JPH111442A - 皮膚外用組成物 - Google Patents
皮膚外用組成物Info
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- JPH111442A JPH111442A JP16649997A JP16649997A JPH111442A JP H111442 A JPH111442 A JP H111442A JP 16649997 A JP16649997 A JP 16649997A JP 16649997 A JP16649997 A JP 16649997A JP H111442 A JPH111442 A JP H111442A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 本発明は、更に効果を向上させたステロイド
製剤を提供することを課題とする。 【解決手段】 ステロイド0.01〜5重量%と飽和脂
肪酸(C10〜26)のトリグリセライド1〜5重量%
とグリセリン15〜30重量%とを含有する皮膚外用剤
を提供する。本発明によれば、更に効果を向上させたス
テロイド製剤を提供することができる。
製剤を提供することを課題とする。 【解決手段】 ステロイド0.01〜5重量%と飽和脂
肪酸(C10〜26)のトリグリセライド1〜5重量%
とグリセリン15〜30重量%とを含有する皮膚外用剤
を提供する。本発明によれば、更に効果を向上させたス
テロイド製剤を提供することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湿疹、皮膚炎、皮
膚掻痒症、痒疹、乾癬、薬疹又は中毒疹の治療又は予防
に好適な、ステロイドを含有する皮膚外用剤に関する。
膚掻痒症、痒疹、乾癬、薬疹又は中毒疹の治療又は予防
に好適な、ステロイドを含有する皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】デキサメタゾン、プレドニゾロン、ベク
ロメタゾン、ベタメタゾン、アルクロメタゾン或いはこ
れらの誘導体等のステロイドは、湿疹、皮膚炎、皮膚掻
痒症、痒疹、乾癬、薬疹又は中毒疹の治療や予防的治療
に広く用いられている。取り分け、アトピー性皮膚炎は
特に有効な治療法が存在しないことから、頻繁に用いら
れている。しかし、投与の効果があるもの充分とは言え
ず、更に治療効果を高める手段が求められていた。これ
らのステロイドは通常錠剤などの経口投与や軟膏やクリ
ーム等の皮膚外用投与剤形で用いられている。このう
ち、皮膚外用剤形で用いられている軟膏は通常ワセリン
等のベースのものや吸水軟膏や親水軟膏などの既存のベ
ースのものが多かった。これらのベースに飽和脂肪酸
(C10〜26)のトリグリセライド1〜5重量%とグ
リセリン15〜30重量%とを含有するものはなく、
又、この様な剤形のものがステロイドの作用を向上させ
る作用を有することは全く知られていなかった。
ロメタゾン、ベタメタゾン、アルクロメタゾン或いはこ
れらの誘導体等のステロイドは、湿疹、皮膚炎、皮膚掻
痒症、痒疹、乾癬、薬疹又は中毒疹の治療や予防的治療
に広く用いられている。取り分け、アトピー性皮膚炎は
特に有効な治療法が存在しないことから、頻繁に用いら
れている。しかし、投与の効果があるもの充分とは言え
ず、更に治療効果を高める手段が求められていた。これ
らのステロイドは通常錠剤などの経口投与や軟膏やクリ
ーム等の皮膚外用投与剤形で用いられている。このう
ち、皮膚外用剤形で用いられている軟膏は通常ワセリン
等のベースのものや吸水軟膏や親水軟膏などの既存のベ
ースのものが多かった。これらのベースに飽和脂肪酸
(C10〜26)のトリグリセライド1〜5重量%とグ
リセリン15〜30重量%とを含有するものはなく、
又、この様な剤形のものがステロイドの作用を向上させ
る作用を有することは全く知られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な状況
下為されたものであり、更に効果を向上させたステロイ
ド製剤を提供することを課題とする。
下為されたものであり、更に効果を向上させたステロイ
ド製剤を提供することを課題とする。
【0004】
【課題の解決手段】本発明者等はかかる実状に鑑みて、
更に効果を向上させたステロイド製剤を求めて鋭意研究
を重ねた結果、ステロイド0.01〜5重量%と飽和脂
