JPH111404A - 新規害虫忌避剤 - Google Patents

新規害虫忌避剤

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JPH111404A
JPH111404A JP16942797A JP16942797A JPH111404A JP H111404 A JPH111404 A JP H111404A JP 16942797 A JP16942797 A JP 16942797A JP 16942797 A JP16942797 A JP 16942797A JP H111404 A JPH111404 A JP H111404A
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acid ester
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Masafumi Inoue
雅文 井上
Kingo Uji
謹吾 宇治
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Dainihon Jochugiku Co Ltd
Nikko Chemicals Co Ltd
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NIKKO KEMIKARUZU KK
Dainihon Jochugiku Co Ltd
Nikko Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来害虫忌避剤において、耐水性、撥水性、使
用感及び持続性等において問題があり、その改善が望ま
れている。 【解決手段】本発明は、害虫忌避剤においてポリグリセ
リンの脂肪酸エステルを含む乳化剤組成物及び害虫忌避
成分を含有して乳化状とすることにより、従来の害虫忌
避剤に比較して、耐水性、撥水性及び皮膚感触性に優
れ、忌避効果の持続性に優れた害虫忌避剤を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乳化状害虫忌避
剤、詳しくはポリグリセリンの脂肪酸エステル(ポリグ
リセリンと脂肪酸とのエステル)を含む乳化剤組成物及
び害虫忌避成分を含有する乳化状害虫忌避剤に関する。
更に詳しくは、その耐水性乃至撥水性、持続性、付着性
及び使用感等に優れた乳化状害虫忌避剤に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、N,N-ジエチル-m-トルアミド(以
下、「DEET」と称する。)を含有した害虫忌避剤は従来
より知られていたが、この成分が揮発性であることか
ら、皮膚に塗布した際に皮膚表面から揮散し、更に皮膚
の発汗による流れ出し等によって皮膚表面から害虫忌避
成分が失われやすく、従来その持続性においては問題視
する向きがあった。
【0003】この持続性の問題を解決するための技術と
しては、鉱物粉体を使用する方法(特開昭59-199615号
及び特開平2-24382号公報等参照。)、ヒマシ油等を配
合する方法(特開平1-172303号公報等参照。)や水性シ
リコ−ンを添加する方法(特開昭63-166802号公報等参
照。)が忌避剤の持続性を向上させるものとして提案さ
れている。又、飽和脂肪酸エステル油を配合する方法
(特開平5-92905号公報等参照。)も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記のように持続性向
上のために鉱物粉体を使用する方法は、水や汗に流れや
すいこと、分散剤に界面活性剤を使用しなければならな
いため使用感が著しく低下すること、処理部分が乾燥後
に当該鉱物粉体により白い粉を吹いたようになり、衣類
等の汚れの原因になること等の問題が生じていた。又、
ヒマシ油や水性シリコーンを使用する方法は、べとつき
感により使用感が悪くなることや土・砂の付着等の問題
点が生じていた。
【0005】又、飽和脂肪酸エステル油を配合する方法
は、添加するエステル油が皮膚上での後残り感(べたつ
き感)を与えたり、安定化のために乳化される技術がpH
に影響される等製造処方に制約を受けることがあった。
特に使用感の点ではDEETは油状であるため、皮膚に塗布
