JPH11139095A - 転写フィルム及びそれを用いたゴルフボール - Google Patents

転写フィルム及びそれを用いたゴルフボール

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JPH11139095A
JPH11139095A JP9291703A JP29170397A JPH11139095A JP H11139095 A JPH11139095 A JP H11139095A JP 9291703 A JP9291703 A JP 9291703A JP 29170397 A JP29170397 A JP 29170397A JP H11139095 A JPH11139095 A JP H11139095A
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龍平 亀谷
Susumu Muta
進 牟田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴルフボールに図柄を低い転写温度で熱転写
することができ、且つ転写された図柄が良好な耐衝撃性
を有する転写フィルム及びこの転写フィルムを用いたゴ
ルフボールの提供を課題とする。 【解決手段】 転写フィルムのインキ層の組成をウレタ
ン樹脂とポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂の少なくと
も一方とを含有する組成とする。ウレタン樹脂は強固な
塗膜造りに寄与し、ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂は
インキ層の低軟化温度化に寄与する。これにより、イン
キ層の転写温度を低くすることが可能となる。また、こ
れらの樹脂としてそれぞれ水酸基を有するものを用い、
図柄の転写後に2液反応性のスプレー塗装でゴルフボー
ル全体にウレタンのクリアー塗膜を形成する。このスプ
レー塗装時に、塗液中のイソシアネートと上記樹脂の水
酸基とが反応してウレタン結合が生じ、図柄の耐衝撃性
が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物品に所定の図柄
を転写するのに用いられる転写フィルム及びそれを用い
てマーキングしたゴルフボールに関し、特に、ゴルフボ
ールに対して図柄を比較的低い温度で熱転写方式により
転写することのできる転写フィルム及びそれを用いてマ
ーキングしたゴルフボールに関する。
【0002】
【従来の技術】各種物品にロゴマークや文字等の図柄を
転写するのに用いられる転写フィルムは、一般に、帯状
のベースフィルムの片面に例えばグラビア印刷やスクリ
ーン印刷等により所定の図柄を印刷してインキ層を設け
たものであって、このインキ層を物品表面に位置合わせ
した状態でベースフィルムの裏面から加熱したパッドを
圧着させることにより上記図柄を物品側に転写させるも
のであるが、特に、ゴルフボールに図柄を転写する場合
は、該ゴルフボールが使用される状況を考慮すると、転
写されたインキ層の剥離し難いことが他の被転写物に図
柄を転写する場合と比べて強く要求される。
【0003】一般に、ゴルフボールの場合、図柄の転写
後にその上からウレタンのクリアー塗装がなされてボー
ルないし図柄の艶出し及び保護が図られるのが通例であ
るが、このとき、転写された図柄のインキ層とそのトッ
プコートのウレタン層との間の密着性が弱いと、この図
柄部分における耐衝撃性が低下してインキが剥げ易くな
る。
【0004】この問題に対処する技術として、特開平7
−89214号公報には、上記インキに所定のヒドロキ
シル価を有するウレタン樹脂を用いることが開示されて
いる。これによれば、該インキの転写後のウレタン塗膜
の形成を2液反応タイプのスプレー塗装で行なったとき
には、その塗液中に存在するイソシアネートとインキ層
のヒドロキシル基とが反応して、該インキとウレタント
ップコートとの間に新たなウレタン結合が生じ、インキ
の密着性ないし耐衝撃性が強化されて図柄が剥げ難くな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報に
は、このインキ層を例えば130°C程度に加熱したシ
リコーン製のパッドを用いてゴルフボールに熱転写する
ことが開示され、転写温度としては低いものであると説
明されている。一般に、この種の転写フィルムにおいて
熱転写方式を採用する場合は、被転写物に与える熱的損
傷、すなわちゴルフボールの場合でいうとディンプルや
ボール自体の熱による変形等の問題や、ポリプロピレン
もしくはこれとグラシン紙とのラミネート箔等で構成さ
れるベースフィルムの熱収縮に起因する図柄の皺の問
