JPH111435A - 経皮吸収外用剤 - Google Patents

経皮吸収外用剤

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JPH111435A
JPH111435A JP7095998A JP7095998A JPH111435A JP H111435 A JPH111435 A JP H111435A JP 7095998 A JP7095998 A JP 7095998A JP 7095998 A JP7095998 A JP 7095998A JP H111435 A JPH111435 A JP H111435A
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external preparation
sensitive adhesive
acid
pressure
group
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Application number
JP7095998A
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English (en)
Inventor
Tadao Kawamori
唯夫 河盛
Kazuyuki Ito
和志 伊藤
Masanori Matsuda
正則 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メトトレキサート類似体の副作用を軽減する
ことを目的とし、癌疾患(例えば、白血病等)の治療に
全身的な治療効果を有するメトトレキサート類似体(メ
トトレキサートを除く)の経皮吸収外用剤を提供する。 【解決手段】 製剤中にメトトレキサート類似体(メト
トレキサートを除く)(例えば、3,5−ジクロロメト
トレキサート)を0.01〜30重量%含有することを
特徴とする全身的な治療効果を有する経皮吸収外用剤。
治療対象疾患が癌疾患(例えば、白血病等)である上記
の経皮吸収外用剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、経皮吸収外用剤に
関し、特に癌疾患の治療に全身的な治療効果を有する経
皮吸収外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】メトトレキサートは、抗悪性腫瘍薬とし
て急性白血病、慢性骨髄性白血病、絨毛疾患等の疾患に
錠剤や注射剤の形態で用いられてきた。また、特開昭6
3−27432号公報には、メトトレキサートまたはそ
の類似物、皮膚透過試薬および担体からなる調製物が、
例えば、乾癬のような高増殖性上皮疾患の皮膚に局部的
に投与されることにより、治療効果を生じることが開示
されている。また、最近では乳癌に対して著効を示すこ
とも明らかになってきている(癌と化学療法、Vol.
21,No.12,p1949、1994年)。
【0003】しかし、メトトレキサートが、上記錠剤や
注射剤の形態で用いられた場合には、骨髄機能抑制によ
る血液障害(白血球減少、血小板減少、貧血)、肝機能
障害、腎機能障害、消化器障害などの重篤な副作用が問
題となっている〔秋元智博、小林茂人ほか:薬物療法
e)メトトレキサート、医薬ジャーナル、29,p57
−60(1993年)〕。
【0004】そこで、これらの副作用の軽減を目指した
メトトレキサート類似体の合成等が報告されている(例
えば、特開平4−352785号公報)。しかしなが
ら、これらメトトレキサート類似体においても経口剤や
注射剤として用いるため、一時的な血中濃度の上昇は避
けられず、上記投与法では安全な血中濃度を維持するこ
とは難しい。
【0005】また、特開昭63−27432号公報に記
載のものは、メトトレキサートまたはその類似物の皮膚
表皮細胞への局部的な投与を目的とするものであり、こ
れは、メトトレキサートまたはその類似物を経皮吸収さ
せ、例えば、腫瘍の治療に全身的な治療効果を有するよ
うな経皮吸収外用剤に関するものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、メト
トレキサート類似体の副作用を軽減することを目的と
し、腫瘍の治療に全身的な治療効果を有するメトトレキ
サート類似体(メトトレキサートを除く)の経皮吸収外
用剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の経皮吸
収外用剤は、製剤中にメトトレキサート類似体(メトト
レキサートを除く)を0.01〜30重量%含有し、治
療対象疾患が癌疾患であることを特徴とする全身的な治
療効果を有する経皮吸収外用剤である。
【0008】請求項2に記載の経皮吸収外用剤は、癌疾
患が白血病である請求項1記載の経皮吸収外用剤であ
る。
【0009】請求項3に記載の経皮吸収外用剤は、基剤
が、ポリマー、無機充填剤、油脂、炭化水素、多価アル
コール、高級脂肪酸、高級アルコール、低級アルコール
及び水からなる群より選択される少なくとも1種
(a)、又は、前記(a)を含有する組成物である請求
項1又は2記載の経皮吸収外用剤である。
【0010】請求項4に記載の経皮吸収外用剤は、基剤
が、アルコール、有機酸、高級脂肪酸エステル、ヒドロ
キシカルボン酸エステル、N−アシルサルコシン及び界
面活性剤からなる群より選択される少なくとも1種の経
皮吸収促進剤を含有するものである請求項1、2又は3
記載の経皮吸収外用剤である。
【0011】請求項5に記載の経皮吸収外用剤は、軟
膏、クリーム、ジェリー、ペースト、リニメント及びロ
ーションからなる群より選択される少なくとも1種の基
剤からなるものである請求項1、2、3又は4記載の経
皮吸収外用剤である。
【0012】請求項6に記載の経皮吸収外用剤は、支持
体の片面に粘着剤層が設けられた経皮吸収貼付剤であ
り、前記粘着剤層は、薬物を含有する基剤からなるもの
である請求項1、2、3、4又は5記載の経皮吸収外用
剤である。