した際に皮膚上のべとつき感が大きかった。
【0006】更に蚊、ハチ、アブ、ブユ、ダニ、ノミ、
ナンキンムシ、ムカデ、ゲジゲジ等による被害が増加し
ており、特に最近のアウトドアの流行による野外にてツ
ツガムシ病、ライム病等の刺咬性害虫による問題も深刻
化している。このため、持続性があり、先の問題点を解
消したべとつかず使用感のよい害虫忌避剤の開発が望ま
れている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意研究を行った結果、ポリグリセリンの
脂肪酸エステルを含む乳化剤組成物及び害虫忌避成分を
含有する乳化状害虫忌避剤は、従来の害虫忌避剤に比較
して、耐水性、撥水性及び皮膚感触性に優れ、忌避効果
の持続性に優れていることを見出し、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明は、ポリグリセリンの脂肪酸エ
ステルを含む乳化剤組成物及び害虫忌避成分を含有する
乳化状害虫忌避剤に関する。本発明による害虫忌避剤は
塗膜の耐水性及び撥水性を有し、感触性に優れている。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する。
本発明の害虫忌避剤は、ヒトや家畜などの動物の皮膚に
塗布させることにより害虫、特に刺咬性の害虫を忌避さ
せることができる。
【0009】本発明に用いられるポリグリセリンの脂肪
酸エステルは、式: HO-[-CH2-CH(OH)CH2O-]n-H (nは
自然数)で示されるポリグリセリンと脂肪酸とのエステ
ルであり、ポリグリセリンの有する水酸基の少なくとも
1個が脂肪酸によりエステル化されておればよい。ポリ
グリセリンは、乳化作用、耐水性及び撥水性の観点から
重合度が好ましくは4以上、より好ましくは4〜10であ
る。又、脂肪酸残基は同様の観点から好ましくは炭素数
12以上で、より好ましくは14〜22である。更に、ポリグ
リセリンの脂肪酸エステルは、高温での安定性の観点か
らHLB(親水親油バランス)が好ましくは8以下で、より
好ましくは4〜7である。このようなポリグリセリンの脂
肪酸エステルには、例えば、ジラウリン酸テトラグリセ
リル、ジミスチリン酸テトラグリセリル、ジパルミチン
酸テトラグリセリル、ジステアリン酸テトラグリセリ
ル、ジベヘニン酸テトラグリセリル、トリラウリン酸テ
トラグリセリル、トリミリスチン酸テトラグリセリル、
トリパルミチン酸テトラグリセリル、トリステアリン酸
テトラグリセリル、トリベヘニン酸テトラグリセリル、
テトララウリン酸テトラグリセリル、テトラミリスチン
酸テトラグリセリル、テトラパルミチン酸テトラグリセ
リル、テトラステアリン酸テトラグリセリル、テトラベ
ヘニン酸テトラグリセリル、ジラウリン酸ヘキサグリセ
リル、ジミスチリン酸ヘキサグリセリル、ジパルミチン
酸ヘキサグリセリル、ジステアリン酸ヘキサグリセリ
ル、ジベヘニン酸ヘキサグリセリル、トリラウリン酸ヘ
キサグリセリル、トリミリスチン酸ヘキサグリセリル、
トリパルミチン酸ヘキサグリセリル、トリステアリン酸
ヘキサグリセリル、トリベヘニン酸ヘキサグリセリル、
テトララウリン酸ヘキサグリセリル、テトラミリスチン
酸ヘキサグリセリル、テトラパルミチン酸ヘキサグリセ
リル、テトラステアリン酸ヘキサグリセリル、テトラベ
ヘニン酸ヘキサグリセリル、ペンタラウリン酸ヘキサグ
リセリル、ペンタラウリン酸ヘキサグリセリル、ペンタ
ミスチリン酸ヘキサグリセリル、ペンタパルミチン酸ヘ
キサグリセリル、ペンタステアリン酸ヘキサグリセリ
ル、ペンタステアリン酸デカグリセリル、ペンタベヘニ
ン酸ヘキサグリセリル、トリラウリン酸デカグリセリ
ル、トリミリスチン酸デカグリセリル、トリパルミチン
酸デカグリセリル、トリステアリン酸デカグリセリル、
トリベヘニン酸デカグリセリル、テトララウリン酸デカ
グリセリル、テトラミリスチン酸デカグリセリル、テト
ラパルミチン酸デカグリセリル、テトラステアリン酸デ
カグリセリル、テトラベヘニン酸デカグリセリル、ヘプ
タラウリン酸デカグリセリル、ヘプタミスチリン酸デカ
グリセリル、ヘプタパルミチン酸デカグリセリル、ヘプ
タステアリン酸デカグリセリル、ヘプタベヘニン酸デカ
グリセリル、ヘプタラウリン酸デカグリセリル、ヘプタ
