JPH11140915A - 建設機械の油圧回路 - Google Patents

建設機械の油圧回路

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JPH11140915A
JPH11140915A JP30583397A JP30583397A JPH11140915A JP H11140915 A JPH11140915 A JP H11140915A JP 30583397 A JP30583397 A JP 30583397A JP 30583397 A JP30583397 A JP 30583397A JP H11140915 A JPH11140915 A JP H11140915A
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pressure
pilot
valve
receiving chamber
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JP30583397A
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Masaki Egashira
雅樹 江頭
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業性能の低下を抑制しながら、従来技術に
おけるかかる不具合の発生を防止できる建設機械の油圧
回路を提供する。 【解決手段】 パイロット油圧ポンプ3の吐出配管T3
を各アクチュエーターの方向切替弁14〜20に一体化
された切替検出弁14a〜20aを直列接続する配管を
介してタンク配管T52に連通させると共に、吐出配管T
3 からの分岐配管を絞り弁24を介して過負荷保護弁2
1の受圧室21aに接続することにより、全ての操作桿
が操作されず方向切替弁14〜20が中立位置にある時
は受圧室21a内のパイロット圧が0になって過負荷保
護弁21の設定圧は設定バネが与える低設定圧となり、
何れかの方向切替弁14〜20が動作位置に切り替えら
れた時は受圧室21a内のパイロット圧が高圧になって
絞り弁を介して受圧室に導かれるパイロット油のパイロ
ット圧により設定バネが与える低設定圧を高設定圧に徐
々に切り替えさせるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油圧ポンプからの吐
出油を過負荷保護弁が介装された主配管を経てそれぞれ
の方向切替弁を介して慣性力の大きな複数のアクチュエ
ーターに導くように構成された油圧ショベル等の建設機
械の油圧回路の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】油圧ショベルのように作業機を搭載した
建設機械の油圧回路においては、各回路要素を過大な負
荷圧による破損から保護すると共に原動機が過負荷によ
り運転停止に陥るのを防止するために、原動機に連結さ
れた主油圧ポンプの吐出油が流出する主配管に所定圧以
上の油圧を放圧する過負荷保護弁が介装されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、旋回体、ブ
ーム、アーム等のようにある程度大きな慣性を有した作
業機要素を駆動する際に対応する操作桿を急操作する
と、起動時にその方向切替弁から当該アクチュエーター
に一時に多量の圧油が流入し、建設機械全体に大きな衝
撃あるいは振動が生じる。図6は建設機械の起動時に主
配管内の油圧の経時特性図である。同図に示すように、
操作者が操作桿を急操作すると、その方向切替弁から当
該アクチュエーターに一時に多量の圧油が流入するが、
作業機要素の大きな慣性負荷のために速やかな起動がで
きず、主配管内の油圧が急速に上昇する。この時に主配
管に大きな衝撃が生じると共に、一旦、起動した後、主
配管内の油圧が急速に低下することに伴って大きな振動
が発生する。
【0004】そこで、過負荷保護弁の設定圧を低く抑え
ることにより、上記不具合が生じるの防止することがで
きるが、重い荷揚げ作業や大きな土砂塊の押し込み作業
に支障を来すことがあり、建設機械の作業性能が低下し
てしまう。本発明は作業性能の低下を抑制しながら、従
来技術におけるかかる不具合の発生を防止できる建設機
械の油圧回路を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、方向切替弁が中立位置にある時、設定圧は