肪酸(C10〜26)のトリグリセライド1〜5重量%
とグリセリン15〜30重量%とを含有する皮膚外用剤
がその様な性質を有していることを見いだし、発明を完
成させるに至った。以下、本発明について実施の形態を
中心に詳細に説明を加える。
更に効果を向上させたステロイド製剤を求めて鋭意研究
を重ねた結果、ステロイド0.01〜5重量%と飽和脂
肪酸(C10〜26)のトリグリセライド1〜5重量%
とグリセリン15〜30重量%とを含有する皮膚外用剤
がその様な性質を有していることを見いだし、発明を完
成させるに至った。以下、本発明について実施の形態を
中心に詳細に説明を加える。
【0005】
(1)本発明で用いるステロイド 本発明で用いることの出来るステロイドとしては、通常
医薬で用いられているステロイドであれば特段の限定無
く使用することが出来、この様なステロイドとしては、
例えば、ベクロメタゾン、プレドニゾロン、デキサメタ
ゾン、トリアムシノロン、フルオノシノニド、フルオロ
メソロン、ヒドロコルチゾン、クロベタゾール、ベタメ
タゾン、アルクロメタゾン及びこれらのエステル等が好
ましく例示でき、中でもプレドニゾロン、デキサメタゾ
ン、ベタメタゾン、アルクロメタゾン及びこれらのエス
テルが更に好ましく例示できる。これらの内、本発明に
おいて特に好ましく用いることの出来るものは、ベタメ
タゾン、アルクロメタゾン及びこれらのエステルであ
る。ここでエステルとしては、炭素数6未満の有機酸が
好ましく、具体的には、酪酸、吉草酸、プロピオン酸、
酢酸等が例示できる。これらベタメタゾン、アルクロメ
タゾン及びこれらのエステルの内特に好ましいものは、
ジプロピオン酸ベタメタゾン、酪酸プロピオン酸ベタメ
タゾン、ジプロピオン酸アルクロメタゾンである。これ
らステロイド及びその誘導体は何れも既知の物質であっ
て、その製造方法既に知られているし、その一部は市販
されているため、入手は問題ない。本発明では、これら
をただ一種で使用することもできるし、二種以上を組み
合わせて使用することも可能である。これらステロイド
の好ましい含有量は0.01〜5重量%であり、より好
ましくは0.01〜3重量%であり、更に好ましくは、
0.01〜2重量%である。
医薬で用いられているステロイドであれば特段の限定無
く使用することが出来、この様なステロイドとしては、
例えば、ベクロメタゾン、プレドニゾロン、デキサメタ
ゾン、トリアムシノロン、フルオノシノニド、フルオロ
メソロン、ヒドロコルチゾン、クロベタゾール、ベタメ
タゾン、アルクロメタゾン及びこれらのエステル等が好
ましく例示でき、中でもプレドニゾロン、デキサメタゾ
ン、ベタメタゾン、アルクロメタゾン及びこれらのエス
テルが更に好ましく例示できる。これらの内、本発明に
おいて特に好ましく用いることの出来るものは、ベタメ
タゾン、アルクロメタゾン及びこれらのエステルであ
る。ここでエステルとしては、炭素数6未満の有機酸が
好ましく、具体的には、酪酸、吉草酸、プロピオン酸、
酢酸等が例示できる。これらベタメタゾン、アルクロメ
タゾン及びこれらのエステルの内特に好ましいものは、
ジプロピオン酸ベタメタゾン、酪酸プロピオン酸ベタメ
タゾン、ジプロピオン酸アルクロメタゾンである。これ
らステロイド及びその誘導体は何れも既知の物質であっ
て、その製造方法既に知られているし、その一部は市販
されているため、入手は問題ない。本発明では、これら
をただ一種で使用することもできるし、二種以上を組み
合わせて使用することも可能である。これらステロイド
の好ましい含有量は0.01〜5重量%であり、より好
ましくは0.01〜3重量%であり、更に好ましくは、
0.01〜2重量%である。
【0006】(2)本発明で用いる飽和脂肪酸(C10
〜26)のトリグリセライド 本発明で用いることの出来る飽和脂肪酸トリグリセライ
ドは、グリセリンの3個の水酸基が炭素数10〜26の
飽和脂肪酸が3個エステル結合した構造を有するもので
ある。一つのグリセリンに結合している3つの脂肪酸は
それぞれ同じであっても異なっていても良いが、飽和脂
肪酸であって炭素数が10〜26でなければならない。
この様なトリグリセライドとしては、例えば、水素添加
椰子油、水素添加牛脂、グリセリルトリステアレート、
グリセリルトリパルミテート、グリセリルトリラウリレ
ート等が例示でき、これらの中では水素添加牛脂が特に