ミスチリン酸デカグリセリル、ヘプタパルミチン酸デカ
グリセリル、ヘプタステアリン酸デカグリセリル、ヘプ
タベヘニン酸デカグリセリル、オクタラウリン酸デカグ
リセリル、オクタミスチリン酸デカグリセリル、オクタ
パルミチン酸デカグリセリル、オクタステアリン酸デカ
グリセリル、オクタベヘニン酸デカグリセリル等があげ
られる。本発明で使用するポリグリセリンの脂肪酸エス
テルは上記2種以上の混合物でもよい。
【0010】本発明に用いられる乳化状害虫忌避剤は乳
化状であり、そのため耐水性乃び至撥水性、持続性、付
着性及び使用感等をより向上させる。また、本害虫忌避
剤は、ポリグリセリンの脂肪酸エステルを含む乳化剤組
成物により乳化されるか、少なくとも使用時に乳化状で
あればよく、例えば保存時等に乳化されていなくとも、
振盪等により乳化できればよい。
【0011】本発明において乳化剤組成物はアシル乳酸
を混合使用することが好ましく、アシル乳酸ナトリウム
等の塩の形態或いはエチルエステル等のエステル等の形
態であってもよい。毒性がなく、生分解性にも優れてお
り、これを含有した乳化状害虫忌避剤剤は塗膜の耐水
性、撥水性及び感触性にも優れている。本発明で使用さ
れるアシル乳酸は乳化作用の効果の観点から、炭素数8
以上のものであり、好ましくは8〜18、より好ましくは1
4〜18である。又、アシル基の脂肪酸残基は、飽和、不
飽和又は分岐鎖脂肪酸残基であり、例えば水酸基等の親
水性の置換基を有してもよい。更に、アシル乳酸は塩の
形態も含むが、その塩の種類としては、例えば、ナトリ
ウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム
塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニ
ウム塩、トリエタノールアミン塩等があげられる。この
ようなアシル乳酸及びその塩としては、例えばカプロイ
ル乳酸及びそのナトリウム塩、トリエタノールアミン
塩;2ーエチルヘキサノイル乳酸及びそのナトリウム
塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、
トリエタノールアミン塩;ラウロイル乳酸及びそのナト
リウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウ
ム塩、トリエタノールアミン塩;パルミトイル乳酸及び
そのナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、ア
ンモニウム塩、トリエタノールアミン塩;ステアロイル
乳酸及びそのナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウ
ム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩;イソ
ステアロイル乳酸及びそのナトリウム塩、カルシウム
塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、トリエタノール
アミン塩;オレオイル乳酸及びそのナトリウム塩、カル
シウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、トリエタ
ノールアミン塩;12ーヒドロキシステアロイル乳酸及
びそのナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、
アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩;リシノレイ
ル乳酸及びそのナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシ
ウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩等が
あげられる。本発明においてアシル脂肪酸を使用する場
合、上記2種以上の混合物であってもよい。
【0012】本発明に用いられる乳化剤組成物には、高
級アルコール及び/又は親油性乳化剤を配合することも
できる。高級アルコールとしては、例えば、ミリスチル
アルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコー
ル、ベヘニルアルコール等があげられる。親油性乳化剤
としては、例えばモノステアリン酸ソルビタン、セスキ
ステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、
モノオレイン酸グリセリル、ジオレイン酸ジグリセリ
ル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン
酸ジグリセリル、メチルグリコシドモノオレイン酸エス
テル、ショ糖ジオレイン酸エステル、モノステアリン酸
プロピレングリコールエステル、ブチルグルコシド、オ
クチルグルコシド、モノステアリン酸ポリエチレングリ
コール(10EO)、モノオレイン酸ポリエチレングリコール
(6EO)、POE(5)ステアリルアミン、POE(4)ステアリン酸
アミド、POE(5)オレイン酸アミド、ポリオキシエチレン
(5)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(10)硬化ヒ
マシ油、ポリオキシエチレン(5)フィトステロール、
ポリオキシエチレン(2)セチルエーテル、ポリオキシ
エチレン(5,5)セチルエーテル、ポリエキシエチレン
(2)ステアリルエーテル、ポリエキシエチレン(2)ノ
ニルフェニルエーテル、ポリエキシエチレン(2)オク
チルフェニルエーテル等があげられる。
【0013】これ等の高級アルコール及び親油性乳化剤
を使用する場合、その含有量は、本発明に用いられる乳
化剤組成物全重量に対して50重量%以下、好ましくは20
重量%〜50重量%である。50重量%を越えて配合される
と、感触的に油性感(べたつき感)が強くなり好ましく
ない。又、害虫忌避剤全重量に対しては2重量%以下で
あり、好ましくは重量0.5%〜2重量%である。
【0014】本発明の乳化剤組成物の含有量は、安定性
及び乳化作用効果の観点から、油相及び水相に配合され
る成分に関係なく害虫忌避剤全重量に対して、0.5〜4重
量%、好ましくは0.7〜3.5重量%、より好ましくは1〜3
である。含有量1重量%未満の使用量でも害虫忌避剤は
作成可能であるが、十分な安定性が得られない。一方4
重量%を越えて使用しても乳化作用に別段の効果は得ら
れず不経済である。
【0015】本発明の乳化剤組成物がアシル乳酸を含有
する場合、ポリグリセリンの脂肪酸エステル対アシル乳
酸の比率(重量)は、広い範囲で適用可能であるが、温
度安定性、撥水性及びエマルジョン形成性の観点から、
好ましくは1対20〜20対1の範囲で、より好ましくは1対5
〜15対1である。これ等の組み合わせは、水相のpHに依
存することなく設定することができる。ポリグリセリン
の脂肪酸エステル対アシル乳酸の比率(重量)が1対20
以下になると温度安定性と撥水性が本発明が目的とする
性能を示さなくなる。又、20対1を越えると良好なエマ
ルジョンが調製できない。
【0016】本発明で用いられる害虫忌避成分として
は、害虫に対して忌避作用あるいは吸血阻害作用を有す
る合成あるいは天然の各種の化合物があげられる。例え
ば、合成物としては、DEET、ユーカリプトール、α-ピ
ネン、ゲラニオール、シトロネラール、カンファー、リ
ナロール、p-メンタン-3,8-ジオール、テルペノール、
フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、2-エチル-1,3
-ヘキサジオール、インダロン(ブチル 3,4-ジヒドロ-
2,2-ジメチル-4-オキソ-2H-ピラン-6-カルボキシレー
ト)、SRI-C (n-ヘキシルトリエチレングリコールモノ
エーテル)、2504-5(メチル 6-n-ペンチル-シクロヘキ
セン-1-カルボキシレート)、DMP(ジメチルフタレー
ト)、シトロネラル(3,7-ジメチル-6-オクテナル)、
ナフタレン、シトロネール酸、2-エチル-2-ブチル-1,3
-プロパンジオール、2,3,4,5-ビス(D2-ブチレン)テト
ラヒドロフルフラール、ジ-m-プロピルイソシンコメロ
ネート、2-(4-エトキシフェニル)-2メチルプロピル-3-
フェノキシベンジルエーテル、1-エチニル-2-メチル-
2-ペンテニル 2,2,3,3-テトラメチルシクロプロパンカ
ルボキシレート、1-エチニル-2-メチル-2-ペンテニル
2,2-ジメチル-3-(2' -メチル-1'-プロペニル)シクロ