低めの所定の低設定圧に維持され、何れかの方向切替弁
が動作位置に切り替えられると、過負荷保護弁の設定圧
は高めの所定の高設定圧に移行するように構成したもの
であり、好ましくは、過負荷保護弁は低設定圧を与える
設定バネを有しており、何れかの方向切替弁が動作位置
に切り替えられると、パイロット圧が低圧から高圧に切
り替えられるパイロット油が絞り弁を介して導かれる受
圧室を有し、該受圧室に流入するパイロット油のパイロ
ット圧により設定バネが与える低設定圧を高設定圧に切
り替えさせるようにしたか、あるいは、何れかの方向切
替弁が動作位置に切り替えられると、パイロット圧が高
圧から低圧に切り替えられるパイロット油が絞り弁を介
して流出する受圧室を有し、該受圧室から流出するパイ
ロット油のパイロット圧により該設定バネのバネ力が減
殺されて成る低設定圧を高設定圧に切り替えさせるよう
にし、あるいは、全ての方向切替弁は操作桿の操作によ
り切り替えられるパイロット弁から流出するパイロット
油により切り替え制御されると共に、全ての方向切替弁
に導かれるパイロット油が絞り弁を介して過負荷保護弁
の受圧室に導かれ、該受圧室内のパイロット圧により設
定バネのバネ力を付勢または減殺して低設定圧を高設定
圧に切り替えさせるように構成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を具
体化した具体例について詳細に説明する。図1は本発明
の具体例に係る油圧ショベルの油圧回路図である。同図
において、1,2はアクチュエーターを駆動する圧油の
供給源となる油圧ポンプ、3はアクチュエーターを制御
するパイロット油の供給源となるパイロット油圧ポン
プ、4,5は走行体を駆動する左右の走行モーター、
6,7,8は作業機の構成要素であるアーム、バケット
およびブームをそれぞれ駆動するアームシリンダー、バ
ケットシリンダーおよびブームシリンダー、9は旋回体
を駆動する旋回モーター、10は還流した圧油を溜置く
油タンクである。
【0007】また、14,15は左右の走行モーター
4,5に供給される圧油の向きと流量を切替え制御する
左右の走行用方向切替弁、14a,15aは左右の走行
用方向切替弁14,15と一体化されて連動し、これら
の切替え状態を検出する左右の走行用切替検出弁、1
6,17はそれぞれアームシリンダー6およびバケット
シリンダー7に供給される圧油の向きと流量を切替え制
御するアーム用方向切替弁およびバケット用方向切替
弁、16a,17aはそれぞれアーム用方向切替弁16
およびバケット用方向切替弁17と一体化されて連動
し、これらの切替え状態を検出するアーム用およびバケ
ット用切替検出弁、18,20はブームシリンダー8に
供給される圧油の向きと流量を切替え制御する二つのブ
ーム用方向切替弁、18a,20aはそれぞれブーム用
方向切替弁18,20と一体化されて連動し、これらの
切替え状態を検出するブーム用切替検出弁、19は旋回
モーター9に供給される圧油の向きと流量を切替え制御
する旋回用方向切替弁、19aは旋回用方向切替弁19
と一体化されて連動し、これの切替え状態を検出する旋
回用切替検出弁である。
【0008】21は油圧ポンプ1,2の吐出配管T1
2 を連通する連通管T8 に接続され、所定圧以上の連
通管T8 内の油圧を油タンク10に放圧する過負荷保護
弁、22および23は連通管T8 にそれぞれ介装され、
吐出配管T1 ,T2 への圧油の逆流を防止する逆止弁、
24はパイロット油圧ポンプ3の吐出配管T3 から分岐
して過負荷保護弁21の受圧室21aに導かれる配管に
介装され、該配管中を流れる圧油の流量を制限する絞り
弁、25はパイロット油圧ポンプ3の吐出配管T3 に接
続され、所定圧以上のパイロット圧を油タンク10に放
圧するパイロット過負荷保護弁である。
【0009】油圧ポンプ1,2の吐出配管T1 ,T2
それぞれ左走行用方向切替弁14、アーム用方向切替弁
16、ブーム用方向切替弁18を直列接続する主配管お
よび右走行用方向切替弁15、バケット用方向切替弁1
7、旋回用方向切替弁19、ブーム用方向切替弁20を
直列接続する主配管を経てタンク配管T51,T52に連通
している。また、パイロット油圧ポンプ3の吐出配管T
3 は左走行用切替検出弁14a、アーム用切替検出弁1
6a、ブーム用切替検出弁18aを直列接続する配管を
経て引回し配管T4 に、そして、さらに右走行用切替検
出弁15a、バケット用切替検出弁17a、旋回用切替
検出弁19a、ブーム用切替検出弁20aを直列接続す
