JPH11139737A - 動く歩道 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 乗降部付近の速度を低く、中間部の速度を高
くして輸送力を向上でき、小さな駆動力と小型設備で工
事費を押え、必要に応じて座席を設けられる動く歩道を
提供する。 【解決手段】 走行面１ａとガイド面１ｂとを有する軌
道１を水平方向に循環するように敷設する。軌道１上の
複数の低床移動体４は、ガイド面１ｂに進路を案内され
つつ走行面１ａ上を走行する。磁石ベルト駆動装置５を
軌道１に沿って所定の間隔で複数設け、それの磁石ベル
ト１５に低床移動体４の磁気吸着面１１を吸着して移動
させる。低床移動体４の相互間隔と走行速度を制御装置
で自在に制御する。低床移動体４は、複数のパレット６
を走行方向に互いに自在連結して構成する。パレット６
は、ベース８に走行車輪９とガイド車輪１０とを設けて
構成し、ベース８の上部に乗客を乗せ、走行車輪９を軌
道の走行面１ａ上で転動させ、ガイド車輪１０を軌道の
ガイド面１ｂ上で転動させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば１Km程度の
距離にある二駅間で乗客を搬送するのに好都合な動く歩
道に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、動く歩道としては、エスカレータ
を水平面で使用するように構成したものが知られてい
る。特開平７−１０１６５８号の公報には、エンドレス
に張設されたチェーンに多数のパレットを連結し、チェ
ーンを駆動装置で引き回してパレットを移動させる形式
の動く歩道が記載されている。

【０００３】この構造の動く歩道には以下のような問題
点がある。（１）動く歩道は、両端の乗降部付近の速度
を低く、中間部の速度を高くすれば、その輸送力を向上
させることができる。しかし、従来の動く歩道では、エ
ンドレスのチェーンが連続回転するので、基本的に、そ
の延長途上で部分的にパレットの移動速度を変更するこ
とが困難で、複雑な機構を採用してこれを可能として
も、可変速度範囲はそれほど大きなものとならない。
（２）一般に手摺りがエンドレスに掛け回されており、
それの駆動にも大きな駆動装置を必要とする。（３）移
送距離が１Kmを超えると、所要時間がかかりすぎて実用
的でない。（４）パレットを上下に往復させる構造であ
るため、装置の格納ピットが深くなり、工事費用が高く
なる。（５）水平方向の往復構造とすることができな
い。（６）パレット上に座席を設けることができない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、乗降部付近
の速度を低く、中間部の速度を高くして輸送力の向上を
図ることができ、大きな駆動力を要さず、設備が比較的
小型で工事費を低く押えることができ、また必要に応じ
て座席を設けることができる動く歩道を提供することを
課題としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】走行面１ａとガイド面１
ｂとを有する軌道１を水平方向に循環するように敷設す
る。軌道１上には複数の低床移動体４を配置して、軌道
１のガイド面１ｂに進路を案内されながら走行面１ａ上
を走行できるようにする。低床移動体４を移動させるた
めの磁石ベルト駆動装置５を軌道１に沿って所定の間隔
で複数設け、それの磁石ベルト１５に低床移動体４の磁
気吸着面１１を吸着して移動させるようにする。軌道１
上の複数の低床移動体４の相互間隔と走行速度とを制御
装置で自在に制御する。低床移動体４は、複数のパレッ
ト６を走行方向に互いに自在連結して構成する。パレッ
ト６は、ベース８に走行車輪９とガイド車輪１０とを設
けて構成し、ベース８の上部に乗客を乗せ、走行車輪９
を軌道の走行面１ａ上で転動させ、ガイド車輪１０を軌
道のガイド面１ｂ上で転動させるようにする。

