出源か
    ら放出された電子ビームを集束し走査偏向させる機能を
    有する電極とを備え、 前記蛍光体層と前記電子放出源との間に前記電極を配置
    し、前記蛍光体層と前記電極との間の平均電界の強さ
    を、前記電極と前記電子放出源との間の平均電界の強さ
    よりも大きく設定し、前記電子ビームによって前記蛍光
    体層を発光させる画像表示装置。
  2. 【請求項2】 前記電極が、それぞれの電子ビーム軌道
    を挟む一対の電極であり、前記一対の電極のそれぞれに
    異なる電圧を印加することができる請求項1に記載の画
    像表示装置。
  3. 【請求項3】 前記電子ビームの前記蛍光体層上におけ
    るランディング位置のずれに対応するデータを記憶する
    位置ずれ記憶手段と、前記データに基づいて前記電子ビ
    ームのランディング位置のずれを補正するようなオフセ
    ット電圧を前記一対の電極間に印加する補正手段とを備
    えた請求項2に記載の画像表示装置。
  4. 【請求項4】 画像表示装置を構成する全ての前記一対
    の電極間に同一のオフセット電圧を印加する請求項3に
    記載の画像表示装置。
  5. 【請求項5】 前記一対の電極間毎に前記オフセット電
    圧を独立して印加することによって、各電子ビームのラ
    ンディング位置をそれぞれ独立して補正する請求項3に
    記載の画像表示装置。
  6. 【請求項6】 画像表示装置を構成する前記一対の電極
    を複数のブロックに分割し、前記ブロック毎に前記オフ
    セット電圧を独立して印加することによって、各電子ビ
    ームのランディング位置を前記ブロック毎に独立して補
    正する請求項3に記載の画像表示装置。
  7. 【請求項7】 前記電極が、前記電子ビームを水平方向
    に集束し偏向させる第一の電極と、前記電子ビームを垂
    直方向に集束し偏向させる第二の電極とを用いて構成さ
    れている請求項1から6のいずれか1項に記載の画像表
    示装置。
  8. 【請求項8】 前記真空容器の内面に前記蛍光体層が形
    成されている請求項1から7のいずれか1項に記載の画
    像表示装置。
  9. 【請求項9】 前記電子源がマトリクス状に分割されて
    いる請求項1から8のいずれか1項に記載の画像表示装
    置。
  10. 【請求項10】 前記電子源がストライプ状に分割され
    ている請求項1から7のいずれか1項に記載の画像表示
    装置。
  11. 【請求項11】 前記電子源が面状に連続している請求
    項1から7のいずれか1項に記載の画像表示装置。
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