題、あるいは転写時の光熱コスト等を考えると、できる
だけ低温度でインキ層を軟化させて図柄を転写できるよ
うにすることが望まれる。この意味で、上記公報開示の
技術では、軟化温度が比較的高いウレタン樹脂のみを主
材とするインキを用いているので、より低い転写温度を
実現するには限界があるものと考えられる。
【0006】そこで、本発明は、転写された図柄の密着
性ないし耐衝撃性が強化されて剥離し難いと共に、該図
柄の転写温度を低くすることのできる転写フィルム及び
それを用いてマーキングを施したゴルフボールの提供を
課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するもの
として、まず、本願の請求項1に記載された発明(以下
「第1発明」という)は、ベースフィルムの片面に、転
写すべき所定の図柄に印刷されたインキ層が設けられて
いる転写フィルムであって、上記インキ層が、所定のヒ
ドロキシル価を有するウレタン樹脂と、同じく所定のヒ
ドロキシル価を有するポリエステル樹脂又はエポキシ樹
脂の少なくともいずれかとを含有することを特徴とす
る。
【0008】また、請求項2に記載された発明(以下
「第2発明」という)は、上記第1発明において、ウレ
タン樹脂のヒドロキシル価は0以上0.2未満であり、
ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂のヒドロキシル価は
60以上250以下であることを特徴とする。
【0009】さらに、請求項3に記載された発明(以下
「第3発明」という)は、上記第1発明又は第2発明に
おいて、インキ層にさらにポリエチレンイミン樹脂が含
有されていることを特徴とする。
【0010】そして、請求項4に記載された発明(以下
「第4発明」という)は、上記第3発明において、ウレ
タン樹脂100重量部に対し、ポリエステル樹脂又はエ
ポキシ樹脂の少なくもいずれかが5ないし10重量部、
ポリエチレンイミン樹脂が0.5ないし2.0重量部含
有されていることを特徴とする。
【0011】一方、請求項5〜8に記載された発明は、
上記第1〜第4発明に係る転写フィルムを用いてマーキ
ングを施したゴルフボールに関するもので、このうち、
請求項5に記載された発明(以下「第5発明」という)
に係るゴルフボールは、所定のヒドロキシル価を有する
ウレタン樹脂と、同じく所定のヒドロキシル価を有する
ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂の少なくともいずれ
かとを含有するインキ層によるマーキングが施されてい
ることを特徴とする。
【0012】また、請求項6に記載された発明(以下
「第6発明」という)に係るゴルフボールは、上記第5
発明において、ウレタン樹脂のヒドロキシル価は0以上
0.2未満であり、ポリエステル樹脂又はエボキシ樹脂
のヒドロキシル価は60以上250以下であることを特
徴とする。
【0013】さらに、請求項7に記載された発明(以下
「第7発明」という)に係るゴルフボールは、上記第5
発明又は第6発明において、インキ層にポリエチレンイ
ミン樹脂が含有されていることを特徴とする。
【0014】そして、請求項8に記載された発明(以下
「第8発明」という)に係るゴルフボールは、上記第7
発明において、インキ層がウレタン樹脂100重量部に
対し、ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂の少なくとも
いずれかが5ないし10重量部、ポリエチレンイミン樹
脂が0.5ないし2.0重量部含有していることを特徴
とする。
【0015】このように、本願の第1〜第4発明に係る
転写フィルムにおいては、ベースフィルム上のインキ層
が、ウレタン樹脂だけでなく、これに比べて軟化温度の
低いポリエステル樹脂や低融点のエポキシ樹脂を含有し
ているので、該インキ層全体としての軟化温度がウレタ
ン樹脂のみを主材とする場合に比べて低くなり、したが
ってこの転写フィルムの図柄を熱転写する際の転写温度
を低くすることが可能となって、被転写物に与える熱的
損傷や、ベースフィルムの熱収縮、あるいは光熱コスト
等の問題が低減される。
【0016】一方、上記のウレタン樹脂、ポリエステル
樹脂及びエポキシ樹脂のそれぞれが有為な所定のヒドロ
キシル価を有するから、特に、ゴルフボールの図柄の転
写にこの転写フィルムが用いられ、該図柄の上からウレ
タントップコートが2液反応タイプのスプレー塗装等で
施された場合に、転写されたインキ層とこの上から塗布
されたウレタン層との間に新たなウレタン結合が生じ
て、インキ層ないし図柄の耐剥離性が向上されることに
なる。
【0017】その場合に、第2発明のように、ウレタン