プロパンカルボキシレート等が例示できる。
【0017】天然物としては、桂皮、樟脳、シトロネ
ラ、レモングラス、クローバ、タチジャコウソウ、ゼラ
ニウム、ベルガモント、月桂樹、松、アカモモ、ペニー
ロイアル、ユーカリ及びインドセンダンなどから取れる
精油、抽出液等が例示でき、これ等の1種又は2種以上
を選択して用いることができる。上記化合物及び天然物
の中において、特にDEETが好ましい。
【0018】これ等害虫忌避成分の配合料は各薬剤の忌
避効果により異なるが、例えばDEETであれば、害虫忌避
剤に対して0.1〜15重量%、より好ましくは3〜12重
量%である。
【0019】又、本害虫忌避剤は更に、その他の成分と
して、上述の乳化剤組成物の他に保湿剤、殺菌・防腐
剤、増粘剤、色素、香料等の添加物及び各種溶剤を含有
することができる。保湿剤としては例えば、グリセリ
ン、エチルグリコール、プロピレングリコール、1,3-ブ
チレングリコール、スクワラン、アロエエキス、トリ2-
エチルヘキサン酸グリセリル等が例示できる。殺菌・防
腐剤としては例えば、塩化ベンザルコニウム等の4級ア
ンモニウム塩、メチルパラベン、プロピルパラベン等が
例示できる。
【0020】本発明の害虫忌避剤は、クリーム、乳液、
スプレー等の剤型で用いられる。
【0021】本発明の害虫忌避剤には、本発明の目的を
達成する範囲で剤型に応じて他の基剤及び添加剤を配合
することもできる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例及び試験例について説
明する。但し、本発明は決してこれらに限定される物で
はない。
【0023】(実施例1)ペンタステアリン酸ヘキサグ
リセリル(2.2重量部)とステアロイル乳酸ナトリウム
(0.3重量部)からなる乳化剤組成物及び5重量部のDEET
を、ヒマワリ油、及びアボガド油、それぞれ5重量部か
らなる油相に加える。
【0024】水相(77.25 重量部)には、グリセリン
(4重量部)、アラントイン(0.2重量部)、パンテノー
ル(0.8重量部)、キサンタンガム(0.25重量部)を加
える。
【0025】油相及び水相はそれぞれ撹拌しながら60〜
90℃、好ましくは80℃に加熱し、油相と水相を混ぜてホ
モミキサーにかける(80℃で1分)。こうして得られた
エマルションを、ゆっくり撹拌しながら水浴槽で25℃に
冷却し、最後に保存料(フェノニップ:0.2重量部)を
加える。
【0026】(実施例2)乳化剤組成物(ペンタステア
リン酸デカグリセリル:1.435 重量部、ステアロイル乳
酸ナトリウム:0.315 重量部、及びベヘニルアルコー
ル:1.75重量部)、さらに7.5重量部の流動パラフィン
と同量部のトリカプリン酸グリセリル及び5重量部のDE
ETからなる。
【0027】水相は、グリセリン(4重量部)、アラン
トイン(0.2重量部)、パンテノール(0.8重量部)、キ
サンタンガム(0.25重量部)及びイオン交換水(71.25
重量部)から成る。
【0028】油相及び水相について、実施例1と同様の
方法によってエマルションを調製する。
【0029】(実施例3)ペンタステアリン酸デカグリ
セリル(1.44重量部)、ステアロイル乳酸ナトリウム
(0.31重量部)及びベヘニルアルコール(1.75重量部)
に、5重量部の流動パラフィン及び5重量部のDEETを加え
る。
【0030】水相は、イオン交換水(86.5重量部)であ
る。
【0031】実施例1と同様の方法によってエマルショ
ンを調製する。
【0032】試験例に先立ち評価法を以下に示す。 試験例及び評価方法 (1)忌避効果の評価 各サンプルを人の腕に塗布し、実際に蚊を用いて、各時
間経過後の忌避効果を測定し、効果の強さと持続時間を
以下の方法で評価した。[ 試験方法] 健康な成人男性
5人を1群とし、各試料にそれぞれ1群を当てた。各群の
被験者の前腕部12cm×5cmにDEETの塗布量が250mg/cm2
なるように均一に塗布し、吸血能力を有するヒトスジシ
マカ(雌)100匹を予め放った金網ケージ(30×30×30c
m)内に3分間露出させ、蚊が吸血を開始するかどうかを
観察し、吸血を開始するまでに要した時間を測定し、忌
避時間とした。
【0033】(2)耐水性の評価 [ 試験方法] 健康な成人男性5人を1群とし、各試料に
