JPH11140180A - 多分枝化合物 - Google Patents

多分枝化合物

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JPH11140180A
JPH11140180A JP30145697A JP30145697A JPH11140180A JP H11140180 A JPH11140180 A JP H11140180A JP 30145697 A JP30145697 A JP 30145697A JP 30145697 A JP30145697 A JP 30145697A JP H11140180 A JPH11140180 A JP H11140180A
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group
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dendrimer
vinyl
acid
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JP30145697A
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Toru Kurihashi
透 栗橋
Hiroaki Tanaka
洋明 田中
Minoru Nakamura
稔 中村
Kenrou Sunahara
建朗 砂原
Yoshinori Kawashima
美紀 川島
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】多官能であり、かつ粘度が低く、低粘度単量体
による希釈効果が大きい、即ち、より多くの多官能化合
物を配合でき、かつ少ない希釈剤でも充分な流動特性を
有し、さらには、強靭な硬化物を与えることができる多
官能化合物を提供する。 【解決手段】分子末端に一級または二級アミノ基を3 個
〜128 個有するアミン系デンドリマー(A) と、ビニル基
含有カルボン酸化合物(B) 、ビニル基含有カルボン酸ア
ルキルエステル化合物(C) 、及びビニル基含有酸ハロゲ
ン化物(D) 及びビニル基含有エポキシ化合物(E) からな
る群から選ばれる少なくとも一種の化合物(F) とを反応
させてなる、式(1) で示される末端基を有する多分枝化
合物。 -X-F-CR1 =CHR2 (1) ( 但し、式中X はデンドリマー(A) 由来の末端アミノ基
と化合物(F) 由来のカルボキシル基、カルボン酸エステ
ル基、酸ハロゲン基またはエポキシ基との反応により形
成される結合基、F は化合物(F) 残基、R 1 、R 2 は水
素原子またはメチル基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料、インキ等の被膜
形成材料用または封止剤、成形剤、接着剤、粘着剤用の
樹脂として使用することができ、また、放射線硬化型樹
脂組成物の硬化剤、反応性オリゴマーあるいは反応性希
釈剤として使用することができる多分枝化合物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在用いられている硬化性樹脂組成物に
は、使用する溶剤の種類によって溶剤希釈型、水希釈
型、単量体希釈型に分類できる。溶剤希釈型は有機溶剤
を使用しているため高分子量のポリマーを溶解すること
ができ、現在広く使用されている。その反面、組成物を
危険物として取り扱わなくてはならない等の問題があ
る。水希釈型は有機溶剤を使用することなく希釈できる
が、分散媒である水を蒸発させるのに大きな熱量を必要
とする。単量体希釈型は、有機溶剤使用していないので
組成物を危険物として取り扱う必要がなく、また、即硬
化性を有しているため、溶剤希釈型および水希釈型と較
べて優れている。しかしながら、単量体希釈型組成物を
硬化させて得られる硬化物は、硬度、強靭性、機械特
性、耐薬品性等の硬化物の特性に乏しく、実用的には溶
剤希釈型および水希釈型にははるかに及ばない性能しか
得られていなかった。
【0003】従来の単量体希釈型、即ち無溶剤樹脂組成
物は各種の希釈単量体、及びウレタンアクリレート、エ
ポキシアクリレート、あるいはエステルアクリレート等
の反応性オリゴマー、更に必要に応じてその他の樹脂成
分などから構成されている。低粘度の単量体は主に反応
性希釈剤として用いられるが、組成物の粘度を下げるた
めには有効な手段であっても、反応性希釈剤を多量に含
む組成物の場合、反応後の硬化物は脆弱であり、できる
だけ反応性希釈剤の使用量を低減することが望まれてい
た。さらに、硬く強靭な硬化物を得るためには、多官能
の反応性希釈剤、もしくは反応性オリゴマーをより多く
配合することが望ましい。しかしながらこれら多官能化
合物は、粘度が高く、硬化前組成物の流動特性を考慮す
ると、高粘度の多官能化合物を配合するために、多量の
低粘度である反応性希釈剤が必要となり、その配合量に
は限界があった。さらに、その他硬化物の性能を考慮
し、高分子量の樹脂等を配合する場合には、より多くの
単量体を加えなければならなかった。
【0004】また、溶剤希釈型の場合には、溶剤を揮発
させるためできるだけ少ない溶剤で希釈させた(いわゆ
るハイソリッド)の方が有利であることは当然である。
また、水希釈型についても、水を揮発させるためのエネ
ルギーや乾燥時間を考えると、やはりハイソリッドが有
利である。この点においても、やはり硬化前組成物の流
動特性を考慮すると希釈効果が高いオリゴマーが求めら
れていた。
【0005】このため、多官能であり、かつ粘度が低
く、低粘度単量体/ 溶剤による希釈効果が大きい、即
ち、より多くの多官能化合物を配合でき、かつ少ない希
釈剤でも充分な流動特性を有し、さらには、強靭な硬化