【０００６】

【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の実施の形
態を説明する。図１は動く歩道の一部の概略的正面図、
図２は動く歩道の一部の概略的平面図、図３は動く歩道
の概略的断面図、図４は低床移動体の概略的正面図、図
５は低床移動体の概略的平面図、図６は低床移動体の概
略的側面図、図７は動く歩道の軌道全体の概略的平面図
である。

【０００７】図７に示すように、軌道１を水平方向に循
環するように敷設されている。軌道１の両側折り返し部
付近に乗降用の駅２，３が設けられる。図１ないし図６
に示すように、軌道１上には、複数の低床移動体４が配
置され、軌道１に沿って走行する。低床移動体４を移動
させるための磁石ベルト駆動装置５が、軌道１に沿って
所定の間隔で複数設けられている。軌道１上の低床移動
体４の相互の間隔と走行速度は、図示しない制御装置
で、磁石ベルト駆動装置５の回転速度を制御することで
自在に制御される。

【０００８】図１ないし図３、図５ないし図７におい
て、軌道１は、その全長にわたって、シェルター１２で
覆われており、低床移動体４は、このシェルター１２内
を走行する。低床移動体４は、複数のパレット６を走行
方向に互いに自在連結して構成される。隣接するパレッ
ト６，６の相互間は、自在連結部７を介して所定角度範
囲で上下、左右に屈折可能である。パレット６は、ベー
ス８に走行車輪９とガイド車輪１０とを設けて構成され
る。ベース８の上部に乗客を乗せ、走行車輪９を軌道１
の走行面１ａ上で転動させ、ガイド車輪１０を軌道１の
ガイド面１ｂ上で転動させる。ベース８の下部には、磁
石ベルトに吸着する磁気吸着面１１が設けられている。
ベース８の上部には、側縁に位置して手摺り１７が立設
されている。ベース８の両側縁に手摺り１７を有するパ
レット６と、ベース８の片側にのみ手摺り１７を有する
パレット６とが交互に連結されている。乗客は、駅２，
３において、手摺り１７のないパレット６から低床移動
体４上へ乗り込み、またここから降りるものとする。パ
レット上には、必要に応じて座席を設けることもでき
る。

【０００９】磁石ベルト駆動装置５は、軌道１の幅方向
の中央部に位置して、軌道１の延長方向に間隔をおいて
複数列設されている。磁石ベルト駆動装置５は、その長
さを低床移動体４と同等以下とする。そして、低床移動
体４が常に少なくとも１つの磁石ベルト駆動装置５に吸
着するように設置間隔が設定されている。磁石ベルト駆
動装置５は、軌道１の延長方向に離れて設けられた駆動
及び従動のプーリ１３，１４と、これらのプーリ１３，
１４間に掛け回された磁石ベルト１５とを具備する。駆
動プーリ１３はモータ１６に連結されている。磁石ベル
ト１５は、パレット６の下部にある磁気吸着面１１に吸
着して、低床移動体４の全体を引き動かす。

【００１０】以上の構成により、有限長の動く歩道とし
ての低床移動体４が、周回軌道１上を順次走行する。低
床移動体４が所定の低速で走行するときに、駅２，３に
おいて乗客が横方向に移動して乗降を行う。駅２，３間
の距離が、低床移動体４の全長より十分に長い場合に
は、低床移動体４の駅中間速度を上げて平均速度を高く
することができる。低床移動体４が連続しておらず有限
長であるため、多様な運行形態をとることができる。軌
道１が水平方向に周回する構成であるため、パレット６
上に手摺りや座席を設けることができ、その形態の自由
度が比較的大きい。