る配管を経てタンク配管T52に連通している。
【0010】次に、この具体例の動作を説明する。この
発明では方向切替弁が中立位置から動作位置に急激に切
り替えられた時に慣性負荷が大きいアクチュエーターに
通じる配管に生じる衝撃について考慮しているので、こ
こではアーム用操作桿が急操作され、アーム用方向切替
弁16が中立位置から動作位置に急激に切り替えられた
場合の動作を説明する。アーム用方向切替弁16が中立
位置から動作位置に切り替わることにより、油圧ポンプ
2からの多量の吐出油が一時に吐出配管T1 、アーム用
方向切替弁16を経てアームシリンダー6に流入する一
方、アーム用方向切替弁16からタンク配管T51に至る
通路は閉じられるから、タンク配管T51には流出しな
い。アームはやや慣性が大きいためアームシリンダー6
は急に伸縮することができないから、吐出配管T1 内の
油圧は急速に上昇し、この油圧は逆止弁23を介して過
負荷保護弁21に伝達される。吐出配管T1 内の油圧が
過負荷保護弁21のバネ設定圧より高くなると、過負荷
保護弁21が開き、吐出配管T1 内の過剰圧がタンク配
管T51側に放圧される。
【0011】一方、アーム用方向切替弁16が中立位置
から動作位置に切り替わることにより、アーム用方向切
替弁16と一体化されたアーム用切替検出弁16aも中
立の開位置から閉位置に切り替わるから、パイロット油
圧ポンプ3から吐出配管T3に流出したパイロット油は
アーム用切替検出弁16aで流路を遮断される。これに
より、吐出配管T3 内のパイロット圧は急速に上昇する
と共に、吐出配管T3から分岐した配管にパイロット油
が流入する。この分岐配管には絞り弁24が介装されて
いるので、分岐配管内のパイロット油は絞り弁24によ
り絞られて徐々に過負荷保護弁21の受圧室21aに流
入して、過負荷保護弁21のバネ設定圧に漸増する付加
圧を付与する。
【0012】図2はアーム用操作桿が急切替え操作され
た時のアーム用操作桿の操作量L、吐出配管T3 内のパ
イロット圧Pp 、過負荷保護弁21の受圧室21a内の
パイロット圧Pr 、過負荷保護弁21の設定圧Ps の時
間変化特性を示す特性図である。同図に示すように、時
刻t0 でアーム用操作桿が急切替え操作され、その操作
量Lが最大操作量Lf に達した時には、吐出配管T3
のパイロット圧Pp はアーム用切替検出弁16aが閉じ
るため、ほぼ時刻t0 に最大パイロット圧Ppaに達す
る。そして、吐出配管T3 内のパイロット油は吐出配管
3 から分岐した配管に流入し、その配管に介装された
絞り弁24により絞られて徐々に過負荷保護弁21の受
圧室21aに流入するので、受圧室21a内のパイロッ
ト圧Pr は時刻t0 における0の値から徐々に増加して
最大パイロット圧Ppaに達する。従って、過負荷保護弁
21の設定圧Ps は時刻t0 におけるバネ設定圧に相当
する初期設定圧Ps0から徐々に増加して最大設定圧Psa
に達する。
【0013】図3はこの具体例のアーム起動時の吐出配
管T1 内の油圧の経時特性図である。同図に示すよう
に、アーム用操作桿が急切替え操作された時刻t0 で吐
出配管T1 内の油圧Pは急速に上昇するが、比較的低め
に設定されたバネ設定圧に相当する初期設定圧Ps0に達
すると過負荷保護弁21が開路して過剰圧が放圧される
から、吐出配管T1 には衝撃が発生しない。その後、吐
出配管T1 内の油圧Pは時間と共に増加する設定圧Ps
に追随して上昇した後、緩やかに波打ってほぼ一定値に
収斂する。
【0014】このように、アーム用操作桿が急切替え操
作された場合は、過負荷保護弁21の設定圧Ps は低め
に設定された初期設定圧Ps0から徐々に増加して最大設
定圧Psaに達するから、アームシリンダー6の伸縮開始
時はアームのやや大きな慣性により吐出配管T1 内の油
圧は急速に上昇するが、バネ設定圧が低めに設定された
過負荷保護弁21から過剰圧が放圧され、当該吐出配管
1 には衝撃や振動が生じない。そして、アームシリン
ダー6が伸縮し始めると、設定圧Ps は初期設定圧Ps0
から最大設定圧Psaまで増加するから、原動機の回転エ
ネルギーを無駄に消費することなく、アームシリンダー
6を強い力で加速することができる。
【0015】上述の説明ではアーム用操作桿が急切替え
操作された場合について述べたが、ブーム用操作桿や旋
回用操作桿が急切替え操作された場合、あるいはこれら
が同時に急切替え操作された場合であっても全く同様に
して、油圧ポンプ1,2の吐出配管T1 ,T2 に衝撃や