【0013】請求項7に記載の経皮吸収外用剤は、粘着
剤層が、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン
系粘着剤及びウレタン系粘着剤からなる群より選択され
る少なくとも1種からなるものである請求項6記載の経
皮吸収外用剤である。
【0014】請求項8に記載の経皮吸収外用剤は、粘着
剤層が、少なくとも1種の水溶性高分子を含有する粘着
剤からなるものである請求項6又は7記載の経皮吸収外
用剤である。
【0015】請求項9に記載の経皮吸収外用剤は、水溶
性高分子は、カルボキシル基、ヒドロキシル基及びそれ
らの塩からなる群より選択される少なくとも1種を有す
るものである請求項8記載の経皮吸収外用剤である。
【0016】本発明の経皮吸収外用剤は、メトトレキサ
ート類似体(メトトレキサートを除く)を含有する。
【0017】本発明でいうメトトレキサート類似体と
は、分子中に以下の構造(1)を有する化合物を指す。
【化1】
【0018】上記構造(1)におけるR1 は、例えば、
水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはCF3 を表
すが、これらに限定されるわけでない。
【0019】上記構造(1)を有する化合物の例として
は、以下の構造式(2)の化合物が挙げられる。
【化2】
【0020】上記構造式(2)におけるR2 は、例え
ば、水素原子または硫黄原子、R3 およびR4 は、同一
または異なり、例えば、カルボキシル基、炭素数1〜6
のアルキル基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、CH2
SO3 HまたはSO3 Hを表し、Xは、例えば、水素原
子またはハロゲン原子を表し、nは、例えば、3〜22
を表すが、いずれもこれらに限定されるわけでない。
【0021】本発明において、製剤中のメトトレキサー
ト類似体の含有量は、小さくなるとメトトレキサート類
似体の経皮吸収量が不十分となり有効な薬効を示さず、
大きくなると経皮吸収量が大きくなり副作用の恐れが生
じるので、0.01〜30重量%に限定される。
【0022】上記基剤としては、薬学的に許容し得るも
のであれば特に限定されないが、本発明においては、ポ
リマー、無機充填剤、油脂、炭化水素、多価アルコー
ル、高級脂肪酸、高級アルコール、低級アルコール、水
が好適に用いられる。これらは単独で使用してもよく、
2種以上を併用してもよい。また、これらを含有する組
成物であってもよい。
【0023】上記ポリマーとしては特に限定されず、例
えば、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、コーンスター
チ、トラガントガム、メチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
ナトリウム、デキストリン、カルボキシメチルデンプ
ン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアク
リル酸塩(例えば、ナトリウム塩)、メトキシエチレン
−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルエーテル、ポリ
ビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等が挙げられ
る。
【0024】上記無機充填剤としては特に限定されず、
例えば、カオリン、ベントナイト等のコロイド性含水ケ
イ酸アルミニウム系鉱物;ビーガム等のコロイド性含水
ケイ酸マグネシウム・アルミニウム系鉱物;酸化チタ
ン、酸化亜鉛、ケイ酸等が挙げられる。
【0025】上記油脂としては特に限定されず、例え
ば、ミツロウ、オリーブ油、カカオ油、胡麻油、大豆
油、ツバキ油、ラッカセイ油、牛油、豚油、ラノリン等
が挙げられる。
【0026】上記炭化水素としては特に限定されず、例
えば、白色ワセリン、パラフィン、流動パラフィン、ハ
イドロカーボンゲル軟膏(例えば、「プラスチベース」
(ブリストルマイヤーズスクイブ社製))等が挙げられ
る。
【0027】上記多価アルコールとしては特に限定され
ず、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ソルビトール等が挙げられる。
【0028】上記高級脂肪酸としては特に限定されず、
例えば、カプリン酸、ノナン酸、カプリル酸、ウンデシ
ル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペン
タデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリ
ン酸、オレイン酸、ノナデカン酸、アラキドン酸、リノ
ール酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘブ
タコサン酸、パルミトレイン酸、バクセン酸、リノレン
酸等の飽和又は不飽和脂肪酸等が挙げられる。
【0029】上記高級アルコールとしては特に限定され
ず、例えば、ラウリルアルコール、ドデシルアルコー
ル、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、
セチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデ
シルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアル
コール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコー
ル、セリルアルコール、メリシルアルコール、セチルア
ルコール等が挙げられる。上記低級アルコールとしては
特に限定されず、例えば、イソプロピルアルコール、エ
タノール等が挙げられる。
【0030】上記基剤は、経皮吸収促進剤を含有するも
のであることが好ましい。上記経皮吸収促進剤として
は、通常、経皮吸収製剤に用いられているものであれば