樹脂のヒドロキシル価を0以上0.2未満としたのは、
ヒドロキシル価が0.2以上の値となると、分子間水素
結合による軟化温度上昇が顕著となってインキ層全体と
しての低軟化温度化が阻害されるからである。また、ウ
レタン樹脂のヒドロキシル価が0でもよいとする理由
は、インキ層の低軟化温度化を優先させるという理由と
共に、もう一方のポリエステル樹脂やエポキシ樹脂のヒ
ドロキシル価が高く、インキ層とスプレー塗装のウレタ
ン層との反応性がこちらの方で十分補えるからである。
【0018】そして、ポリエステル樹脂又はエポキシ樹
脂のヒドロキシル価を60以上250以下としたのは、
ヒドロキシル価が60未満の値となると、インキ層とウ
レタン層との間の結合度が弱くなり、また、250を超
える値となると、分子間水素結合による軟化温度上昇が
顕著となってインキ層全体としての低軟化温度化が阻害
されるからである。なお、このポリエステル樹脂又はエ
ポキシ樹脂のヒドロキシル価は、より好ましくは140
〜210である。
【0019】さらに、第3発明のように、上記ウレタン
樹脂及びポリエステル樹脂やエポキシ樹脂に加えてポリ
エチレンイミン樹脂を含有させると、被転写物に対する
インキ層の密着性が向上される。
【0020】また、これら各成分の含有量としては、第
4発明のように、ウレタン樹脂100重量部に対し、ポ
リエステル樹脂又はエポキシ樹脂の少なくともいずれか
を5ないし10重量部、ポリエチレンイミン樹脂を0.
5ないし2.0重量部とすることが好ましい。ポリエス
テル樹脂やエポキシ樹脂が5重量部未満では、インキ層
全体としてのウレタン層との反応性、及び低軟化温度化
が十分得られず、また、10重量部を超えると、図柄を
構成するインキ塗膜の強度、剛性が低下する。一方、ポ
リエチレンイミン樹脂が0.5重量部未満では、これが
もたらすインキ層と被転写物との間の密着性向上の効果
が十分得られず、また、2.0重量部を超えて含有させ
てもその効果がそれほど上がらない。
【0021】なお、上記第1〜第4発明の転写フィルム
で用いるベースフィルムとしては、従来から一般に用い
られるポリプロピレンフィルムないし二軸延伸ポリプロ
ピレンフィルムや、これとグラシン紙とのラミネート箔
等が使用可能である。また、ベースフィルムへのインキ
の印刷法としても、従来から行なわれるグラビア印刷方
式やスクリーン印刷方式等が採用可能である。
【0022】一方、本願の第5〜第8発明に係るゴルフ
ボールは、上記した組成を有するインキ層を有するた
め、通常トップコートとして用いられるウレタン層との
密着性がよく、マーキングされた図柄の耐久性に優れ
る。また、転写も90℃から120℃と比較的低温で行
うことができるので、ゴルフボール表面のディンプル形
状の熱変形もほとんどない。
【0023】なお、上記各発明のゴルフボールは、ワン
ピース、ツーピース、スリーピース、その他の多層ソリ
ッドゴルフボールでもよく、糸巻きゴルフボールであっ
てもよい。
【0024】また、マーキングが施されるゴルフボール
の表面のカバー層の材料としては、アイオノマー樹脂、
ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、それらの混
合物等を用いることができる。
【0025】また、マーキング前の下地処理としては、
公知のプラズマ処理或は塩素系の薬品による化学的処理
等のいずれでも適用可能である。
【0026】さらに、マーキングの方法としては特に限
定はなく、公知のアップダウン転写機等を用いた方法が
利用できる。転写温度は転写フィルムと接触するシリコ
ンゴムパッドの表面温度として、90℃から150℃、
特に90℃から120℃で、転写時間は2秒以内が好ま
しい。
【0027】そして、その上から、2液反応タイプのウ
レタン樹脂塗料によるクリアー塗装が施される。この塗
装はスプレー塗装が好ましいが、特にこれに限定される
ものではない。なお、このウレタン樹脂塗料としては公
知のものを使用することができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例を通じてさらに詳しく
説明する。
【0029】実施例1 ・転写フィルムの作成 ベースフィルムとして厚さ20ミクロンメータの二軸延
伸ポリプロピレンフィルムを用い、このフィルム上に、
ヒドロキシル価が0.1のポリウレタン樹脂を100重
量部、ヒドロキシル価が150のポリエステル樹脂を8
重量部、及びポリエチレンイミン樹脂を1.2重量部含
有し、さらに、顔料としてのカーボンブラックを10重
量部配合した組成のインキを有機溶剤で希釈して、グラ
ビア印刷方式により、縦3mm×横3mmの大きさの
「H」の文字の図柄を1ミクロンメータの厚みに印刷
し、本発明に係る転写フィルムAを作成した。また、同