振動が生じるのを防止することができる。なお、吐出配
管T1 ,T2 に衝撃や振動が生じるのは操作桿が急切替
え操作されてから極限られた時間内に吐出配管T1 ,T
2 内に生じる瞬間的な昇圧現象によるものであるから、
絞り弁24の絞り量はアクチュエーターの種類に因らず
共通の少なめの値とすることにより、全てのアクチュエ
ーターに対して起動時の衝撃や振動の発生を効果的に防
止することができる。
【0016】また、この具体例では方向切替弁14〜2
0を切り替えるための操作桿は手動切替式のものを用い
ているが、勿論、パイロット油圧切替式のものであって
も同様である。さらに、この具体例では全ての方向切替
弁14〜20に切替検出弁14a〜20aを連設して、
これらの切替検出弁14a〜20aをパイロット油圧ポ
ンプ3の吐出配管T3 に直列接続されるような回路構成
としたが、慣性抵抗の大きいアクチュエーターのみを選
択して、それらの方向切替弁にだけ切替検出弁を連設
し、これらの切替検出弁を吐出配管T3 に直列接続され
る回路構成としても良い。
【0017】上述の具体例では方向切替弁14〜20の
中の何れかが切替え操作された時、過負荷保護弁21の
受圧室21aにパイロット油圧ポンプ3の吐出配管T3
内のパイロット油が流入してバネ設定圧に付加圧を付与
するように構成されているが、全ての方向切替弁14〜
20が中立位置にある時、過負荷保護弁21′の受圧室
21a′に吐出配管T3 内のパイロット油が流入して最
大設定圧Psaを決めるバネの付勢力に対向する力を付与
してバネ設定圧を減殺させ、方向切替弁14〜20の中
の何れかが切替え操作された時、過負荷保護弁21′の
受圧室21a′からパイロット油が流出することにより
過負荷保護弁21′の設定圧Ps をより高い設定圧Ps
まで上昇させるような構成とすることもできる。
【0018】図4はかかる構成を有した本発明の他の具
体例に係る油圧ショベルの油圧要部回路図である。この
油圧回路図は左走行用方向切替弁14、アーム用方向切
替弁16、ブーム用方向切替弁18に関係した油圧回路
のみを示した回路図である。先の具体例と同一または同
一と見做せる個所には同一の符号を付し、その重複する
説明を省略する。以下の説明においても同様とする。な
お、「′」はこれが付されないものと類似の構成を有し
ていることを表す。即ち、左走行用切替検出弁14
a′、アーム用切替検出弁16a′、ブーム用切替検出
弁18a′は中立位置において、吐出配管T3 に並列接
続された導入配管T71,T72,T73と下流のタンク配管
51との間が閉塞するように構成されており、動作位置
においては逆に連通するように構成されている。
【0019】従って、何れの操作桿も操作されない場合
は吐出配管T3 とタンク配管T51との間は閉塞状態にあ
るから、吐出配管T3 内のパイロット圧は過負荷保護弁
25の設定圧まで昇圧した状態にあり、過負荷保護弁2
1′の受圧室21a′内のパイロット圧も同じ設定圧ま
で昇圧しており、過負荷保護弁21′の設定バネのバネ
力に対向してそれを相殺するような力を付与している。
つまり、この状態では過負荷保護弁21′の設定圧は設
定バネが本来有しているバネ力による設定圧より低い設
定圧に保たれている。
【0020】一方、何れかの操作桿が操作された時、例
えば、左走行用方向切替弁14の操作桿が操作された時
は導入配管T71で吐出配管T3 とタンク配管T51とが連
通し、吐出配管T3 内のパイロット圧がタンク圧、即
ち、圧力0まで低下する。吐出配管T3 から過負荷保護
弁21′の受圧室21a′に至る分岐配管には絞り弁2
4が介装されているので、受圧室21a′内のパイロッ
ト油は絞り弁24を通って徐々に吐出配管T3 側に流出
する。従って、受圧室21a′内のパイロット圧は徐々
に圧力0まで低下する。受圧室21a′内のパイロット
圧が圧力0まで低下すると、過負荷保護弁21′の設定
バネのバネ力に対向する力は無くなるから、過負荷保護
弁21′の設定圧は設定バネが本来有しているバネ力に
よる設定圧に等しい最大設定圧になる。
【0021】このような左走行体起動時の過負荷保護弁
21′の設定圧の変化に伴う油圧ポンプ2の吐出配管T
1 内の油圧の経時特性は先の具体例のものと同様なので
説明を省略する。上述のように、この具体例ではパイロ
ット油圧ポンプ3の吐出配管T3 内のパイロット圧が圧
力0の時、過負荷保護弁21′の設定圧は最大設定圧と
なるから、何らかの原因で上記パイロット圧が圧力0に
なってしまったとしても過負荷保護弁21′の設定圧は