特に限定されないが、本発明においては、アルコール、
有機酸、高級脂肪酸エステル、ヒドロキシカルボン酸エ
ステル、N−アシルサルコシン、界面活性剤が好適に用
いられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を
併用してもよい。
【0031】上記アルコールとしては、一価アルコール
又は多価アルコールが好ましい。上記一価アルコールと
しては、炭素数8〜14のものが好ましい。炭素数が8
未満であると、揮発性が高くなり、炭素数が14を超え
ると、吸収促進効果が低下する。このような一価アルコ
ールとしては特に限定されず、例えば、ラウリルアルコ
ール、オレイルアルコール、セチルアルコール等が挙げ
られる。また、上記多価アルコールとしては特に限定さ
れず、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブタン
ジオール、グリセリン、ポリエチレングリコール等が挙
げられる。
【0032】上記有機酸としては、一価の有機酸又は多
価の有機酸が好ましい。このような有機酸としては特に
限定されず、例えば、モノカルボン酸、ジカルボン酸又
はその塩、ヒドロキシジカルボン酸又はその塩等が挙げ
られる。
【0033】上記有機酸である上記モノカルボン酸とし
ては、炭素数8〜20のものが好ましい。炭素数が8未
満であると、酸性が強く人体には適用できにくくなり、
炭素数が20を超えると、吸収促進効果が低下しやすく
なる。このようなモノカルボン酸としては特に限定され
ず、例えば、カプリン酸、ノナン酸、カプリル酸、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
オレイン酸等の脂肪族モノカルボン酸等が挙げられる。
【0034】上記有機酸である上記ジカルボン酸又はそ
の塩としては、炭素数2〜8のものが好ましい。炭素数
が8を超えると、吸収促進効果が低下しやすくなる。こ
のようなジカルボン酸又はその塩としては特に限定され
ず、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アジピン酸等の飽和脂肪
族直鎖ジカルボン酸;フマル酸、マレイン酸等の不飽和
脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸等の芳香族ジカルボン酸;これらのナトリウム
塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アル
ミニウム塩等の塩等が挙げられる。
【0035】上記有機酸である上記ヒドロキシジカルボ
ン酸又はその塩としては、炭素数3〜8のものが好まし
い。炭素数が8を超えると、吸収促進効果が低下しやす
くなる。このようなヒドロキシジカルボン酸又はその塩
としては特に限定されず、例えば、リンゴ酸、酒石酸;
これらのナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、
カルシウム塩、アルミニウム塩等の塩等が挙げられる。
【0036】上記高級脂肪酸エステルとしては、炭素数
11〜36のものが好ましい。炭素数が11未満である
と、揮発しやすくなり、炭素数が36を超えると、吸収
促進効果が低下しやすくなる。このような高級脂肪酸エ
ステルとしては特に限定されず、例えば、ミリスチン酸
イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸
イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル等が挙げられ
る。
【0037】上記高級脂肪酸エステルは、例えば、高級
脂肪酸とアルコールとを反応させることにより得ること
ができる。上記高級脂肪酸エステルを構成する上記高級
脂肪酸としては、炭素数10〜18のものが好ましい。
炭素数が10未満であると、生成物である上記高級脂肪
酸エステルが揮発しやすくなり、炭素数が18を超える
と、経皮吸収効果が低下する。このような高級脂肪酸と
しては特に限定されず、例えば、カプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽
和脂肪族モノカルボン酸;パルミトレイン酸、オレイン
酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和脂
肪族モノカルボン酸;セバシン酸等の飽和脂肪族ジカル
ボン酸等が挙げられる。
【0038】上記高級脂肪酸エステルを構成する上記ア
ルコールとしては、炭素数1〜18のものが好ましい。
炭素数が18を超えると、経皮吸収効果が低下する。こ
のようなアルコールとしては特に限定されず、例えば、
メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イ
ソブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルア
ルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、
カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコ
ール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パ
ルミチルアルコール、ステアリルアルコール等の脂肪族
飽和アルコール等が挙げられる。
【0039】上記ヒドロキシカルボン酸エステルとして
は特に限定されず、例えば、乳酸ミリスチル、乳酸セチ
ル等が挙げられる。上記ヒドロキシカルボン酸エステル
は、例えば、ヒドロキシカルボン酸とアルコールとを反
応させることにより得ることができる。
【0040】上記ヒドロキシカルボン酸エステルを構成
する上記ヒドロキシカルボン酸としては、炭素数3〜6
のものが好ましい。炭素数が3未満であると、生成物で
ある上記ヒドロキシカルボン酸エステルが揮発しやすく
なり、6を超えると、経皮吸収効果が低下する。このよ
うなヒドロキシカルボン酸としては特に限定されず、例