様にして、インキ組成を変えた転写フィルムB,C,
D,Eを作成した。表1に各転写フィルムのインキ組成
をまとめて示す。
【0030】
【表1】 ・図柄の熱転写 これらの転写フィルムA,B,C,D,Eを用いて、代
表的なプラズマ処理アイオノマー樹脂表面のゴルフボー
ルに対し、それぞれ図柄を熱転写した。転写温度は90
°Cとし、シリコンパッドで1秒間圧着した。次に、こ
の転写した図柄の上からゴルフボール全体に2液反応タ
イプのスプレー塗装でウレタンのトップコートを施し、
乾燥、硬化させた。
【0031】・耐衝撃性試験及び耐摩耗性試験 以上のようにして得られたゴルフボールを時速140k
mで鋼板に200回衝突させて耐衝撃性試験を行ない、
また、砂とともに2時間撹拌して耐摩耗性試験を行なっ
て、それぞれ図柄部分の剥離具合ないし欠損具合を目視
観察したところ、いずれの転写フィルムA,B,C,
D,Eから転写した「H」の文字も解読不能となること
なく、良好な密着状態のままゴルフボール表面に表示さ
れていた。
【0032】実施例2 ・ゴルフボールの作成 ポリブタジエンゴムを主成分とする架橋ゴム製のコア
に、ショアD硬度65のアイオノマー樹脂を主成分とす
るカバー材料を2mm厚に被覆してなるツーピースボー
ルを複数個準備した。なお、このボールの表面は、実施
例1で用いたボールと同様にプラズマ表面処理した。
【0033】上記ボールのそれぞれに対し、実施例1で
作成した転写フィルムEと同様のものを用いて縦3mm
×横3mmの大きさの「H」文字マークを転写した。
【0034】転写温度は90℃、100℃、120℃、
130℃、150℃のいずれかとし、他の条件は実施例
1と同様とした。なお、転写温度は、転写フィルムに直
接接触するシリコンパッド表面の温度を表面温度計によ
って測定した。
【0035】・転写性、接着性評価 この段階で、20個のボールにつき、マーキングした文
字が完全に転写されたかどうかを目視にて観察し、判定
した。結果を表2に示す。
【0036】次に、マーキングインキの接着性評価とし
て、セロテープによる剥離テストを行った。セロテープ
としては、住友スリーエム株式会社のクリアーテープを
使用した。結果を同様に表2に示す。
【0037】さらに、上記のマーキングを施したボール
の上から、実施例1で用いたものと同様のウレタンクリ
アー塗料をスプレー塗装し、このボールについて、マー
キング部の塗れ状態を観察した。
【0038】・耐久試験 次に、上記のボールについて、下記のマークに関する耐
久試験を行った。
【0039】(衝突試験)マーキングされたボールを#
1ウッドを用い、45m/sのヘッドスピードで布製の
的に向け、繰り返し200回打撃し、マーキングの損傷
の度合いを目視で判定した。結果を表3に示す。
【0040】(砂摩耗試験)磁器製のボールミルにゴル
フ場のバンカーに用いられる砂を入れ、それにボールを
一緒に入れて2時間回転させた。その後、ボールを取り
出し、マーキング部の剥離、損傷を以下の基準で目視で
評価した。結果を表3に示す。
【0041】(砂水摩耗試験)磁器製のボールミルにバ
ンカー砂と水とを同重量入れて3時間回転させ、マーキ
ング部の剥離、損傷を目視で評価した。評価基準は上記
の砂摩耗試験と同様とした。結果を表3に示す。
【0042】なお、表3中、「○」は、試験前後でマー
クの変化や欠けがないことを示し、「×」は、試験によ
りマークの剥離や欠けが発生したことを示す。
【0043】・比較例 転写フィルムとして、実施例1と同じベースフィルムの
上に、ヒドロキシル価が3のポリウレタン樹脂100重
量部、カーボンブラック10重量部を含有する組成のイ
ンキ層を設けたフィルムを用い、それ以外は実施例2と
同一の方法で作成したボールを比較例として準備し、上
記の各種耐久試験を行った。その結果は、実施例2と併
記して表2、表3に示す。
【0044】以上の結果、表2から明らかなように、実
施例2のインキは転写性、接着性とも優れているだけで
なく、低温で転写できることも確認された。
【0045】また、転写後のボールのディンプルの形状
の変化については、150℃の転写温度では変形が見ら
れ、130℃で若干の変形が見られたが、120℃、1
00℃、90℃では変化は見られなかった。したがっ
て、低温での転写が可能な実施例のインキはディンプル
に与える影響の点で有利となる。
【0046】さらに、クリアー塗装の塗れ性について
は、実施例2のボール及び比較例のボールともマーキン
グ部でのハジキもなく、両者とも問題なかった。
【0047】また、表3から明らかなように、実施例2
のボールのマーキング部の耐久性については、いずれの
試験においても良好な結果が得られ、特に低温で転写し
たときの耐久性が比較例よりも優れていることが確認さ