好ましい。これらのトリグリセライドは何れも既知物質
であって市販されている。これらはただ一種を用いて
も、二種以上を組み合わせて用いても構わない。本発明
に於けるこれらトリグリセライドの好ましい含有量は、
1〜5重量%であり、より好ましくは1〜4.5重量%
であり、更に好ましくは1〜4重量%である。この範囲
において飽和脂肪酸(C10〜26)のトリグリセライ
ドを含有させることにより、ステロイドの作用をより効
果的にすることが出来る。
〜26)のトリグリセライド 本発明で用いることの出来る飽和脂肪酸トリグリセライ
ドは、グリセリンの3個の水酸基が炭素数10〜26の
飽和脂肪酸が3個エステル結合した構造を有するもので
ある。一つのグリセリンに結合している3つの脂肪酸は
それぞれ同じであっても異なっていても良いが、飽和脂
肪酸であって炭素数が10〜26でなければならない。
この様なトリグリセライドとしては、例えば、水素添加
椰子油、水素添加牛脂、グリセリルトリステアレート、
グリセリルトリパルミテート、グリセリルトリラウリレ
ート等が例示でき、これらの中では水素添加牛脂が特に
好ましい。これらのトリグリセライドは何れも既知物質
であって市販されている。これらはただ一種を用いて
も、二種以上を組み合わせて用いても構わない。本発明
に於けるこれらトリグリセライドの好ましい含有量は、
1〜5重量%であり、より好ましくは1〜4.5重量%
であり、更に好ましくは1〜4重量%である。この範囲
において飽和脂肪酸(C10〜26)のトリグリセライ
ドを含有させることにより、ステロイドの作用をより効
果的にすることが出来る。
【0007】(3)本発明で用いるグリセリン 本発明で用いるグリセリンは、通常皮膚外用剤で使用さ
れている原料であるが、本発明の組成物においては、1
5〜30重量%、より好ましくは15〜25重量%、更
に好ましくは17〜23重量%と言う高濃度で使用する
ことはされていなかったし、飽和脂肪酸(C10〜2
6)のトリグリセライドと共に用いてステロイドの作用
を高めることも為されていなかった。本発明ではこの相
乗作用によりステロイドの作用を高める。
れている原料であるが、本発明の組成物においては、1
5〜30重量%、より好ましくは15〜25重量%、更
に好ましくは17〜23重量%と言う高濃度で使用する
ことはされていなかったし、飽和脂肪酸(C10〜2
6)のトリグリセライドと共に用いてステロイドの作用
を高めることも為されていなかった。本発明ではこの相
乗作用によりステロイドの作用を高める。
【0008】(4)本発明の皮膚外用剤 本発明の皮膚外用剤は、ステロイド0.01〜5重量%
と飽和脂肪酸(C10〜26)のトリグリセライド1〜
5重量%とグリセリン15〜30重量%とを含有するこ
とを特徴とする。好ましい形態としては油性成分と共に
乳化した剤形のものであって、粘度が2万センチストー
クス以下のものが好ましく例示できる。これは、低粘度
の乳液状態のものの方がステロイドの作用を高める作用
に優れるからである。本発明の皮膚外用剤としては、乳
液等の化粧料、乳液状皮膚外用医薬何れも使用可能であ
るが、ステロイドの作用を高めている点で高い効果が期
待されている皮膚外用医薬に適用するのが好ましい。本
発明の皮膚外用剤の適用疾患は、通常ステロイドの適用
疾患に指定されているものであれば、格別の限定無く適
用することが出来、例えば、湿疹、皮膚炎、皮膚掻痒
症、痒疹、乾癬、薬疹又は中毒疹の治療又は予防に適用
することが好ましく例示できる。これらの内、特に好ま
しく適用されるものは、皮膚炎取り分けアトピー性皮膚
炎の治療と予防である。これは、アトピー性皮膚炎の炎
症を抑えるのみならず皮膚状態の改善も本発明の皮膚外
用剤が為しうるからである。ここで本発明における予防
とは、発症そのもの防ぐ予防及び発症したものが更に悪
化することを防ぐ治療的予防両者を意味する。本発明の
皮膚外用剤では、これらステロイド、トリグリセライ
ド、グリセリンの必須成分以外に通常皮膚外用剤で用い
られる任意成分を含有することが出来る。かかる任意成
分としては、ワセリンやマイクロクリスタリンワックス
等のような炭化水素類、ホホバ油やゲイロウ等のエステ
ル類、牛脂、オリーブ油等の不飽和脂肪酸を含む脂肪酸
トリグリセライド類、セタノール、オレイルアルコール
等の高級アルコール類、ステアリン酸、オレイン酸等の
脂肪酸、プロピレングリコールや1,3−ブタンジオー