えば、乳酸、グリセリン酸等のモノカルボン酸;リンゴ
酸、酒石酸等のジカルボン酸等が挙げられる。
【0041】上記ヒドロキシカルボン酸エステルを構成
する上記アルコールとしては、炭素数1〜20のものが
好ましい。炭素数が20を超えると、経皮吸収効果が低
下する。このようなアルコールとしては特に限定され
ず、例えば、上記高級脂肪酸エステルを生成する際に用
いられるものとして例示した上記アルコール等が挙げら
れる。
【0042】上記N−アシルサルコシンとしては特に限
定されず、例えば、N−ラウロイルサルコシン、N−オ
レイルサルコシン、N−パルミトイルサルコシン、ヤシ
油脂肪酸サルコシン等が挙げられる。また、上記N−ア
シルサルコシンのナトリウム塩、カリウム塩、マグネシ
ウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩等を用いること
もできる。
【0043】上記界面活性剤としては、ノニオン性界面
活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性
剤、両性界面活性剤のいずれも用いることができる。上
記ノニオン性界面活性剤としては特に限定されず、例え
ば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミ
テート等のソルビタンアルキルエーテル類;ポリオキシ
エチレン(9)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン
(2)ラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル;ラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸
アルカノールアミド;ポリオキシエチレン脂肪酸アミ
ド、アルキルアミンオキシド等が挙げられる。
【0044】上記アニオン性界面活性剤としては特に限
定されず、例えば、カルボキシル基、スルホ基、硫酸エ
ステル基、及び、リン酸エステル基からなる群より選択
される少なくとも1種を有する界面活性剤等が挙げられ
る。上記カルボキシル基を有する界面活性剤としては、
例えば、脂肪酸石鹸、エーテルカルボン酸及びその塩、
アミノ酸と脂肪酸との縮合物等のカルボン酸塩等が、上
記スルホ基を有する界面活性剤としては、例えば、アル
キルスルホン酸塩、スルホコハク酸、エステルスルホン
酸塩、アルキルアリル又はアルキルナフタレンスルホン
酸塩、N−アシルスルホン酸塩等が、上記硫酸エステル
基を有する界面活性剤としては、例えば、硫酸化油、エ
ステル硫酸塩、エーテル硫酸塩、アルキルアリルエーテ
ル硫酸塩、アミド硫酸塩等が、上記リン酸エステル基を
有する界面活性剤としては、例えば、アルキルリン酸
塩、アミドリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルアリ
ルリン酸塩等が挙げられる。
【0045】上記カチオン性界面活性剤としては特に限
定されず、例えば、脂肪酸アミン類、アルキル四級アン
モニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム
塩、イミダゾリウム塩等が挙げられる。
【0046】上記両性界面活性剤としては特に限定され
ず、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の
カルボキシベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン
酸塩、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
【0047】本発明においては、上記経皮吸収促進剤と
して、特に、N−ラウロイルサルコシン、ミリスチン酸
イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、フマル酸、
マレイン酸、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ポリオキシ
エチレン(2)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン
(9)ラウリルエーテル、ラウリン酸ジエタノールアミ
ド、多価アルコール類、グリセリン、プロピレングリコ
ールが好適に用いられる。上記経皮吸収促進剤として
は、上記に例示したもののみでなく、従来公知のものも
用いることができる。
【0048】本発明の経皮吸収外用剤において、上記経
皮吸収促進剤の基剤中の含有量は、基剤合計量を100
重量部としたとき、0.1〜80重量部が好ましい。よ
り好ましくは、0.1〜50重量部である。また、剤型
によっては、上記経皮吸収促進剤自身を基剤として用い
ることも可能である。
【0049】本発明の経皮吸収外用剤においては、上記
基剤に対して、必要に応じて更に、保湿剤、粘度調整
剤、老化防止剤、pH調整剤、保存料、着香料、安定剤
等を添加することもできる。
【0050】本発明の経皮吸収外用剤は、軟膏、クリー
ム、ジェリー、ペースト、リニメント及びローションか
らなる群より選択される少なくとも1種の基剤からなる
ものとすることができる。すなわち、本発明の経皮吸収
外用剤は、軟膏、クリーム、ジェリー、ペースト、リニ
メント若しくはローション、又は、これらの剤型を複合
した剤型として用いることができる。
【0051】また、本発明の経皮吸収外用剤は、支持体
の片面に粘着剤層が設けられた経皮吸収貼付剤であり、
上記粘着剤層は、薬物を含有する基剤からなるものであ
る経皮吸収外用剤とすることもできる。
【0052】すなわち、本発明の経皮吸収外用剤は、メ
トトレキサート類似体を含有する上記基剤からなる粘着
剤層を支持体の片面に設けることにより、例えば、パッ
プ剤、プラスター剤、テープ剤等の剤型とすることがで
きる。
【0053】上記支持体は、本発明の経皮吸収外用剤の
剤型(例えば、パップ剤、プラスター剤、テープ剤等)