物を与えることができる多官能化合物が求められてい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、無溶剤型の
硬化性樹脂組成物において多官能でありながら低粘度で
ある多官能性の化合物を使用することにより、より多く
の多官能化合物を配合でき、かつ少ない希釈剤でも充分
な流動特性を有し、さらには、強靭な硬化物を与えるこ
とが可能となった。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、分子末端
に一級または二級アミノ基を3 個〜128 個有するアミン
系デンドリマー(A) と、ビニル基含有カルボン酸化合物
(B) 、ビニル基含有カルボン酸アルキルエステル化合物
(C) 、及びビニル基含有酸ハロゲン化物(D) 及びビニル
基含有エポキシ化合物(E) からなる群から選ばれる少な
くとも一種の化合物(F) とを反応させてなる、式(1) で
示される末端基を有する多分枝化合物に関する。 -X-F-CR1 =CHR2 (1) ( 但し、X はデンドリマー(A) 由来の末端アミノ基と化
合物(F) 由来のカルボキシル基、カルボン酸エステル
基、酸ハロゲン基またはエポキシ基との反応により形成
される結合基、F は化合物(F) 残基、R 1 、R 2 は水素
原子またはメチル基を示す。)
【0008】さらに本発明は、末端基が1 分子中に少な
くとも1 個ないしデンドリマー(A)の全末端アミノ基の1
00%である上記多分枝化合物に関する。さらに本発明
は、上記デンドリマー(A) が、4-カスケード(Cascade):
1,4-ジアミノブタン[4]:プロピルアミン、または、8-カ
スケード(Cascade):1,4-ジアミノブタン[4]:(1- アザブ
チリデン) 4 プロピルアミンである上記多分枝化合物。
さらに本発明は、数平均分子量が200 〜100,000 で、粘
度5,000 ポイズ(30 ℃) 以下の液状である上記多分枝化
合物に関する。
【0009】一般的にデンドリマーとは、いわゆるスタ
ー構造の分枝を有する樹状高分子のことである。例示す
れば、式2のような構造を有する化合物である。しかし
ながらこの構造に限られるものではない。
【0010】
【化1】
【0011】上記式(2) に示したように、中心部より三
次元放射状に分枝が広がり、更にその末端から分枝を有
する部位を有する化合物である。また、式3に示すよう
に全ての方向に均一に成長していなくても、分枝部が放
射状に広がっている場合であればデンドリマーである。
【0012】
【化2】
【0013】具体的な製法は、例えば、特表平6-506501
号公報等に示されるように一級アミノ基を持つ化合物を
コアとし、とし、そのアミノ基に2 当量のアクリロニト
リルを反応させると、マイケル付加反応により窒素分岐
部を有する二官能のニトリル化合物を生じる。さらに、
このニトリルを還元し一級アミンにする。この操作は、
一つのアミノ基から、2 つのアミノ基を得る方法であ
り、更に得られたアミンにこの操作を繰り返すことで、
デンドリマーと呼ばれる樹状高分子を得ることができ
る。
【0014】このほかの方法として、例えば特公平7-28
40号公報、特公平7-57735 号公報、特公平7-57736 号公
報等の各公報にも示される。この方法は、一級アミノ基
を持つ化合物をコアとし、そのアミノ基に2 当量のメチ
ルアクリレートを反応させると、マイケル付加反応によ
り窒素分枝部を有する二官能のメチルエステル化合物を
生じる。さらにこのメチルエステルに対し、当量の一級
アミノ基を有するジアミン化合物を反応させることで、
エステル/ アミド交換反応により、ジアミンの一方のみ
にアミド結合を生じさせ、もう一方のアミノ基を残すこ
とが可能である。即ち、上記方法と同様に一つのアミノ
基から、2 つのアミノ基を得、デンドリマーと呼ばれる
樹状高分子を得ることもできる。
【0015】これらは、窒素原子を分枝部として反応さ
せる方法であるが、デンドリマーとは、これに限らず、
炭素原子を分枝部とするもの、ベンゼン環やトリアジン
環を分枝部とするもの、ケイ素原子部を分枝部とするも
のなども含まれる。
【0016】デンドリマーは、コアの部分から成長させ
ることによって得られる。このため、デンドリマーの大
きさを示す概念として世代(ジェネレーション)という
概念が用いられる。最も中心となる部分は、コアと呼ば
れる。コアとは、最も中心で少なくとも3 つの分枝をも
つことができる分枝部までをさし、さらに、そこから次
に分枝した部分もしくはその末端までを第一世代とす
る。さらに、そこから次に分枝した部分もしくはその末
端までを第二世代と定義する。例えば、式2に示したデ
ンドリマーは、双方とも第三世代デンドリマーである。
【0017】これらのことから、デンドリマーとは、第
一世代以上の大きさを有する樹状化合物を指す。デンド
リマーは、カスケードポリマーとも呼ばれ、これらは3
次元の高次オリゴマーまたはポリマーの総称であり、そ
の命名法および詳細な説明はG.R.Newkome らによる下記
公知文献に記載されている。COMPREHENSIVE SUPERMOLEC
ULAR CHEMISTRY (Peramon Press, New York, Vol.10,19
95,Chapter26)
【0018】一般的にデンドリマーは、1 分子中により
高密度に分枝部を含有しているほうが、低粘度化や多官
能化に有効である。デンドリマーは分枝が多いことから
1 分子中に多くの末端官能基を導入することができるこ
と、球形であるために絡み合い分子量が非常に高く、同
一分子量の線状、櫛形のポリマーの1/10〜1/1000の粘度
であることから、より高分子量で多官能、低粘度化を目
的とする場合、好適である。
【0019】本発明で用いられるデンドリマー(A) は、
末端に合計3 個から128 個の一級アミンまたは二級アミ