ル等の多価アルコール類、非イオン界面活性剤、アニオ
ン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、
エタノール、カーボポール等の増粘剤、防腐剤、紫外線
吸収剤、抗酸化剤、色素、粉体類等が好ましく例示で
き、中でも、プロピレングリコールや1,3−ブタンジ
オール等のグリセリン以外の多価アルコールを含有させ
ることが更に効果を高めるので好ましい。これらグリセ
リン以外の多価アルコールの好ましい含有量は1〜10
重量%であり、更に好ましくは3〜7重量%である。こ
れは効果と損傷皮膚への刺激発現抑制のバランスによ
る。
と飽和脂肪酸(C10〜26)のトリグリセライド1〜
5重量%とグリセリン15〜30重量%とを含有するこ
とを特徴とする。好ましい形態としては油性成分と共に
乳化した剤形のものであって、粘度が2万センチストー
クス以下のものが好ましく例示できる。これは、低粘度
の乳液状態のものの方がステロイドの作用を高める作用
に優れるからである。本発明の皮膚外用剤としては、乳
液等の化粧料、乳液状皮膚外用医薬何れも使用可能であ
るが、ステロイドの作用を高めている点で高い効果が期
待されている皮膚外用医薬に適用するのが好ましい。本
発明の皮膚外用剤の適用疾患は、通常ステロイドの適用
疾患に指定されているものであれば、格別の限定無く適
用することが出来、例えば、湿疹、皮膚炎、皮膚掻痒
症、痒疹、乾癬、薬疹又は中毒疹の治療又は予防に適用
することが好ましく例示できる。これらの内、特に好ま
しく適用されるものは、皮膚炎取り分けアトピー性皮膚
炎の治療と予防である。これは、アトピー性皮膚炎の炎
症を抑えるのみならず皮膚状態の改善も本発明の皮膚外
用剤が為しうるからである。ここで本発明における予防
とは、発症そのもの防ぐ予防及び発症したものが更に悪
化することを防ぐ治療的予防両者を意味する。本発明の
皮膚外用剤では、これらステロイド、トリグリセライ
ド、グリセリンの必須成分以外に通常皮膚外用剤で用い
られる任意成分を含有することが出来る。かかる任意成
分としては、ワセリンやマイクロクリスタリンワックス
等のような炭化水素類、ホホバ油やゲイロウ等のエステ
ル類、牛脂、オリーブ油等の不飽和脂肪酸を含む脂肪酸
トリグリセライド類、セタノール、オレイルアルコール
等の高級アルコール類、ステアリン酸、オレイン酸等の
脂肪酸、プロピレングリコールや1,3−ブタンジオー
ル等の多価アルコール類、非イオン界面活性剤、アニオ
ン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、
エタノール、カーボポール等の増粘剤、防腐剤、紫外線
吸収剤、抗酸化剤、色素、粉体類等が好ましく例示で
き、中でも、プロピレングリコールや1,3−ブタンジ
オール等のグリセリン以外の多価アルコールを含有させ
ることが更に効果を高めるので好ましい。これらグリセ
リン以外の多価アルコールの好ましい含有量は1〜10
重量%であり、更に好ましくは3〜7重量%である。こ
れは効果と損傷皮膚への刺激発現抑制のバランスによ
る。
【0009】
【実施例】以下に実施例を挙げて、更に詳細に本発明に
ついて説明するが、本発明がこれら実施例にのみ限定を
受けないことは言うまでもない。
ついて説明するが、本発明がこれら実施例にのみ限定を
受けないことは言うまでもない。
【0010】<実施例1〜5> 製造例 下記の処方に従って、皮膚外用医薬を作成した。即ち、
イ、ロ、ハの成分をそれぞれ80℃で加熱可溶化し、攪
拌しながらイにロを徐々に加え、しかる後にハを徐々に
加えて乳化し、攪拌冷却して皮膚外用剤を得た。
イ、ロ、ハの成分をそれぞれ80℃で加熱可溶化し、攪
拌しながらイにロを徐々に加え、しかる後にハを徐々に
加えて乳化し、攪拌冷却して皮膚外用剤を得た。
【0011】
【表1】
【0012】<実施例6>上記実施例1〜5の皮膚外用
剤について、ハートレー系白色種モルモット(雄性、3
00〜400g)1群6匹を用いた炎症モデルで抗炎症
作用を調べた。即ち、ハートレー系白色種モルモットの
背部を剃毛し、ガムテープで4回ストリッピングを行い
炎症を生じさせた。ストリッピング後4時間に検体を
0.1ml/10cm2塗布し、塗布後24時間に炎症
の程度をドレーズの基準によって判定した。即ち、+
+:浮腫反応、+:明確な紅斑を有する反応、±:不明