れた。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る転写
フィルムは、そのベースフィルム上のインキ層に軟化温
度の低い低融点のポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、あ
るいはこれらの混合物を含有するから、該インキ層の軟
化温度が全体として低くなり、その結果、低い転写温度
で図柄を転写することが可能となって、被転写物に与え
る変形等の熱的損傷や、ベースフィルムの熱収縮、ある
いは熱転写に要する光熱コスト等の問題が低減される。
【0051】そして、上記ポリエステル樹脂及びエポキ
シ樹脂にも大きなヒドロキシル価が与えられているか
ら、図柄の転写後に2液反応タイプのウレタン塗膜が形
成される際に、このインキ層とウレタン塗膜との間にも
ウレタン結合が生じて図柄が剥離し難くなる。
【0052】したがって、上記転写フィルムを用いてマ
ーキングを施した本発明によるゴルフボールは、転写に
起因するディンプル形状の熱変形もなく、設計値に極め
て近いディンプル形状を有することとなり、良好な飛行
特性を有することになる。
フロントページの続き (72)発明者 比留川 賢 京都市伏見区下鳥羽城ノ越町135番地 株 式会社昭和インク工業所内 (72)発明者 亀谷 龍平 大阪市阿倍野区播磨町1丁目14番31号 亀 谷産業株式会社内 (72)発明者 牟田 進 埼玉県秩父市大野原20番地 ブリヂストン スポーツ株式会社内 (72)発明者 大平 隆志 埼玉県秩父市大野原20番地 ブリヂストン スポーツ株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースフィルムの片面に、転写すべき所
    定の図柄に印刷されたインキ層が設けられている転写フ
    ィルムであって、上記インキ層が、所定のヒドロキシル
    価を有するウレタン樹脂と、同じく所定のヒドロキシル
    価を有するポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂の少なく
    ともいずれかとを含有することを特徴とする転写フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 ウレタン樹脂のヒドロキシル価は0以上
    0.2未満であり、ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂
    のヒドロキシル価は60以上250以下であることを特
    徴とする請求項1に記載の転写フィルム。
  3. 【請求項3】 インキ層にさらにポリエチレンイミン樹
    脂が含有されていることを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の転写フィルム。
  4. 【請求項4】 ウレタン樹脂100重量部に対し、ポリ
    エステル樹脂又はエポキシ樹脂の少なくもいずれかが5
    ないし10重量部、ポリエチレンイミン樹脂が0.5な
    いし2.0重量部含有されていることを特徴とする請求
    項3に記載の転写フィルム。
  5. 【請求項5】 所定のヒドロキシル価を有するウレタン
    樹脂と、所定のヒドロキシル価を有するポリエステル樹
    脂又はエポキシ樹脂の少なくともいずれかとを有するイ
    ンキ層によるマーキングが施されていることを特徴とす
    るゴルフボール。
  6. 【請求項6】 ウレタン樹脂のヒドロキシル価は0以上
    0.2未満であり、ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂
    のヒドロキシル価は60以上250以下であることを特
    徴とする請求項5に記載のゴルフボール。
  7. 【請求項7】 インキ層にさらにポリエチレンイミン樹
    脂が含有されていることを特徴とする請求項5又は請求
    項6に記載のゴルフボール。
  8. 【請求項8】 インキ層は、ウレタン樹脂100重量部
    に対し、ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂の少なくと
    もいずれかが5ないし10重量部、ポリエチレンイミン
    樹脂が0.5ないし2.0重量部含有していることを特
    徴とする請求項7に記載のゴルフボール。
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Cited By (3)

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