ンを有する化合物である。デンドリマー(A) を構成する
化学構造は、特に限定はない。分枝部と分枝部をつなぐ
腕部としては、例えば炭素数1 〜20までのアルキル基、
繰り返し数1 〜25までの、アルキレンオキシ基、フェニ
レン基、またはシクロアルキレン基、カルボニル基、ア
ミド基等がある。この中で、性能・入手のし易さから、
炭素数1 〜6 までのアルキル基で構成されるものが好ま
しい。分枝部は、窒素原子、炭素原子、ベンゼン環、ト
リアジン環、ケイ素原子等が好ましい。この中で、相溶
性、入手のし易さから窒素原子を分枝部とするものが最
も好ましい。
【0020】本発明のデンドリマー(A) の構成及び製造
方法は、特表平6-506501号公報、特表平8-512345号公
報、特公平7-108860号公報、特公平6-70132 号公報、特
公平7-57736 号公報、特公平7-57735 号公報、特公平7-
2840号公報、 COMPREHENSIVE SUPERMOLECULAR CHEMISTR
Y (Peramon Press, New York, Vol.10,1995,Chapter26)
等により公知である。
【0021】好ましいデンドリマー(A) の大きさとして
は、世代数1 〜5 であり、最も好ましくは世代数1 〜3
、特には世代数2 が、硬化性能の面から最も好まし
い。
【0022】また、デンドリマー(A) の末端は、一分子
中に合計3 個から128 個、更に好ましくは4 個から32個
の一級アミンまたは二級アミンである。 この場合、全
ての末端がアミノ基であってもよく、また、部分的にア
ミノ基を持っていてもよい。また、アミン末端を部分的
に何らかの方法で保護、または封鎖することで、末端ア
ミノ基の数を調整し、その後、本発明の化合物(F) を導
入することもできる。アミノ基が、上記数値より多い場
合には、デンドリマーの安定性、溶解性、低粘度化への
貢献度の点から好ましくない。また、上記数値より少な
い場合には、導入できる官能基が少なくなってしまうた
め、硬化物の性能の面から好ましくない。
【0023】使用するデンドリマー(A) としては純度の
高さや相溶する物質が限定されないこと、アミノ基の導
入の容易さ、さらには大量製造法の完成度の点からDSM
社で製品化されているポリ(プロピレンイミン)デンド
リマーが好ましい。
【0024】更に好ましいアミノ系デンドリマー(A) と
してはDSM 社より製品化されている4-Cascade:1,4-Diam
inobutane[4]:propylamine、8-Cascade:1,4-Diaminobut
ane[4]:(1-azabutylidene)4 propylamine などの世代数
1.0 〜5.0 のポリ( プロピレンイミン) デンドリマー、
さらに、D.A.Tomalia らにより合成された世代数1.0〜
5.0 のポリアミノアミド系デンドリマーが、入手等の条
件から好適である。
【0025】また、本発明において使用されるデンドリ
マー(A) の数平均分子量は、特に限定しないが、好まし
い分子量範囲としては102 〜50,000、更に好ましくは25
0 〜2,000 である。数平均分子量が上記数値より大きく
なると、粘度が高くなったり固体であることから取扱い
上好ましくない場合がある。
【0026】本発明においてビニル基含有化合物(B) の
カルボキシル基は、デンドリマー(A) のアミノ基と縮合
反応しアミド結合を生じる。即ち、デンドリマーの末端
に二重結合による反応性を付与させるために使用され
る。このような化合物(B) としては分子中に少なくとも
1 個のカルボキシル基、及び少なくとも1 個のビニル結
合を有する化合物であるが、カルボキシル基は一つであ
る方が、反応時のゲル化等を考慮すると好ましい。
【0027】本発明におけるビニル基含有化合物(B) と
しては、例えば、(メタ)アクリル酸、ビニル酢酸、ビ
ニル安息香酸、クロトン酸といった不飽和カルボン酸、
水酸基を有するビニル化合物と環状酸無水物のモノエス
テル等があげられる。このモノエステルは、水酸基を有
するビニル化合物に由来するビニル基と環状酸無水物に
由来するカルボキシル基を合わせ持つことができる。
【0028】水酸基を有するビニル化合物としては、ヒ
ドロキシアルキル( メタ) アクリレート系化合物、アル
キレングリコールモノ( メタ) アクリレート系化合物、
ヒドロキシアルキルビニルエーテル等があげられる。具
体的には、ヒドロキシアルキル( メタ) アクリレート系
化合物としては、アルキル基の炭素数が2 〜4 であるこ
とが好ましく、具体的には、2-ヒドロキシエチル( メ
タ) アクリレート、2-ヒドロキシプロピル( メタ) アク
リレート、4-ヒドロキシブチル( メタ) アクリレートな
どがある。 また、アルキレングリコールモノ( メタ)
アクリレート系化合物としては、例えば、ジエチレング
リコールモノ( メタ) アクリレート、トリエチレングチ
コールモノ( メタ) アクリレート、テトラエチレングリ
コールモノ( メタ) アクリレート、トリプロピレングリ
コール( メタ) アクリレート、テトラプロピレングリコ
ール( メタ) アクリレート、ジプロピレングリコールモ
ノ( メタ) アクリレート、トリプロピレングリコールモ
ノ( メタ) アクリレート、テトラプロピレングリコール
モノ( メタ) アクリレート、ポリテトラメチレングリコ
ールモノ( メタ) アクリレート等があげられる。また、
ヒドロキシアルキルビニルエーテルとしては、エチレン
グリコールモノビニルエーテル、プロピレングリコール
モノビニルエーテル、ブチレングリコールモノビニルエ
ーテル等があげられる。このほか、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ
(メタ)アクリレート等もあげられる。これらの中で、