それぞれ1群を当てた。各群の被験者の前腕部12cm×5
cm にDEETの塗布量が250 mg/cm2 となるように均一に塗
布した。その後、この部位に33℃の水を1回につき250m
l、最高15回の3750 mlを流した。1回の水洗ごとに塗布
部位を5分間風乾した後、吸血能力を有するヒトスジシ
マカ(雌)100匹を予め放った金網ケージ(30×30×30c
m)内に3分間差し入れ、吸血開始までに必要な水量
(失活要水量 (ml))について確認した。
【0034】(3)使用感の評価 専門研究員が実際に腕に塗ることにより、べたつき感の
有無を評価した。
【0035】次の表1に示すような配合で本発明の刺咬
性害虫忌避剤(実施例4)及び対照となる害虫忌避剤
(比較例1〜5)を実施例に準じて調製し(配合量はす
べて重量%)各評価項目について評価を行った。評価結
果を表2に示した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】各種の試験結果をまとめた総合結果を表3
に示す。
【0039】
【表3】
【0040】表2及び表3で示すように、本発明は持続
性、耐水性及び使用感のいずれにおいても優れているこ
とが明らかである。
【0041】
【発明の効果】本発明は、ポリグリセリンの脂肪酸エス
テルを含む乳化剤組成物及び害虫忌避成分を含有するこ
とで、耐水性並びに撥水性及び忌避効果の持続性が高
く、更に皮膚感触性に優れた乳化状害虫忌避剤を提供で
きる。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリグリセリンの脂肪酸エステルを含む乳
    化剤組成物及び害虫忌避成分を含有することを特徴とす
    る乳化状害虫忌避剤。
  2. 【請求項2】前記乳化剤組成物が、更にアシル乳酸を含
    む請求項1記載の害虫忌避剤。但し、アシル乳酸は、塩
    及び/又はエステルの形態にあるものを含む。
  3. 【請求項3】前記ポリグリセリンの重合度が4以上であ
    る請求項1又は2記載の害虫忌避剤。
  4. 【請求項4】前記アシル乳酸の炭素数が8以上の整数で
    ある請求項2〜3記載の害虫忌避剤。
  5. 【請求項5】前記害虫が刺咬性害虫である請求項1〜4
    記載の害虫忌避剤。
  6. 【請求項6】前記ポリグリセリンの脂肪酸エステルのHL
    Bが8以下である請求項1〜5記載の害虫忌避剤。
  7. 【請求項7】前記アシル乳酸の脂肪酸残基が飽和、不飽
    和及び/又は分岐鎖の脂肪酸の残基であり、親水性の置
    換基を有してもよい請求項2〜6記載の害虫忌避剤。
  8. 【請求項8】前記ポリグリセリンのエステル対アシル乳
    酸の比率(重量)が、1対20〜20対1である請求項2〜7記
    載の害虫忌避剤。
  9. 【請求項9】前記乳化剤組成物が、更に高級アルコール
    及び/又は親油性乳化剤を含む請求項2〜8記載の害虫
    忌避剤。
  10. 【請求項10】前記親油性乳化剤が、ソルビタン脂肪酸
    エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂
    肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、メチルグ
    ルコシド脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロ
    ピレングリコール脂肪酸エステル、アルキルポリグリコ
    シド、脂肪酸及びその誘導体、脂肪族アルコール及びそ
    の誘導体、脂肪族アミン及びその誘導体、並びに脂肪族
    アミン及びその誘導体から選択されたもの、又はこれ等
    の2種以上の混合物である請求項1〜9記載の害虫忌避
    剤。
  11. 【請求項11】前記乳化剤組成物の含量が、当該害虫忌
    避剤の全量に対し0.5〜4%(重量)である請求項1〜1
    0記載の害虫忌避剤。
  12. 【請求項12】害虫忌避成分が、N,N-ジエチル-m-トル
    アミドである請求項5〜11記載の害虫忌避剤。
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