最大設定圧に保たれるので、アクチュエーターを強い力
で駆動する状態を維持することができる。
【0022】次に、各方向切替弁14〜18の切替え動
作はこれらに一体化されて連動する切替検出弁に因らな
くても、パイロット油圧切替式のものであればパイロッ
ト弁の流出側パイロット圧をその侭活用することができ
る。図5は本発明のさらに他の具体例に係る油圧ショベ
ルの油圧回路図である。同図において、34,36,3
8はそれぞれ左走行用、アーム用およびブーム用の各パ
イロット弁であり、それぞれの流出側管路は左走行用方
向切替弁14、アーム用方向切替弁16およびブーム用
方向切替弁18の各受圧室に接続されている。44,4
6,48はそれぞれ左走行用、アーム用およびブーム用
の各操作桿である。なお、当然、右走行用方向切替弁1
5、バケット用方向切替弁17、旋回用方向切替弁19
およびブーム用方向切替弁20の切替え動作を制御する
右走行用、バケット用、旋回用およびブーム用の各パイ
ロット弁を具えているが、ここでは図示を省略してい
る。同図に示すように、全ての各パイロット弁34,3
6,38,……の流出側管路は過負荷保護弁21の受圧
室21aにパイロット油を導く配管に並列接続されてい
て、何の操作桿44,46,48,……が中立位置から
切替え操作された場合でもパイロット弁34,36,3
8,……の流出側配管を経たパイロット圧が絞り弁24
を介して過負荷保護弁21の受圧室21aに付与される
ようになっている。操作桿が最大操作量操作された場合
はアクチュエーター起動時の過負荷保護弁21の設定圧
の変化およびこれに伴う油圧ポンプ1,2の吐出配管T
1 ,T 2 内の油圧の経時特性は最初の具体例のものと変
わらないが、操作桿が中途操作された場合には、受圧室
21a内のパイロット圧の経時特性および吐出配管
1,T2 内の油圧の経時特性は最初の具体例のものに
較べて緩慢になり、過負荷保護弁21の設定圧も最大設
定圧まで達しないので、十分なアクチュエーターの駆動
力が得られず、原動機のエネルギー損失が多くなるとい
う不具合が生じることがあるが、実際はアクチュエータ
ー起動時の衝撃は操作桿が最大操作量操作された場合に
生じることが多いのでさ程問題ではなく、寧ろ油圧回路
の回路構成が極めて簡単なものになるという大きな利点
がある。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、方向切替弁が中立位置にある時、設定圧は所
定の低設定圧に維持され、何れかの方向切替弁が動作位
置に切り替えられると、過負荷保護弁の設定圧は所定の
高設定圧に移行するように構成したので、操作桿の急操
作により慣性の大きなアクチュエーターに一時に多量の
圧油が流入しても、主配管に接続された過負荷保護弁の
設定圧は低設定圧になっているから、過剰圧は放圧され
て主配管に衝撃や振動が発生するのを防止できると共
に、過負荷保護弁の設定圧は所定の高設定圧に移行する
から、アクチュエーターは大きな駆動圧で駆動され、油
圧ポンプを回転させる駆動エネルギーを有効に利用する
ことができる。請求項2記載の発明によれば、何れかの
方向切替弁が動作位置に切り替えられると、パイロット
圧が低圧から高圧に切り替えられるパイロット油が絞り
弁を介して受圧室に導かれ、該受圧室に流入するパイロ
ット油のパイロット圧により設定バネが与える低設定圧
を高設定圧に切り替えさせるようにしたので、簡単な回
路構成で過負荷保護弁の設定圧を切り替えさせることが
できる。
【0024】請求項3記載の発明によれば、何れかの方
向切替弁が動作位置に切り替えられると、パイロット圧
が高圧から低圧に切り替えられるパイロット油が絞り弁
を介して受圧室から流出し、該受圧室から流出するパイ
ロット油のパイロット圧により該設定バネのバネ力が減
殺されて成る低設定圧を高設定圧に切り替えさせるよう
にしたので、過負荷保護弁の設定圧を切り替えさせる回
路構成を簡素化できると共に、何らかの理由で受圧室内
のパイロット圧が上昇しなかった場合は高設定圧が維持
されるから、アクチュエーターの駆動効率の低下を防止
することができる。請求項4記載の発明によれば、全て
の方向切替弁は操作桿の操作により切り替えられるパイ
ロット弁から流出するパイロット油により切り替え制御
されると共に、全ての方向切替弁に導かれるパイロット
油が絞り弁を介して過負荷保護弁の受圧室に導かれ、該
受圧室内のパイロット圧により設定バネのバネ力を付勢
または減殺して低設定圧を高設定圧に切り替えさせるよ
うにしたので、過負荷保護弁の設定圧を切り替えさせる