2-ヒドロキシエチル( メタ) アクリレート、2-ヒドロキ
シプロピル( メタ) アクリレート、2-ヒドロキシプロピ
ル( メタ) アクリレート、4-ヒドロキシブチル( メタ)
アクリレート、エチレングリコールモノビニルエーテル
が好ましい。 特に好ましくは、2-ヒドロキシエチル(
メタ) アクリレートである。
【0029】さらに、これら水酸基を有するビニル化合
物と反応させる環状酸無水物としては、芳香環含有酸無
水物、脂環含有酸無水物、脂肪族酸無水物がある。例え
ば、芳香環含有酸無水物としては、無水フタル酸、2-メ
チル無水フタル酸、3-メチル無水フタル酸、無水トリメ
リット酸、テトラブロモ無水フタル酸等が挙げられる。
脂環含有酸無水物としては、シクロヘキサンジカルボン
酸無水物、メチルシクロヘキサンジカルボン酸無水物、
無水メチルハイミック酸、メチルシクロへキセンジカル
ボン酸無水物、無水ピロメリット酸、エチレングリコー
ルビストリメリテート、グリセロールトリストリメリテ
ート、無水ヘット酸等が挙げられる。脂肪族酸無水物と
しては、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル
酸、ブチルコハク酸無水物、ヘキシルコハク酸無水物、
オクチルコハク酸無水物、ドデシルコハク酸無水物、ブ
チルマレイン酸無水物、ペンチルマレイン酸無水物、ヘ
キシルマレイン酸無水物、オクチルマレイン酸無水物、
デシルマレイン酸無水物、ドデシルマレイン酸無水物、
ブチルグルタミン酸無水物、ヘキシルグルタミン酸無水
物、ヘプチルグルタミン酸無水物、オクチルグルタミン
酸無水物、デシルグルタミン酸無水物、ドデシルグルタ
ミン酸無水物などが挙げられる。これら酸無水物の中
で、無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水
物、無水コハク酸、無水マレイン酸が、材料入手、コス
ト面から好ましい。 特に、無水コハク酸が、デンドリ
マー(A) との反応を考慮すると好ましい。
【0030】本発明においてビニル基含有カルボン酸ア
ルキルエステル化合物(C) のエステル基は、デンドリマ
ー(A) のアミノ基と交換反応し脱アルコールしてアミド
結合を生じる。即ち、デンドリマーの末端に二重結合に
よる反応性を付与させるために使用される。化合物(C)
は分子中に少なくとも1 個のビニル基と少なくとも1 個
のエステル基を含むが、エステル基は一つである方が、
反応時のゲル化等を考慮すると好ましい。ここで用いる
ことができるビニル基含有カルボン酸アルキルエステル
化合物(C) は、上記ビニルカルボン酸(B) のアルキルエ
ステルである。アルキルエステルのアルキル基として
は、反応性及び副生するアルコールの除去等の観点か
ら、炭素数1 〜11、好ましくは1 〜2 、特に好ましくは
1 である。これらのなかで、デンドリマー(A) との反応
性、及び得られた多分枝化合物の硬化特性を考慮する
と、メタアクリル酸メチル、クロトン酸メチル、ビニル
安息香酸メチル、ビニル酢酸メチルである。
【0031】本発明においてビニル基含有酸ハロゲン化
物(D) の酸ハロゲン化物は、デンドリマー(A) のアミノ
基と反応し脱酸してアミド結合を生じる。即ち、デンド
リマーの末端にビニル基による反応性を付与させるため
に使用される。化合物(D) は、分子中に少なくとも1 個
のビニル基と、少なくとも1 個のカルボン酸ハロゲン基
を有するが、モノカルボン酸ハロゲン化物である方が、
反応時のゲル化等を考慮すると好ましい。ビニル基含有
酸ハロゲン化物(D) は、ビニル基含有カルボン酸化合物
(B) の酸ハロゲン化物である。ここで用いることができ
るハロゲン化物は、塩化物、臭化物、ヨウ化物が用いら
れる。これらのなかで、酸ハロゲン化物の合成法等を考
慮すると、塩化物が最も好ましい。これら塩化物の合成
法は、ビニル基含有カルボン酸化合物(B) と塩化チオニ
ルを反応させるのが一般的である。このなかで好ましい
のは、メタアクリル酸塩化物、クロトン酸塩化物、ビニ
ル安息香酸塩化物、ビニル酢酸塩化物である。
【0032】本発明において、ビニル基含有エポキシ化
合物(E) は、デンドリマー(A) のアミノ基と反応し、エ
ポキシの開環によって結合を生じる。即ち、デンドリマ
ーの末端に二重結合による反応性を付与させるために使
用される。ビニル基含有エポキシ化合物(E) は、分子中
に少なくとも1 つのビニル基と、少なくとも1 つのエポ
キシ基を有する化合物であるが、エポキシ基は一つであ
る方が、反応時のゲル化等を考慮すると好ましい。具体
的には、たとえば、グリシジル(メタ)アクリレート、
グリシジルシンナメート、アリルグリシジルエーテル、
ビニルシクロヘキセンモノエポキサイド、1,3 −ブタジ
エンモノエポキサイドなどがあげられる。 これらのな
かで、グリシジルメタアクリレート、アリルグリシジル
エーテルが、材料入手および硬化物の特性の観点から好
ましい。
【0033】本発明の化合物(F) とは、ビニル基及びア
ミンと反応可能な官能基を有する化合物である。これら
の反応の結果、式(1) で示される不飽和多分枝化合物を
得ようとするものである。 -X-F-CR1 =CHR2 (1) ( ただし、式中X はデンドリマー(A) 由来の末端アミノ
基と化合物(F) 由来のカルボキシル基、カルボン酸エス
テル基、酸ハロゲン基、またはエポキシ基との反応によ
り形成される結合基、F は化合物(F) 残基、R 1 、R 2
は水素原子またはメチル基を示す。)この時、式中に記
載されるX とは、デンドリマー(A) 由来の末端アミノ基
と化合物(F) 由来のカルボキシル基、カルボン酸エステ
ル基、酸ハロゲン基、またはエポキシ基との反応により
形成される結合基である。
【0034】即ち化合物(F) が、ビニル基含有カルボン
酸化合物(B) 、ビニル基含有カルボン酸アルキルエステ