に応じて適宜選択されるが、有効成分が不透過又は難透
過で柔軟なものが好ましい。このような支持体としては
特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル−一酸化炭素共重合体、エチレン−ブチルアクリレ
ート−一酸化炭素共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
ウレタン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート等の樹脂フィルム;アルミニ
ウムシート、織布、不織布、これらの積層シート等が挙
げられる。
【0054】上記粘着剤層を構成する粘着剤としては、
薬学的に許容し得るものであれば特に限定されず、従来
公知の適宜の粘着剤を用いることができるが、本発明に
おいては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコー
ン系粘着剤、ウレタン系粘着剤が好適に用いられる。こ
れらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0055】上記粘着剤を上記支持体上に展延する際の
上記粘着剤の性状としては、溶解系、エマルジョン系、
ホットメルト系等の適宜の性状のものを用いることが可
能である。
【0056】上記アクリル系粘着剤は、アルキル(メ
タ)アクリレート(b−1)、及び、アルキル(メタ)
アクリレートと共重合可能である官能性モノマー及び/
又は多官能性モノマー(b−2)をモノマー成分とする
共重合体からなるものであることが好ましい。
【0057】上記アルキル(メタ)アクリレート(b−
1)としては特に限定されず、例えば、メチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ドデ
シル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単
独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0058】上記アルキル(メタ)アクリレート(b−
1)のアルキル基の炭素数は、4〜12が好ましい。炭
素数が4未満であると、凝集力は向上するが粘着力が低
下し、炭素数が12を超えると、粘着力は向上するが凝
集力が低下する。
【0059】上記官能性モノマーとしては特に限定され
ず、例えば、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、N−メ
チロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル
アクリルアミド等が挙げられる。上記アクリル系粘着剤
においては、こられの官能性モノマーを共重合させ、例
えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化ア
ルミニウム等の金属塩;イソシアネート、エポキシ樹
脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アンモニウム等によって
架橋することにより、粘着剤の凝集力を向上させること
ができる。
【0060】上記多官能性モノマーは、粘着剤の凝集力
を向上させるために共重合されるものである。上記多官
能性モノマーとしては特に限定されず、例えば、1,6
−ヘキサングリコールジメタクリレート、テトラエチレ
ングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパン
トリアクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエ
ン、ジアクリルフタレート、ジアリルマレート、ジアリ
ルジアジペート、ジアリルグリコレート、トリアリルイ
ソシアヌレート、ジエチレングリコールビスアリルカー
ボネート等が挙げられる。
【0061】上記アクリル系粘着剤としては、また、上
記アルキル(メタ)アクリレート(b−1)、及び、上
記官能性モノマーであるビニル化合物をモノマー成分と
する共重合体からなるものも好ましい。このようなビニ
ル化合物としては特に限定されず、例えば、酢酸ビニ
ル、アクリロニトリル、スチレン、N−ビニル−2−ピ
ロリドン等が挙げられる。これらのうち、N−ビニル−
2−ピロリドンがより好ましい。このようなアクリル系
粘着剤としては、特に、2−エチルヘキシルアクリレー
ト55〜95重量%、N−ビニル−2−ピロリドン5〜
45重量%、及び、上記多官能性モノマー0〜0.5重
量%をモノマー成分とする共重合体からなるものが好ま
しい。
【0062】上記アクリル系粘着剤としては、また、2
種以上の上記アルキル(メタ)アクリレート(b−1)
をモノマー成分とする共重合体からなるものも好まし
い。このようなアクリル系粘着剤としては、特に、2−
エチルヘキシルアクリレート5〜30重量%、ドデシル
メタクリレート5〜30重量%、及び、上記多官能性モ
ノマー0〜0.5重量%をモノマー成分とする共重合体
からなるものが好ましい。
【0063】上記アクリル系粘着剤は、上述のように、
アルキル(メタ)アクリレートを主成分とするものであ
り、他の成分の量は、必要とされる性能により適宜決定
されればよいが、一般に、上記官能性モノマーは、上記
アクリル系粘着剤中において、1〜10重量%共重合さ
れるのが好ましく、上記多官能性モノマーは、0〜0.
5重量%共重合されるのが好ましい。また、上記ビニル
化合物を用いる場合は、上記アクリル系粘着剤中におい
て、50重量%以下共重合されるのが好ましい。より好
ましくは、1〜40重量%である。
【0064】上記アクリル系粘着剤には、必要に応じ
て、ケイ酸、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機充填剤;高
級脂肪酸エステル等の可塑化剤;エステルガム等の粘着
付与剤等が、薬学的許容範囲内で添加されてもよい。
【0065】上記ゴム系粘着剤は、ゴムに粘着付与剤が