瞭な紅斑を有する反応、−:無反応の基準であった。併
せて、実施例1の水添牛脂を水に置換した比較例1、実
施例1の水添牛脂をオリーブオイルに置換した比較例
2、実施例1のグリセリンを水に置換した比較例3、実
施例1のジプロピオン酸ベタメタゾンを水に置換した対
照例1も作成し、同様に評価した。結果を出現例数とし
て表2に示す。これより、本発明の皮膚外用剤は抗炎症
作用に優れることが判る。これは、グリセリンと飽和脂
肪酸トリグリセライドとの相互作用であることも判る。
更に、本発明の皮膚外用剤に用いるステロイドとして
は、ベタメタゾン、アルクロメタゾン及びこれらのエス
テルが好適であることも判る。
剤について、ハートレー系白色種モルモット(雄性、3
00〜400g)1群6匹を用いた炎症モデルで抗炎症
作用を調べた。即ち、ハートレー系白色種モルモットの
背部を剃毛し、ガムテープで4回ストリッピングを行い
炎症を生じさせた。ストリッピング後4時間に検体を
0.1ml/10cm2塗布し、塗布後24時間に炎症
の程度をドレーズの基準によって判定した。即ち、+
+:浮腫反応、+:明確な紅斑を有する反応、±:不明
瞭な紅斑を有する反応、−:無反応の基準であった。併
せて、実施例1の水添牛脂を水に置換した比較例1、実
施例1の水添牛脂をオリーブオイルに置換した比較例
2、実施例1のグリセリンを水に置換した比較例3、実
施例1のジプロピオン酸ベタメタゾンを水に置換した対
照例1も作成し、同様に評価した。結果を出現例数とし
て表2に示す。これより、本発明の皮膚外用剤は抗炎症
作用に優れることが判る。これは、グリセリンと飽和脂
肪酸トリグリセライドとの相互作用であることも判る。
更に、本発明の皮膚外用剤に用いるステロイドとして
は、ベタメタゾン、アルクロメタゾン及びこれらのエス
テルが好適であることも判る。
【0013】
【表2】
【0014】<実施例7〜11> 製造例 下記の処方に従って、皮膚外用医薬を作成した。即ち、
イ、ロ、ハの成分をそれぞれ80℃で加熱可溶化し、攪
拌しながらイにロを徐々に加え、しかる後にハを徐々に
加えて乳化し、攪拌冷却して皮膚外用剤を得た。
イ、ロ、ハの成分をそれぞれ80℃で加熱可溶化し、攪
拌しながらイにロを徐々に加え、しかる後にハを徐々に
加えて乳化し、攪拌冷却して皮膚外用剤を得た。
【0015】
【表3】
【0016】<実施例12>上記実施例1、実施例7〜
11のサンプルについて、モルモットのラウリル硫酸ナ
トリウム損傷モデルで、抗炎症作用を調べた。即ち、ラ
ウリル硫酸ナトリウム10%を含むワセリンを12時間
背部を剃毛したハートレー系白色種モルモット(雄性、
250〜350g)1群6匹にクローズドパッチし、ド
レーズ基準で++の皮膚反応を起こさせた。このものに
検体を0.02ml塗布し、投与後48時間に皮膚反応
をドレーズの基準で観察した。結果を出現例数として表
4に示す。これより、本発明の皮膚外用剤は化学物質に
よって誘導される炎症も抑えることが出来ること、及
び、本発明において、飽和脂肪酸トリグリセライドの好
適な含有量は、1〜4重量%であり、グリセリンの好適
な含有量は、17〜23重量%であることが判る。
11のサンプルについて、モルモットのラウリル硫酸ナ
トリウム損傷モデルで、抗炎症作用を調べた。即ち、ラ
ウリル硫酸ナトリウム10%を含むワセリンを12時間
背部を剃毛したハートレー系白色種モルモット(雄性、
250〜350g)1群6匹にクローズドパッチし、ド
レーズ基準で++の皮膚反応を起こさせた。このものに
検体を0.02ml塗布し、投与後48時間に皮膚反応
をドレーズの基準で観察した。結果を出現例数として表
4に示す。これより、本発明の皮膚外用剤は化学物質に
よって誘導される炎症も抑えることが出来ること、及
び、本発明において、飽和脂肪酸トリグリセライドの好
適な含有量は、1〜4重量%であり、グリセリンの好適
な含有量は、17〜23重量%であることが判る。
【0017】
【表4】
【0018】<実施例13>実施例1の皮膚外用剤につ
いて、モルモットのラウリル硫酸ナトリウム損傷モデル
で炎症予防作用を検討した。即ち、ハートレー系モルモ
ット(雄性、300g〜350g)1群6匹の背部を剃
毛し、検体0.02mlを塗布した。投与後1時間、1
0%ラウリル硫酸ナトリウム含有ワセリンを12時間ク
ローズパッチを行った。パッチを排除後1時間にドレー