ル化合物(C) 、及びビニル基含有酸ハロゲン化物(D) の
場合は、結合基X は、アミド結合である。また化合物
(F) が、ビニル基含有エポキシ化合物(E) の場合は、エ
ポキシ環が開環して結合するため、開環の方向により、
結合基X は下記二種類の結合様式を取ることになる。 -NH-CH 2 -CH(OH)- (2.1) -NH-CH(OH)-CH2 - (2.2) さらに、デンドリマー(A) に由来する一級のアミノ基
は、エポキシ基と反応した場合、2 官能化合物として作
用する。このため、結合基X は以下のような結合を取る
ことも可能である。 -N-(CH 2 -CH(OH)-) 2 (2.3) -N-(CH(OH)-CH2 -)2 (2.4) この場合、アミノ基が二官能として作用した場合にもエ
ポキシ基の開環方向がそれぞれ違うこともある。
【0035】硬化物の特性を考慮すると、化合物(F) が
エポキシ化合物である場合が最も優れている。これは、
エポキシの開環に伴う遊離水酸基によって、硬化物に靭
性が出てくるものと考えられる。
【0036】これら一連の化合物(F) のビニル基が、デ
ンドリマー(A) のアミノ基とマイケル付加反応をおこし
てしまうと、末端に有効にビニル基を導入することがで
きない。このため、これらの反応を行う際には十分に反
応条件を検討しなくてはならない。このため、ビニル基
がメタアクリレート型、ビニルエーテル型、クロトネー
ト型、プロペニル型が好ましい。 特に好ましくは、メ
タアクリレート型とプロペニル型である。この場合、マ
イケル付加反応の反応速度が比較的遅いため、効率よく
デンドリマー(A) にビニル基を導入することができる。
【0037】このため、デンドリマー(A) と化合物(F)
を反応させ、得られた多分枝化合物のヨウ素価を検定
し、その不飽和度をもって副反応であるマイケル付加反
応により消失するビニル基を評価する方法が好ましい。
好ましいヨウ素価の範囲としては、30〜180 が好まし
く、さらに好ましくは80〜150 が好ましい。ヨウ素価が
上記数値以下の場合は、硬化性が悪化する。さらに上記
数値以上の場合は、硬化物が脆弱となる。
【0038】本発明の多分枝化合物の末端基は、1 分子
中に少なくとも1 個含むものである。含まない場合、ビ
ニル基の反応がおこらないため、本発明の効果は期待で
きない。またデンドリマー(A) の全末端アミノ基の50〜
100%、さらには80〜100%が下記式(1) で表される構造を
有することが好ましい。上記数値以下の場合、ビニル基
導入の効果が充分でないため、本発明の効果が弱くな
る。また、上記数値以上の場合、硬化物が脆弱となる。
これは、若干残存するアミノ基が、硬化物の強靭性に影
響を及ぼすものと考えられる。 -X-F-CR 1 =CHR2 (1) ( 但し、式中X はデンドリマー(A) 由来の末端アミノ基
と化合物(F) 由来のカルボキシル基、カルボン酸エステ
ル基、酸ハロゲン基またはエポキシ基との反応により形
成される結合基、F は化合物(F) 残基、R 1 、R 2 は水
素原子またはメチル基を示す。)
【0039】化合物(F) の添加量としては、デンドリマ
ー(A) が有するアミノ基1 当量に対し、化合物(F) を0.
8 〜1.5 当量、好ましくは1.0 〜1.1 当量量である。こ
のとき、上記数値以下の場合、ビニル基導入の効果が充
分でなく、上記数値以上の場合、未反応物として残存し
てしまうだけではなく、硬化物が脆弱となる。
【0040】また、上記反応を行うに当たり、デンドリ
マー(A) と化合物(F) との反応を促進する目的で、触
媒、助剤等を添加することもできる。触媒としては、た
とえば、有機塩基、無機塩基等の塩基触媒、ルイス酸、
有機酸、無機酸系の酸触媒等を添加することができる。
例えば、有機塩基触媒としてはピリジン、4-ジメチルア
ミノピリジン、4-ピロリジノピリジンなどのピリジン
類、トリエチルアミン、N,N'- ジメチルアニリン、N,N'
- ジメチルベンジルアミン、N,N,N',N'-テトラメチル-
1,3- ブタンジアミン等のアミン系触媒や、ナトリウム
メトキシド、ナトリウムブトキシド、カリウムブトキシ
ド、マグネシウムジメトキシド、カリウムフェノキシド
等のアルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類金属アル
コキシド等があげられる。無機塩基類としては、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属・アルカ
リ土類金属の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属・アルカリ土類
金属塩があげられる。ルイス酸触媒としては、ジエチル
亜鉛、テトラ(n-ブトキシ)チタン、ジブチル錫ジラウ
レート、ジブチル錫ジ(2-エチルヘキソエート)、塩化
アルミニウム、トリフロロ酢酸無水物、四塩化ケイ素等
があげられる。
【0041】また、有機酸触媒としてはパラトルエンス
ルホン酸、トルエンスルホニルクロリド、ベンゼンスル
ホン酸等の有機スルホン酸、ジエチルリン酸等の有機リ
ン酸、安息香酸等の有機カルボン酸等があげられる。ま
た、無機酸触媒としては、硫酸、塩酸、リン酸、塩化亜
鉛等があげられる。このほかにも、脱水助剤として、モ
レキュラーシーブ、イオン交換樹脂、無水硫酸マグネシ
ウム等の水吸着剤を使用することもできる。
【0042】また、デンドリマー(A) はアミン系デンド
リマーであるため、アミノ基を含んでおり自身が触媒と
なり、特に塩基系触媒を添加しない場合でも有効に進行
する。
【0043】本発明における反応は、-10 〜150 ℃の範
囲で行われることが好ましく、更に好ましくは25℃〜12
0 ℃の範囲で行われることが好ましい。温度が低い場合
には、良好に反応は進行せず、また、高温の場合にはビ