回路構成を極めて簡単なものにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体例に係る油圧ショベルの油圧回路
【図2】アーム用操作桿が急切替え操作された時のアー
ム用操作桿の操作量L、吐出配管内のパイロット圧
p 、過負荷保護弁の受圧室内のパイロット圧Pr 、過
負荷保護弁の設定圧Ps の時間変化特性を示す特性図
【図3】本発明の具体例のアーム起動時の吐出配管内の
油圧の経時特性図
【図4】本発明の他の具体例に係る油圧ショベルの油圧
要部回路図
【図5】本発明のさらに他の具体例に係る油圧ショベル
の油圧回路図
【図6】従来例に係る建設機械の起動時に主配管内の油
圧の経時特性図
【符号の説明】
1,2 油圧ポンプ 3 パイロット油圧ポンプ 4,5 走行モーター 6 アームシリンダー 7 バケットシリンダー 8 ブームシリンダー 9 旋回モーター 10 油タンク 14〜20 方向切替弁 14a〜20a 切替検出弁 21,25 過負荷保護弁 21a 受圧室 22,23 逆止弁 24 絞り弁 34,36,38 パイロット弁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧ポンプからの吐出油をそれぞれの方
    向切替弁を介して慣性力の大きな複数のアクチュエータ
    ーに導くように構成された油圧回路の前記方向切替弁の
    上流の主配管に所定圧以上の油圧を放圧する過負荷保護
    弁が介装されて成る建設機械の油圧回路において、全て
    の前記方向切替弁が中立位置にある時、前記過負荷保護
    弁の設定圧は低めの所定の低設定圧に維持され、何れか
    の前記方向切替弁が動作位置に切り替えられると、前記
    設定圧は高めの所定の高設定圧に移行するように構成さ
    れたことを特徴とする建設機械の油圧回路。
  2. 【請求項2】 過負荷保護弁は低設定圧を与える設定バ
    ネを有しており、何れかの方向切替弁が動作位置に切り
    替えられると、パイロット圧が低圧から高圧に切り替え
    られるパイロット油が絞り弁を介して導かれる受圧室を
    有し、該受圧室に流入するパイロット油のパイロット圧
    により前記設定バネが与える低設定圧を高設定圧に切り
    替えさせるようにしたことを特徴とする請求項1記載の
    建設機械の油圧回路。
  3. 【請求項3】 過負荷保護弁は高設定圧を与える設定バ
    ネを有しており、何れかの方向切替弁が動作位置に切り
    替えられると、パイロット圧が高圧から低圧に切り替え
    られるパイロット油が絞り弁を介して流出する受圧室を
    有し、該受圧室から流出するパイロット油のパイロット
    圧により該設定バネのバネ力が減殺されて成る低設定圧
    を高設定圧に切り替えさせるようにしたことを特徴とす
    る請求項1記載の建設機械の油圧回路。
  4. 【請求項4】 全ての方向切替弁は操作桿の操作により
    切り替えられるパイロット弁から流出するパイロット油
    により切り替え制御されると共に、全ての前記方向切替
    弁に導かれるパイロット油が絞り弁を介して過負荷保護
    弁の受圧室に導かれ、該受圧室内のパイロット圧により
    設定バネのバネ力を付勢または減殺して低設定圧を高設
    定圧に切り替えさせるように構成したことを特徴とする
    請求項2または請求項3記載の建設機械の油圧回路。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6002593A (en) * 1997-05-19 1999-12-14 Nec Corporation Reducing electromagnetic noise radiated from a printed board
JP2017067100A (ja) * 2015-09-28 2017-04-06 株式会社クボタ 作業機の油圧システム

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US6002593A (en) * 1997-05-19 1999-12-14 Nec Corporation Reducing electromagnetic noise radiated from a printed board
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