添加されてなるものである。上記ゴムとしては特に限定
されず、例えば、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴ
ム、ポリイソブチレン、スチレン−イソプレン−スチレ
ンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン
ブロック共重合体、スチレン−オレフィン−スチレンブ
ロック共重合体等が挙げられる。
【0066】上記粘着付与剤としては特に限定されず、
例えば、ロジン、水添ロジン、ロジンエステル、テルペ
ン樹脂、テルペンフェノール樹脂、石油系樹脂、クマロ
ン樹脂、クマロン−インデン樹脂等が挙げられる。
【0067】上記ゴム系粘着剤には、必要に応じて、軟
化剤が添加されてもよい。上記軟化剤としては特に限定
されず、例えば、アーモンド油、オリーブ油、椿油、パ
ーシック油、落花生油、胡麻油、大豆油、ミンク油、綿
実油、トウモロコシ油、サフラワー油、ヤシ油、ヒマシ
油等のオイル;オレイン酸、ラウリン酸等の高級脂肪
酸;流動パラフィン、ポリブテン等が挙げられる。
【0068】上記シリコン系粘着剤としては、従来から
経皮吸収貼付剤の粘着剤に用いられているシリコン系粘
着剤のいずれをも使用可能であり、特に限定されない。
上記ウレタン系粘着剤としはて 従来から経皮吸収貼付
剤の粘着剤に用いられているウレタン系粘着剤のいずれ
をも使用可能であり、特に限定されない。
【0069】上記粘着剤層は、少なくとも1種の水溶性
高分子を含有する粘着剤からなるものであることが好ま
しい。上記水溶性高分子としては特に限定されず、例え
ば、ビニル基を含有するもの、多糖類系のもの、その他
の水溶性ポリマー等が挙げられる。
【0070】上記ビニル基を含有するものとしては特に
限定されず、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸
塩、その他のもの等が挙げられる。上記ポリアクリル酸
塩としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ
アクリル酸カリウム等のポリアクリル酸の一価金属塩;
ポリアクリル酸モノエタノールアミン、ポリアクリル酸
ジエタノールアミン、ポリアクリル酸トリエタノールア
ミン等のポリアクリル酸のアミノ塩;ポリアクリル酸の
アンモニウム塩等が挙げられる。また、上記その他のも
のとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルピロリドン、ポリビニルエーテル、メトキシエチレン
−無水マレイン酸共重合体、メタクリル酸重合体等が挙
げられる。
【0071】上記多糖類系のものとしては特に限定され
ず、例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモ
ニウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロースナトリウム、ヒドロキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルエチルセルロース、メチルセルロース、可溶性デンプ
ン、カルボキシメチルアミロース、デキストリン等が挙
げられる。
【0072】上記その他の水溶性ポリマーとしては特に
限定されず、例えば、ペクチン、寒天末等のヘミセルロ
ース;アラビアゴム、トラガントガム、キサンタンゴム
等の植物ゴム等が挙げられる。
【0073】上記水溶性高分子としては、分子内にカル
ボキシル基、ヒドロキシル基及びそれらの塩からなる群
より選択される少なくとも1種を有するものが好適に用
いられ、例えば、アクリル酸重合体、アクリル酸塩重合
体、無水マレイン酸重合体、メタクリル酸重合体、カル
ボキシセルロース類、ポリビニルアルコール、ヒドロキ
シセルロース類等が挙げられる。具体的には、上記に例
示したもののうち、例えば、カルボキシル基を有するも
のとしては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウ
ム、メトキシエチレン−無水マレイン酸共重合体、アク
リル酸−スチレン共重合体、アクリル酸−メタクリル酸
アミド共重合体、アクリル酸ブチル−メタクリル酸共重
合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、カルボキシビ
ニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、アルギン
酸ナトリウム等が挙げられる。ヒドロキシル基を有する
ものとしては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロ
キシプロピルエチルセルロース等が挙げられる。
【0074】上記水溶性高分子は、上記粘着剤層の基剤
としてだけでなく、上記アクリル系粘着剤、上記ゴム系
粘着剤、上記シリコーン系粘着剤及び上記ウレタン系粘
着剤の添加物として用いることもできる。
【0075】本発明の経皮吸収外用剤は、常法により製
造することができる。例えば、 膏、クリーム、ローシ
ョン、ペースト、リニメント、ジェリー基剤の場合、そ
れぞれの剤型に応じて、必要な基剤原料を、混練、乳
化、懸濁又は溶解させて基剤を製造した後、薬物及び必
要に応じて経皮吸収促進剤、他の添加剤等を添加し、通
常使用される混練機で混合することにより製造すること
ができる。
【0076】また、本発明の経皮吸収外用剤が貼付剤で
ある場合、その製造方法は、粘着剤の種類によって異な
るが、その剤型(例えば、プラスター剤、テープ剤、パ
ップ剤等)に応じて適宜、ホットメルト系、溶剤系、エ
マルジョン系等の常法により製造することができる。
【0077】本発明の経皮吸収外用剤の治療対象となる
疾患としては、例えば、白血病等の癌疾患が挙げられ
る。
【0078】
【発明の実施の形態】
実施例1 3,5−ジクロロメトトレキサート(米国特許第2,5
70、391号の実施例24の方法で公知の出発物質か
ら合成したもの)10g、ラウリン酸ジエタノールアミ