ニル基が破壊されてしまうためである。
【0044】また、本発明により得られる多分枝化合物
は、数平均分子量200 〜100,000 、好ましくは1,000 〜
50,000更に好ましくは2,000 〜40,000である。即ち、こ
れより分子量が低いと硬化物の特性が悪化し、また分子
量が高い場合は、本発明の特徴である多官能・低粘度の
特徴が十分に発揮されない。
【0045】また、本発明により得られる多分枝化合物
の30℃における粘度は、5,000 〜0.1P、好ましくは500
〜0.3P、更に好ましくは200 〜0.5Pを示すものが好まし
い。即ち、これより粘度が低いと硬化時の硬化特性が悪
化し、また粘度が高い場合は、本発明の特徴である多官
能・低粘度の特徴が十分に発揮されない。
【0046】本発明の多分枝化合物は、そのままでも硬
化性の無溶剤液状樹脂として使用することもできる。さ
らに、反応性希釈剤として、単官能または多官能の( メ
タ)アクリルモノマー、スチレン、ビニルエーテル等を
加えることもできる。このほか、ポリイソシアネート、
メラミン、ビスフェノールエポキシドなどの架橋剤を添
加を混合することもでき、また、公知のポリアミド樹
脂、セルロース誘導体、ポリオレフィン、天然ゴム誘導
体、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリ
スチレン、ウレタンアクリル樹脂、エポキシアクリル樹
脂、エステルアクリル樹脂、アルキド樹脂、ロジン変性
アルキド樹脂、アマニ油変性アルキド樹脂などのなどの
汎用樹脂等を加えることもでき、さらには相溶化剤、界
面活性剤、有機溶剤または滑剤等を添加してもよい。
【0047】これらは、各種用途としての特性を満足さ
せるために適宜加えられるものである。即ち未硬化時の
粘度適性、流動適性、塗工適性、印刷適性の調整、及び
硬化時の硬化適性、機械的特性、強度、伸び、耐水性、
耐油性、耐候性、傷つき性等の性能を高める目的で加え
られる。また、本発明の多分枝化合物の硬化させるた
め、硬化触媒、ラジカル発生剤等を加えることも可能で
ある。
【0048】本発明の多分枝化合物は、塗料、インキ、
成形材料、接着剤、粘着剤などとして使用でる。しかし
ながら、本発明の効果は、硬化前の流動特性に関する要
求の厳しい、インキ・塗料・粘着剤といった皮膜形成用
材料に用いる場合、最大限に発揮される。さらに本発明
の多分枝化合物は、ロールコーター、ナイフコーター、
カーテンコータなどの塗工方法、オフセット印刷、グラ
ビア印刷、凸版印刷、スクリーン印刷などの印刷方式で
造膜可能である。
【0049】また、本発明の多分枝化合物の流動特性を
用途に応じ向上させる目的で、有機溶剤・水系溶剤・単
量体等で希釈して用いることもできる。しかしながら、
本発明の効果を最大限発揮するためには、硬化前の流動
特性に関する要求の厳しく、かつ硬度、強靭性、機械特
性、耐薬品性等の硬化物の特性を得るのが困難な単量体
希釈型とするのが好ましい。
【0050】本発明の多分枝化合物の硬化は、ビニル結
合を有しているという観点から、熱、活性エネルギー線
等により行うことが好ましい。さらに、本発明における
多分枝化合物の特性等から考えて、電磁波、紫外線、可
視光線、赤外線等の活性エネルギー線、特に電子線によ
る硬化好ましい。活性エネルギー線、特に電子線による
硬化の場合、少ないエネルギーで硬化させることがで
き、希釈剤無し、また単量体希釈型として構成するため
有機溶剤の揮散もなく、かつ、硬化前の流動特性に関す
る要求も厳しく、さらには硬度、強靭性、機械特性、耐
薬品性等の硬化物の特性を得るのが困難であるため、本
発明の効果を最大限発揮することができる。
【0051】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 数平均分子量: ゲル透過クロマトグラフィー(東ソー
製、SC-8120 ) NMR で解析した数種類の構造既知の多分岐化合物からゲ
ルパーメーションクロマトグラフ(GPC) の検量線を独自
に作成し、これを基にGPC で測定した結果を採用した。
また、分子量分布(Mw/Mn) は、同測定機器において得ら
れる値を採用した。 粘度: レオメータ(レオメトリクス製:RDS-II/RFS-II
) サンプルの粘度にあわせてレオメトリクス製レオメータ
RDS-II(高粘度タイプ)または、 RFS-II (低粘度タイ
プ)で測定した定常粘度(ズリ速度=1 〜10/sec-1の
値)をそれぞれ採用した。 ヨウ素価:JIS K5400 8.9項に示される方法にて、ヨウ素
価を評価した。
【0052】実施例、比較例で使用した以下の化合物の
略号を記す。 デンドリマ-(A) A4:4- カスケード(Cascade):1,4-ジアミノブタン[4]:プ
ロピルアミン (第一世代・理論分子量316 ・アミノ基数
4 ) A8:8- カスケード(Cascade):1,4-ジアミノブタン[4]:(1
- アザブチリデン)4プロピルアミン(第二世代・理論分
子量780 ・アミノ基数8 ) ビニル基含有カルボン酸化合物(B) MAA:メタクリル酸 理論分子量 86.09 MASA: ヒドロキシエチルメタクリレートコハク酸モノエ
ステル 理論分子量231 VAA:ビニル酢酸 理論分子量86.09 ビニル基含有カルボン酸アルキルエステル化合物(C) MMA:メタクリル酸メチルエステル 理論分子量100 EMA:メタクリル酸エチルエステル 理論分子量114 ビニル基含有酸ハロゲン化物(D) MAAC: メタクリル酸塩化物 分子量104.5 MAAB: メタクリル酸臭化物 分子量149.0 VAAC: ビニル酢酸塩化物 分子量104.5 ビニル基含有エポキシ化合物(E) GMA:グリシジルメタクリレート 分子量142.15 VGE:ビニルグリシジルエーテル 分子量86 VCE:ビニルシクロヘキセン1,2 エポキシド 分子量124.