ズの基準に従って皮膚反応を判定した。対照群は実施例
2の対照例1を投与した。結果は、対照群が全例++の
反応であったのに対し、実施例1投与群は±1例、−5
例であった。これより本発明の皮膚外用剤は、予防剤と
しても用いることが出来ることがわかる。
いて、モルモットのラウリル硫酸ナトリウム損傷モデル
で炎症予防作用を検討した。即ち、ハートレー系モルモ
ット(雄性、300g〜350g)1群6匹の背部を剃
毛し、検体0.02mlを塗布した。投与後1時間、1
0%ラウリル硫酸ナトリウム含有ワセリンを12時間ク
ローズパッチを行った。パッチを排除後1時間にドレー
ズの基準に従って皮膚反応を判定した。対照群は実施例
2の対照例1を投与した。結果は、対照群が全例++の
反応であったのに対し、実施例1投与群は±1例、−5
例であった。これより本発明の皮膚外用剤は、予防剤と
しても用いることが出来ることがわかる。
【0019】<実施例14>アトピー性皮膚炎患者8名
を用いて、実施例1と実施例4のサンプルについて、1
群4名で使用テストを行った。使用方法は、一日朝晩二
回適量の2ヶ月間連日使用であった。テスト期間終了
後、アンケートによってアトピー性皮膚炎の改善度を答
えて貰った。結果を出現例数として表5に示す。これよ
り、本発明の皮膚外用剤はアトピー性皮膚炎の改善作用
に優れることが判る。
を用いて、実施例1と実施例4のサンプルについて、1
群4名で使用テストを行った。使用方法は、一日朝晩二
回適量の2ヶ月間連日使用であった。テスト期間終了
後、アンケートによってアトピー性皮膚炎の改善度を答
えて貰った。結果を出現例数として表5に示す。これよ
り、本発明の皮膚外用剤はアトピー性皮膚炎の改善作用
に優れることが判る。
【0020】
【表5】
【0021】<実施例15>実施例1のサンプルについ
て、乾癬の人1名に朝晩二回3ヶ月連続使用して貰った
ところ明確な改善を見た。これより、本発明の皮膚外用
剤は乾癬にも著効があることが判る。
て、乾癬の人1名に朝晩二回3ヶ月連続使用して貰った
ところ明確な改善を見た。これより、本発明の皮膚外用
剤は乾癬にも著効があることが判る。
【0022】<実施例16〜17>下記の処方に従っ
て、皮膚外用剤を製造した。即ち、イ、ロ、ハの成分を
それぞれ80℃で加熱可溶化し、攪拌しながらイにロを
徐々に加え、しかる後にハを徐々に加えて乳化し、攪拌
冷却して皮膚外用剤を得た。
て、皮膚外用剤を製造した。即ち、イ、ロ、ハの成分を
それぞれ80℃で加熱可溶化し、攪拌しながらイにロを
徐々に加え、しかる後にハを徐々に加えて乳化し、攪拌
冷却して皮膚外用剤を得た。
【0023】
【表6】
【0024】<実施例18>アトピー性皮膚炎患者8名
を用いて、実施例16と実施例17のサンプルについ
て、1群4名で使用テストを行った。使用方法は、一日
朝晩二回適量の2ヶ月間連日使用であった。テスト期間
終了後、アンケートによってアトピー性皮膚炎の改善度
を答えて貰った。結果を出現例数として表7に示す。こ
れより、本発明の皮膚外用剤はアトピー性皮膚炎の改善
作用に優れることが判る。更に、アトピー性皮膚炎には
粘度が2万センチストークス以下の皮膚外用剤が好適で
あることが判る。
を用いて、実施例16と実施例17のサンプルについ
て、1群4名で使用テストを行った。使用方法は、一日
朝晩二回適量の2ヶ月間連日使用であった。テスト期間
終了後、アンケートによってアトピー性皮膚炎の改善度
を答えて貰った。結果を出現例数として表7に示す。こ
れより、本発明の皮膚外用剤はアトピー性皮膚炎の改善
作用に優れることが判る。更に、アトピー性皮膚炎には
粘度が2万センチストークス以下の皮膚外用剤が好適で
あることが判る。
【0025】
【表7】
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、更に効果を向上させた
ステロイド製剤を提供することができる。
ステロイド製剤を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 円 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社戸塚研究所内 (72)発明者 松本 修 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社戸塚研究所内 (72)発明者 柳 正行 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社戸塚研究所内 (72)発明者 小林 中 神奈川県横浜市神奈川区高島台27番地1 ポーラ化成工業株式会社横浜研究所内 (72)発明者 平川 哲郎 神奈川県横浜市神奈川区高島台27番地1 ポーラ化成工業株式会社横浜研究所内 (72)発明者 池田 喜明 神奈川県横浜市神奈川区高島台27番地1 ポーラ化成工業株式会社横浜研究所内