ド(日本油脂社製)3g及びゲル化炭化水素(ブリスト
ルマイヤーズスクイブ社製)87gを乳鉢に量り取り、
十分に混和し均一な軟膏剤を調製した。
【0079】比較例1 ラウリン酸ジエタノールアミド(日本油脂社製)3g及
びゲル化炭化水素(ブリストルマイヤーズスクイブ社
製)97gを乳鉢に量り取り、十分に混和し均一な軟膏
剤を調製した。
【0080】比較例2 実施例1と同様の3,5−ジクロロメトトレキサート4
0mg及び生理食塩水100mlを量り取り、十分に攪
拌し均一な注射剤を調製した。
【0081】比較例3 生理食塩水100mlを注射剤として調製した。
【0082】性能試験 試験例1(移植Sarcoma180増殖抑制試験) 実施例1および比較例1、2、3の軟膏剤および注射剤
について、以下のようにして移植Sarcoma180
増殖抑制試験を行った。
【0083】Sarcoma180細胞を生理食塩水
(大塚製薬社製)に分散し、5×106 cells/
0.1ml、体重18〜22gのICR雄性マウスのソ
ケイ部に皮下投与した。
【0084】実施例1の軟膏剤投与群のマウスにおいて
は、実施例1の軟膏剤をSarcoma180細胞移植
1日後から0.4g/マウス/2日の割合で、1日おき
に剃毛背部皮膚に塗布し、上からポリウレタンフィルム
材(ジョンソン社製、商品名バイオクルーシブ)で覆っ
た。
【0085】なお、この試験のコントロールとして、実
施例1の軟膏剤の代わりに、比較例1の軟膏剤を同様に
して投与した。
【0086】比較例2の注射剤投与群のマウスにおいて
は、比較例2の注射剤をSarcoma180細胞移植
1日後から20ml/kg/1日の割合で、毎日腹腔内
投与した。
【0087】なお、この試験のコントロールとして、比
較例2の注射剤の代わりに、比較例3の注射剤を同様に
して投与した。
【0088】なお、比較例2および比較例3の注射剤投
与群のマウスにおいても、実施例1および比較例1の軟
膏剤投与群と同様に、背部皮膚を剃毛し、上からポリウ
レタンフィルム材(ジョンソン社製、商品名 バイオク
ルーシブ)で覆った。
【0089】Sarcoma180細胞移植後、11日
後にエーテル麻酔により屠殺後、腫瘍重量を測定し、表
1に示した。
【0090】なお、上記の試験は、それぞれ一群6匹の
マウスを用いて行った。
【0091】また、上記の腫瘍重量測定値から腫瘍増殖
抑制率を次式により算出し、表1に示した。 腫瘍増殖抑制率(%)=(コントロールの腫瘍重量−サ
ンプルの腫瘍重量)×100÷コントロールの腫瘍重量
【0092】また、Sarcoma180細胞移植後1
1日後のマウスの体重を測定し、移植前の体重との差
(移植11日後の体重−移植前の体重)を求め、体重変
化量として表1に示した。
【0093】
【表1】
【0094】表1から分かるように、実施例1の軟膏剤
投与群では、比較例1の軟膏剤投与群に比べ、腫瘍重量
が明らかに抑制され、その抑制程度は比較例2の注射剤
投与群と比較例3の注射剤投与群の間の抑制程度と同等
以上であった。また、比較例2の注射剤投与群のマウス
では、比較例3の注射剤投与群のマウスに比べて明らか
な体重増加の抑制が見られたが、実施例1の軟膏剤投与
群のマウスではそのような現象は認められなかった。す
なわち、本発明の経皮吸収外用剤は顕著な腫瘍増殖抑制
活性を有し、しかも比較例2の注射剤投与群のマウスに
みられるような副作用を示さないことがわかった。
【0095】次に、実施例1及び下記の実施例2〜6の
外用剤について、ラット皮膚透過性試験を実施した。
【0096】実施例2 2−エチルヘキシルアクリレート(以下「EHA」とい
う)65モル%(302.0g)、N−ビニル−2−ピ
ロリドン(以下「VP」という)35モル%(98.0
g)、及び、ヘキサメチレングリコールジメタクリレー
トをEHAとVPの100重量部に対して0.02重量
部(80mg)をセパラブルフラスコに仕込み、重合初
期のモノマー濃度が85重量%となるように酢酸エチル
70.6gを加えた。この溶液を窒素雰囲気下、65℃
に加熱し、重合開始剤である過酸化ラウロイル及び酢酸
エチルを逐次、少量ずつ添加し、32時間重合した。重
合物を取り出した後、3,5−ジクロロメトトレキサー
トを酢酸エチルに懸濁して、固形分(酢酸エチルを乾燥
させた後の重合物と3,5−ジクロロメトトレキサート
の重量和)が30重量%となるよう、また、固形分中の
3,5−ジクロロメトトレキサート濃度が0.5重量%
となるように加え、攪拌混合した。この溶液をシリコン
処理した厚さ35μmのポリエチレンテレフタレート
(以下「PET」)フィルム上に乾燥後の厚みが約10
0μmとなるように塗布、乾燥させ、更に、厚さが35
μmのPETフィルムを貼り合わせた後、面積3.14
cm2 の円形に切断して経皮吸収外用剤を調製した。
【0097】実施例3 固形分中の3,5−ジクロロメトトレキサート含量を5
重量%に変更したこと以外は、実施例2と同じ操作によ
り経皮吸収外用剤を調製した。
【0098】実施例4 固形分中の3,5−ジクロロメトトレキサート含量を1
0重量%に変更したこと以外は、実施例2と同じ操作に
より経皮吸収外用剤を調製し、その粘着面を、アクリル
系ゲル(積水樹脂社製、商品名 テクノゲル CR)に
貼り合わせた後、面積3.14cm2 の円形に切断して
経皮吸収外用剤を調製した。
【0099】実施例5 ポリアクリル酸ナトリウム(日本純薬社製、商品名 ア
ロンビスAH)3gに乾燥水酸化アルミニウムゲル(丸
石製薬社製)0.3g、グリセリン7.5g、酒石酸
0.3g、蒸留水15gを加えて攪拌混合した後に、
3,5−ジクロロメトトレキサート1.2gを加えて攪
拌混合した。これをシリコン処理した厚さ35μmのP
ETフィルム上に乾燥後の厚みが約200μmとなるよ
うに塗布し、更に、厚さが35μmのPETフィルムを
貼り合わせた後、面積3.14cm2の円形に切断して
経皮吸収外用剤を調製した。
【0100】実施例6 高分子エマルジョン(アクリル酸−アクリル酸n−ブチ
ル共重合体、ローム・アンド・ハース・ジャパン社製、