18 希釈単量体 DCPA: ジシクロペンタジエンディールスアルダー付加物
ジアクリレート
【0053】比較例 7100: アロニックスM-7100 (東亞合成製) 8030: アロニックスM-8030 (東亞合成製) 9050: アロニックスM-9050 (東亞合成製)
【0054】(実施例1 )デンドリマー(A) とビニル基
含有カルボン酸化合物(B) との反応。 ビニル基含有カルボン酸化合物(B) を、乾燥テトラヒド
ロフラン(THF)300mlに溶解させる。その後、デンドリマ
ー(A) を溶解させる。さらに四塩化ケイ素を10g 加え、
還流しながら10時間撹拌を続ける。反応修了後、THF を
減圧留去した後、反応液に水を加え、その後ジエチルエ
ーテルにて抽出し、エーテルを濃縮し多分枝化合物を得
た。
【0055】 表1 (A)(g) (B)(g) ヨウ素価( 理論値) Mw 実施例1.1 A4 100 MAA 109 152(173) 550 実施例1.2 A4 100 MASA 292 82(87) 1100 実施例1.3 A4 100 VAA 109 159(173) 550 実施例1.4 A4 100 MAA 82 138(146) 540 実施例1.5 A8 100 MAA 103 143(153) 1280 実施例1.6 A8 100 MASA 236 78(82) 2520 実施例1.7 A8 100 VAA 88 148(153) 1230 実施例1.8 A8 100 MAA 77 106(120) 1020
【0056】( 実施例2)デンドリマー(A) とビニル基含
有カルボン酸アルキルエステル化合物(C) との反応。 ビニル基含有カルボン酸アルキルエステル化合物(C)
を、乾燥テトラヒドロフラン200ml に溶解させる。その
後、デンドリマー(A) を溶解させ、還流する。還流温度
の低下が見られた後、温度低下が落ち着いたところで反
応の終点(10時間から20時間)とし、減圧下にてTHF 、
副生するアルコールを留去し、多分枝化合物を得た。
【0057】 表2 (A)(g) (C)(g) ヨウ素価( 理論値) Mw 実施例2.1 A4 100 MMA 190 171(173) 590 実施例2.2 A4 100 EMA 216 159(173) 570 実施例2.3 A4 100 MMA 127 155(173) 570 実施例2.4 A4 100 EMA 144 151(173) 530 実施例2.5 A8 100 MMA 153 150(153) 1330 実施例2.6 A8 100 EMA 175 145(153) 1250 実施例2.7 A8 100 MMA 103 148(153) 1280 実施例2.8 A8 100 EMA 117 138(153) 1100 実施例2.9 A4 100 MMA 95 140(146) 480 実施例2.10 A4 100 MMA 63 101(112) 410 実施例2.11 A4 100 MMA 32 64(66) 300
【0058】( 実施例3)デンドリマー(A) とビニル基含
有酸ハロゲン化物(D) との反応。 ビニル基含有酸ハロゲン化物(D) を、乾燥テトラヒドロ
フラン300ml に溶解させる。その後、デンドリマー(A)
を溶解させ、さらに副生するハロゲン化水素に対して過
剰量のトリエチルアミンを加え還流する。 反応終了
後、減圧下にてTHF を留去し、さらに過剰量の希アンモ
ニア水で洗浄を行い、減圧乾燥し、多分枝化合物を得
た。
【0059】 表3 (A)(g) (D)(g) ヨウ素価( 理論値) Mw 実施例3.1 A4 100 MAAC 132 171(173) 560 実施例3.2 A4 100 MAAB 189 166(173) 570 実施例3.3 A4 100 VAAC 132 170(173) 560 実施例3.4 A8 100 MAAC 107 150(153) 1290 実施例3.5 A8 100 MAAB 153 146(153) 1280 実施例3.6 A8 100 VAAC 107 149(153) 1300
【0060】( 実施例4)デンドリマー(A) とビニル基含
有エポキシ化合物(E) との反応。 ビニル基含有エポキシ化合物(E) を、乾燥テトラヒドロ
フラン500ml に溶解させる。その後、デンドリマー(A)
を溶解させ還流する。 反応終了後、THF を減圧留去
し、多分枝化合物を得た。
【0061】 表4 (A)(g) (E)(g) ヨウ素価( 理論値) Mw 実施例4.1 A4 100 GMA 180 105(115) 780 実施例4.2 A4 100 VGE 109 138(154) 530 実施例4.3 A4 100 VCE 157 111(125) 680 実施例4.4 A8 100 GMA 146 98(106) 1720 実施例4.5 A8 100 VGE 88 115(138) 1210 実施例4.6 A8 100 VCE 127 103(115) 1250 実施例4.7 A4 100 GMA 360 136(140) 1150 実施例4.8 A4 100 GMA 270 128(130) 1030 実施例4.9 A4 100 GMA 134 98(103) 720 実施例4.10 A4 100 GMA 90 81(85) 580 実施例4.11 A4 100 GMA 45 54(55) 430
【0062】(実施例6 〜9 )得られた多分枝化合物10
g と希釈モノマー(M) としてDCPAを表に示すとおりの比
率で混合し、試験用塗料組成物を得た。さらにこれら化
合物の粘度を測定した。得られた塗料組成物をアルミ板
上にバーコータNo.5を用い塗布し、150KV/50kGy の電子
線照射量にて硬化させた後、塗膜の鉛筆硬度をJIS K540
0 6.14項に準じて測定した。さらに、この塗膜を、クロ
スカット剥離試験(JIS K5400 6.15 項)、及びデュポン
衝撃試験器 (JIS K5400 6.13.3項・径1/2 、荷重500g、
落下高50cm) にて試験し、その剥離を5 段階評価にて検
討を行った。クロスカット試験の結果は、100 マス中残
存したマス数を示した。衝撃試験の結果は、5:変化無
し、4:亀裂が見られるが剥がれ無し、3:塗膜50%以上残
存、2:塗膜50% 〜10% 残存、1:塗膜残存10% 以下、で示
した。
【0063】(比較例1 )一般的な市販エステルアクリ
レートと希釈モノマー(M) としてDCPAを表に示すとおり
の比率で混合し、試験用塗料組成物を得た。これらの試
験及び評価法は、実施例6 〜9 に準じた。