Claims (6)
- 【請求項1】 ステロイド0.01〜5重量%と飽和脂
肪酸(C10〜26)のトリグリセライド1〜5重量%
とグリセリン15〜30重量%とを含有する皮膚外用
剤。 - 【請求項2】 ステロイドがベタメタゾン、アルクロメ
タゾン及びこれらのエステルから選ばれる1種乃至は2
種以上である、請求項1に記載の皮膚外用剤。 - 【請求項3】 皮膚外用医薬品であることを特徴とす
る、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。 - 【請求項4】 乳化物であって粘度2万センチストーク
ス以下の剤形であることを特徴とする、請求項1〜3何
れか一項に記載の皮膚外用剤。 - 【請求項5】 湿疹、皮膚炎、皮膚掻痒症、痒疹、乾
癬、薬疹又は中毒疹の治療又は予防用であることを特徴
とする、請求項1〜4何れか一項に記載の皮膚外用剤。 - 【請求項6】 皮膚炎がアトピー性皮膚炎である、請求
項5に記載の皮膚外用剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16649997A JPH111442A (ja) | 1997-06-09 | 1997-06-09 | 皮膚外用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16649997A JPH111442A (ja) | 1997-06-09 | 1997-06-09 | 皮膚外用組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH111442A true JPH111442A (ja) | 1999-01-06 |
Family
ID=15832505
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16649997A Pending JPH111442A (ja) | 1997-06-09 | 1997-06-09 | 皮膚外用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH111442A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013209347A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-10 | Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd | 油性軟膏剤 |
-
1997
- 1997-06-09 JP JP16649997A patent/JPH111442A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013209347A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-10 | Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd | 油性軟膏剤 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040301 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040309 |
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A521 | Written amendment |
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A02 | Decision of refusal |
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