商品名 N−580)8gに3,5−ジクロロメトトレ
キサート0.2g、蒸留水4gを加えて攪拌混合した後
に、この溶液をシリコン処理した厚さ35μmのPET
フィルム上に乾燥後の厚みが約100μmとなるように
塗布し、更に、厚さが35μmのPETフィルムを貼り
合わせた後、面積3.14cm2 の円形に切断して経皮
吸収外用剤を調製した。
【0101】試験例2(ラット皮膚透過性試験) 図1に示した拡散セルを準備した。拡散セル1は有底円
筒状のレセプター槽2と、該レセプター槽2の上に配置
された有底円筒状のドナー槽3より形成されている。ド
ナー槽3の底壁中央部には開口部4が設けられており、
底壁は周囲方向に延設され、フランジ5が設けられてい
る。レセプター槽2の上部にはフランジ6が設けられ、
側壁には側方に突出したサンプリング口7が取り付けら
れている。フランジ5とフランジ6が対向して重ね合わ
されて、ドナー槽3とレセプター槽2が気密かつ同心状
に積み重ねられている。また、レセプター槽2内部には
マグネット攪拌子9が入れてある。
【0102】被験動物としては体重170〜250gの
ウィスター雄性ラットを用いた。組織と筋層を除去して
約5cm×5cmの皮膚片8を得た。得られた皮膚片8
を拡散セル1のフランジ5とフランジ6の間に装着し、
ドナー槽3の開口部4を皮膚片8で完全に閉じた。皮膚
片8に接するように先に示した実施例1及び実施例3〜
7の外用剤を皮膚片8の中央部10に貼付した。実施例
1の外用剤については、円形(面積3.14cm2 )の
ポリエチレンテレフタレートの一面に、0.1gを均一
に塗布して皮膚片8に接するようにして皮膚片8の中央
部10に貼付した。レセプター槽2にはレセプター液を
満たし、37℃に保持された恒温槽内に設置し、マグネ
ット攪拌装置によりマグネット攪拌子9を回転させ攪拌
した。試験開始24時間後に、それぞれ、サンプリング
口7からレセプター液1mlを採取し、代わりに新鮮な
レセプター液1mlを補充した。採取したレセプター液
には、皮膚を透過した薬物が溶解している。採取したレ
セプター液中の薬物濃度を高速液体クロマトグラフィー
により測定し、薬物透過量(単位:μg/cm 2 )を算
出し、表2に示した。なお、この試験は、繰り返し回数
2で行い、その平均値を示した。
【0103】レセプター液調整法:蒸留水中にNaH2
PO4 5×10-4M、Na2 HPO 4 2×10-4M、N
aCl1.5×10-4M、及び、硫酸ゲンタマイシン1
0μg/mlを含む緩衝液に、1N−NaOH水溶液を
加えてpHを7.2に調整した。
【0104】
【表2】
【0105】表2から分かるように、実施例2〜6の外
用剤では、実施例1の外用剤と比較して同等以上の3,
5−ジクロロメトトレキサートの皮膚に対する優れた皮
膚透過性が認められた。
【0106】
【発明の効果】本発明の経皮吸収外用剤は、腫瘍の治療
に有効な、メトトレキサート類似体の副作用が軽減され
た全身的な治療効果を有するメトトレキサート類似体の
経皮吸収外用剤を提供する。すなわち、本発明の経皮吸
収外用剤により、メトトレキサート類似体の注射剤など
に見られるような副作用を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例2における拡散セルを用いたラット皮膚
透過性試験を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 拡散セル 2 レセプター槽 3 ドナー槽 4 開口部 5 フランジ 6 フランジ 7 サンプリング口 8 皮膚片 9 マグネット攪拌子 10 皮膚片の中央部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製剤中にメトトレキサート類似体(メト
    トレキサートを除く)を0.01〜30重量%含有し、
    治療対象疾患が癌疾患であることを特徴とする全身的な
    治療効果を有する経皮吸収外用剤。
  2. 【請求項2】 癌疾患が白血病である請求項1記載の経
    皮吸収外用剤。
  3. 【請求項3】 基剤は、ポリマー、無機充填剤、油脂、
    炭化水素、多価アルコール、高級脂肪酸、高級アルコー
    ル、低級アルコール及び水からなる群より選択される少
    なくとも1種(a)、又は、前記(a)を含有する組成
    物である請求項1又は2記載の経皮吸収外用剤。
  4. 【請求項4】 基剤は、アルコール、有機酸、高級脂肪
    酸エステル、ヒドロキシカルボン酸エステル、N−アシ
    ルサルコシン及び界面活性剤からなる群より選択される
    少なくとも1種の経皮吸収促進剤を含有するものである
    請求項1、2又は3記載の経皮吸収外用剤。
  5. 【請求項5】 経皮吸収外用剤は、軟膏、クリーム、ジ
    ェリー、ペースト、リニメント及びローションからなる
    群より選択される少なくとも1種の基剤からなるもので
    ある請求項1、2、3又は4記載の経皮吸収外用剤。
  6. 【請求項6】 経皮吸収外用剤は、支持体の片面に粘着
    剤層が設けられた経皮吸収貼付剤であり、前記粘着剤層
    は、薬物を含有する基剤からなるものである請求項1、
    2、3、4又は5記載の経皮吸収外用剤。
  7. 【請求項7】 粘着剤層は、アクリル系粘着剤、ゴム系
    粘着剤、シリコーン系粘着剤及びウレタン系粘着剤から
    なる群より選択される少なくとも1種からなるものであ
    る請求項6記載の経皮吸収外用剤。
  8. 【請求項8】 粘着剤層は、少なくとも1種の水溶性高
    分子を含有する粘着剤からなるものである請求項6又は
    7記載の経皮吸収外用剤。
  9. 【請求項9】 水溶性高分子は、カルボキシル基、ヒド
    ロキシル基及びそれらの塩からなる群より選択される少
    なくとも1種を有するものである請求項8記載の経皮吸
    収外用剤。
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