【0064】 表6 多分枝実施例 M(g) 粘度(P) 硬度 剥離 衝撃 実施例6.1 1.1 0 3.4 4H 90 4 実施例6.2 1.2 0 8.5 3H 100 5 実施例6.3 1.3 0 2.9 4H 90 5 実施例6.4 1.4 0 2.6 3H 80 5 実施例6.5 1.5 0 18.4 5H 100 5 実施例6.6 1.6 0 34.0 4H 100 5 実施例6.7 1.7 0 16.9 4H 100 5 実施例6.8 1.8 0 15.5 3H 100 4 実施例6.9 1.2 10 1.8 5H 100 5 実施例6.10 1.5 10 2.1 5H 100 5 実施例6.11 1.6 10 6.5 5H 100 5 実施例6.12 1.7 10 4.2 4H 100 5 実施例6.13 1.8 10 6.1 5H 100 4 実施例6.14 1.6 5 12.7 5H 100 5 実施例6.15 1.6 20 2.1 6H 100 2 実施例6.16 1.6 30 1.1 6H 50 2
【0065】 表7 多分枝実施例 M(g) 粘度(P) 硬度 剥離 衝撃 実施例7.1 2.1 0 2.0 4H 50 3 実施例7.2 2.2 0 1.8 4H 50 3 実施例7.3 2.3 0 3.3 4H 80 4 実施例7.4 2.4 0 3.1 4H 80 4 実施例7.5 2.5 0 11.8 5H 95 4 実施例7.6 2.6 0 11.1 5H 90 3 実施例7.7 2.7 0 19.2 5H 100 5 実施例7.8 2.8 0 17.7 5H 100 5 実施例7.9 2.9 0 3.4 4H 80 4 実施例7.10 2.10 0 2.7 3H 80 4 実施例7.11 2.11 0 2.1 2H 70 4
【0066】 表8 多分枝実施例 M(g) 粘度(P) 硬度 剥離 衝撃 実施例8.1 3.1 0 3.3 4H 95 4 実施例8.2 3.2 0 3.6 4H 90 4 実施例8.3 3.3 0 2.9 4H 100 4 実施例8.4 3.4 0 17.1 4H 100 5 実施例8.5 3.5 0 18.2 4H 100 5 実施例8.6 3.6 0 14.5 4H 100 5
【0067】 表9 多分枝実施例 M(g) 粘度(P) 硬度 剥離 衝撃 実施例9.1 4.1 0 5.4 4H 90 4 実施例9.2 4.2 0 4.3 5H 80 3 実施例9.3 4.3 0 6.7 3H 100 5 実施例9.4 4.4 0 23.0 4H 100 5 実施例9.5 4.5 0 19.9 4H 100 5 実施例9.6 4.6 0 26.3 3H 100 5 実施例9.7 4.7 0 13.4 5H 50 3 実施例9.8 4.8 0 10.1 4H 80 3 実施例9.9 4.9 0 4.3 4H 80 4 実施例9.10 4.10 0 3.7 3H 50 5 実施例9.11 4.11 0 2.2 H 20 5 実施例9.12 4.4 10 11.0 5H 100 5 実施例9.13 4.5 10 8.6 5H 100 5 実施例9.14 4.6 10 12.1 4H 100 5 実施例9.15 4.4 5 16.2 5H 100 4 実施例9.16 4.4 20 5.0 5H 80 3 実施例9.17 4.4 30 1.8 5H 50 2
【0068】 表10 多分枝実施例 M(g) 粘度(P) 硬度 剥離 衝撃 比較例1.1 7100 0 100.0 塗工不可 比較例1.2 8030 0 10.0 4H 0 1 比較例1.3 9050 0 110.0 塗工不可 比較例1.4 7100 10 32.2 4H 50 2 比較例1.5 8030 10 4.4 4H 0 1 比較例1.6 9050 10 35.9 5H 50 2 比較例1.7 9050 20 9.5 5H 20 1 比較例1.8 9050 30 4.1 5H 0 1
【0069】
【発明の効果】本発明により無溶剤型の硬化性樹脂とし
て高分子量でありながら低粘度である多官能性の液状樹
脂を使用することにより、いままで両立が困難であった
硬化前の粘度と、硬化後の硬化物の物性とを両立するこ
とが可能となった。即ち、低粘度であるため、希釈せず
に充分な流動性を有し、用途により希釈剤を使用しなく
てはいけない場合においても最小限にとどめることが可
能である。このため、特に流動特性要求の厳しい、塗料
・インキ等の皮膜形成分野に用いるとより有効である。
本多分枝化合物を硬化させ得られた硬化物の特性も優れ
ていることから、反応性溶剤希釈型として用いる場合、
より一層本発明の効果が発揮される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 299/02 C08F 299/02 C09D 5/00 C09D 5/00 C 177/00 177/00 (72)発明者 砂原 建朗 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内 (72)発明者 川島 美紀 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子末端に一級または二級アミノ基を3 個
    〜128 個有するアミン系デンドリマー(A) と、ビニル基
    含有カルボン酸化合物(B) 、ビニル基含有カルボン酸ア
    ルキルエステル化合物(C) 、及びビニル基含有酸ハロゲ
    ン化物(D) 及びビニル基含有エポキシ化合物(E) からな
    る群から選ばれる少なくとも一種の化合物(F) とを反応
    させてなる、式(1) で示される末端基を有する多分枝化
    合物。 -X-F-CR1 =CHR2 (1) ( 但し、式中X はデンドリマー(A) 由来の末端アミノ基
    と化合物(F) 由来のカルボキシル基、カルボン酸エステ
    ル基、酸ハロゲン基またはエポキシ基との反応により形
    成される結合基、F は化合物(F) 残基、R 1 、R 2 は水
    素原子またはメチル基を示す。)
  2. 【請求項2】末端基が1 分子中に少なくとも1 個ないし
    デンドリマー(A) の全末端アミノ基の100%である上記多
    分枝化合物。
  3. 【請求項3】請求項1 記載のデンドリマー(A) が、4-カ
    スケード(Cascade):1,4-ジアミノブタン[4]:プロピルア
    ミン、または、8-カスケード(Cascade):1,4-ジアミノブ
    タン[4]:(1- アザブチリデン) 4 プロピルアミンである
    請求項1 または2 記載の多分枝化合物。
  4. 【請求項4】数平均分子量が200 〜100,000 で、粘度5,
    000 ポイズ(30 ℃) 以下の液状である請求項1 ないし3
    いずれか記載の多分枝化合物。
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