【００１１】

【発明の効果】以上のように、本発明においては、走行
面１ａとガイド面１ｂとを有する軌道１を水平方向に循
環するように敷設し、軌道１上には複数の低床移動体４
を配置して、軌道１のガイド面１ｂに進路を案内されな
がら走行面１ａ上を走行できるようにし、低床移動体４
を移動させるための磁石ベルト駆動装置５を軌道１に沿
って所定の間隔で複数設け、それの磁石ベルト１５に低
床移動体４の磁気吸着面１１を吸着して移動させるよう
にし、軌道１上の複数の低床移動体４の相互間隔と走行
速度とを制御装置で自在に制御し、低床移動体４は、複
数のパレット６を走行方向に互いに自在連結して構成
し、パレット６は、ベース８に走行車輪９とガイド車輪
１０とを設けて構成し、ベース８の上部に乗客を乗せ、
走行車輪９を軌道１の走行面１ａ上で転動させ、ガイド
車輪１０を軌道のガイド面１ｂ上で転動させるようにし
て動く歩道を構成したため、平面上で周回運行でき、か
つ中間駆動が自由に行えるので、比較的長い距離（中距
離）の輸送に適用できる。有限長の低床移動体４を動く
歩道とするので、全線停止を行うことなく、保安上必要
な乗降駅での短時間停止ができ、また可変速が容易にな
る。輸送量に応じて軌道１上の低床移動体４の数を調整
し、無駄のない運行が行える。単位長当たりの重量を小
さくできるので、支持桁も簡易化でき、全体として設備
費用を縮小することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】動く歩道の一部の概略的正面図である。

【図２】動く歩道の一部の概略的平面図である。

【図３】動く歩道の概略的断面図である。

【図４】低床移動体の概略的正面図である。

【図５】低床移動体の概略的平面図である。

【図６】低床移動体の概略的側面図である。

【図７】動く歩道の軌道全体の概略的平面図である。

【符号の説明】

１ 軌道 １ａ 走行面 １ｂ ガイド面 ２ 駅 ３ 駅 ４ 低床移動体 ５ 磁石ベルト駆動装置 ６ パレット ７ 自在連結部 ８ ベース ９ 走行輪 １０ ガイド輪 １１ 磁気吸着面 １２ シェルター １３ 駆動プーリ １４ 従動プーリ １５ 磁石ベルト １６ モータ １７ 手摺り

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行面と走行面に垂直のガイド面とを有
   し水平方向に循環するように敷設された軌道と、 軌道のガイド面に進路を案内されながら走行面上を走行
   可能に軌道上に設けられた複数の低床移動体と、 磁石ベルトに前記低床移動体を吸着して移動させるよう
   に前記軌道に沿って相互に所定の間隔をおいて複数設け
   られた磁石ベルト駆動装置と、 軌道上の複数の低床移動体の相互間隔と走行速度とを制
   御する制御装置とを具備し、 前記低床移動体は、前記軌道上を走行可能な複数のパレ
   ットを走行方向に互いに自在連結して成り、 このパレットは、上部に乗客を乗せ受けるベースと、前
   記軌道の走行面上を転動するようにベースに支持された
   走行車輪と、前記軌道のガイド面上を転動するようにベ
   ースに支持されたガイド車輪と、前記磁石ベルトに吸着
   するようにベースに設けられた磁気吸着面とを具備する
   ことを特徴とする動く歩道。
2. 【請求項２】 前記磁石ベルト駆動装置が、前記軌道の
   幅方向の中央部に位置して延長方向に列設され、軌道の
   延長方向に離れて設けられた駆動及び従動のプーリと、
   これらのプーリ間に掛け回された磁石ベルトとを具備
   し、 前記パレットのベースの下部に、前記磁石ベルトに吸着
   する磁気吸着面が設けられていることを特徴とする請求
   項１に記載の動く歩道。
3. 【請求項３】 前記軌道をシェルターで覆い、このシェ
   ルター内で前記低床移動体を移動させるようにしたこと
   を特徴とする請求項１に記載の動く歩道。
4. 【請求項４】 少なくとも一部の前記パレットの側縁上
   に手摺りを立設したことを特徴とする請求項１に記載の
   動く歩道。
5. 【請求項５】 少なくとも一部の前記パレット上に座席
   を設けたことを特徴とする請求項１に記載の動く歩道。